JP2005290217A - インクジェットインクセット、インクカートリッジ、記録装置及び記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、メディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することのできるインクジェット用インクセットを提供することにある。
【解決手段】 本発明は、少なくとも色材として顔料を含む非水系インクと、少なくとも色材として顔料を含む水系インクと、からなるインクジェットインクセットを提供する。また、本発明は、前記インクセットを少なくとも含むインクカートリッジ、該インクカートリッジを少なくとも備えた記録装置、前記インクセットを少なくとも用いて記録する記録装置、及び該記録装置により記録された記録物をそれぞれ提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、少なくとも色材として顔料を含む非水系インクと、少なくとも色材として顔料を含む水系インクと、からなるインクジェットインクセットを提供する。また、本発明は、前記インクセットを少なくとも含むインクカートリッジ、該インクカートリッジを少なくとも備えた記録装置、前記インクセットを少なくとも用いて記録する記録装置、及び該記録装置により記録された記録物をそれぞれ提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、メディア(記録媒体)上で非水系顔料インクと水系顔料インクとが合わされることにより、メディア全般に対して(吸収メディアに限らず非吸収メディアにも)滲みの少ない印字物等の記録画像を形成することのできるインクジェットインクセット、並びにこれを用いたインクカートリッジ、記録装置及び記録物に関する。
従来から、メディア上にインクジェット法等により画像を記録した際の記録物の滲みを改善する技術が種々開発されている。
特開2004−9406号公報には、滲みや光学濃度等の改善を目的として、顔料、水溶性溶媒及び水を含み且つ特定の物性を備えたインクと、該インク中の顔料を凝集させる作用を有する液体組成物と、を含んで構成されるインクジェット記録用インクセットが開示されている(特許公報1)。
また、特開2004−10833号公報には、同様に滲みや光学濃度等の改善を目的として、顔料等の色材、水溶性溶媒及び水を含み且つ特定の物性を備えたインクと、該インクを凝集させる作用を有し且つ特定の物性を備えた液体組成物と、を含んで構成されるインクジェット記録用インクセットが開示されている(特許公報2)。
しかし、何れも水を含む水系インクと液体組成物とを用いたこれらの水系インクセットでは、記録画像の滲み改善効果が不十分で画質が低下したり、記録するメディアの種類によって滲みの発生の有無が生じることもあるといった問題がある。
ところで、インクジェット記録方式には主溶媒として水を用いる水性インクと、主溶媒として有機溶媒を用いる油性インク(非水系インク)とが一般に用いられている。水性インクを用いた印刷画像は、一般的に耐水性に劣り、耐水表面を有するメディアへの印刷が困難であるのに対し、油性インクは耐水性に優れた印刷画像を提供することができると共に、耐水性表面を有するメディアへの印刷も容易になるなどの利点を有する。更に、色材に顔料を用いる油性インクは、耐光性にも優れている。しかし、油性インクでは、吸収性のメディアに印刷した場合には、良好な画質が得られないという問題がある。
特開2004−9406号公報
特開2004−10833号公報
本発明が解決しようとする問題点は、前述した従来技術における問題点である。
従って、本発明の目的は、メディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することのできるインクジェット用インクセットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる優れたインクセットを用いたインクカートリッジ、記録装置及び記録物を提供することにある。
本発明者は、記録画像の滲み改善を図るべく、鋭意研究した結果、油性顔料インク等の水を含まない非水系顔料インクと共に、水を含む水系の顔料インクを組み合わせてなるインクセットが、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、下記1.に示すインクセットを提供するものである。
1.少なくとも色材として顔料を含む非水系インクと、少なくとも色材として顔料を含む水系インクと、からなるインクジェットインクセット。
1.少なくとも色材として顔料を含む非水系インクと、少なくとも色材として顔料を含む水系インクと、からなるインクジェットインクセット。
また、本発明は、下記2.〜15.に示す発明をそれぞれ提供するものである。
2.前記非水系インクが、更にアルキレングリコール化合物を含む、前記1記載のインクセット。
3.前記アルキレングリコール化合物が、ジエチレングリコール化合物及びジプロピレングリコール化合物のうち少なくとも1つを含む、前記2記載のインクセット。
4.前記ジエチレングリコール化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテルである、前記3記載のインクセット。
5.前記ジプロピレングリコール化合物が、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルである、前記3記載のインクセット。
6.前記アルキレングリコール化合物が、更にオキシアルキレン基の付加モル数が3以上のポリアルキレングリコール化合物を含む、前記3〜5の何れかに記載のインクセット。
7.前記ポリアルキレングリコール化合物が、トリエチレングリコールモノエーテル化合物である、前記6記載のインクセット。
8.前記水系インクが、更に多価アルコールを含む、前記1〜7の何れかに記載のインクセット。
9.前記水系インクが、更に分散剤を含む、前記1〜8の何れかに記載のインクセット。
10.前記非水系インク及び前記水系インクそれぞれに含まれる顔料が、同一である、前記1〜8の何れかに記載のインクセット。
11.前記非水系インク及び前記水系インクは、それぞれ顔料として酸化チタンを含む、前記1〜9の何れかに記載のインクセット。
12.前記1〜11の何れかに記載のインクセットを少なくとも含むインクカートリッジ。
13.前記12記載のインクカートリッジを少なくとも備えた記録装置。
14.前記1〜11の何れかに記載のインクセットを少なくとも用いて記録する記録装置。
15.前記14記載の記録装置により記録された記録物。
2.前記非水系インクが、更にアルキレングリコール化合物を含む、前記1記載のインクセット。
3.前記アルキレングリコール化合物が、ジエチレングリコール化合物及びジプロピレングリコール化合物のうち少なくとも1つを含む、前記2記載のインクセット。
4.前記ジエチレングリコール化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテルである、前記3記載のインクセット。
5.前記ジプロピレングリコール化合物が、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルである、前記3記載のインクセット。
6.前記アルキレングリコール化合物が、更にオキシアルキレン基の付加モル数が3以上のポリアルキレングリコール化合物を含む、前記3〜5の何れかに記載のインクセット。
7.前記ポリアルキレングリコール化合物が、トリエチレングリコールモノエーテル化合物である、前記6記載のインクセット。
8.前記水系インクが、更に多価アルコールを含む、前記1〜7の何れかに記載のインクセット。
9.前記水系インクが、更に分散剤を含む、前記1〜8の何れかに記載のインクセット。
10.前記非水系インク及び前記水系インクそれぞれに含まれる顔料が、同一である、前記1〜8の何れかに記載のインクセット。
11.前記非水系インク及び前記水系インクは、それぞれ顔料として酸化チタンを含む、前記1〜9の何れかに記載のインクセット。
12.前記1〜11の何れかに記載のインクセットを少なくとも含むインクカートリッジ。
13.前記12記載のインクカートリッジを少なくとも備えた記録装置。
14.前記1〜11の何れかに記載のインクセットを少なくとも用いて記録する記録装置。
15.前記14記載の記録装置により記録された記録物。
本発明によれば、メディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することのできるインクジェットインクセット、該インクセットを用いたインクカートリッジ、メディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することのできる記録装置、及び滲みが少なく優れた画質を備えた記録物が提供される。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明のインクセットは、既述の通り、少なくとも色材として顔料を含む非水系インクと、少なくとも色材として顔料を含む水系インクと、からなることを特徴とする。
本発明は、上記の構成からなるため、メディア全般に対して滲みが少なく、優れた画質の記録画像を形成することができる。本発明のインクセットによれば、非水系インクの色材としての顔料と水系インクの色材としての顔料が共にメディア上で凝集することで、より滲み難くなるため、単一のインクを使用した場合よりも高デューティな印刷ができる。特に、高濃度で滲みのない画像の形成が可能である。さらに、このような顔料の凝集により、隠蔽性の高い記録物を形成することができる。
本発明のインクセットにおける非水系インクに使用される顔料としては、従来の非水系インクや水系インク等インク全般に通常用いられている顔料を用いることができる。
そのような顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ベンズイミダゾロン、アンスラピリミジン、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、又は金属錯体顔料等を用いることができる。これらの顔料を単独で用いるか、あるいはそれらの2種又はそれ以上の組み合わせで使用することもできる。
顔料の具体例としては、非水系インクの種類(色)に応じて適宜挙げられる。
例えば、イエローインク用の顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントイエロー74,110,128,147及び150からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
また、マゼンタインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
また、シアンインク用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4,60等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントブルー15:3及び/又は15:4を用いることが好ましい。
また、ブラックインク用の顔料としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等を用いることができ、特にカーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のC.I.ピグメントブラック7類のものが挙げられる。
また、ホワイトインク(白インク)用の顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができ、特に酸化チタンを用いることが好ましい。
顔料は、その形状や大きさに特に限定されるものではないが、好ましくは平均粒径が50〜500nmの粒子状のものである。
顔料の含有量は、用途や印刷特性によって適宜選択することができるが、非水系インク全体の重量に対して好ましくは0.5〜25重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、最も好ましく1〜10重量%である。
また、非水系インクは、顔料に加え、乾燥目詰まり防止の点で、更にアルキレングリコール化合物を含むことが好ましい。かかるアルキレングリコール化合物は、非水系インクにおける有機溶媒として機能するものである。
非水系インクに使用することのできるアルキレングリコール化合物としては、その種類に特に制限されるものではないが、特に、分散安定性、吐出安定性が得られ易い点で、特にジエチレングリコール化合物及びジプロピレングリコール化合物のうち少なくとも1つであることが好ましい。
前記のジエチレングリコール化合物としては、例えば、一般式(I);
R11−O−C2H4−O−C2H4−O−R12 (I)
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はR13CO基であり、R13は炭素数1〜4のアルキル基である。)
で表されるジエチレングリコール化合物を用いることができる。
R11−O−C2H4−O−C2H4−O−R12 (I)
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はR13CO基であり、R13は炭素数1〜4のアルキル基である。)
で表されるジエチレングリコール化合物を用いることができる。
本明細書において「炭素数1〜4のアルキル基」は、直鎖状又は分枝状のアルキル基であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であることができる。
好ましいジエチレングリコール化合物としては、例えば、ジエチレングリコール;ジエチレングリコールエーテル(特に、アルキルエーテル)、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル;又は、ジエチレングリコールエステル、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、若しくはジエチレングリコールモノアセテートを挙げることができる。
これらの中では、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、若しくはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
本発明においては、特に、分散安定性、吐出安定性がより得られ易い点で、ジエチレングリコール化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテルであることが好ましい。
前記のジプロピレングリコール化合物としては、例えば、一般式(II);
R21−O−C3H6−O−C3H6−O−R22 (II)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はR23CO基であり、R23は炭素数1〜4のアルキル基である。)
で表されるジプロピレングリコール化合物を用いることができる。
R21−O−C3H6−O−C3H6−O−R22 (II)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はR23CO基であり、R23は炭素数1〜4のアルキル基である。)
で表されるジプロピレングリコール化合物を用いることができる。
好ましいジプロピレングリコール化合物としては、例えば、ジプロピレングリコール;又はジプロピレングリコールエーテル(特に、アルキルエーテル)、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、若しくはジプロピレングリコールモノエチルエーテルを挙げることができる。
本発明においては、特に、分散安定性、吐出安定性がより得られ易い点で、ジプロピレングリコール化合物が、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルであることが好ましい。
また、本発明においては、アルキレングリコール化合物として、前記ジエチレングリコール化合物と前記ジプロピレングリコール化合物との混合物を用いることが好ましい。該混合物を用いる場合には、前記ジエチレングリコール化合物と前記ジプロピレングリコール化合物との混合比(重量比)は、好ましくは20:80〜80:20の範囲であり、更に好ましくは30:70〜70:30の範囲である。混合比が、20:80〜80:20の範囲内にあると、印字安定性及び保存安定性が向上する。
また、アルキレングリコール化合物としては、前述したジエチレングリコール化合物及びジプロピレングリコール化合物のうち少なくとも1つ(好ましくはこれらの混合物)と共に、更にオキシアルキレン基の付加モル数が3以上のポリアルキレングリコール化合物を含むことが、乾燥目詰まり防止、吐出安定性確保の点で好ましい。
前記のポリアルキレングリコール化合物としては、例えば、一般式(III):
R31−O−(C2H4−O)n−H (III)
〔式中、R31は、炭素数1〜6のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基)であり、nは、3〜6の整数である。〕
で表されるポリエチレングリコールモノエーテル化合物等が挙げられる。
R31−O−(C2H4−O)n−H (III)
〔式中、R31は、炭素数1〜6のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基)であり、nは、3〜6の整数である。〕
で表されるポリエチレングリコールモノエーテル化合物等が挙げられる。
本明細書において「炭素数1〜6のアルキル基」は、直鎖状又は分枝状のアルキル基であることができ、例えば、前記の「炭素数1〜4のアルキル基」に加えて、直鎖状又は分枝状のペンチル基、又は直鎖状又は分枝状のヘキシル基であることができる。
好ましい前記ポリアルキレングリコール化合物としては、例えば、トリエチレングリコールモノエーテル化合物(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテル)等のポリエチレングリコールモノエーテル化合物、あるいは、前記一般式(III)においてnが4〜6であるポリエチレングリコールモノエーテル化合物(特に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)の混合物、例えば、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルと、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテルと、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルとの混合物を挙げることができる。
本発明においては、特に、乾燥目詰まり防止及び吐出安定性を向上させる点で、前記のポリアルキレングリコール化合物が、トリエチレングリコールモノエーテル化合物であることが好ましい。
アルキレングリコール化合物(全体)の含有量は、印刷特性によって適宜選択することができるが、非水系インク全体の重量に対して好ましくは50〜99重量%、より好ましくは85〜95重量%である。
特に、アルキレングリコール化合物として、前記ジエチレングリコール化合物及び前記ジプロピレングリコール化合物に加えて、前記ポリアルキレングリコール化合物を含む場合には、それらの含有量は、前記ジエチレングリコール化合物30〜50重量部及び前記ジプロピレングリコール化合物30〜50重量部に対して、前記ポリアルキレングリコール化合物10〜30重量部の比率であることが好ましい。これらの含有量の比率がこのような範囲にあると、吐出安定性をより向上できる点で好ましい。
非水系インクにおいては、有機溶媒として、前記アルキレングリコール化合物の他に、その他の有機溶媒を含有することができる。
非水系インクに用いることのできる、その他の有機溶媒としては、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、又はフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、又はプロピオン酸エチル等)、又はエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、又はジオキサン等)等を用いることができる。
有機溶媒については、アルキレングリコール化合物が、前記ジエチレングリコール化合物及び前記ジプロピレングリコール化合物を含み、前記ポリアルキレングリコール化合物を含まない場合には、前記ジエチレングリコール化合物と前記ジプロピレングリコール化合物が合計量で、非水系インク中の全有機溶媒成分の75重量%以上を占めることが好ましい。
また、有機溶媒としてのアルキレングリコール化合物が、前記ジエチレングリコール化合物及び前記ジプロピレングリコール化合物に加えて、前記ポリアルキレングリコール化合物を含む場合には、前記ジエチレングリコール化合物と前記ジプロピレングリコール化合物と前記ポリアルキレングリコール化合物の混合物が、非水系インク中の全有機溶媒成分の80重量%以上を占めることが好ましい。
非水系インクは、前記の顔料及び有機溶媒の他に、非イオン性のポリオキシエチレン誘導体を含むことができる。ポリオキシエチレン誘導体としては、常温常圧下で液体の化合物が好ましい。前記ポリオキシエチレン誘導体は、非水系インクに再溶解性を付与することができる。
前記のポリオキシエチレン誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル(例えば、ニッサンノニオンP−208;日本油脂株式会社)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(例えば、ニッサンノニオンE−202S,E−205S;日本油脂株式会社)、又はポリオキシエチレンラウリルエーテル(例えば、エマルゲン106,108;花王株式会社)、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル(例えば、ニッサンノニオンHS−204.5,HS−206,HS−208;日本油脂株式会社)、ソルビタンモノエステル、例えば、ソルビタンモノカプリレート(例えば、ニッサンノニオンCP−08R;日本油脂株式会社)、又はソルビタンモノラウレート(例えば、ニッサンノニオンLP−20R;日本油脂株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(例えば、ニッサンノニオンOT−221;日本油脂株式会社)、ポリカルボン酸系高分子活性剤(フローレンG−700;共栄社化学株式会社)、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(例えば、エマルゲン707,709;花王株式会社)、テトラグリセンリンオレート(例えば、ポエムJ−4581;理研ビタミン株式会社)、ノニルフェノールエトキシレート(例えば、アデカトールNP−620,NP−650,NP−660,NP−675,NP−683,NP−686;旭電化工業株式会社)、脂肪族リン酸エステル(例えば、アデカコールCS−141E,TS−230E;旭電化工業株式会社)、ソルビタンセスキオレート(例えば、ソルゲン30;第一工業製薬株式会社)、ソルビタンモノオレート(例えば、ソルゲン40;第一工業製薬株式会社)、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート(例えば、ソルゲンTW−20;第一工業製薬株式会社)、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレート(例えば、ソルゲンTW−80;第一工業製薬株式会社)を挙げることができる。更には、前記のポリオキシエチレン誘導体としてアセチレングリコール系界面活性剤を用いることができる。アセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、一般式(IV):
〔式中、0≦p+q≦50であり、R41、R42、R43、及びR44はそれぞれ独立してアルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である〕で表わされる化合物を挙げることができる。
前記一般式(IV)で表される化合物の中で、特に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどを挙げることができる。前記一般式(IV)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフイノール104、82、465、485、又はTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフインSTG、オルフインE1010(いずれも日信化学社製の商品名)を挙げることができる。
また、前記のポリオキシエチレン誘導体として、その他の市販品を利用することも可能であり、その具体例としては、ニッサンノニオンA−10R,A−13R(日本油脂株式会社)、フローレンTG−740W,D−90(共栄社化学株式会社)、エマルゲンA−90,A−60(花王株式会社)、又はノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社)を挙げることができる。
前記ポリオキシエチレン誘導体の含有量は、付与すべき再溶解性によって適宜選択することができるが、非水系インク中の顔料の含有量に対して、好ましくは5〜200重量%、より好ましくは30〜120重量%である。
非水系インクは、分散剤を含むことができる。分散剤としては、通常の油性インク組成物、特には、インクジェット記録用油性インク組成物等の非水系のインク組成物において用いられている任意の分散剤を用いることができ、特には、有機溶剤の溶解度パラメーターが8〜11のときに、有効に作用する分散剤を用いるのが好ましい。
こうした分散剤としては、市販品を利用することも可能であり、その具体例としては、ポリエステル系高分子化合物(ヒノアクトKF1−M,T−6000,T−7000,T−8000,T−8350P,T−8000E;武生ファインケミカル株式会社製)、solsperse20000,24000,32000,32500,33500,34000,35200(アビシア株式会社)、disperbyk−161,162,163,164,166,180,190,191,192(ビック・ケミー社)、フローレンDOPA−17,22,33,G−700(共栄社化学株式会社)、アジスパーPB821,PB711(味の素株式会社)、LP4010,LP4050,LP4055,POLYMER400,401,402,403,450,451,453(EFKAケミカルズ社)を挙げることができる。
また、分散剤として、上記に例示した以外の分散剤、例えばアクリル酸共重合体等を用いることもできる。
前記分散剤の含有量は、分散すべき顔料によって適宜選択することができるが、非水系インク中の顔料の含有量に対して、好ましくは30〜200重量%である。分散剤の含有量が30重量%未満では、インクを高温放置したとき、顔料の粒径が大きくなることがある。また、分散剤の含有量が200重量%を超えると、インクジェット印刷したとき、吐出曲がりが発生し易くなる。
非水系インクは、前記の顔料及び有機溶媒の他に、通常の油性インク組成物等の非水系のインク組成物に含まれているその他の添加剤を含むことができる。こうした添加剤としては、例えば、安定剤(例えば、酸化防止剤、又は紫外線吸収剤)、界面活性剤、及び/又はバインダー樹脂を挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、BHA(2,3−ブチル−4−オキシアニソール)又はBHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)を用いることができ、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、又はベンゾトリアゾール系化合物を用いることができる。また、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性、又は非イオン系のいずれの界面活性剤も用いることができる。更に、バインダー樹脂によって非水系インクの粘度を調整することができる。非水系インクの粘度(温度20℃における粘度)は、例えば、10mPa・s、より好ましくは5mPa・sである。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、繊維素系樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレート)、又はビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体を用いることができる。なお、バインダー樹脂は、その添加量により、メディアへの顔料の定着性を更に良好にすることもできる。
非水系インクは、公知の慣用方法によって調製することができる。例えば、最初に、顔料、分散剤、及び前記アルキレングリコール化合物(一部分)を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波、又はジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、バインダー樹脂、前記アルキレングリコール化合物(残量)、及びその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を撹拌下に加えて非水系インクを得ることができる。
非水系インクの物性は特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、インクがインクジェット記録用プリンタヘッドの表面に濡れ広がるか、又は滲み出してしまい、インク滴の吐出が困難になることがあり、表面張力が50mN/mを越えると、メディアの表面において濡れ広がらず、良好な印刷ができないことがある。
本発明のインクセットにおける水系インクは、前述した非水系インクと使用された際に、該非水系インク及び該水系インクそれぞれの顔料をメディア上で凝集させ、若しくはそれぞれ顔料の凝集を促進させて、記録画像の滲みを抑制するためのものである。
水系インクは、既述の通り少なくとも色材として顔料を含むものであり、その溶媒として水を含むものである。
水系インクに使用される顔料としては、従来の水系インクや非水系インク等インク全般に通常用いられている顔料を用いることができる。そのような顔料としては、前述した非水系インクに使用される顔料として例示したものが同様に挙げられる。従って、水系インクに使用される顔料については、前述の非水系インクに使用される顔料について詳述した事項、即ち、一般的な顔料の例、インクの種類に応じた顔料の具体例及びその好適例、顔料の形状、大きさ、含有量等が適宜適用される。
また、顔料の選定に際しては、前述した非水系インク及び該水系インクそれぞれに含まれる顔料が同一となるようにすることが、色斑防止の点で好ましい。
さらに、前述した非水系インク及び該水系インクは、それぞれ顔料として酸化チタンを含むことが、隠蔽性付与の点で好ましい。
水系インクは、顔料及び水と共に、更に多価アルコールを含むことが好ましい。水系インクが多価アルコールを含むことにより、乾燥目詰まり防止という効果がある。
そのような多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
多価アルコールは、水系インク中に、好ましくは10〜50重量%含有される。多価アルコールを10重量%以上添加すれば、乾燥目詰まりを有効に防止でき、一方、50重量%以下とすれば、インクの粘度を適切な範囲に保つことができる。
水系インクは、顔料及び水と共に、更に界面活性剤を含むことが好ましい。水系インクが界面活性剤を含むことにより、インク中の顔料等の分散性を高めると共に、水系インクが非水系インクと使用された際に、メディアへのインクの濡れ性を高めて浸透性を高めることができる。
そのような界面活性剤としては、特にインクの浸透性向上の観点から、アセチレングリコール類及び/又はポリシロキサン類が好ましく用いられる。
アセチレングリコール類としては、例えば、下記一般式(1)で表わされるアセチレングリコール系化合物が好ましく挙げられる。
(式中、0≦m+n≦50、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
上記一般式(1)で表されるアセチレングリコール系化合物としては、市販されているものを用いることができ、例えば、オルフィンY、サーフィノール82,440,465,STG,E1010(何れも商品名、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)などが挙げられる。
上記一般式(1)で表されるアセチレングリコール系化合物としては、市販されているものを用いることができ、例えば、オルフィンY、サーフィノール82,440,465,STG,E1010(何れも商品名、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)などが挙げられる。
ポリシロキサン類としては、例えば、下記一般式(2)で表わされるポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。
上記一般式(2)で表されるポリシロキサン系化合物としては、市販されているものを用いることができ、例えば、BYK348(ビックケミージャパン製)等を用いることができる。
また、界面活性剤として、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の各種界面活性剤を用いることもできる。
これらの界面活性剤は、その1種又は2種以上が用いられる。
界面活性剤は、水系インク中に、好ましくは0.1〜5.0重量%、更に好ましくは0.5〜3.0重量%含有される。
また、本発明においては、水系インク中の顔料を分散する分散剤として、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体塩、ポリアクリル酸カリウム塩等のポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩等のポリカルボン酸塩等を好適に用いることができる。分散剤は、水系インク中に、好ましくは20〜300重量%含有される。分散剤の含有量が20重量%未満では、分散安定性が得られにくいことがあり、300重量%を超えれば、吐出曲がりが発生するおそれがある。
水系インクはまた、非水系インクと使用された際に、メディアへのインクの濡れ性を高めて浸透性を向上させる点から、アルカンジオール類及び/又はグリコールエーテル類等の浸透溶媒を含むことができる。
アルカンジオール類としては、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
これらの浸透溶媒は、その1種又は2種以上が用いられる。
浸透溶媒は、水系インク中に、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%含有される。
水系インクには、その他必要に応じて、初期充填性を改良するためにピロリドン系溶媒(好ましくは2−ピロリドン)や、プロキセル(アビシア株式会社製)等の防腐剤、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩等のキレート剤等を含むこともできる。
本発明のインクセットが使用される対象のメディアとしては、インクジェット用に使用される全てのメディアが適用可能であり、例えば、普通紙、インクジェット専用紙等の吸収メディア、トランスペーランシー、塩ビ等の非吸収メディア等が挙げられる。
以上詳述したように、本発明についてその好適な実施形態に基づき説明したが、本発明は前述の実施形態に制限されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本発明によれば、更に、前述したインクジェトインクセットを用いたインクカートリッジ、該インクカートリッジを備えた記録装置、及び前述したインクジェットインクセットを用いて記録する記録装置を提供することができ、これらによりメディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することができる。
また、本発明によれば、前記記録装置により記録された記録物を提供することができ、これにより滲みが少なく優れた画質を備えた記録物を得ることができる。
以下に、本発明の実施例及び試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何等制限されるものではない。
以下に示す各配合組成からなる非水系インク(油性インク)及び水系インクをそれぞれ調製した。尚、組成中に示される下記成分の詳細は、それぞれ次の通りである。
DEGDEE:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DPGMME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
TEGMME:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
DPGMME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
TEGMME:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
(非水系インク1) (重量%)
C.I.ピグメントイエロー150・・4.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・8.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.0
セルロースアセテートブチレート・・・0.2
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・30.0
TEGMME・・・・・・・・・・・25.8
C.I.ピグメントイエロー150・・4.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・8.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.0
セルロースアセテートブチレート・・・0.2
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・30.0
TEGMME・・・・・・・・・・・25.8
(非水系インク2) (重量%)
C.I.ピグメントレッド122・・・3.5
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・3.5
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.0
セルロースアセテートブチレート・・・0.15
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・30.0
TEGMME・・・・・・・・・・・30.85
C.I.ピグメントレッド122・・・3.5
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・3.5
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.0
セルロースアセテートブチレート・・・0.15
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・30.0
TEGMME・・・・・・・・・・・30.85
(非水系インク3) (重量%)
C.I.ピグメントブルー15:4・・3.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・1.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.2
セルロースアセテートブチレート・・・0.2
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・63.6
C.I.ピグメントブルー15:4・・3.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・1.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.2
セルロースアセテートブチレート・・・0.2
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・63.6
(非水系インク4) (重量%)
カーボンブラック・・・・・・・・・・4.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・7.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・1.8
セルロースアセテートブチレート・・・0.25
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・56.95
カーボンブラック・・・・・・・・・・4.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・7.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・1.8
セルロースアセテートブチレート・・・0.25
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・56.95
(非水系インク5) (重量%)
TiO2 ・・・・・・・・・・・・・・6.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・6.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.0
セルロースアセテートブチレート・・・0.15
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・30.0
TEGMME・・・・・・・・・・・25.85
TiO2 ・・・・・・・・・・・・・・6.0
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・6.0
:「solsperse 20000」(アビシア株式会社製)
ポリオキシエチレンセチルエーテル・・2.0
セルロースアセテートブチレート・・・0.15
DEGDEE・・・・・・・・・・・30.0
DPGMME・・・・・・・・・・・30.0
TEGMME・・・・・・・・・・・25.85
(水系インク1) (重量%)
C.I.ピグメントイエロー150・・4.0
スチレン−アクリル酸共重合体塩・・・2.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・14.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.10
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・74.88
C.I.ピグメントイエロー150・・4.0
スチレン−アクリル酸共重合体塩・・・2.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・14.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.10
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・74.88
(水系インク2) (重量%)
C.I.ピグメントレッド122・・・3.5
スチレン−アクリル酸共重合体塩・・・0.7
グリセリン・・・・・・・・・・・・17.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.10
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・73.68
C.I.ピグメントレッド122・・・3.5
スチレン−アクリル酸共重合体塩・・・0.7
グリセリン・・・・・・・・・・・・17.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.10
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・73.68
(水系インク3) (重量%)
C.I.ピグメントブルー15:4・・3.0
スチレン−アクリル酸共重合体塩・・・9.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・19.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・63.98
C.I.ピグメントブルー15:4・・3.0
スチレン−アクリル酸共重合体塩・・・9.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・19.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・63.98
(水系インク4) (重量%)
カーボンブラック・・・・・・・・・・4.0
ポリアクリル酸カリウム塩・・・・・・4.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・20.0
2−ピロリドン・・・・・・・・・・・2.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.30
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・64.68
カーボンブラック・・・・・・・・・・4.0
ポリアクリル酸カリウム塩・・・・・・4.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・20.0
2−ピロリドン・・・・・・・・・・・2.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.30
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・64.68
(水系インク5) (重量%)
TiO2 ・・・・・・・・・・・・・・6.0
ポリカルボン酸アンモニウム塩・・・12.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・12.0
エチレングリコール・・・・・・・・・9.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.30
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・55.68
TiO2 ・・・・・・・・・・・・・・6.0
ポリカルボン酸アンモニウム塩・・・12.0
グリセリン・・・・・・・・・・・・12.0
エチレングリコール・・・・・・・・・9.0
1,2−ヘキサンジオール・・・・・・5.0
プロキセルXL2・・・・・・・・・・0.30
EDTA−2Na・・・・・・・・・・0.02
水・・・・・・・・・・・・・・・・55.68
(実施例1〜5)
調製した非水系インク及び水系インクの中から適宜な組合せを採用することにより、次に示すインクセットを選定した。
調製した非水系インク及び水系インクの中から適宜な組合せを採用することにより、次に示すインクセットを選定した。
実施例1:非水系インク1と水系インク1とを組み合わせたインクセット
実施例2:非水系インク2と水系インク3とを組み合わせたインクセット
実施例3:非水系インク3と水系インク2とを組み合わせたインクセット
実施例4:非水系インク4と水系インク4とを組み合わせたインクセット
実施例5:非水系インク5と水系インク5とを組み合わせたインクセット
実施例2:非水系インク2と水系インク3とを組み合わせたインクセット
実施例3:非水系インク3と水系インク2とを組み合わせたインクセット
実施例4:非水系インク4と水系インク4とを組み合わせたインクセット
実施例5:非水系インク5と水系インク5とを組み合わせたインクセット
(インク凝集試験)
実施例1〜5のインクセットにおける非水系インク及び水系インクをそれぞれ1ミリグラムずつ、同一のスライドガラスにつけた。その後、これらの非水系インクと水系インクとをガラス上で混合した際に、非水系インク及び水系インク中の顔料の凝集が認められるかどうかの評価を行った。比較のために、次に示すインクセット(比較例1及び2)を用いて同様の試験、評価を行った。
実施例1〜5のインクセットにおける非水系インク及び水系インクをそれぞれ1ミリグラムずつ、同一のスライドガラスにつけた。その後、これらの非水系インクと水系インクとをガラス上で混合した際に、非水系インク及び水系インク中の顔料の凝集が認められるかどうかの評価を行った。比較のために、次に示すインクセット(比較例1及び2)を用いて同様の試験、評価を行った。
比較例1:非水系インク1及び2の両インクを組み合わせたインクセット
比較例2:水系インク1及び2の両インクを組み合わせたインクセット
試験結果
実施例1〜5のインクセットによれば、同一顔料、異なる顔料の組み合わせに関わらず、顔料の凝集が認められた。
比較例2:水系インク1及び2の両インクを組み合わせたインクセット
試験結果
実施例1〜5のインクセットによれば、同一顔料、異なる顔料の組み合わせに関わらず、顔料の凝集が認められた。
比較例1及び2のインクセットでは、顔料が凝集しなかった。
この結果から、非水系インクと水系インクとを組み合わせた本発明のインクセット(実施例1〜5)を用いれば、顔料の凝集を促進することが判る。
(実施例6)
実施例6として、非水系インク2と水系インク2とを組み合わせたインクセットを使用した。
実施例6として、非水系インク2と水系インク2とを組み合わせたインクセットを使用した。
(吐出インク凝集試験1)
実施例6のインクセットにおける非水系インク2及び水系インク2を、セイコーエプソン株式会社製のプリンタMJ8000Cのインクカートリッジに充填した。このプリンタを用いて、メディア上において非水系インク2の上に水系インク2が来るように吐出し、印刷を行った。メディアは、吸収性を有するゼロックスP紙及び非吸収性のターポリンの二種を用いた。印刷後、メディア上に滲みが認められるかどうかの評価を行った。
実施例6のインクセットにおける非水系インク2及び水系インク2を、セイコーエプソン株式会社製のプリンタMJ8000Cのインクカートリッジに充填した。このプリンタを用いて、メディア上において非水系インク2の上に水系インク2が来るように吐出し、印刷を行った。メディアは、吸収性を有するゼロックスP紙及び非吸収性のターポリンの二種を用いた。印刷後、メディア上に滲みが認められるかどうかの評価を行った。
試験結果
実施例6のインクセットは、メディアの種類にかかわらず、滲みのない印刷が行われた。
実施例6のインクセットは、メディアの種類にかかわらず、滲みのない印刷が行われた。
(実施例7)
実施例7として、非水系インク4と水系インク1とを組み合わせたインクセットを使用した。
実施例7として、非水系インク4と水系インク1とを組み合わせたインクセットを使用した。
(吐出インク凝集試験2)
実施例7のインクセットにおける非水系インク4及び水系インク1を、セイコーエプソン株式会社製のプリンタMJ8000Cのインクカートリッジに充填した。このプリンタを用いて、メディア上において水系インク1のベタ印刷の上に非水系インク4の細線が印刷されるように吐出し、印刷を行った。印刷デューティは共に100%であった。メディアは、吸収性を有するゼロックスP紙及び非吸収性のターポリンの二種を用いた。印刷後、メディア上に滲みが認められるかどうかの評価を行った。
実施例7のインクセットにおける非水系インク4及び水系インク1を、セイコーエプソン株式会社製のプリンタMJ8000Cのインクカートリッジに充填した。このプリンタを用いて、メディア上において水系インク1のベタ印刷の上に非水系インク4の細線が印刷されるように吐出し、印刷を行った。印刷デューティは共に100%であった。メディアは、吸収性を有するゼロックスP紙及び非吸収性のターポリンの二種を用いた。印刷後、メディア上に滲みが認められるかどうかの評価を行った。
また、比較のために、下記のインクセット(比較例3)を用いて、非水系インク1のベタ印刷の上に非水系インク4の細線が印刷されるように吐出し、同様の試験、評価を行った。この際、印刷デューティは実施例7の場合と同様に両インク共に100%とした試験に加え、両インク共に50%とした試験も行った。
比較例3:非水系インク1と非水系インク4とを組み合わせたインクセット
試験結果
実施例7のインクセットによれば、メディアの種類にかかわらず、黒の細線が滲みなく印刷されていた(印刷デューティ100%)。
試験結果
実施例7のインクセットによれば、メディアの種類にかかわらず、黒の細線が滲みなく印刷されていた(印刷デューティ100%)。
比較例3のインクセットでは、印刷デューティ100%のときは、両メディア上とも黒の細線の滲みが目立った。特に、ターポリン上ではインク同士が混ざり合い、激しい滲みが生じた。一方、比較例3のインクセットを用いて印刷デューティ50%で印刷すれば、メディアの種類にかかわらず、黒の細線が滲みなく印刷されていた。
この結果から、高濃度で滲みのない印刷を達成するには、非水系インクと水系インクとを組み合わせた本発明のインクセット(実施例7)が望ましいことが判る。
(吐出インク凝集試験3)
前記した実施例5のインクセットにおける非水系インク5及び水系インク5(共に白色顔料であるTiO2を含む白インク)を、セイコーエプソン株式会社製のプリンタMJ8000Cのインクカートリッジに充填した。このプリンタを用いて、非吸収性のメディアであるトランスペーランシー上において非水系インク5の上に水系インク5を吐出し、共にベタパターンで印刷を行った。印刷デューティは共に100%であった。印刷後、メディア上の印刷物について隠蔽性及び印刷濃度の評価を行った。比較のために、次に示すインクセット(比較例4)を用いて同様の試験、評価を行った。
前記した実施例5のインクセットにおける非水系インク5及び水系インク5(共に白色顔料であるTiO2を含む白インク)を、セイコーエプソン株式会社製のプリンタMJ8000Cのインクカートリッジに充填した。このプリンタを用いて、非吸収性のメディアであるトランスペーランシー上において非水系インク5の上に水系インク5を吐出し、共にベタパターンで印刷を行った。印刷デューティは共に100%であった。印刷後、メディア上の印刷物について隠蔽性及び印刷濃度の評価を行った。比較のために、次に示すインクセット(比較例4)を用いて同様の試験、評価を行った。
比較例4:同一の非水系インク5(白インク)を二つ組み合わせたインクセット
試験結果
実施例5のインクセットによれば、印刷物の隠蔽性が高く、十分に濃い白であった。
試験結果
実施例5のインクセットによれば、印刷物の隠蔽性が高く、十分に濃い白であった。
比較例4のインクセットによれば、印刷物の隠蔽性が低く、トランスペーランシーの裏側が透けて見えた。
この結果から、本発明のインクセット(実施例5)に係る非水系及び水系の各白インクが混ざり合うことで、TiO2が凝集し、顔料粒径が増大することにより隠蔽性の優れた印刷物ができたものと思われる。一方、非水系の二つの白インクからなる比較例4のインクセットでは、メディア上でも凝集せず、顔料の粒径が小さいままインクが乾燥したため、隠蔽性が少ない印刷物となったと考えられる。
本発明は、メディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することのできるインクジェットインクセット、該インクセットを用いたインクカートリッジ、メディア全般に対して滲みが少なく優れた画質の記録画像を形成することのできる記録装置、及び滲みが少なく優れた画質を備えた記録物として、産業上の利用可能性を有する。
Claims (15)
- 少なくとも色材として顔料を含む非水系インクと、少なくとも色材として顔料を含む水系インクと、からなるインクジェットインクセット。
- 前記非水系インクが、更にアルキレングリコール化合物を含む、請求項1記載のインクセット。
- 前記アルキレングリコール化合物が、ジエチレングリコール化合物及びジプロピレングリコール化合物のうち少なくとも1つを含む、請求項2記載のインクセット。
- 前記ジエチレングリコール化合物が、ジエチレングリコールジエチルエーテルである、請求項3記載のインクセット。
- 前記ジプロピレングリコール化合物が、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルである、請求項3記載のインクセット。
- 前記アルキレングリコール化合物が、更にオキシアルキレン基の付加モル数が3以上のポリアルキレングリコール化合物を含む、請求項3〜5の何れかに記載のインクセット。
- 前記ポリアルキレングリコール化合物が、トリエチレングリコールモノエーテル化合物である、請求項6記載のインクセット。
- 前記水系インクが、更に多価アルコールを含む、請求項1〜7の何れかに記載のインクセット。
- 前記水系インクが、更に分散剤を含む、請求項1〜8の何れかに記載のインクセット。
- 前記非水系インク及び前記水系インクそれぞれに含まれる顔料が、同一である、請求項1〜8の何れかに記載のインクセット。
- 前記非水系インク及び前記水系インクは、それぞれ顔料として酸化チタンを含む、請求項1〜9の何れかに記載のインクセット。
- 請求項1〜11の何れかに記載のインクセットを少なくとも含むインクカートリッジ。
- 請求項12記載のインクカートリッジを少なくとも備えた記録装置。
- 請求項1〜11の何れかに記載のインクセットを少なくとも用いて記録する記録装置。
- 請求項14記載の記録装置により記録された記録物。
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JP (1) | JP2005290217A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010270224A (ja) * | 2009-05-21 | 2010-12-02 | Dnp Fine Chemicals Co Ltd | インクジェットプリンター用油性インク組成物の製造方法およびインク組成物 |
JP2016150983A (ja) * | 2015-02-18 | 2016-08-22 | セイコーエプソン株式会社 | 非水系インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法 |
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004107872A patent/JP2005290217A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010270224A (ja) * | 2009-05-21 | 2010-12-02 | Dnp Fine Chemicals Co Ltd | インクジェットプリンター用油性インク組成物の製造方法およびインク組成物 |
JP2016150983A (ja) * | 2015-02-18 | 2016-08-22 | セイコーエプソン株式会社 | 非水系インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法 |
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