本発明は、導光体及び照明装置に関し、特に、導光体内に入射した光を出射面に向けて反射させる技術に関する。
複合機等の画像形成装置では、スキャナー等の画像読取装置の光源部として、棒状の樹脂製導光体と、当該導光体の長さ方向側部から導光体内部に光を照射するLEDとを組み合わせたライン光源を採用したものがある。当該光源部は、ラインセンサーの読取に合わせて、読取対象の原稿をライン状に照明する必要がある。このために、導光体から光を出射させる出射面と対向する面に、光反射又は光散乱パターンを設け、そのパターンにより出射面に向けて導光体内に入射された光を偏向させて、ライン状の照明光を原稿に向かう方向に出射させている。
ここで、棒状の導光体とLEDの組み合わせでは、LEDから直接に光反射又は拡散パターン面で偏向された直接光と、1回以上導光体外周で全反射して光反射又は拡散パターン面で偏向された間接光とでは、照明強度が異なるため、導光体及び出射面の長さ方向の各位置から出射される照明光に均一性が得られない。そこで、特許文献1に示されるように、導光体の断面形状を円形から多角形形状、及び主走査方向に異型にすることで、光反射又は拡散パターン面にLEDからの直接光を入射させない照明ユニットが提案されている。
また、間接光のみで考えた場合、角度の付いた光線の方が、導光体の外周面で全反射しやすく、光反射又は散乱パターンに入射して導光体から出射しやすい。このため、導光体のLED入射面から主走査方向(光源部から導光体に入射する光の光軸方向)に遠ざかるほど上記角度が付かないため、原稿照射時の副走査方向(光軸方向に直交する方向)における間接光の照明分布が狭くなっていくという問題がある。これに対しては、下記特許文献2に示されるように、導光体の外周形状を長手方向で全体的又は局所的に変更し、光反射又は散乱パターンに入射する光線の角度分布を変え、間接光の副走査方向における照明分布を主走査方向で均一にする照明ユニットが提案されている。
特許第3176317号公報
特開第2010−277940号
しかしながら、特許文献1に示されるような、間接光のみの照明系では、入射光を1回以上導光体外周で全反射させる必要があるため、LED入射面の近傍にて得られる照明光が殆どないことになる。このため、必要な照明光を得るためにLED入射面の近傍から距離が必要となり、読取対象とする原稿のサイズに対して、導光体を長くする必要が生じて装置の小型化の妨げになる。
また、特許文献2に示されるように導光体の外周形状を長手方向で全体的又は局所的に変更する場合は、導光体自体を異型にする必要があるため、断面によって形状が異なり、金型が複雑化、さらに成型時に反り等が発生しやすく、装置に組み込み後の姿勢を保持しにくいという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、導光体の外形形状を変更することなく、原稿照射時における副走査方向での直接光及び間接光の照明分布を、主走査方向の各位置で均一にすることを目的とする。
本発明の一局面に係る導光体は、内部に入射される光の光軸方向に延びる光透過部材からなり、入射される光を一定方向に反射させる導光体であって、長手方向における両端部の少なくとも一方に設けられ、光源の照射する光が入射される入射面と、前記入射面から入射する光の光軸方向に延びる一側面部を形成し、当該入射した光を出射する出射面と、前記出射面に対向する位置において前記光軸方向に延び、前記入射する光を前記出射面に向けて反射させる複数の光反射パターンが形成された反射面とを備え、前記光反射パターンは、前記出射面に向かって突出する半楕円体形状とされ、前記反射面での前記光軸方向における配置位置に応じて、前記光軸方向からの側面視における、前記半楕円体形状の高さに対する前記光軸方向に直交する方向における第1直径の比率を異ならせて形成されている。
本発明によれば、導光体の外形形状を変更することなく、原稿照射時における副走査方向での直接光及び間接光の照明分布を、主走査方向の各位置で均一にすることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る照明装置を画像読取装置に有する画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
画像読取装置の概略構成を示す内部側面図である。
照明装置を示す斜視図であり、内部構成を示した図である。
導光体内部の出射面に形成された光反射パターンを示す斜視図である。
出射面に形成された光反射パターンを拡大して示す斜視図である。
半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンを有する導光体を示す図である。
半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンによる副走査方向における反射光の拡散分布をグラフにより示す図である。
導光体の主走査方向における光源からの距離に対する間接光の副走査方向での照度分布をグラフにより示す図である。
半楕円体形状の高さと第1直径との比率を異ならせた各光反射パターンによる出射光の副走査方向角度分布をグラフにより示す図である。
主走査方向からみた側面視で半楕円体形状の高さに対する第1直径の比率を主走査方向の各領域で異ならせた光反射パターンを有する導光体を示す斜視図である。
半楕円体形状の高さと第1直径との比率を異ならせた各光反射パターンを示す斜視図である。
主走査方向に対する配置角度が0度から90度の間で異なる各光反射パターンを示す図である。
他の実施形態に係る光反射パターンを有する導光体を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る導光体及びこれを備えた照明装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置を画像読取装置に有する画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11Aに、操作部47、画像形成部12、定着部13、給紙部14、原稿給送部6、及び画像読取装置5等を備えて構成されている。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。
画像形成装置1が原稿読取動作を行う場合、原稿給送部6により給送されてくる原稿、又はコンタクトガラス(原稿載置ガラス)161に載置された原稿の画像を画像読取装置5が光学的に読み取り、画像データを生成する。画像読取装置5により生成された画像データは内蔵HDD又はネットワーク接続されたコンピューター等に保存される。
画像形成装置1が画像形成動作を行う場合は、上記原稿読取動作により生成された画像データ、又はネットワーク接続されたコンピューターやスマートフォン等のユーザー端末装置から受信した画像データ、又は内蔵HDDに記憶されている画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙Pにトナー像を形成する。画像形成部12の画像形成ユニット12M、12C、12Y、及び12Bkは、感光体ドラムと、感光体ドラムへトナーを供給する現像装置と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置と、露光装置と、1次転写ローラー126とをそれぞれ備えている。
カラー印刷を行う場合、画像形成部12のマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン用の画像形成ユニット12C、イエロー用の画像形成ユニット12Y及びブラック用の画像形成ユニット12Bkは、それぞれに、画像データを構成するそれぞれの色成分からなる画像に基づいて、帯電、露光及び現像の工程により感光体ドラム121上にトナー像を形成し、トナー像を1次転写ローラー126により、駆動ローラー125a及び従動ローラー125bに張架されている中間転写ベルト125上に転写させる。
中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
中間転写ベルト125上に転写される各色のトナー画像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。2次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとのニップ部Nにおいて、給紙部14から搬送路190を搬送されてきた記録紙Pに転写させる。この後、定着部13が、記録紙P上のトナー像を熱圧着により記録紙Pに定着させる。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙Pは、排出トレイ151に排出される。
給紙部14は、複数の給紙カセットを備える。制御部(不図示)は、操作者による指示で指定されたサイズの記録紙が収容された給紙カセットのピックアップローラー145を回転駆動させて、各給紙カセットに収容されている記録紙Pを上記ニップ部Nに向けて搬送させる。
次に、画像読取装置の構成を説明する。図2は画像読取装置5の概略構成を示す内部側面図である。
画像読取装置5は、図2に示すように、光走査装置7及び撮像ユニット8を備えている。
光走査装置7は、第1光学系ユニット71と、第2光学系ユニット72とを備えている。
第1光学系ユニット71は、照明装置10と、第1ミラー711とを備えている。照明装置10は原稿の読取面、すなわち上方に向かって光を照射すべく、コンタクトガラス161に対向してその下方に配置されている。照明装置10は、棒状の導光体と、当該導光体の長さ方向端部に配設された光源とを備える(詳細は後述)。照明装置10は、図2における奥行き方向に延び、当該照明装置10の延びる方向が原稿読取時の主走査方向である。
第1ミラー711は、コンタクトガラス161に載置された原稿を照明装置10が照射した光の原稿読取面での反射光を受けて、水平方向に方向転換させる。第1ミラー711は、コンタクトガラス161の下方に配置されている。これら照明装置10及び第1ミラー711は、図示しない支持部材に取り付けられている。
第2光学系ユニット72は、第2ミラー721と、第3ミラー722とを備えている。第2ミラー721は、第1光学系ユニット71の第1ミラー711が反射させた光を受けて、さらに略垂直下方に方向転換させる。第3ミラー722は、第2ミラー721が反射させた光を、さらに略水平に方向転換させて、撮像ユニット8の方向に導く。これら第2ミラー721及び第3ミラー722は、図示しない支持部材に取れ付けられている。
なお、第1光学系ユニット71及び第2光学系ユニット72に設けられた照明装置10及び上記各ミラーは、上記主走査方向にコンタクトガラス161と略同じ長さで延びる細長い形状とされている。
画像読取装置5の内部には、上記矢印方向に光走査装置7の移動を案内する図略の移動用のレールが設けられている。これにより、第1光学系ユニット71及び第2光学系ユニット72を備えた光走査装置7は、コンタクトガラス161に載置された原稿の読取面全体の画像情報を読み取るべくコンタクトガラス161表面と平行に、副走査方向(主走査方向に直交する方向)、すなわち、図2に示す矢印方向に往復移動可能とされている。
撮像ユニット8は、画像読取装置5の内部下部に固定されている。撮像ユニット8は、光学部材である結像レンズ81と、撮像素子であるラインセンサー82とを備えている。第2光学系ユニット72の第3ミラー722によって反射された、原稿の読取面からの反射光は結像レンズ81に入射する。結像レンズ81は光路の下流側に設けられたラインセンサー82の表面上に、当該反射光を結像させる。ラインセンサー82は、受光した光の光量に応じて当該光量を示す電圧を生成し、すなわち、受光素子が得る光情報を電気信号に変換して、図略の制御部に出力する。このようにして、ラインセンサー82により、画像読取装置5で読取対象とされる原稿の画像が読み取られる。
次に、画像読取装置5に備えられる照明装置10を説明する。図3は照明装置10を示す斜視図であり、内部構成を示した図である。
照明装置10は、導光体11と、光源12とを備える。
導光体11は、光源12から当該導光体11の内部に入射される光の光軸方向に延びる。導光体11は、上述したように主走査方向に延びるため、当該光軸方向と主走査方向とは一致している。導光体11は、例えば樹脂製の光透過部材からなり、反射面15により、光源12から入射される光を一定方向(反射面15に向かう方向)に向けて反射させる。
導光体11は、入射面18と、出射面17と、反射面15とにより形成されている。
入射面18は、導光体11の長手方向における両端部の少なくとも一方の側面が当該入射面とされる。本実施形態では、両端部の一方の側面のみが入射面18とされる形態を説明する。入射面18には光源12が取り付けられている。当該光源12の照射する光が、入射面18から導光体11の内部に入射する。
出射面17は、主走査方向に延び、導光体11の一側面をなす。本実施形態では、出射面17は導光体11の上面部を形成している。入射面18から導光体11の内部に入射した光は、反射面15で反射されて、当該出射面17から導光体11の外部に出射する。
反射面15は、出射面17に対向する位置において副走査方向に延びる。本実施形態では、反射面15は導光体11の下面部を形成している。反射面15には、入射する光を出射面17に向けて反射させる複数の光反射パターン16が形成されている。反射面15は、入射面18から導光体11の内部に入射した光を、当該光反射パターン16により出射面17に向けて反射させる。光反射パターン16は、導光体11と同一素材により一体的に形成されている。
光源12は、例えばLED121からなる。光源12は、導光体11の入射面18の外面に取り付けられる。本実施形態では、光源12として、6つのLED121が設けられた例を示す。光源12が入射面18から導光体11の内部に向けて照射する光の照射方向(光軸方向)は、導光体11の長さ方向、すなわち、主走査方向である。
次に、光反射パターン16を説明する。図4は、導光体11内部の出射面17に形成された光反射パターン16を示す斜視図である。図5は出射面17に形成された光反射パターン16を拡大して示す斜視図である。
光反射パターン16は、自身に入射した光を反射及び散乱させる形状パターンである。反射面15には、副走査方向に複数の光反射パターン16が並べて列状に形成され、更に、当該複数の光反射パターン16からなる列が主走査方向に複数並べて形成されている。当該光反射パターン16の列は、主走査方向において、反射面15の入射面18の位置から、入射面18とは反対側の端部である側面部までの位置に形成されている。
入射面18から導光体11の内部に入射した光は、導光体11に光反射又は散乱パターンがない場合、導光体11に入射後、導光体11の外周面を全反射して主走査方向に進み、入射面18とは反対側の端部まで漏れなく導光される。これでは、入射面18に設置された光源12からの光で原稿を照明できないため、出射面17と対向する反射面15に光反射パターン16を形成することによって、副走査方向に当該入射光を反射させるものである。
図5に示すように、それぞれの光反射パターン16は、出射面17に向かって突出する半楕円体形状とされている。光反射パターン16は、一定方向における第1直径Aが、当該第1直径に直交する第2直径Bよりも長い長さに形成されている。例えば、図5に示す光反射パターン16は、光反射パターン16は、副走査方向(光軸方向に直交する方向)を上記一定方向としてその第1直径Aが、主走査方向(光軸方向)の第2直径Bよりも長い長さに形成されている。光反射パターン16を当該半楕円体形状とした場合、入射面18から導光体11内部に入射した光が光反射パターン16で反射すると、出射面17に向かう反射光と、出射面17に向かいつつ副走査方向に散乱する反射光とが得られる。
更に、半楕円体形状の当該光反射パターン16は、半楕円体形状の高さhと、入射面18から入射する光源12からの入射光の光軸の方向(主走査方向)からみた側面視における第1直径Aとの比率を変化させると、当該比率の変化に応じて、上記反射光が散乱する副走査方向角度の範囲が変化する。なお、当該半楕円体形状の高さは、半楕円体形状の最高部における高さである。
ここで、一般的な導光体の入射面から入射した光が反射面で反射して出射面から出射する場合における副走査方向への拡散について説明する。図6は半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンを有する導光体110を示す図である。図7は半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンによる副走査方向における反射光の拡散分布をグラフにより示す図である。
図6に示すように、出射面170に向けて突出した逆V字形状のプリズムからなる光反射パターン160が反射面150上に形成されている導光体110が一般的に知られている。光反射パターン160は、導光体110と同一素材により一体的に形成されている。このような導光体110では、各光反射パターン160間の主走査方向におけるピッチ、光反射パターン160の高さや幅等を可変させることで、光反射パターン160の反射パターン面1601が出射面170方向に反射させる光の量を調節可能である。このため、主走査方向の各位置に配置される光反射パターン160の上記ピッチ、高さ、又は幅等を調整することで、主走査方向の各位置から出射される照明光の均一化が可能である。
しかしながら、LEDを有する光源120は、導光体110の全周方向に光を発光する。このため、光源120から直接に光反射パターン面1601に入射する直接光と、光源120から1回以上導光体110の外周面で全反射して光反射パターン面1601に入射する間接光とが発生する。これら直接光及び間接光は、光反射パターン面1601に入射する副走査方向の光線角度がそれぞれ異なる。直接光はLEDから直接に光反射パターン面1601に入射する光であるため、光反射パターン面1601に対する角度が浅く、出射面から出射される副走査方向での光線角度分布が狭くなる。これに対して、間接光は、全反射により導光体110の外周面の全周方向から光反射パターン面1601に入射する光である。そして、上記の逆V字形状のプリズムからなる光反射パターン160は、副走査方向に対しては入射光線角度そのままの角度で光を反射して出射させ、偏向成分を有しない。このため、出射後における副走査方向での光線角度分布は、直接光と間接光の光反射パターン面1601に対する入射角度に応じて、直接光と間接光とでは、図7に示すように異なる。
ここで、導光体110内では主走査方向の各位置においては、直接光及び間接光の割合が異なるため、導光体110から出射される光は、主走査方向の各位置で副走査方向における照明分布が異なることになる。そのため、読取動作による原稿読取位置のずれが生じたり、原稿がコンタクトガラス161の面上から浮く事態が生じると、副走査方向に読取位置がずれることになるので、主走査方向のシェーディングで決めた基準データからのずれが主走査方向全域で均一にならず、原稿を読み取った時に画像の主走査方向に読取濃度ムラが発生するおそれがある。
図8は、導光体110の主走査方向における光源120からの距離に対する間接光の副走査方向での照度分布をグラフにより示す図である。主走査方向において光源120及び入射面130近傍の領域は直接光が多くて間接光が少なく、中央領域は間接光が主になり、また、導光体110の上記終端部に向かうほど間接光が光反射パターン160に入射する光線の角度分布は小さくなる。このため、原稿照射時に導光体110から出射される光の副走査方向における照明分布は、図8に示すように、主走査方向の各位置での間接光の量に応じて、主走査方向の各位置でそれぞれ異なることになる。
以上述べたことから、直接光、間接光を含めて、副走査方向における出射光の照度分布を、主走査方向の全域に亘って均一化するためには、光反射パターンによる光拡散力を、主走査方向の位置に応じて、細かく制御する必要があることが分かる。
本実施形態では、導光体11の反射面15に形成されたそれぞれの光反射パターン16は、反射面15での主走査方向における配置位置に応じて、主走査方向からみた側面視での半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を異ならせて形成されている。各光反射パターン16は、全て同一の半楕円体形状とされている。各光反射パターン16は、反射面15での主走査方向における配置位置に応じて、主走査方向に対する配置角度を異ならせることで、主走査方向からみた側面視での半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率が異なるように形成されている。これにより、反射面15での主走査方向の各位置における光反射パターン16による上記光拡散力の調整を行い、主走査方向全域にわたって均一な副走査方向の照明分布を得ることを可能にする。
主走査方向全域にわたって均一な副走査方向の照明分布を得るために必要な、光反射パターン16の半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率の調整について説明する。図9は、半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を異ならせた各光反射パターン16による出射光の副走査方向角度分布をグラフにより示す図である。なお、図9は発明者が実験により取得した結果を示すものである。図10は、主走査方向からみた側面視で半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を主走査方向の各領域で異ならせた光反射パターン16を有する導光体11を示す斜視図である。図11は、主走査方向からみた側面視で半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を異ならせた各光反射パターンを示す斜視図である。図12は、主走査方向に対する配置角度が異なる各光反射パターン16を示す図である。
なお、図10及び図11は、主走査方向の各位置における光反射パターン16の配置角度、及び上記側面視での高さhに対する第1直径Aの比率の相異を概念的に示すに過ぎない。このため、図10の反射面15での各領域における光反射パターン16の列数は、図11に示すものとは異なる例で示している。また、図10及び図11は、導光体11の構成を明確に示すために、実際の導光体11に適用される光反射パターン16の数とは異なる数により、反射面15における光反射パターン16の配置を示している。
図9に示したように、上述した半楕円体形状の光反射パターン16は、半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率が小さくなり、真円に近づくほど、副走査方向への光拡散力が増し、出射角度分布が広がる。
ここで、上記図8に示した、主走査方向の各位置における副走査方向への照度分布に基づくと、主走査方向の各位置における導光体11からの出射光について副走査方向への拡散範囲を均一にするには、反射面15では主走査方向において光源12及び入射面18近傍の領域では、光反射パターン16による副走査方向への光拡散力を他の領域に比べて大きくする必要がある。
また、反射面15において、主走査方向における反射面15の中央領域付近は、光反射パターン16による副走査方向への光拡散力は、他の領域に比べて小さくする必要がある。
さらに、反射面15において、主走査方向における入射面18とは反対側の端部となる側面近傍は、上記中央領域よりは、光反射パターン16による副走査方向への光拡散力を大きくする必要がある。
このため、反射面15に形成する全ての光反射パターン16の形状を同一とし、第1直径Aと第2直径Bの比は、光反射パターン15の主走査方向に対する配置角度を0度と90度にした場合に、直接光と間接光の配光分布が同じになるように設定する。すなわち、直接光と間接光の角度成分をあわせるためには、直接光部分に間接光と同じになるように副走査方向への光の拡散力を持たせる必要がある。例えば、光反射パターン15の角度0度の際に拡散力が最大、角度90度の際に拡散力が最小とした場合、角度0度の拡散力最大の状態での直接光の配光成分が、角度90度の際の間接光と配光成分が同じになるように、光反射パターン15の第1直径Aと第2直径Bの比を設定する。これにより、主走査方向の各位置における副走査方向への配光を均一にする。
例えば、図10に示すように、反射面15を主走査方向において複数の領域を分けて、各領域毎に、主走査方向に対する光反射パターン15の配置角度を変更する。または、図11に示すように、光源12及び入射面13からの距離が異なるに連れて徐々に連続的に、光反射パターン15の配置角度が変化するようにしてもよい。
例えば、図11に示す構成の場合、反射面15の主走査方向において入射面18近傍の領域D1は、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を0度(主走査方向に対する第1直径Aの角度=0度)として、主走査方向からみた側面視で高さhに対する第1直径Aの比率を小さく設定する。
そして、領域D1よりも導光体11の主走査方向における中央領域D7に近い領域D2では、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を15度(主走査方向に対する第1直径Aの角度=15度)として、主走査方向からみた側面視で高さhに対する第1直径Aの比率を領域D1よりも大きくする。
同様にして、中央領域D7に近くなっていく領域D3,領域D4,領域D5領域D6では、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度(主走査方向に対する第1直径Aの角度)をそれぞれ30度、45度、60度、75度として、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を、中央領域D7に近くなるに従って徐々に大きくする。
なお、本実施形態では、中央領域D7では、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を90度(主走査方向に対する第1直径Aの角度=90度)として、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を最大にしている。
このようにして、反射面15の主走査方向において入射面18の位置から中央領域に近付く従って徐々に上記比率を大きくして、副走査方向への光照射の角度成分が主走査方向各位置で同じになるように、主走査方向に対する各光反射パターン16の配置角度を設定する。
また、主走査方向において、上記中央領域D7を過ぎた領域D8からは、入射面18とは反対側の端部(主走査方向において入射面18側からみた導光体11の終端部)に向かうに従って、各領域における副走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を小さくして、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を小さくする。例えば、領域D8から上記終端部に向けて連続して並ぶ各領域においては、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度をそれぞれ75度、60度、45度、30度、15度、0度として、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を、中央領域D7に近くなるに従って徐々に小さくする。
これにより、導光体11の終端部に向かうほど光反射パターン16に入射する角度が小さくなって出射光の角度分布が狭くなる現象を補正する。
上記中央領域D7では、上記側面視における、光反射パターン16の高さhに対する第1直径Aの比率を、他の領域、すなわち、入射面18近傍の領域と、中央領域に対して入射面18とは反対側の端部領域とにおける光反射パターン16の当該比率よりも大きくする。
なお、導光体11は、例えば、溶融した樹脂を金型に噴射、注入するインジェクション成型で作成される。
このように、本実施形態によれば、出射面17と対向する反射面15に、半楕円体形状の光反射パターン16を形成し、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を主走査方向の各位置で変化させることで、光反射パターン16による直接光及び間接光の出射角度分布を同様にすることが可能である。また、上記のように光反射パターン16への入射光に対する当該光反射パターン16による反射角度を制御することで、原稿読取動作時における読取位置ずれや原稿がコンタクトガラス161の面上から浮いた状態が生じた場合における反射光量の変化量を、主走査方向で均一化することが可能になる。このため、本実施形態に係る導光体11では、当該導光体11の外形形状を変更することなく、原稿照射時における副走査方向での直接光及び間接光の照明分布を、主走査方向の各位置で均一にすることが可能である。
さらに、本実施形態では、反射面15において主走査方向の各位置に配置されている光反射パターン16は、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率について、上記中央領域付近に形成されている光反射パターン16の当該比率よりも、当該中央領域に対して入射面18に近い側の領域と、当該中央領域からみて入射面18とは反対側となる導光体11の終端部側の領域とに形成されている光反射パターン16の上記比率を小さくしている。これによれば、主走査方向において光源12及び入射面18近傍の領域は直接光が多くて間接光が少なく、中央領域は間接光が主になり、また導光体11の上記終端部に向かうほど光反射パターン16に入射する間接光の光線の角度分布は小さくなるという現象に対応して、主走査方向の各位置における導光体11からの出射光線についての副走査方向における角度分布を均一化することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、導光体11の全長を短く形成すると、直接光が多くて間接光が少ない入射面18の近傍領域では副走査方向の角度分布を制御する必要があるが、直接光の影響が少ない間接光が主となる主走査方向位置の領域については副走査方向の角度分布を制御する必要が無い場合がある。この場合、図13に示すように、入射面18から上記間接光が主の領域D7に到るまでの直接光の多い領域Dでは、主走査方向における領域Dの開始位置から終了位置までに亘り、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を小さな角度から徐々に大きくすることで、主走査方向からみた側面視での光反射パターン16の上記高さhに対する第1直径Aの比率を徐々に大きくする。上記領域D7では、副走査方向に偏向成分をもたず光反射パターン16よりも出射効率の良い上述した逆V字形状の光反射パターンVPを形成する。これにより、照明装置10により、出射効率の高い照明が可能となる。なお、特に図示しないが、光反射パターンVPとして、円筒形状、楕円形状、非球面形状等を採用してもよい。
また、上記各実施形態では、導光体11の主走査方向における一端部のみが入射面18とされ、導光体11側面部の片側のみから光源12により照明する構成を説明したが、これに代えて、主走査方向における導光体11の両端部の側面を入射面18とし、導光体11の当該両端部側から光源12により導光体11の内部に光を入射させる構成を採用し、上記導光体11の長手方向の一側部にのみ光源12を備える場合と同様にして、反射面15での主走査方向の各位置における直接光又は間接光の分布、或いは、光反射パターン16に入射する光線の角度分布に応じて、反射面15での主走査方向における各領域で、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を変化させて、主走査方向からみた側面視での光反射パターン16の上記高さhに対する第1直径Aの比率を変化させるようにしてもよい。
このように両端部に入射面18及び光源12を備える導光体11では、導光体11における上記両端部の入射面18近傍の直接光が光反射パターン16に入射する光線の角度分布が小さく、主走査方向の中央部に向かうほど光反射パターン16に入射する光線の角度分布が大きくなるが、上記のように光反射パターン16の上記高さhに対する第1直径Aの比率を設定することにより、主走査方向の各位置における導光体11からの出射光の副走査方向における角度分布を均一化可能である。
また、導光体11の主走査方向の各位置において必要な光量を得るために、光反射パターン15を配置する個数を可変させてもよいし、主走査方向と副走査方向の直径比を保ったまま光反射パターン15の大きさを可変させてもよい。
また、上記各実施形態では、光源12としてLED121を備えるものを示したが、導光体11の上記端部となる側面から、導光体11の内部に向けて主走査方向に光を出射できるものであれば、LEDには限定されない。
また、図1乃至図13を用いて上記各実施形態に示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の構成及び処理はこれに限定されるものではない。
1 画像形成装置
5 画像読取装置
10 照明装置
11 導光体
12 光源
15 反射面
16 光反射パターン
17 出射面
18 入射面
VP 光反射パターン
本発明は、導光体及び照明装置に関し、特に、導光体内に入射した光を出射面に向けて反射させる技術に関する。
複合機等の画像形成装置では、スキャナー等の画像読取装置の光源部として、棒状の樹脂製導光体と、当該導光体の長さ方向側部から導光体内部に光を照射するLEDとを組み合わせたライン光源を採用したものがある。当該光源部は、ラインセンサーの読取に合わせて、読取対象の原稿をライン状に照明する必要がある。このために、導光体から光を出射させる出射面と対向する面に、光反射又は光散乱パターンを設け、そのパターンにより出射面に向けて導光体内に入射された光を偏向させて、ライン状の照明光を原稿に向かう方向に出射させている。
ここで、棒状の導光体とLEDの組み合わせでは、LEDから直接に光反射又は拡散パターン面で偏向された直接光と、1回以上導光体外周で全反射して光反射又は拡散パターン面で偏向された間接光とでは、照明強度が異なるため、導光体及び出射面の長さ方向の各位置から出射される照明光に均一性が得られない。そこで、特許文献1に示されるように、導光体の断面形状を円形から多角形形状、及び主走査方向に異型にすることで、光反射又は拡散パターン面にLEDからの直接光を入射させない照明ユニットが提案されている。
また、間接光のみで考えた場合、角度の付いた光線の方が、導光体の外周面で全反射しやすく、光反射又は散乱パターンに入射して導光体から出射しやすい。このため、導光体のLED入射面から主走査方向(光源部から導光体に入射する光の光軸方向)に遠ざかるほど上記角度が付かないため、原稿照射時の副走査方向(光軸方向に直交する方向)における間接光の照明分布が狭くなっていくという問題がある。これに対しては、下記特許文献2に示されるように、導光体の外周形状を長手方向で全体的又は局所的に変更し、光反射又は散乱パターンに入射する光線の角度分布を変え、間接光の副走査方向における照明分布を主走査方向で均一にする照明ユニットが提案されている。
特許第3176317号公報
特開2010−277940号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような、間接光のみの照明系では、入射光を1回以上導光体外周で全反射させる必要があるため、LED入射面の近傍にて得られる照明光が殆どないことになる。このため、必要な照明光を得るためにLED入射面の近傍から距離が必要となり、読取対象とする原稿のサイズに対して、導光体を長くする必要が生じて装置の小型化の妨げになる。
また、特許文献2に示されるように導光体の外周形状を長手方向で全体的又は局所的に変更する場合は、導光体自体を異型にする必要があるため、断面によって形状が異なり、金型が複雑化、さらに成型時に反り等が発生しやすく、装置に組み込み後の姿勢を保持しにくいという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、導光体の外形形状を変更することなく、原稿照射時における副走査方向での直接光及び間接光の照明分布を、主走査方向の各位置で均一にすることを目的とする。
本発明の一局面に係る導光体は、内部に入射される光の光軸方向に延びる光透過部材からなり、入射される光を一定方向に反射させる導光体であって、長手方向における両端部の少なくとも一方に設けられ、光源の照射する光が入射される入射面と、前記入射面から入射する光の光軸方向に延びる一側面部を形成し、当該入射した光を出射する出射面と、前記出射面に対向する位置において前記光軸方向に延び、前記入射する光を前記出射面に向けて反射させる複数の光反射パターンが形成された反射面とを備え、前記光反射パターンは、前記出射面に向かって突出する半楕円体形状とされ、前記反射面での前記光軸方向における配置位置に応じて、前記光軸方向からの側面視における、前記半楕円体形状の高さに対する前記光軸方向に直交する方向における第1直径の比率を異ならせて形成されている。
本発明によれば、導光体の外形形状を変更することなく、原稿照射時における副走査方向での直接光及び間接光の照明分布を、主走査方向の各位置で均一にすることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る照明装置を画像読取装置に有する画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
画像読取装置の概略構成を示す内部側面図である。
照明装置を示す斜視図であり、内部構成を示した図である。
導光体内部の反射面に形成された光反射パターンを示す斜視図である。
反射面に形成された光反射パターンを拡大して示す斜視図である。
半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンを有する導光体を示す図である。
半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンによる副走査方向における反射光の拡散分布をグラフにより示す図である。
導光体の主走査方向における光源からの距離に対する間接光の副走査方向での照度分布をグラフにより示す図である。
半楕円体形状の高さと第1直径との比率を異ならせた各光反射パターンによる出射光の副走査方向角度分布をグラフにより示す図である。
主走査方向からみた側面視で半楕円体形状の高さに対する第1直径の比率を主走査方向の各領域で異ならせた光反射パターンを有する導光体を示す斜視図である。
半楕円体形状の高さと第1直径との比率を異ならせた各光反射パターンを示す斜視図である。
主走査方向に対する配置角度が0度から90度の間で異なる各光反射パターンを示す図である。
他の実施形態に係る光反射パターンを有する導光体を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る導光体及びこれを備えた照明装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置を画像読取装置に有する画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11Aに、操作部47、画像形成部12A、定着部13、給紙部14、原稿給送部6、及び画像読取装置5等を備えて構成されている。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。
画像形成装置1が原稿読取動作を行う場合、原稿給送部6により給送されてくる原稿、又はコンタクトガラス(原稿載置ガラス)161に載置された原稿の画像を画像読取装置5が光学的に読み取り、画像データを生成する。画像読取装置5により生成された画像データは内蔵HDD又はネットワーク接続されたコンピューター等に保存される。
画像形成装置1が画像形成動作を行う場合は、上記原稿読取動作により生成された画像データ、又はネットワーク接続されたコンピューターやスマートフォン等のユーザー端末装置から受信した画像データ、又は内蔵HDDに記憶されている画像データ等に基づいて、画像形成部12Aが、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙Pにトナー像を形成する。画像形成部12Aの画像形成ユニット12M、12C、12Y、及び12Bkは、感光体ドラムと、感光体ドラムへトナーを供給する現像装置と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置と、露光装置と、1次転写ローラー126とをそれぞれ備えている。
カラー印刷を行う場合、画像形成部12Aのマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン用の画像形成ユニット12C、イエロー用の画像形成ユニット12Y及びブラック用の画像形成ユニット12Bkは、それぞれに、画像データを構成するそれぞれの色成分からなる画像に基づいて、帯電、露光及び現像の工程により感光体ドラム121上にトナー像を形成し、トナー像を1次転写ローラー126により、駆動ローラー125a及び従動ローラー125bに張架されている中間転写ベルト125上に転写させる。
中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
中間転写ベルト125上に転写される各色のトナー画像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。2次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとのニップ部Nにおいて、給紙部14から搬送路190を搬送されてきた記録紙Pに転写させる。この後、定着部13が、記録紙P上のトナー像を熱圧着により記録紙Pに定着させる。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙Pは、排出トレイ151に排出される。
給紙部14は、複数の給紙カセットを備える。制御部(不図示)は、操作者による指示で指定されたサイズの記録紙が収容された給紙カセットのピックアップローラー145を回転駆動させて、各給紙カセットに収容されている記録紙Pを上記ニップ部Nに向けて搬送させる。
次に、画像読取装置の構成を説明する。図2は画像読取装置5の概略構成を示す内部側面図である。
画像読取装置5は、図2に示すように、光走査装置7及び撮像ユニット8を備えている。
光走査装置7は、第1光学系ユニット71と、第2光学系ユニット72とを備えている。
第1光学系ユニット71は、照明装置10と、第1ミラー711とを備えている。照明装置10は原稿の読取面、すなわち上方に向かって光を照射すべく、コンタクトガラス161に対向してその下方に配置されている。照明装置10は、棒状の導光体と、当該導光体の長さ方向端部に配設された光源とを備える(詳細は後述)。照明装置10は、図2における奥行き方向に延び、当該照明装置10の延びる方向が原稿読取時の主走査方向である。
第1ミラー711は、コンタクトガラス161に載置された原稿を照明装置10が照射した光の原稿読取面での反射光を受けて、水平方向に方向転換させる。第1ミラー711は、コンタクトガラス161の下方に配置されている。これら照明装置10及び第1ミラー711は、図示しない支持部材に取り付けられている。
第2光学系ユニット72は、第2ミラー721と、第3ミラー722とを備えている。第2ミラー721は、第1光学系ユニット71の第1ミラー711が反射させた光を受けて、さらに略垂直下方に方向転換させる。第3ミラー722は、第2ミラー721が反射させた光を、さらに略水平に方向転換させて、撮像ユニット8の方向に導く。これら第2ミラー721及び第3ミラー722は、図示しない支持部材に取り付けられている。
なお、第1光学系ユニット71及び第2光学系ユニット72に設けられた照明装置10及び上記各ミラーは、上記主走査方向にコンタクトガラス161と略同じ長さで延びる細長い形状とされている。
画像読取装置5の内部には、上記矢印方向に光走査装置7の移動を案内する図略の移動用のレールが設けられている。これにより、第1光学系ユニット71及び第2光学系ユニット72を備えた光走査装置7は、コンタクトガラス161に載置された原稿の読取面全体の画像情報を読み取るべくコンタクトガラス161表面と平行に、副走査方向(主走査方向に直交する方向)、すなわち、図2に示す矢印方向に往復移動可能とされている。
撮像ユニット8は、画像読取装置5の内部下部に固定されている。撮像ユニット8は、光学部材である結像レンズ81と、撮像素子であるラインセンサー82とを備えている。第2光学系ユニット72の第3ミラー722によって反射された、原稿の読取面からの反射光は結像レンズ81に入射する。結像レンズ81は光路の下流側に設けられたラインセンサー82の表面上に、当該反射光を結像させる。ラインセンサー82は、受光した光の光量に応じて当該光量を示す電圧を生成し、すなわち、受光素子が得る光情報を電気信号に変換して、図略の制御部に出力する。このようにして、ラインセンサー82により、画像読取装置5で読取対象とされる原稿の画像が読み取られる。
次に、画像読取装置5に備えられる照明装置10を説明する。図3は照明装置10を示す斜視図であり、内部構成を示した図である。
照明装置10は、導光体11と、光源12とを備える。
導光体11は、光源12から当該導光体11の内部に入射される光の光軸方向に延びる。導光体11は、上述したように主走査方向に延びるため、当該光軸方向と主走査方向とは一致している。導光体11は、例えば樹脂製の光透過部材からなり、反射面15により、光源12から入射される光を一定方向(出射面17に向かう方向)に向けて反射させる。
導光体11は、入射面18と、出射面17と、反射面15とにより形成されている。
入射面18は、導光体11の長手方向における両端部の少なくとも一方の側面が当該入射面とされる。本実施形態では、両端部の一方の側面のみが入射面18とされる形態を説明する。入射面18には光源12が取り付けられている。当該光源12の照射する光が、入射面18から導光体11の内部に入射する。
出射面17は、主走査方向に延び、導光体11の一側面をなす。本実施形態では、出射面17は導光体11の上面部を形成している。入射面18から導光体11の内部に入射した光は、反射面15で反射されて、当該出射面17から導光体11の外部に出射する。
反射面15は、出射面17に対向する位置において主走査方向に延びる。本実施形態では、反射面15は導光体11の下面部を形成している。反射面15には、入射する光を出射面17に向けて反射させる複数の光反射パターン16が形成されている。反射面15は、入射面18から導光体11の内部に入射した光を、当該光反射パターン16により出射面17に向けて反射させる。光反射パターン16は、導光体11と同一素材により一体的に形成されている。
光源12は、例えばLED1210からなる。光源12は、導光体11の入射面18の外面に取り付けられる。本実施形態では、光源12として、6つのLED1210が設けられた例を示す。光源12が入射面18から導光体11の内部に向けて照射する光の照射方向(光軸方向)は、導光体11の長さ方向、すなわち、主走査方向である。
次に、光反射パターン16を説明する。図4は、導光体11内部の反射面15に形成された光反射パターン16を示す斜視図である。図5は反射面15に形成された光反射パターン16を拡大して示す斜視図である。
光反射パターン16は、自身に入射した光を反射及び散乱させる形状パターンである。反射面15には、副走査方向に複数の光反射パターン16が並べて列状に形成され、更に、当該複数の光反射パターン16からなる列が主走査方向に複数並べて形成されている。当該光反射パターン16の列は、主走査方向において、反射面15の入射面18の位置から、入射面18とは反対側の端部である側面部までの位置に形成されている。
入射面18から導光体11の内部に入射した光は、導光体11に光反射又は散乱パターンがない場合、導光体11に入射後、導光体11の外周面を全反射して主走査方向に進み、入射面18とは反対側の端部まで漏れなく導光される。これでは、入射面18に設置された光源12からの光で原稿を照明できないため、出射面17と対向する反射面15に光反射パターン16を形成することによって、副走査方向に当該入射光を反射させるものである。
図5に示すように、それぞれの光反射パターン16は、出射面17に向かって突出する半楕円体形状とされている。光反射パターン16は、一定方向における第1直径Aが、当該第1直径に直交する第2直径Bよりも長い長さに形成されている。例えば、図5に示す光反射パターン16は、光反射パターン16は、副走査方向(光軸方向に直交する方向)を上記一定方向としてその第1直径Aが、主走査方向(光軸方向)の第2直径Bよりも長い長さに形成されている。光反射パターン16を当該半楕円体形状とした場合、入射面18から導光体11内部に入射した光が光反射パターン16で反射すると、出射面17に向かう反射光と、出射面17に向かいつつ副走査方向に散乱する反射光とが得られる。
更に、半楕円体形状の当該光反射パターン16は、半楕円体形状の高さhと、入射面18から入射する光源12からの入射光の光軸の方向(主走査方向)からみた側面視における第1直径Aとの比率を変化させると、当該比率の変化に応じて、上記反射光が散乱する副走査方向角度の範囲が変化する。なお、当該半楕円体形状の高さは、半楕円体形状の最高部における高さである。
ここで、一般的な導光体の入射面から入射した光が反射面で反射して出射面から出射する場合における副走査方向への拡散について説明する。図6は半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンを有する導光体110を示す図である。図7は半楕円体形状を有しない平板状の光反射パターンによる副走査方向における反射光の拡散分布をグラフにより示す図である。
図6に示すように、出射面170に向けて突出した逆V字形状のプリズムからなる光反射パターン160が反射面150上に形成されている導光体110が一般的に知られている。光反射パターン160は、導光体110と同一素材により一体的に形成されている。このような導光体110では、各光反射パターン160間の主走査方向におけるピッチ、光反射パターン160の高さや幅等を可変させることで、光反射パターン160の反射パターン面1601が出射面170方向に反射させる光の量を調節可能である。このため、主走査方向の各位置に配置される光反射パターン160の上記ピッチ、高さ、又は幅等を調整することで、主走査方向の各位置から出射される照明光の均一化が可能である。
しかしながら、LEDを有する光源120は、導光体110の全周方向に光を発光する。このため、光源120から直接に光反射パターン面1601に入射する直接光と、光源120から1回以上導光体110の外周面で全反射して光反射パターン面1601に入射する間接光とが発生する。これら直接光及び間接光は、光反射パターン面1601に入射する副走査方向の光線角度がそれぞれ異なる。直接光はLEDから直接に光反射パターン面1601に入射する光であるため、光反射パターン面1601に対する角度が浅く、出射面から出射される副走査方向での光線角度分布が狭くなる。これに対して、間接光は、全反射により導光体110の外周面の全周方向から光反射パターン面1601に入射する光である。そして、上記の逆V字形状のプリズムからなる光反射パターン160は、副走
査方向に対しては入射光線角度そのままの角度で光を反射して出射させ、偏向成分を有しない。このため、出射後における副走査方向での光線角度分布は、直接光と間接光の光反射パターン面1601に対する入射角度に応じて、直接光と間接光とでは、図7に示すように異なる。
ここで、導光体110内では主走査方向の各位置においては、直接光及び間接光の割合が異なるため、導光体110から出射される光は、主走査方向の各位置で副走査方向における照明分布が異なることになる。そのため、読取動作による原稿読取位置のずれが生じたり、原稿がコンタクトガラス161の面上から浮く事態が生じると、副走査方向に読取位置がずれることになるので、主走査方向のシェーディングで決めた基準データからのずれが主走査方向全域で均一にならず、原稿を読み取った時に画像の主走査方向に読取濃度ムラが発生するおそれがある。
図8は、導光体110の主走査方向における光源120からの距離に対する間接光の副走査方向での照度分布をグラフにより示す図である。主走査方向において光源120及び入射面180近傍の領域は直接光が多くて間接光が少なく、中央領域は間接光が主になり、また、導光体110の上記終端部に向かうほど間接光が光反射パターン160に入射する光線の角度分布は小さくなる。このため、原稿照射時に導光体110から出射される光の副走査方向における照明分布は、図8に示すように、主走査方向の各位置での間接光の量に応じて、主走査方向の各位置でそれぞれ異なることになる。
以上述べたことから、直接光、間接光を含めて、副走査方向における出射光の照度分布を、主走査方向の全域に亘って均一化するためには、光反射パターンによる光拡散力を、主走査方向の位置に応じて、細かく制御する必要があることが分かる。
本実施形態では、導光体11の反射面15に形成されたそれぞれの光反射パターン16は、反射面15での主走査方向における配置位置に応じて、主走査方向からみた側面視での半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を異ならせて形成されている。各光反射パターン16は、全て同一の半楕円体形状とされている。各光反射パターン16は、反射面15での主走査方向における配置位置に応じて、主走査方向に対する配置角度を異ならせることで、主走査方向からみた側面視での半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率が異なるように形成されている。これにより、反射面15での主走査方向の各位置における光反射パターン16による上記光拡散力の調整を行い、主走査方向全域にわたって均一な副走査方向の照明分布を得ることを可能にする。
主走査方向全域にわたって均一な副走査方向の照明分布を得るために必要な、光反射パターン16の半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率の調整について説明する。図9は、半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を異ならせた各光反射パターン16による出射光の副走査方向角度分布をグラフにより示す図である。なお、図9は発明者が実験により取得した結果を示すものである。図10は、主走査方向からみた側面視で半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を主走査方向の各領域で異ならせた光反射パターン16を有する導光体11を示す斜視図である。図11は、主走査方向からみた側面視で半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率を異ならせた各光反射パターンを示す斜視図である。図12は、主走査方向に対する配置角度が異なる各光反射パターン16を示す図である。
なお、図10及び図11は、主走査方向の各位置における光反射パターン16の配置角度、及び上記側面視での高さhに対する第1直径Aの比率の相異を概念的に示すに過ぎない。このため、図10の反射面15での各領域における光反射パターン16の列数は、図11に示すものとは異なる例で示している。また、図10及び図11は、導光体11の構成を明確に示すために、実際の導光体11に適用される光反射パターン16の数とは異なる数により、反射面15における光反射パターン16の配置を示している。図9に示したように、上述した半楕円体形状の光反射パターン16は、半楕円体形状の高さhに対する第1直径Aの比率が小さくなり、真円に近づくほど、副走査方向への光拡散力が増し、出射角度分布が広がる。
ここで、上記図8に示した、主走査方向の各位置における副走査方向への照度分布に基づくと、主走査方向の各位置における導光体11からの出射光について副走査方向への拡散範囲を均一にするには、反射面15では主走査方向において光源12及び入射面18近傍の領域では、光反射パターン16による副走査方向への光拡散力を他の領域に比べて大きくする必要がある。また、反射面15において、主走査方向における反射面15の中央領域付近は、光反射パターン16による副走査方向への光拡散力は、他の領域に比べて小さくする必要がある。さらに、反射面15において、主走査方向における入射面18とは反対側の端部となる側面近傍は、上記中央領域よりは、光反射パターン16による副走査方向への光拡散力を大きくする必要がある。
このため、反射面15に形成する全ての光反射パターン16の形状を同一とし、第1直径Aと第2直径Bの比は、光反射パターン16の主走査方向に対する配置角度を0度と90度にした場合に、直接光と間接光の配光分布が同じになるように設定する。すなわち、直接光と間接光の角度成分をあわせるためには、直接光部分に間接光と同じになるように副走査方向への光の拡散力を持たせる必要がある。例えば、光反射パターン16の角度0度の際に拡散力が最大、角度90度の際に拡散力が最小とした場合、角度0度の拡散力最大の状態での直接光の配光成分が、角度90度の際の間接光と配光成分が同じになるように、光反射パターン16の第1直径Aと第2直径Bの比を設定する。これにより、主走査方向の各位置における副走査方向への配光を均一にする。
例えば、図10に示すように、反射面15を主走査方向において複数の領域を分けて、各領域毎に、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を変更する。または、図11に示すように、光源12及び入射面18からの距離が異なるに連れて徐々に連続的に、光反射パターン16の配置角度が変化するようにしてもよい。例えば、図11に示す構成の場合、反射面15の主走査方向において入射面18近傍の領域D1は、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を0度(主走査方向に対する第1直径Aの角度=0度)として、主走査方向からみた側面視で高さhに対する第1直径Aの比率を小さく設定する。
そして、領域D1よりも導光体11の主走査方向における中央領域D7に近い領域D2では、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を15度(主走査方向に対する第1直径Aの角度=15度)として、主走査方向からみた側面視で高さhに対する第1直径Aの比率を領域D1よりも大きくする。
同様にして、中央領域D7に近くなっていく領域D3,領域D4,領域D5領域D6では、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度(主走査方向に対する第1直径Aの角度)をそれぞれ30度、45度、60度、75度として、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を、中央領域D7に近くなるに従って徐々に大きくする。なお、本実施形態では、中央領域D7では、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を90度(主走査方向に対する第1直径Aの角度=90度)として、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を最大にしている。
このようにして、反射面15の主走査方向において入射面18の位置から中央領域に近付く従って徐々に上記比率を大きくして、副走査方向への光照射の角度成分が主走査方向各位置で同じになるように、主走査方向に対する各光反射パターン16の配置角度を設定する。
また、主走査方向において、上記中央領域D7を過ぎた領域D8からは、入射面18とは反対側の端部(主走査方向において入射面18側からみた導光体11の終端部)に向かうに従って、各領域における主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を小さくして、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を小さくする。例えば、領域D8から上記終端部に向けて連続して並ぶ各領域においては、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度をそれぞれ75度、60度、45度、30度、15度、0度として、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を、中央領域D7に遠くなるに従って徐々に小さくする。
これにより、導光体11の終端部に向かうほど光反射パターン16に入射する角度が小さくなって出射光の角度分布が狭くなる現象を補正する。上記中央領域D7では、上記側面視における、光反射パターン16の高さhに対する第1直径Aの比率を、他の領域、すなわち、入射面18近傍の領域と、中央領域に対して入射面18とは反対側の端部領域とにおける光反射パターン16の当該比率よりも大きくする。
なお、導光体11は、例えば、溶融した樹脂を金型に噴射、注入するインジェクション成型で作成される。
このように、本実施形態によれば、出射面17と対向する反射面15に、半楕円体形状の光反射パターン16を形成し、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率を主走査方向の各位置で変化させることで、光反射パターン16による直接光及び間接光の出射角度分布を同様にすることが可能である。また、上記のように光反射パターン16への入射光に対する当該光反射パターン16による反射角度を制御することで、原稿読取動作時における読取位置ずれや原稿がコンタクトガラス161の面上から浮いた状態が生じた場合における反射光量の変化量を、主走査方向で均一化することが可能になる。このため、本実施形態に係る導光体11では、当該導光体11の外形形状を変更することなく、原稿照射時における副走査方向での直接光及び間接光の照明分布を、主走査方向の各位置で均一にすることが可能である。
さらに、本実施形態では、反射面15において主走査方向の各位置に配置されている光反射パターン16は、主走査方向からみた側面視での高さhに対する第1直径Aの比率について、上記中央領域付近に形成されている光反射パターン16の当該比率よりも、当該中央領域に対して入射面18に近い側の領域と、当該中央領域からみて入射面18とは反対側となる導光体11の終端部側の領域とに形成されている光反射パターン16の上記比率を小さくしている。これによれば、主走査方向において光源12及び入射面18近傍の領域は直接光が多くて間接光が少なく、中央領域は間接光が主になり、また導光体11の上記終端部に向かうほど光反射パターン16に入射する間接光の光線の角度分布は小さくなるという現象に対応して、主走査方向の各位置における導光体11からの出射光線についての副走査方向における角度分布を均一化することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、導光体11の全長を短く形成すると、直接光が多くて間接光が少ない入射面18の近傍領域では副走査方向の角度分布を制御する必要があるが、直接光の影響が少ない間接光が主となる主走査方向位置の領域については副走査方向の角度分布を制御する必要が無い場合がある。この場合、図13に示すように、入射面18から上記間接光が主の領域D7に到るまでの直接光の多い領域Dでは、主走査方向における領域Dの開始位置から終了位置までに亘り、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を小さな角度から徐々に大きくすることで、主走査方向からみた側面視での光反射パターン16の上記高さhに対する第1直径Aの比率を徐々に大きくする。上記領域D7では、副走査方向に偏向成分をもたず光反射パターン16よりも出射効率の良い上述した逆V字形状の光反射パターンVPを形成する。これにより、照明装置10により、出射効率の高い照明が可能となる。なお、特に図示しないが、光反射パターンVPとして、円筒形状、楕円形状、非球面形状等を採用してもよい。
また、上記各実施形態では、導光体11の主走査方向における一端部のみが入射面18とされ、導光体11側面部の片側のみから光源12により照明する構成を説明したが、これに代えて、主走査方向における導光体11の両端部の側面を入射面18とし、導光体11の当該両端部側から光源12により導光体11の内部に光を入射させる構成を採用し、上記導光体11の長手方向の一側部にのみ光源12を備える場合と同様にして、反射面15での主走査方向の各位置における直接光又は間接光の分布、或いは、光反射パターン16に入射する光線の角度分布に応じて、反射面15での主走査方向における各領域で、主走査方向に対する光反射パターン16の配置角度を変化させて、主走査方向からみた側面視での光反射パターン16の上記高さhに対する第1直径Aの比率を変化させるようにしてもよい。
このように両端部に入射面18及び光源12を備える導光体11では、導光体11における上記両端部の入射面18近傍の直接光が光反射パターン16に入射する光線の角度分布が小さく、主走査方向の中央部に向かうほど光反射パターン16に入射する光線の角度分布が大きくなるが、上記のように光反射パターン16の上記高さhに対する第1直径Aの比率を設定することにより、主走査方向の各位置における導光体11からの出射光の副走査方向における角度分布を均一化可能である。
また、導光体11の主走査方向の各位置において必要な光量を得るために、光反射パターン16を配置する個数を可変させてもよいし、主走査方向と副走査方向の直径比を保ったまま光反射パターン16の大きさを可変させてもよい。
また、上記各実施形態では、光源12としてLED1210を備えるものを示したが、導光体11の上記端部となる側面から、導光体11の内部に向けて主走査方向に光を出射できるものであれば、LEDには限定されない。
また、図1乃至図13を用いて上記各実施形態に示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の構成及び処理はこれに限定されるものではない。
1 画像形成装置
5 画像読取装置
10 照明装置
11 導光体
12 光源
15 反射面
16 光反射パターン
17 出射面
18 入射面
VP 光反射パターン