JP5521806B2 - 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム - Google Patents

太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムに関する。
石油燃料に由来しないエネルギーを利用して電力を得ることのできる太陽電池は、環境保護の面からその要求が高まっている。太陽電池モジュールは、例えば実開平6−38264号公報に記載があるように、一般的には、受光側のガラス基板と、裏面保護膜との間に、複数の板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充填した構造をとる。
裏面保護膜には、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するプラスチックフィルムが用いられる。例えば、特開2002−26354号公報や特開2003−60218号公報には、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた裏面保護膜が提案されている。そして、下記文献のように太陽電池の発電効率を高める目的で、白色の裏面保護膜を用いることがある。
特開2002−26354号公報 特開2003−60218号公報 特開昭60−250946号公報 特開2004−247390号公報 特開2002−134771号公報 特開2007−208179号公報 特開2008−85270号公報 特開2008−4839号公報
前述のように白色ポリエステルフィルムを用いることにより、太陽光を反射させ、発電効率を上げることが可能である。白色ポリエステルフィルムはポリエステル基材に対し、粒子を多量に添加する必要がある。そのため、それらの分散性や混合状態を良好にするため、2種類以上の材料を予備混合した原料を作製することや、通常の押出工程でも溶融時間を長くとることなど多数の熱履歴が加えられるため樹脂が劣化しやすくなり、高温高湿度下において太陽電池として使用する場合に、耐久性に乏しいことが問題であった。そのため、従来、特許文献8のように白色層と耐久性を有する層とは別々の機能層として積層シートを作成することが一般的であり、これらを両立させることは困難であった。
さらに、太陽電池素子の薄膜化の進展により、太陽光がシリコン薄膜などを透過して直接裏面保護膜に到達しやすくなっている。そのため、裏面保護膜が光照射による分解・劣化が問題となりつつある。加えて、大規模な太陽光発電システムにおいては広大な太陽電池モジュールを設置するため、地面からの照り返しにより裏面保護膜が分解・劣化する場合がある。
本発明は、前記課題、すなわち高温高湿度下および、光照射下における耐久性が良好な太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムに関する。
本発明は、白色度が50以上で、平均粒径が0.1〜3μmのルチル型二酸化チタン微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムである。
本願発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、光反射効率および高温高湿度下での優れた耐久性を有し、さらには、光照射下での優れた耐久性をも有する。よって、太陽電池、特に薄膜シリコン太陽電池において有用である。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2、6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
また、本発明のフィルムに難燃性を付与するために、難燃剤を添加することも好ましい態様である。このような難燃剤としてはリン化合物やリン化合物を共重合したポリエステル樹脂などを好適に用いることができる。さらに、難燃剤を有する樹脂層を積層することで難燃性を付与してもよい。このような難燃剤としては上記難燃剤の他に水酸化マグネシウムなどを好適に用いることができる。
これらのフィルム原料となるポリエステルは酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることが好ましく、より好ましくは2(eq/ton)以上20(eq/ton)以下、さらに好ましくは2(eq/ton)以上16(eq/ton)以下である。30(eq/ton)を超えると、耐加水分解性の良好なフィルムが得られない。1(eq/ton)未満のポリエステルは、工業的には作製が難しい。本発明では、従来困難であった白色度と耐久性との両立を図るものである。よって、本発明では高濃度の粒子を含有しながら、上記酸価を達成しうることが特徴である。
本発明のフィルムは、耐加水分解性の評価である破断伸び保持率が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。60%未満では太陽電池裏面保護膜としての耐久性が低く使用できない。本発明のフィルムの耐加水分解特性はフィルムの酸価を制御することにより上記範囲に制御することができる。
本発明のフィルムは光照射下でも優れた耐久性を奏する。具体的には、63℃、50%Rh、照射強度100mW/cmで100時間UV照射した場合、破断伸び保持率が好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。このように光照射によっても本発明のフィルムは光分解や劣化が抑制されるため、屋外で用いられる太陽電池の裏面保護膜として好適である。
光照射下での耐久性を上記範囲に制御するために、本発明のフィルムにルチル型を主体とする二酸化チタン微粒子を添加することが好ましい。酸化チタンでは、主にルチル型とアナターゼ型の2つの結晶形態が知られているが、アナターゼ型は紫外線の分光反射率が非常に大きいのに対し、ルチル型は紫外線の吸収率が大きい(分光反射率が小さい)という特性を有している。本発明者は、二酸化チタンの結晶形態におけるこうした分光特性の違いに着目し、ルチル型の紫外線吸収性能を利用することで、太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルムにおいて、耐光性を向上させるに至ったのである。これにより本発明は他の紫外線吸収剤を実質的に添加しなくても光照射下でのフィルム耐久性に優れる。そのため、紫外線吸収剤のブリードアウトによる汚染や密着性の低下のような問題が生じにくい。
なお、上記の通り、本発明に係る二酸化チタン粒子は、ルチル型を主体とするものである。ここでいう「主体」とは、全二酸化チタン粒子中のルチル型二酸化チタン量が50質量%を超えていることを意味する。また、全二酸化チタン粒子中のアナターゼ型二酸化チタン量が10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0質量%以下である。アナターゼ型二酸化チタンの含有量が上記上限値を超えると、全二酸化チタン粒子中に占めるルチル型二酸化チタン量が少なくなるために紫外線吸収性能が不十分となる場合がある他、アナターゼ型二酸化チタンは光触媒作用が強いため、この作用によっても耐光性が低下する傾向にある。ルチル型二酸化チタンとアナターゼ型二酸化チタンとは、X線構造回折や分光吸収特性により区別することができる。
本発明のフィルムには、平均粒径0.1〜3μmの二酸化チタン微粒子がフィルム全質量に対して3〜50質量%、好ましくは4〜25質量%含まれる。0.1μm以下または3μmを超えると、添加量を上げていってもフィルムの白色度を50以上とすることが困難となる。また、3質量%未満では、光照射下での耐久性が低下する場合がある。50質量%を超えるとフィルム重量が大きくなり、加工などでの取り扱いが困難になる。さらに、二酸化チタン以外の微粒子を含有させた場合には、微粒子の平均粒径、添加量が上記の範囲であっても、光照射下の耐久性が低くなる。ルチル型酸化チタン以外の微粒子としては、アナターゼ型二酸化チタンの他、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸価亜鉛、硫化亜鉛、有機白色顔料等の微粒子が例示される。
なお、本発明の平均粒径は電顕法により求める。具体的には、以下の方法による。
微粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の微粒子について、各粒子の外周をトレースする。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
本発明のルチル型二酸化チタン微粒子は、微粒子表面にアルミナやシリカ等の無機処理を施してもよいし、シリコン系あるいはアルコール系等の有機処理を施してもよい。ルチル型二酸化チタンは、ポリエステル組成物に配合する前に、精製プロセスを用いて、粒径調整、粗大粒子除去を行ってもよい。精製プロセスの工業的手段としては、粉砕手段で例えばジェットミル、ボールミルを適用することができ、分級手段としては、例えば乾式もしくは湿式の遠心分離を適用することができる。
フィルム中への微粒子の添加は公知の方法を用いることで可能であるが、事前にポリエステル樹脂と微粒子を押出機で混合しておくマスターバッチ法(MB法)が好ましい。また、事前に乾燥させていないポリエステル樹脂と微粒子を押出機に投入し、水分や空気などを脱気しながらMBを作製する方法を採用することもできる。さらに、好ましくは、事前に少しでも乾燥したポリエステル樹脂を用いてMBを作製する方が、ポリエステルの酸価上昇を抑えられる。この場合、脱気しながら押出する方法や、十分乾燥したポリエステル樹脂により脱気をせずに押出する方法などがあげられる。
例えば、MBを作製する場合は投入するポリエステル樹脂はあらかじめ乾燥により水分率を低減させることが好ましい。乾燥条件としては、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃において、1時間以上、より好ましくは3時間以上、さらに好ましくは6時間以上乾燥する。これにより、ポリエステル樹脂の水分量を好ましくは50ppm以下、より好ましくは30ppm以下になるように十分乾燥する。予備混合を方法は特に限定せず、バッチによる方法でもよいし、単軸もしくは二軸以上の混練押出機によっても良い。脱気しながらMBを作製する場合は、250℃〜300℃、好ましくは270℃〜280℃の温度でポリエステル樹脂を融解し、予備混練機に一つ、好ましくは2以上の脱気口を設け、0.05MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上の連続吸引脱気を行い、混合機内の減圧を維持すること等の方法を採用することが好ましい。
本発明のフィルムは、内部に微細な空洞を多数含有してもよい。これにより、より高い白色度を好適に得ることができる。その場合の見かけ比重は0.7以上1.3以下、好ましくは0.9以上1.3以下、より好ましくは1.05以上1.2以下である。0.7未満では、フィルムに腰がなく太陽電池モジュール作製時の加工が困難になる。1.3を越えるフィルムであっても本発明のフィルムの範囲であるが、好ましくは1.3を越えた場合にフィルム重量が大きいため太陽電池の軽量化を検討する場合の障害となる可能性がある。
上記の微細な空洞は、前記微粒子および/もしくは後述のポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来して形成することができる。なお、微粒子もしくはポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞とは前記微粒子もしくは前記熱可塑性樹脂のまわりに空洞が存在することを言い、例えばフィルムの電子顕微鏡による断面写真などで確認することができる。
本発明に用いられるポリエステルには、非相溶の熱可塑性樹脂の添加が任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に制限されるものではない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好んで用いられる。
これらの空洞形成剤すなわちポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂のポリエステルに対する混合量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、フィルム全体に対して3〜20質量%の範囲とすることが好ましく、更には5〜18質量%が好ましい。そして、3質量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界がある。逆に、20質量%以上では、フィルムの延伸性が著しく損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわれるため好ましくない。
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、空洞含有ポリエステル系フィルムとすることも可能である。本発明のポリエステルフィルムは、単層または2層以上の多層からなる積層構成であっても構わない。積層構成としては、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層からなるスキン層と、ポリエステルに粒子および/もしくは非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞を多数含有するポリエステル層からなるコア層とを有することも本発明の好ましい態様である。その製造方法は任意であり、特に制限されるものではないが、例えば以下のようにして製造することが出来る。まず、スキン層をフィルム表面に接合する方法としては、微粒子を含有するスキン層のポリエステル樹脂と、非相溶の熱可塑性樹脂を含有するコア層のポリエステル樹脂を別々の押出機に供給した後、溶融状態で積層して同一のダイから押し出す共押出法を採用することが最も好ましい。
コア層およびスキン層に粒子を添加する場合、スキン層の粒子含有量を多くすることは、フィルム表面において高い光反射を奏する点からも好ましい。この場合、スキン層の粒子の濃度は好ましくは5〜50質量%であり、さらに好ましくは8〜30質量%である。また、スキン層の粒子の濃度は好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
それぞれの原料を混合し押出機に投入し、溶融し、T−ダイより押し出しし、冷却ロールに密着することで未延伸シートが得られる。未延伸シートは、更に速度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)などによって2軸配向処理される。配向処理することにより、ポリエステル/非相溶性熱可塑性樹脂間およびポリエステル/微粒子間で界面剥離を生じ、微細空洞が多数発現する。従って、未延伸シートを延伸・配向処理する条件は、空洞の生成と密接に関係する。
まず、第1段の縦延伸工程は、フィルム内部に微細な空洞を多数形成するために最も重要なプロセスである。縦延伸は、周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。この中で最も好ましい延伸方法としては、ロール加熱と非接触加熱を併用する方法があげられる。この場合、まず加熱ロールを用いてフィルムを50℃〜ポリエステルのガラス転移点以下の温度に予備加熱した後、赤外線ヒータで加熱する。
次いで、このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導入し、幅方向に2.5〜5倍に延伸する。このときの好ましい延伸温度は、100℃〜200℃である。このようにして得られた2軸延伸フィルムに対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、ポリエステルの融点Tm−50℃〜Tmの範囲で行うのが好ましい。
こうして、得られたフィルムは白色度が50以上、好ましくは60以上である。50未満では太陽電池モジュール加工時に目視でのフィルム確認が困難となり、加工効率が下がる。
次に本発明の実施例および比較例を示す。本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
1)見かけ比重
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)を求める。次にサンプルの質量を0.1mgまで測定し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ比重を計算した。
見かけ比重(−)=(w/t)×10000
2)白色度
白色度JIS−L1015−1981−B法により、日本電色工業(株)Z−1001DPを用いて行った
3)酸価
フィルムおよび原料ポリエステル樹脂につき、下記の方法で測定した。
(1)試料の調製
フィルムまたは原料ポリエステル樹脂を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。なお、各層の酸価を測定する場合は、それぞれの層を単層で押出した試料を作製し、試料とした。そのときの質量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA,B,Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa,b,cとする。
(2)滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA,B,Cの滴定量をXA,XB,XC(ml)とする。サンプルa,b,cの滴定量をXa,Xb,Xc(ml)とする。
(3)酸価の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA,XB,XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い酸価を求める。
カルボキシル末端濃度(eq/ton)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
4)耐加水分解性
JIS−60068−2−66で規格化されているHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)を行った。機器はエスペック社製EHS−221を用い、105℃、100%Rh、0.03MPa下の条件で行った。
フィルムを70mm×190mmにカットし、治具を用いてフィルムを設置した。各フィルムは各々が接触しない距離を保ち設置した。105℃、100%Rh、0.03MPaの条件下で200時間処理を行った。
5)耐光性
促進耐光性試験は、岩崎電気株式会社製アイ スーパーUVテスターSUV−W151を用い、63℃、50%Rh、照射強度100mW/cm2で100時間の連続UV照射処理を行った。
6)破断伸び保持率
耐加水分解性、耐光性の評価は、破断伸び保持率で行った。それぞれの処理前、処理後の破断伸びをJIS C 2318−1997 5.3.31(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定し、下記式に従い破断伸び保持率を算出した。
破断伸び保持率(%)=〔(処理後の破断伸び)×100〕/(処理前の破断伸び)
実施例1
(微粒子含有マスターバッチの作製)
原料として事前に120℃、8時間ほど10−3torr下で乾燥した極限粘度0.64、酸価8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、約20分間混練りして連続的に0.1MPaの吸引をおこない、脱気しながら275℃で押出し、ルチル型二酸化チタン微粒子含有マスターバッチ(MB−I)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、8.6(eq/ton)であった。
脱気条件、混合設備を追加記載する
(フィルムの作製)
次いで、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%と、先に作製したMB−Iを50質量%とを混合した(A)層の原料と、PET−Iを70質量%とMB−Iを30質量%とを(B)層の原料とし、それぞれ別々の押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、続いてフィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて制御した。次いでT−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、A/B/A層となるように未延伸シートを作成した。
(2軸延伸フィルムの作製)
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて70℃に均一加熱し、90℃で3.3倍ロール延伸を行った。得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して220℃で5秒間の熱処理を施し、更に220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み188μm(19/150/19)の太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例2
(空洞形成剤の調製)
原料として、メルトフローレート1.5のポリスチレン(日本ポリスチ社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン(出光石油化学製、F300SP)20質量%、及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井化学製:TPX DX−820)60質量%ペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調製した(MB−II)。
B層の原料として、PET−I:MB−I:MB−IIを80:12:8(質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例3、実施例4、比較例1
フィルム原料としてのポリエチレンテレフタレート樹脂の酸価を10.1、19.5、30.2(それぞれPET−II、PET−III、PET−IV)とした以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例5
実施例3においてMB−Iの添加量を表のように変更した以外は実施例3と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
実施例6
実施例2においてMB−Iの添加量を表のように変更した以外は実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
比較例2
微粒子含有マスターバッチの作成において、原料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のアナターゼ型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給し、真空ポンプで脱気しながら混練りして275℃で押出し、微粒子含有マスターバッチ(MB−III)ペレットを調製した。脱気の真空度は、真空配管の途中に設けた三方バルブによる空気流入量の調節により、樹脂がベントアップしない程度に調節した。このペレットの酸価は、8.1(eq/ton)であった。微粒子含有マスターバッチMB−Iに代えてMB−IIIとした以外は実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
比較例3
微粒子含有マスターバッチの作製において、原料として紙袋に入れ温湿度の管理されていない場所で保管してあった未乾燥の極限粘度0.64、酸価8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン 50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給し、真空ポンプで脱気しながら混練りして305℃で押出し、微粒子(酸化チタン)含有マスターバッチ(MB−IV)ペレットを調製した。脱気の真空度は、真空配管の途中に設けた三方バルブによる空気流入量の調節により、樹脂がベントアップしない程度に調節した。このペレットの酸価は、38.4(eq/ton)であった。微粒子含有マスターバッチMB−Iに代えてMB−IVとした以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
比較例4
微粒子含有マスターバッチMB−Iに代えてMB−IIIを用いた以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
比較例5
微粒子含有マスターバッチの作製において、ルチル型二酸化チタンの代わりに平均粒径が0.6μmの硫酸バリウムとし(MB−V)、それをA層の原料としてMB−Iの代わりに用いた以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池裏面保護膜用プラスチックフィルムを得た。
Figure 0005521806
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、高温高湿度下および、光照射下での耐久性および光反射効率に優れており、太陽電池裏面保護膜を構成する素材として有用である。

Claims (4)

  1. 平均粒径が0.1〜3μmのルチル型を主体とする二酸化チタン微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(スキン層)と、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(コア層)が積層されてなる太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムであって、
    白色度が50以上で、平均粒径が0.1〜3μmのルチル型を主体とする二酸化チタン微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であり、
    スキン層の微粒子の濃度が8〜30質量%であり、スキン層の微粒子の濃度はコア層の微粒子の濃度より高いことを特徴とする太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
  2. フィルム内部に微細な空洞を多数有することにより、フィルムの見かけ比重が0.7以上1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
  3. フィルム原料となるポリエステルの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
  4. フィルム原料となるポリエステルは、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
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