JP2014224310A - Fe−Ni基超耐熱合金及びその製造方法 - Google Patents

Fe−Ni基超耐熱合金及びその製造方法 Download PDF

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【課題】 クリープ破断寿命を改善させ、強度と延性が共に良好なFe−Ni基超耐熱合金とその製造方法を提供する。【解決手段】 質量%でC0.08%以下、Si0.35%以下、Mn0.35%以下、P0.015%以下、S0.015%以下、Ni50.0〜55.0%、Cr17.0〜21.0%、Mo2.8〜3.3%、Cu0.30%以下、Al0.20〜0.80%、Ti0.65〜1.15%、Nb+Ta4.75〜5.50%、B0.006%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の熱間鍛造用素材を、1960℃≰熱間鍛造温度+固溶化熱処理温度(但し、固溶化熱処理温度は930〜990℃)≰2020℃の関係を満足する温度範囲で熱間鍛造と固溶化熱処理を行い、次いで700〜750℃で2〜20時間保持した後600〜650℃まで冷却し、600〜650℃で2〜20時間保持する時効処理を行うFe−Ni基超耐熱合金の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱構造材料として広く使用されているFe−Ni基超耐熱合金及びその製造方法に関する。
航空機や発電用ガスタービン部品は、高温応力下の環境で使用されるため、優れた耐食性や高温強度、クリープ特性等が求められるため超耐熱合金が使用されている。例えば、インコネル(R)718合金(インコネルはSpecial Metal Corporationの登録商標)は、優れた機械的特性を具備しているため、従来から最も幅広く使用されている超耐熱合金である。代表的な組成は、質量%でNi54%−Cr18%−Mo3%−Fe18.5%−Ti0.9%−Al0.5%−Nb+Ta5.1%である。この組成は、例えば、JIS−G4901(耐食耐熱超合金棒)に示されるNCF718として知られる合金である。
この718合金の製造方法については、種々の提案があり、本願出願人も、例えば、特開平10−265878号公報(特許文献1)として、1000〜1050℃で30分間以上保持した後、空冷以上の冷却速度で冷却する溶体化処理工程と、次いで680〜760℃で8〜24時間保持した後空冷する時効処理工程を行う発明がある。
ところで、718合金の製造工程について、通常、インゴットを分塊鍛造して鋼片とした後、仕上げ鍛造を行いビレットを作製する。その後、930〜990℃の温度範囲で固溶化熱処理を行い、次いで時効処理として、718℃で8時時間保持した後、55℃/時間の冷却速度で621℃まで冷却し、621℃で8時間保持する熱処理が一般的に行われている。非特許文献1では、鍛造材を954℃で固溶化熱処理を行い、結晶粒界にデルタ相を析出させることで優れたクリープ特性が得られることが示されている。
前記のデルタ相はNiNbからなる金属間化合物であり、前記非特許文献1では、856〜995℃の温度範囲で析出することが記載されている。熱間鍛造時に導入される歪エネルギーは主に結晶粒界に蓄積されるため、次工程の固溶化熱処理を上述した930〜990℃の温度範囲で施すことにより、デルタ相は主に粒界に析出する。粒界に析出するデルタ相は、固溶化熱処理時の結晶粒の粗大化を抑制するピンニングサイトとして作用し、微細な再結晶組織を得ることができると同時に、切り欠きラプチャー感受性を緩和する効果をもつ。前述の特許文献1では、固溶化熱処理条件を変えることで、クリープ破断延性が向上することが報告されている。
特開平10−265878号公報
Aerospace Structural Metals Handbook ,Nickel Base Alloys,Ni−4100,IN718,January 1995(revision) p1−3
前述したように、718合金を熱間鍛造後、930〜990℃の温度範囲で固溶化熱処理を施し粒界にデルタ相を析出させることで、切り欠きラプチャー感受性が緩和し確かに優れたクリープ破断延性を得ることができる。しかし、デルタ相を過度に析出させることによって、時効処理で析出強化相であるガンマダブルプライム相の析出量が減少するため、クリープ破断寿命は必ずしも良好ではないといった問題があった。例えば、ジェットエンジンやガスタービン部材のように高温応力下での使用環境において、より高い信頼性を得るためには良好なクリープ破断寿命が求められる。
本発明の目的は、クリープ破断寿命を改善させて、強度と延性がともに良好なFe−Ni基超耐熱合金とその製造方法を提供することである。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。
即ち本発明は、質量%でC:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Ni:50.0〜55.0%、Cr:17.0〜21.0%、Mo:2.8〜3.3%、Cu:0.30%以下、Al:0.20〜0.80%、Ti:0.65〜1.15%、Nb+Ta:4.75〜5.50%、B:0.006%以下、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する熱間鍛造用素材を、1960℃≦熱間鍛造温度+固溶化熱処理温度(但し、固溶化熱処理温度は930〜990℃)≦2020℃の関係を満足する温度範囲で熱間鍛造と固溶化熱処理を行い、次いで、700〜750℃で2〜20時間保持した後600〜650℃まで冷却し、600〜650℃で2〜20時間保持する時効処理を行うFe−Ni基超耐熱合金の製造方法である。
また、本発明は、質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P、S:0.015%以下、Ni:50.0〜55.0%、Cr:17.0〜21.0%、Mo:2.8〜3.3%、Cu:0.30%以下、Al:0.20〜0.80%、Ti:0.65〜1.15%、Nb+Ta:4.75〜5.50%、B:0.006%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物からなる組成を有するFe−Ni基超耐熱合金において、結晶粒界に析出しているデルタ相(NiNb)の面積率が1.7〜5.0%であるFe−Ni基超耐熱合金である。
本発明のFe−Ni基超耐熱合金は、良好なクリープ破断寿命とクリープ破断延性を兼備させることが可能である。これを用いてなるジェットエンジンやガスタービン部材等の信頼性を向上させることができる。
先ず、本発明の最大の特徴である、熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度について説明する。
なお、本発明で規定する合金組成は、前述したJIS−G4901に示されるNCF718合金(Fe−Ni基超耐熱合金)として知られるものであるため、組成に関する説明は割愛する。
<熱間鍛造温度及び固溶化熱処理温度>
本発明では718合金の組成を有する熱間鍛造用素材を、1960℃≦熱間鍛造温度+固溶化熱処理温度(但し、固溶化熱処理温度は930〜990℃)≦2020℃の関係を満足する温度範囲で熱間鍛造と固溶化熱処理を行う。
固溶化熱処理工程で析出するデルタ相の量は、固溶化熱処理の熱処理条件のみによって決まるのではなく、熱間鍛造条件と固溶化熱処理の熱処理条件との相互関係をもって決定される。これは、熱間鍛造で導入される歪エネルギーを駆動として、熱間鍛造もしくは固溶化熱処理でデルタ相の析出が促進されるからである。デルタ相は、析出強化相のガンマダブルプライム相が安定化した化合物であり、結晶粒粗大化抑制のピンニング効果や切り欠きラプチャー感受性の緩和効果があるが、析出強化の効果はない。したがって、過度にデルタ相を析出させると時効処理で析出させるガンマダブルプライム相の析出量が不足し高温強度が低下してしまうため、デルタ相は熱間鍛造と固溶化熱処理の工程で必要最小限の量に調整する必要がある。
熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度の和が1960℃未満では、デルタ相の析出過多により時効処理で析出させるガンマダブルプライム相の析出が不足し強度低下を招く。一方、熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度の和が2020℃を超えると、デルタ相の析出不足により固溶化熱処理時の結晶粒粗大化や切り欠きラプチャー感受性の鋭敏化を引き起こす結果となる。そのため、本発明では熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度の和の範囲を1960〜2020℃とする。
上述したように、本発明では、熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度の和を特定の範囲とするが、固溶化熱処理温度は930〜990℃の範囲とする必要がある。
固溶化熱処理には、デルタ相の析出によるピンニング効果や切り欠きラプチャー感受性の緩和効果以外に、熱間鍛造で再結晶しきれなかった未再結晶粒の再結晶化、熱間鍛造後の冷却中に析出した析出強化相のガンマプライム相、ガンマダブルプライム相のマトリクスへの固溶を目的としている。固溶化熱処理の温度が930℃未満では、未再結晶粒の再結晶化効果が小さい。一方、固溶化熱処理の温度が990℃を超えると再結晶化は促進されるが、デルタ相の量が不足するため、結晶粒の粗大化や切り欠きラプチャー感受性の鋭敏化を招く。したがって、固溶化熱処理は930〜990℃の温度範囲が必要となる。なお、固溶化熱処理の効果を十分発揮させるためには、保持時間を30分以上にすることが好ましい。
この固溶化熱処理と固溶化処理に先立って行う熱間鍛造によって、固溶化処理後の結晶粒度はASTM−E112で規定する結晶粒度の平均で6.5以上の金属組織を得ることができる。この金属組織は後述する時効処理を行っても変化することがなく、時効処理後のFe−Ni基超耐熱合金の疲労強度やクリープ強度等の機械的特性をバランス良く発揮する効果を奏する。
この固溶化処理後のFe−Ni基超耐熱合金の金属組織は、結晶粒界に析出しているデルタ相(NiNb)の面積率が1.7〜5.0%とすることができる。結晶粒界にデルタ相が析出することで結晶粒界が強化されクリープ中の粒界すべりの抵抗として作用する。ガンマプライム相やガンマダブルプライム相による結晶粒内のみの強化では、相対的に結晶粒界の強度が大幅に低下するため、クリープ破断延性は低下しノッチ破断を起こす可能性が高くなる。したがって、粒界を強化し十分な延性を得ることで、金属組織がもつ強度が発揮される。
しかし、結晶粒界に析出しているデルタ相(NiNb)の面積率が過度に少なすぎても、多すぎても前記の効果は得にくくなり、適正な範囲は結晶粒界に析出しているデルタ相(NiNb)の面積率が1.7〜5.0%である。この理由は、粒界デルタ相の面積率が1.7%未満では粒界すべりの抵抗作用が不足し、粒界デルタ相の面積率が5.0%を超えると、粒界強化は十分である一方で、時効処理で析出するガンマダブルプライム相の析出量が減少し強度不足となるというものである。なお、固溶化処理後のデルタ相の金属組織は、時効処理後も維持されるものである。
また、デルタ相の面積率については、走査型電子顕微鏡で撮影した組織写真を画像解析することによって得られる。画像解析については、250μm×250μmの範囲を5視野程度行えば十分にばらつきを考慮した解析精度が得られる。
<時効処理>
次に、時効処理について説明する。
前述した固溶化熱処理したFe−Ni基超耐熱合金を700〜750℃で2〜20時間保持した後600〜650℃まで冷却する第1段目の時効処理と、次いで600〜650℃で2〜20時間保持する第2段目の時効処理を行う。
時効処理の目的は、析出強化相のガンマプライム相やガンマダブルプライム相を微細に析出させて高温高強度を得ることである。第2段目の低温側の時効処理のみでは、析出強化相を析出させきるのに時間がかかりすぎるため、第1段目の時効処理として、高温側で時効処理を行いガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出を促進させる。
第1段目の時効処理温度が700℃未満では析出の促進効果が不足するため、析出強化の効果が低減してしまう。一方、第1段目の時効処理温度が750℃を超えると、析出がより促進されるものの析出粒子のサイズが増大し析出強化の効果が低下するばかりでなく、ガンマプダブルライム相が析出強化能のないデルタ相に変態する。したがって、第1段目の時効処理温度は700〜750℃の温度範囲とする。好ましくは、710〜730℃である。
また、第1段目の時効処理時間が2時間未満であると、ガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出が不十分となる。一方、第1段目の時効処理時間が20時間を超えるとガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出の効果が飽和するため経済的ではない。したがって、第1段目の時効処理の保持時間は2〜20時間の範囲とする。好ましくは4〜15時間である。
前述の第1段目の時効処理後に第2段目の時効処理を行う。
第2段目の時効処理温度が600℃未満ではガンマプライム相やガンマダブルプライム相の析出に時間がかかりすぎるため効率的ではない。また、第2段目の時効処理温度が650℃を超えると第1段目の時効処理温度との温度差が小さいため、析出の駆動力が不足し析出量が低減する。したがって、第2段目の時効処理温度は600〜650℃の温度範囲とする。好ましくは610〜630℃である。
第2段目の時効処理の保持時間については、前述の第1段目の時効処理と同様の理由で2〜20時間と規定する。好ましくは4〜15時間である。
なお、本発明で用いるFe−Ni基超耐熱合金の熱間鍛造用素材は、溶解の後、均質化熱処理を行ったインゴットを用いると良い。718合金は高温高強度を得るためガンマダブルプライム相やガンマプライム相の構成元素であるNb、Al及びTiを必須で添加するため、有害な酸化物や窒化物等の非金属介在物の析出を極力防ぐ必要があり、脱ガス効果のある真空溶解を行うことが好ましい。真空溶解の後、エレクトロスラグ再溶解や真空アーク再溶解等の再溶解を行うことが好ましい。また、真空溶解後のインゴットまたは真空溶解後の電極、再溶解後のインゴットに均質化熱処理による成分偏析の低減を行って、熱間鍛造用素材とするのが好ましい。
(実施例1)
真空溶解とエレクトロスラグ再溶解により、表1に示す718相当合金の組成を有するインゴットを準備した。
表1のインゴットに均質化処理を施し分塊鍛造した後、980〜1060℃の温度範囲で仕上げの熱間鍛造を行いΦ95mmの熱間鍛造材を作製した。その後、熱間鍛造材を5分割し、954または982℃で1時間保持する固溶化熱処理を行い、デルタ相の面積率を画像解析により測定した。表2に熱間鍛造温度、固溶化熱処理条件、熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度の和、固溶化熱処理材のデルタ相面積率、平均結晶粒度を示す。なお、デルタ相の面積率は、デルタ相面積率確認用の試験片を採取し、250μm×250μmの範囲を5視野の画像解析を行い、その5視野の平均値とした。また、結晶粒度はASTM−E112で規定される平均結晶粒度番号である。
Figure 2014224310
Figure 2014224310
次に、表2の固溶化熱処理材に、718℃で8時間保持した後、55℃/時間の冷却速度で621℃まで冷却し、621℃で8時間保持する時効処理を施した。時効処理材から試験片を採取し、試験温度650℃、試験応力690N/mmの条件で切り欠き−平滑複合ラプチャー試験を実施した。表3にラプチャー試験結果を示す。
Figure 2014224310
本発明の合金No.1〜3は十分なクリープ破断寿命を有していることから、高い強度が得られていることが分かる。また、18%以上の破断伸びと、30%を超える破断絞りを示していることから高い延性が得られていることが分かる。とくにNo.2及び3は、破断寿命も300時間を超え、且つ、破断伸びが約30%が得られ、破断絞りも約45%以上となっており、強度と延性のバランスも良いことが分かる。
一方、比較例のNo.11はノッチ破断を起こしクリープ破断寿命は短時間となっている。また、比較例のNo.12においては十分なクリープ破断延性を示しているが、クリープ破断寿命は本発明合金と比較して短い。これは、デルタ相の面積率が小さいと切り欠きラプチャー感受性が高い一方で、デルタ相の面積率が2.0%以上ではクリープ破断延性が高い水準が維持できるいることが分かるまた、デルタ相を6.3%析出させた比較例のNo.12では、時効処理におけるガンマダブルプライム相の析出量が不足するためクリープ破断寿命が低下した。
(実施例2)
次に、上記表1に示す718相当合金とほぼ同じ組成を有するインゴットを分塊し、その後仕上げ鍛造を施したビレットを準備した。このビレットに対して更に熱間鍛造を実施して円盤状とし、円盤状の718相当合金の中央部を切除してリング状の718相当合金とした後、965〜1000℃の加熱温度でリング圧延を実施した。その後、965〜1000℃で固溶化処理を行った。表4に熱間加工温度、固溶化熱処理条件、熱間鍛造温度と固溶化熱処理温度の和、固溶化熱処理材のデルタ相面積率、平均結晶粒度を示す。
Figure 2014224310
次に、表4の固溶化熱処理材に、718℃で8時間保持した後、55℃/時間の冷却速度で621℃まで冷却し、621℃で8時間保持する時効処理を施した。
表4に示すように、結晶粒は平均結晶粒度番号で9.5〜12の微細結晶粒組織であったため、十分な延性が得られることが予想された。そのため、試験温度621℃、試験応力662N/mmおよび試験温度649℃、試験応力586N/mm条件でクリープ試験を実施し、0.2%クリープ到達時間に与えるデルタ相面積の影響を調査した。表5にクリープ試験結果を示す。
Figure 2014224310
いずれの試験条件においても、デルタ相面積率が大きくなるほど0.2%クリープ歪到達時間は小さくなる。比較例の合金No.16および17はデルタ相面積率がそれぞれ5.6、6.3%と過剰であるためクリープ強度は低下した。
以上の結果から、本発明の実施例では、クリープ破断特性を改善させ、強度と延性のバランスが良く、且つ、強度と延性がともに良好であることを確認した。
本発明に係る製造方法により製造されたFe−Ni基超耐熱合金は、クリープ破断寿命とクリープ破断延性に優れるため、高温応力下の航空機および発電用ガスタービンの用途に適用できる。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P:0.015%以下、S:0.015%以下、Ni:50.0〜55.0%、Cr:17.0〜21.0%、Mo:2.8〜3.3%、Cu:0.30%以下、Al:0.20〜0.80%、Ti:0.65〜1.15%、Nb+Ta:4.75〜5.50%、B:0.006%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物からなる組成を有するFe−Ni基超耐熱合金の製造方法において、
    前記組成を有する熱間鍛造用素材を、
    1960℃≦熱間鍛造温度+固溶化熱処理温度(但し、固溶化熱処理温度は930〜990℃)≦2020℃の関係を満足する温度範囲で熱間鍛造と固溶化熱処理を行い、次いで、
    700〜750℃で2〜20時間保持する第1段目の時効処理を行った後、
    600〜650℃で2〜20時間保持する第2段目の時効処理を行う
    こと特徴とするFe−Ni基超耐熱合金の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.08%以下、Si:0.35%以下、Mn:0.35%以下、P、S:0.015%以下、Ni:50.0〜55.0%、Cr:17.0〜21.0%、Mo:2.8〜3.3%、Cu:0.30%以下、Al:0.20〜0.80%、Ti:0.65〜1.15%、Nb+Ta:4.75〜5.50%、B:0.006%以下、残部がFeおよび不可避的な不純物からなる組成を有するFe−Ni基超耐熱合金において、結晶粒界に析出しているデルタ相(NiNb)の面積率が1.7〜5.0%であることを特徴とするFe−Ni基超耐熱合金。

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