JP2014005448A - インクジェット記録用水性インクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラスチックフィルムに印字しても、滲み、色間滲み等の画像の乱れがなく印刷直後の耐擦性に優れる2液型のインクジェット記録用水性インクセットを提供する。
【解決手段】 少なくとも2種類以上のインクを用いたインクジェット記録用インクセットであって、第1のインクは色材、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂、水溶性溶媒及び/または水を含み、第2のインクは、ビニルアミン系ポリマー、水溶性溶媒及び/または水を含むインクジェット記録用水性インクセット。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用水性インクセットに関する。
インクジェットプリンター記録装置による印刷は、ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式であり、従来の印刷方法と異なり版を使用しない印刷方式であることから、少量多品種に対応できるオンデマンド印刷方式として広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。特に近年では、被記録材として、従来の紙等の吸収基材に対する印刷から、プラスチック等の非吸収基材に対する印刷の検討が数多くなされ、中でも耐候性等の観点から、顔料インクを使用した印刷の検討がなされている。
プラスチックフィルムを被記録材とする印刷の場合、プラスチックは非吸収性であるために、水性インクを使用すると乾燥性が著しく低下し、この結果、インク付着時のインクの広がりが不均一となることにより滲み、色間滲み等の画像の乱れや良好な発色が得られず画質が低下する等の問題があった。このため通常は、プラスチックフィルム上に受理層を設けることが行われる(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、プラスチックフィルムの表面はインクジェットインクとの密着性が悪く、通常アンカー層、プライマー層、下引き層、接着層等と称される層を当該フィルム表面に形成させた上にポリウレタンやポリアクリル等を主成分とするインク受容層を設ける工程が必須であった。この様な表面処理工程は、コストアップに繋がるだけでなく、工程が増えることから生産に掛かる時間も多く必要となる。
これに対し、プラスチック等の非吸収基材に対して記録媒体のインク吸収性によらず画質と耐擦性に優れ、吐出安定性にも優れる水性インクジェット記録方式の印刷方法として、色インク、樹脂インク、および反応インクを塗布して画像を印刷する印刷方法が知られている(例えば特許文献2参照)。具体的には、水不溶性の着色剤、水溶性および/または非水溶性の樹脂成分、水溶性溶剤、界面活性剤を含む色インクと、水溶性樹脂溶剤、水には不溶であるが前記水溶性樹脂溶剤には相溶する熱可塑性の樹脂粒子を含み、かつ当該樹脂粒子の総含有率が前記色インクに含まれる前記着色剤の含有率以上である樹脂インクと、多価金属塩、ポリアリルアミンおよびその誘導体から選択される反応剤と、界面活性剤を含む反応インクの3つのインクを塗布して画像を形成する。
しかしながら該方法は少なくとも3種のインクを準備しなければならず、高度な吐出精度を有するインクジェット装置を必要とする。
また、2種のインクを使用した2液型印刷方法として、カチオン性物質を含有する液体組成物及びアニオン性物質を含有するインクを被記録媒体に、互いに記録媒体上で接するように付与する工程を有する印刷方法により、滲み、色間滲み等の画像の乱れを解消する方法が知られている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、該方法においても前述したように、紙等の吸収基材では微妙な階調を再現できるものの、プラスチック等の非吸収基材への印字では依然として画像の乱れを解消できていないという問題が残っていた。
特開平10−119428号公報 特開2010−115854号公報 特開2000−43399号公報
本発明の課題は、プラスチックフィルムに印字しても、滲み、色間滲み等の画像の乱れがなく印刷直後の耐擦性に優れる2液型のインクジェット記録用水性インクセットを提供することにある。
本発明者らは、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂を含む、第1の顔料インクと、ビニルアミン系ポリマーを含む第2のインクとを組み合わせた2液型のインクジェット記録用水性インクセットとすることで、上記課題を解決した。
即ち本発明は、少なくとも2種類以上のインクを用いたインクジェット記録用インクセットであって、第1のインクは色材、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂、水溶性溶媒及び/または水を含み、
第2のインクは、ビニルアミン系ポリマー、水溶性溶媒及び/または水を含むことを特徴とするインクジェット記録用水性インクセットを提供する。
本発明により、プラスチックフィルムに印字しても、滲み、色間滲み等の画像の乱れがなく、印刷直後の耐擦性に優れる印刷物を与えるインクジェット記録用水性インクセットを提供することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、第1のインクは色材、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂、水溶性溶媒及び/または水を含むインクであり、第2のインクは、ビニルアミン系ポリマー、水溶性溶媒及び/または水を含むインクである。
両インクを重ね刷りすることで被印刷物に対して迅速に固着する。この結果、滲み、色間滲み等の画像の乱れがなく、且つ印刷直後の耐擦性に優れるインキを得ることができる。
両インクを重ね刷りすることで被印刷物に対して迅速に固着することについて、そのメカニズムは明確ではないが、以下を推定している。
ビニルアミン系ポリマーは、線状の主鎖構造、および2つの炭素単位ごとに1つの第一級アミン基を有し、その第一級アミン官能基が高密度であることに起因して、水性系では高度にカチオン性である。これらのポリマーは、この高密度の第一級アミン基の結果として強い水素結合能力を有する。この強い水素結合能力がトリガーとなって、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂の分子間水素結合により巨大会合体へと成長し、ファンデルワールス力などの相互作用によりそれらが束になって網目状に絡まり相互に運動を妨げあって流動性を失い、印刷物表面に固定化されている可能性がある。あるいは、ビニルアミン系ポリマーのアミン官能基は、反応性官能基を有する様々な化合物と反応することができることから、第1のインク中に存在するヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂と、第2のインクに存在するビニルアミン系ポリマーとが反応して、印刷物表面に固定化されている可能性もある。
(第1のインク ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂)
本発明で使用する第1のインクは色材、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂、水溶性溶媒及び/または水を含む。
ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂としては、公知慣用のヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂を使用すればよく特に限定はない。
本願発明におけるヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂は、少なくともヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂を有すればよく、オレフィン系、アクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、エポキシ系などのいずれの樹脂であってもよい。当該カルボキシル基を有する樹脂の入手形態は特に限定されない。また取扱いの容易さから、固体よりも樹脂の水溶性溶媒及び/または水への分散体、いわゆる樹脂エマルションが好ましく用いられる。また市販品の樹脂エマルションを用いても良い。
これらの中でも、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、又はエポキシ樹脂の樹脂粒子が水溶性溶媒及び/または水に分散していることを特徴とする樹脂エマルションが好ましく、ポリオレフィン樹脂の樹脂粒子が水溶性溶媒及び/または水に分散した樹脂エマルションがより好ましい。
前記第一のインク中の前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上8.0%質量以下がなお好ましく、3.0質量%以上5.0%質量以下が更により好ましい。
前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂の酸価は、樹脂固形分あたり10〜200mgKOH/gであることが好ましい。酸価が10mgKOH/g未満では、インクの貯蔵安定性に劣る恐れがある。一方、酸価が200mgKOH/gを超えると、好ましい耐久性、耐水性等の物性が得られないことがある。より好ましくは5〜100mgKOH/gの範囲であり、さらに好ましくは10〜80mgKOH/gの範囲であり、さらに好ましくは15〜60mgKOH/gの範囲である
前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂の水酸基価は、樹脂固形分あたり30mgKOH/g以下であることが好ましい。水酸価が30mgKOH/gを超えると、インクの貯蔵安定性に劣る恐れがある。より好ましくは20mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは10mgKOH/g以下である。
なお、ここでいう酸価と水酸基価は、JIS0070に準拠した方法により測定した値である。
また、前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂のガラス転移点温度(以下、Tgと略す)は、所望する用途に応じて適宜設定することが好ましい。例えば食品用の包装材料用途等の可とう性を有するプラスチックフィルムに印字する場合は、フレキシビリティー(柔軟性)が要求されることから、Tgはあまり高くないほうが好ましい。適当なフィルムへの密着性とフレキシビリティーとを両立させるために、前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂のTgは−80℃〜80℃の範囲であることが好ましく、−80℃〜30℃の範囲であることが特に好ましい。
また、前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)が10,000以上1,000,000以下、さらには20,000以上700,000以下であることが、インクの物性バランスを発現しやすいので好ましい。
なお、ここでいう重量平均分子量(Mw)は、下記の条件でGPC測定により求めたものとする。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「SuperHZ−L」(内径4.6mm×2cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ4000」(内径4.6mm×15cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ3000」(内径4.6mm×15cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ2000」(内径4.6mm×15cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ1000」(内径4.6mm×15cm)
測定条件:カラム温度 40℃
流速 0.35ml/分
試料:樹脂水溶液を乾燥固化し、樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(10μl)。
校正曲線:単分散標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー株式会社製)分子量4000000〜250までのサンプルによる校正曲線を使用した。
本発明で使用するヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂が水溶性溶媒及び/または水に分散している樹脂組成物、いわゆる樹脂エマルション場合、その平均粒子径が大きすぎるとヘッド詰まりの原因となり吐出不良を引き起す。そのため、前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂粒子の平均粒子径はできるだけ小さいことが吐出不良への影響が少ないことから好ましい。具体的には10nm〜500nmの範囲であることが好ましく、10〜300nmの範囲であることが特に好ましい。
ここで粒子径の測定は、公知慣用の遠心沈降方式、レーザー回折方式(光散乱方式)、ESA方式、キャピラリー方式、電子顕微鏡方式などで行うことができる。好ましいのは、動的光散乱法を利用したマイクロトラックUPAによる測定である。
本発明のインクに使用できる樹脂エマルションは、所望する物性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、乳化剤を特に限定されず含有していてもよい。例えば、乳化剤の存在下で、モノマー及び重合開始剤を滴下し、重合させる方法や、樹脂の水溶液ないしは水懸濁液を撹拌することなどによる乳化方法などにより得られる樹脂エマルションであってもよい。また、超音波照射技術等の様々な乳化・分散技術を駆使して得られた乳化剤無添加の樹脂エマルションであってもよいことはもちろんである。乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などのノニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、水溶性のアクリル樹脂のようなポリカルボン酸塩などのカルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのスルホン酸型、アルコール硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などのアニオン性乳化剤などが挙げられる。
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、所望する物性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、疎水性のポリオレフィン骨格に共有結合を介して、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基や、ポリマー鎖を導入した変性ポリオレフィンとすることができる。
変性ポリオレフィンの製造方法、すなわち、ポリオレフィン骨格に共有結合を介して、極性基や、ポリマー鎖を導入する方法としては、ポリオレフィン存在下で極性基を有するモノマーを重合する方法、又はポリマー鎖をポリオレフィンに結合させる方法等を挙げることができる。目的とする樹脂エマルションの特性等に応じて、ポリオレフィン、極性基を有するモノマーやポリマー鎖の種類及び組合せを適宜選択できる。言い換えれば、変性ポリオレフィンの化学構造分類は特に限定されることはなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト変性体などのいずれでもよい。またポリオレフィンとしては、反応性基を有しないポリオレフィン、又は反応性基を有するポリオレフィンのいずれでも用いることができる。
反応性基を有しないポリオレフィンとしては、公知の各種ポリオレフィン及び変性ポリオレフィンを用いることができ、特に限定されないが、例えば、エチレン又はプロピレンの単独重合体、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又は/及びプロピレンとその他コモノマーとの共重合体が挙げられる。コモノマーとしては例えばブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、シクロペンテン、シクロヘキセン、及びノルボルネンなどの炭素数2以上のα−オレフィンコモノマーが挙げられる。α−オレフィンコモノマーとして好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンコモノマーであり、より好ましくは炭素数2〜6のα−オレフィンコモノマーであり、更により好ましくは炭素数2〜4のα−オレフィンコモノマーである。
もしくは、これらα−オレフィンコモノマー同士2種類以上の共重合体も用いることができる。 またα−オレフィンモノマーと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのコモノマーとの共重合体、芳香族ビニルモノマーと共役ジエンモノマーとから選ばれる2種以上のモノマーの共重合体の水素添加体、なども用いることができる。なお単に共重合体という場合はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。またポリオレフィンは直鎖状であっても分岐状であってもよい。
更に、これらポリオレフィンを塩素化した塩素化ポリオレフィンも使用しうる。塩素化ポリオレフィンの塩素化度は通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上であり、また塩素化度は通常50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下である。但し環境負荷を低減する目的からは、ポリオレフィンは実質的に塩素を含まないことが望ましい。実質的に塩素を含まないとは、例えばポリオレフィンの塩素化率が5重量%未満である。
反応性基を有するポリオレフィンとしては、例えば、ポリオレフィン重合時に反応性基を有しない不飽和化合物と反応性基を有する不飽和化合物とを共重合した共重合体、又は、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をポリオレフィンにグラフト重合した重合体、不飽和末端基を持つポリオレフィンを13族〜17族の元素基等に変換した重合体を用いることができる。
反応性基としては、例えばカルボン酸基、ジカルボン酸無水物基、及びジカルボン酸無水物モノエステル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられ、カルボン酸基、ジカルボン酸無水物基、及びジカルボン酸無水物モノエステル基がより好ましい。カルボン酸基、ジカルボン酸無水物基、及びジカルボン酸無水物モノエステル基は、反応性が高く親水性高分子と結合が容易なだけでなく、これらの基を有する不飽和化合物も多くポリオレフィンへ共重合もしくはグラフト反応させることも容易であり、ポリオレフィンがこれらの基を有する、いわゆる酸変性ポリオレフィン樹脂は水分散性に優れるからである。
ポリオレフィン重合時に反応性基を有しない不飽和化合物と反応性基を有する不飽和化合物とを共重合した共重合体とは、反応性基を有する不飽和化合物が主鎖に挿入された共重合体である。例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンと、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸(2−イソシアナト)エチル、無水マレイン酸等のα、β−不飽和カルボン酸、同エステル又は無水物とを共重合体して得られる。(なお本発明において、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)
これら共重合体として具体的には、例えばプロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体などが使用できる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また市販品を使用することももちろん可能である。
反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をポリオレフィンにグラフト重合した重合体は、予め重合したポリオレフィンに、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をグラフト重合して得られ、反応性基を有する不飽和化合物は主鎖にグラフトされている。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンに(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸又はその無水物、イタコン酸又はその無水物、クロトン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(2−イソシアナト)エチル等をグラフトした重合体である。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本反応のポリオレフィンとしては、上述の反応性基を有しないポリオレフィンを使用することができる。
反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をポリオレフィンにグラフト重合した重合体として、具体的には、例えば無水マレイン酸変性ポリプロピレン及びその塩素化物、無水マレイン酸変性プロピレン−エチレン共重合体及びその塩素化物、無水マレイン酸変性プロピレン−ブテン共重合体及びその塩素化物、アクリル酸変性ポリプロピレン及びその塩素化物、アクリル酸変性プロピレン−エチレン共重合体及びその塩素化物、アクリル酸変性プロピレン−ブテン共重合体及びその塩素化物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グラフト重合に用いるラジカル重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤から適宜選択して使用することができ、例えばベンゾイルパーオキシド及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボナートなどの有機過酸化物、アゾニトリル等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をポリオレフィンにグラフト重合した重合体の製造方法は特に限定されず、いかなる製法であってもよい。例えば、溶液変性法(溶液中で加熱攪拌して反応する方法)、溶融変性法(無溶媒で溶融加熱攪拌して反応する方法、又は、押し出し機で加熱混練して反応する方法)等が挙げられる。
不飽和末端基を持つポリオレフィンを13族〜17族の元素基等に変換した重合体は、例えば、特開2001−288372号に記載されているように末端二重結合を有するポリオレフィンの二重結合部をホウ素基、アルミニウム基のような13族元素基に変換したポリオレフィン、特開2005−48172号に記載されているように末端二重結合を有するポリオレフィンの二重結合部をハロゲン元素に変換したポリオレフィン、特開2001−98140号に記載されているように末端二重結合を有するプロピレン系重合体の二重結合部をメルカプト基に変換したポリオレフィンを用いることができ、通常、ブロック共重合体を得ることができる。
疎水性のポリオレフィン骨格に共有結合を介して導入するポリマー鎖は、所望する物性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、特に限定されず用いることができる。直鎖状であっても分岐状であってもよい。例えば、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の合成高分子、カチオンデンプン、デキストリン、ヒドロキシエチルセルロース等の半合成高分子、寒天、アラビアゴム、ゼラチン等の天然高分子のいずれも用いることができる。当該ポリマー鎖は反応性基を有していてもよい。
当該ポリマー鎖は、安定した物性を得やすいことから合成高分子を用いるのが好ましい。なかでも、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びポリビニルピロリドン樹脂がより好ましく、両親媒性を有するポリエーテル樹脂が更により好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該ポリマー鎖に用いるポリ(メタ)アクリル樹脂は、不飽和カルボン酸若しくはそのエステル又は無水物を、ラジカル重合、アニオン重合、又はカチオン重合により重合することで得られる。不飽和カルボン酸若しくはそのエステル又は無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸(2−イソシアナト)エチル、無水マレイン酸等を挙げることができる。また、所望する物性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、様々な熱可塑性樹脂フィルム基材との良好な接着性を持たせるために、疎水性ラジカル重合性化合物(疎水性モノマー)を共重合することができる。共重合可能な疎水性モノマーとしては、例えば炭素原子数1〜12のアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーや、炭素原子数1〜12の炭化水素基を有する重合性ビニルモノマーなどが挙げられる。
当該ポリマー鎖に用いるポリビニルアルコール樹脂は、通常、酢酸ビニルを重合させポリ酢酸ビニルを得た後、ケン化することで得ることができる。ケン化度は完全ケン化でも部分ケン化でもよい。 また、当該ポリマー鎖に用いるポリビニルピロリドン樹脂は、ビニルピロリドンを重合させることで得ることができる。市販品を用いてもよいことは当然である。
当該ポリマー鎖をポリオレフィンに導入する方法は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィンの存在下でラジカル重合する方法、水酸基、アミノ基、グリシジル基、(無水)カルボン酸基等の反応性基を有するアクリル系樹脂を、反応性基を有するポリオレフィンと反応させる方法、等が挙げられる。
疎水性のポリオレフィン骨格に共有結合を介して導入するポリマー鎖として用いる両親媒性を有するポリエーテル樹脂は、環状アルキレンオキサイドまたは環状アルキレンイミンを開環重合することで得られる。ポリオレフィンとの結合方法は特に限定はされないが、例えば、反応性基を有するポリオレフィン中で環状アルキレンオキサイドを開環重合する方法、開環重合等により得られたポリエーテルポリオールやポリエーテルアミンなどの反応性基を有するポリエーテル樹脂を、反応性基を有するポリオレフィンと反応する方法等を挙げることができる。
ポリエーテルアミンは、ポリエーテル骨格を有する樹脂の片末端又は両末端に、反応性基としての1級アミノ基を有する化合物である。ポリエーテルアミンとしては、米国ハンツマン社製ジェファーミンMシリーズ、Dシリーズ、EDシリーズなどを使用してもよい。
ポリエーテルポリオールはポリエーテル骨格を有する樹脂の両末端に、反応性基としての水酸基を有する化合物である。親水性を示すポリアルキレンオキサイドやポリアルキレンイミンとして好ましくは、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミンが挙げられる。
反応性基は1以上あればよいが、反応性基を1つのみ有することがより好ましい。反応性基が2以上あると、ポリオレフィンと結合させる際に3次元網目構造となりゲル化してしまう可能性があるからである。ただし、反応性基を複数有していても、他より反応性の高い反応性基が1つのみであれば、前述のゲル化は回避可能である。例えば、複数の水酸基と、それより反応性の高い1つのアミノ基を有する親水性高分子は好ましい例の一つである。ここでの反応性とはポリオレフィンの有する反応基との反応性である。
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、水分散体として市販させているオレフィン樹脂を好ましく使用できる。例えば東洋紡績(株)製のハードレンシリーズ、三菱化学(株)製のアプトロックシリーズ、ユニチカ(株)製のアロベースシリーズ等を使用できる。
(第1のインク 色材)
本発明で使用する色材は、特に限定はなく、水性インクジェットインクにおいて通常使用される色材を使用することができ、顔料や染料等が挙げられる。
耐候性、耐水性を要求される用途であれば、顔料を使用することが好ましい。顔料としては、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料を使用することができる。
本発明で使用する顔料は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。
プラスチックを被記録材とする印刷の場合、インクジェットインクとしては、イエローインク、シアンインク、マゼンタインク、ブラックインク等のほか、視認性を高める目的から白色インクも使用される。これらの使用される顔料は特に限定はなく、通常水性インクジェット記録用インク用の顔料として使用されているものが使用できる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
例えばブラックインクに使用される顔料としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.900、No.960、 No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100、等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180等が挙げられる。
またイエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、209、等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また、白インクに使用される顔料の具体例としては、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。また、前記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。
また、染料としては、例えば、C.I.アシッド ブラック1、2、7、16、17、24、26、28、31、41、48、52、58、60、63、94、107、109、112、118、119、121、122、131、155、156;C.I.アシッド イエロー1、3、4、7、11、12、13、14、17、18、19、23、25、29、34、38、40、41、42、44、49、53、55、59、61、71、72、76、78、79、99、111、114、116、122、135、142、161、172、;C.I.アシッド オレンジ7、8、10、19、20、24、28、33、41、45、51、56、64;C.I.アシッド レッド1、4、6、8、13、14、15、18、19、21、26、27、30、32、34、35、37、40、42、44、51、52、54、57、80、82、83、85、87、88、89、92、94、97、106、108、110、111、114、115、119、129、131、133、134、135、143、143:1、144、152、154、155、172、176、180、184、186、187、249、254、256、289、317、318;C.I.アシッド バイオレット7、11、15、34、35、41、43、49、51、75;C.I.アシッド ブルー1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、49、51、53、55、56、59、62、78、80、81、83、90、92、93、102、104、111、113、117、120、124、126、138、145、167、171、175、183、229、234、236、249;C.I.アシッド グリーン3、9、12、16、19、20、25、27、41、44;C.I.アシッド ブラウン4、14等の酸性染料や、
C.I.ベイシック ブラック2.8;C.I.ベイシック イエロー1、2、11、12、14、21、32、36;C.I.ベイシック オレンジ2、15、21、22;C.I.ベイシック レッド1、2、9、12、13、37;C.I.ベイシック バイオレット1、3、7、10、14;C.I.ベイシック ブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28、29;C.I.ベイシック グリーン1、4;ベイシック ブラウン1、12等の塩基性染料や、
C.I.ダイレクト ブラック2、4、9、11、14、17、19、22、27、32、36、38、41、48、49、51、56、62、71、74、75、77、78、80、105、106、107、108、112、113、117、132、146、154、168、171、194;I.C.ダイレクト イエロー1、2、4、8、11、12、24、26、27、28、33、34、39、41、42、44、50、51、58、72、85、86、87、88、98、100、110、127、135、141、142、144;C.I.ダイレクト オレンジ6、8、10、26、29、41、49、52、102;C.I.ダイレクト レッド1、2、4、8、9、11、13、15、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、46、47、48、51、59、62、63、73、75、77、80、81、83、84、85、87、89、90、94、95、99、101、108、110、145、189、197、220、224、225、226、227、230、250、254、256、257;C.I.ダイレクト バイオレット1、7、9、12、35、48、51、90、94;C.I.ダイレクト ブルー1、2、6、8、15、22、25、34、69、70、71、72、75、76、78、80、81、82、83、86、90、98、106、110、110、120、123、158、163、165、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、218、236、237、239、246、258、287;ダイレクト グリーン1、6、8、28、33、37、63、64;C.I.ダイレクト ブラウン1A、2、6、25、27、44、58、95、10、101、106、112、173、194、195、209、210、211等の直接染料や、
C.I.リアクテブ ブラック1、3、5、6、8、12、14;C.I.リアクテブ イエロー1、2、3、13、14、15、17;C.I.リアクテブ オレンジ2、5、7、16、20、24;、リアクテブ レッド6、7、11、12、15、17、21、23、24、35、36、42、63、66、84、184;C.I.リアクテブ バイオレット2、4、5、8、9;C.I.リアクテブ ブルー2、5、7、12、13、14、15、17、18、19、20、21、25、27、28、37、38、40、41;C.I.リアクテブ グリーン5、7;リアクテブ ブラウン1、7、16等の反応性染料や、
C.I.フード ブラック1、2;C.I.フード イエロー3、4、5;C.I.フード レッド2、3、7、9、14、52、87、92、94、102、104、105、106;C.I.フード バイオレット2;C.I.フード ブルー1、2;C.I.フード グリーン2、3等の食品用色素等が挙げられる。
本発明においては、顔料表面に水分散性付与基を有し、分散剤が無くとも安定に分散状態が維持できる、いわゆる自己分散型顔料(表面処理顔料)でも良いし、顔料表面の全体をポリマーで被覆し、これにより分散剤が無くとも安定に分散状態が維持できる、いわゆるカプセル顔料(水分散性ポリマー包含顔料)でも良いし、分散剤により分散された顔料を使用してもよい。
前記顔料の平均粒子径は、通常インクジェットインクに使用される粒径であることが好ましく、具体的には50〜500nmが好ましく、カラーインクに関しては50〜300nmがより好ましい。
前記顔料は、公知慣用の顔料分散剤やバインダーを使用して水に分散してもよいし、界面活性剤を使用してもよい。
前記顔料分散剤としては水性樹脂がよく、好ましい例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及び該水性樹脂の塩が挙げられる。
前記共重合体の塩を形成するための化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ金属類、およびジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどが挙げられる。これらの塩を形成するための化合物の使用量は、前記共重合体の中和当量以上であることが好ましい。
また市販品を使用することも勿論可能である。市販品としては、味の素ファインテクノ(株)製品)のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン(株)のDisperbykシリーズ、BYK−シリーズ、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のEFKAシリーズ等を使用できる。
(第1のインク 水溶性溶媒及び/または水)
本発明で使用する水溶性溶媒及び/または水は、水単独で使用してもよいし、水と水溶性溶媒からなる混合溶媒でもよい。水溶性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。
(第1のインクの製造方法)
本発明で使用する第1のインクは、前記顔料の分散液(顔料ペースト)を作成し、それを水で希釈し、前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂を加え、必要に応じて湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、あるいはその他の添加剤を添加して、インクを調製することができる。
(顔料ペースト)
前記顔料ペーストを調製する方法としては、下記の方法を採用することができる。
(1)顔料分散剤及び水を含有する水性媒体に、顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて顔料を該水性媒体中に分散させることにより、顔料ペーストを調製する方法。
(2)顔料、及び顔料分散剤を2本ロール、ミキサー等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を、水を含む水性媒体中に添加し、攪拌・分散装置を用いて顔料ペーストを調製する方法。
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水と相溶性を有する有機溶剤中に顔料分散剤を溶解して得られた溶液に顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水性媒体を用いて転相乳化させた後、前記有機溶剤を留去し顔料ペーストを調製する方法。
混練機としては、特に限定されることなく、例えば、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどがあげられる。また、攪拌・分散装置としても特に限定されることなく、例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザー等を挙げられる。これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。
前記顔料ペーストに占める顔料量は5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。顔料量が5質量%より少ない場合は、前記顔料ペーストから調製した水性インクの着色が不充分であり、充分な画像濃度が得られない傾向にある。また、逆に60質量%よりも多い場合は、顔料ペーストにおいて顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
また、インクの調製例の際には、粗大粒子が、ノズル詰まり、その他の画像特性を劣化させる原因になるため、インク調製後に、遠心分離、あるいは濾過処理等により粗大粒子を除去することが好ましい。
(湿潤剤)
前記湿潤剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
本発明で使用する湿潤剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
(浸透剤)
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLBは、7〜20の範囲であることが好ましい。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
前記顔料ペーストから調製するインクジェット記録用インクに占める顔料量は、充分な画像濃度を得る必要性と、インク中での顔料の分散安定性を確保するために、1〜20質量%であることが好ましい。
本発明において第1のインクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、20mN/m以上40mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると非吸収基材でのはじきが発生し易い傾向がある。
本発明において第1のインクの粘度は、1.2mPa・s以上20.0 mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2.0 mPa・s以上 15.0mPa・s未満、更に好ましくは3.0mPa・s以上 12.0 mPa・s未満である。粘度がこの範囲において、優れた吐出性と、長期間にわたる良好な噴射性の維持が達成できる。
第1のインクの表面張力や粘度は、含有する界面活性剤や水溶性溶媒の種類や添加量を調製するにより上記の好ましい範囲に維持することができる。
(第2のインク ビニルアミン系ポリマー)
本発明においてビニルアミン系ポリマーとしては、例えばポリアルキレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルムアミド、多糖類、例えばデンプン、オリゴ糖又は単糖へのN−ビニルホルムアミドの、加水分解されたグラフト重合体が挙げられる。このグラフト重合体は、例えばN−ビニルホルムアミドを水性媒体中で少なくとも1種の前記のグラフト基体の存在で、場合により共重合可能な他のモノマーと一緒にラジカル重合し、このグラフトされたビニルホルムアミド単位を引き続き公知のようにビニルアミン単位に加水分解することにより得られる。
中でも、1〜100mol%、特に25〜100mol%の加水分解度を有する加水分解されたビニルアミン系ポリマー、並びにN−ビニルホルムアミドとギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルニトリル、メチルアクリラート、エチルアクリラート及び/又はメチルメタクリラートとからなる、30〜150、特に60〜100のK値を有する1〜100mol%、中でも25〜100mol%まで加水分解された共重合体が好ましい。
前述のK値は、Fikentscher, Cellulose−Chemie, 第13巻, 58〜64および71〜74(1932)の記載により、25℃の温度で5質量%の食塩水溶液中で、pH7.0および0.5質量%のポリマー濃度で測定した値である。この場合、Kは、k*1000を意味する。
前記ビニルアミン系ポリマーとして市販品を用いてももちろん構わない。具体的にはBASF社の商品名Catiofast(R) VFH, Catiofast(R) VSH、Catiofast(R) VMP、ハーキュリーズ社(ウィルミントン,米国デラウェア州)のPPD(R) M−1188、 PPD(R) M−1189およびPPD(R) M−5088、理研グリーン(株)の商品名Hercobond(R)6363等があげられる。
前記ビニルアミン系ポリマーは、前記第2のインク中、固形分に換算して1質量%〜50質量%含むことが好ましく、3質量%〜30質量%の範囲がなお好ましい。1質量%未満では硬化が十分に得られない問題があり、50質量%を超える量では吐出安定性が劣り、画像鮮明性が低下するおそれがある。
本発明で使用する第2のインクは、前記第1のインクで使用する色材や、湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、あるいはその他の添加剤を適宜添加してインクを調製することができる。
第2のインクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、20mN/m以上40mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると記録媒体への浸透性の低下、はじきが発生することから画像再現性が劣る傾向がある。
第2インクの粘度は、1.2mPa・s以上20.0 mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2.0 mPa・s以上 15.0mPa・s未満、更に好ましくは3.0mPa・s以上 12.0 mPa・s未満である。粘度がこの範囲において、優れた吐出性と、長期間にわたる良好な噴射性の維持が達成できる。
第2のインクの表面張力や粘度は、含有する界面活性剤や水溶性溶媒の種類や添加量を調整することにより上記の好ましい範囲に維持することができる。
(インクセット)
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、少なくとも前記第1のインクと第2のインクとを含むものであり、これら前記第1のインクと、第2のインクとが互いに接するように非吸収性基材上に付与され、画像が形成されることになる。
(非吸収基材)
本発明で用いる非吸収基材であるプラスチックフィルムとしては、例えば食品用の包装材料に使用されているもの等を使用することができ、公知のプラスチックフィルムが使用できる。具体例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ナイロン等のポリアミド系フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ乳酸フィルム等の生分解性フィルム等が挙げられる。特にポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミド系フィルムが好ましく、さらにポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。またバリア性を付与するためのポリ塩化ビニリデン等のコーティングをした上記フィルムでもよいし、必要に応じてアルミニウム等の金属、あるいはシリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層を積層したフィルムを併用してもよい。
前記プラスチックフィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、1軸もしくは2軸方向に延伸されたものが好ましい。さらにフィルムの表面は、未処理であってもよいが、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理等、接着性を向上させるための各種処理を施したものが好ましい。
前記プラスチックフィルムの膜厚は用途に応じて適宜変更されるが、例えば軟包装用途である場合は、柔軟性と耐久性、耐カール性を有しているものとして、膜厚が10μm〜100μmであることが好ましい。より好ましくは10μm〜30μmである。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、通常のインクジェット記録装置は勿論、インクのドライングを制御するためのヒーター等を搭載した記録装置、または、中間体転写機構を搭載し、中間体に記録材料を印字した後、非吸収基材等の記録媒体に転写する記録装置等においても用いることもできる。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式がいずれも使用できる。例えば圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法が挙げられる。
本発明の方法においては、前記第1のインクと第2のインクとを、互いに接するように非吸収基材上に付与するに際して、その付与する順には特に制限はなく、第1のインクの付与後に第2のインクを付与してもよく、第2のインクの付与後に第1のインクを付与してもよく、同時に付与してもよい。
1画素を形成するために付与される前記第1のインクと第2のインクの付与量は、必ずしも等量でなくてもよいが、質量比で1:10〜10:1の範囲内となるようにインクを付与することが好ましい態様である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある部とは、質量部を表す。
(調製例 シアンインク)
DIC(株)製のシアン顔料「FANTOGEN BLUE FSJ−SD」20部、顔料分散剤としてビックケミー・ジャパン(株)社製の「Disperbyk−190」30部、イソプロピルアルコール5部、純水45部を攪拌混合した。次にビーズミルを用いて練肉分散した後、遠心分離機にかけて粗大粒子を取り除き、純水を加えて、顔料濃度15質量%に調製したシアン顔料分散液を得た。当該シアン顔料分散液を27部、樹脂部(固形分)3部、プロピレングリコール15部、1.3−ブタンジオール10部、サーフィノール440 0.5部、純水 残量、を混合し 該混合液を0.5μmのフィルターで濾過して、シアンインク(C−1)〜(C−7)および(HC−8)を得た。
(調製例 イエローインク)
クラリアントジャパン(株)製のイエロー顔料「NOVOPERM YELLOW 4G−01」20部、顔料分散剤としてビックケミー・ジャパン(株)社製の「Disperbyk−190」30部、イソプロピルアルコール5部、純水45部を攪拌混合した。次にビーズミルを用いて練肉分散した後、遠心分離機にかけて粗大粒子を取り除き、純水を加えて、顔料濃度15質量%に調製したイエロー顔料分散液を得た。
当該イエロー顔料分散液を34部、樹脂部(固形分)3部、プロピレングリコール15部、1.3−ブタンジオール10部、サーフィノール440 0.5部、純水 残量、を混合し 該混合液を0.5μmのフィルターで濾過して、イエローインク(Y−1)〜(Y−7)を得た。
(調製例 マゼンタインク)
BASF(株)製のマゼンタ顔料「Irgazin Magenta 2012」20部、顔料分散剤としてビックケミー・ジャパン(株)社製の「Disperbyk−190」30部、イソプロピルアルコール5部、純水45部を攪拌混合した。次にビーズミルを用いて練肉分散した後、遠心分離機にかけて粗大粒子を取り除き、純水を加えて、顔料濃度15質量%に調製したマゼンタ顔料分散液を得た。
当該マゼンタ顔料分散液を47部、樹脂部(固形分)3部、プロピレングリコール15部、1.3−ブタンジオール10部、サーフィノール440 0.5部、純水(残量)、を混合し 該混合液を0.5μmのフィルターで濾過して、マゼンタインク(M−1)〜(M−7)および(HM−8)を得た。
(調製例 ブラックインク)
三菱化学(株)製のブラック顔料「カーボンブラック#960」20部、顔料分散剤としてビックケミー・ジャパン(株)社製の「Disperbyk−190」30部、イソプロピルアルコール5部、純水45部を攪拌混合した。次にビーズミルを用いて練肉分散した後、遠心分離機にかけて粗大粒子を取り除き、純水を加えて、顔料濃度15質量%に調製したブラック顔料分散液を得た。
当該ブラック顔料分散液を30部、樹脂部(固形分)3部、プロピレングリコール15部、1.3−ブタンジオール10部、サーフィノール440 0.5部、純水(残量)、を混合し 該混合液を0.5μmのフィルターで濾過して、ブラックインク(K−1)〜(K−7)および(HK−8)を得た。
(第2のインク調製例)
表10の組成に従い、第2のインクを調製した。
表中の記載物質等の詳細は以下の通りである。特に表記がないものは、試薬をそのまま用いた。
アプトロックBW−5550(商品名):オレフィン系エマルション(三菱化学(株)製、pH:8、酸価:18mgKOH/g、固形分30%)
ハードレンNA−3002(商品名):オレフィン系エマルション(東洋紡績(株)製、pH:8、酸価:33mgKOH/g、固形分30%)
バイロナールMD−2000:ポリエステル系エマルション(東洋紡績(株)製、pH:6、固形分40%)
アローベースTC−4010(商品名):ポリオレフィン系エマルション(ユニチカ(株)製、pH:10、酸価:23mgKOH/g、固形分25%)
アローベースCB−1200(商品名):変性ポリオレフィン樹脂エマルション(ユニチカ(株)製、pH:3、固形分23%)
ハイドランAP−40F(商品名):ポリエステル系ウレタンエマルション(DIC(株)製、pH:7、 酸価:25mgKOH/g、固形分22%)
ボンコートWKA−565(商品名):ポリエーテル系水性ウレタンエマルション(DIC(株)製、pH:9、酸価:16mgKOH/g、固形分36%)
ジョンクリル780(商品名):アクリル系水性エマルション(BASF(株)製、pH:8、酸価:46mgKOH/g、固形分48%)
サーフィノール440(商品名):エアープロダクツジャパン(株)製界面活性剤
CatiofastVFH(商品名):ビニルアミン, N-ビニルホルムアミド、(BASF(株)製)、分子量300,000、pH:8、固形分21%)

CatiofastVSH(商品名):ビニルアミン, N-ビニルホルムアミド、(BASF(株)製)、分子量300,000、pH:8、固形15%)
Hercobond6363(商品名):ポリビニルアミン(理研グリーン(株))
分子量300,000、pH:8、固形分12%
(HPA−1)比較例用変性ポリビニルアミン
1Lの丸底フラスコにHercobond6363(製品名、ハーキュリース社製、ポリビニルアミン)250gを仕込み、40%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、反応混合物のpHを11.3とした。この反応混合物を50℃まで加熱し、次に3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド36.1gを10分間かけて添加し、その間、40%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10〜12の範囲に維持した。
得られた混合物を50℃で3時間撹拌し、40%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9〜12の範囲に維持した。反応混合物を25℃にまで冷却した後、20%塩酸水溶液用いてpH8.5とし、変性ポリビニルアミン(HPA−1)とした。変性ポリビニルアミン(HPA−1)は、固形分32%、重量平均分子量は320,000であった。
Figure 2014005448


Figure 2014005448


Figure 2014005448

Figure 2014005448

Figure 2014005448

Figure 2014005448


Figure 2014005448

Figure 2014005448

Figure 2014005448
*** 測定不可能もしくは定量下限以下
Figure 2014005448

(酸価の測定方法)
酸価の測定はJISのK0070に準拠した方法で測定した。なお本発明では、測定用溶剤として以下に示す溶剤を用いた。
上記樹脂水溶液を乾燥固化した樹脂10gを300mlの三角フラスコに秤量し、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。次いで、フェノールフタレイン指示薬を用い、あらかじめ標定された0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、滴定に用いた水酸化カリウムエタノール溶液の量から、計算式(1)に従い酸価(mgKOH/g)を求める。
Figure 2014005448

式中、Aは樹脂の酸価(mgKOH/g)、Bは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.1mol/リットル水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Sは、樹脂の質量(g)、5.611は、水酸化カリウムの式量の1/10の値(56.11/10)である。
なお樹脂によって、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒約50mlに溶解しないものは、エタノール50ml、あるいは、エタノール/純水=1:1の混合溶媒約50mlのどちらか溶解するほうを選択して、他は同じ操作にて滴定を行う。
(水酸基価の測定方法)
水酸基価の測定はJISのK0070に準拠した方法で測定した。本発明では、測定用溶剤として以下に示す溶剤を用いた。
上記樹脂水溶液を乾燥固化した樹脂3gを100mlの三角フラスコに秤量し、無水酢酸溶液10.0mlを加え15分攪拌する。水2ml、ピリジン+水(3+1)10.0ml加え5分攪拌する。ピリジン10.0mlを加え、0.5mol/l水酸化カリウム エタノール水溶液で滴定を行い、計算式(2)に従い水酸基価(mgKOH/g)を求めた。
Figure 2014005448

式中、Aは樹脂の水酸基価(mgKOH/g)、Bはブランク値、Cは滴定に用いた0.5mol/l水酸化カリウム エタノール水溶液の量(ml)、fは滴定液のファクター、Dは濃度換算係数、Eは単位換算係数、Sは試料採取量である。
(Tg(ガラス転移温度)の測定方法)
DSC測定は、デュポン社製 熱分析装置DSC10を用い、JIS7122に準じて、昇温速度5℃/分にて測定した。
(ヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂等の重量平均分子量(Mw)の測定方法)
ヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂等のMwは、下記の条件でGPC測定により求めた。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「SuperHZ−L」(内径4.6mm×2cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ4000」(内径4.6mm×15cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ3000」(内径4.6mm×15cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ2000」(内径4.6mm×15cm)
+東ソー株式会社製「TSKgel SuperHZ1000」(内径4.6mm×15cm)
測定条件:カラム温度 40℃
流速 0.35ml/分
試料:樹脂水溶液を乾燥固化し、樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(10μl)。
校正曲線:単分散標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー株式会社製)分子量4000000〜250までのサンプルによる校正曲線を使用した。
(ポリビニルアミンの重量平均分子量(Mw)の測定方法)
ポリビニルアミン等のMwは、下記の条件でGPC測定により求めた。
測定装置:Waters 515シリーズ
カラム:CATSEC4000+1000+300+100
測定条件:カラム温度 40℃、流速 1.0ml/分
移動相:アセトニトリル/水=50/50(質量比)の混合溶媒に、硝酸ナトリウムを1質量%、及びトリフルオロ酢酸0.1質量%となるように添加した
検出器:ヒューレットパッカード1047A示差屈折率計(検出器温度35℃)
校正曲線:標準ポリ(2-ビニルピリジン) 分子量4,000,000〜10,000までのサンプルによる校正曲線を使用した。
(実施例1〜112、比較例1〜4)
256ノズル×2列のピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置(コニカミノルタ(株)製 EB−100)に、各インクセットを装填し、被記録材としてOPPフィルム(フタムラ化学(株)製 FOR#20、膜厚20μm)上への画像記録を行った。液滴サイズは約42plとし、360×360dpi(dpiとは2.54cmあたりのドット数)の解像度で射出できるようにし、駆動周波数2kHzにて駆動した。フィルムの表面が60℃程度になるようにヒーターにてプレヒートしながら、下記インク付与順番に従い印字を行い、乾燥(80℃/60秒)させた。
(インク付与順番)
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与。
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与。
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与。
(粘度測定方法)
E型粘度計「V−25型(東機産業(株)製)」用いて、測定(インク温度25℃)した。
(pH測定方法)
MM−60R(東亜ディーケーケー(株)製)を用いて測定(インク温度25℃)した。
(評価方法)
吐出性、及び得られた印字について、恒温恒湿室(室温25℃、湿度50%)において、以下(1)〜(5)の物性を評価した。
(1)吐出性
連続12枚印刷後のノズルの目詰り等を評価した。
○:ノズル周辺にインク付着無く、ノズルの目詰り無し。
△:ノズル周辺にインク付着があるが、ノズルの目詰り無し。
×:ノズルの目詰り有り。
(2)滲み性(ブリード)
○:網点ドット、ベタ部の境界でインクが滲まない。
△:網点ドット、ベタ部の境界で若干滲みがある。
×:網点ドット、ベタ部の境界が滲む。
(3)ハジキ性
○:網点ドット、ベタ部でインクがはじかない。
△:網点ドット、ベタ部で若干インクがはじく。
×:網点ドット、ベタ部でインクがはじく。
(4)ベタ部再現性
○:ベタ画像印字部で濃度ムラ無くインクが再現する。
△:ベタ画像印字部の濃度ムラが印字部に対して20%未満。
×:ベタ画像印字部の濃度ムラが印字部に対して20%以上。
評価結果を、表11〜31に示す。
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
Figure 2014005448
インク付与順番
タイプA:第1のインクの付与後に第2のインクを付与
タイプB:第2のインクの付与後に第1のインクを付与
タイプC:第1のインクと第2のインクを同時付与
インク混合比率(質量比):ヒドロキシ基及びカルボキシル基を有さない樹脂(固形分)/ビニルアミン系ポリマー(固形分)
この結果、実施例1〜154で得たインクセットは、いずれも滲み性、ハジキ性、ベタ部再現性は良好であった。一方、比較例1は第1のインクにおけるバインダー樹脂としてヒドロキシ基及びカルボキシル基を有さない樹脂を用いた例であるが、印刷物の評価はいずれも×であった。比較例2〜4は第2のインクにビニルアミン系ポリマーを有さない例でも所望の効果が得られなかった。

Claims (6)

  1. 少なくとも2種類以上のインクを用いたインクジェット記録用インクセットであって、第1のインクは色材、ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂、水溶性溶媒及び/または水を含み、第2のインクは、ビニルアミン系ポリマー、水溶性溶媒及び/または水を含むことを特徴とするインクジェット記録用水性インクセット。
  2. 前記色材が顔料であり、前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂が水溶性溶媒及び/または水に分散している請求項1に記載の水性インクジェット記録用インクセット。
  3. 前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、又はエポキシ樹脂の樹脂エマルションである請求項1または2に記載の水性インクジェット記録用インクセット。
  4. 前記ヒドロキシ基及び/またはカルボキシル基を有する樹脂が、重量平均分子量10,000以上1,000,000以下であり、且つ酸価が1〜200mgKOH/gであるポリオレフィン樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の水性インクジェット記録用インクセット。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂がポリエーテル重合体鎖を有するポリオレフィン樹脂である請求項4に記載の水性インクジェット記録用インクセット。
  6. 非吸収性基材に印字する請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水性インクセット。
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