JP2016150983A - 非水系インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

非水系インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出安定性に優れ、隠蔽性に優れた記録物を得ることのできる非水系インクジェットインク組成物、及び該非水系インクジェットインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。【解決手段】平均粒子径が200nm以上400nm以下である白色顔料と、下記式1で表され、引火点が70℃以下であるグリコールジエーテルと、下記式2で表されるグリコールモノエーテルと、を含有する、非水系インクジェットインク組成物。式1 : R1O−(R2O)m−R3(式1中、R1及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、mは1〜4の整数である。)式2 : HO−(R4O)n−R5(式2中、R4は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、非水系インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、吐出安定性等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、長期保存安定性、吐出安定性、印刷物の下地に対する隠蔽性、印刷物の速乾性に優れたインクジェット記録用油性白色インク組成物を提供することを目的として、白色顔料と、該白色顔料が、アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆された、平均粒子径が0.15μm以上0.25μm以下である酸化チタン微粒子を、0.01質量%以上0.50質量%以下のSiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンでさらに被覆したものであり、グリコールエーテルジアルキルエーテル類溶剤と、アクリル系共重合物を含有する分散剤と、及び グリコールエーテルジアルキルエーテル類溶剤又は環状エステル類溶剤中において、ラジカル重合開始剤を用いて溶液重合により得られたアクリル系樹脂とを含んでなる、インク組成物が開示されている。
特開2008−248008号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインク組成物は、インク組成物の吐出安定性や、得られる記録物の隠蔽性が未だ十分ではないという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、吐出安定性に優れ、隠蔽性に優れた記録物を得ることのできる非水系インクジェットインク組成物、及び該非水系インクジェットインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の組成を有するインク組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
平均粒子径が200nm以上400nm以下である白色顔料と、
下記式1で表され、引火点が70℃以下であるグリコールジエーテルと、
下記式2で表されるグリコールモノエーテルと、を含有する、
非水系インクジェットインク組成物。
式1 : R1O−(R2O)m−R3
(式1中、R1及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、mは1〜4の整数である。)
式2 : HO−(R4O)n−R5
(式2中、R4は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
〔2〕
前記グリコールジエーテルの含有量が、40〜90wt%である、前項〔1〕に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔3〕
前記グリコールモノエーテルの含有量が、20wt%以下である、前項〔1〕又は〔2〕に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔4〕
前記白色顔料の含有量が、5.0〜20wt%である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔5〕
前記グリコールモノエーテルの含有量に対する前記グリコールジエーテルの含有量の比(前記グリコールジエーテルの含有量/前記グリコールモノエーテルの含有量)が、2.0以上30未満である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔6〕
環状ラクトンをさらに含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔7〕
塩化ビニル系樹脂をさらに含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔8〕
被記録媒体に対して、付着量10〜30mg/inch2で付着させられる、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
〔9〕
被記録媒体に対して、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物を付着させる付着工程を有する、
インクジェット記録方法。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔非水系インクジェットインク組成物〕
本実施形態の非水系インクジェットインク組成物は、平均粒子径が200nm以上400nm以下である白色顔料と、下記式1で表され、引火点が70℃以下であるグリコールジエーテルと、下記式2で表されるグリコールモノエーテルと、を含有する。
式1 : R1O−(R2O)m−R3
(式1中、R1及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、mは1〜4の整数である。)
式2 : HO−(R4O)n−R5
(式2中、R4は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
インクジェット記録方式に使用されるインクとしては、主溶媒として水を用いる水系インクと、主溶媒として有機溶剤を用いる溶剤インク(非水系インク)とが一般に用いられている。非水系インクは、インク中の水の含有量は好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。溶剤インクには大別して、リアルソルベント(高溶剤)インクと、エコソルベント(低溶剤)インクの2つがある。エコソルベントインクは、低臭気性で人体や環境に配慮した有機溶剤に色材を分散している溶剤インクである。エコソルベントインクに用いられる有機溶剤は、労働安全衛生法が定める有機溶剤に該当しない、有機溶剤中毒予防則に定める第1種および第2種有機溶剤に該当しない、あるいは消防法に定める設置環境の屋内作業場において局所排気装置の義務付対象外となる有機溶剤であることが特徴である。
白色顔料を含む溶剤インクを被記録媒体上に付着させることにより、白色の下地を形成することができる。これにより、白色下地の上にカラーインクを付着させることにより得られる記録物の画質がより向上する。このような用途においては、白色顔料が被記録媒体上にまんべんなく配される(隠蔽性が高い)ことが好ましい。
しかしながら、このような白色顔料の付着態様の制御は、容易ではない。例えば、平均粒径の大きい顔料を用いるほど隠蔽性は向上するが、吐出安定性が低下する傾向にある。また、インク組成物の乾燥性が低い場合、被記録媒体上に付着したインク滴が乾燥するまで、そのインク滴中で、顔料が遊泳可能な時間が長くなり、顔料同士の凝集が促進される。また、インク滴は異なる揮発性を有する複数種の溶媒を含むため、その乾燥過程において揮発性の低い溶媒がリッチとなる。これによっても、顔料分散安定性が害され、より顔料同士の凝集が促進されることが考えられる。さらに、インク組成物の乾燥性が高すぎる場合には、白色顔料が被記録媒体上に十分に濡れ広がる前に溶剤が乾燥してしまい、隠蔽性が低下する。
このようなインク組成物の乾燥性に関する白色顔料の付着態様の制御は、おおよそ一様な乾燥性が期待できる水系インクよりも、多種多様な溶剤が用いられ得る溶剤インクにおいてより困難となる傾向にある。
これに対して、本実施形態のインク組成物は、所定の平均粒径を有する顔料と、所定のグリコールジエーテルと、所定のグリコールモノエーテルと、を共に含むことにより、吐出安定性を確保し、隠蔽性に優れた記録物を得ることができるものである。以下、本実施形態のインク組成物の各成分について、具体的に説明する。
〔白色顔料〕
白色顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、及び酸化ジルコニウムの白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。
白色顔料の平均粒子径は、200〜400nmであり、好ましくは225〜375nmであり、より好ましくは250〜350nmであり、さらに好ましくは270〜330nmである。白色顔料の平均粒子径が200nm以上であることにより、得られる記録物の隠蔽性がより向上する。また、白色顔料の平均粒子径が400nm以下であることにより、吐出安定性がより向上する。なお「平均粒子径」とは、特に断りがない限りは体積基準の平均粒子径である。測定方法としては、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて回折散乱光の光強度分布パターンを検出し、その光強度分布パターンをMie散乱理論に基づいて計算することにより体積基準の粒度分布を求められる。その粒度分布から算出された体積平均粒子径は算出可能である。このようなレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)が挙げられる。
白色顔料の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0〜25wt%であり、より好ましくは10〜20wt%であり、さらに好ましくは7.5〜17.5wt%である。白色顔料の含有量が5.0wt%以上であることにより、得られる記録物の隠蔽性がより向上する傾向にある。また、白色顔料の含有量が25wt%以下であることにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。本発明のインク組成物は上記の白色顔料を含む白色インク組成物とすることが、隠蔽性などの優れる記録物とすることができる点で好ましい。
〔グリコールジエーテル〕
グリコールジエーテルは、下記式1で表される。このようなグリコールジエーテルを含むことにより、インク組成物の乾燥性が向上し得られる記録物の隠蔽性がより向上し、凝集ムラの発生も抑制できる。
式1 : R1O−(R2O)m−R3
(式1中、R1及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、mは1〜4の整数である。)
グリコールジエーテルの引火点は、70℃以下であり、好ましくは30〜65℃であり、より好ましくは40〜60℃である。グリコールジエーテルの引火点が70℃以下であることにより、インク組成物の乾燥性が向上し得られる記録物の隠蔽性がより向上し、凝集ムラの発生も抑制できる。なお、グリコールジエーテルの引火点が70℃超過である場合、乾燥性が悪化し、顔料同士の凝集に依る凝集ムラが発生し、隠蔽性も低下する。ここで、「引火点」とは、タグ密閉式引火点試験器による引火点が80℃以下では無い場合はクリーブランド開放式引火点試験器による引火点とし、タグ密閉式引火点試験器による引火点が80℃以下の場合は、当該引火点における溶剤の動粘度が10cSt未満の場合はタグ密閉式引火点試験器による引火点とし、当該引火点における溶剤の動粘度が10cSt以上の場合はセタ密閉式引火点試験器による引火点とする。
このようなグリコールジエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、グリコールジエチルエーテル(35℃)、エチレングリコールジメチルエーテル(−6℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(63℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(56℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(56℃)、プロピレングリコールジメチルエーテル(6.5℃)が挙げられる(カッコ内は引火点)。グリコールジエーテルは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
グリコールジエーテルの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは35〜90wt%であり、より好ましくは40〜90wt%であり、さらに好ましくは50〜80wt%である。グリコールジエーテルの含有量が35wt%以上であることにより、インク組成物の乾燥性が向上し得られる記録物の隠蔽性がより向上し、凝集ムラの発生も抑制できるがより向上する傾向にある。また、グリコールジエーテルの含有量が90wt%以下であることにより、インク組成物の乾燥性が低下し濡れ広がりが十分となるため記録物の隠蔽性がより向上する傾向にある。
〔グリコールモノエーテル〕
グリコールモノエーテルは、下記式2で表される。このようなグリコールモノエーテルを含むことにより、乾燥性が高すぎることを抑制でき、インクの記録媒体での広がりを良くし得られる記録物の隠蔽性がより向上する。
式2 : HO−(R4O)n−R5
(式2中、R4は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
このようなグリコールモノエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(44℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(43℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(60℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(41℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(86℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(78℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(93℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(79℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(96℃)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(161℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(138℃)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(135℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(143℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(38.5℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(36℃)が挙げられる(カッコ内は引火点)。グリコールモノエーテルは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
グリコールモノエーテルの引火点は、好ましくは75〜140℃であり、より好ましくは80〜130℃であり、さらに好ましくは90〜120℃である。グリコールモノエーテルの引火点が上記範囲内であることにより、得られる記録物の隠蔽性がより向上し、凝集ムラも抑制される傾向にある。
グリコールジエーテルの引火点とグリコールモノエーテルの引火点との差(グリコールモノエーテルの引火点−グリコールジエーテルの引火点)は、好ましくは10〜100℃であり、より好ましくは20〜90℃であり、さらに好ましくは30〜80℃である。グリコールジエーテルの引火点とグリコールモノエーテルの引火点との差が上記範囲内であることにより、得られる記録物の隠蔽性がより向上し、凝集ムラも抑制される傾向にある。当該引火点の差は、グリコールジエーテル及び又はグリコールモノエーテルとして複数種をインクに含む場合は、グリコールジエーテル、グリコールモノエーテル毎に、複数種の各引火点をインクに対する含有量で加重平均した値とする。
グリコールモノエーテルの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは40wt%以下であり、より好ましくは20wt%以下であり、さらに好ましくは1.0〜25wt%であり、よりさらに好ましくは1.0〜12.5wt%であり、特に好ましくは3.0〜10wt%であり、さらに特好ましくは3.0〜7.5wt%である。グリコールモノエーテルの含有量が1.0wt%以上であることにより、インクの得られる記録物の隠蔽性がより向上する傾向にある。グリコールモノエーテルの含有量が40wt%以下であることにより、得られる記録物の凝集ムラがより抑制される傾向にある。
グリコールモノエーテルの含有量に対するグリコールジエーテルの含有量の比A(グリコールジエーテルの含有量/グリコールモノエーテルの含有量)は、好ましくは2.0以上30未満であり、より好ましくは5.0〜25であり、さらに好ましくは10〜20である。比Aが上記範囲内であることにより、得られる記録物の隠蔽性がより向上し、凝集ムラも抑制される傾向にある。
〔環状ラクトン〕
インク組成物は、環状ラクトンをさらに含んでもよい。環状ラクトンを含むことにより、得られる記録物の耐擦性がより向上する傾向にある。環状ラクトンとしては、特に限定されないが、例えば、エステル結合による環状構造を持つ化合物であり、5員環構造のγ−ラクトン、6員環構造のδ−ラクトン、7員環構造のε−ラクトン等が挙げられる。より具体的には、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクタムが挙げられる。このなかでも、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンがより好ましい。
環状ラクトンの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.10〜5.0wt%であり、より好ましくは0.50〜3.5wt%であり、さらに好ましくは1.0〜2.5wt%である。環状ラクトンの含有量が0.10wt%以上であることにより、耐擦性がより向上する傾向にある。また、環状ラクトンの含有量が5.0wt%以下であることにより、インクの記録媒体への浸透を抑制し隠蔽性がより向上する傾向にある。
〔定着樹脂〕
インク組成物は、定着樹脂をさらに含んでもよい。定着樹脂を含むことにより、耐擦性がより向上する傾向にある。定着樹脂としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル系樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂等が挙げられる。このなかでも塩化ビニル系樹脂が好ましい。このような定着樹脂を用いることにより、フィルム記録媒体への定着性がより向上する傾向にあり、特に塩ビ製のフィルム記録媒体への定着性が一層向上する傾向にある。
塩化ビニル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル重合体、塩酢ビ樹脂などの塩化ビニル共重合体などが挙げられる。
定着樹脂の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.10〜10wt%であり、より好ましくは0.50〜7.5wt%であり、さらに好ましくは1.0〜5.0wt%である。定着樹脂の含有量が0.10wt%以上であることにより、耐擦性がより向上する傾向にある。また、定着樹脂の含有量が10wt%以下であることにより、吐出安定性がより向上する傾向にある。
〔界面活性剤〕
インク組成物は、界面活性剤をさらに含んでもよい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、インクの広がり性や、記録物表面の滑りを良くし耐擦性を一層優れたものにする観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、以下に限定されないが、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
6O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)zH・・・(3)
(上記式(3)中、R6は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素数5〜15のアルキル基を表し、より好ましくは炭素数10〜15のアルキル基を表す。また、wは1〜20の値であり、x、y、及びzは互いに独立して0又は1〜20の値である。さらに、w、x、y、及びzは、5≦w+x+y+z≦30を満たし、好ましくは5≦w+x+y+z≦25を満たす。)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、特に限定されないが、具体的には、
1225O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1327O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8H、
1225O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(ここで、w+y=15、x+z=4)、
1327O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(ここで、w+y=15、x+z=4)、
1225O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1327O(C24O)8(C36O)2(C24O)6H、
1225O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
1327O(C24O)12(C36O)2(C24O)12H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5H、
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5H、
1429O(C24O)14(C36O)2H、
1123O(C24O)8H、
1021O(C24O)11H、及び
1225O(C24O)15Hが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、特に限定されないが、具体的には、
ノイゲンDL−0415(R6O(C24O)W(C36O)x(C24O)y(C36O)zH、「R6」:炭素数12,13のアルキル、w+y=15、x+z=4、HLB値15.0)、
ノイゲンET−116B(R6O(C24O)7(C36O)4.5H、「R6」:炭素数12,14のアルキル、HLB値12.0)、
ノイゲンET−106A(R6O(C24O)5(C36O)3.5H、「R6」:炭素数12,14のアルキル、HLB値10.9)、
ノイゲンDH−0300(R6O(C24O)2H、「R6」:炭素数14のアルキル、HLB値4.0)、
ノイゲンYX−400(R6O(C24O)40H、「R6」:炭素数12のアルキル、HLB値18.1)、
ノイゲンEA−160(C91964O(C24O)16.8H、HLB値15.4)(以上、第一工業製薬社製)、及び
エマルゲン1108(花王社製商品名、R6O(C24O)8H、「R6」:炭素数11のアルキル、HLB値13.4)が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−96−2cs、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.10〜7.5wt%であり、より好ましくは0.50〜5.0wt%であり、さらに好ましくは1.0〜3.0wt%である。
〔分散剤〕
インク組成物は、顔料を分散させる分散剤をさらに含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、高分子分散剤が挙げられる。
アニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、及び、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物が挙げられる。
上記芳香族スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、β−ナフトールスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸との混合物、クレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸との混合物、リグニンスルホン酸等が挙げられる。
ノニオン系分散剤としては、特に限定されないが、例えば、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
高分子分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物等が挙げられる。
〔その他の成分〕
本実施形態で用いるインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインク組成物の劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
〔インクジェット記録方法〕
本実施形態のインクジェット記録方法は、被記録媒体に対して、上記非水系インクジェットインク組成物を付着させる付着工程を有する。
〔付着工程〕
付着工程は、インクジェット法を用いて、インク組成物を被記録媒体に付着させる工程である。インクジェット方式によるインク組成物の吐出は、公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。吐出方法としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができる。
非水系インクジェットインク組成物の被記録媒体に対する付着量は、好ましくは1〜35mg/inch2であり、より好ましくは10〜30mg/inch2であり、さらに好ましくは15〜25mg/inch2である。付着量が上記範囲である場合、得られる記録物の隠蔽性に優れ、かつ凝集ムラが抑制される点で好ましい。また、本発明のインク組成物であれば、付着量が上記範囲内であったとしても、乾燥性、得られる記録物の隠蔽性に優れ、かつ凝集ムラが抑制される傾向にある。上記付着量は、付着工程において、少なくとも上記付着量の範囲である付着工程を有すればよいものである。好ましくは、付着工程における最大の付着量として上記範囲である。
〔被記録媒体〕
本実施形態で用い得る被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、吸収性被記録媒体、低吸収性被記録媒体、非吸収性被記録媒体が挙げられる。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インク組成物の浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)、紙からなる支持体を有する被記録媒体等が挙げられる。
インク低吸収性または非吸収性の被記録媒体とは、インク組成物を全く吸収しない、またはほとんど吸収しない性質を有する被記録媒体を指す。定量的には、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である被記録媒体」を指す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。これに対して、インク吸収性の被記録媒体とは、インク非吸収性および低吸収性に該当しない被記録媒体のことを示す。
インク非吸収性の被記録媒体としては、例えば、インク吸収層を有していないプラスチックフィルム、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、インク低吸収性の被記録媒体としては、表面にインクを受容するための塗工層が設けられた被記録媒体が挙げられ、例えば、基材が紙であるものとしては、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられ、基材がプラスチックフィルムである場合には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の表面に、親水性ポリマーが塗工されたもの、シリカ、チタン等の粒子がバインダーとともに塗工されたものが挙げられる。
さらに上記の被記録媒体以外にも、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、ガラスなどのインク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体を用いることもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
チタニア(TiO2) 粒径:155nm
チタニア(TiO2) 粒径:209nm
チタニア(TiO2) 粒径:315nm
チタニア(TiO2) 粒径:385nm
チタニア(TiO2) 粒径:445nm
〔環状ラクトン〕
γ−ブチロラクトン
ε−バレロラクトン
〔グリコールジエーテル〕
DEGMEE(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、引火点63℃)
DEGdME(ジエチレングリコールジメチルエーテル、引火点56℃)
DEGdEE(ジエチレングリコールジエチルエーテル、引火点71℃)
DEGBME(ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、引火点94℃)
TriEGdME(トリエチレングリコールジメチルエーテル、引火点113℃)
〔グリコールモノエーテル〕
DPGmBE(ジプロピレングリコールモノブチルエーテル)
TriEGmBE(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)
〔分散剤〕
BYK2050
〔界面活性剤〕
ノイゲンLP−70 (第一工業製薬、ポリオキシアルキレンエーテル)
〔定着樹脂〕
ソルバインCL(日信化学工業社製、塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂)
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、フィルタで不溶解物を除去することにより、各インクを調製した。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
Figure 2016150983
<記録物の作製方法>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式「SC−S70650」)を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を透明PETメディア(リンテック社、型番E−1000ZC)上に記録解像度720×1440dpiで18mg/inch2の付着量となるよう印刷をした後、25℃−65%RH(相対湿度)にて1日間乾燥させて各例の記録物を作製した。
〔吐出安定性〕
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式「SC−S70650」)に搭載されているピエゾ素子の振動数を5kHzとし、その駆動波形を最適化した状態で、各インク組成物についてヘッドの各ノズルから300秒間の液滴の連続吐出を行い、その後300秒間液滴の吐出を中断した(1シーケンス)。その後、同様に、液滴の連続吐出、及び、吐出の中断の操作を10シーケンス繰り返し行った。10シーケンス終了時において、ノズル360個中の不吐出ノズル数をカウントすることにより印字安定性評価(間欠評価)を行った。その評価結果を表1に示す。なお、評価基準は、以下の通りである。
(評価基準)
○:不吐出ノズル数が0個
△:不吐出ノズル数が1〜4個
×:不吐出ノズル数が5個以上
〔画質(隠蔽性)〕
得られた記録物について、隠蔽性の評価を行った。具体的には、各サンプルを偏角測色計ARM−500V(製品名、日本分光株式会社製)にセットして、可視光領域(380nm〜800nm)における1nm毎の各波長の透過率Tn(%)を走査速度2000nm/minで測定した。得られた波長毎の透過率を積分して、隠蔽度Sを求めた。隠蔽度
Sは、0〜32000の間の数値で、完全な遮蔽(隠蔽)では0、完全な透過では32000である。その評価結果を表1に示す。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
○:隠蔽度Sが500未満
△:隠蔽度Sが500以上1000未満
×:隠蔽度Sが1000以上
〔凝集ムラ〕
得られた記録物の記録面における顔料の凝集ムラを目視にて観察することにより、凝集ムラの評価を行った。その評価結果を表1に示す。なお、評価基準は、以下の通りである。
(評価基準)
○:拡大観察でも凝集ムラが認められない。
△:拡大観察で凝集ムラが認められる。
×:凝集ムラが認められる。
〔耐擦性〕
得られた記録物を、JIS K5701(ISO 11628)に準じて、学振式摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、商品名「AB−301」)を用いて耐擦性の評価を行った。すなわち、記録物の記録面に綿布を載せ、荷重500gで20回往復させて擦り、擦った後の記録物の記録面の剥離状態を目視にて観察した。その評価結果を表1に示す。なお、評価基準は、以下の通りである。
(評価基準)
○:綿布に汚れが無い。記録面に傷が無い。
△:綿布に記録物の付着がある。記録面に傷がほとんど無い。
×:綿布に記録物の付着がある。記録面に傷がある。
以上のとおり、実施例では、吐出安定性に優れ、隠蔽性に優れた記録物を得ることができた。これに対して、顔料の平均粒子径が小さい比較例1では、得られる記録物の隠蔽性が悪く、また、顔料の平均粒子径の大きい比較例2では、吐出安定性が悪かった。また、顔料の平均粒子径が300nmのものであっても、グリコールジエーテルの引火点が高い場合には、乾燥性が悪く、隠蔽性が低下することが分かった。また、グリコールジエーテルの引火点が高いほど、乾燥性が悪く、凝集ムラが発生しやすいことが分かった。さらにグリコールモノエーテルを含有しない場合には、乾燥性が高過ぎ、隠蔽性が低下することが分かった。

Claims (9)

  1. 平均粒子径が200nm以上400nm以下である白色顔料と、
    下記式1で表され、引火点が70℃以下であるグリコールジエーテルと、
    下記式2で表されるグリコールモノエーテルと、を含有する、
    非水系インクジェットインク組成物。
    式1 : R1O−(R2O)m−R3
    (式1中、R1及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、mは1〜4の整数である。)
    式2 : HO−(R4O)n−R5
    (式2中、R4は、各々独立して、炭素数2〜3のアルキレン基であり、R5は、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
  2. 前記グリコールジエーテルの含有量が、40〜90wt%である、請求項1に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  3. 前記グリコールモノエーテルの含有量が、20wt%以下である、請求項1又は2に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  4. 前記白色顔料の含有量が、5.0〜20wt%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  5. 前記グリコールモノエーテルの含有量に対する前記グリコールジエーテルの含有量の比(前記グリコールジエーテルの含有量/前記グリコールモノエーテルの含有量)が、2.0以上30未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  6. 環状ラクトンをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  7. 塩化ビニル系樹脂をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  8. 被記録媒体に対して、付着量10〜30mg/inch2で付着させられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  9. 被記録媒体に対して、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水系インクジェットインク組成物を付着させる付着工程を有する、
    インクジェット記録方法。
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