JP2014237235A - 繊維質成形体の製造方法 - Google Patents

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秀樹 川尻
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Abstract

【課題】繊維マットを押圧しながら、加熱・冷却して繊維質成形体を製造しても、熱可塑性樹脂繊維や繊維マットが装置に付着することを抑制できる繊維質成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】植物性繊維2が結着された構造を有する繊維質成形体1の製造方法であって、植物性繊維2と芯鞘構造をなす熱可塑性樹脂繊維3とを含む繊維マット4を、表裏両面から押圧しながら、熱可塑性樹脂繊維3の鞘部5を溶融させたのち固化する第1の溶融固化工程を備え、熱可塑性樹脂繊維3は、芯部6が第1の熱可塑性樹脂から形成され、且つ、鞘部5が第2の熱可塑性樹脂から形成されており、第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含み、第2の熱可塑性樹脂は、前記第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低く、且つ、非変性熱可塑性樹脂である。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維質成形体の製造方法に関する。更に詳しくは、複数の植物性繊維が結着された構造を有する繊維質成形体の製造方法に関する。
近年、天然材料と合成材料とを用いた複合材料の開発が進められている。このなかで、植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維とで形成された繊維マットを加熱後、冷却して、熱可塑性樹脂繊維を溶融・固化した複合材料が知られている。この複合材料を得る際には、繊維マットを押圧しながら、加熱及び冷却を連続して行うことが必要となる場合がある。しかし、加熱時にも冷却時にも継続して押圧すると、溶融された熱可塑性樹脂や繊維マットが装置内に付着してしまうことがある。そこで、この付着を防ぐために、繊維マットを離型シートに挟んで加熱・冷却する方法が用いられる。しかしながら、離型シートは高価であり、消耗品であるため、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。この問題に対して、離型シートを用いない方法が下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開2010−006030号公報 特開2010−280186号公報
上記特許文献1には、植物性繊維、低融点の熱可塑性樹脂繊維、高融点の熱可塑性樹脂繊維の3種の繊維を含んだ繊維マットを用いて、張り付きを抑制する方法が開示されている。更に、上記特許文献2には、熱可塑性樹脂の水分散体をスプレー塗布してから繊維マットをダブルベルトプレス装置に供給することで、張り付きを抑制する方法が開示されている。
これらはいずれも、離型シートを用いることなく成形できる点で優れている。しかしながら、各製造方法では、それに応じて材料選択の制約や成形条件の制約を生じることもあるため、より多くの異なった製造方法が求められる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、繊維マットを押圧しながら、加熱・冷却して繊維質成形体を製造しても、熱可塑性樹脂繊維や繊維マットが装置に付着することを抑制できる繊維質成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の繊維質成形体の製造方法は、植物性繊維が結着された構造を有する繊維質成形体の製造方法であって、
植物性繊維と芯鞘構造をなす熱可塑性樹脂繊維とを含む繊維マットを、表裏両面から押圧しながら、前記熱可塑性樹脂繊維の鞘部を溶融させたのち固化する第1の溶融固化工程を備え、
前記熱可塑性樹脂繊維は、芯部が第1の熱可塑性樹脂から形成され、且つ、鞘部が第2の熱可塑性樹脂から形成されており、
前記第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含み、
前記第2の熱可塑性樹脂は、前記第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低く、且つ、非変性熱可塑性樹脂であることを要旨とする。
請求項2に記載の繊維質成形体の製造方法は、請求項1に記載の繊維質成形体の製造方法において、前記第1の溶融固化工程は、ダブルベルトプレス装置を用いて行うことを要旨とする。
請求項3に記載の繊維質成形体の製造方法は、請求項1又は2に記載の繊維質成形体の製造方法において、前記第1の溶融固化工程の後に、前記熱可塑性樹脂繊維の芯部を溶融させたのち固化する第2の溶融固化工程を備えることを要旨とする。
請求項4に記載の繊維質成形体の製造方法は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の繊維質成形体の製造方法において、前記熱可塑性樹脂繊維は、前記芯部と前記鞘部との合計質量を100質量%とした場合に、前記鞘部が50質量%未満であることを要旨とする。
請求項1に記載の繊維質成形体の製造方法は、植物性繊維と芯鞘構造をなす熱可塑性樹脂繊維とを含む繊維マットを、表裏両面から押圧しながら、熱可塑性樹脂繊維の鞘部を溶融させたのち固化する第1の溶融固化工程を備える。そして、熱可塑性樹脂繊維は、芯部が第1の熱可塑性樹脂から形成され、且つ、鞘部が第2の熱可塑性樹脂から形成されている。更に、第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含み、第2の熱可塑性樹脂は、第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低く、且つ、非変性熱可塑性樹脂である。
このように製造することで、繊維マットを押圧しながら、加熱・冷却して繊維質成形体を製造しても、熱可塑性樹脂繊維や繊維マットが装置に付着することを抑制できる。
特に変性熱可塑性樹脂を含んだ第1の熱可塑性樹脂を、押圧下で溶融・固化すると、金型等の金属表面に付着し易くなる。しかし、本発明の製造方法では、第1の熱可塑性樹脂が、熱可塑性樹脂繊維の芯部となっている。そして、この芯部は、非変性の第2の熱可塑性樹脂から形成された鞘部によって覆われている。更に、第1の溶融固化工程では、鞘部を溶融するが、芯部を溶融しないように加熱する。このため、第1の溶融固化工程では、離型シートを用いずとも、変性熱可塑性樹脂を含んだ第1の熱可塑性樹脂が、溶融状態で金属表面と接することがない。従って、第1の熱可塑性樹脂が装置に付着することを防止できる。その一方、第1の溶融固化工程では、鞘部を形成している第2の熱可塑性樹脂を溶融・固化するため、植物性繊維同士は結着できる。しかし、この第2の熱可塑性樹脂は、非変性熱可塑性樹脂であるため金属表面に対して付着され難くなっている。このように、本方法では、第1の溶融固化工程を備えることによって、繊維マットを押圧下で加熱・冷却して繊維質成形体を製造しても、熱可塑性樹脂繊維や繊維マットが装置に付着され難くなっている。
請求項2に記載の繊維質成形体の製造方法は、第1の溶融固化工程を、ダブルベルトプレス装置を用いて行うものである。
このように、ダブルベルトプレス装置を用いることで、これを用いない場合に比べて、より容易に繊維マットを表裏両面から押圧しながら加熱・冷却することができる。即ち、ダブルベルトプレス装置では、金属ベルトに挟まれることで、繊維マットが表裏表面から押圧された状態を維持できる。そして、繊維マットを金属ベルトに挟んで押圧した状態を維持したまま、加熱ゾーンを通過させ、その後、冷却ゾーンを通過させることができる。
請求項3に記載の繊維質成形体の製造方法では、第1の溶融固化工程の後に、熱可塑性樹脂繊維の芯部を溶融させたのち固化する第2の溶融固化工程を備える。
この第2の溶融固化工程を備える場合には、第1の溶融固化工程で溶融されていない、熱可塑性樹脂繊維の芯部を溶融・固化させることができる。芯部は変性熱可塑性樹脂を含んだ第1の熱可塑性樹脂から形成されているため、第2の熱可塑性樹脂のみから結着された状態に比べて、植物性繊維同士をより強固に結着できる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
第1の溶融固化工程を説明する説明図である。 第2の溶融固化工程を説明する説明図である。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の繊維質成形体(1)の製造方法は、植物性繊維(2)が結着された構造を有する繊維質成形体(1)の製造方法である。
この製造方法では、植物性繊維(2)と芯鞘構造をなす熱可塑性樹脂繊維(3)とを含む繊維マット(4)を、表裏両面から押圧しながら、熱可塑性樹脂繊維(3)の鞘部(5)を溶融させたのち固化する第1の溶融固化工程を備える(図1参照)。
この熱可塑性樹脂繊維(3)は、芯部(6)が第1の熱可塑性樹脂から形成され、且つ、鞘部(5)が第2の熱可塑性樹脂から形成されている。そして、芯部(6)を構成する第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含む。一方、鞘部(5)を構成する第2の熱可塑性樹脂は、第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低く、且つ、非変性熱可塑性樹脂である。
植物性繊維(2)は、熱可塑性樹脂繊維(3)とともに繊維マット(4)を構成している繊維である。この植物繊維(2)は、植物に由来する繊維であり、植物から取り出した繊維や、これを加工した繊維が含まれる。植物性繊維(2)の元となる植物としては、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花等の各種植物が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、靭皮植物、即ち、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)が好ましい。靭皮植物は、一般に、成長が早く、優れた二酸化炭素吸収性を有する。このため、大気中の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に貢献できる。更に、靭皮植物のなかでもケナフが好ましく、更には、ケナフの靭皮から採取されるケナフ繊維が最も好ましい。
植物性繊維(2)の繊維長は特に限定されないが、通常、平均繊維長が10mm以上であり、10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましく、30〜80mmが更に好ましい。この平均繊維長は、JIS L1015に準拠して、直接法にて無作為に単繊維を1本ずつ取り出し、伸張させずにまっすぐに伸ばし、置尺上で繊維長を測定し、合計200本について測定した値の平均値である。以下、平均繊維長については同様である。
熱可塑性樹脂繊維(3)は、植物性繊維(2)とともに繊維マット(4)を構成している繊維である。この熱可塑性樹脂繊維(3)は、溶融・固化されて、得られる繊維質成形体(1)では、植物性繊維(2)を結着するバインダとなる。
熱可塑性樹脂繊維(3)のうち、鞘部(5)は、非変性熱可塑性樹脂である第2の熱可塑性樹脂から形成されている。
第2の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及びABS樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記第2の熱可塑性樹脂のうち、ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂等が挙げられる。このうち脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリカプロラクトン及びポリブチレンサクシネート等が挙げられる。また、芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。更に、アクリル樹脂としては、メタクリレート、アクリレート等を用いて得られた各種樹脂が挙げられる。
第2の熱可塑性樹脂としては、上記各種熱可塑性樹脂のなかでも、ポリオレフィン樹脂(非変性ポリオレフィン樹脂)が好ましい。ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、ポリオレフィン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等のポリエチレン樹脂が挙げられる。これらのポリエチレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がエチレンに由来する単位の樹脂である。更に、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体等)、プロピレン・1−ブテン共重合体等のポリプロピレン樹脂が挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がプロピレンに由来する単位の樹脂である。
また、第2の熱可塑性樹脂は、第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低くされている。第2の熱可塑性樹脂の融点(MT)は、第1の熱可塑性樹脂の融点(MT)よりも低ければよいが、その差(MT−MT)は、10℃以上であることが好ましい。この範囲では、芯部(6)を溶融させることなく、より確実に鞘部(5)を溶融させ易い。更に、この差(MT−MT)は、10℃以上且つ60℃以下であることが好ましく、15℃以上且つ50℃以下であることがより好ましく、20℃以上且つ45℃以下であることが特に好ましい。尚、各熱可塑性樹脂の融点(融解温度)は、JIS K7121に準拠して測定される。
一方、熱可塑性樹脂繊維(3)のうち、芯部(6)は第1の熱可塑性樹脂から形成されている。そして、第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含んでいる。
変性熱可塑性樹脂は、変性された熱可塑性樹脂であり、通常、変性によって極性基が導入されている。変性によって導入される極性基としては、無水カルボン酸基(−CO−O−OC−)、カルボン酸基(−COOH)、カルボニル基(−CO−)、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH)、ニトロ基(−NO)、ニトリル基(−CN)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、無水カルボン酸基、カルボン酸基、カルボニル基のうちの少なくとも1種が好ましく、無水カルボン酸基又はカルボン酸基が特に好ましい。
これらの極性基はどのような化合物を用いて導入してもよいが、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等を用いて導入できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、無水マレイン酸及び無水イタコン酸が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
一方、変性する熱可塑性樹脂(未変性熱可塑性樹脂)としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及びABS樹脂等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
即ち、変性熱可塑性樹脂としては、変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。更に、変性ポリオレフィン樹脂のなかでも、無水カルボン酸基、カルボン酸基、及び、カルボニル基のうちの少なくとも1種が導入された酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。更に、そのなかでも、無水カルボン酸基又はカルボン酸基が導入された酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、特に無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。
また、変性熱可塑性樹脂が酸変性熱可塑性樹脂である場合、この酸変性熱可塑性樹脂の酸価は15以上(通常、80以下)が好ましい。この範囲では、第1の熱可塑性樹脂に含まれる酸変性熱可塑性樹脂の量を抑えつつ、植物性繊維(2)に対して十分な結着性能を発揮させることができる。この酸価は15〜70がより好ましく、20〜60が更に好ましく、23〜30が特に好ましい。この酸価はJIS K0070により測定される。
更に、変性熱可塑性樹脂の分子量は、重量平均分子量で10000〜200000が好ましい。この範囲では、第1の熱可塑性樹脂に含まれる酸変性熱可塑性樹脂の量を抑えつつ、植物性繊維(2)に対して十分な結着性能を発揮させることができる。この重量平均分子量は15000〜150000がより好ましく、25000〜100000が更に好ましく、35000〜60000が特に好ましい。この重量平均分子量はGPC法により測定される。
また、第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂のみからなってもよいが、通常、非変性熱可塑性樹脂と変性熱可塑性樹脂との混合樹脂である。
第1の熱可塑性樹脂に含まれる非変性熱可塑性樹脂としては、上記第2の熱可塑性樹脂として例示した各種熱可塑性樹脂(非変性熱可塑性樹脂)を利用できる。即ち、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及びABS樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
但し、第1の熱可塑性樹脂に含まれる非変性熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂の非変性熱可塑性樹脂とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
第1の熱可塑性樹脂に非変性熱可塑性樹脂が含まれる場合、変性熱可塑性樹脂の割合は、非変性熱可塑性樹脂と変性熱可塑性樹脂との合計を100質量%として、1〜12質量%であることが好ましい。この範囲では、植物性繊維(2)に対する十分な結着性能を維持しつつ、熱可塑性樹脂繊維(3)の形成をより容易にすることができる。この割合は2〜9質量%がより好ましく、3〜7質量%が更に好ましく、4〜6質量%が特に好ましい。
更に、熱可塑性樹脂繊維(3)を構成する鞘部(5)の割合は、鞘部(5)と芯部(6)との合計質量を100質量%とした場合に、50質量%未満であることが好ましい。この範囲は、第1の熱可塑性樹脂が植物性繊維同士をより強固に結着できるという観点から好ましい。この割合は、10質量%以上50質量%未満がより好ましく、15質量%以上65質量%以下が更に好ましく、20質量%以上60質量%以下が特に好ましい。
また、熱可塑性樹脂繊維(3)の繊度は、0.1〜50dtexが好ましい。この範囲では、植物性繊維(3)との混繊がし易く、また、繊維同士を均一に分散させ易い。この繊度は0.5〜25dtexがより好ましく、1〜10dtexが特に好ましい。
繊維マット(4)に含まれる植物性繊維(2)の割合は、植物性繊維(2)と熱可塑性樹脂繊維(3)との合計を100質量%とした場合に、30〜95質量%であることが好ましい。この割合は、32〜80質量%がより好ましく、33〜70質量%が更に好ましく、35〜65質量%が特に好ましい。
また、繊維マット(4)には、植物性繊維(2)及び熱可塑性樹脂繊維(3)以外に他の材料を含むことができる。他の材料としては、熱可塑性樹脂繊維(3)の芯部(6)を構成する第1の熱可塑性樹脂が溶融される温度において、繊維形状を維持することができる他の繊維を配合できる。具体的には、第1の熱可塑性樹脂よりも融点が高い第3の熱可塑性樹脂からなる樹脂繊維や、レーヨン、綿、麻、フェノール樹脂繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維等が挙げられる。例えば、第1の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を選択する場合には、第3の熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂を選択できる。これらの他の繊維は、熱可塑性樹脂繊維(3)の芯部(6)が溶融されても繊維の形態を維持することができる。従って、得られる繊維質形成体(1)内において、植物性繊維(2)と同様に補強繊維として機能させることができる。
更に、繊維マット(4)には、熱膨張性カプセルを含むことができる。熱膨張性カプセルは、熱可塑性樹脂からなる殻壁(カプセル)と、殻壁内に収容された発泡剤とを有し、加熱により体積膨張するカプセルである。即ち、熱膨張性カプセルは、加熱されると、発泡剤が発泡(膨張)されて、その発泡によって、軟化された殻壁が押し広げられて、体積膨張するカプセルである。
本方法における第1の溶融固化工程は、前述のように、繊維マット(4)を、表裏両面から押圧しながら、熱可塑性樹脂繊維(3)の鞘部(5)を溶融させたのち固化する工程である。即ち、繊維マット(4)を表裏両面から押圧した状態で、加熱を行って繊維マット(4)に含まれた熱可塑性樹脂繊維(3)のうちの鞘部(5)を溶融させる。更に、繊維マット(4)を表裏両面から押圧した状態を継続した状態で、鞘部(5)を構成していた第2の熱可塑性樹脂を冷却して固化させる工程である。このように、押圧した状態で加熱と冷却とを連続して行うと、繊維質成形体(1)を圧縮した状態で植物性繊維(2)同士を結着できる。従って、加熱及び冷却を個別に分離して行う場合に比べて、厚さの薄い繊維質成形体(1)を得ることができる。
第1の溶融固化工程における押圧、加熱及び冷却の各条件は、特に限定されないが、例えば、押圧は40〜200Paとすることができ、80〜160Paとすることが好ましい。
また、加熱は、第2の熱可塑性樹脂が溶融される温度であって、第1の熱可塑性樹脂が溶融されない温度であればよい。具体的には、第2の熱可塑性樹脂の融点より1℃以上高く、第1の熱可塑性樹脂の融点より1℃以上低い温度に加熱することが好ましい。更には、第2の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上高く、第1の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上低い温度に加熱することがより好ましい。
更に、冷却は、第2の熱可塑性樹脂が固化される温度であればよい。具体的には、第2の熱可塑性樹脂の融点よりも20℃以上低い温度に冷却することが好ましい。
第1の溶融固化工程では、具体的にどのような装置を用いて、繊維マット(4)を加熱・冷却してもよいが、ダブルベルトプレス装置を用いて行うことが好ましい。ダブルベルトプレス装置の形態は限定されず、結果的に、押圧した状態で第2の熱可塑性樹脂を溶融・固化させることができればよい。このような機能を有したダブルベルトプレス装置としては、例えば、下記の形態の装置が例示できる。
ダブルベルトプレス装置(10)は(図1参照)、上下に対向された2つの金属製ベルト(11A及び11B)を有する。そして、これらの金属製ベルト(11A及び11B)は、駆動ローラ(12A及び12B)と、従動ローラ(13A及び13B)に掛け回されている。金属製ベルトは、例えば、ステンレス等の金属から形成される。
更に、駆動ローラ(12A)及び従動ローラ(13A)に掛け回された金属ベルト(11A)の内側に、複数のローラからなる第1のローラ群(14A)と、複数のローラからなる第2のローラ群(15A)と、を備える。同様に、駆動ローラ(12B)及び従動ローラ(13B)に掛け回された金属ベルト(11B)の内側には、複数のローラからなる第1のローラ群(14B)と、複数のローラからなる第2のローラ群(15B)と、を備える。
このうち、第1のローラ群(14A)と第1のローラ群(14B)とは、2つの金属ベルト(11A及び11B)を挟んだ状態で対向されている。そして、第1のローラ群(14A及び14B)の間のクリアランスは、繊維マット(4)よりも狭く設定されている。このため、第1のローラ群(14A及び14B)の間を通過する繊維マット(4)は、金属ベルト(11A及び11B)に挟まれた状態で、表裏両面から押圧されることとなる。また、第1のローラ群(14A及び14B)の内部には、加熱された油等の加熱用媒体が流通されている。このため、繊維マット(4)は、第1のローラ群(14A及び14B)の間を通過する際に加熱されるようになっている。そして、繊維マット(4)が、第1のローラ群(14A及び14B)の間で加熱されることで、熱可塑性樹脂繊維(3)の鞘部(5)が溶融されることとなる。
一方、第2のローラ群(15A)及び第2のローラ群(15B)も、第1のローラ群(14A及び14B)と同様に、2つの金属ベルト(11A及び11B)を挟んだ状態で対向されている。そして、第2のローラ群(15A及び15B)の間のクリアランスが、繊維マット(4)よりも狭く設定されていることで、その間を通過する繊維マット(4)を表裏両面から押圧できるようになっている。更に、第2のローラ群(15A及び15B)の内部には、冷却水等の冷却用媒体が流通されている。このため、繊維マット(4)は、第2のローラ群(15A及び15B)の間を通過する際に冷却されるようになっている。そして、繊維マット(4)は、これら第2のローラ群(15A及び15B)の間で冷却されることで、鞘部(5)が溶融された第2の熱可塑性樹脂が固化される。このようにして、植物性繊維(2)及び溶け残った熱可塑性樹脂繊維(3)の芯部(6)が結着された繊維質成形体(1)が得られる。
本発明の製造方法では、第1の溶融固化工程の後に、第2の溶融固化工程を備えることができる。第2の溶融固化工程は、熱可塑性樹脂繊維(3)の芯部(6)を溶融させたのち固化する工程である。即ち、第1の溶融固化工程で、残存された芯部(6)を溶融・固化する工程である。芯部(6)は、変性熱可塑性樹脂を含んだ第1の熱可塑性樹脂であるため、その変性基が植物性繊維(2)に対して高い親和性を発揮して、植物性繊維(2)同士を強固に結着できる。
一方で、第1の熱可塑性樹脂は、装置の金属表面等に対して付着し易い性質を有する。このため、第2の溶融固化工程は、繊維質成形体(1)を、表裏両面から押圧した状態で加熱及び冷却を連続的に行うのではなく、加熱と冷却とを各々異なる装置で行うことが好ましい。即ち、加熱する装置と、冷却する装置と、を各々用いることが好ましい。
また、第2の溶融固化工程において、芯部(6)を溶融する際には、繊維質成形体(1)を押圧してもよく、押圧しなくてもよい。押圧しながら芯部(6)を溶融する場合には、芯部(6)を構成した第1の熱可塑性樹脂が固化する前に、繊維質成形体(1)に対する押圧を停止することが好ましい。具体的には、図2に示すように、ヒータ(21)を備えた熱盤プレス装置(20)を用いて、繊維質成形体(1)を加熱圧締して加熱した後、熱盤プレスを開放して、繊維質成形体(1)に対する押圧を停止できる。これにより、芯部(6)が溶融された状態の繊維質成形体(7)が得られる。その後、この芯部(6)が溶融された繊維質成形体(7)は、更に、プレス成形装置(25)を用いて、必要な形状に賦形することができる。即ち、所望の形状を有する金型内で、繊維質成形体(7)を冷却して、溶融された第1の熱可塑性樹脂を固化することで、繊維質成形体(7)に形状を与えたることができる。このようにして、鞘部(5)及び芯部(6)の両方が溶融・固化された状態の繊維質成形体(8)が得られる。この繊維質成形体(8)では、植物性繊維(2)が、熱可塑性樹脂(9)によって結着された状態となっている。
第2の溶融固化工程における加熱及び冷却の各条件は、特に限定されないが、例えば、加熱は、第1の熱可塑性樹脂の融点より1℃以上高い温度に加熱することが好ましく、更には、第1の熱可塑性樹脂の融点より5℃以上高い温度に加熱することがより好ましい。更に、冷却は、第1の熱可塑性樹脂及び第2の熱可塑性樹脂が固化される温度であればよい。具体的には、第2の熱可塑性樹脂の融点よりも20℃以上低い温度に冷却することが好ましく、50℃以上低い温度であることがより好ましい。
本発明の繊維質成形体の形状、大きさ及び厚さ等は特に限定されない。また、その用途も特に限定されない。この繊維質成形体は、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材及び外装材等として用いられる。このうち自動車用品としては、自動車用内装材、自動車用インストルメントパネル、自動車用外装材等が挙げられる。具体的には、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレスト、自動車用ドアトリム、シート構造材、シートバックボード、天井材、コンソールボックス、自動車用ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー及びカウリング等が挙げられる。更に、例えば、建築物及び家具等の内装材及び外装材等が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材等が挙げられる。その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材及びパーティション部材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]繊維質成形体1の製造
〈1〉実施例1
(1)繊維マット用繊維の調製
植物性繊維2としてケナフ繊維(平均繊維長70mm)を用いた。
熱可塑性樹脂繊維3として、下記第1の熱可塑性樹脂を芯部6とし、下記第2の熱可塑性樹脂を鞘部5とした芯鞘構造の熱可塑性樹脂繊維3(6dtex、平均繊維長51mm)を用いた。この熱可塑性樹脂繊維3は、鞘部5と芯部6との合計100質量%に対して、鞘部5の質量割合が30質量%となっている。
第1の熱可塑性樹脂(芯部6を構成)として、非変性熱可塑性樹脂と変性熱可塑性樹脂とを質量比95:5(非変性:変性)で混合した混合熱可塑性樹脂を用いた。そして、非変性熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン(ホモポリマー)を用い、変性熱可塑性樹脂として、酸変性ポリプロピレン(三菱化学株式会社製、品名「Modic P908」)を用いた。この第1の熱可塑性樹脂の融点(MT)は約165℃である。
一方、第2の熱可塑性樹脂(鞘部5を構成)として、低密度ポリエチレンを用いた。この低密度ポリエチレンの融点(MT)は、123℃である。
(2)繊維マットの調製
上述の植物性繊維2と、熱可塑性樹脂繊維3と、を質量比50:50となるように混繊して混合繊維を得た。その後、混合繊維をマット製造装置に供給し、繊維マット4を調製した。このマット製造装置は、エアレイ機を含んでおり、混合繊維から繊維マット4を形成できる装置となっている。
(3)第1の溶融固化工程(図1参照)
得られた繊維マット4を、ダブルベルトプレス装置10に供給して、繊維質成形体1を得た。この際には、離型シートを用いることなく、繊維マット4を直接ダブルベルトプレス装置10に供給した。そして、この操作を行っても、ダブルベルトプレス装置10のステンレスベルト11A及び11Bに対する繊維マット4の付着は認められなかった。
ダブルベルトプレス装置10は、駆動ローラ12A及び12Bと、従動ローラ13A及び13Bに掛け回されて、上下に対向されたステンレスベルト11A及び11Bを有している。更に、第1のローラ群14A及び14B、並びに、第2のローラ群15A及び15B、を有している。
そして、第1のローラ群14Aと第1のローラ群14Bとは、ステンレスベルト11A及び11Bを挟んだ状態で対向されている。そして、第1のローラ群14A及び14Bの間のクリアランスは、繊維マット4よりも狭く設定されている。また、第1のローラ群14A及び14Bの内部には、加熱油が流通されており、第1のローラ群14A及び14Bの間を通過する繊維マット4を加熱できるようになっている。
更に、第2のローラ群15Aと第2のローラ群15Bとは、ステンレスベルト11A及び11Bを挟んだ状態で対向されている。そして、第2のローラ群15A及び15Bのクリアランスは、繊維マット4よりも狭く設定されている。また、第2のローラ群15A及び15Bの内部には、冷却水が流通されており、第2のローラ群15A及び15Bの間を通過する繊維マット4を冷却できるようになっている。
ダブルベルトプレス装置10に供給された繊維マット4は、ステンレスベルト11A及び11Bに挟まれて、表裏両面から押圧された状態を維持しながら、第1のローラ群14A及び14Bの間へと搬送される。そして、繊維マット4は、第1のローラ群14A及び14Bの間で加熱されて、熱可塑性樹脂繊維3の鞘部5(第2の熱可塑性樹脂である)が溶融される。
更に、第2の熱可塑性樹脂が溶融された状態の繊維マット4は、ステンレスベルト11A及び11Bに挟まれて、表裏両面から押圧された状態を維持しながら、第2のローラ群15A及び15Bの間へと搬送される。そして、繊維マット4は、第2のローラ群15A及び15Bの間で冷却されて、第2の熱可塑性樹脂が固化される。
この際に、ダブルベルトプレス装置10内での押圧は100〜120Paの範囲となるように行った。また、加熱は、138〜150℃の温度範囲で行った。更に、冷却は、第2の熱可塑性樹脂の融点よりも50℃以上低い温度範囲に冷却して行った。
(4)第2の溶融固化工程(図2参照)
上記(3)で第1の溶融固化工程を経て得られた繊維質成形体1を、ヒータ21を備えた熱盤プレス装置20に挟んで加熱圧締した。この際、熱盤プレス装置20では、第1の熱可塑性樹脂の融点より30〜40℃高い温度となるように加熱して、熱可塑性樹脂繊維3の芯部6を溶融した。即ち、第1の熱可塑性樹脂を溶融した。その後、熱盤プレス装置20の圧締を開放して、加熱された状態の繊維質成形体1を取り出した。
次いで、この加熱された状態の繊維質成形体1を、プレス成形装置25に供給し、繊維質成形体1の賦形を行った。即ち、プレス成形装置25の型内で冷却しながら、第1熱可塑性樹脂を固化した。この賦形においても、繊維質成形体1が、プレス成形装置25の型内に付着することはなかった。
〈2〉実施例2
熱可塑性樹脂繊維3の鞘部5を構成する第2の熱可塑性樹脂として、プロピレン・ブテン共重合体(プロピレンとブテンとのランダムコポリマー)を用いた。このプロピレン・ブテン共重合体の融点(MT)は130〜140℃である。その他は、実施例1と同様の植物性繊維2及び熱可塑性樹脂繊維3を用いた。
その後、実施例1と同様に、繊維マット4の調製を行った。その後、得られた繊維マット4を、実施例1と同様に、第1の溶融固化工程及び第2の溶融固化工程に供して、賦形された繊維質成形体1を得た。この際にも、第1の溶融固化工程及び第2の溶融固化工程の両工程を通じて、繊維マット4及び繊維質成形体1がステンレスベルト及び型等に付着することはなかった。
尚、この実施例2では、ダブルベルトプレス装置10内での加熱を、150〜155℃の温度範囲で行った以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
1;繊維質成形体、2;植物性繊維、3;熱可塑性樹脂繊維、4;繊維マット、5;鞘部、6;芯部、7;繊維質成形体、8;繊維質成形体、9;熱可塑性樹脂、
10;ダブルベルトプレス装置、11A及び11B;ステンレスベルト、12A及び12B;駆動ローラ、13A及び13B;従動ローラ、14A及び14B;ローラ群、15A及び15B;ローラ群、
20;熱盤プレス装置、
25;プレス成形装置。

Claims (4)

  1. 植物性繊維が結着された構造を有する繊維質成形体の製造方法であって、
    植物性繊維と芯鞘構造をなす熱可塑性樹脂繊維とを含む繊維マットを、表裏両面から押圧しながら、前記熱可塑性樹脂繊維の鞘部を溶融させたのち固化する第1の溶融固化工程を備え、
    前記熱可塑性樹脂繊維は、芯部が第1の熱可塑性樹脂から形成され、且つ、鞘部が第2の熱可塑性樹脂から形成されており、
    前記第1の熱可塑性樹脂は、変性熱可塑性樹脂を含み、
    前記第2の熱可塑性樹脂は、前記第1の熱可塑性樹脂よりも融点が低く、且つ、非変性熱可塑性樹脂であることを特徴とする繊維質成形体の製造方法。
  2. 前記第1の溶融固化工程は、ダブルベルトプレス装置を用いて行う請求項1に記載の繊維質成形体の製造方法。
  3. 前記第1の溶融固化工程の後に、前記熱可塑性樹脂繊維の芯部を溶融させたのち固化する第2の溶融固化工程を備える請求項1又は2に記載の繊維質成形体の製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂繊維は、前記芯部と前記鞘部との合計質量を100質量%とした場合に、前記鞘部が50質量%未満である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の繊維質成形体の製造方法。
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