JP2014234504A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、射出成形時の金型への付着(モールドデポジット)を防止でき、熱安定性に優れ、高いクリープ特性及び耐候性を有するポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)緑泥石群鉱物0.001〜5質量部と、(C)耐候安定剤0.1〜5質量部とを、含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は結晶性樹脂であり、剛性、強度、靭性、摺動性、及びクリープ性に優れた樹脂材料である。ポリアセタール樹脂は、自動車部品、電気・電子部品及び工業部品などの機構部品用材料等、広範囲に亘って用いられている。しかしながら、ポリアセタール樹脂は、使用環境によっては劣化が促進されることがある。さらに、ポリアセタール樹脂は、利用分野の拡大によって、益々要求性能が高くなっているのが現状である。
そのような要求特性として、ポリアセタール樹脂が本来有する高い性能、例えば、上記のような優れた機械特性バランスを有しながら、一方で、過酷な使用環境下における熱安定性及びクリープ特性を向上させることも要求される場合がある。近年、電気、電子機器の高密度化に伴い、ポリアセタール樹脂は、100℃以上の温度領域で使用される場合が増えており、益々熱安定性と高温クリープ特性とのバランスを有することが重要となってきている。
また、ポリアセタール樹脂は、熱安定性に乏しく成形加工時に熱分解によってホルムアルデヒドガスが発生し、作業環境を悪化させたり、さらに、発生したホルムアルデヒドやポリアセタール樹脂中に含有されている安定剤等の添加物由来の揮発成分が金型表面に析出し、いわゆるモールドデポジットを形成し、その結果成形品の表面を著しく損なったり、あるいは成形品の寸法精度の低下を来たす等の問題がある。また、モールドデポジットが発生した場合には、モールドデポジットの発生毎に金型の分解掃除をしなければならず、これには多大の時間と労力を要し、生産性の低下を来たすという問題も有している。そのため、このような問題を解決する方法が強く望まれている。
上記問題を解決するために、これまでに種々の提案がされている。例えば、熱分解によって発生するホルムアルデヒドの低減を目的として、ポリアセタール樹脂にポリアミドを添加する方法(例えば、特許文献1参照)、ポリアセタール樹脂にアミドオリゴマー等を添加する方法(例えば、特許文献2参照)、あるいはポリアセタール樹脂にヒンダードフェノール/カルボン酸の金属塩/ポリアミドを添加する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
また、高温クリープ特性や機械物性を向上させる観点から、タルクを添加したポリアセタール樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
特公昭34−5440号公報 特公昭54−32658号公報 特開平3−14859号公報 特開2008−156628号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の方法において、得られるポリアセタール樹脂組成物は、安定化が不充分であるために成形加工時の熱安定性や、モールドデポジットの発生防止の点において満足し得るものではない。
また、特許文献4のようにタルクを添加する方法では、得られるポリアセタール樹脂組成物は、機械特性改良、耐クリープ特性向上には効果が高いものの、エージングによる耐色調変化及び耐モールドデポジット(以下、「MD」とも言う。)特性について検討されていない。
そこで、本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、射出成形時の金型への付着(モールドデポジット)を防止でき、熱安定性(熱エージング後の機械物性)、高いクリープ特性を有し、更には耐候性(エージングによる耐色調変化)に優れるポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、特定の無機充填剤として(B)緑泥石群鉱物0.001〜5質量部と、(C)耐候安定剤0.1〜5質量部とを、含有するポリアセタール樹脂組成物が前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)緑泥石群鉱物0.001〜5質量部と、(C)耐候安定剤0.1〜5質量部とを、含有する、ポリアセタール樹脂組成物。
〔2〕
前記緑泥石群鉱物(B)の含有量が0.001〜1質量部である、前記〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔3〕
前記緑泥石群鉱物(B)が、クロライト、クックアイト、及びナンタイトからなる群から選択される少なくとも1種である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔4〕
前記緑泥石群鉱物(B)の平均粒径が、0.01〜100μmである、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によれば、射出成形時の金型への付着(MD)を確実に防止でき、熱安定性(熱エージング後の機械物性)、高いクリープ特性を有し、更には耐候性(エージングによる耐色調変化)に優れるポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と記す。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)緑泥石群鉱物0.001〜5質量部と、(C)耐候安定剤0.1〜5質量部とを、含有する、ポリアセタール樹脂組成物である。
<(A)ポリアセタール樹脂>
本実施形態で用いる(A)ポリアセタール樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、ホルムアルデヒド単量体、又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマー;ホルムアルデヒド単量体、又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコール、ジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、又は環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマー;単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー;多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマー等を挙げることができる。
さらに、ポリアセタール樹脂(A)としては、特に限定されないが、具体的には、両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマー;同じく両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーを挙げることもできる。以上のように、本実施形態においては、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーいずれも用いることが可能である。この中でも、好ましいのはポリアセタールコポリマーである。
なお、上記(A)ポリアセタール樹脂の例示において、1,3−ジオキソラン等のコモノマーの割合は、トリオキサン1molに対して0.1〜60mol%であることが好ましく、0.1〜20mol%であることがより好ましく、0.13〜10mol%であることがさらに好ましい。コモノマーの割合が上記範囲であれば、より機械的強度に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
また、上記例示されたポリアセタールコポリマーの重合における重合触媒としては特に限定されないが、具体的には、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。ルイス酸としては、特に限定されないが、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。また、プロトン酸及びそのエステル又は無水物としては、特に限定されないが、具体的には、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。この中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適例として挙げることができる。
上記例示されたポリアセタールコポリマーの重合方法としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、塊状重合で行われ、バッチ式、連続式いずれも可能である。用いられる重合装置としては、特に限定されないが、例えば、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機が挙げられる。溶融状態のモノマーが前記重合機に供給され、重合の進行とともに固体塊状のポリアセタールコポリマーが得られる。
以上の重合で得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH2n−OH基〕が存在する場合があるため、この不安定な末端部の分解除去処理を実施することが好ましい。
<(B)緑泥石群鉱物>
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(B)緑泥石群鉱物を含有する。緑泥石群鉱物(B)とは珪酸塩鉱物の一つであり層状の構造を有する鉱物である。より具体的には、緑泥石群鉱物(B)とは、Mg、Fe、Mn若しくはNiからなる酸化物、Al、Fe、Cr若しくはTiからなる酸化物、Si若しくはAlからなる酸化物の各群から選択される所定の酸化物を含有する鉱物である。緑泥石群鉱物(B)の結晶構造としては、単斜晶系と斜方晶系とがある。緑泥石群鉱物(B)の化学式は一例を挙げると、(Mg,Fe,Al)6(Si,Al)410(OH)8で表され、この中でもMg3(SiO52(OH)2・3Mg(OH)2が好ましい。
緑泥石群鉱物(B)を原石から粉砕する際の製法は、特に限定されないが、具体的には、例えば、軸流型ミル法、アニュラー型ミル法、ロールミル法、ボールミル法、ジェットミル法、及び容器回転式圧縮せん断型ミル法等を利用することができる。さらに粉砕後の緑泥石群鉱物(B)は、各種の分級機によって、分級処理され、粒径の分布が揃った緑泥石群鉱物(B)が好適である。分級機としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、インパクタ型慣性力分級機(バリアブルインパクター等)、コアンダ効果利用型慣性分級機(エルボージェット等)、及び遠心場分級機(多段サイクロン、ミクロプレックス、ディスパージョンセパレーター、アキュカット、ターボクラシファイア、ターボプレックス、ミクロンセパレーター、及びスーパーセパレーター等)を挙げることができる。
緑泥石群鉱物(B)の平均粒径は、0.01〜100μmが好ましく、より好ましくは0.05〜80μmであり、さらに好ましくは0.1〜50μmである。ポリアセタール樹脂組成物に十分な耐熱性及び剛性を付与する観点から、緑泥石群鉱物(B)の平均粒径は、0.01μm以上が好ましく、緑泥石群鉱物(B)の十分な分散性付与の観点から、緑泥石群鉱物(B)の平均粒径は、100μm以下であることが好ましい。ここで、平均粒径とは、レーザー光回折測定法(島津製作所製:SALD−3100)により測定して得られる粒度分布の中心粒径D50%をいう。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂に(B)緑泥石群鉱物を含有した構成とすることにより、効果的に熱安定性を向上し機械物性を維持することが可能となる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、(B)緑泥石群鉱物は、上述した(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.001〜5質量部含有されており、0.001〜1質量部含有されていることが好ましく、0.001〜0.5質量部含有されていることがより好ましい。(B)緑泥石群鉱物の含有量がこのような範囲であれば、より熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
中でも、(B)緑泥石群鉱物は、クロライト、クックアイト、及びナンタイトからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特にクロライトが入手の容易さの観点から好ましい。また、クロライトとしては、化学式が5MgO・Al23・3SiO2・4H2Oで表されるクロライトが好ましい。
<(C)耐候安定剤>
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(C)耐候安定剤を含有する。
本実施形態で用いられる耐候安定剤(C)は、ベンゾトリアゾール系化合物、蓚酸アニリド系化合物、及びヒンダードアミン系光安定剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
蓚酸アリニド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリドなどが挙げられる。これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒンダードアミン系光安定剤の例としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物、などが挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも好ましい耐候安定剤(C)は、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、上記(C)耐候安定剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.3〜2質量部である。
(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(C)耐候安定剤の含有量を0.1質量部以上とすることにより、ポリアセタール樹脂組成物の耐候性が向上し、また、(C)耐候安定剤の含有量を5質量部以下とすることにより、機械物性に優れるポリアセタール樹脂組成物が得られる。
<その他の材料>
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、上述した(A)ポリアセタール樹脂、(B)緑泥石群鉱物及び(C)耐候安定剤の他に、他の無機充填剤及び有機充填剤等を含有することができる。これらの充填剤は、表面処理した充填剤であってもよい。
無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。
粉粒子状充填剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイト等の珪酸塩;酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属硫酸塩;炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩;その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
板状充填剤としては、特に限定されないが、例えば、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔が挙げられる。
中空状充填剤としては、特に限定されないが、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等が挙げられる。
有機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状充填剤が挙げられる。
これらの充填剤は1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。
これらの充填剤は表面処理された充填剤、未表面処理の充填剤、何れも使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施された充填剤の使用の方が好ましい場合がある。表面処理剤としては、特に限定されず、従来公知の表面処理剤が使用可能である。表面処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤、樹脂酸、有機カルボン酸、有機カルボン酸の塩等、界面活性剤が使用できる。表面処理剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。
また、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、さらに他の特性を付与するため、他の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤及びギ酸捕捉剤などの安定剤、離型剤、潤滑剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、あるいは顔料を添加してもよい。これらの添加剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。例えば、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、各添加剤の少なくとも1種を0.01〜10質量部含有させることができる。
酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4− ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル −5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン‐3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体(例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等)を挙げることができる。また、他の熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、具体的には、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他の熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
アミド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、2,4 −ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N− フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N, N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6− ブチル−sym−トリアジン等が挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンを挙げることができる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。尿素誘導体の例としては、特に限定されないが、例えば、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物を挙げることができる。N−置換尿素の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アーリル置換尿素を挙げることができる。尿素縮合体の具体例としては、特に限定されないが、例えば、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。ウレイド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アラントイン等が挙げられる。ヒドラジン誘導体としてはヒドラジド化合物を挙げることができる。ヒドラジド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸ジヒドラジドを挙げることができ、更に具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等が挙げることができる。イミド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドが挙げられる。
これら熱安定剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
ギ酸捕捉剤としては、特に限定されないが、例えば、アミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えばメラミン・ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。他のギ酸捕捉剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。ギ酸補捉剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
離型剤及び潤滑剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステル、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンが好ましく使用される。離型剤及び潤滑剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、特に限定されないが、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。導電剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの変性物も含まれる。熱可塑性樹脂は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。熱可塑性エラストマーは1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、特に限定されないが、例えば、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。無機系顔料とは、樹脂の着色用として一般的に使用されている顔料を言い、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等が挙げられる。有機系顔料としては、特に限定されないが、例えば、縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料が挙げられる。顔料の添加割合は色調により大幅に変わるため明確にすることは難しいが一般的には、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で用いられる。顔料は1種類で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、上述した成分を混合し、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより得られる。特に、押出機による混練が、生産性の観点から好ましい。混練温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては140〜260℃の範囲、好ましくは180〜230℃の範囲が多く使われる。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を、大量に安定して製造するには、単軸又は二軸の押出機が好適に用いられる。
<用途>
本実施形態によって得られたポリアセタール樹脂組成物は機械的バランスを有し、熱安定性、耐モールドデポジット性、耐クリープ性能に優れ、更には耐候性に優れる。従って様々な用途の成形品に使用することが可能である。
例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、軸、軸受け及び、ガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるデジタルビデオカメラ、カメラ及び、デジタルカメラに代表されるカメラ、又はビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、音楽、映像又は情報機器、通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品に用いられる。また、自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドア廻り部品、シートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類が好適に使用される。さらに、住宅設備機器に代表される工業部品として好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例よって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中の用語及び測定法は以下のとおりである。
≪測定法≫
<熱エージング後の機械物性>
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物からISOの試験片を作製した。作製した試験片を、タバイ製ギアーオーブンに仕込み、140℃で1ヶ月の間、エージング処理を行った。熱エージング後の試験片をギアーオーブンから取り出し、23℃で50%の湿度に保たれた恒温室で、24時間放置した。放置後の試験片について下記条件にて引張試験を行い、引張強度を測定した。3回の測定値(n=3)の平均値を、熱エージング後の試験片の引張強度とした。当該引張強度が大きいほど、熱安定性が高いと評価した。
引張試験機:(株)島津製作所製AG−IS
引張速度 :5mm/min
<高温クリープ特性>
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度200℃、射出圧力60MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度80℃にて、実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物から、寸法110mm×6.5mm×3mmの短冊状の試験片を作製した。東洋精密製作所(株)製クリープ試験機を用いて、作製した試験片の高温クリープ特性を以下のとおり測定した。まず、この試験片を80℃に設定されたクリープ試験機に吊るし、荷重応力20MPaの引張応力で負荷をかけ、空気中で試験片が破壊されるまでの時間を測定した。試験片の高温クリープ特性は、2回の測定値(n=2)の平均値で評価した。試験片が破壊されるまでの時間が長いほど、高温クリープ特性に優れると評価した。
<MD特性>
東洋機械金属(株)製Ti−30G射出成形機を用い、シリンダー温度200℃射出速度100mm/S、射出圧力100kg・f、サイクルタイマー15secで、実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物の射出成形を繰り返した。10000ショット成形を行い、30℃低温金型に付着した付着物を観察し、MD特性を以下の基準により評価した。
(MD特性の評価基準)
1:付着物が金型の80%以上の範囲で観察された
2:付着物が金型の30%以上80%未満の範囲で観察された
3:付着物が金型の10%以上30%未満の範囲で観察された
4:付着物が金型の10%未満の範囲で観察された
5:付着物が無かった
<耐候試験評価>
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度:200℃、射出圧力:60MPa、射出時間:25秒、冷却時間:15秒、金型温度:80℃で、実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物から、試験片を作製した。作製した試験片を用いて下記条件で耐候試験を行なった。また、当該耐候試験後の試験片の色差(△E)を以下のとおり測定した。色差(△E)が小さいほど、耐候性に優れると評価した。
試験機:スガ試験機製キセノンウェザーメーター耐候試験機 EL−2WL型
ブラックパネル温度:89℃
湿度:50%R・H
暴露時間:1000時間
(色差(△E)の測定)
ミノルタ製色彩色差計CR−200を用いて行なった。
≪原料成分≫
実施例、比較例には下記成分を用いた。
<(A)ポリアセタール樹脂>
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合反応機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合反応機の内径(m)。以下、同じ。))を80℃に調整した。トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラール(トリオキサン1molに対して0.20×10-3mol)を連続的に前記重合機に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラート(トリオキサン1molに対して1.5×10-5mol)で連続的に前記重合機に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し、重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、乾燥した。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で、ポリアセタールコポリマーの不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分が分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。ペレタイズされたポリアセタールコポリマーを(A)ポリアセタール樹脂として用いた。
<(B)緑泥石群鉱物>
B−1:化学式が5MgO・Al23・3SiO2・4H2Oで表記され、体積平均粒径が13.2μmのクロライト(富士タルク工業(株)製:商品名「WL−13L」)
B−2:化学式が5MgO・Al23・3SiO2・4H2Oで表記され、体積平均粒径が5.6μmのクロライト(富士タルク工業(株)製:商品名「WL−13J」)
ここで、体積平均粒径は、レーザー光回折測定法(島津製作所製:SALD−3100)により測定して得られる粒度分布の中心粒径D50%とした。
<その他鉱物>
B−3:タルク(日本タルク(株)製:商品名「MS(表面未処理)」)平均粒径12.6μm
B−4:マイカ(クラレ(株)製:商品名「スゾライト・マイカ200―HK」)
B−5:シリカ(和光純薬工業(株)製:試薬名「シリカgel60」)
ここで、平均粒径は、レーザー光回折測定法(島津製作所製:SALD−3100)により測定して得られる粒度分布の中心粒径D50%とした。
<(C)耐候安定剤>
C−1:2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス (α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
C−2:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート
C−3:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物
〔実施例1〜7〕
上記製造した(A)ポリアセタール樹脂(融点164.5℃)100質量部と、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合して混合物を得た。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、メインフィード口の下流に設置されたサイドフィード口より表1に示した量の(B)緑泥石群鉱物、及び(C)耐候安定剤をフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物の熱エージング後の機械物性、高温クリープ特性、MD特性、及び耐候性の評価を上記記載の方法により行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
(B)緑泥石群鉱物を用いなかったこと以外は実施例2と同様にしてポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物の熱エージング後の機械物性、高温クリープ特性、MD特性、及び耐候性の評価を上記記載の方法により行った。その結果を表1に示す。
〔比較例2〕
(B)緑泥石群鉱物の使用量を表1に示した量に変更した以外は実施例5と同様にしてポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物の熱エージング後の機械物性、高温クリープ特性、MD特性、及び耐候性の評価を上記記載の方法により行った。その結果を表1に示す。
〔比較例3〜5〕
(B)緑泥石群鉱物のB−1に代えて、その他の鉱物のB−3〜5を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物の熱エージング後の機械物性、高温クリープ特性、MD特性、及び耐候性の評価を上記記載の方法により行った。その結果を表1に示す。
Figure 2014234504
表1に示したように、実施例1〜7で得られたポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性(熱エージング後の機械物性)、MD特性、高温クリープ特性、及び耐候性に優れることが確認された。
一方、比較例1〜5で得られたポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性(熱エージング後の機械物性)、MD特性、高温クリープ特性、及び耐候性が大きく低下したことが確認された。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂が持つ機械的バランスを有し、熱安定性、耐モールドデポジット性が優れ、また、耐久性能、耐候性に優れることから、自動車、電機・電子、その他工業などの幅広い分野で好適に利用できる。

Claims (4)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)緑泥石群鉱物0.001〜5質量部と、(C)耐候安定剤0.1〜5質量部とを、含有する、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記緑泥石群鉱物(B)の含有量が0.001〜1質量部である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記緑泥石群鉱物(B)が、クロライト、クックアイト、及びナンタイトからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記緑泥石群鉱物(B)の平均粒径が、0.01〜100μmである、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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