JP2014235920A - 電池外装用積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、極限粘度(IV)が0.65dl/g以上であり、面配向度(ΔP)が0.140〜0.162である、厚みが6〜50μmのポリエステルフィルムが金属箔の片面に積層されてなることを特徴とする電池外装用積層フィルム。
【選択図】 なし
Description
0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、
フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
特に限定されないが、密着性の観点から接着剤を用いたドライラミネーションが好ましく
用いられる。用いる接着剤としては、熱硬化タイプでも熱可塑タイプでも構わないが、好
ましくは熱硬化タイプが好ましい。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、スチレン− ブタジエン共重合体、アクリルニトリル− ブタジエ
ン共重合体、メチルメタアクリレート− ブタジエン共重合体、クロロプレン、ポリブタ
ジェン等のゴム系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポ
リブタジエン、あるいはこれらの樹脂のカルボキシル変性物、エポキシ系樹脂、セルロー
ス系誘導体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、ポリエチレンオキサイド、アクリル系樹脂
、リグニン誘導体等からなる接着剤が挙げられる。ポリエステルフィルムとポリオレフィ
ンフィルムとの密着性の点からは、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる接
着剤が好ましい。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステルチップであったら粉砕する。ポリエステルフィルムであったらカッターにてスライスし、サンプルを採取する。熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から1.0gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール30mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム50mlを徐々に加えて室温まで冷却した。得られた溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。又、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって末端カルボキシル基量(当量/トン)を算出した。
末端カルボキシル基量(当量/t)=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である。〕なお、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った)。以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚さを求めた。但し、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
アタゴ製アッベ式屈折計を使用した。ヨウ化メチレンをマウントして、試料フィルムを測定面が下になるようにプリズムに密着させ、単色光ナトリウムD線(589nm)を光源として長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(それぞれnX、nY、nZ)を測定した。得られた値から下記式により各層の面配向度ΔPを求めた。なお、測定試料は製品マスターロールの中央部分より採取した。
ΔP=(nX+nY)/2−nZ
ポリエステルフィルムを生産する際に発生する破断(フィルム破れ)の回数を用いて、生産性に関して、下記判定基準により、判定を行なった。
(判定基準)
○:8時間当たり0回
×:8時間当たり3回以上
平山製作所製 パーソナルプレッシャークッカーPC−242HS−Eを用いて、120℃―100%RHの雰囲気にてフィルムを60時間処理した。次いで、23℃×50%RHで24時間調温・調湿した後、フィルムの機械的特性として、製膜方向(MD)の破断伸度を測定した。測定には株式会社島津製作所製 万能試験機AUTOGRAPHを使用し、幅15mmのサンプルで、チャック間50mmとして、引張り速度200mm/分の条件で行った。処理前後での破断伸度の保持率(%)を下記の式にて算出し、下記判定基準により判定を行なった。
破断伸度保持率=処理後の破断伸度÷処理前の破断伸度×100
(判定基準)
◎:保持率が80%以上
○:保持率が60〜80%未満
△:保持率が30〜60%未満
×:保持率が30%未満
△以上は実用上、問題なりレベル。
ポリエステルフィルム/アルミニウム箔/の電池外装用積層フィルムのアルミニウム箔上に、シーラントとしてマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレンとを共押出しした2層共押出しフィルム(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層:15μm、ポリプロピレン樹脂層:30μm)を、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層がアルミニウム箔側に位置するようにし、ラミネーターを用いて加熱圧着(測定温度:120℃、測定圧力:0.3MPa、ラインスピード:2m/min)させることで積層させ、電池外装用積層体を作成した。得られた積層体を、200mm×200mm大に切り出し、150mm×150mmの矩形状の雄型(R:2mm)とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型(R:2mm)からなる金型を用いて、雄型側にシーラント側がくるように雌型上に電池外装用積層体をセットし、プレス成型(加圧:0.1MPa)を行い、電池外装用成型体を得た。得られた電池外装用成型体について、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
◎:10mm以上で成型可能(破損なし)
○:7m以上10mm未満で破損が発生
△:5mm以上7mm未満で破損が発生
×:5mm未満で破損が発生。
1個のスラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続式重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを重量比で100:45の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してリン原子としての含有量が4重量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で267℃、相対圧力100kPa、平均滞留時間4時間に設定され、反応生成物が存在する第1段目のエステル化反応槽に連続的に流量120kg/hrで供給し、次いで、第1段目のエステル化反応生成物を、窒素雰囲気下で265℃、相対圧力5kPa、平均滞留時間2時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、更にエステル化反応させた。その際、第2段エステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、エチレングリコールを生成するポリエステル樹脂に対して322モル/トンになる量を連続的に供給した。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は97%であった。
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるようにチップが重ならないようにした状態で連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.83(dl/g)となるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。末端カルボキシル基量は6(当量/t)であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール200重量部とを出発原料とし、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム・4水和物を得られるポリエステル樹脂1tあたりのマグネシウム含有量が46g/樹脂tとなる量で、加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。
この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子、エチルアシッドホスフェート、酢酸マグネシウム・4水和物、そしてテトラ−n−ブチルチタネートとの混合物からなるエチレングリコールスラリー溶液を添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。なお、エチレングリコールスラリー溶液中の各化合物の量は、得られるポリエステルに対する含有量について、シリカ粒子は3.0重量%となるように、エチルアシッドホスフェートについてはリン元素量として74g/樹脂tとなるように、酢酸マグネシウム・4水和物については、マグネシウム元素量とし46g/樹脂tとなるように(エステル交換時に添加したマグネシウムも含めて、マグネシウム元素量として合計92g/樹脂tとなる)、テトラ−n−ブチルチタネートについてはチタン元素量として5g/樹脂tとなるように、調整してある。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(3)を得た。極限粘度は0.60(dl/g)、末端カルボキシル基量は21(当量/t)であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55(dl/g)に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(4)のチップを得た。極限粘度は0.55(dl/g)、末端カルボキシル基量は35(当量/t)であった。
ポリエステルチップ(4)を真空下220℃で固相重合し、ポリエステル(5)を得た。極限粘度は0.75(dl/g)、末端カルボキシル基量は25(当量/t)であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を0.02部加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドホスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.64に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(6)のチップを得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.64(dl/g)、末端カルボキシル基量は45(当量/t)であった。
ポリエステル原料(1)の製造法において、エステル化反応生成物を重合させる際に、テトラ−n−ブチルチタネートを、添加しないことを除いて、ポリエステル原料(1)と同様な条件でポリエステル原料(7)を重合した。得られたポリエステルチップの極限粘度は0.49(dl/g)であり、脆化が激しくポリエステルフィルムの製膜に不適な原料であった。
上記ポリエステル原料(2)およびポリエステル原料(3)を96:4の比率で混合したポリエステルを原料とし、ベント付き二軸押出機に投入した。なお、ベント付き二軸押出機の内径Dは44mm、吐出量Qは21kg/hr、スクリュー回転数Nは140rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。原料を二軸押出機中、290℃で溶融混練し、得られた溶融体をスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に89℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各ゾーンにおける温度(℃)を85/95/107/173/231/231℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行った。その際、横方向に4.0倍延伸させた。得られたポリエステルフィルムの厚さは12μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
次に得られたポリエステルフィルムとアルミニウム箔(住金軽金属工業製:厚み40μm)とをウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを15:1.5:25(質量比))を使用して常法によりドライラミネートして電池外装用積層フィルムを作成した。
実施例1の製造方法において、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/175/237/237℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例1の製造方法において、表1記載の原料配合とすること、ならびに、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/173/235/235℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例1の製造方法において、表1記載の原料配合とすること、ならびに、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/172/236/236℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例1において、フィルム厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例1の製造方法において、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/107/170/220/220℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1の製造方法において、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/107/175/240/240℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1の製造方法において、表2記載の原料配合とすること、ならびに、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/173/235/235℃に設定したテンターに導くことを除いて実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、フィルム厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。得られたフィルムは厚みが厚く、腰が強いので、金属箔と貼り合わせた後の成形性が不十分であった。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、フィルム厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。得られたフィルムは生産性の面でフィルム破断が頻発し、連続製膜性に劣る状況にあった。
Claims (1)
- 末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、極限粘度(IV)が0.65dl/g以上であり、面配向度(ΔP)が0.140〜0.162である、厚みが6〜50μmのポリエステルフィルムが金属箔の片面に積層されてなることを特徴とする電池外装用積層フィルム。
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