JP2012199592A - 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜シリコン太陽電池において高温高湿度下での耐久性に優れた太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】白色度が50以上で、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
【解決手段】白色度が50以上で、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムに関する。
石油燃料に由来しないエネルギーを利用して電力を得ることのできる太陽電池は、環境保護の面からその要求が高まっている。太陽電池モジュールは、例えば実開平6−38264号公報に記載があるように、一般的には、受光側のガラス基板と、裏面保護膜との間に、複数の板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充填した構造をとる。
裏面保護膜には、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するプラスチックフィルムが用いられる。例えば、特開2002−26354号公報や特開2003−60218号公報には、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた裏面保護膜が提案されている。そして、太陽電池の発電効率を高める目的で、白色の裏面保護膜を用いることがある。
白色ポリエステルフィルムを用いることにより、太陽光を反射させ、発電効率を上げることが可能である。白色ポリエステルフィルムはポリエステル基材に対し、粒子を多量に添加する必要がある。そのため、それらの分散性や混合状態を良好にするため、2種類以上の材料を予備混合した原料を作製することや、通常の押出工程でも溶融時間を長くとることなどが行われるため樹脂が劣化しやすくなりやすい。よって、高温高湿度下において太陽電池として使用する場合に、耐久性に乏しいことが問題であった。
本発明は、前記課題、すなわち高温高湿度下における耐久性が良好な太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムに関する。
本発明は、白色度が50以上で、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムである。
本願発明は、光反射効率および高温高湿度下での優れた耐久性を有する。よって、太陽電池、特に薄膜シリコン太陽電池において有用である。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2、6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
これらのフィルム原料となるポリエステルは酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることが好ましく、より好ましくは2(eq/ton)以上20(eq/ton)以下、さらに好ましくは2(eq/ton)以上16(eq/ton)以下である。30(eq/ton)を超えると、耐加水分解性の良好なフィルムが得られない。1(eq/ton)未満のポリエステルは、工業的には作製が難しい。
本発明のフィルムには、平均粒径は0.1〜3μmの微粒子がフィルム全質量に対して、3〜50質量%、好ましくは4〜25質量%含まれる。0.1μm以下または3μmを超えると、添加量を上げていってもフィルムの白色度を50以上とすることが困難となる。また、3質量%未満では、白色度を50以上とすることが困難となる。50質量%を超えるとフィルム重量が大きくなり、加工などでの取り扱いが困難になる。
なお、本発明の平均粒径は電顕法により求める。具体的には、以下の方法による。
微粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の微粒子について、各粒子の外周をトレースする。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
微粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の微粒子について、各粒子の外周をトレースする。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
本発明の微粒子としては、無機または有機の粒子を用いることができる。これら微粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸価亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、有機白色顔料等が例示されるが特に限定されるものではない。白色度の向上の点と生産性の点から、好ましくは酸化チタンまたは硫酸バリウム、より好ましくは酸化チタンである。なお、酸化チタンはアナターゼ型、ルチル型の何れでもよい。また、微粒子表面にアルミナやシリカ等の無機処理を施してもよいし、シリコン系あるいはアルコール系等の有機処理を施してもよい。
フィルム中への微粒子の添加は公知の方法を用いることで可能であるが、事前にポリエステル樹脂と微粒子を押出機で混合しておくマスターバッチ法(MB法)が好ましい。また、事前に乾燥させていないポリエステル樹脂と微粒子を押出機に投入し、水分や空気などを脱気しながらMBを作製する方法を採用することもできる。さらに、好ましくは、事前に少しでも乾燥したポリエステル樹脂を用いてMBを作製する方が、ポリエステルの酸価上昇を抑えられる。この場合、脱気しながら押出する方法や、十分乾燥したポリエステル樹脂により脱気をせずに押出する方法などがあげられる。
本発明のフィルムは、内部に微細な空洞を多数含有してもよい。その場合の見かけ比重は0.7以上1.3以下、好ましくは0.9以上1.3以下、より好ましくは1.05以上1.2以下である。0.7未満では、フィルムに腰がなく太陽電池モジュール作製時の加工が困難になる。1.3を越えるフィルムであっても本発明のフィルムの範囲であるが、好ましくは1.3を越えた場合にフィルム重量が大きいため太陽電池の軽量化を検討する場合の障害となる可能性がある。
上記の微細な空洞は、前記微粒子および/もしくは後述のポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来して形成することができる。なお、微粒子もしくはポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞とは前記微粒子もしくは前記熱可塑性樹脂のまわりに空洞が存在することを言い、例えばフィルムの電子顕微鏡による断面写真などで確認することができる。
本発明に用いられるポリエステルには、非相溶の熱可塑性樹脂の添加が任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に制限されるものではない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好んで用いられる。
これらの空洞形成剤すなわちポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂のポリエステルに対する混合量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、フィルム全体に対して3〜20質量%の範囲とすることが好ましく、更には5〜18質量%が好ましい。そして、3質量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界がある。逆に、20質量%以上では、フィルムの延伸性が著しく損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわれるため好ましくない。
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、空洞含有ポリエステル系フィルムとすることも可能である。本発明のポリエステルフィルムは、単層または2層以上の多層からなる積層構成であっても構わない。積層構成としては、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層からなるスキン層と、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞を多数含有するポリエステル層からなるコア層とを有することも本発明の好ましい態様である。その製造方法は任意であり、特に制限されるものではないが、例えば以下のようにして製造することが出来る。まず、スキン層をフィルム表面に接合する方法としては、微粒子を含有するスキン層のポリエステル樹脂と、非相溶の熱可塑性樹脂を含有するコア層のポリエステル樹脂を別々の押出機に供給した後、溶融状態で積層して同一のダイから押し出す共押出法を採用することが最も好ましい。
それぞれの原料を混合し押出機に投入し、溶融し、T−ダイより押し出しし、冷却ロールに密着することで未延伸シートが得られる。未延伸シートは、更に速度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)などによって2軸配向処理される。配向処理することにより、ポリエステル/非相溶性熱可塑性樹脂間およびポリエステル/微粒子間で界面剥離を生じ、微細空洞が多数発現する。従って、未延伸シートを延伸・配向処理する条件は、空洞の生成と密接に関係する。
まず、第1段の縦延伸工程は、フィルム内部に微細な空洞を多数形成するために最も重要なプロセスである。縦延伸は、周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。この中で最も好ましい延伸方法としては、ロール加熱と非接触加熱を併用する方法があげられる。この場合、まず加熱ロールを用いてフィルムを50℃〜ポリエステルのガラス転移点以下の温度に予備加熱した後、赤外線ヒータで加熱する。
次いで、このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導入し、幅方向に2.5〜5倍に延伸する。このときの好ましい延伸温度は、100℃〜200℃である。このようにして得られた2軸延伸フィルムに対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、ポリエステルの融点Tm−50℃〜Tmの範囲で行うのが好ましい。
こうして、得られたフィルムは白色度が50以上、好ましくは60以上である。50未満では太陽電池モジュール加工時に目視でのフィルム確認が困難となり、加工効率が下がる。
本発明のフィルムは酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であること、好ましくは2(eq/ton)以上20(eq/ton)以下、より好ましくは2(eq/ton)以上16(eq/ton)以下である。30(eq/ton)を超えると、耐加水分解性の良好なフィルムが得られない。1(eq/ton)未満のフィルムは、工業的には作製が難しい。
本発明のフィルムは、耐加水分解性の評価である破断伸び保持率が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。60%未満では太陽電池裏面保護膜としての耐久性が低く使用できない。
次に本発明の実施例および比較例を示す。本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
1)見かけ比重
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)を求める。次にサンプルの質量を0.1mgまで測定し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ比重を計算した。
見かけ比重(−)=(w/t)×10000
1)見かけ比重
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)を求める。次にサンプルの質量を0.1mgまで測定し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ比重を計算した。
見かけ比重(−)=(w/t)×10000
2)白色度
白色度JIS−L1015−1981−B法により、日本電色工業(株)Z−1001DPを用いて行った
白色度JIS−L1015−1981−B法により、日本電色工業(株)Z−1001DPを用いて行った
3)酸価
フィルムおよび原料ポリエステル樹脂につき、下記の方法で測定した。
フィルムおよび原料ポリエステル樹脂につき、下記の方法で測定した。
(1)試料の調製
フィルムまたは原料ポリエステル樹脂を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの質量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA,B,Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa,b,cとする。
(2)滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA,B,Cの滴定量をXA,XB,XC(ml)とする。サンプルa,b,cの滴定量をXa,Xb,Xc(ml)とする。
(3)酸価の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA,XB,XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い酸価を求める。
フィルムまたは原料ポリエステル樹脂を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの質量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA,B,Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa,b,cとする。
(2)滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA,B,Cの滴定量をXA,XB,XC(ml)とする。サンプルa,b,cの滴定量をXa,Xb,Xc(ml)とする。
(3)酸価の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA,XB,XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い酸価を求める。
W:試料質量(g)
4)耐加水分解性
JIS−60068−2−66で規格化されているHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)を行った。機器はエスペック社製EHS−221を用い、105℃、100%Rh、0.03MPa下の条件で行った。
フィルムを70mm×190mmにカットし、治具を用いてフィルムを設置した。各フィルムは各々が接触しない距離を保ち設置した。105℃、100%Rh、0.03MPaの条件下で200時間処理を行った。処理前、処理後の破断伸びをJIS C 2318−1997 5.3.31(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定し、下記式に従い破断伸び保持率を算出した。
JIS−60068−2−66で規格化されているHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)を行った。機器はエスペック社製EHS−221を用い、105℃、100%Rh、0.03MPa下の条件で行った。
フィルムを70mm×190mmにカットし、治具を用いてフィルムを設置した。各フィルムは各々が接触しない距離を保ち設置した。105℃、100%Rh、0.03MPaの条件下で200時間処理を行った。処理前、処理後の破断伸びをJIS C 2318−1997 5.3.31(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定し、下記式に従い破断伸び保持率を算出した。
実施例1
(微粒子含有マスターバッチの作製)
原料として事前に120℃、8時間ほど10−3torr下で乾燥した極限粘度0.64、酸価8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、微粒子(酸化チタン)含有マスターバッチ(MB−I)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、8.6(eq/ton)であった。
(微粒子含有マスターバッチの作製)
原料として事前に120℃、8時間ほど10−3torr下で乾燥した極限粘度0.64、酸価8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、微粒子(酸化チタン)含有マスターバッチ(MB−I)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、8.6(eq/ton)であった。
(フィルムの作製)
次いで、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%と、先に作製したMB−Iを50質量%とを混合した(A)層の原料と、PET−Iを90質量%とMB−Iを10質量%とを(B)層の原料とし、それぞれ別々の押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、続いてフィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて制御した。次いでT−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、A/B/A層となるように未延伸シートを作成した。
次いで、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%と、先に作製したMB−Iを50質量%とを混合した(A)層の原料と、PET−Iを90質量%とMB−Iを10質量%とを(B)層の原料とし、それぞれ別々の押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、続いてフィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて制御した。次いでT−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、A/B/A層となるように未延伸シートを作成した。
(2軸延伸フィルムの作製)
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて70℃に均一加熱し、90℃で3.3倍ロール延伸を行った。得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み188μm(19/150/19)の太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて70℃に均一加熱し、90℃で3.3倍ロール延伸を行った。得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み188μm(19/150/19)の太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例2
(空洞形成剤の調製)
原料として、メルトフローレート1.5のポリスチレン(日本ポリスチ社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン(出光石油化学製、F300SP)20質量%、及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井化学製:TPX DX−820)60質量%ペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調製した(MB−II)。
B層の原料として、PET−I:MB−I:MB−IIを82:10:8(質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
(空洞形成剤の調製)
原料として、メルトフローレート1.5のポリスチレン(日本ポリスチ社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン(出光石油化学製、F300SP)20質量%、及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井化学製:TPX DX−820)60質量%ペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調製した(MB−II)。
B層の原料として、PET−I:MB−I:MB−IIを82:10:8(質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例3、実施例4、比較例1
フィルム原料としてのポリエチレンテレフタレート樹脂の酸価を10.1、19.5、30.2(それぞれPET−II、PET−III、PET−IV)とした以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
フィルム原料としてのポリエチレンテレフタレート樹脂の酸価を10.1、19.5、30.2(それぞれPET−II、PET−III、PET−IV)とした以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
比較例2
微粒子含有マスターバッチの作製において、原料として紙袋に入れ温湿度の管理されていない場所で保管してあった未乾燥の極限粘度0.64、酸価8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン 50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして305℃で脱気しながら微粒子(酸化チタン)含有マスターバッチ(MB−III)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、38.4(eq/ton)であった。
それ以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
微粒子含有マスターバッチの作製において、原料として紙袋に入れ温湿度の管理されていない場所で保管してあった未乾燥の極限粘度0.64、酸価8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン 50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして305℃で脱気しながら微粒子(酸化チタン)含有マスターバッチ(MB−III)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、38.4(eq/ton)であった。
それ以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例5
微粒子含有マスターバッチの作製において、ルチル型二酸化チタンの代わりに平均粒径が0.6μmの硫酸バリウムとし(MB−IV)、それをA層の原料としてMB−Iの代わりに用いた以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
微粒子含有マスターバッチの作製において、ルチル型二酸化チタンの代わりに平均粒径が0.6μmの硫酸バリウムとし(MB−IV)、それをA層の原料としてMB−Iの代わりに用いた以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、高温高湿度下での耐久性および光反射効率に優れており、太陽電池裏面保護膜を構成する素材として有用である。
Claims (4)
- 白色度が50以上で、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
- フィルム内部に微細な空洞を多数有することにより、フィルムの見かけ比重が0.7以上1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
- 平均粒径が0.1〜3μmの微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(スキン層)と、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(コア層)が積層されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
- フィルム原料となるポリエステルの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
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Citations (11)
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