JP5764520B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
ポリアセタール樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5764520B2 JP5764520B2 JP2012085643A JP2012085643A JP5764520B2 JP 5764520 B2 JP5764520 B2 JP 5764520B2 JP 2012085643 A JP2012085643 A JP 2012085643A JP 2012085643 A JP2012085643 A JP 2012085643A JP 5764520 B2 JP5764520 B2 JP 5764520B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyacetal resin
- resin composition
- parts
- polyacetal
- chlorite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
即ち、本発明は以下の通りである。
ポリアセタール樹脂(A)と、
緑泥石群鉱物(B)とを含有し、
前記緑泥石群鉱物(B)が、クロライト、クックアイト、及びナンタイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記緑泥石群鉱物(B)の含有量が、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜40質量部である、
ポリアセタール樹脂組成物。
〔2〕
前記緑泥石群鉱物の平均粒径が、0.01〜100μmである前項〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)と、緑泥石群鉱物(B)とを含有する。
本実施形態で用いるポリアセタール樹脂(A)としては、特に限定されないが、具体的には、ホルムアルデヒド単量体又は、その3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマー;ホルムアルデヒド単量体又は、その3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマー;単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー;多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマー等を挙げることができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、緑泥石群鉱石(B)を含有する。緑泥石群鉱石(B)とは珪酸塩鉱物の一つであり層状の構造を有するものである。より具体的には、Mg、Fe、Mn,Ni等からなる酸化物、Al、Fe、Cr、Ti等からなる酸化物、Si、Al等からなる酸化物の各群から選択される所定のものを含有する鉱石であり、結晶構造としては、単斜晶系と斜方晶系とがある。構造式は一例を挙げると、(Mg,Fe,Al)6(Si,Al)4O10(OH)8で表され、この中でもMg3(SiO5)2(OH)2・3Mg(OH)2が好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)及び緑泥石群鉱物(B)の他に、他の無機充填剤、有機充填剤、これらの充填剤を表面処理したもの等を含有することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、上述した成分を混合し、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより得られる。特に、押出機による混練が、生産性の観点から好ましい。混練温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては140〜260℃の範囲、好ましくは180〜230℃の範囲が多く使われる。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を、大量に安定して製造するには、単軸又は二軸の押出機が好適に用いられる。
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、ISOの試験片を作製した。作製した試験片を、タバイ製ギアーオーブンに仕込んだ。140℃で1ヶ月の間、エージング処理を行い、取り出し後、これらの試験片を、23℃で50%の湿度に保たれた恒温室で、24時間放置した。放置後の試験片について下記条件にて引張試験を行い、引張り強度を測定した。測定値はn=3の平均値とした。60MPa以上であれば、実用上良好であると判断した。
引張試験機:(株)島津製作所製AG−IS
引張速度 :5mm/min
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、ISOの試験片を作製した。作製した試験片を、タバイ製ギアーオーブンに仕込んだ。なお、仕込み前に、ミノルタ製ハンディカラーテスター(CR−200)を用いて、試験片を2枚重ねて、D65の光源にてエージング前の黄度(b値)を測定した。
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度200℃、射出圧力60MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度90℃にて、寸法110mm×6.5mm×3mmの短冊状の試験片を作製した。東洋精密製作所(株)製クリープ試験機を用いて、この試験片を80℃に設定されたクリープ試験機に吊るし、荷重応力20MPaの引張応力で、空気中で試験片が破壊されるまでの時間を測定した。高温クリープ性は、n=2で測定した数値の平均値とした。破壊されるまでの時間が長いほど、耐クリープ性に優れる。800時間を超えたら良好とした。
東洋機械金属(株)製Ti−30G射出成形機を用い、シリンダー温度200℃射出速度100mm/S、射出圧力100kg・f、サイクルタイマー15secでポリアセタール樹脂組成物の射出成形を繰り返した。10000ショット成形を行い、30℃低温金型に付着した付着物を評価した。付着量の少ない順に○→△→×と3段階評価を行った。
○は目視で確認できない状態
×は目視ではっきり確認できる状態
△はその中間とした。
<ポリアセタール樹脂>
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合反応機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合反応機の内径(m)。以下、同じ。))を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラール(トリオキサン1molに対して0.20×10-3mol)を連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラート(トリオキサン1molに対して1.5×10-5mol)で連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し、重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。
M−1:構造式が5MgO・Al2O3・3SiO2・4H2Oで表記され、体積平均粒径が13.2μmのクロライト(富士タルク工業(株)製:商品名「WL−13L」)
M−2:構造式が5MgO・Al2O3・3SiO2・4H2Oで表記され、体積平均粒径が5.6μmのクロライト(富士タルク工業(株)製:商品名「WL−13J」)
<その他鉱物>
M−3:タルク(日本タルク株式会社製:商品名「MS(表面未処理)」)平均粒径12.6μm
M−4:マイカ(クラレ(株)製:商品名「スゾライト・マイカ200―HK」)
M−5:シリカ(和光純薬工業(株)製:試薬名「シリカgel60」)
上記ポリアセタール樹脂100質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部、及びギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、メインフィード口の下流に設置されたサイドフィード口より表1に示した量のクロライト0.02質量部をフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂のエージング後の機械物性、色調特性、及び高温クリープ特性、MD特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
M−2を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリアセタール樹脂組成物を得て、エージング後の機械物性、色調特性、及び高温クリープ特性、MD特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
上記ポリアセタール樹脂(融点164.5℃)100質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部及び、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードすることによりポリアセタール樹脂組成物を得た。このポリアセタール樹脂組成物に対して、エージング後の機械物性、色調特性、及び高温クリープ特性、MD特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
M−3〜5を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリアセタール樹脂組成物を得て、エージング後の機械物性、色調特性、及び高温クリープ特性、MD特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
Claims (2)
- ポリアセタール樹脂(A)と、
緑泥石群鉱物(B)とを含有し、
前記緑泥石群鉱物(B)が、クロライト、クックアイト、及びナンタイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記緑泥石群鉱物(B)の含有量が、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜40質量部である、
ポリアセタール樹脂組成物。 - 前記緑泥石群鉱物の平均粒径が、0.01〜100μmである請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012085643A JP5764520B2 (ja) | 2012-04-04 | 2012-04-04 | ポリアセタール樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012085643A JP5764520B2 (ja) | 2012-04-04 | 2012-04-04 | ポリアセタール樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013216721A JP2013216721A (ja) | 2013-10-24 |
JP5764520B2 true JP5764520B2 (ja) | 2015-08-19 |
Family
ID=49589235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012085643A Active JP5764520B2 (ja) | 2012-04-04 | 2012-04-04 | ポリアセタール樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5764520B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6068269B2 (ja) * | 2013-06-05 | 2017-01-25 | 旭化成株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物 |
JP6151579B2 (ja) * | 2013-06-05 | 2017-06-21 | 旭化成株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60131878A (ja) * | 1983-12-20 | 1985-07-13 | 工業技術院長 | 微細多孔質粘土材料の製造法 |
JPH115886A (ja) * | 1997-06-17 | 1999-01-12 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 機械的物性が改良されたポリオキシメチレン樹脂組成物 |
JP2000336241A (ja) * | 1999-05-27 | 2000-12-05 | Showa Denko Kk | 高剛性ポリアセタール複合材料 |
JP2007070549A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 |
GB2450475A (en) * | 2007-06-12 | 2008-12-31 | Univ Nottingham Trent | Antimicrobial polymer nanocomposite |
JP5264790B2 (ja) * | 2010-01-12 | 2013-08-14 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
-
2012
- 2012-04-04 JP JP2012085643A patent/JP5764520B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013216721A (ja) | 2013-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4895139B2 (ja) | ポリアセタール樹脂成形体 | |
JP2013253696A (ja) | はすばギア | |
JP4799534B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP4903737B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP5764520B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP6814547B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
EP3981834A1 (en) | Polyacetal resin composition | |
JP5234752B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP5009336B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP4990324B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP5234602B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP5451733B2 (ja) | 音楽、映像または情報機器に用いる部品 | |
JP6151579B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP2020128468A (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP6068269B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP5009954B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP5435768B2 (ja) | ポリオキシメチレン樹脂組成物及び樹脂製容器又はその部品 | |
JP4903748B2 (ja) | ハードディスクのランプ成形体 | |
CN109721943B (zh) | 聚缩醛树脂组合物 | |
JP6650252B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP2016094577A (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 | |
JP7084822B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及び成形体 | |
JP5143153B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP2011017398A (ja) | はすばギア | |
JP2011020307A (ja) | ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140620 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150306 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150525 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150615 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5764520 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |