JP2014228137A - 車両用変速機のバルブボデーカバー - Google Patents

車両用変速機のバルブボデーカバー Download PDF

Info

Publication number
JP2014228137A
JP2014228137A JP2013111359A JP2013111359A JP2014228137A JP 2014228137 A JP2014228137 A JP 2014228137A JP 2013111359 A JP2013111359 A JP 2013111359A JP 2013111359 A JP2013111359 A JP 2013111359A JP 2014228137 A JP2014228137 A JP 2014228137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
partition
partition wall
communication hole
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013111359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5987783B2 (ja
Inventor
浩文 藤田
Hirofumi Fujita
浩文 藤田
草本 大輔
Daisuke Kusamoto
大輔 草本
由美 伊良波
Yumi Iraha
由美 伊良波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013111359A priority Critical patent/JP5987783B2/ja
Publication of JP2014228137A publication Critical patent/JP2014228137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5987783B2 publication Critical patent/JP5987783B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】ブリーザ吹きを効果的に抑制できる車両用変速機のバルブボデーカバーを提供する。
【解決手段】上壁部50に形成されるブリーザ排出口60と第1隔壁64に形成されている第1連通孔78とを、一対の対向壁部56a、56b間の距離の範囲内で離れた位置に設定する。従って、第1連通孔78からブリーザ排出口60までの通路の距離を長くすることで、第1空間72内においてオイルを集積してブリーザ吹きを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用変速機のケースに関するものであり、特に、ケースの一部を構成しブリーザ排出口が形成されるバルブボデーカバーの構造に関するものである。
車載時において変速機の前方や後方、或いは車幅側にバルブボデーが配置され、そのバルブボデーを覆うようにケースの一部であるバルブボデーカバーが接続されている形式の車両が実現されている。例えば、特許文献1に記載の車両がその一例である。特許文献1にあっては、変速機構に対して車両前進側にバルブボデー11が配置され、そのバルブボデー11を覆うようにトランスミッションケース1の一部であるオイルパン3(バルブボデーカバー)が接続されている。また、オイルパン3には、ブリーザ機能を有する液面検出装置が設けられており、その液面検出装置の遮蔽部16によって液体の侵入を抑制する技術が開示されている。
特開2001−296169号公報 特開平06−002757号公報 特開2003−254414号公報 特開平10−325456号公報
ところで、高車速走行時などにおいて変速機のケース内部が高温状態になると、ケース内のオイルが膨張および気泡化することでオイルの油面(オイルレベル)が高くなる。このとき、特許文献1のように構成される液面検出装置であっても、液面検出装置付近まで到達するオイル量が増加するため、オイルが遮蔽部16と管状部材14との間の間隙を通過してオイルが外部に排出される所謂ブリーザ吹きが発生する可能性があった。これに対して、特許文献3、4には、ケース外部と連通するブリーザ排出口付近にエアブリーザ室が設けられており、このエアブリーザ室にオイルを集積してブリーザ吹きを防止する技術が開示されている。しかしながら、特許文献3、4に記載のエアブリーザ室ともにエアブリーザ室の入口からブリーザ排出口までの通路が短く、エアブリーザ室にオイルが集積されずにケース外部に排出される可能性の高いものとなっていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ブリーザ吹きを効果的に抑制できる車両用変速機のバルブボデーカバーを提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)変速機構およびその変速機構の側方に位置するバルブボデーを収容するケースの一部を構成し、その変速機構に対してそのバルブボデーを隔ててそのケースの側面に位置する車両用変速機のバルブボデーカバーであって、(b)前記バルブボデーカバーは、所定の深みを有する平なべ状に形成され、車載状態において鉛直上方に位置してブリーザ排出口が形成された上壁部と、前記バルブボデーと対向するカバー壁部と、前記上壁部の両側端部に位置して互いに対向する一対の対向壁部とを含んでおり、(c)前記カバー壁部の内壁面には、そのカバー壁部の内壁面から前記バルブボデー側に向かって突設され、且つ、前記一対の対向壁部の一方から他方に向かって連なる第1隔壁が形成され、(d)前記第1隔壁の前記バルブボデー側には、前記上壁部、前記カバー壁部、前記一対の対向壁部、および前記第1隔壁で囲まれる第1空間を形成するプレートまたは前記バルブボデーが配置され、(e)前記第1隔壁には、車載状態において前記ブリーザ排出口と鉛直方向で重複しない位置に前記第1空間とケース内部とを連通する第1連通孔が形成されていることを特徴とする。
このようにすれば、上壁部に形成されるブリーザ排出口と第1隔壁に形成されている第1連通孔とを、前記一対の対向壁部間の距離の範囲内で離れた位置に設定することができる。従って、第1連通孔からブリーザ排出口までの通路の距離を長くすることで、前記第1空間内でオイルを集積してブリーザ吹きを抑制することができる。
また、好適には、第2発明の要旨とするところは、第1発明の車両用変速機のバルブボデーカバーにおいて、(a)車載状態において前記第1隔壁の鉛直下方には、前記カバー壁部の内壁面から前記バルブボデー側に向かって突設され、且つ、前記一対の対向壁部の一方から他方に向かって連なる少なくとも1つの第2隔壁が形成されており、(b)その第2隔壁の前記バルブボデー側には、前記第1隔壁、前記カバー壁部、前記一対の対向壁部、および前記第2隔壁で囲まれる第2空間を形成する前記プレートまたは前記バルブボデーが配置されており、(c)前記第2隔壁には、前記ケース内部または隣り合う前記第2空間を連通する第2連通孔がそれぞれ形成されており、(d)互いに隣り合う前記第1連通孔および第2連通孔は、車載状態において鉛直方向で互いに重複しない位置に形成されていることを特徴とする。このようにすれば、車載状態において第1空間の鉛直下方にも少なくとも1つの第2空間が形成される。また、第1隔壁に形成される第1連通孔とその下方に位置する第2隔壁に形成される第2連通孔とが鉛直方向において重複しない位置に形成されることで、第2空間においてその第1連通孔から第2連通孔までの距離を長くすることができる。また、第2隔壁が2個以上形成される場合には、上方の第2隔壁に形成されている第2連通孔と、その第2隔壁と隣り合う下方の第2隔壁に形成されている第2連通孔とを鉛直方向において重複しない位置に形成することで、互いの第2連通孔までの距離を長くすることができる。従って、第2連通孔とブリーザ排出口との間でオイルが通る通路の距離が長くなり、オイルが第1空間または第2空間内で確実に集積され、ブリーザ吹きを効果的に抑制することができる。
また、好適には、第3発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明の車両用変速機のバルブボデーカバーにおいて、前記上壁部と前記第1隔壁との間には、これらの間を接続して前記第1空間を仕切る少なくとも1つの第1仕切壁が形成されており、前記第1仕切壁と前記第1隔壁との接続部に、前記第1仕切壁によって仕切られた前記第1空間を連通する第3連通孔が形成されていることを特徴とする。このように構成されることで、第1仕切壁に形成されている第3連通孔をオイルが通過する際に、そのオイルが第1空間の第1仕切壁によって仕切られた空間内に適宜集積される。従って、ブリーザ吹きを効果的に抑制することができる。
また、好適には、第4発明の要旨とするところは、第2発明の車両用変速機のバルブボデーカバーにおいて、前記第2空間内には、前記第1隔壁と前記第2隔壁との間、または隣り合う前記第2隔壁の間を接続してその第2空間を仕切る第2仕切壁が少なくとも1つ設けられており、前記第2仕切壁の車載状態において鉛直下方側に位置する前記第2隔壁との接続部に、前記第2仕切壁によって仕切られた前記第2空間を連通する第4連通孔が形成されていることを特徴とする。このように構成されることで、第2仕切壁に形成されている第4連通孔をオイルが通過する際にも、そのオイルが第2空間の第2仕切壁によって仕切られた空間内に適宜集積される。従って、ブリーザ吹きを効果的に抑制することができる。
また、好適には、第5発明の要旨とするところは、第1発明の車両用変速機のバルブボデーカバーにおいて、前記第1空間内には、前記カバー壁部から前記バルブボデー側に向かって伸びるとともに、その第1空間を仕切る断面ハニカム構造の仕切壁が形成されており、前記仕切壁には、その仕切壁によって仕切られた空間を連通する連通孔が形成されている。このようにすれば、第1空間がハニカム構造の仕切壁によって複数の空間に仕切られ、それら複数の空間が連通孔で連通されるので、オイルがブリーザ排出口に到達するまでに複数の空間を経由することになり、その過程でオイルを集積することができる。また、そのハニカム形状の仕切壁が形成されることで、バルブボデーカバーの強度を高めることができる。
また、好適には、第6発明の要旨とするところは、第2発明または第4発明の車両用変速機のバルブボデーカバーにおいて、前記第1隔壁および前記第2隔壁の少なくとも1つと前記プレートまたは前記バルブボデーとの間には、間隙が形成されており、前記間隙は、前記ケース内部が高温のときに詰まる。このようにすれば、ケース内部が高温であれば間隙が詰まるので、ブリーザ室が形成されてブリーザ吹きが抑制される。また、ケース内部が低温のときには間隙が形成されるので、ブリーザ室内に溜められていたオイルがその間隙より落下する。従って、ブリーザ吹きの防止とオイルの落下とを効率よく実行できる。
また、好適には、第7発明の要旨とするところは、第5発明の車両用変速機のバルブボデーカバーにおいて、前記仕切壁と前記プレートまたは前記バルブボデーとの間には、間隙が形成されており、前記間隙は、前記ケース内部が高温のときに詰まる。このようにすれば、ケース内部が高温であれば間隙が詰まるので、ブリーザ室が形成されてブリーザ吹きが抑制される。また、ケース内部が低温のときには間隙が形成されるので、ブリーザ室内に溜められていたオイルがその間隙より落下する。従って、ブリーザ吹きの防止とオイルの落下とを効率よく実行できる。
また、好適には、第8発明の要旨とするところは、前記バルブボデーカバーは、樹脂材料によって成形されている。このようにすれば、バルブボデーカバーに設けられる隔壁等をバルブボデーカバーとともに一体成形できるので、バルブボデーカバーの生産性が向上し、安価にバルブボデーカバーを製造することができる。
本発明が適用された車両用駆動装置を有する車両の一例を説明する概略構成図である。 図1のバルブボデーカバーの形状を詳細に示す図である。 本発明の他の実施例であるバルブボデーカバーの形状を詳細に示す図である。 本発明のさらに他の実施例であるバルブボデーカバーの構造を示す図である。 本発明のさらに他の実施例であるバルブボデーカバーの構造を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10を有する車両の一例を説明する概略構成図で、エンジン14(ENG)およびトランスアクスル16(T/A)を含んで構成されている。このトランスアクスル16は、車両の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものである。トランスアクスル16は、トルクコンバータ18(T/C)、変速機構19(A/T)、および差動歯車装置20を含んで構成されている。駆動力源であるエンジン14は、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関で、トルクコンバータ18は流体式伝動装置に相当する。エンジン14から出力された動力は、トルクコンバータ18、変速機構19、差動歯車装置20、および左右の車軸22を経て駆動輪24に伝達される。
一点鎖線で示す変速機構19は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスアクスルケース26内において1組乃至複数組の遊星歯車装置と複数の係合装置(係合要素)とを有し、その係合装置によって複数のギヤ段が択一的に成立させられる公知の遊星歯車式自動変速機である。例えば、変速機構19は、複数の係合装置の何れかの掴み替えにより(すなわち係合装置の係合と解放との切替えにより)変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機である。複数の係合装置は、それぞれトルクコンバータ18からの動力を受ける入力軸28と駆動輪24に動力を伝達する出力ギヤ30との間で回転とトルクとを伝達する油圧式の摩擦係合装置である。この入力軸28は、変速機構19の入力軸であるが、トルクコンバータ18のタービン翼車によって回転駆動されるタービン軸でもある。また、出力ギヤ30は、変速機構19の出力回転部材に相当するもので、本実施例では図1に示す差動歯車装置20のドリブンギヤ(大径歯車)32と噛み合う出力歯車すなわちデフドライブギヤである。なお、変速機構19およびトランスアクスルケース26を含んで本発明の車両用変速機21が構成される。
トランスアクスルケース26は、アクスルハウジング34、アクスルケース36、およびバルブボデーカバー38が互いに連結されることで一体的に構成されている。本実施例にあっては、バルブボデー40が変速機構19の側方(車両前進側の側方)に位置し、変速機構19に対してそのバルブボデー40を隔てた位置の側面に、バルブボデーカバー38がバルブボデー40を覆うようにして位置している。なお、トランスアクスルケース26が、本発明のケースに対応している。
図2は、図1のバルブボデーカバー38の形状を詳細に示す図である。図2(a)がバルブボデーカバー38の内壁側(内側)の形状を示しており、図2(b)は図2(a)を矢印A方向からみた矢視図である。図2に示すように、バルブボデーカバー38は、変速機構19等を収容するケース26の一部を構成しており、外枠が略四角で所定の深みを有する平なべ状に形成されている。図2(a)において、外枠に沿うように合わせ面46が形成されており、この合わせ面46がアクスルケース36の合わせ面と図示しないボルトで締結される。
図2(a)において、上側が車載時において鉛直上方に対応しており、下側が鉛直下方に対応している。また、図2(a)において、左右方向が車載時において車幅方向に対応している。また、図2(b)において、左側が車載時において車両前進方向に対応し、右側が車両後進方向に対応している。
図2(b)の一点鎖線が、図1のバルブボデー40に対応している。バルブボデー40は、バルブボデーカバー38に収容されるように配置されており、バルブボデーカバー38に形成される後述するブリーザ室62と干渉しないように、段付形状となっている。
バルブボデーカバー38は、樹脂材料からなり、車載時において鉛直上方に位置する上壁部50と、鉛直下方に位置する下壁部52と、上壁部50の両側端部(車幅方向の両側)に位置して互いに対向する一対の対向壁部56a、56bと、バルブボデー40に対向し車載時において車両前進方向と垂直なカバー壁部58とを、備えている。これらが互いに接続されることで、バルブボデーカバー38がカバー壁部58を底面とする平なべ形状に形成される。なお、以下において鉛直方向および車幅方向は、車載時(トランスアクスル16が車両に搭載された状態)を基準とする。
車載状態において後述する第1隔壁64(図2参照)よりも鉛直上方に位置する上壁部50には、トランスアクスルケース26のケース内部と外部とを連通するブリーザ排出口60が形成されている。このブリーザ排出口60の端部に取り付けられる不図示のブリーザからケース内部の空気が適宜排出されることで、ケース内部の圧力が所定値以下に維持される。
ところで、トランスアクスル16が組み付けられた際には、その内部に予め設定されている量のオイルが充填される。例えば車両停止時において図2の一点鎖線で示す油面の高さまでオイルが充填される。この油面の高さは、車両の走行状態に応じて変化する。例えば、貯留されているオイルがドリブンギヤ32などによって掻き上げられると油面の高さが低くなる。また、例えば高車速走行時などでは、オイルがドリブンギヤ32で攪拌されることで発熱し、膨張して気泡化することで油面の高さが高くなる。このとき、オイルがブリーザ排出口60付近まで到達してブリーザ排出口60からケース外部へ吹き出す、所謂ブリーザ吹きが発生する可能性がある。
これに対して、本実施例では、トランスアクスルケース26のケース内部とブリーザ排出口60との間にブリーザ室62を設けることで、オイルのブリーザ排出口60への到達を防止している。以下、本発明の要部であるブリーザ室62の構造について詳細に説明する。
図2に示すように、バルブボデーカバー38の内壁面には、斜線で示す補強リブが形成されている。具体的には、上壁部50側から下壁部52に向かって順番に、車幅方向に連なる第1隔壁64、第2隔壁66、および第3隔壁68が形成されている。第1隔壁64乃至第3隔壁68は、何れもカバー壁部58の内壁面からバルブボデー40側に向かって所定の高さまで突設されるとともに、一対の対向壁部56の一方から他方に向かって連なることで両対向壁部(56a、56b)間を接続している。本実施例の第1隔壁64乃至第3隔壁68は、図2(a)にも示されるように、一対の対向壁部56の両壁部間を略併行に接続している。なお、図2(b)においては、第1隔壁64乃至第3隔壁68の構造(形状)がわかるように、各隔壁(第1隔壁64乃至第3隔壁68)および後述するプレート70が示されている。なお、第3隔壁68は、本発明の第2隔壁に対応している。
図2(b)に示すように、各隔壁(第1隔壁64乃至第3隔壁68)のバルブボデー40方向への高さは、その端部が同じ高さとなるように形成されている。そして、その端部に例えばプレス部品である鉄板からなるプレート70が接続(配置)されている。これより、上壁部50、一対の対向壁部56a、56b、第1隔壁64、カバー壁部58、およびプレート70で囲まれて密閉された第1空間72が形成される。また、第1隔壁64、一対の対向壁部56a、56b、第2隔壁66、カバー壁部58、およびプレート70で囲まれて密閉される第2空間74が形成される。また、第2隔壁66、一対の対向壁部56a、56b、第3隔壁68、カバー壁部58、およびプレート70で囲まれて密閉される第3空間76が形成される。なお、プレート70は、例えばボルトや接着によって各隔壁や後述する仕切壁に接続される。また、第3空間76は、第2空間74と同様に、本発明の第2空間に対応している。
第1隔壁64には、前記第1空間72と第2空間74とを連通する第1連通孔78が形成されている。この第1連通孔78が形成される第1隔壁64のバルブボデー側への高さは、第1連通孔78が形成されない第1隔壁64の高さに比べて低く形成されている。従って、プレート70が接続された際にプレート70と第1隔壁64との間に間隙が形成され、この間隙が第1連通孔78として機能する。
第1連通孔78は、ブリーザ排出口60と鉛直方向で重複しない位置に形成されている。具体的には、ブリーザ排出口60が車幅方向において対向壁部56a側(対向壁部56a近傍)に形成されているのに対して、第1連通孔78が車幅方向において対向壁部56b側(対向壁部56b近傍)に形成されている。従って、第1連通孔78から第1空間72内に侵入した空気は、第1空間72内において車幅方向に形成されている通路を通ってブリーザ排出口60に到達することとなる。
車載状態において第1隔壁64の鉛直下方に位置する第2隔壁66には、前記第2空間74と第3空間76とを連通する第2連通孔80が形成されている。この第2連通孔80が形成される第2隔壁66のバルブボデー側への高さは、第2連通孔80が形成されない第2隔壁66の高さに比べて低く形成されている。従って、プレート70が接続された際にプレート70と第2隔壁66との間に間隙が形成され、この間隙が第2連通孔80として機能する。
第2連通孔80は、隣り合う第1連通孔78と鉛直方向で重複しない位置に形成されている。具体的には、第1連通孔78が車幅方向において対向壁部56b側(対向壁部56b近傍)に形成されているのに対して、第2連通孔80が車幅方向において対向壁部56a側(対向壁部56a近傍)に形成されている。従って、第2連通孔80から第2空間74内に侵入した空気は、第2空間74内において車幅方向に形成されている通路を通って第1連通孔78に到達することとなる。
車載状態において第2隔壁66の鉛直下方に位置する第3隔壁68には、第3空間76とケース内部とを連通する第3連通孔82が形成されている。この第3連通孔82が形成される第3隔壁68のバルブボデー側への高さは、第3連通孔82が形成されない第3隔壁68の高さに比べて低く形成されている。従って、プレート70が接続された際にプレート70と第3隔壁68との間に間隙が形成され、この間隙が第3連通孔82として機能する。
第3連通孔82は、隣り合う第2連通孔80と鉛直方向で重複しない位置に形成されている。具体的には、第2連通孔80が車幅方向において対向壁部56a側(対向壁部56a近傍)に形成されているのに対して、第3連通孔82が車幅方向において対向壁部56b側(対向壁部56b近傍)に形成されている。従って、第3連通孔82から第3空間76内に侵入した空気は、第3空間76内において車幅方向に形成されている通路を通って第2連通孔80に到達することとなる。なお、第3連通孔82は、本発明の第2連通孔に対応している。
このように、ブリーザ排出口60および第1連通孔78乃至第3連通孔82は、各空間を介して互いに隣り合う孔が鉛直方向において重複しない位置に形成されている。従って、隣り合う連通孔の間に空間内(第1空間72乃至第3空間76)を車幅方向に横切る経路が形成される。従って、第1空間72乃至第3空間76内を空気が通過する際には、これらの空間内を車幅方向に横切ることとなる。
第1空間72には、バルブボデーカバー38の上壁部50と第1隔壁64との間を接続するとともに、カバー壁部58とプレート70との間を接続することで第1空間72を仕切る、複数個(本実施例では3個)の第1仕切壁84が形成されている。第1仕切壁84は、カバー壁部58の内壁面からプレート70側(バルブボデー40側)に向かって伸びるとともに、上壁部50から第1隔壁64に向かって鉛直下方に連なって伸びている。この3個の第1仕切壁84によって、第1空間72がさらに複数個(本実施例では4個)の空間に仕切られる。
各第1仕切壁84には、4個に仕切られた第1空間72を連通する第4連通孔86がそれぞれ形成されている。第4連通孔86は、第1仕切壁84と第1隔壁64との接続部に形成されている。すなわち、第4連通孔86は、第1仕切壁84の鉛直下端に形成されている。第4連通孔86が形成される第1仕切壁84は、第1仕切壁84の第4連通孔86が形成されない部位(プレート70に接続される部位)に比べてバルブボデー40側への壁の高さが低く形成されている。これより、プレート70が接続されると、第1仕切壁84とプレート70との間に間隙が形成され、その間隙が第4連通孔86として機能する。従って、第1空間72を仕切るように形成されている4個の空間が、第4連通孔86によって互いに連通される。なお、第4連通孔86は、本発明の第3連通孔に対応している。
第2空間74には、第1隔壁64と第2隔壁66との間を接続するとともに、カバー壁部58とプレート70との間を接続することで第2空間74を仕切る、複数個(本実施例では3個)の第2仕切壁88が形成されている。第2仕切壁88は、カバー壁部58の内壁面からプレート70側(バルブボデー40側)に向かって伸びるとともに、第1隔壁64から第2隔壁66に向かって鉛直下方に向かって連なって伸びている。この3個の第2仕切壁88によって、第2空間74がさらに複数個(本実施例では4個)の空間に仕切られる。
各第2仕切壁88には、4個に仕切られた第2空間74を連通する第5連通孔90が各々形成されている。第5連通孔90は、第2仕切壁88と第2隔壁66との接続部に形成されている。すなわち、第5連通孔90は、第2仕切壁88の鉛直下端に形成されている。第5連通孔90が形成される第2仕切壁88は、第2仕切壁88の第5連通孔90が形成されない部位(プレート70に接続される部位)に比べてバルブボデー40側への壁の高さが低く形成されている。これより、プレート70が接続されると、第2仕切壁88とプレート70との間に間隙が形成され、その間隙が第5連通孔90として機能する。従って、第2空間74を仕切るように形成されている4個の空間が、第5連通孔90によって互いに連通される。なお、第5連通孔90は、本発明の第4連通孔に対応している。
第3空間76には、第2隔壁66と第3隔壁68との間を接続するとともに、カバー壁部58とプレート70との間を接続することで第3空間76を仕切る、複数個(本実施例では5個)の第3仕切壁92が形成されている。第3仕切壁92は、カバー壁部58の内壁面からプレート70側(バルブボデー40側)に向かって伸びるとともに、第2隔壁66から第3隔壁68に向かって鉛直下方に向かって連なるように伸びている。この5個の第3仕切壁92によって、第3空間76がさらに複数個(本実施例では6個)の空間に仕切られる。なお、第3仕切壁92は、第2仕切壁88と同様に、本発明の第2仕切壁に対応している。
各第3仕切壁92には、6個に仕切られた第3空間76を連通する第6連通孔94がそれぞれ形成されている。第6連通孔94は、第3仕切壁92と第3隔壁68との接続部に形成されている。すなわち、第6連通孔94は、第3仕切壁92の鉛直下端に形成されている。第6連通孔94が形成される第3仕切壁92は、第3仕切壁92の第6連通孔94が形成されない部位(プレート70に接続される部位)に比べてバルブボデー40側への高さが低く形成されている。これより、プレート70が接続されると、第3仕切壁92とプレート70との間に間隙が形成され、その間隙が第6連通孔94として機能する。従って、第3空間76を仕切るように形成されている6個の空間が、第6連通孔94によって互いに連通される。なお、第6連通孔94は本発明の第4連通孔に対応している。
このようにして、バルブボデーカバー38に第1隔壁64乃至第3隔壁68、および第1仕切壁84乃至第3仕切壁92が形成されるとともに、プレート70が接続されることで、ブリーザ排出口60と第3連通孔82との間に、ブリーザ室62として機能する複数個の空間が形成される。また、第1連通孔78乃至第3連通孔82によって第1空間72乃至第3空間76が鉛直方向に連通されるとともに、第4連通孔乃至第6連通孔94によって第1空間72乃至第3空間76が車幅方向に連通される。従って、ブリーザ排出口60と第3連通孔82との間に、第1空間72乃至第3空間76を仕切るように形成される複数の空間が形成され、且つ、各空間を通る通路が形成される。また、複数の空間が形成されることで、ブリーザ室62の表面積も大きくなる。
ここで、高車速走行中にあっては、トランスアクスルケース26内のオイルが膨張して気泡化するために油面高さが高くなり、気泡化したオイルが第3連通孔82から侵入し、ブリーザ排出口60から排出される、所謂ブリーザ吹きが発生する可能性がある。しかしながら、第3連通孔82から侵入したオイルがブリーザ排出口60に到達するには、矢印で示すように、第1空間72乃至第3空間76に形成されている複数個の空間をそれぞれ経由する必要があり、オイルがブリーザ排出口60に到達するまでの間に、自身の粘度や表面張力によって何れかの空間内で集積される。従って、トランスアクスルケース26内のオイルがケース外部に排出されるブリーザ吹き好適に防止される。
また、本実施例の第1隔壁64乃至第3隔壁68、第1仕切壁84乃至第3仕切壁92は、バルブボデーカバー38と同じ樹脂材料で構成されている。従って、これら隔壁や仕切壁はバルブボデーカバー38とともに一体成形される。
上述のように、本実施例によれば、上壁部50に形成されるブリーザ排出口60と第1隔壁64に形成されている第1連通孔78とを、一対の対向壁部56a、56b間の距離の範囲内で離れた位置に設定することができる。従って、第1連通孔78からブリーザ排出口60までの通路の距離を長くして、第1空間72内でオイルを集積してブリーザ吹きを抑制することができる。
また、本実施例によれば、第1空間72の鉛直下方にも第2空間74および第3空間76が形成される。また、第1隔壁64に形成される第1連通孔78とその下方に位置する第2隔壁66に形成される第2連通孔80とが鉛直方向において重複しない位置に形成されることで、第2空間74においてその第1連通孔78から第2連通孔80までの車幅方向の距離を長くすることができる。また、第2隔壁66に形成されている第2連通孔80と、第2隔壁66と隣り合う第3隔壁68に形成されている第3連通孔82とを鉛直方向において重複しない位置に形成することで、互いの第2連通孔80から第3連通孔82までの車幅方向の距離を長くすることができる。従って、第3連通孔82とブリーザ排出口60との間でオイルが通る通路の距離が長くなり、オイルが第1空間72乃至第3空間76内で確実に集積され、ブリーザ吹きを効果的に抑制することができる。
また、本実施例によれば、第1仕切壁84に形成されている第4連通孔86をオイルが通過する際に、そのオイルが第1空間72の第1仕切壁84によって仕切られた空間内に適宜集積される。従って、ブリーザ吹きを効果的に抑制することができる。
また、本実施例によれば、第2仕切壁88に形成されている第5連通孔90および第3仕切壁92に形成されている第6連通孔94をオイルが通過する際にも、そのオイルが第2空間74の第2仕切壁88によって仕切られた空間、または第3空間76の第3仕切壁92によって仕切られた空間に適宜集積される。従って、ブリーザ吹きを効果的に抑制することができる。
また、本実施例によれば、バルブボデーカバー38に設けられる第1隔壁64乃至第3隔壁68や第1仕切壁84乃至第3仕切壁92が、バルブボデーカバー38と同じ樹脂材料で構成される。従って、これらの隔壁や仕切壁をバルブボデーカバー38とともに一体成形できるため、バルブボデーカバー38の生産性が向上し、安価にバルブボデーカバー38を製造することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、本発明の他の実施例であるバルブボデーカバー100の形状を詳細に示す図であって、図2(a)に対応している。本実施例にあっては、バルブボデーカバー100の内壁に形成される補強リブがハニカム構造とされることでブリーザ室101が形成されている。以下、バルブボデーカバー100の構造について詳細に説明する。
バルブボデーカバー100は、樹脂材料からなり、外枠が略四角の平なべ状を有している。バルブボデーカバー100は、鉛直方向に位置する上壁部102と、鉛直下方に位置する下壁部104と、車幅方向の両側端部に位置する一対の対向壁部106a、106bと、バルブボデーに対向し車載時において車両前進方向と垂直なカバー壁部108とを、備えている。
バルブボデーカバー100の内壁には、カバー壁部108の内壁面からバルブボデー40側に向かって所定の高さまで突設されるとともに、一対の対向壁部106の一方から他方に向かって連なることで両壁壁部106a、106b間を接続する第1隔壁110が形成されている。また、第1隔壁110の車幅方向において対向壁部106b側(対向壁部106b近傍)には、第1連通孔114が形成されている。この第1連通孔114は、鉛直方向においてブリーザ排出口116と重複しない位置に形成されている。
この第1隔壁110と上壁部102との間に形成される第1空間117に断面がハニカム構造の仕切壁118が形成されている。仕切壁118は、カバー壁部108からバルブボデー40側に向かって第1隔壁110と同じ高さまで突設され、第1空間117を仕切っている。また、仕切壁118の下端部は第1隔壁110に接続されている。仕切壁118がハニカム構造に形成されることで、複数個の六角形状の空間120が形成されている。この空間120が本実施例のブリーザ室101として機能する。また、図示しないが、この第1隔壁110および仕切壁118のバルブボデー側の端部にプレートが配置(接続)されることで、ブリーザ室101が密閉される。
仕切壁118には、その仕切壁118によって仕切られた隣り合う空間120を連通する複数個の連通孔122が形成されている。連通孔122は、六角形状の空間120において鉛直下端の両側の位置に形成されている。この連通孔122は、それが形成される仕切壁118のバルブボデー側への高さが、連通孔122が形成されない仕切壁118の高さよりも低く形成されることで、プレートが接続された際に形成される間隙である。
上記のように形成されるブリーザ室101において、例えば高速走行中に気泡化したオイルが第1連通孔114から侵入しても、ブリーザ室101の各空間120を連通する連通孔122を通過する際に、オイルが自身の粘度や表面張力によって空間内に集積される。従って、トランスアクスルケース内のオイルがケース外部に排出されるブリーザ吹きが好適に防止される。また、車両が停止すると集積されたオイルが下方に移動するが、連通孔122が各空間120の鉛直下端の両側に形成されているため、その連通孔122を通ってオイルがさらに下方側に位置する空間120に移動する。そして、第1隔壁110に隣接する空間120までオイルが移動すると、第1連通孔114からケース内部にオイルが落下する。
上述のように、本実施例によれば、第1隔壁110より鉛直上方の空間がハニカム構造の仕切壁118によって複数の空間120に仕切られ、それら複数の空間120が連通孔122で連通されるので、オイルがブリーザ排出口116に到達するまでに複数の空間120を経由することになり、その過程でオイルを集積することができる。また、そのハニカム形状の仕切壁118が形成されることで、バルブボデーカバー100の強度を高めることができる。
また、連通孔122が各空間120の鉛直下端の両側の位置に形成されるので、集積されたオイルがその連通孔122を通って下方側に移動し、ケース内部に落下する。従って、空間120内にオイルが閉じ込められることも防止される。
図4は、本発明のさらに他の実施例であるバルブボデーカバー200の構造を示す図であって、前述の実施例の図2(b)に対応している。本実施例のバルブボデーカバー200にあっては、第1隔壁202および第2隔壁204とプレート70との間に微小な間隙206が形成されている。また、第3隔壁208については、その端部がプレート70に接続されている。
バルブボデーカバー200にあっては、低温時にあっては図4に示す状態となり、第1隔壁202および第2隔壁204とプレート70との間に間隙206が形成される。一方、ケース内部が高温のときには、第1隔壁202および第2隔壁204が膨張して、第1隔壁202および第2隔壁204とプレート70とが当接する。従って、高車速時などケース内部が高温となる走行状態において間隙206が詰まることから、各空間が密閉されてブリーザ室として機能する。従って高温時に発生するブリーザ吹きが効果的に防止される。一方、ブリーザ吹きの可能性が低い低温時にあっては、間隙206が形成されるので、各空間に溜まったオイルが間隙206から落下することとなる。
このように、高温時において第1隔壁202および第2隔壁204とプレート70との間の間隙206を詰まらせるには、第1隔壁202および第2隔壁204の熱膨張率と第3隔壁208の熱膨張率とを異ならせる必要が生じる。例えば、第1隔壁202および第2隔壁204と第3隔壁208とを熱膨張率の異なる材料で構成することで、熱膨張率の違いを利用して上述した効果(作動)を得ることができる。
また、プレート70を第1隔壁202乃至第3隔壁208と接続せず、上壁部210および一対の対向壁部212と接続して固定するのであれば、第3隔壁208を第1隔壁202および第2隔壁204と同じ材料で構成し、第3隔壁208においても間隙206を設定することもできる。この場合、低温時において第3隔壁208においても間隙206が形成されるので、ブリーザ室内のオイルを効果的に落下させることができる。また、第1隔壁202乃至第3隔壁208が共通の材料で構成されるので、一体成形も可能となる。
また、前記間隙は、図2に示すような第1隔壁202乃至第3隔壁208から構成されるブリーザ室だけでなく、図3に示すハニカム構造の仕切壁118で構成されるブリーザ室101においても適用可能である。図3に示す構造において間隙206が形成される場合であっても、ケース内部が高温となるとその間隙206が詰まることでブリーザ室101が形成され、前述の実施例と同様の効果が得られる。
また、ケース内部が低温となると間隙206が形成されるので、その間隙よりオイルが落下する。ここで、前述の実施例のバルブボデーカバー100では、オイルが下方に落下するように連通孔122の位置が空間120の下端に限定されていたが、間隙206が形成される場合には、間隙206からオイルが落下するので、連通孔122の形成位置に制約がなくなり自由に設定することができる。また、間隙206が設定される場合には、低温時に間隙206からオイルが自動的に落下するので、仕切壁118の構造(リブ形状)を、例えば断面三角形状などさらに自由に変更することもできる。
上述のように、本実施例によれば、第1隔壁202および第2隔壁204とプレート70との間には、間隙206が形成されており、間隙206は、ケース内部が高温のときに詰まる。このようにすれば、トランスアクスルケース26の内部が高温であれば間隙206が詰まるので、ブリーザ室が形成されてブリーザ吹きが抑制される。また、トランスアクスルケース26の内部が低温のときには間隙206が形成されるので、ブリーザ室内に溜められていたオイルがその間隙206より落下する。従って、ブリーザ吹きの防止とオイルの落下とを効率よく実行できる。
また、本実施例によれば、仕切壁118の端部とプレート70との間には、間隙206が形成されており、間隙206は、トランスアクスルケース26の内部が高温のときに詰まる。このようにすれば、トランスアクスルケース26の内部が高温であれば間隙206が詰まるので、ブリーザ室が形成されてブリーザ吹きが抑制される。また、トランスアクスルケース26の内部が低温のときには間隙206が形成されるので、ブリーザ室内に溜められていたオイルがその間隙より落下する。従って、ブリーザ吹きの防止とオイルの落下とを効率よく実行できる。
図5は、本発明のさらに他の実施例であるバルブボデーカバー300の構造を示す図であって、前述の実施例の図2(b)に対応している。本実施例のバルブボデーカバー300は、前述した図2のバルブボデーカバー38と基本的には変わらないので、符号については同じものとする。
本実施例のバルブボデーカバー300は、第1隔壁64乃至第3隔壁68の端部が一点鎖線で示すバルブボデー302に接続されている。また、第1仕切壁84乃至第3仕切壁92についても同様である。このように構成されることで、プレート70を省略することができる。なお、第1隔壁64乃至第3隔壁68は、例えばバルブボデー302を貫通する図示しないボルトによって接続される。
このように、プレート70に代わってバルブボデー302に接続した場合であっても、前述の実施例と同様の効果が得られ、且つ、プレート70を省略して部品点数の増加を抑制できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例は、それぞれ独立して記載されているが、各実施例を適宜組み合わせて実施しても構わない。
また、前述の実施例では、第1隔壁64乃至第3隔壁68は、一対の対向壁部56a、56bの間を略併行に接続しているが、必ずしも併行に形成されなくても構わない。例えば、第1隔壁64が対向壁部56b側(第1連通孔78側)に向かうに従って鉛直方向において低く形成され、第2隔壁66が対向壁部56a側(第2連通孔80側)に向かうに従って鉛直方向において低く形成され、第3隔壁68が対向壁部56b側(第3連通孔82側)に向かって鉛直方向において低く形成される。このように構成されると、車両停止中においてブリーザ室内に集積されたオイルが、重力によってトランスアクスルケース26下部まで速やかに落下する。
また、前述の実施例では、仕切壁(84、88、92)が鉛直方向に形成されているが、必ずも鉛直方向に限定されず、鉛直方向に対して傾斜して形成されていても構わない。
また、前述の実施例では、ブリーザ排出口60が車幅方向において対向壁部56a近傍に形成され、第1連通孔78が車幅方向において対向壁部56b近傍に形成されることで、これらが鉛直方向において重複しない位置となっているが、必ずしもこれに限定されない。すなわち、ブリーザ排出口60と第1連通孔78とが鉛直方向において重複しない範囲においてその位置を適宜変更しても構わない。例えばブリーザ排出口60が車幅方向において中央部に形成され、第1連通孔78が、車幅方向において対向壁部56の何れか一方に形成されるものであっても構わない。しかしながら、ブリーザ排出口60と第1連通孔78とは、車幅方向において離れていることが好ましく、好適には、ブリーザ排出口60と第1連通孔78との間の車幅方向の距離が、第1隔壁64の車幅方向の長さの半分以上であることが好ましい。
また、前述の実施例では、第1連通孔78が車幅方向において対向壁部56b近傍に形成され、第2連通孔80が車幅方向において対向壁部56a側に形成されることで、これらが鉛直方向において重複しない位置となっているが、必ずしもこれに限定されない。すなわち、第1連通孔78と第2連通孔80とが、鉛直方向において重複しない範囲においてその位置を適宜変更しても構わない。しかしながら、第1連通孔78と第2連通孔80とは、車幅方向において離れていることが好ましく、好適には、第1連通孔78と第2連通孔80との間の車幅方向の距離が、一対の対向壁部56の間の距離の半分以上の長さであることが好ましい。
また、前述の実施例では、第2連通孔80が車幅方向において対向壁部56a近傍に形成され、第3連通孔82が車幅方向において対向壁部56b側に形成されることで、これらが鉛直方向において重複しない位置となっているが、必ずしもこれに限定されない。すなわち、第2連通孔80と第3連通孔82とが、鉛直方向において重複しない範囲においてその位置を適宜変更しても構わない。しかしながら、第2連通孔80と第3連通孔82とは、車幅方向において離れていることが好ましく、好適には、第2連通孔80と第3連通孔82との間の車幅方向の距離が、一対の対向壁部56の間の距離の半分以上の長さであることが好ましい。
また、前述の実施例では、第1隔壁64乃至第3隔壁68が形成されることで、第1空間72乃至第3空間76の3つの空間が形成されているが、隔壁を追加してさらに空間を増加することもできる。すなわち、ブリーザ室をさらに多段化しても構わない。なお、ブリーザ室が多段化された場合であっても、これらの空間を連通する連通孔は、鉛直方向において重複しない位置に形成される。
また、前述の実施例において、第2隔壁66および第3隔壁68を省略する、或いは、第3隔壁68を省略して実施しても構わない。すなわち、第2空間74および第3空間76、或いは第3空間76が省略されても構わない。なお、第2空間74および第3空間76が省略された場合には、第1連通口78がケース内部と連通し、第3空間76が省略された場合には、第2連通口80がケース内部と連通する。
また、前述の実施例では、第1仕切壁84および第2仕切壁88が3個、第3仕切壁92が5個形成されているが、これらの数は一例であって適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、バルブボデーカバー38が車両前進方向側に設けられていたが、車両後進方向側、若しくは車幅側に設けられていても構わない。
また、前述の実施例では、バルブボデーカバー、隔壁、および仕切壁が、何れも樹脂材料で構成されるとしたが、アルミニウムなど他の材料から構成されても構わない。
また、前述の実施例では、プレート70が鉄板から構成されるとしたが、例えば樹脂部品で構成し、バルブボデーカバーに溶着するものであっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
19:変速機構
21:車両用変速機
26:トランスアクスルケース(ケース)
38、100、200、300:バルブボデーカバー
40、302:バルブボデー
50、102、210:上壁部
56、106、212:一対の対向壁部
58、108:カバー壁部
60、116:ブリーザ排出口
64、110、202:第1隔壁
66、204:第2隔壁
68、208:第3隔壁(第2隔壁)
70:プレート
72:第1空間
74:第2空間
76:第3空間(第2空間)
78:第1連通孔
80:第2連通孔
82:第3連通孔(第2連通孔)
84:第1仕切壁
86:第4連通孔(第3連通孔)
88:第2仕切壁
90:第5連通孔(第4連通孔)
92:第3仕切壁(第2仕切壁)
94:第6連通孔(第4連通孔)
118:仕切壁
120:空間
122:連通孔
206:間隙

Claims (8)

  1. 変速機構および該変速機構の側方に位置するバルブボデーを収容するケースの一部を構成し、該変速機構に対して該バルブボデーを隔てて該ケースの側面に位置する車両用変速機のバルブボデーカバーであって、
    前記バルブボデーカバーは、所定の深みを有する平なべ状に形成され、車載状態において鉛直上方に位置してブリーザ排出口が形成された上壁部と、前記バルブボデーと対向するカバー壁部と、前記上壁部の両側端部に位置して互いに対向する一対の対向壁部とを含んでおり、
    前記カバー壁部の内壁面には、該カバー壁部の内壁面から前記バルブボデー側に向かって突設され、且つ、前記一対の対向壁部の一方から他方に向かって連なる第1隔壁が形成され、
    前記第1隔壁の前記バルブボデー側には、前記上壁部、前記カバー壁部、前記一対の対向壁部、および前記第1隔壁で囲まれる第1空間を形成するプレートまたは前記バルブボデーが配置され、
    前記第1隔壁には、車載状態において前記ブリーザ排出口と鉛直方向で重複しない位置に前記第1空間とケース内部とを連通する第1連通孔が形成されていることを特徴とする車両用変速機のバルブボデーカバー。
  2. 車載状態において前記第1隔壁の鉛直下方には、前記カバー壁部の内壁面から前記バルブボデー側に向かって突設され、且つ、前記一対の対向壁部の一方から他方に向かって連なる少なくとも1つの第2隔壁が形成されており、
    該第2隔壁の前記バルブボデー側には、前記第1隔壁、前記カバー壁部、前記一対の対向壁部、および前記第2隔壁で囲まれる第2空間を形成する前記プレートまたは前記バルブボデーが配置されており、
    前記第2隔壁には、前記ケース内部または隣り合う前記第2空間を連通する第2連通孔がそれぞれ形成されており、
    互いに隣り合う前記第1連通孔および第2連通孔は、車載状態において鉛直方向で互いに重複しない位置に形成されていることを特徴とする請求項1の車両用変速機のバルブボデーカバー。
  3. 前記上壁部と前記第1隔壁との間には、これらの間を接続して前記第1空間を仕切る少なくとも1つの第1仕切壁が形成されており、
    前記第1仕切壁と前記第1隔壁との接続部に、前記第1仕切壁によって仕切られた前記第1空間を連通する第3連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2の車両用変速機のバルブボデーカバー。
  4. 前記第2空間内には、前記第1隔壁と前記第2隔壁との間、または隣り合う前記第2隔壁の間を接続して該第2空間を仕切る第2仕切壁が少なくとも1つ設けられており、
    前記第2仕切壁の車載状態において鉛直下方側に位置する前記第2隔壁との接続部に、前記第2仕切壁によって仕切られた前記第2空間を連通する第4連通孔が形成されていることを特徴とする請求項2の車両用変速機のバルブボデーカバー。
  5. 前記第1空間内には、前記カバー壁部から前記バルブボデー側に向かって伸びるとともに、該第1空間を仕切る断面ハニカム構造の仕切壁が形成されており、
    前記仕切壁には、該仕切壁によって仕切られた空間を連通する連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1の車両用変速機のバルブボデーカバー。
  6. 前記第1隔壁および前記第2隔壁の少なくとも1つと前記プレートまたは前記バルブボデーとの間には、間隙が形成されており、
    前記間隙は、前記ケース内部が高温のときに詰まることを特徴とする請求項2または4の車両用変速機のバルブボデーカバー。
  7. 前記仕切壁と前記プレートまたは前記バルブボデーとの間には、間隙が形成されており、
    前記間隙は、前記ケース内部が高温のときに詰まることを特徴とする請求項5の車両用変速機のバルブボデーカバー。
  8. 前記バルブボデーカバーは、樹脂材料によって成形されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1の車両用変速機のバルブボデーカバー。
JP2013111359A 2013-05-27 2013-05-27 車両用変速機のバルブボデーカバー Expired - Fee Related JP5987783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111359A JP5987783B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 車両用変速機のバルブボデーカバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111359A JP5987783B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 車両用変速機のバルブボデーカバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014228137A true JP2014228137A (ja) 2014-12-08
JP5987783B2 JP5987783B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=52128165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013111359A Expired - Fee Related JP5987783B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 車両用変速機のバルブボデーカバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5987783B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017032075A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 トヨタ自動車株式会社 樹脂カバー
CN108700176A (zh) * 2016-02-25 2018-10-23 奥迪股份公司 特别是机动车的壳体的压力平衡装置及用于机动车的组件
CN110578788A (zh) * 2018-06-08 2019-12-17 丰田自动车株式会社 车辆用分动器
JP2020085046A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 本田技研工業株式会社 車両の駆動装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0458652U (ja) * 1990-09-28 1992-05-20
JPH10235456A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Toshiba Ceramics Co Ltd 連続鋳造用耐火物およびその施工方法
JPH10325456A (ja) * 1997-05-26 1998-12-08 Aichi Mach Ind Co Ltd 車両用パワートレーンのエアブリーザ構造
JP2003254414A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Fuji Heavy Ind Ltd 終減速装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0458652U (ja) * 1990-09-28 1992-05-20
JPH10235456A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Toshiba Ceramics Co Ltd 連続鋳造用耐火物およびその施工方法
JPH10325456A (ja) * 1997-05-26 1998-12-08 Aichi Mach Ind Co Ltd 車両用パワートレーンのエアブリーザ構造
JP2003254414A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Fuji Heavy Ind Ltd 終減速装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017032075A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 トヨタ自動車株式会社 樹脂カバー
CN108700176A (zh) * 2016-02-25 2018-10-23 奥迪股份公司 特别是机动车的壳体的压力平衡装置及用于机动车的组件
CN108700176B (zh) * 2016-02-25 2021-03-16 奥迪股份公司 特别是机动车的壳体的压力平衡装置及用于机动车的组件
US11174935B2 (en) 2016-02-25 2021-11-16 Audi Ag Pressure compensation device for a housing, in particular of a motor vehicle, and component for a motor vehicle
CN110578788A (zh) * 2018-06-08 2019-12-17 丰田自动车株式会社 车辆用分动器
CN110578788B (zh) * 2018-06-08 2022-10-14 株式会社捷太格特 车辆用分动器
JP2020085046A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 本田技研工業株式会社 車両の駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5987783B2 (ja) 2016-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5987783B2 (ja) 車両用変速機のバルブボデーカバー
US10634234B2 (en) Transmission
US10124278B2 (en) Fluid filter arrangement for a motor vehicle drive train
JP6303401B2 (ja) 動力伝達装置のブリーザ構造
CN101245846B (zh) 流体存储设备及变速器
CN103415727A (zh) 动力传递装置
JP5722117B2 (ja) トランスミッションのオイル排出構造
JP2013194891A (ja) 動力伝達機構の潤滑装置
US8104374B2 (en) Belt continuously-variable transmission
CN203641456U (zh) 汽车驱动桥主减速器总成
KR101869600B1 (ko) 감속기
US10302191B2 (en) Automatic transmission and method of manufacturing the same
CN105179650A (zh) 减速器及其壳体
JP7249937B2 (ja) トランスアクスル
KR102079526B1 (ko) 오일 누유 방지구조를 가지는 감속기
JP7125231B2 (ja) 車両用変速機ケースのブリーザ装置
JP2019138434A (ja) 車両用オイルストレーナ装置
EP3839297B1 (en) Vehicular drive device
JP6639291B2 (ja) 動力伝達装置
JP6372386B2 (ja) 車両用変速機
JP5012241B2 (ja) 車両用自動変速機のオイルストレーナ
JP5961486B2 (ja) スペーサの製造方法
JP2017032039A (ja) 車両用変速機
JP2017141931A (ja) 車両用動力伝達装置の潤滑構造
JP2011112161A (ja) 変速機の充填材取り付け構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160725

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5987783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees