JP2014227526A - メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート - Google Patents

メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート Download PDF

Info

Publication number
JP2014227526A
JP2014227526A JP2013110281A JP2013110281A JP2014227526A JP 2014227526 A JP2014227526 A JP 2014227526A JP 2013110281 A JP2013110281 A JP 2013110281A JP 2013110281 A JP2013110281 A JP 2013110281A JP 2014227526 A JP2014227526 A JP 2014227526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
methyl
polyether glycol
acrylate
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013110281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014227526A5 (ja
Inventor
健 渡邉
Takeshi Watanabe
健 渡邉
早織 菊池
Saori Kikuchi
早織 菊池
洋 新納
Hiroshi Shinno
洋 新納
良啓 加門
Yoshihiro Kamon
良啓 加門
直志 村田
Naoshi Murata
直志 村田
浩幸 森
Hiroyuki Mori
浩幸 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2013110281A priority Critical patent/JP2014227526A/ja
Publication of JP2014227526A publication Critical patent/JP2014227526A/ja
Publication of JP2014227526A5 publication Critical patent/JP2014227526A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Abstract

【課題】10℃の低温であっても結晶化を起こさないメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートであって、ポリマーの柔軟成分として利用する際に、低温条件での作業性に優れるアクリレートを提供する。
【解決手段】(1)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート。[RはH又はメチル基、Zは式(2)及び式(3)を構成単位とする繰り返し構造を示す。]



【選択図】なし

Description

本発明は、低温で結晶化を起こさないメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートに関する。
ジヒドロキシポリオール類のジ(メタ)アクリレートは、ジヒドロキシポリオール類の両末端の水酸基をエステル化することによって製造できる。これらの(メタ)アクリレートは、ジヒドロキシポリオール類の種類を変えることにより多様なジ(メタ)アクリレートを得ることができる。また、テトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレングリコール(以下「PTMG」ともいう)は、耐摩耗性、耐湿熱性に優れた、良好な反発弾性を有するエラストマーを作ることが出来るため広く使用されている(非特許文献1)。PTMGの両末端の水酸基をエステル化したポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、ラジカル重合性を有し、その共重合体は、その光学特性、柔軟性、疎水性、加工性から建築材料、光学材料等に使用される。
ポリウレタン創製への道―材料から応用まで― 普及版 シーエムシー出版 p.28−32
しかしながら、分子量が700未満のPTMGの両末端の水酸基をエステル化することによって製造されるポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、低温で液状性を示すが、これを利用したポリマーにおいては、ソフトセグメントとなるポリオール構造の鎖長が短いため、柔軟性に乏しい。
一方、分子量が700を越えるPTMGの両末端の水酸基をエステル化することによって製造されるポリテトラメチレンエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、低温(10℃以下)において著しい粘度増加や結晶化現象を起すため、鎖延長剤、架橋剤、着色剤、可塑剤、改質用添加剤の混合性が悪くなり、均一な配合物が得られないため、機械的性質に優れたポリマーが得られにくい。また、低温での増粘傾向や結晶化現象は、冬場の作業性を低下させるという欠点を有する。このような増粘傾向や結晶化現象を防ぐため、有機溶剤や可塑剤を加えることができるが、有機溶媒は環境汚染や作業者の健康阻害をひき起こす問題があり、可塑剤はポリマーの機械的性質を低下させることがあった。
本発明におけるメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、式(1)で表される。
ここで、式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。式(1)中、Zは式(2)および式(3)を構成単位とする繰り返し構造を示し、式(3)で表される構成単位を式(1)中に4質量%以上50質量%未満含む。)
(式(3)中、R、Rの一方は水素原子を示し、もう一方はメチル基を示す。)
本発明のメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、10℃の低温であっても結晶化を起こさないラジカル重合性ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートであり、ポリマーの柔軟成分として利用する際に、低温条件での作業性に優れる。
本発明は、前式(1)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートである
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。Zは前式(2)および前式(3)を構成単位とする繰り返し構造を示し、前式(3)で表される構成単位を式(1)中に4質量%以上50質量%未満含む。
式(3)中、R、Rの一方は水素原子を示し、もう一方はメチル基を示す。
なお、式(2)および式(3)を構成単位とする繰り返し構造とは、式(2)だけを構成単位とする繰り返し構造と式(3)だけを構成単位とする繰り返し構造との結合、1個の式(1)と1個の式(2)とを構成単位とする繰り返し構造の結合、1個の式(1)と2個以上の式(2)とを構成単位とする繰り返し構造の結合、2個以上の式(1)と1個の式(2)とを構成単位とする繰り返し構造の結合、2個以上の式(1)と2個以上の式(2)とを構成単位とする繰り返し構造の結合、それらの結合の更なる結合、等のことである。
本発明のメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、式(4)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコールを原料とし、その両末端の水酸基を(メタ)アクリル酸エステルとすることによって製造することができる。
式(4)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコールは、式(1)および式(2)で表わされる基を構成単位としていて、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランを、HClO、HSOF、HSOCl、HBF等のプロトン酸、EtOBF、CHCOSbCl、CPF等のイオン対、CHCOCl−BF、SOCl−AlCl、POCl−FeCl等を開環重合用触媒として、単独又は無水物や促進剤と併用し、ランダム共重合することにより得られる。
式(1)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコール中に含まれる式(3)の構成単位の割合は、4質量%以上50質量%未満であり、8質量%以上30質量%未満が好ましい。4質量%以上であることにより、低温で結晶化を起こしにくいメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートとなる。50質量%未満であることにより、低温で柔軟性のあるメチル置換ポリエーテルグリコール(メタ)アクリレートとなる。式(1)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコール中に含まれる式(3)の構成単位の割合は、ランダム共重合させるテトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフランの使用量を調整することによって4質量%以上50質量%未満に調節することができる。
このメチル置換ポリエーテルグリコールの分子量は700以上5000未満であることが好ましく、800以上3000未満であることがより好ましい。700以上であることにより、これを利用したメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの柔軟性を向上させることができ、5000未満とすることにより、低温条件での粘度が低く抑えられ作業性が向上する。メチル置換ポリエーテルグリコールの分子量は、共重合体を製造する際の触媒量と反応温度を調整することによって、700以上5000未満に調節することができる。
本発明のメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの製造方法は、既知の製法で製造されるが、収率や塩素、硫黄系化合物を含まない点で、エステル交換反応や(メタ)アクリル酸無水物などを作用させるエステル化法など方法が好ましい。エステル交換反応は、式(4)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコールと、常圧または減圧で留出させることのできる(メタ)アクリル酸エステルを過剰量用いて、触媒の存在下、副生するアルコールを(メタ)アクリル酸エステルとの共沸により抜き出しながら反応させて行う。エステル交換反応に使用される(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸エステルの沸点、および副生するアルコールの沸点が低く、操作が容易であることから、(メタ)アクリル酸のメチルエステルが好ましい。
エステル交換反応に際しては、常圧または減圧で留出させることのできる(メタ)アクリル酸エステルをメチル置換ポリエーテルグリコールに対して過剰量使用することが、メチル置換ポリエーテルグリコールの消費速度増加、(メタ)アクリル酸エステルとの共沸によるアルコール除去効率向上などの効果により反応が短時間で終了することから好ましい。通常、メチル置換ポリエーテルグリコール1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステルを2.1〜20倍モルの範囲で使用することが好ましい。少なすぎると反応時間が長くなることから、(メタ)アクリル酸エステルの使用量は2.2倍モル以上が好ましい。多すぎると生産性が悪くなることから(メタ)アクリル酸エステルの使用量は15倍モル以下が好ましい。
エステル交換反応に使用される触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシ等のアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド、チタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブチル等のチタンのアルコキシド、ジブチルすずオキサイド、ジオクチルすずオキサイドなどのすず系化合物などを挙げることができる。これらの触媒の中でも、反応後の処理の際に触媒の除去が容易であることから、水の添加により触媒を水相に溶解させることができるアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、及び、水の添加により不溶化させて、ろ過などにより除去できるチタンのアルコキシドが好ましい。マイケル付加物の副生が少ないことからチタンのアルコキシドがより好ましい。触媒は単独で用いてもよいし2種以上を併用しても良い。
触媒を反応器に仕込む方法としては、特に限定されないが、全量を最初に反応器に仕込む方法、最初に一部を仕込み、残りを後で供給する方法などが挙げられる。触媒の使用量は、メチル置換ポリエーテルグリコール1モルに対して、通常0.000001〜0.1倍モルの範囲で使用することが好ましい。反応速度の点から、このモル比は0.000005倍以上がより好ましく、0.00001倍以上がさらに好ましい。触媒の処理が煩雑になること、廃棄物量が多くなることから、0.001倍以下がより好ましく、0.0005倍以下がさらに好ましい。チタン系触媒を使用する場合には、反応系中に水分が多いと触媒が活性を失いやすいので、触媒を加える前に常圧または減圧下で留去することのできる(メタ)アクリル酸エステルや溶媒を使用して、共沸脱水を行うことが好ましい。
エステル交換反応は、生産性及び溶媒回収の負荷などの観点から、無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を用いることもできる。不活性な溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;ジエチルケトン、ジイソプロピルケトンなどのケトン類などが使用できる。副生するアルコールと共沸しやすい溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、メチル置換ポリエーテルグリコール1質量部に対して1〜30質量部が好ましい。
エステル交換反応は、常圧又は減圧下、20〜140℃で行うのが好ましい。反応速度の点から温度は40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル及びメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解、着色、重合などの問題が生じることがあることから、反応温度は120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
反応方式としては、例えば、単一の反応器内に全ての原料を仕込んで反応を完結させる回分式、反応器内に原料を連続的に供給して連続的に反応させる連続式、反応器と配合タンクとを備え、反応器と配合タンクとの間で原料を循環させながら反応器で反応させる循環式などが挙げられる。反応は共沸により、副生するアルコールを系外に除去しながら行うため、複数段の蒸留塔(精留塔)を用いることが好ましい。蒸留塔には、例えば、ステンレス鋼、ガラス、陶磁器製などのラシヒリング、レッシングリング、ディクソンパッキン、ポールリング、サドル、スルザーパッキンなどの形状を有する充填物を使用した充填塔、多孔板塔や泡鐘塔などの棚段塔などが使用できる。蒸留塔と反応器との接続は、反応器の上部に蒸留塔が連接された形態、反応器と接続された別容器の上部に蒸留塔が連接された形態、蒸留塔の上段から下段のいずれかの位置に反応器が接続された形態のいずれでも良い。いずれの接続形態においても、反応器と蒸留塔の間の経路は一つでも複数でも良く、途中に熱交換器などの装置が介在していてもよい。
エステル交換反応では、公知の重合防止剤を使用することが出来る。重合防止剤としては、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルに対して不活性な重合防止剤が好ましい。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン等のキノン系重合防止剤、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合防止剤、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合防止剤、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルや4−アセトアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのヒンダートアミン系重合防止剤、金属銅、硫酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合防止剤などが挙げられる。これらの重合防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。重合防止剤の添加量は、その種類や条件により影響されるが、反応液の質量に対して0.01〜10000ppmの範囲が好ましい。また、反応液に酸素を含む気体をバブリングさせることにより、重合防止効果が向上する場合がある。
エステル交換反応完結後、過剰の(メタ)アクリル酸エステル、および溶媒の回収は、触媒の除去前後のいずれに行っても良い。(メタ)アクリル酸エステル、および溶媒の回収は、常圧又は減圧下に加熱して蒸発、凝縮させることによって実施できる。(メタ)アクリル酸エステル及びメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解、着色、重合などの問題が生じることがあることから、反応温度は120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
触媒の除去に際しては、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む液に対し、水分の存在下、珪藻土、および/または塩基性アルミナを使用することによって処理を行う。本発明において用いる珪藻土は、市販のものが使用可能であるが、セライトコーポレーション社が製造するセライト(Celite(登録商標)545)が好ましい。
本発明において用いられる塩基性アルミナは、pH8〜11の弱塩基性を示すアルミナである。塩基性アルミナは、一般にBrockmannの活性度I〜Vで示されるが、前記pHの範囲を満たしていれば前記活性度の範囲のものでも、それ以外のものでも使用可能である。塩基性アルミナとしては、当該分野で通常知られている公知のものであれば良く、いわゆるαアルミナ以外のアルミニウム酸化物(遷移アルミナ)が挙げられる。これは、一種のみを用いても良く、二種類以上を用いても良い。
メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを水の存在下、珪藻土および/または塩基性アルミナと同時に接触させる方法は、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを含む溶液、水、珪藻土および/または塩基性アルミナを任意の順序で容器に投入し、攪拌することによって行う。必要に応じて、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートに不活性な溶媒を加えて混和させてもよい。溶媒の種類およびその使用量としては前記エステル交換反応と同様の条件が使用できる。
水は、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートに対し任意の量が使用可能である。好ましくは、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート1質量部に対して、0.001〜0.1質量部であることが好ましい。珪藻土および塩基性アルミナは、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートに対し任意の量が使用可能である。具体的には、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートに対し、それぞれ0.001〜1000質量部の珪藻土および/または0.001〜1000質量部の塩基性アルミナを使用することが好ましい。
メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを水、珪藻土、塩基性アルミナと同時に接触させる時間は、水、珪藻土および/または塩基性アルミナを全て添加した時点から10分〜24時間が好ましい。10分以上とすることで、着色原因物質の除去を充分に行うことができ、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの着色が十分に低減される。24時間以内とすることで、処理効率が大きく向上する。処理を行うときの温度としては、系内の温度が10〜80℃が好ましく、15〜50℃がより好ましい。10℃以上とすることで、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの粘度が低くなり操作性が向上する。80℃以下とすることで、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解を抑制することができる。また、前記の着色物質の除去の際には、公知の重合防止剤を使用することができる。重合防止剤の種類および使用方法としては、前記エステル交換反応と同様の条件を使用することができる。
メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートを水、珪藻土および/または塩基性アルミナと同時に接触させた後、不溶化した触媒、珪藻土、塩基性アルミナ、ごみなどの不溶性の不純物を取り除くためにろ過を行うことが好ましい。ろ過は、加圧ろ過でも減圧ろ過でもよい。また、この際、ろ過の負荷防止のために、ろ過助剤として珪藻土などを使用してもよい。ろ過の際の温度は、10〜80℃が好ましい。低すぎると、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの粘性が高くなり操作性が低下することから20℃以上が好ましい。高すぎると、メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートの分解反応が起こるが懸念されることから60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。
メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、ラジカル重合性であり、種々の(メタ)アクリル酸エステルと共重合することができる。使用できる(メタ)アクリル酸エステルには、(メタ)アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。共重合体は光重合、塊状熱重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など重合形態によって作製することができ、適宜、水や有機溶剤を添加した状態で重合してもよい。
ラジカル重合性ポリエーテルジ(メタ)アクリレート単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体を共重合して得られる重合体は、例えば以下の(1)または(2)のように製造することができる。
(1)用途に応じた鋳型を用意し、ガスケット等を介して重合開始剤を含む本重合性組成物を注入し、その鋳型の片側もしくは両側からの活性エネルギー線の照射や加熱処理により重合性組成物を硬化させる。
(2)連続するシート状物上に重合性組成物の連続塗膜を形成し、連続的に加熱又は活性エネルギー線照射により重合性組成物の塗膜を重合させ、その後、得られた重合性組成物の塗膜の重合物である重合体をシート状物から剥離する。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メチルフェニルグリオキシレート、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパン−ジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジメトキシフォスフィンオキサイドが挙げられる。これらは一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベインゾイル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤が挙げられる。これらは一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性ポリエーテルジ(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸エステル単量体と重合開始剤からなる重合性組成物には、必要に応じて離型剤を配合することができる。離型剤の配合量としては、剥離性を良好にする点から、重合開始剤を添加する前の重合性組成物100質量部に対して0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましい。
このような離型剤としては、例えば、日本サイテックインダストリーズ(株)製のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾル OT−100)、城北化学工業(株)製のリン酸ジエチルエステルとリン酸モノエチルエステルの55:45の混合物(商品名:JP−502)が挙げられる。
本発明の実施形態による重合性組成物には、必要に応じて、滑剤、可塑剤、抗菌剤、防カビ剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、染料、帯電防止剤、熱安定剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明のメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートは、低温で結晶化を起こさないラジカル重合性ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートであり、ポリマーの柔軟成分として利用する際に低温条件での作業性に優れる。
以下、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[参考例1]
<メチル置換ポリエーテルグリコールの合成>
攪拌器と冷却管を付けた3000mLのフラスコに、テトラヒドロフラン1000gと3−メチルテトラヒドロフラン300gを入れ、これに、特開平9−67434号公報に記載の方法によって調製したK2.01.0PW1240を10g加えた。無水酢酸30g、酢酸10gを添加し、60℃で4時間攪拌した。その後、ヘキサンを入れて希釈した後、セライトをろ過助剤として用いてろ過した。ろ液を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を減圧留去することで液状のポリマーを取得した。赤外吸収スペクトルとNMR測定の結果から、取得物は両末端エステルであった。
これを攪拌器と冷却管を付けた3000mLのフラスコに入れ、アセトニトリルに溶解した後、水酸化ナトリウム水溶液を入れ加熱することで、両末端を水酸基に変換した。ヘキサン、水を入れ、抽出操作を行った後、溶媒を減圧留去することで液状の生成物を取得した。得られたメチル置換ポリエーテルグリコールは、数平均分子量1000、Mw/Mn=2.1であった。
<色調の測定方法>
塩化白金酸カリウム(PtCl・2KCl)1.245gと結晶塩化コバルト1.009gとを塩酸100mlに溶解し、水を加えて全量が1000mlになるようにした。この溶液10、20、30、50及び100mlをそれぞれ希釈して500mlとし、色調の標準溶液とした。これらの標準溶液は、APHAの10、20、30、50及び100にそれぞれ相当する。これらの標準溶液をそれぞれ5cmの石英セルに入れ、紫外可視分光光度計(商品名:UV−1700、(株)島津製作所製)を使用し、417nmの吸光度を求めた。これにより、各標準溶液のAPHAの値と吸光度の検量線を作成した。同様の方法で測定試料の417nmの吸光度を測定し、検量線から測定試料の色調(APHA)を算出した。
[実施例1]
<エステル交換法によるPTGLM−1000の合成>
メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート[PTGLM−1000]は、以下に示す方法により合成した。
精留塔(内径35mm、理論段数20段)、攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。フラスコに、参考例1に記載の方法で製造したメチル置換ポリエーテルグリコール900g、メタクリル酸メチル(MMA)1070g、次亜リン酸ナトリウム1.9gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.5gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリングおよび攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温100〜110℃でMMAと水を共沸により抜き出した。カールフィッシャー水分測定装置(商品名:CA−21、(株)三菱化学アナリティック製)を用いてフラスコの内液の水分量を分析し、水分量が45ppmであることを確認した後、チタン酸テトラ−n−ブチルを10.1g添加した。その後内温100〜120℃で塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調整して、MMAとメタノールを共沸により抜き出しながら、反応を実施した。核磁気共鳴装置(商品名:JNM−EX270、日本電子(株)製)を用いて反応液の分析を行い、原料のメチル置換ポリエーテルグリコールが検出されないことを確認した後、内温を40℃に下げた。
反応液に水54gと珪藻土116gを加えて1時間攪拌した後、4μmのろ紙を用いて室温にてろ過を行った。得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、MMAを留去した。ヘキサンを1.2L加えて溶解させた後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液100gで洗浄し、500mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。得られたPTGLM−1000は、収量980g、収率96%、であった。また、色調は22であった。NMR測定による解析を行ったところ、PTGLM−1000中に式(3)で表される構成単位を14質量%含んでいた。
[実施例2]
<エステル交換法によるPTGLA−1000の合成>
メチル置換ポリエーテルグリコールグリコールジアクリレート[PTGLA−1000]は、以下に示す方法により合成した。
精留塔(内径35mm、理論段数20段)、攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。フラスコに参考例1に記載の方法で製造したメチル置換ポリエーテルグリコール900g、アクリル酸メチル1550g、次亜リン酸ナトリウム1.9gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.8gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリングしながら攪拌した。カールフィッシャー水分測定装置(商品名:CA−21、(株)三菱化学アナリティック製)を用いてフラスコの内液の水分量を分析し、水分量が50ppmであることを確認した後、チタン酸テトラ−n−ブチルを10.4g添加した。その後内温80〜100℃で塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調整して、アクリル酸メチルとメタノールを共沸により抜き出しながら、反応を実施した。核磁気共鳴装置(商品名:JNM−EX270、日本電子(株)製)を用いて反応液の分析を行い、原料のメチル置換ポリエーテルグリコールが検出されないことを確認した後、内温を40℃に下げた。
反応液に水54gと珪藻土116gを加えて1時間攪拌した後、4μmのろ紙を用いて室温にてろ過を行った。得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、アクリル酸メチルを留去した。ヘキサンを1.2L加えて溶解させた後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液100gで洗浄し、500mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。得られたPBOLA−1000は、収量986g、収率92%であった。また、色調は26であった。NMR測定による解析を行ったところ、PTGLA−1000中に式(3)で表される構成単位を14質量%含んでいた。
[ 参考例2]
<PBOM−1000の合成>
ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート[PBOM−1000]は、以下に示す方法により合成した。
精留塔(内径35mm、理論段数20段)、攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。フラスコに、ポリテトラメチレングリコール(商品名PTG−1000、数平均分子量1000、三菱化学(株)製)600g、メタクリル酸メチル(MMA)1150g、次亜リン酸ナトリウム2.5gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.5gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリングおよび攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温100〜110℃でMMAと水を共沸により抜き出した。カールフィッシャー水分測定装置(商品名:CA−21、(株)三菱化学アナリティック製)を用いてフラスコの内液の水分量を分析し、水分量が32ppmであることを確認した後、チタン酸テトラ−n−ブチルを5.0g添加した。その後内温100〜120℃で塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調整して、MMAとメタノールを共沸により抜き出しながら、反応を実施した。核磁気共鳴装置(商品名:JNM−EX270、日本電子(株)製)を用いて反応液の分析を行い、原料のポリテトラメチレンエーテルグリコールが検出されないことを確認した後、内温を40℃に下げた。
反応液に水36gと珪藻土75gを加えて1時間攪拌した後、4μmのろ紙を用いて室温にてろ過を行った。得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、MMAを留去した。ヘキサンを1.2L加えて溶解させた後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液130gで洗浄し、330mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。得られたPBOM−1000は、収量969g、収率95%であった。また、色調は24であった。
[参考例3]
<PBOA−1000の合成>
ポリテトラメチレングリコールジアクリレート[PBOA−1000]は、以下に示す方法により合成した。
精留塔(内径35mm、理論段数20段)、攪拌羽根、温度計及びエアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。フラスコに、ポリテトラメチレングリコール(商品名PTMG−1000、数平均分子量1000、三菱化学(株)製)600g、アクリル酸メチル1030g、次亜リン酸ナトリウム1.3gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.5gを入れた。フラスコの内液をエアーバブリングしながら攪拌した。カールフィッシャー水分測定装置(商品名:CA−21、(株)三菱化学アナリティック製)を用いてフラスコの内液の水分量を分析し、水分量が48ppmであることを確認した後、チタン酸テトラ−n−ブチルを7.0g添加した。その後内温80〜100℃で塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調整して、アクリル酸メチルとメタノールを共沸により抜き出しながら、反応を実施した。核磁気共鳴装置(商品名:JNM−EX270、日本電子(株)製)を用いて反応液の分析を行い、原料のポリテトラメチレンエーテルグリコールが検出されないことを確認した後、内温を40℃に下げた。
反応液に水36gと珪藻土75gを加えて1時間攪拌した後、4μmのろ紙を用いて室温にてろ過を行った。得られたろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、アクリル酸メチルを留去した。ヘキサンを0.8L加えて溶解させた後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液130gで洗浄し、330mlの水で3回洗浄した。洗浄後、減圧にして加熱し、ヘキサンを留去した。得られたPBOA−1000は、収量912g、収率94%であった。また、色調は28であった。
ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート単量体、およびその共重合体の評価は以下の方法により実施した。
<融解温度>
示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下、−50℃から100℃の温度範囲において10℃/minの昇温速度でDSC測定を行った。融解に由来する吸熱ピークを融解温度として求めた。
<粘度>
円錐平板型回転式粘度計を用いて、20℃および5℃における粘度を測定した。
<アクリルフィルムの製作>
ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート20質量%、メタクリル酸メチル80質量%(商品名:アクリエステルM、三菱レイヨン(株)製)、ポリエーテルとメタクリル酸メチルを合わせたモノマー混合物100質量部に対して重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)0.3質量部を添加して重合性組成物を得た。さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(商品名:エアロゾルOT−100、日本サイテックインダストリーズ(株)製)0.05質量部を添加、混合し、その後、減圧下で脱気処理を行った。
縦300mm及び横300mmのガラス板を、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して0.5mm間隔で相対させて鋳型を形成し、形成された鋳型内に上記に示した離型剤を添加した重合性組成物を注入した。次いで、この鋳型へ、ケミカルランプを使用してピーク照度2.1mJ/cm2で120分間、光照射し、離型剤を添加した重合性組成物の光重合を行い、次いで120℃の空気炉で30分加熱して重合を完了させた。その後、鋳型を室温まで冷却し、型枠を脱枠して、平均厚さ約500μmのアクリルフィルムを得た。
ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート単量体(A)とメタクリル酸メチル単量体(B)を共重合して得られるアクリルフィルムの評価は以下の方法により実施した。
<破断伸度>
JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を5枚作製した。得られた試験片について、引張試験機(商品名:ストログラフT、(株)東洋精機製作所製)を使用して室温23℃及び引張速度500mm/分で5回の引張試験を実施し、破断伸度を平均値として求めた。
<弾性率>
JIS K6251に準拠して、スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を5枚作製した。得られた試験片について、引張試験機(商品名:ストログラフT、(株)東洋精機製作所製)を使用して室温23℃及び引張速度500mm/分で5回の引張試験を実施し、その時の応力歪み曲線の接線の平均値を求め、弾性率とした。
<ガラス転移温度(Tg)>
スーパーダンベルカッター(商品名:SDK−100D、(株)ダンベル製)を用いてダンベル状1号型のアクリルフィルムの試験片を作製し、両端を切断した。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(商品名:EXSTARDMS6100、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用して、周波数1Hz、温度範囲30〜150℃、昇温速度2℃/分の測定条件で測定し、得られた温度−tanδ曲線の極大値を示すときの温度をガラス転移温度(Tg)とした。
<ヘイズ>
5cm角に切り出したアクリルフィルムをJIS K7105に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いてヘイズ値を測定した。
<全光線透過率>
5cm角に切り出したアクリルフィルムをJIS K7361−1に準拠して、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業(株)製)を用いて全光線透過率を測定した。
[実施例3、比較例1、2]
実施例3では、ポリエーテルグリコールジメタクリレートとして、実施例1で合成したPTGLM−1000を用いた。比較例1では、ポリエーテルグリコールジメタクリレートとして、市販されているPBOM−650(商品名:アクリエステルPBOM、三菱レイヨン(株)製)を用いた。比較例2では、ポリエーテルグリコールジメタクリレートとして、参考例2で合成したPBOM−1000を用いた。
ポリエーテルグリコールジメタクリレート単量体の融解温度、粘度を測定した。また、アクリルフィルムの破断伸度、弾性率、ガラス転移温度(Tg)、ヘイズ、全光線透過率を測定した。結果を表1に示す。実施例3のPTGLM−1000では、その単量体の融解温度は、比較例2のPBOM−1000よりも低かった。また、アクリルフィルムの破断伸度は、比較例1のPBOM−650よりもはるかに大きく、比較例2のPBOM−1000よりも大きかった。
[実施例4、比較例3]
実施例4では、ポリエーテルグリコールジアクリレートとして、実施例2で合成したPTGLA−1000を用いた。比較例3では、ポリエーテルグリコールジアクリレートとして、参考例3で合成したPBOA−1000を用いた。
ポリエーテルグリコールジメタクリレート単量体の融解温度、粘度を測定した。結果を表2に示す。実施例4のPTGLA−1000では、その単量体の融解温度は、比較例3のPBOA−1000よりも低かった。

Claims (4)

  1. 式(1)で表されるメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート。

    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。Zは式(2)および式(3)を構成単位とする繰り返し構造を示し、式(3)で表される構成単位を式(1)中に4質量%以上50質量%未満含む。)


    (式(3)中、R、Rの一方は水素原子を示し、もう一方はメチル基を示す。)
  2. 数平均分子量が700以上5000未満である請求項1に記載のメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート。
  3. 請求項1に記載のメチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体。
  4. (メタ)アクリル酸エステルが(メタ)アクリル酸メチルである請求項4に記載の共重合体。
JP2013110281A 2013-05-24 2013-05-24 メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート Pending JP2014227526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013110281A JP2014227526A (ja) 2013-05-24 2013-05-24 メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013110281A JP2014227526A (ja) 2013-05-24 2013-05-24 メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014227526A true JP2014227526A (ja) 2014-12-08
JP2014227526A5 JP2014227526A5 (ja) 2016-03-03

Family

ID=52127694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013110281A Pending JP2014227526A (ja) 2013-05-24 2013-05-24 メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014227526A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04164910A (ja) * 1990-10-26 1992-06-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びそれを含む注型重合用樹脂組成物
JPH09263632A (ja) * 1996-03-29 1997-10-07 Hodogaya Chem Co Ltd アクリル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘 導体
JP2001172383A (ja) * 1999-10-08 2001-06-26 Takemoto Oil & Fat Co Ltd ポリエーテルエステル単量体の製造方法及びセメント分散剤
JP2005538238A (ja) * 2002-09-12 2005-12-15 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ポリテトラヒドロフランおよびテトラヒドロフランコポリマーのモノエステルおよびジエステルの製法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04164910A (ja) * 1990-10-26 1992-06-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びそれを含む注型重合用樹脂組成物
JPH09263632A (ja) * 1996-03-29 1997-10-07 Hodogaya Chem Co Ltd アクリル基と水酸基を含有するポリオキシアルキレン誘 導体
JP2001172383A (ja) * 1999-10-08 2001-06-26 Takemoto Oil & Fat Co Ltd ポリエーテルエステル単量体の製造方法及びセメント分散剤
JP2005538238A (ja) * 2002-09-12 2005-12-15 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ポリテトラヒドロフランおよびテトラヒドロフランコポリマーのモノエステルおよびジエステルの製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1430637A (zh) 具有高的伯端羟基比率的聚碳酸酯二醇
JP2000313721A (ja) 新規ヒドロキシル基含有共重合体とその製造方法
KR102038114B1 (ko) 광학 점착제용 (메타)아크릴레이트기 함유 벤조페논의 제조방법 및 광학 점착제 조성물
TW201118066A (en) Cyclic (meth)acrylates and process for preparation thereof
JP5998224B2 (ja) 急速分解性ポリエステルポリマーおよびその製造方法およびその使用
WO2018166413A1 (zh) 一种由全氟烷基缩水甘油醚与多元环醚共聚的易溶侧链含氟共聚醚二醇
JP4822751B2 (ja) 共重合体およびその製造方法
JP2546124B2 (ja) 多官能性(メタ)アクリレートの製造方法
JP2014227526A (ja) メチル置換ポリエーテルグリコールジ(メタ)アクリレート
JP2013108074A (ja) 環状アルキレン基を有するポリアルキレンカーボネートジオール及びその共重合体並びにそれらの製造方法
JP2005113049A (ja) 新規な脂環式ビニルエーテル類の重合体
CN105061738B (zh) 一种聚酯型丙烯酸uv固化单体及其制备方法和应用
JP5392502B2 (ja) 4−(置換カルボニルオキシ)−1−ナフチル(メタ)アクリレート化合物、その製造方法及びそれらを重合してなる重合物
EP2938606B1 (en) High refractive (meta) acrylate derivative and method for preparing the same
CN110746354B (zh) 一种丙烯酸酯类化合物及制备方法与应用
JP7375418B2 (ja) 化合物の製造方法、及び重合体の製造方法
EP0151495B1 (en) Polyfunctional acrylate derivatives of caprolactone-polyols
JPH0791262B2 (ja) 新規な含硫脂肪族(メタ)アクリレ−ト
JPS6143623A (ja) ポリカプロラクトン変性ヒドロキシアルキルアクリル酸またはメタクリル酸エステルの製造法
JP3649477B2 (ja) 透明耐熱性樹脂
JP4506237B2 (ja) ポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法
KR20110038018A (ko) 폴리알킬렌 글리콜 디(메트)아크릴레이트의 제조 방법
CN116376000A (zh) 一种高折射聚合物和制备方法及应用
JP2023137519A (ja) ポリデカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、重合体、樹脂組成物、単量体組成物、及び製造方法
JP2005089359A (ja) [4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレート

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160114

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170627