JP2014226888A - 画像形成装置、画像形成方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】インクリボンに塗布されたインクを有効活用することで、インクリボンの無駄を削減し、且つ高品位な画像を形成できるようにする。
【解決手段】画像形成装置100は、第一のサイズと、第一のサイズの副走査方向の長さに対して少なくとも二倍の長さを有する第二のサイズとの二種類を印画でき、第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層1Y、1M、1C、1OCを有するインクリボン1を使用して、一色ごとに、インク層1Y、1M、1Cの一画面を複数に分割し、分割したインク層1Y、1M、1Cを複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画する。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱転写式の画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。特に、一種類のサイズのインクリボンを用いて、第一のサイズと、この第一のサイズに対して少なくとも二倍の大きさである第二のサイズとの二種類のサイズの画像を印画できる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
近年、装置の小型化が比較的容易な熱転写方式の画像形成装置が、広く普及している。熱転写方式の画像形成装置は、用紙の幅方向(主走査方向)に延びる長尺のサーマルヘッドを用いて一括して一ライン分を記録しながら、副走査方向へ用紙を搬送する。これにより画像を形成する。サーマルヘッドには、複数の発熱体が主走査方向に配列されている。そして、ドライバ回路などの制御手段が、これらの複数の発熱体の発熱タイミングを制御する。
熱転写方式の画像形成装置は、印画時において、サーマルヘッドとプラテンローラとによってインクリボンと用紙とを適当な密着状態とする。そして画像情報に基づいてサーマルヘッド上の発熱体を発熱させ、インクリボン上に塗布されたインクを用紙表面の印画領域に対して転写する。カラー画像を印画する場合は、こうした加熱転写を、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクについて行い、各色のインクを順次重ねることで所望の印画像を得る。
用紙としては、様々な要望に応じて、2Lサイズ、Lサイズ、ポストカードサイズ等、複数のサイズが用意されている。そして、それらの印画領域は、予め規格によって定められている。従来では、こうした用紙の各サイズに対応して、それぞれ専用のインクリボンを用意するのが一般的であった。これは、詳しくは後述するが、インクリボンにおけるインク層の画面の大きさが、用紙の印画領域に依存しているためである。このように、専用のインクリボンを用いる構成であると、メーカーは、異なる複数の用紙サイズを想定して、仕様の異なる複数の専用のインクリボンを提供しなければならなかった。このため、製造コストが増大していた。それと同時にユーザーも、対応するインクリボンを正しく選ぶ必要があり、かつ、用紙のサイズを変更する度にインクリボンを一緒に交換しなければならないといった手間が必要であった。
そこで、先行技術には、同一のインクリボンを用いて、第一のサイズの用紙と、それより大きな第二のサイズの用紙との二種類の印画を可能とした構成が提案されている。
たとえば、特許文献1には、標準となる第一のサイズと、横幅が第一のサイズよりも広い第二のサイズ(例えば副走査方向の長さが二倍や三倍のパノラマに相当するサイズ)との二種類を印画可能とする構成が開示されている。そして、特許文献1には、インクリボンの長さを、第二のサイズに合わせて製造する構成が開示されている。このような構成であれば、パノラマサイズよりも小さい、第一のサイズの印画を行う場合であっても、一種類のインクリボンを共通して使用することができる。これによって、仕様の異なる複数のインクリボンを提供する必要がなくなり、製造コストの削減を図ることができる。それと共に、対応するインクリボンを正しく選び、用紙のサイズを変更する度に交換するという手間が無くなることで、取り扱いが容易となる。
なお、インクリボンが第二のサイズに対応するサイズであると、第一のサイズの用紙に印画する場合には、インクリボンの約半分が未使用領域となる。このため、塗布されたインクに無駄が多くなる。そこで、特許文献1に記載の構成では、インクリボンを未使用領域まで巻き戻し、再度頭出ししている。このような構成によれば、効率的にインクを消費することができる。しかしながら、特許文献1に記載の構成では、少なくともインクリボンの巻き戻し機構が必要となる。このため、画像形成装置の大型化やコストアップを避けることはできず、従来の構成に対して優位性があるとは言い難い。
そこで、こうした技術的な課題を解決できる構成としては、特許文献2がある。特許文献2に記載の構成は、ハーフサイズである第一のサイズと、通常サイズである第二のサイズとを印画可能である点については、特許文献1に記載の構成と同様である。ただし、特許文献2に記載の構成は、第二のサイズに合わせたインクリボンを使用し、第一のサイズを印画する際に、インクリボンの一画面を二分割し、第一のサイズの二枚分を一度にまとめて印画するものである。この印画方法であれば、インクリボンに未使用領域が発生し難く、塗布されたインクを無駄にすることが少ない。更に、インクリボンの巻き戻し機構などは必要なく、従来の画像形成装置に対しても適用可能である。
特開平11−245493号公報 特開2002−283648号公報
しかしながら、特許文献2に記載の構成は、全ての使用状況に対して有効なわけではない。例えば、ハーフサイズである第一のサイズを奇数ページ印画する場合、インクリボンに未使用領域が発生する。このため、一枚毎にハーフサイズを印画するユーザーにとっては、結果的にインクの約半分が無駄となり、従来技術に対しての優位性はない。これは稀なケースではなく、市場における一般的な使用状況を考慮すると、特許文献2の先行技術は、必ずしも経済的とは言えない。
このほか、この種の画像形成装置には、更なる階調性の向上や濃度ムラの改善など、より高品位な画像形成を可能とする方法が要求されている。
そこで本発明の目的は、共通のインクリボンで異なるサイズを印画する構成において、インクリボンに塗布されたインクを有効活用することで、インクリボンの無駄を削減し、且つ高品位な画像を形成できるようにすることである。
前記課題を解決するため、本発明は、第一のサイズと、前記第一のサイズの副走査方向の長さに対して少なくとも二倍の長さを有する第二のサイズとの二種類を印画できる画像形成装置において、前記第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層を有するインクリボンを使用して、一色ごとに、一画面の前記インク層を複数に分割し、分割したインク層を複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも二種類の異なるサイズの印画物を得る場合、一種類のインクリボンを共通して使用することができる。これにより、従来複数あったインクリボンの種類を集約することができ、製造コストの削減を図ることができる。またユーザーに対しても、正しいインクリボンを選択し、用紙変更の度に交換するという手間が少なくなり、取り扱いが容易である。
更に本発明によれば、第一のサイズを印画する際、インクリボンにおける一画面分を複数に分割し、同一の印画領域に重ねて一枚分の印画を行う。こうすることで、理論上の階調数を増やすことが可能となり、従来よりも鮮明で、階調性豊かな印画物を得ることができる。また、従来と同じ濃度の印画を行う場合でも、一度の加熱転写にかける熱量を分散し抑えることができるため、例えば用紙の熱変形の他、サーマルヘッド上に形成された発熱体や、インクリボンへのダメージを軽減できる。
本発明の実施形態に適用できるインクリボンの概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態における、第一のサイズの用紙に印画する際の、インクリボンと用紙との位置関係を示した模式図である。 本発明の実施形態における、第二のサイズの用紙に印画する際の、インクリボンと用紙との位置関係を示した模式図である。 本発明の実施形態における、画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態における、画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における画像情報の分配方法を模式的に示す図であり、(a)は第一のサイズの用紙に形成された画像を示す模式図、(b)は画像情報を分割した際の一回目に印画する階調データを示す模式図、(c)は二回目に印画する階調データを示す模式図である。 (a)は本発明の実施形態における、取り込んだ画像情報の取り扱いに関する処理動作を示すフローチャートであり、(b)は本発明の実施形態における、イエローの階調データを分割する際の処理動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における、発熱の順序を入れ換える制御に関し、一回目の印画で形成される画素を示す模式図である。 本発明の実施形態における、発熱の順序を入れ換える制御に関し、二回目の印画で形成される画素を示す模式図である。 本発明の実施形態における、第一のサイズの用紙に印画する際の、一連の処理動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面に従って詳細に説明する。尚、各図面を通して同一符号は、共通の構成を示すものである。
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に使用できるインクリボン1の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に使用できるインクリボン1の一部を示す模式図である。インクリボン1は、第一のサイズと、第一のサイズより大きい第二のサイズとの二種類のサイズの両方の印画に対応する。
図1中の矢印Xは印画方向である。インクリボン1に塗布されたインクは、印画方向Xの上流側から順に、サーマルヘッド(印画ヘッド)による加圧と加熱によって、用紙Pに転写されていく。
1aは、耐熱性の基材シートである。基材シート1aは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などにより形成される。基材シート1aの用紙Pに触れる側には、インク層が形成されており、サーマルヘッド(印画ヘッド)に触れる側は背面層となっている。基材シート1aには、イエローY、マゼンタM、シアンCの各昇華インクからなるインク層1Y、1M、1Cと、オーバーコートOCの溶融インクからなるインク層1OCとが、印画方向に周期的に繰り返して現れるように、一画面毎に順に並べて形成されている。これらのインク層1Y、1M、1C、1OCの一画面は、第二のサイズP2の印画に対応する大きさに形成される。具体的には、各インク層1Y、1M、1C、1OCの一画面は、インクリボン1と用紙との位置精度や搬送精度を考慮して、用紙Pの印画領域の最大範囲を覆うことができるように、最大範囲以上の大きさに設定されている。すなわち、各インク層1Y、1M、1C、1OCの一画面の大きさは、第二のサイズP2の印画領域の大きさ以上に(より好適には、わずかに大きく)なっている(図2参照)。
1bは遮光マーカーである。遮光マーカー1bは、各昇華インクのインク層1Y、1M、1Cおよび溶融インクのインク層1OCの先頭位置に設けられる。遮光マーカー1bは黒色の線であり、光を遮蔽するものである。また、遮光マーカー1bの印画方向の前後には、昇華インクのインク層1Y、1M、1Cも溶融インクのインク層1OCも形成されていない領域が形成される。基材シート1aは透明なフィルムである。したがって、遮光マーカー1bの前後は、光を通過する透明な領域となっている。このように、遮光マーカー1bの検知が容易な構成となっている。
イエローY、マゼンタM、シアンCの各昇華インクのインク層1Y、1M、1CとオーバーコートOCの溶融インクのインク層1OCは、半透明であり、いずれも光を透過する。イエローYのインク層1Yの先頭位置には、2本の遮光マーカー1bが設けられ、他のインク層1M、1C、1OCの先頭位置には1本の遮光マーカー1bが形成される。これにより、イエローYのインク層1Yを他のインク層1M、1C、1OCから区別できる。そして、インクリボン検知センサ20は、二本の遮光マーカー1bを、最初に印画するイエローYのインク層1Yの先頭位置として検知する。
次に、本発明の実施形態にかかる画像形成方法について、図2と図3を参照して説明する。図2は、本実施形態において、第一のサイズの用紙P1に、イエローYのインクを二回(複数回)に分けて重ねて転写する際のイエローYのインク層1Yと第一のサイズの用紙P1との関係を示す模式図である。図3は、第二のサイズの用紙P2に、イエローYのインクを従来と同じく一回で転写する際の第二のサイズの用紙P2とイエローYのインク層1Yとの関係を示す模式図である。なお、図2および図3では、説明のための例として、イエローYのインク層1Yのみを示している。他のインク層1M、1C、1OCについても、イエローYのインク層1Yと同様であるため、説明を省略する。
図2に示すP1は、第一のサイズの用紙である。図3に示すP2は、第二のサイズの用紙である。本実施形態では、いわゆる縁なし印画を想定して説明する。縁なし印画とは、用紙P1、P2の全面に画像を形成し、用紙P1、P2の縁に余白が形成されない印画方法をいうものとする。また本実施形態では、標準となる第一のサイズとは、Lサイズに相当する89mm×127mmであるものとする。また、第一のサイズに対して二倍以上となる第二のサイズとは、2Lサイズに相当する127mm×178mmであるものとする。そして、インクリボン1の各インク層1Y、1M、1C、1OCは、第二のサイズの印画に対応する。すなわち、各インク層1Y、1M、1C、1OCの主走査方向の長さ(幅)L1は、第一のサイズの用紙P1(Lサイズ)の長辺方向の127mm以上であり、かつ、第二のサイズの用紙P2(2Lサイズ)の短辺方向の127mm以上である。更に、副走査方向の長さL2は、第二のサイズの用紙P2(2Lサイズ)の長辺方向の178mm以上である。
図3に示すように、インクリボン1を使用して、第二のサイズの用紙P2に印画を行う場合には、第二のサイズの用紙P2の短辺方向をインクリボン1の主走査方向に平行とし、長辺方向を副走査方向に平行とすればよい。一方、図2に示すように、第一のサイズの用紙P1に印画を行う場合は、第一のサイズの用紙P1の長辺方向をインクリボン1の主走査方向に平行とし、短辺方向を副走査方向に平行とすれば良い。このようにすると、図2に示すように、第一のサイズの用紙P1を印画する際に、各インク層1Y、1M、1C、1OCを副走査方向の前半と後半とで分割することができる。そして、各インク層1Y、1M、1C、1OCの前半を使用して第一の用紙P1に印画した後、更に後半を使用して、同一の印画領域に対して重ねて印画することが可能となる。このように、第二のサイズの用紙P2が第一のサイズの用紙P2の二倍のサイズである場合には、インクの無駄を少なくすることができる。
なお、第一のサイズをLサイズとした場合には、第二のサイズとしては、2Lサイズの他に、例えばパノラマサイズ(89mm×254mm)などが適用できる。また、第一のサイズを、ポストカードサイズの100mm×148mmとした場合には、第二のサイズとしては、A5サイズ(148mm×210mm)などが適用できる。ただし、用紙のサイズは限定されるものではなく、必ずしもこうした規格に従わなくてもよい。要は、第二のサイズが第一のサイズの二倍以上であれば適用できるものである。また分割の回数についても、複数回であれば本発明の目的は達成できる。本実施形態では単純化のため、用紙サイズを二種類とし、分割の回数を二回として説明するが、複数回に分割する構成であればよく、分割の回数は限定されるものではない。そして、インクリボン1の各インク層1Y、1M、1C、1OCは、第一のサイズと、第一のサイズの二倍以上の大きさの第二のサイズの二種類のサイズの印画に対応する大きさであればよい。
以下、本発明の実施形態にかかる画像形成方法を適用して得られる効果について、詳細に説明する。元来、サーマルヘッド7による加熱転写においては、実現できる階調数に限界がある。例えば、家庭用として実用化されている熱転写方式の画像形成装置は、発熱タイミングの精度の制約があるため、最大を256階調とする制御が主流となっている。しかしながら、実際には、得られる階調性が損なわれることがある。その要因には、インクリボン1と用紙Pとの密着力のばらつきや、インク層1Y、1M、1C、1OCの濃度むらや、サーマルヘッド7における電流や熱の損失や、環境温度の影響などがある。そのため、更なる多階調を実現するような画像形成方法が望まれていた。
本実施形態では、図2に示すように、イエローY、マゼンタM、シアンCの三色で構成されるカラー画像を、第一のサイズの用紙P1に印画する場合に、各色のインクによる印画(インクの転写)を二回(複数回)に分けて重ねて行う。この際に、一回目に印画する濃度と二回目に印画する濃度とを、それぞれ所定の濃度となるように制御する。たとえば、イエローY、マゼンタM、シアンCの各色を256階調の濃度で印画する場合には、一回目の印画を半分の128階調とし、二回目の印画を残り半分の128階調とすることで、合計を256階調とする。また、最大階調を増やし、より高濃度の印画物を得たい場合には、一回目および二回の印画をいずれも最大256階調とすることにより、合計を理論上512階調とすることができる。なお、一回目および二回目の印画の階調数は、必ずしも同じ数値である必要はなく、それぞれを個別に振り分けることが可能である。なお、印画の回数は二回に限定されるものではない。複数回にわたって印画を行う構成に適用できる。例えば、三回以上にわたって印画を行う構成であってもよい。この場合には、一回目の印画の濃度と二回目以降の印画の濃度とを、それぞれ所定の濃度となるように制御する。
ところで、従来の画像形成方法では、各色の印画を開始する直前に、その都度、遮光マーカー1bの検知を行うのが一般的であった。例えば、最初の色であるイエローYの印画が完了すると、次の色であるマゼンタMの頭出しを行うためにインクリボン1を搬送し、遮光マーカー1bの検知を行う。これに対して、本実施形態では、図1に示すように、最初の色であるイエローYの印画が完了した後、インクリボン1は停止させたままの状態で、第一のサイズの用紙P1を書き出し位置へ移動させ、再度イエローYの印画を重ねて行う。
次に、本発明の実施形態にかかる画像形成装置100の要部の構成および機能を、図4を参照して説明する。なお、従来の画像形成装置と共通の一部の構成については、図示および説明を省略する。
用紙Pはロール紙である。用紙Pとしてのロール紙は、任意の長さで切り分けることにより、第一のサイズの用紙P1や第二のサイズの用紙P2など、異なるサイズの印画物を任意で提供することが可能である。ロール紙は、連続した帯状の用紙をロール状に巻き回したものであり、小さいスペースに多量の用紙を収納できるといったメリットがある。また、複数の画像をまとめて連続して印画する際、引き出されたロール紙に続けて次々と複数の画像を形成していくことで印画時間を短縮できるため、高速化を実現し易いというメリットもある。
2はロール紙カセットである。ロール紙カセット2は、用紙Pをボビン2aに巻き回した状態で内部に保持する。ロール紙カセット2には、内部から用紙Pを引き出せるように、外周面の一部にスリット状の出口が設けられている。また、分離部材2bの先端部が、バネ部材の付勢により、常にロール状の用紙Pの最外周面に押し付けられている。
3は給紙ローラである。給紙ローラ3は、用紙Pの給紙手段として機能する。給紙ローラ3は、金属から成る軸部とゴム部とで構成される能動ローラである。給紙ローラ3の軸部の片側の端部には、不図示のギアが圧入されている。そして、給紙ローラ3は、軸部とゴム部とギアとがユニット化されている。給紙ローラ3は、紙送りモータ24とギア列を介して常時連結されており、給紙方向と収納方向の両方向に回転できる。給紙ローラ3が給紙方向に回転すると、用紙P(ロール紙)はボビン2aと共に回転する。そして、分離部材2bは、回転する用紙Pの先端をすくい上げ、用紙Pをロール紙カセット2の出口へとガイドする。なお、本実施形態では、給紙手段として給紙ローラ3を用いているが、給紙手段の構成は限定されるものではない。例えば、給紙手段として、ボビン2aを回転させる構成や、用紙Pの先端を保持して引き出す機構などでもよい。
4はキャプスタンローラであり、5はピンチローラである。キャプスタンローラ4およびピンチローラ5は、搬送手段として機能する。キャプスタンローラ4は能動ローラであり、給紙動作後に主となって用紙搬送を行う。ピンチローラ5はキャプスタンローラ4の従動ローラであり、弾性部材でキャプスタンローラ4の軸部に弾性的に付勢されている。
6はデカーラーである。デカーラー6は、用紙Pのカールを矯正する矯正手段として機能する。本実施形態では、デカーラー6は、金属のローラで構成されている。デカーラー6は、印画動作中に、用紙Pを巻き癖の方向とは逆の方向に癖付けする(デカールする)目的で設けられている。
7はサーマルヘッド(印画ヘッド)である。サーマルヘッド7(印画ヘッド)は、印画手段として機能する。8はプラテンローラである。プラテンローラ8は、用紙Pの搬送経路を挟んで、サーマルヘッド7に対向して配置される。
9はインクリボンカセットである。インクリボンカセット9の内部には、インクリボン1が収納される。図4に示すように、インクリボン1は、供給ロール格納部9cに収容される供給ボビン9aと、巻き取りロール格納部9dに収容される巻き取りボビン9bとに、巻き回された状態で保持されている。
サーマルヘッド7には、複数の発熱体が主走査方向(図4の紙面に直角な方向)に直列に配列される。そしてサーマルヘッド7は、画像情報(画像に含まれる各画素のYMCの階調)に応じて複数の発熱体を選択的に加熱し、インクリボン1上に一様に塗布されたインクを、用紙Pに熱転写する。サーマルヘッド7は、略上下方向に移動可能な取り付けフレームと、バネ部材とで略一体的に構成されている。印画動作時には、取り付けフレームが所定の位置まで移動し、発熱体をインクリボン1に押圧させる。こうして、インクリボン1とロール紙Pとを、バネ部材の弾性力によって適当な圧力で圧着させ、熱転写を行う。
10はカッターユニットである。カッターユニット10は、用紙Pを切断するカット手段として機能する。本実施形態にかかる画像形成装置100のカッターユニット10は、連続する帯状の用紙Pを任意の長さに切り分ける。10aはカッター可動刃である。10bは、カッター固定刃である。カッター可動刃10aとカッター固定刃10bは、それぞれ一部が鋭利に加工されており、用紙Pの搬送経路を挟んで対向して配置される。10cはカムギアである。カムギア10cは、カッターモータ28(図略)と連結している。カムギア10cはカッターモータ28の回転動力によって、カッター可動刃10aを用紙Pの面に対して鉛直方向(上下方向)に往復させる。そして、カッター可動刃10aとカッター固定刃10bとが、鋏の刃ように擦り合うことによって、用紙Pを切断する。なお、カット手段は、前記のカッターユニット10に限定されるものではない。要は、カット手段は用紙Pを任意の位置で切断できる構成であればよい。例えば、カット手段としては、用紙Pの幅方向(主走査方向)に往復するロータリーカッターなどであってもよい。
11は排紙ローラであり、12は従動ローラである。排紙ローラ11と従動ローラ12は、用紙Pの搬送経路を挟んで対向して配置される。カット手段による用紙Pの切断動作において、用紙Pにたるみやばたつきがあると、切断された用紙Pの長さがばらついたり、切断面の品位が低下したりするおそれがある。排紙ローラ11と従動ローラ12とで構成されるローラ対は、切断した用紙Pを画像形成装置100の外部に排出する機能のみならず、用紙Pのたるみやばたつきを抑える機能を有する。
次に、本発明の実施形態にかかる画像形成装置100の機能構成について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置100の機能構成を示すブロック図である。
16はメインコントローラである。メインコントローラ16は、画像形成装置全体を制御する演算ユニットが適用される。メインコントローラ16は、印画対象の画像情報中の最大階調を測定し、規定階調以上であるか否かを判定し、規定階調以上の部分のみを選択的に分割する(判定手段、演算手段)処理を行うことができる。規定階調は、画像形成装置100が印画可能な最大階調(たとえば256階調)の半分の階調(178階調)が適用される。
161はROMである。162はRAMである。ROM161には、本発明の実施形態にかかる画像形成装置100を制御するためのコンピュータプログラムや、その他各種設定が、コンピュータ読取り可能な形式で格納される。
17はインクリボンカセットセンサである。インクリボンカセットセンサ17は、インクリボンカセット9の有無を検知する。
18はロール紙カセット検知センサである。ロール紙カセット検知センサ18は、ロール紙カセット2の有無を検知する。
なお、本実施形態では、メインコントローラ16は、インクリボンカセットセンサ17によりインクリボンカセット9の装着が検出され、かつロール紙カセット検知センサ18によりロール紙カセット2の装着が検出された場合のみ、印画開始動作を実行する。これにより、誤動作を防止している。
19はロール紙検知センサである。ロール紙検知センサ19は、用紙搬送経路上のキャプスタンローラ4とデカーラー6との略中間位置に配置される。そして、ロール紙検知センサ19は、用紙搬送時において、ロール紙カセット2から引き出された用紙Pの先端部が、キャプスタンローラ4の後方を通過したことを検知する。
20はインクリボン検知センサである。インクリボン検知センサ20は、前述のとおり、インクリボン1の各色の先頭に塗布された遮光マーカー1bを検知する。
21は残量検知センサである。残量検知センサ21は、インクリボン1の残量を検知する検知手段として機能する。たとえば、残量検知センサ21は、巻き取りボビン9bに連結された不図示のエンコーダーを有する。そして、残量検知センサ21は、巻き取りボビン9bの回転数を、信号の周波数としてカウントし、インクリボン1の残量を演算する。
22はカッター検知センサである。カッター検知センサ22は、カッター可動刃10aが待機位置にあるか切断位置にあるかを検知する。
23は、紙送りモータドライバである。紙送りモータドライバ23は、紙送りモータ24を駆動する。紙送りモータ24は、回転機構を介して、給紙ローラ3とキャプスタンローラ4と排紙ローラ11とに連結されている。更に、インクリボンカセット9が画像形成装置100の内部に挿入されると、巻き取りボビン9bが不図示のトルクリミッターを介して回転機構と連結される。なお、メインコントローラ16は、インクリボン検知センサ20による検知結果に基づき、紙送りモータドライバ23を介して、紙送りモータ24よるインクリボン1の巻き取り動作を制御する。
25はサーマルヘッド移動モータドライバである。サーマルヘッド移動モータドライバ25は、メインコントローラ16の制御にしたがって、サーマルヘッド7の昇降を行うサーマルヘッド移動モータ26を駆動する。そして、サーマルヘッド移動モータドライバ25は、サーマルヘッド7を印画位置と退避位置との間で移動させる。
27はカッターモータドライバである。カッターモータドライバ27は、メインコントローラ16による制御にしたがって、カッター可動刃10aを駆動するカッターモータ28を駆動してロール紙Pの切断を行う。
30は表示部である。表示部30は、たとえばLCDなどの表示画面を有する。表示部30は、任意の画像情報を表示したり、印画に必要な設定データを入力するためのメニューを表示したりする。
29は表示制御部である。表示制御部29は、メインコントローラ16の制御にしたがって表示部30を制御する。
31は操作部である。操作部31は、画像形成装置100の電源のON/OFFを指示する電源スイッチや、表示部30に表示された各種メニューを選択するための選択スイッチなどを備える。
32は、ヘッド駆動回路である。ヘッド駆動回路32は、サーマルヘッド7に配列される発熱体の発熱タイミングを制御する制御手段として機能する。ヘッド駆動回路32は、発熱体の発熱のタイミングを、ヘッド駆動回路32から転送されるパルス信号によって制御する。このような制御は、図8に示すように、ソフトウエアよりもハードウエアで実現するほうが、その処理速度が速く好適である。
メインコントローラ16は、ROM161に格納されるコンピュータプログラムを読み出し、RAM162を作業領域として用いて実行する。これにより、メインコントローラ16は、画像形成装置100の各部を制御する。そして、後述する各動作が実現する。
次に、本実施形態にかかる画像形成方法の処理について説明する。
本実施形態にかかる画像形成方法おいては、画像情報の各色の階調を、一色ごとに一回目の印画と二回目の印画とに分割する。この際、一方の階調が他方の階調よりも、一画面中の濃度の変化が小さくなるように分割する。この処理を、図6を参照して詳細に説明する。図6(a)は、印画対象の画像情報の一例を模式的に示す図である。図6(b)と図6(c)とは、図6(a)に示す画像情報の階調を分割したものである。それぞれ、図6(b)は一回目に印画する階調データを模式的に示し、図6(c)は二回目に印画する階調データを模式的に示している。なお、図6では、インクの例として、イエローYのみを示している。ただし、他のインク層であるマゼンタMやシアンCやオーバーコートOCについても、イエローYと同様の処理が適用される。したがって、内容の重複を避けるため、説明を省略する。
図6(a)に示す画像情報は、いわゆるコラージュ画像である。このコラージュ画像は、第一のサイズの用紙P1に印画される画像である。そして、このコラージュ画像は、単一のベタ画像である背景色14上に、複数の任意のはめ込み画像13a、13b、13c、13dが合成される。たとえば、背景色14は黒地の背景色であり、はめ込み画像13a、13b、13c、13dは中間色を含む画像である。
従来も、複数の画像を選択および配置して、一枚の合成画像を生成するモードを備えた画像形成装置が提供されてきた。
ところで、このようなコラージュ画像には、はめ込み画像13a、13b、13c、13dと背景色14との境界に濃度の急激な変化が存在することがある。このため、従来の画像形成装置においては、このようなコラージュ画像を印画する際に、この境界においてサーマルヘッド7の発熱量が急激に変化し、インクリボン1の摩擦抵抗が大きく変動することがあった。例えば、はめ込み画像13aが背景色14よりも濃度が薄い場合、その境界である第一の境界15aでインクリボン1の摩擦抵抗が減り、搬送負荷が一時的に減少する。逆に、背景色14とはめ込み画像13c、13dとの境界である第二の境界15bでは、インクリボン1の摩擦抵抗が増え、搬送負荷が一時的に増加する。これによって、搬送系の歪み(ローラの撓み、ギアの捩れ等)が発生し、第一の境界15a上で白スジが、第二の境界15b上で黒スジが発生する。この現象は、特に中間色のはめ込み画像13bに発生すると、濃度ムラとして目立ちやすくなり、印画される画像の品位が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、図6(b)に示すように、一色ごとに階調を分割する際、まず一回目の印画において中間色のはめ込み画像13a、13b、13c、13dの印画を完了させておく。このとき同時に、背景色114の領域にも、はめ込み画像13a、13b、13c、13dと同程度の濃度(階調)で印画を行う。こうすることで、第一の境界15aおよび第二の境界15bに濃度の変化がなくなり、はめ込み画像13bには、前述の白スジや黒スジが発生しない。次に二回目で、一回目の印画と同一の領域に対して、枠形状の背景色214のみを、残りの階調数分だけ印画する。このような構成によれば、結果としてコラージュ画像を印画した用紙P1が得られる。つまり、図6(a)に示す黒地の背景色14は、一回目の印画における背景色114と、二回目の印画における背景色214との重ね合わせにより表現される。このように、一方の階調を、他方の階調よりも、一画面中の濃度の変化が小さくなるように分割する構成であれば、濃度ムラのない高品位な画像を形成することができる。背景色14の階調が高い場合、若しくは、低い場合に、境界に濃度の急激な変化が存在しやすくなるため、背景色の色(階調値)に応じて、上記のように2回に分けて印画するようにしてもよい。また、背景色の色が特定の色の場合に、2回に分けて印画するようにしてもよい。また、コラージュ印刷だけでなく、2in1等のレイアウト印刷、フチあり印刷等で、画像が配置されていない余白部分の背景色を設定して印刷可能な場合に適応してもよい。また、上述の説明においては、一回目の印画では背景色と画像とを印画し、二回目の印画において背景色のみを印画したが、一回目の印画と二回目の印画を逆にしてもよい。また、印画回数を2回ではなく、3回に分けて印画する場合は、そのうちの少なくとも1回について、背景色のみを印画するようにするとよい。
図7は、本実施形態における画像形成方法の処理の概略を示すフローチャートである。図7(a)は、取り込んだ画像情報の取り扱いに関する処理を示し、図7(b)は、イエローYの階調データを分割する際の処理を示す。
この処理を実行するためのコンピュータプログラムは、あらかじめROM161に格納されている。そして、メインコントローラ16は、このコンピュータプログラムをROM161から読み出し、RAM162に展開して実行する。これにより、図7に示す処理が実現する。
ステップS101において、メインコントローラ16は、印画対象の画像データを、画像データ入力部35を介して磁気記録媒体やメモリカード等の各種画像記録メディアより読み出す。または、メインコントローラ16は、印画対象の画像データを、IO読み書き部36を介して、外部のコンピュータやカメラやスキャナから取り込む。
ステップS102において、メインコントローラ16(演算手段)は、画像データの画像情報を、イエローYとマゼンタMとシアンCとの各色の階調データに分解する。
ステップS103において、メインコントローラ16は、分解した各色の階調データを、RAM162または各色のイメージメモリ34(記憶部)に格納する。
本実施形態では、階調データを一色ごとに一回目と二回目とで分割する際、まず、RAM162または各色のイメージメモリ34(記憶部)から各色の階調データを読み出し、階調データ中の最大階調が規定値以上であるかどうかを判定する。規定値としては、例えば256階調の半分である178階調が適用される。そして、判定の結果、階調が規定値(178階調)以上であった部分のみを、選択的に分割する。具体的な処理について、図7(b)を参照して説明する。
ステップS201において、メインコントローラ16は、三色の階調データの一色ごとに、まず主走査方向および副走査方向の階調数を測定する(演算手段)。そして、ステップS202に進む。
ステップS202において、メインコントローラ16は、規定値である178階調以上であるかどうかを判定する(判定手段)。規定値以上であると判定した場合には、ステップS203に進む。
ステップS203において、メインコントローラ16は、規定値以上の階調の部分を特定する。そしてステップS204に進む。
ステップS204において、メインコントローラ16は、特定した部分の階調数を分割する。そしてステップ205に進む。
ステップS205において、階調数を分割した階調データをRAM162または各色のイメージメモリ34(記憶部)に格納する。
一方、ステップS202において、規定階調以上となる部分がなかったと判定された場合は、階調数を分割することなく、そのままの階調データを記憶部に残しておく。そしてこの処理を終了する。
このようにして、例えば図6に示すように、濃度の高い背景色14を分割するのに対し、中間色であり規定階調以下であるはめ込み画像13a、13b、13c、13dは、そのまま一回目で印画を完了させる。そして、メインコントローラ16は、全ての色の階調データについて、前記の処理を実行する。
本実施形態の特徴は、分割するかしないかを、色毎に判断することにある。つまり、ある色については一回で印画を完了するのに対し、他の色では二回に分割して印画するといった場合も有りうる。例えば、イエローYの濃度が薄く、シアンCの濃度が濃いような、全体的に青色が強い画像を印画する場合は、イエローYが一回の印画のみで完了するのに対し、シアンCは二回に分割して重ねて印画する。
また、仮に、背景色14の濃度がはめ込み画像13a、13b、13c、13dと同程度に薄く、各色の階調数が全体にわたって178階調に満たない場合は、前述した濃度の変化に起因するスジは発生し難く、各色のインク層1Y、1M、1Cの一画面を分割して得られる効果は少ない。そこで、こうした全体の濃度が薄い画像に関しては、各色について一回で印画を完了すればよい。このような構成によれば、二回目の印画に要する時間と消費電力を削減することができる。以上のとおり、画像情報中の最大階調を測定し、規定値以上の部分があるか否かを判定して、分割するかしないかを判断すれば好適な構成となる。なお、規定値は適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。
なお、ここでは背景色14が濃く、はめ込み画像13a、13b、13c、13dが中間色であるコラージュ画像を想定して説明したが、その関係が逆の場合であっても、本質的には同じである。またコラージュ画像でなくとも、単純な縁あり画像や、画像中に濃度差を含む一般の自然画像などについても同様であり、本実施形態は有効である。
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態は、一回目と二回目の印画の一方において、サーマルヘッド7の発熱体の発熱タイミングを変更する形態である。図8は、本実施形態において一回目の印画で形成される画素を示し、図9は、本実施形態において、一回目に重ねて二回目の印画で形成される画素を示す模式図である。図中の縦方向が発熱体の配列の方向(主走査方向)である。
熱転写方式の画像形成装置では、サーマルヘッド7の隣り合う発熱体を同時に全てONさせると、サーマルヘッド7に一度に加えなければならないエネルギーが大きくなる。このため、電源回路の大容量化が必要となるほか、耐久性の面で好ましくない。さらに、サーマルヘッド7に余分な熱が蓄積されると、熱転写の際に熱干渉の影響を受けて画像が鈍り、印画される画像の解像感を損なうおそれがあった。
そこ、本実施形態においては、サーマルヘッド7に配列される複数の発熱体のうち、奇数番目の発熱体と偶数番目の発熱体とを交互にONさせる駆動方式を用いる。図8および図9は、この方式に従って、サーマルヘッド7に配列される7個の発熱体により、各画素が形成されていく過程を模式的に示す図である。
図8に示すように、まず奇数番目の発熱体をONにして、奇数番目の位置に1階調目を用紙Pに形成する。このとき、偶数番目の発熱体はまだONにしない。次に、距離Aに相当する副走査方向への紙送りと同時に、偶数番目の発熱体をONにして、偶数番目の位置に1階調目を形成する。更に、距離Aの紙送りと同時に奇数番目の位置に2階調目を形成する。例えばこの動作を256回繰り返すことにより、最終的に256階調の最大濃度を実現することになる。
ところで、図8に示すように、発熱タイミングをずらすと、その影響によって奇数番目も偶数番目も共に、階調間にずれが生じる。このため、紙送りの速度によっては、こうして表現できる階調性に限界を生じてしまう。なお、図8および図9は、こうした現象を説明するため、実際よりもこのずれを誇張して表現している。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、二回目の印画において、一回目の印画とは発熱の順序を変更する。すなわち、二回目の印画においては、まず偶数番目の発熱体がONになって、1階調目が形成される制御となっている。図9において二点鎖線によって示される画素は、一回目の印画で既に用紙に形成されたものである。このように、本実施形態においては、一回目の印画と二回目の印画とで、奇数番目の発熱体と偶数番目の発熱体との発熱の順序を入れ換える。これにより、画素間の隙間を埋めるようにして新たな画素を形成し、理論的には画素の密度を倍の細かさにできる。つまり、一回目には印画できなかった部分に、二回目を半位相ずらして印画することで、より滑らかな階調性を表現することができる。
また、本実施形態は、一度の加熱転写に要する熱量が分散されるため、用紙Pの熱変形や発熱体の耐久性の面で有利である。例えば、図9の二回目の印画を行う際には、一回目に発生した熱は冷めており、既に形成された画素の上に重ねて熱転写する場合であっても、一度に発生させなければならない熱量が小さくて済む。このため、用紙Pの熱変形を抑制することができる。さらに、発熱体へのダメージが軽減されることで、サーマルヘッド7の寿命の改善も期待できる。
また、一度に発生する熱量が小さいため、インクリボン1に与えるダメージを軽減できる。このため、高濃度の印画におけるシワやリボン切れを防止または抑制できる。また他にも、インク層の焦げ付きに起因するカスレや、剥離不良に起因するインクリボン1と用紙との貼り付きといった不具合に対しても、本発明の実施形態は有効である。
次に、本発明の実施形態にかかる画像形成方法の一連の処理について、図10を参照して説明する。図10は、本発明の実施形態にかかる画像形成方法の一連の処理動作を示すフローチャートである。この処理を実行するためのコンピュータプログラムは、ROM161に格納されている。そして、メインコントローラ16は、このコンピュータプログラムをROM161から読出し、RAM162に展開して実行する。これにより、図10のフローチャートに示す画像形成方法が実現する。
本実施形態にかかる画像形成装置100は、通常モードと高画質モードとを備える。使用者は、操作部31のモード切り替えスイッチを操作することによって、モードの選択と決定を行うことができる。メインコントローラ16は、操作部31への操作に応じて、高画質モードと通常モードとを切替えて実行する。高画質モードにおいては、前記のとおり、インク層1Y、1M、1Cの一画面を二分割し、二回に分けて印画する。通常モードにおいては、インク層1Y、1M、1Cの一画面を分割することなく、一回で印画する。通常モードによれば、高画質モードに比較して、インクの無駄が多くなることがあるが、印画に要する時間を短縮できる。この通常モードは、特に高画質が求められない画像の印画に適している。
なお、図10に示すフローチャートは、高画質モードが選択され、且つ第一のサイズの用紙P1に印画する際の、印画開始から印画終了までの一連の処理動作について、順に説明したものである。従来技術と同じ処理および既に説明した処理については、説明を省略することがある。
ステップS301において、メインコントローラ16は、インクリボンカセット9およびロール紙カセット2が画像形成装置100に装着された状態で、使用者による印画開始の操作を検出すると、印画の処理(動作)を開始する。印画開始の操作としては、たとえば、操作部31に設けられる選択ボタンが押下されるなどして印画対象の画像データが選択され、かつ印画開始が選択された場合などである。
メインコントローラ16は、印画対象の画像データが選択されると、図7(a)のフローチャートに示す処理を実行し、選択された画像データを各色の階調データに分解して記憶する。
ステップS302において、メインコントローラ16は、給紙動作を行う。具体的には、メインコントローラ16は、紙送りモータドライバ23を制御して紙送りモータ24を駆動する。そして、給紙ローラ3を、ロール紙カセット2内の用紙Pと圧接した状態で給紙方向へ回転駆動させる。これにより、ボビン2aに巻き回されている用紙Pの先端は、ロール紙カセット2の内周面に沿って進む。この後、用紙Pの先端は、分離部材2bですくい上げられ、更に分離部材2bにガイドされてロール紙カセット2の出口へ導かれる。
そして、用紙Pは給紙ローラ3によって更に搬送され、互いに対向して配置されたキャプスタンローラ4とピンチローラ5とで構成されたローラ対に狭持される。このとき給紙ローラ3は、キャプスタンローラ4の回転動作と同期しているため、引き続き用紙Pをロール紙カセット2から給紙方向に送り出していく。
その後、メインコントローラ16は、ロール紙検知センサ19の検知情報に基づいて、用紙Pを一枚の画像の印画に必要な長さ分についてロール紙カセット2から送り出す。そして、最初に印画するイエローYの遮光マーカー1bの検知を開始する位置まで搬送して停止させる。
ステップS303において、メインコントローラ16は、マーカー検知動作を行う。具体的には、メインコントローラ16は、紙送りモータドライバ23を介して紙送りモータ24を駆動して、インクリボン1を用紙Pと同期して巻き取る。そしてその過程で、メインコントローラ16は、イエローYのインク層1Yの先頭の位置合わせを行う。マーカー検知動作は、前記のとおり、インクリボン1に設けられた遮光マーカー1bの位置を判定する動作である。
ステップS304において、メインコントローラ16は、紙送りモータドライバ23を介して紙送りモータ24を駆動し、用紙Pを所定の印画開始位置まで折り返して搬送して一旦停止させる。
1巡目のステップS305に進んだ時点で、画像情報は、図7(a)に示す処理動作に従って、イエローYとマゼンタMとシアンCとの各色の階調データに分解されている。そして、1巡目のステップS305において、メインコントローラ16は、イエローYの階調データを測定し(演算手段)、階調が規定値以上となる部分を特定する。
1巡目のステップS306において、メインコントローラ16は、イエローYの階調データを分割するかどうかの判断を行う。ステップS305からステップS306までの処理動作については、図7(b)で既に説明したとおりである。分割すると判定された場合にはステップS307に進み、分割しないと判定された場合にはステップS310に進む。
1巡目のステップS307においては、イエローYについて、一回目の印画動作を実行する。ここでは、図6を参照して説明したように、メインコントローラ16は、一回目の印画と二回目の印画とに階調を分割する際に、一回目の印画における一画面中の濃度の変化が小さくなるように分配する。そして、メインコントローラ16は、一回目の印画動作を、用紙Pとインクリボン1とを印画開始位置から印画終了位置まで一体的に搬送する間に行う。すなわち、メインコントローラ16は、まず、サーマルヘッド移動モータ26を制御して、サーマルヘッド7の取り付けフレームを圧接位置まで移動し、サーマルヘッド7の発熱体をインクリボン1に押圧する。その後、ロール紙Pとインクリボン1を巻き取りボビン9bに巻きつけて、弛みを取り除きながら搬送する。そして、図8に示す発熱タイミングに基づいて、例えば図6のはめ込み画像13a、13b、13c、13dなどを印画する。このときの印画終了位置は、用紙Pの印画領域が、サーマルヘッド7とプラテンローラ8との間を通過して、ロール紙カセット2側に到達した位置である。1巡目のステップS307(イエローYの一回目の印画動作)が完了すると、ステップS308に進む。
ステップS308においては、メインコントローラ16は、ステップS306における判定の結果に従って、用紙PをイエローYの二回目の印画開始位置に搬送する。具体的には、メインコントローラ16は、インクリボン1を停止させたままの状態で、サーマルヘッド7の取り付けフレームを所定の退避位置に退避させ、ロール紙Pを再び印画開始位置まで搬送する。そしてステップS309に進む。
ステップS309においては、メインコントローラ16は、イエローYの二回目の印画動作を行う。そして、メインコントローラ16は、イエローYの二回目の印画動作として、図9に示す発熱タイミングに基づいて、例えば図6の背景色14などを印画する。前記のとおり、ここでは、一回目の印画と同一の領域に対して二回目の印画を行う。1巡目のステップSS309の完了後、ステップS311に進む。
ステップS311においては、メインコントローラ16は、イエローYとマゼンダMとシアンCの全てのインク層1Y、1M、1Cについて、印画が完了したか否かを判定する。まだ印画が完了していないインク層がある場合には、ステップS303に進む。たとえば、1巡目のステップS303〜S309が完了した時点では、マゼンダMとシアンCのインク層1M、1Cの印画が完了していないため、ステップS303に進むことになる。このように、1巡目のステップS303〜S309においてイエローYの印画を行い、2巡目のステップS303〜S309においてマゼンダMの印画を行い、3巡目のステップS303〜309においてシアンCの印画を行う。全ての色のインクの印画が完了すると(S311において「Yes」)、ステップS312に進む。
なお、ステップS305における判定の結果、階調を分割しないと判定された場合は、ステップS310に進む。ステップS310においては、メインコントローラ16は、印画動作をおこなう。そしてステップS311に進む。このように、階調を分割しない場合には、メインコントローラ16は、各色のインクの印画を一回だけ行う。サーマルヘッド7の移動やその他の動作は、ステップS307における一回目の印画動作と同様である。
ステップS312においては、メインコントローラ16は、オーバーコートOCのマーカー検知動作を実行する。
ステップS313においては、メインコントローラ16は、印画開始位置への搬送を実行する。
ステップS314〜S316においては、メインコントローラ16は、オーバーコートOCの一回目の印画動作を実行する。なお、ステップS314〜S316の内容は、オーバーコートOCを印画に使用する構成を除いては、ステップS307〜S309と共通である。オーバーコートOCは、(1)印画物の表面をコートして、ロール紙Pに一度定着させた染料が手などに付着することを防ぎ、(2)紫外線を吸収し、画像の色褪せを抑制する。なお、本実施形態においては、オーバーコートOCの溶融インクについては、昇華インクの場合とは異なり、判定するまでもなく必ずインク層1OCの一画面を二分割し、二回にわたって重ねて印画を行う。
これには、オーバーコートOCの厚みを増加させ、耐光性を向上させることと、薄膜干渉を防止し、いわゆる虹ムラを防ぐことの二つの目的がある。用紙Pに転写されたオーバーコートOCは、厚みを持った溶融インクのコート層である。そのため、その厚みが増えれば増える程、吸収できる紫外線の量が多くなり、印画物は色褪せ難くなる。また従来では、オーバーコートOCの薄さに起因して、薄膜干渉による虹色のムラが発生することがあったが、本実施形態のように二回にわたって重ねて印画することで、こうした不具合を防止できる。
オーバーコートOCの1回目および2回目の印画が完了すると、ステップS317に進む。
ステップS317においては、メインコントローラ16は、用紙Pを切断位置まで搬送する。
ステップS318においては、メインコントローラ16は、用紙Pを切断する切断動作を実行する。メインコントローラ16は、用紙Pを切断位置まで搬送する間は、用紙Pを排紙ローラ11と従動ローラ12とで構成されるローラ対で挟持して排紙方向へ搬送する。用紙Pの切断位置としての停止位置は、印画の完了した印画領域と未印画領域との境界がカッターユニット10の切断位置と合致する位置である。
具体的には、メインコントローラ16は、切断動作として、カッターモータドライバ27を介してカッターモータ28を回転駆動し、カッター可動刃10aを切断位置へ移動させる。このとき、前述のように、カッター可動刃10aとカッター固定刃10bとが、鋏のように上下の刃を擦りあわせることによって、用紙Pを切断する。用紙Pを切断した状態において、カッター可動刃10aは、非切断位置である最上点から切断位置である最下点へ移動している。メインコントローラ16は、カッター検知センサ22の検知情報に基づき、カッター可動刃10aを、最下点から再び切断前の非切断位置である最上点へ戻して停止させる。このとき、切断された用紙P(印画物)は、排紙ローラ11と従動ローラ12とで構成されたローラ対により挟持された状態にある。
このステップで切断された用紙Pは、標準となる第一のサイズであり、Lサイズに相当する89mm×127mmとなっている。つまり、ここでの切断位置とは、用紙Pの先端が、カッターユニット10から副走査方向に89mm進んだ位置である。こうした停止位置は、メインコントローラ16が紙送りモータドライバ23を介して制御する。
ステップS318の完了後、ステップS319に進む。
ステップS319においては、メインコントローラ16は、排紙動作を実行する。この排紙動作によって、切り離された用紙P(第一のサイズの印画物)を使用者が拾い上げやすい位置に排紙する。印画物の排紙時には、印画物は、切断位置から更に排紙方向に、排紙ローラ11と従動ローラ12とで構成されたローラ対の保持力のみで搬送される状態となる。排紙ローラ11は紙送りモータ24からの駆動力が不図示のギア列によって伝達されており、キャプスタンローラ4と同期して、排紙ローラ11による排紙動作を行う。そのため排紙動作時には、未印画領域も排紙時の搬送動作に伴って排紙方向に前進する。この結果、切断された印画物は排紙ローラ11により排紙方向に送られた後、上流側から来た未印画領域の先端に押し出され装置外に出る。このようにして排出された印画物は、例えば排紙ケース上などに整然と積載される。これにより、排紙動作は終了する。排紙動作の終了後、ステップS320に進む。
ステップS320において、メインコントローラ16は、用紙Pの収納動作を実行する。排紙動作(ステップS319)終了後、未印画の用紙Pは、ロール紙カセット2から引き出された状態になっている。連続的に次の印画を行わない場合は、未印画の用紙Pが完全に収納されて、ロール紙カセット2が着脱可能である待機状態に戻す必要がある。そのため、メインコントローラ16は、排紙動作(ステップS319)の後、用紙Pを収納位置へ搬送する収納動作を実行する。このステップS320において、用紙Pの先端は、収納位置までの搬送の途中で、給紙動作(ステップS302)とは逆に、キャプスタンローラ4とピンチローラ5とで構成されたローラ対から離れる。そして、用紙Pは、給紙ローラ3のみで搬送される状態となる。更に、メインコントローラ16は、給紙ローラ3の回転駆動を続け、用紙Pをロール紙カセット2内に収納し、用紙Pの先端が出口から十分に引き込んだ位置まで搬送して停止させる。これにより、画像形成装置100は待機状態となる。
このようにして、印画開始(ステップS301)から印画終了(ステップS321)までの一連の処理動作は終了する。
本発明の実施形態によれば、少なくとも二種類の異なるサイズの印画物を得る場合、一種類のインクリボンを共通して使用することができる。これにより、従来複数あったインクリボンの種類を集約することができ、製造コストの削減を図ることができる。またユーザーに対しても、正しいインクリボンを選択し、用紙変更の度に交換するという手間が少なくなり、取り扱いが容易である。
更に本発明の実施形態によれば、第一のサイズを印画する際、インクリボンにおける一画面分を複数に分割し、同一の印画領域に重ねて一枚分の印画を行う。こうすることで、理論上の階調数を増やすことが可能となり、従来よりも鮮明で、階調性豊かな印画物を得ることができる。また、従来と同じ濃度の印画を行う場合でも、一度の加熱転写にかける熱量を分散し抑えることができるため、例えば用紙の熱変形の他、サーマルヘッド上に形成された発熱体や、インクリボンへのダメージを軽減できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1‥‥インクリボン
1a‥‥基材シート
1b‥‥遮光マーカー
Y‥‥昇華インク層(イエロー)
M‥‥昇華インク層(マゼンタ)
C‥‥昇華インク層(シアン)
OC‥‥溶融インク層(オーバーコート)
2‥‥ロール紙カセット
3‥‥給紙ローラ
4‥‥キャプスタンローラ
5‥‥ピンチローラ
6‥‥デカーラー
7‥‥サーマルヘッド
8‥‥プラテンローラ
9‥‥インクリボンカセット
10‥‥カッターユニット
11‥‥排紙ローラ
12‥‥従動ローラ
P‥‥ロール紙
X‥‥印画方向

Claims (10)

  1. 第一のサイズと、前記第一のサイズの副走査方向の長さに対して少なくとも二倍の長さを有する第二のサイズとの二種類を印画できる画像形成装置において、
    前記第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層を有するインクリボンを使用して、一色ごとに、一画面の前記インク層を複数に分割し、分割したインク層を複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画することを特徴とする画像形成装置。
  2. 印画対象の画像の各色の最大階調が規定値以上であるかを判定する判定手段をさらに備え、
    前記判定手段により最大階調が前記規定値以上であると判定された色については、前記インクリボンの一画面の前記インク層を複数に分割して複数回に分けて印画することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 印画対象の画像の各色の階調を二つ以上に分割する演算手段をさらに備え、
    前記演算手段は、一方が他方よりも一画面中の濃度の変化が小さくなるように、画像情報の階調を分割することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記演算手段は、前記印画対象の画像の各色の階調を分割する際に、その階調が規定値以上である部分のみを選択して、一回目と二回目以降とで分割することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層を有するインクリボンを使用して、一色ごとに、一画面の前記インク層を複数に分割し、分割したインク層を複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画する高画質モードと、
    前記インクリボンにおける一画面の前記インク層を分割することなく、一回で前記第一のサイズの画像を印画する通常モードと、
    を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 主走査方向に複数の発熱体が配列された印画ヘッドと、前記印画ヘッドの発熱タイミングを制御する制御手段とを備え、
    前記第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層を有するインクリボンを使用して、一色ごとに、一画面の前記インク層を複数に分割し、分割したインク層を複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画する際に、
    前記制御手段は、一回目の印画と二回目以降の印画とで、前記印画ヘッドの発熱タイミングを変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、一回目の印画と二回目以降の印画とで、前記複数の発熱体のうちの奇数番目の発熱体と偶数番目の発熱体との発熱の順序を入れ換えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 画像が配置されない背景に色をつけて印刷する場合に、前記複数回に分けて行う印画のうちの少なくとも一回は、背景のみを印画することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 第一のサイズと、前記第一のサイズの副走査方向の長さに対して少なくとも二倍の長さを有する第二のサイズとの二種類を印画できる画像形成方法において、
    前記第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層を有するインクリボンを使用して、一色ごとに、一画面の前記インク層を複数に分割し、分割したインク層を複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画することを特徴とする画像形成方法。
  10. 第一のサイズと、前記第一のサイズの副走査方向の長さに対して少なくとも二倍の長さを有する第二のサイズとの二種類の画像を、前記第二のサイズの印画に対応する大きさに形成されるインク層を有するインクリボンを使用して印画を行う画像形成装置のコンピュータに、
    一色ごとに一画面の前記インク層を複数に分割し、分割したインク層を複数回に分けて同一の印画領域に重ねて印画させる処理を実行させることを特徴とするプログラム。
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