JP2019156961A - インクジェット用インクセット、および、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記水性インクは、水、顔料、エマルション及び水系エポキシ樹脂を含み、
前記反応液は、水及びアミン化合物を含む、
インクジェット用インクセットを提供する。
水性インクおよび反応液を、前記記録媒体上で接触させるように、インクジェットヘッドから吐出する、インクジェット記録方法を提供する。
本明細書でいうインクジェット用インクセットは二液式インクであり、水性インク及び反応液を有するものである。印刷の際に、水性インク及び反応液は併用される。
水性インクを構成する成分は以下の通りである。水性インクは、水を主成分とするインクであり、少なくとも、水、顔料、エマルション及び水系エポキシ樹脂を含み、更に、有機溶媒及び界面活性剤を含むインクである。
水系エポキシ樹脂は、反応液中に含まれるアミン化合物と反応して架橋構造を形成することで、耐水性及び耐エタノール性を有する被膜を形成する成分である。水系エポキシ樹脂は、水系溶媒中に均一に存在する樹脂であり、具体的には、水系溶媒中に溶解する又は水系溶媒中に均一に分散する形状をとる樹脂を意味する。水系エポキシ樹脂は、単官能エポキシ化合物又は多官能エポキシ化合物を使用する。かかる水系エポキシ樹脂は、市販されているものを用いることができる。
エマルションは、水性インクの塗膜を形成する成分であり、耐擦過性、耐水性などの塗膜特性に優れた画像を与える。尚、本明細書では、「エマルション」とは、分散媒中で微粒子化した樹脂を意味する。
界面活性剤は、記録媒体に対する濡れ性を向上させる成分である。
有機溶媒は、水性インクの乾燥性および基材に対する濡れ性などを調整する成分である。
顔料としては、従来公知の無機顔料および有機顔料を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種を併用してもよい。
水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、水道水、井戸水などが挙げられる。これらの中でも、不純物が比較的少なく、かつ、安価に入手できるという観点から、イオン交換水であることが好ましい。
反応液を構成する成分は以下の通りである。反応液とは、前記水性インク中に含まれる、前記エマルション及び前記顔料を凝集させる成分である。反応液は、少なくとも、水及びアミン化合物を含み、更に有機溶媒及び界面活性剤を含む。
アミン化合物は、水性インク中に含まれる水系エポキシ樹脂と反応して架橋構造を形成することで、耐水性及び耐エタノール性を有する被膜を形成する成分である。また、アミン化合物は、水性インク中に含まれる顔料又はエマルションを凝集させる成分である。
界面活性剤は、記録媒体に対する濡れ性を向上させる成分である。
有機溶媒は、反応液の乾燥性および基材に対する濡れ性などを調整する成分である。
水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、水道水、井戸水などが挙げられる。これらの中でも、不純物が比較的少なく、かつ、安価に入手できるという観点から、イオン交換水であることが好ましい。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記インクジェット用インクセットを用いて、記録媒体上に画像を形成する方法であって、水性インクおよび反応液を、記録媒体上で接触させるように、インクジェットヘッドから吐出する。これにより、記録媒体上に画像を形成することができる。
(水性インクの調製)
表1及び表2に示す配合で、エポキシ樹脂、エマルション、界面活性剤、顔料、有機溶媒および水を、混合攪拌装置を用いて均一に混合した。その後、グラスフィルター(桐山製作所製)を用いて、この混合物を吸引濾過することにより、A1〜A8の水性インクを調製した。
EX−521:ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(エポキシ当量183、ナガセケムテックス社製)
EX−911:プロピレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量165、ナガセケムテックス社製)
モビニール6800:アクリルエマルション(ジャパンコーティングレジン社製)
MD−2000:ポリエステルエマルション(東洋紡社製)
BYK348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー社製)
CAB−O−JET 352K:カーボンブラック(CABOT社製)
(反応液の調製)
表3に示す配合で、アミン化合物、水、有機溶媒および界面活性剤を、混合攪拌装置を用いて均一に混合し、Bの反応液を調製した。
BYK348:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー社製)
表4に示すように、A1〜A8の各水性インク、およびBの反応液を用いて、実施例1〜5および比較例1〜4のインクセットを作製した。実施例1〜5および比較例1〜4のインクセットを備えたプリンターUJF−3042HG(ミマキエンジニアリング社製)を用いて、PETメディアQT−92の未処理面(易接着層無し)上に、水性インク100%、反応液40%の印刷濃度で解像度720×600dpi、パス回数4回にて、120mm×30mmサイズの画像サンプルを形成した。画像サンプルは、反応液の後に水性インクを印刷し、その後、乾燥機FV−320(アドバンテック東洋社製)を用いて、80℃にて10minの乾燥を行うことにより、形成した。なお、ステージにはラバーヒーターを設置し温度は40℃とした。各画像サンプルの塗膜特性の評価は、以下のようにして行った。
上記のようにして得た印刷塗膜上に綿棒を10往復させた後、塗膜の外観を以下の基準に従い評価して、塗膜の耐擦過性を評価した。
×:印刷塗膜の剥がれが見られた
上記のようにして得た印刷塗膜上に水を染み込ませた綿棒を10往復させた後、塗膜の外観を以下の基準に従い評価して、塗膜の耐水性を評価した。
×:印刷塗膜の滲み、または、剥がれが見られた
エタノール濃度が10%刻みで10〜100%になる比率でエタノールと水を混合した10種類の混合液を調製した。上記のようにして得た印刷塗膜上に、上記各混合液を染み込ませた綿棒を10往復させた後、塗膜の外観に変化が無く、綿棒に印刷物の付着も無いエタノールの濃度の最大値を耐エタノール性の値として評価した。
各画像サンプルの印刷面に、粘着シート[セロテープ(登録商標)(ニチバン社製)]の粘着層側の面を貼り付け、引き剥がす操作を行った。密着性は、下記基準により評価した。
4:印刷物の1割未満が剥離した。
3:印刷物の1割以上4割未満が剥離した。
2:印刷物の4割以上9割未満が剥離した。
1:印刷物の9割以上が剥離した。
Claims (7)
- 水性インクと反応液とを有するインクジェット用インクセットであって、
前記水性インクは、水、顔料、エマルション及び水系エポキシ樹脂を含み、
前記反応液は、水及びアミン化合物を含む、
インクジェット用インクセット。 - 前記水系エポキシ樹脂は、1分子当たりの官能基数が3以上である請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記アミン化合物は、300以上の分子量を有する請求項1又は2に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記水性インクは有機溶媒及び界面活性剤を更に含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
- 前記反応液は有機溶媒及び界面活性剤を更に含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセット。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用インクセットを用いて、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法であって、
水性インクおよび反応液を、前記記録媒体上で接触させるように、インクジェットヘッドから吐出する、インクジェット記録方法。 - 前記記録媒体は、非吸収性基材または低吸収性基材からなる、請求項6に記載のインクジェット記録方法。
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