JP2014229788A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造が容易であり、リカバリ耐量が高い半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1導電型のアノード層と、第2導電型のカソード層とを含むダイオード領域と、周辺耐圧構造を含む周辺耐圧領域とを含む半導体基板と、アノード電極と、カソード電極と、周辺耐圧構造の表面に接する絶縁膜とを備えている。周辺耐圧構造とアノード層との間には、第1導電型の第1半導体層が設けられており、第1半導体層内の表面の少なくとも一部には、第1導電型の第2半導体層が設けられている。第2半導体層の第1導電型の不純物濃度は、第1半導体層の第1導電型の不純物濃度よりも低く、第2半導体層の少なくとも一部は、半導体基板の表面に露出してアノード電極に接しており、半導体基板の表面においてダイオード領域側から周辺耐圧領域側に向かってアノード電極と絶縁膜との境界まで少なくとも伸びている。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体装置は、第1導電型のアノード層と、第2導電型のカソード層とを含むダイオード領域と、周辺耐圧構造を含む周辺耐圧領域とを含む半導体基板と、アノード電極と、カソード電極と、周辺耐圧構造の表面に接する絶縁膜とを備えている。周辺耐圧構造とアノード層との間には、第1導電型の第1半導体層が設けられており、第1半導体層内の表面の少なくとも一部には、第1導電型の第2半導体層が設けられている。第2半導体層の第1導電型の不純物濃度は、第1半導体層の第1導電型の不純物濃度よりも低く、第2半導体層の少なくとも一部は、半導体基板の表面に露出してアノード電極に接しており、半導体基板の表面においてダイオード領域側から周辺耐圧領域側に向かってアノード電極と絶縁膜との境界まで少なくとも伸びている。
【選択図】 図2
Description
本明細書に記載の技術は、半導体装置に関する。
ダイオードの逆回復時に、半導体基板の周辺耐圧部に蓄積した正孔がアノード電極の周辺耐圧部側の端部に向かい、アノード電極の端部に集中することによって、リカバリ破壊が発生することがある。特許文献1の半導体装置では、アノード電極の周辺耐圧部側の端部から周辺耐圧部側に伸びるアノード層の長さを長くすることで、周辺耐圧部のキャリア濃度を低減し、アノード電極の端部へのキャリアの集中を抑制する。特許文献2には、電流制御構造を含む中心領域とその周囲に設けられている終端領域との間に設けられたp型の表層部半導体領域の内部にn型のキャリア遮蔽領域を備える半導体装置が開示されている。このキャリア遮蔽領域は、表層部半導体領域によって表面電極と隔離されている。キャリア遮蔽領域によって、周辺耐圧部に蓄積するキャリアが、アノード電極の端部へ集中することを抑制できる。
特許文献1の技術では、アノード電極の周辺耐圧部側の端部から周辺耐圧部側に伸びるアノード層の長さを長くするため、半導体基板の平面積を広く確保する必要があり、半導体装置が大型化する。特許文献2のように、p型の表層部半導体領域の内部にn型のキャリア遮蔽領域を設ける場合、n型のイオンを高エネルギーで注入する工程を追加する必要があり、製造工程が複雑化する場合がある。
本明細書が開示する半導体装置は、第1導電型のアノード層と、第2導電型のカソード層とを含むダイオード領域と、周辺耐圧構造を含む周辺耐圧領域とを含む半導体基板と、半導体基板の表面に露出するアノード層に接するアノード電極と、半導体基板の裏面に露出するカソード層に接するカソード電極と、半導体基板の周辺耐圧構造の表面に接する絶縁膜とを備えている。この半導体装置では、周辺耐圧構造とアノード層との間には、第1導電型の第1半導体層が設けられており、第1半導体層内の表面の少なくとも一部には、第1導電型の第2半導体層が設けられている。第2半導体層の第1導電型の不純物濃度は、第1半導体層の第1導電型の不純物濃度よりも低く、第2半導体層の少なくとも一部は、半導体基板の表面に露出してアノード電極に接しており、半導体基板の表面においてダイオード領域側から周辺耐圧領域側に向かってアノード電極と絶縁膜との境界まで少なくとも伸びている。
上記の半導体装置では、第2半導体層の少なくとも一部は半導体基板の表面に露出してアノード電極に接しており、半導体基板の表面においてダイオード領域側から周辺耐圧領域側に向かってアノード電極と絶縁膜との境界まで少なくとも伸びている。すなわち、アノード電極の絶縁膜との境界の近傍の部分は、第1半導体層よりも第1導電型の不純物濃度が低く、抵抗が高い第2半導体層と接する。周辺耐圧領域に蓄積したキャリアがアノード電極の絶縁膜との境界の近傍の部分に到達する際には、抵抗の高い第2半導体層を通過することになるため、アノード電極の周辺耐圧領域側の端部にキャリアが集中することを抑制することができる。その結果、半導体装置のリカバリ耐量を向上させることができる。また、第2半導体層は、第1半導体層と同じ第1導電型の半導体層であり、半導体基板の表面側に設けられているため、高エネルギーで第2導電型の不純物イオンを注入する必要がなく、半導体装置の製造工程が複雑化しない。
上記の半導体装置においては、第1半導体層は、アノード層の周辺耐圧領域側の端部に接していてもよい。また、アノード電極が、アルミニウム系の電極である場合には、第2半導体層の第1導電型の不純物濃度は、1×1018cm−3以下であることが好ましい。
本実施例に係る半導体装置10は、図1,2に示すように、半導体基板100と、表面電極121と、裏面電極122とを備えている。半導体基板100は、ダイオード素子が形成されているダイオード領域1と、半導体基板100の周縁に沿ってダイオード領域1の周囲を取り囲む周辺耐圧領域2とを備えている。周辺耐圧領域2の表面には、絶縁膜123が形成されている。表面電極121は、半導体基板100のダイオード領域1の表面に接している。裏面電極122は、半導体基板100の裏面全体に接している。なお、図1においては、表面電極121の図示を省略している。
ダイオード領域1は、n+型のカソード層101と、n−型のドリフト層102と、p型のアノード層103とを備えている。アノード層103は、半導体基板100の表面に露出しており、表面電極121に接している。カソード層101は、半導体基板100の裏面に露出しており、裏面電極122に接している。カソード層101とドリフト層102は、周辺耐圧領域2まで伸びている。
半導体基板100の周辺耐圧領域2には、周辺耐圧構造110が形成されている。周辺耐圧構造110は、FLR構造であり、p型の半導体層111と、周辺電極112とを備えている。周辺電極112は、絶縁膜123を貫通して半導体層111の表面に接している。周辺耐圧構造110とアノード層103との間には、p型の第1半導体層105が設けられている。アノード層103は周辺耐圧領域2側において、第1半導体層105と接している。第1半導体層105の表面の一部には、p型の第2半導体層106が設けられている。第2半導体層106は、半導体基板100の表面側以外において第1半導体層105に取り囲まれており、アノード層103およびドリフト層102と接していない。絶縁膜123は、周辺耐圧領域2側からダイオード領域1側に向かう方向において第2半導体層106のほぼ中央となる位置まで伸びている。表面電極121の周辺耐圧領域2側の端部は、絶縁膜123のダイオード領域1側の端部の上面を覆う位置まで伸びている。第2半導体層106の一部は半導体基板100の表面に露出し、表面電極121に接するとともに表面電極121と絶縁膜123との境界121aを超える位置まで伸びている。表面電極121は、半導体基板100の表面において第1半導体層105の一部および第2半導体層106の一部と接している。
図3は、半導体装置10のダイオード領域1に形成されたダイオードのスイッチング時の電流値Ifと電圧値Vakを図示している。縦軸は電流値If、電圧値Vakであり、横軸は、時間を示している。電流値Ifは実線で図示しており、電圧値Vakは破線で図示している。
図3にAで示す範囲は、ダイオード領域1に順方向に通電している時の状態(状態A)を示している。図4は、状態Aの際のキャリアの挙動を模式的に示している。表面電極121に正電位を付与し、裏面電極122を接地すると、半導体装置10に順方向に通電する。順方向の通電時には、図4に示すように、ドリフト層102内には、アノード層103から正孔(図3において白丸内にプラスの記号で示されている)が注入され、カソード層101から電子(図3において白丸内にマイナスの記号で示されている)が注入される。ダイオード領域1には、アノード側からカソード側に電流が流れる。注入された正孔および電子は、周辺耐圧領域2に自由に拡散することができる。ダイオード領域1と周辺耐圧領域2とのいずれの領域においても、ドリフト層102内に正孔と電子が混在する状態となる。第1半導体層105と第2半導体層106とは、その一部が表面電極121と接しているため、ダイオードのアノード領域として機能する。
図3にBで示す範囲は、表面電極121と裏面電極122への通電を停止し、ダイオードをオフ状態とした際の状態を示している。図5は、状態Bの際のキャリアの挙動を模式的に示している。状態Bでは、アノード層103から空乏層が拡張し、ドリフト層102が空乏化していく。ダイオード領域1の正孔は表面電極121(アノード電極)側に移動し、電子は裏面電極122(カソード電極)側に移動する。または、正孔と電子は再結合し、消失する。または、正孔および電子は、空乏化していない領域に押し出される。空乏化が進行し、ドリフト層102の空乏化が完了すると、正孔および電子は、ダイオード領域1から押し出され、非ダイオード領域である周辺耐圧領域2に移動する。
図3にCで示す範囲は、半導体装置10のドリフト層102の空乏化が完了した状態から、逆回復する状態(状態C)を示している。図5には、状態Cのときのキャリアの挙動も併せて概念的に示している。状態Cでは、周辺耐圧領域2に蓄積した正孔、電子は、それぞれダイオード領域1のアノード、カソードに向かって移動する。カソード層101および裏面電極122は、周辺耐圧領域2の裏面まで延びているから、電子は、主に半導体基板100の裏面側のカソード層101から裏面電極122に移動する。一方、周辺耐圧領域2の表面には絶縁膜123が形成されており、表面電極121は、周辺耐圧領域2の表面まで延びていない。周辺耐圧領域2において、半導体基板100の表面は表面電極121と接していないため、正孔は、半導体基板100の表面を通ってダイオード領域1側に移動する。
第1半導体層105および第2半導体層106が形成されていない場合には、正孔の移動経路は、絶縁膜123と表面電極121との界面であり、この経路に正孔が集中するため、リカバリ破壊が起こり易くなる。
本実施例に係る半導体装置10では、正孔の一部が第1半導体層105および第2半導体層106を通過して、表面電極121に到達する。第2半導体層106は、第1半導体層105よりもp型の不純物濃度が低く、高抵抗であるため、正孔は、主に、第2半導体層106を迂回して第1半導体層105から表面電極121に移動する。もしくは、正孔は、第1半導体層105からアノード層103に入り、表面電極121に移動する。半導体装置10によれば、周辺耐圧領域2に存在する正孔が表面電極121に至る経路が延長および分散され、表面電極121の境界121aの近傍の部分に正孔が集中することを防ぐことができる。その結果、半導体装置10のリカバリ耐量を向上させることができる。また、第2半導体層106は、半導体基板100の表面側に設けられている。このため、第2半導体層106は、例えば、半導体基板100の表面に低エネルギーでn型の不純物イオンを注入するという簡易が製造方法によって製造することができる。特許文献2の技術のように、半導体基板の表面から離れた深い位置にn型の層を形成する場合、高エネルギーでn型の不純物イオンを注入する必要があり、半導体装置の製造工程が複雑化する。半導体装置10では、第2半導体層106を形成するために高エネルギーでn型の不純物イオンを注入する必要がなく、半導体装置10の製造工程は複雑化しない。
図6は、第2半導体層106のp型の不純物濃度と表面電極121の材料であるAlの接触抵抗との関係を示している。図6に示すように、第2半導体層106のp型の不純物濃度が、ある閾値以下に低くなると、第2半導体層106と表面電極121との接触抵抗が急激に高くなる。図6に示すように、表面電極121がアルミニウムを主成分とする電極である場合には、第2半導体層106のp型の不純物濃度が1×1018cm−3以下に低くなると、表面電極121と第2半導体層106との接触抵抗が急激に上昇する。従って、この場合、第2半導体層106のp型の不純物濃度は、1×1018cm−3以下であることが好ましい。第2半導体層106の抵抗を高くする効果に加え、表面電極121との接触抵抗を高くする効果を得ることができる。このため、表面電極121の境界121aの近傍の部分に正孔が集中することを防ぐ効果をより高めることができ、半導体装置10のリカバリ耐量をより確実に向上させることができる。
実施例1では、周辺耐圧構造がFLR構造を有する場合を例示して説明したが、これに限定されず、従来公知の周辺耐圧構造を用いることができる。例えば、図7に示す半導体装置20のように、周辺耐圧構造210として、リサーフ構造を有するp型の半導体層211が設けられていてもよい。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、本発明に係る構造は、半導体基板にMOSが形成された半導体装置にも適用することができる。すなわち、MOSが形成された半導体装置は、寄生ダイオードをオンさせてダイオードとして使用する場合がある。かかる場合は、寄生ダイオードを逆回復させる時に同様の問題が生じる。したがって、MOSが形成された素子領域と周辺耐圧構造の間に、実施例1と同様の第1半導体層及び第2半導体層を形成することで、逆回復時のリカバリ破壊を抑制することができる。なお、かかる場合は、MOSのボディ層が請求項でいう「アノード層」に相当し、MOSのドレイン層が請求項でいう「カソード層」に相当する。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 :ダイオード領域
2 :周辺耐圧領域
10,20 :半導体装置
100 :半導体基板
101 :カソード層
102 :ドリフト層
103 :アノード層
105 :第1半導体層
106 :第2半導体層
110,210 :周辺耐圧構造
111 :半導体層
112 :周辺電極
121 :表面電極
121a :境界
122 :裏面電極
123 :絶縁膜
211 :リサーフ層
2 :周辺耐圧領域
10,20 :半導体装置
100 :半導体基板
101 :カソード層
102 :ドリフト層
103 :アノード層
105 :第1半導体層
106 :第2半導体層
110,210 :周辺耐圧構造
111 :半導体層
112 :周辺電極
121 :表面電極
121a :境界
122 :裏面電極
123 :絶縁膜
211 :リサーフ層
Claims (3)
- 第1導電型のアノード層と、第2導電型のカソード層とを含むダイオード領域と、
周辺耐圧構造を含む周辺耐圧領域とを含む半導体基板と、
半導体基板の表面に露出するアノード層に接するアノード電極と、
半導体基板の裏面に露出するカソード層に接するカソード電極と、
半導体基板の周辺耐圧構造の表面に接する絶縁膜とを備えており、
周辺耐圧構造とアノード層との間には、第1導電型の第1半導体層が設けられており、
第1半導体層内の表面の少なくとも一部には、第1導電型の第2半導体層が設けられており、
第2半導体層の第1導電型の不純物濃度は、第1半導体層の第1導電型の不純物濃度よりも低く、
第2半導体層の少なくとも一部は、半導体基板の表面に露出してアノード電極に接しており、半導体基板の表面においてダイオード領域側から周辺耐圧領域側に向かってアノード電極と絶縁膜との境界まで少なくとも伸びている、半導体装置。 - 第1半導体層は、アノード層の周辺耐圧領域側の端部に接する、請求項1に記載の半導体装置。
- アノード電極は、アルミニウム系の電極であり、
第2半導体層の第1導電型の不純物濃度は、1×1018cm−3以下である、請求項1または2に記載の半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2013109206A JP2014229788A (ja) | 2013-05-23 | 2013-05-23 | 半導体装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019012838A (ja) * | 2018-09-14 | 2019-01-24 | 三菱電機株式会社 | 電力用半導体装置 |
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JP2002203955A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-19 | Nippon Inter Electronics Corp | 半導体装置 |
JP2006210667A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置 |
JP2009289824A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Toyota Motor Corp | 半導体装置 |
-
2013
- 2013-05-23 JP JP2013109206A patent/JP2014229788A/ja active Pending
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