JP2014235920A - 電池外装用積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 リチウム電池外装用として使用した場合に、耐加水分解性、成形性良好であり、経年に伴うフィルム強度低下が極力少ない積層フィルムを提供する。
【解決手段】 末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、極限粘度(IV)が0.65dl/g以上であり、面配向度(ΔP)が0.140〜0.162である、厚みが6〜50μmのポリエステルフィルムが金属箔の片面に積層されてなることを特徴とする電池外装用積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池外装用積層フィルムに関するものであり、詳しくは、リチウム電池に使用する電池外装用として、耐加水分解性、成形性が良好な積層フィルムを提供するものである。
リチウム電池とは、リチウム2次電池ともいわれ、液状、ゲル状高分子、固体高分子、ポリマー電解質などを持ち、リチウムイオンの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活性物質が高分子からなるものを含むものである。リチウム2次電池の構成としては、正極集電材/正極活性物質層/電解質層/負極活性物質層/負極集電材およびそれらを包装する外装体から構成される。近年、その高い体積効率、軽量化に着目し、パソコン、携帯電話、PDA、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池等の各種小型大容量電源として、注目されており、さらなる用途拡大が進行している状況下にある。
リチウム電池外装体としては、金属をプレス加工し円筒状または直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、最外層/アルミニウム/シーラント層から構成される多層フィルムを袋状形態にしたものが汎用的である。しかしながら、金属製缶は容器外壁が剛直ゆえに、電池自体の形状が固定され、ハードウエア側を電池に合わせ設計するため、該電池を用いるハードウエアの寸法が電池により決定される等、デザイン設計上の自由度に制約があった。そのため、形状設計の自由度がより高い、多層フィルムから構成される袋状外装体が嗜好される傾向にある。
一方、リチウム電池外装体に対する要求物性として、防湿性、耐内容物性(内容物として使用する電解液などの化合物に対する耐性)、成形性等が挙げられるが、これらの要求特性を同時に満足するフィルム素材として、例えば、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムが例示される(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、例えば、前記熱可塑性樹脂フィルムを車載用リチウム電池の外装に使用することを想定した場合、構成部材に関しては15年間の長期間にわたる品質保証が要求される傾向にある。そのため、経年に伴う、フィルム強度の低下等、フィルム層の品質劣化が懸念される場合がある。
特開平9−115428号公報 特開2004−362953号公報 特開2012−33393号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、特にリチウム電池外装用として、耐加水分解性、成形性良好であり、経年に伴うフィルム強度低下が極力少ない積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルムを構成部材として用いることによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、極限粘度(IV)が0.65dl/g以上であり、面配向度(ΔP)が0.140〜0.162である、厚みが6〜50μmのポリエステルフィルムが金属箔の片面に積層されてなることを特徴とする電池外装用積層フィルムに存する。
本発明の積層フィルムは、特に電池外装用として、耐加水分解性、成形性が良好であるため、その積層フィルムを使用したリチウム電池はパーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォン、デジタルカメラ等、各種小型大容量電源として利用することが可能であり、その工業的価値は高い。
本発明におけるポリエステルフィルムは単層であっても積層であってもよく、積層構成の場合には、2層構成であってもよく、例えば、2層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、3層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明の基材となるポリエステルフィルムのポリエステル原料は、通常、ポリエステルの重合でよく用いられるアンチモン、チタン、ゲルマニウムなどの金属化合物重合触媒を用いることができる。ただし、これらの触媒量が多いと、フィルム化のためのポリエステルを溶融させた際に、分解反応起きやすくなり、分子量の低下などにより末端カルボキシル基濃度が高くなり、耐加水分解性が劣るようになる。一方で重合触媒量が少な過ぎる場合には、重合反応速度が低下するので、重合時間が長くなって末端カルボキシル基濃度が高くなり、結果的に耐加水分解性を悪化させることになる。このため、本発明においては、アンチモンであれば通常50〜400ppm、好ましくは100〜350ppm、チタンであれば通常、1〜20ppm、好ましくは2〜15ppm、ゲルマニウムであれば通常、3〜50ppm、好ましくは5〜40ppmの範囲とするのがよい。またこれらの重合触媒は、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
本発明のポリエステルフィルムで用いるポリエステル原料の触媒はチタンであることが、透明性の点で好ましい。また、チタン元素含有量は10ppm以下である必要があり、好ましくは9ppm以下、さらに好ましくは8ppm以下である。下限については特に設けないが、実際には2ppm程度が現在の技術では下限となる。チタン化合物の含有量が多すぎると、チタン原子の活性化が高いため、ポリエステルを溶融押出する工程でオリゴマーが副生成しやすく、その結果裏面保護材とした際の他部材との接着性に劣る傾向がある。また、チタン元素を全く含まない場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られないことがある。
本発明において、ポリエステル層中には易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらに、ポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは
0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、
フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明におけるポリエステルフィルム中には上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、6〜50μm、好ましくは6〜25μmの範囲である。厚みが6μm未満の場合、フィルム破断が頻発し、連続製膜性が不十分になりやすく、一方、50μmを越える場合には金属箔の変形に追従するのが困難になる。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数のダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、後述する測定方法によってフィルム全体の末端カルボキシル基量を測定したときに、26当量/トン以下であることが必要であり、好ましくは24当量/トン以下である。末端カルボキシル基量が26当量/トンを超える場合、ポリエステルフィルムの耐加水分解性が劣る傾向にある。一方、本願発明の耐加水分解性を鑑みると、ポリエステルの末端カルボキシル基量の下限は特に限定されるわけではいないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での加水分解や熱分解等の観点から、通常は5当量/トン程度である。
本発明のポリエステルフィルムは、後述する測定方法によるフィルム全体の極限粘度(IV)は、0.65dl/g以上であることが必要で、好ましくは0.68dl/g以上である。ポリエステルフィルムの極限粘度が0.65dl/g未満の場合には、ポリエステルの耐加水分解性が劣る傾向にある。一方、本願発明の耐加水分解性を鑑みると、ポリエステルフィルムの極限粘度の上限は特に限定されるわけではないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での圧力上昇防止の観点から、0.90dl/g程度である。
本発明において、ポリエステルフィルムの末端カルボキシル基量と極限粘度を特定範囲とするため、フィルム製造工程における具体的手法として、例えば、ポリエステル原料を溶融押出する工程において、a)ポリエステルチップに含まれる水分によって加水分解を受けることを極力避けること、b)押出機およびメルトライン内でのポリエステルの滞留時間をできるだけ短くすること、などが例示される。a)の具体例としては、一軸押出機を使用する場合には、原料をあらかじめ水分量が50ppm以下、好ましくは30ppm以下になるように十分乾燥すること、二軸押出機を使用する場合は、ベント口を設け、40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、さらに好ましくは20ヘクトパスカル以下の減圧を維持すること等の方法を採用することができる。b)の具体例としては、押出機への原料投入から溶融シートが口金から吐出し始めるまでの滞留時間として、20分以下、さらには15分以下とすることが好ましい。
また、低末端カルボキシル基量でかつ高極限粘度のポリエステル原料を用いて製膜することで、末端カルボキシル基量が特定範囲のポリエステルフィルムを得ることも重要である。具体的には、原料ポリエステルの末端カルボキシル基量が、トータルとして20当量/トン、さらには15当量/トン以下とすることが好ましい。
原料ポリエステルの末端カルボキシル基量を低くするための方法としては、重合効率を上げる方法や重合速度を速くする方法、分解速度を抑制する方法、溶融重合と固相重合とを併用するなどの従来公知の方法を採用しうる。例えば、重合時間を短くする方法、重合触媒量を増やす方法、高活性の重合触媒を使用する方法、重合温度を低くする方法などによって行われる。固相重合を併用する場合には、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等の不活性気流中で180〜240℃の温度範囲で固相重合を施せばよく、得られるポリエステルの極限粘度は0.70dl/g以上であることが好ましく、0.80dl/gであることがさらに好ましい。また、フィルム製造において、溶融工程を経た再生原料を配合すると末端カルボキシル基量が増大するので、本願発明においてはかかる再生原料を配合しないことが好ましく、配合するとしても20重量部以下とすることが好ましい。
本発明の基材となるポリエステルフィルムは、リン元素量が、0〜170ppmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0〜140ppmの範囲であり、0ppmであってもよい。当該リン元素は、通常はリン酸化合物に由来するものであって、ポリエステル製造時に触媒成分として添加される。
本発明においては、リン元素量が上記範囲を満足することにより、耐加水分解性をフィルムに付与することができる。リン元素量が多すぎると、リン酸化合物が原因となる加水分解を促進することになるため好ましくない。ポリエステルフィルムの耐加水分解性は、フィルム全体に関連する特性であり、本願発明においては含有するリンの含有量は、当該フィルムを構成するポリエステル全体として含有量が前述の範囲であることが好ましい。
リン酸化合物の例としては、リン酸、亜リン酸あるいはそれらのエステル、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが挙げられる。具体例としては、正リン酸、モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、モノエチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、エチルアシッドホスフェート、モノプロピルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、トリプロピルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、モノアミルフォスフェート、ジアミルフォスフェート、トリアミルフォスフェート、モノヘキシルフォスフェート、ジヘキシルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェートなどが例示される。
本発明のポリエステルフィルムは、金属箔と貼り合わせた後の積層体状態での成形性および耐加水分解性の観点より、後述する測定方法によってポリエステルフィルムの面配向度(ΔP)は0.140〜0162であることが必要であり、好ましくは0.145〜0.160である。ΔPが0.164を越える場合には、ポリエステルフィルムの成形性が不十分となり、金属箔の変形に追従困難になる。一方、ΔPが0.140未満の場合には、ポリエステルフィルム自体の耐加水分解性が低下する。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明の電池外装用積層フィルムに用いる金属箔に関して、好ましくはアルミニウム箔、またはステンレス箔の何れかより選択されるのが好ましい。また、当該金属箔の厚みに関しては、強度および成形性を考慮して、厚さは10μm以上50μm以下であるのが好ましく、さらに好ましくは10〜40μmの範囲がよい。厚みが10μm未満の場合、電解液注入後、ガスバリア性が低下する等の不具合を生じるようになる。一方、厚みが50μmを越える場合には成形性が低下し、成形加工時に所望する形状の電池外装体を得るのが困難になる。
本発明においては、金属箔の一例として、アルミニウム箔を用いて説明するが、何ら限定されるわけではない。アルミニウム箔の材質として、例えば、純アルミニウム系またはアルミニウム−鉄系合金材を使用することができる。アルミニウム箔の厚さを上記範囲にすることで、成型追従性と酸素や水分のバリア性を両立することが可能となる。
また、アルミニウム箔はラミネートの接着性能を向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のアンダーコート、あるいはコロナ放電処理等の前処理を行ってもよい。
本発明の電池外装用ポリエステルフィルムとアルミニウム箔を積層する方法としては、
特に限定されないが、密着性の観点から接着剤を用いたドライラミネーションが好ましく
用いられる。用いる接着剤としては、熱硬化タイプでも熱可塑タイプでも構わないが、好
ましくは熱硬化タイプが好ましい。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、スチレン− ブタジエン共重合体、アクリルニトリル− ブタジエ
ン共重合体、メチルメタアクリレート− ブタジエン共重合体、クロロプレン、ポリブタ
ジェン等のゴム系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポ
リブタジエン、あるいはこれらの樹脂のカルボキシル変性物、エポキシ系樹脂、セルロー
ス系誘導体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、ポリエチレンオキサイド、アクリル系樹脂
、リグニン誘導体等からなる接着剤が挙げられる。ポリエステルフィルムとポリオレフィ
ンフィルムとの密着性の点からは、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる接
着剤が好ましい。
本発明における電池外装用積層フィルムは、アルミニウム箔の上にさらにシーラントフィルムを積層することが好ましい。シーラントフィルムとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、 エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂の単体ないし混合物等を適宜選択して用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)末端カルボキシル基量(当量/トン)
ポリエステルチップであったら粉砕する。ポリエステルフィルムであったらカッターにてスライスし、サンプルを採取する。熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から1.0gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール30mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム50mlを徐々に加えて室温まで冷却した。得られた溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。又、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって末端カルボキシル基量(当量/トン)を算出した。
末端カルボキシル基量(当量/t)=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である。〕なお、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った)。以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
(3)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(4)フィルム積層厚さ
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚さを求めた。但し、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
(5)面配向度(ΔP)測定
アタゴ製アッベ式屈折計を使用した。ヨウ化メチレンをマウントして、試料フィルムを測定面が下になるようにプリズムに密着させ、単色光ナトリウムD線(589nm)を光源として長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(それぞれnX、nY、nZ)を測定した。得られた値から下記式により各層の面配向度ΔPを求めた。なお、測定試料は製品マスターロールの中央部分より採取した。
ΔP=(nX+nY)/2−nZ
(6)生産性(連続製膜性)
ポリエステルフィルムを生産する際に発生する破断(フィルム破れ)の回数を用いて、生産性に関して、下記判定基準により、判定を行なった。
(判定基準)
○:8時間当たり0回
×:8時間当たり3回以上
(7)フィルム伸度耐加水分解性(経年劣化の代用評価)
平山製作所製 パーソナルプレッシャークッカーPC−242HS−Eを用いて、120℃―100%RHの雰囲気にてフィルムを60時間処理した。次いで、23℃×50%RHで24時間調温・調湿した後、フィルムの機械的特性として、製膜方向(MD)の破断伸度を測定した。測定には株式会社島津製作所製 万能試験機AUTOGRAPHを使用し、幅15mmのサンプルで、チャック間50mmとして、引張り速度200mm/分の条件で行った。処理前後での破断伸度の保持率(%)を下記の式にて算出し、下記判定基準により判定を行なった。
破断伸度保持率=処理後の破断伸度÷処理前の破断伸度×100
(判定基準)
◎:保持率が80%以上
○:保持率が60〜80%未満
△:保持率が30〜60%未満
×:保持率が30%未満
△以上は実用上、問題なりレベル。
(8)電池外装用積層体の成形性
ポリエステルフィルム/アルミニウム箔/の電池外装用積層フィルムのアルミニウム箔上に、シーラントとしてマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレンとを共押出しした2層共押出しフィルム(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層:15μm、ポリプロピレン樹脂層:30μm)を、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層がアルミニウム箔側に位置するようにし、ラミネーターを用いて加熱圧着(測定温度:120℃、測定圧力:0.3MPa、ラインスピード:2m/min)させることで積層させ、電池外装用積層体を作成した。得られた積層体を、200mm×200mm大に切り出し、150mm×150mmの矩形状の雄型(R:2mm)とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型(R:2mm)からなる金型を用いて、雄型側にシーラント側がくるように雌型上に電池外装用積層体をセットし、プレス成型(加圧:0.1MPa)を行い、電池外装用成型体を得た。得られた電池外装用成型体について、下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
◎:10mm以上で成型可能(破損なし)
○:7m以上10mm未満で破損が発生
△:5mm以上7mm未満で破損が発生
×:5mm未満で破損が発生。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(1)の製造法>
1個のスラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続式重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを重量比で100:45の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してリン原子としての含有量が4重量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で267℃、相対圧力100kPa、平均滞留時間4時間に設定され、反応生成物が存在する第1段目のエステル化反応槽に連続的に流量120kg/hrで供給し、次いで、第1段目のエステル化反応生成物を、窒素雰囲気下で265℃、相対圧力5kPa、平均滞留時間2時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、更にエステル化反応させた。その際、第2段エステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、エチレングリコールを生成するポリエステル樹脂に対して322モル/トンになる量を連続的に供給した。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は97%であった。
上述のエステル化反応生成物を、移送配管を経由して第1段重縮合反応槽に連続的に供給した。このとき移送配管に設けた移送ポンプの吐出圧は500kPaであった。移送配管中のエステル化反応生成物に、酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール0.6 重量%溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してマグネシウム原子としての含有量が7重量ppmとなる量で連続的に添加した。添加配管を使用して、テトラ−n−ブチルチタネートのエチレングリコール溶液を生成ポリエステル樹脂に対してチタン原子としての含有量が4重量ppmとなる量だけ連続的に添加した。
溶融重縮合の反応条件は、第1段重縮合反応槽が269℃、絶対圧力4kPa、平均滞留時間1時間であり、第2段重縮合反応槽は274℃、絶対圧力0.4kPa、平均滞留時間0.9時間、第3段重縮合反応槽は277℃、絶対圧力0.2kPa、平均滞留時間1時間であった。第3段重縮合反応槽から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのポリエステル樹脂チップ:ポリエステル(1)とした。ポリエステル(1)の極限粘度は0.64(dl/g)、末端カルボキシル基量は14(当量/t)であった。
<ポリエステル(2)の製造法>
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるようにチップが重ならないようにした状態で連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.83(dl/g)となるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。末端カルボキシル基量は6(当量/t)であった。
<ポリエステル(3)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール200重量部とを出発原料とし、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム・4水和物を得られるポリエステル樹脂1tあたりのマグネシウム含有量が46g/樹脂tとなる量で、加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。
この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子、エチルアシッドホスフェート、酢酸マグネシウム・4水和物、そしてテトラ−n−ブチルチタネートとの混合物からなるエチレングリコールスラリー溶液を添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。なお、エチレングリコールスラリー溶液中の各化合物の量は、得られるポリエステルに対する含有量について、シリカ粒子は3.0重量%となるように、エチルアシッドホスフェートについてはリン元素量として74g/樹脂tとなるように、酢酸マグネシウム・4水和物については、マグネシウム元素量とし46g/樹脂tとなるように(エステル交換時に添加したマグネシウムも含めて、マグネシウム元素量として合計92g/樹脂tとなる)、テトラ−n−ブチルチタネートについてはチタン元素量として5g/樹脂tとなるように、調整してある。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(3)を得た。極限粘度は0.60(dl/g)、末端カルボキシル基量は21(当量/t)であった。
<ポリエステル(4)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55(dl/g)に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(4)のチップを得た。極限粘度は0.55(dl/g)、末端カルボキシル基量は35(当量/t)であった。
<ポリエステル(5)の製造法>
ポリエステルチップ(4)を真空下220℃で固相重合し、ポリエステル(5)を得た。極限粘度は0.75(dl/g)、末端カルボキシル基量は25(当量/t)であった。
<ポリエステル(6)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を0.02部加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドホスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.64に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(6)のチップを得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.64(dl/g)、末端カルボキシル基量は45(当量/t)であった。
<ポリエステル原料(7)の製造法:製造比較例>
ポリエステル原料(1)の製造法において、エステル化反応生成物を重合させる際に、テトラ−n−ブチルチタネートを、添加しないことを除いて、ポリエステル原料(1)と同様な条件でポリエステル原料(7)を重合した。得られたポリエステルチップの極限粘度は0.49(dl/g)であり、脆化が激しくポリエステルフィルムの製膜に不適な原料であった。
実施例1:
上記ポリエステル原料(2)およびポリエステル原料(3)を96:4の比率で混合したポリエステルを原料とし、ベント付き二軸押出機に投入した。なお、ベント付き二軸押出機の内径Dは44mm、吐出量Qは21kg/hr、スクリュー回転数Nは140rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。原料を二軸押出機中、290℃で溶融混練し、得られた溶融体をスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に89℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各ゾーンにおける温度(℃)を85/95/107/173/231/231℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行った。その際、横方向に4.0倍延伸させた。得られたポリエステルフィルムの厚さは12μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
次に得られたポリエステルフィルムとアルミニウム箔(住金軽金属工業製:厚み40μm)とをウレタン系の接着剤(東洋モートン社製、AD−502、CAT10L、酢酸エチルを15:1.5:25(質量比))を使用して常法によりドライラミネートして電池外装用積層フィルムを作成した。
実施例2:
実施例1の製造方法において、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/175/237/237℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例3:
実施例1の製造方法において、表1記載の原料配合とすること、ならびに、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/173/235/235℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例4:
実施例1の製造方法において、表1記載の原料配合とすること、ならびに、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/172/236/236℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
実施例5〜8:
実施例1において、フィルム厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表1に示す。
比較例1:
実施例1の製造方法において、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/107/170/220/220℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
比較例2:
実施例1の製造方法において、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/107/175/240/240℃に設定したテンターに導くことを除いて、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
比較例3〜4:
実施例1の製造方法において、表2記載の原料配合とすること、ならびに、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3の各温度について、85/95/108/173/235/235℃に設定したテンターに導くことを除いて実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを用いる以外は実施例1と同様にして、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
比較例5:
実施例1において、フィルム厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。得られたフィルムは厚みが厚く、腰が強いので、金属箔と貼り合わせた後の成形性が不十分であった。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。
比較例6:
実施例1において、フィルム厚み構成が異なる以外は実施例1と同様にして製造し、電池外装用積層フィルムを得た。得られたフィルム特性および評価結果を下記表2に示す。得られたフィルムは生産性の面でフィルム破断が頻発し、連続製膜性に劣る状況にあった。
Figure 2014235920
Figure 2014235920
本発明の積層フィルムは、特にリチウム電池に使用する電池外装用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、極限粘度(IV)が0.65dl/g以上であり、面配向度(ΔP)が0.140〜0.162である、厚みが6〜50μmのポリエステルフィルムが金属箔の片面に積層されてなることを特徴とする電池外装用積層フィルム。
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