JPWO2018168268A1 - 鉄基耐熱合金 - Google Patents

鉄基耐熱合金 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018168268A1
JPWO2018168268A1 JP2019505772A JP2019505772A JPWO2018168268A1 JP WO2018168268 A1 JPWO2018168268 A1 JP WO2018168268A1 JP 2019505772 A JP2019505772 A JP 2019505772A JP 2019505772 A JP2019505772 A JP 2019505772A JP WO2018168268 A1 JPWO2018168268 A1 JP WO2018168268A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
iron
ccm3
aging treatment
hours
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019505772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6930759B2 (ja
Inventor
庄子 哲雄
哲雄 庄子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Publication of JPWO2018168268A1 publication Critical patent/JPWO2018168268A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6930759B2 publication Critical patent/JP6930759B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/50Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with titanium or zirconium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

Crを26.0〜30.0wt%、Niを15.0〜35.0wt%、Nbを0.4〜2.5wt%、Zrを0.05〜0.4wt%、Scを0〜0.4wt%、Wを0〜2.5wt%、Moを0〜0.009wt%含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から成る、Ni基合金よりも安価かつ高温加工性に優れ、高温でのクリープ強度が向上した鉄基耐熱合金。

Description

本発明は、鉄基耐熱合金に関する。
従来、耐熱性合金として、炭窒化物やラーベス(laves)相を形成することにより、優れた高温強度が付与されたオーステナイト系の鉄基合金(例えば、特許文献1参照)や、鉄基合金よりも優れた耐熱性を有するとされるニッケル(Ni)基合金が使用されている(例えば、特許文献2参照)。特に、700℃超級蒸気の先進超々臨界圧(A−USC)発電用ボイラに対応可能な高強度の耐熱合金として、Ni基合金であるHR6Wが開発されている(例えば、非特許文献1参照)。このHR6Wは、優れた高温クリープ特性および耐水蒸気酸化性を有している。
特許第5756935号公報 特許第3803698号公報
仙波潤之、他4名、「先進超々臨界圧(A−USC)発電用ボイラ鋼管の開発」、新日鉄住金技報、2013年、第397号、p.71-77
しかしながら、特許文献1に記載のようなオーステナイト系の鉄基合金は、高温で長時間使用したとき、想定外の析出物が発現し、それが粗大化することによりクリープ強度が劣化するという課題があった。また、特許文献2や非特許文献1に記載のようなNi基合金は、鉄基合金よりも高価であり、鉄基合金と比べて高温での加工性に劣るという課題があった。このため、Ni基合金を大型構造物の材料として使用する際には、多大な困難を伴うことが予想される。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、Ni基合金よりも安価かつ高温加工性に優れ、高温でのクリープ強度が向上した鉄基耐熱合金を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は、長期信頼性や高温加工性に着目し、鉄基合金を基本として、炭化物や窒化物によらない高温強度発現機構を有する材料の開発を目指し、本発明に至った。その際、A−USCへの対応を想定し、クリープ強度として、Ni基耐熱合金のHR6Wのクリープ強度(700℃、応力150MPaで、破断時間900時間程度)を目安とした。また、A−USCの蒸気条件である700℃での水蒸気酸化耐性として、耐熱性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sの水蒸気酸化耐性を目安とした。
すなわち、本発明に係る鉄基耐熱合金は、FeとCrとNiとNbとZrとを含む鉄基耐熱合金であって、前記Crを26.0〜30.0wt%、前記Niを15.0〜35.0wt%、前記Nbを0.4〜2.5wt%、前記Zrを0.05〜0.4wt%、Scを0〜0.4wt%、Wを0〜2.5wt%、Moを0〜0.009wt%含有し、残部が前記Feおよび不可避的不純物から成ることを特徴とする。
本発明に係る鉄基耐熱合金は、炭化物や窒化物等によらず、微細なNiZrやNi(Fe,Cr)Zr、Ni(Nb,Zr)等の金属間化合物により、大きい硬度および優れた高温でのクリープ強度を有している。また、鉄基合金であるため、Ni基合金よりも安価かつ高温加工性に優れている。また、Crを26.0wt%以上とすることにより、高温(例えば700℃)での水蒸気酸化耐性を高めることができる。特に、Crを26.0〜28.0wt%、Niを20.0〜30.0wt%含有することにより、高温でのクリープ強度および水蒸気酸化耐性の双方をバランス良く高めることができる。
本発明に係る鉄基耐熱合金は、前記Nbを1.2〜2.5wt%含有していてもよい。また、本発明に係る鉄基耐熱合金は、前記Zrを0.05〜0.23wt%含有していてもよい。また、本発明に係る鉄基耐熱合金は、Scを0.01〜0.4wt%含有していてもよく、この場合、特に、前記Scを0.05〜0.2wt%含有していることが好ましい。この場合、粒径が小さく、(Ni,Nb,Zr,Sc)が豊富な粒子から成る金属間化合物により、より硬度を高めることができる。
本発明に係る鉄基耐熱合金は、Wを0.4〜2.5wt%含有していてもよい。この場合、均一に分布した、(Nb,W)が豊富なナノ粒子や、(Nb,W,Zr)が豊富なナノ粒子により、より硬度を高めることができる。
本発明に係る鉄基耐熱合金は、C,S,O,NおよびPの含有量の合計が、0.03wt%以下であることが好ましく、0.01wt%以下であることがより好ましい。この場合、炭化物や窒化物、燐化物、硫化物を排除することができる。また、本発明に係る鉄基耐熱合金は、Moを含有していないことが好ましい。この場合、優れた水蒸気酸化耐性を得ることができる。
本発明に係る鉄基耐熱合金は、高温でのクリープ強度および水蒸気酸化耐性に優れているため、先進超々臨界圧(A−USC)水蒸気発電設備用のタービン翼やローターなどの構造部材や、その他の各種の耐熱部材に使用することができる。
本発明によれば、Ni基合金よりも安価かつ高温加工性に優れ、高温でのクリープ強度が向上した鉄基耐熱合金を提供することができる。
本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM1−2(高温予ひずみ30%)および試料CCM1−3(室温予ひずみ20%)のクリープ試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM2の組織を示す顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM2−1(圧延率20%)の熱時効処理後の(a)SEM写真、(b) (a)の四角で囲まれた部分を拡大したSEM写真、(c) (b)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(d) (a)とは別の位置のSEM写真、(e) (d)の四角で囲まれた部分を拡大したSEM写真、(f) (e)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM2−2(圧延率30%)の熱時効処理後の(a)SEM写真、(b) (a)の四角で囲まれた部分を拡大したSEM写真、(c) (b)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(d) (a)とは別の位置のSEM写真、(e) (d)の四角で囲まれた部分を拡大したSEM写真、(f) (e)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の(a)試料CCM2−1(20CR;20%冷間圧延材)、(b)試料CCM2−2(30CR;30%冷間圧延材)のクリープ試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の(a)試料CCM3−1(25%冷間圧延材)、(b)試料CCM3−2(30%冷間圧延材)の組織を示す顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−1の冷間圧延後の(a)SEM写真、(b) (a)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(c) (a)とは異なる位置でのSEM写真、(d) (c)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2の冷間圧延後の(a)SEM写真、(b) (a)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(c) (a)とは異なる位置でのSEM写真、(d) (c)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2の熱時効処理後の(a)SEM写真、(b) (a)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(c) (a)の丸で囲まれた部分を拡大したSEM写真、(d) (c)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2の熱時効処理後の(a)TEM写真、(b)母相のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2の熱時効処理後の(a)第1の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2の熱時効処理後の(a)第2の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2の熱時効処理後の(a)第3の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、熱時効処理後の鉄基合金の(a)試料CCM3、(b)試料CCM4の組織を示す概略図である。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−1(25%CW;25%冷間圧延材)、試料CCM3−2(30%CW;30%冷間圧延材)、試料CCM4−1(25%CW;25%冷間圧延材)および試料CCM4−2(30%CW;30%冷間圧延材)の、熱時効処理前後のビッカース硬さHV3を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM3−2(30CW(30%冷間圧延)-Aged-780-20H)、試料CCM3−2−1(30CW(30%冷間圧延)-Aged-780-20H-10pct-pre-strain)、試料CCM3−2−2(30CW(30%冷間圧延)-Aged-750-50H)、試料CCM3−2−3(30CW(30%冷間圧延)-Aged-750-50H-10pct-pre-strain)のクリープ試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の(a)試料CCM4−1(25%冷間圧延材)、(b)試料CCM4−2(30%冷間圧延材)の組織を示す顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM4−1の熱時効処理後の(a)SEM写真、(b) (a)の1の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(c) (a)の2の付近を拡大したSEM写真、(d) (c)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM5の(a)TEM写真、(b)母相のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM5の(a)第1の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM5の(a)第2の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の(a)試料CCM5−1(12CW;12%冷間圧延材)、(b)試料CCM5−2(27CW;27%冷間圧延材)の、各種の熱時効処理前後のビッカース硬さHV3を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM5−1(12CW(12%冷間圧延)-Age850(15H)-800(20H))、試料CCM5−2(27CW(27%冷間圧延)-Age850(15H)-800(20H))、および試料CCM5−2−1(27CW(27%冷間圧延)-Age800(20H))のクリープ試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM6の均質化処理後の(a)断面でのSEM写真、(b) (a)の四角で囲まれた部分を拡大したSEM写真、(c) (b)の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM6の(a)TEM写真、(b)母相のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM6の(a)第1の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM6の(a)第2の析出物を拡大したTEM写真、(b)その析出物のEDXの結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の(a)試料CCM6−1(熱間圧延温度800℃)、(b)試料CCM6−2(熱間圧延温度850℃)の組織を示す光学顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM6−1、(b)試料CCM6−2の、熱時効処理前後のビッカース硬さHV3を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の熱時効処理後の試料CCM6−1(10CW(10%冷間圧延)-Age780-20H)、熱時効処理前の試料CCM6−2(10CW;10%冷間圧延材)、および熱時効処理後の試料CCM6−2(10CW(10%冷間圧延)-Age780-20H)のクリープ試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の(a)試料CCM7−1(溶体化処理後の冷間圧延30%)、(b)試料CCM7−2(溶体化処理前の冷間圧延40%+溶体化処理後の冷間圧延30%)の組織を示す光学顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM7−1の(a)SEM写真、(b) (a)の1の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(c) (a)の2の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の試料CCM7−1の(a)図32とは異なる位置でのSEM写真、(b) (a)の1の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(c) (a)の2の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブル、(d) (a)とは異なる位置でのSEM写真、(e) (d)の3の+印の位置でのEDXの結果を示すテーブルである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の熱時効処理後の、試料CCM7−1(Age780-20H)、試料CCM7−1(Age800-20H)、および試料CCM7−2(Age780-20H)のクリープ試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態に関する、鉄基合金の熱時効処理前および/または熱時効処理後の試料CCM1〜CCM7の、700℃で25MPaの超臨界水(SCW)中に100時間設置したときの、単位面積当たりの重量の増加量(Weight Gain)を示す、水蒸気酸化特性試験結果のグラフである。
以下、試験結果等に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
各種の試験を行うために、表1に示す組成の鉄基合金試料を製造した。まず、表1に示す各試料の組成となるよう、それぞれ各原料をコールドクルーシブル誘導溶解法(Cold Crucible Induction Melting)により溶解し、インゴットを製造した。なお、各インゴットには、表1に記載の元素の他に、不可避的不純物が僅かに含まれている。
次に、製造された各インゴットについて、均質化処理(Homogenization)、熱間鍛造(Hot forging)、溶体化処理(Solution annealing)、熱間圧延(Hot rolling)、冷間圧延(Cold rolling)、熱時効処理(Thermal ageing)、予ひずみ(Pre-straining)のうちの複数の処理を、この順番で行った。各試料に対して行った処理を、表2に示す。なお、表2中の空欄は、その処理を行っていないことを示している。これらの各試料CCM1〜CCM7は、鉄基合金であるため、Ni基合金よりも安価かつ高温加工性に優れている。
[試料CCM1の試験結果等]
試料CCM1は、オーステナイト単相で、平均結晶粒径が約68μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。また、溶体化処理後のもの(試料CCM1−1)のビッカース硬さHV1は、140であった。この値は、SUS310SのHV1の約160よりも小さいが、これは、固溶強化元素であるCrの含有量が少ないためであると考えられる。また、溶体化処理後に850℃で5時間の熱時効処理を行い、さらに高温(700℃)で30%の予ひずみを加えたもの(試料CCM1−2)のビッカース硬さHV1は、257であった。この値は、SUS310Sのものよりも大きくなっている。
次に、試料CCM1−2の熱時効処理後のものについて、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、Fe−Crの金属間化合物から成るσ相が析出しており、脆化していることが確認された。また、エネルギー分散型X線分析(EDX)を行ったところ、強度の強化に有効なFeNbのラーベス(laves)相が形成されていることも確認された。また、Cr酸化物の粒子も確認された。
次に、試料CCM1−1、試料CCM1−2、および、試料CCM1−2と同様の熱時効処理後に室温で20%の予ひずみを加えたもの(試料CCM1−3)、に対して短軸クリープ試験を行った。クリープ試験は、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。試料CCM1−2および試料CCM1−3のクリープ試験の結果を、図1に示す。クリープ試験の結果、試料CCM1−1は24時間で破断した。これは、生成されたσ相により粒界が脆化したため、その粒界で破壊が生じたものと考えられる。また、図1に示すように、試料CCM1−2は37時間、試料CCM1−3は180時間で破断した。これは、室温予ひずみがクリープ寿命に大きな影響を与えることを示している。また、予ひずみ時に導入された転位が、その後の析出強化を促進していると考えられる。
なお、試料CCM1−1の不可避的不純物中のC,S,O,NおよびPの含有量を測定したところ、Cが0.0013wt%、Sが0.0004wt%、Oが0.0027wt%、Nが0.0003wt%、Pが0.0001wt%未満であり、これらの合計が0.005wt%未満であることが確認された。
[試料CCM2の試験結果等]
試料CCM2の溶体化処理後の組織を、図2に示す。図2に示すように、試料CCM2は、オーステナイト単相で、平均結晶粒径が約16μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。試料CCM2は、試料CCM1よりも粒径が小さくなっており、Zrの添加による効果であると考えられる。
次に、試料CCM2について、溶体化処理後に20%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM2−1)、および溶体化処理後に30%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM2−2)の、熱時効処理後のSEM写真およびEDXの結果を、図3および図4に示す。図3および図4に示すように、金属間化合物のNiZrの晶出、および、粒界にNbのラーベス相の形成が確認された。これらは、強度の強化に有効であると考えられる。
次に、熱時効処理後の試料CCM2−1(20CW)および試料CCM2−2(30CW)のビッカース硬さHV3を測定したところ、それぞれ209および220であった。これらの値は、SUS310Sのものよりも大きくなっている。
次に、試料CCM2−1および試料CCM2−2に対して、試料CCM1と同じ方法で短軸クリープ試験を行った。クリープ試験は、試料CCM2−1(20CR)については、熱時効処理後(予ひずみ無し)、熱時効処理後の室温での予ひずみ15%のもの、試料CCM2−2(30CR)については、熱時効処理前、熱時効処理後(予ひずみ無し)、熱時効処理後の室温での予ひずみ10%、予ひずみ7%、予ひずみ5%のもので行った。また、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。クリープ試験の結果を、図5に示す。
図5(a)に示すように、試料CCM2−1では、熱時効処理後(予ひずみ無し)のものでは、200時間程度で破断したが、予ひずみを加えることにより、破断時間が300時間程度まで延びることが確認された。また、図5(b)に示すように、試料CCM2−2は、熱時効処理前および熱時効処理後(予ひずみ無し)のものでは、150時間程度で破断したが、予ひずみを加えることにより、破断時間が330〜450時間程度まで延びることが確認された。クリープ試験後のき裂の周辺を調べると、NiZrの大きい結晶で、き裂が発生していることが確認された。このことから、クリープ強度を高めるためには、大きいNiZrの晶出を抑制することが必要であると考えられる。
なお、溶体化処理後の試料CCM2の不可避的不純物中のC,S,O,NおよびPの含有量を測定したところ、Cが0.0011wt%、Sが0.0005wt%、Oが0.0002wt%、Nが0.0001wt%、Pが0.0001wt%未満であり、これらの合計が0.002wt%未満であることが確認された。
[試料CCM3の試験結果等]
試料CCM3について、溶体化処理後に25%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM3−1)、および溶体化処理後に30%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM3−2)の組織を図6に、SEM写真およびEDXの結果を、それぞれ図7および図8に示す。図6に示すように、試料CCM3は、オーステナイト単相で、試料CCM3−1の平均結晶粒径が約120μm、試料CCM3−2の平均結晶粒径が約90μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。また、図7および図8に示すように、強度の強化に有効な金属間化合物のNiZrの晶出が確認された。
次に、試料CCM3−2について、780℃(20時間)での熱時効処理後のSEM写真およびEDXの結果を図9に、母相および析出物の透過型電子顕微鏡(TEM)写真およびEDXの結果を図10〜図13に示す。図9〜図13に示すように、Fe−Crの金属間化合物から成るσ相が粒界に析出しており、脆化していることが確認された。また、(Cr,Nb,Zr)が豊富な粒子から成る金属間化合物が形成されていることも確認された。この粒子は、主に平均径が50nm程度と微細であり、強度の強化に有効であると考えられる。熱時効処理後の試料CCM3の組織の概略図を、図14(a)に示す。
次に、試料CCM3−1および試料CCM3−2の、780℃(20時間)での熱時効処理前後のビッカース硬さHV3を、図15に示す。図15に示すように、熱時効処理前の試料CCM3−1および試料CCM3−2は、試料CCM2−1および試料CCM2−2と同じ程度の硬度を有していることが確認された。また、試料CCM3−1および試料CCM3−2は、熱時効処理を行っても硬度はあまり低下せず、試料CCM2−1および試料CCM2−2よりも硬度が大きくなっていることが確認された。これは、熱時効処理により微細な金属間化合物が形成されたためであると考えられる。なお、試料CCM3−1および試料CCM3−2は、SUS310Sよりも硬度が大きくなっている。
次に、780℃(20時間)での熱時効処理後の試料CCM3−2、それに室温で10%の予ひずみを加えたもの(試料CCM3−2−1)、試料CCM3−2に750℃で50時間の熱時効処理を行ったもの(試料CCM3−2−2)、および、それに室温で10%の予ひずみを加えたもの(試料CCM3−2−3)に対して、試料CCM1と同じ方法で短軸クリープ試験を行った。クリープ試験は、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。クリープ試験の結果を、図16に示す。図16に示すように、試料CCM3−2は560時間程度、試料CCM3−2−1は750時間程度、試料CCM3−2−2は460時間程度、試料CCM3−2−3は400時間程度で破断することが確認された。
[試料CCM4の試験結果等]
試料CCM4について、溶体化処理後に25%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM4−1)、および溶体化処理後に30%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM4−2)の組織を図17に示す。図17に示すように、試料CCM4は、オーステナイト単相で、平均結晶粒径が約75μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。
次に、800℃(24時間)での熱時効処理後の試料CCM4−1および試料CCM4−2について、SEM写真観察およびEDX分析を行った。試料CCM4−1の結果を、図18に示す。図18に示すように、熱時効処理後の試料CCM4−1では、(Nb,Zr,Sc)が豊富な粒子が高密度で形成されていることが確認された。また、熱時効処理後の試料CCM4−2では、粒界に沿って、(Ni,Nb,Zr,Sc)が豊富な大きい粒子や、(Nb,Zr,Sc)が豊富な微細な粒子、(Nb,Zr)が豊富な微細な粒子(FeNbのラーベス相)が形成されていることが確認された。これらの粒子は、強度の強化に有効であると考えられる。熱時効処理後の試料CCM4の組織の概略図を、図14(b)に示す。
次に、試料CCM4−1および試料CCM4−2の熱時効処理前後のビッカース硬さHV3を、図15に示す。図15に示すように、試料CCM4−1および試料CCM4−2は、試料CCM3−1および試料CCM3−2よりも大きい硬度を有していることが確認された。また、試料CCM4−2では、熱時効処理を行っても、硬度が大きくなっていることが確認された。これは、熱時効処理により、微細な金属間化合物が形成されたためであると考えられる。また、その金属間化合物の中でも特に、Scを含む酸化粒子の硬度が大きく、硬度の増大に大きく寄与していると考えられる。なお、試料CCM4−1および試料CCM4−2は、SUS310Sよりも硬度が大きくなっている。
次に、熱時効処理後の試料CCM4−1(25CR)および試料CCM4−2(30CR)に対して、クリープ試験を行った。クリープ試験は、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。クリープ試験から、試料CCM4−1は、140時間程度で破断し、試料CCM4−2は、190時間程度で破断することが確認された。クリープ強度が試料CCM2と比較して低い原因としては、(Nb,Zr,Sc)が豊富な粒子等のやや大きい粒径を有する粒子を比較的多く含んでいることが考えられる。
[試料CCM5の試験結果等]
試料CCM5は、オーステナイト単相で、平均結晶粒径が約350μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。試料CCM5の母相および析出物の透過型電子顕微鏡(TEM)写真およびEDXの結果を、図19〜図21に示す。図19〜図21に示すように、Fe−Crの金属間化合物から成るσ相が粒界に析出しており、脆化していることが確認された。また、(Ni,Nb,Zr,Sc)が豊富な粒子が形成されていることも確認された。この粒子は、微細であり、強度の強化に有効であると考えられる。
次に、溶体化処理後の試料CCM5に12%の冷間圧延を行った後、850℃(15時間)+800℃(20時間)の熱時効処理を行ったもの(試料CCM5−1)、および、溶体化処理後の試料CCM5に27%の冷間圧延を行った後、850℃(15時間)+800℃(20時間)の熱時効処理を行ったもの(試料CCM5−2)について、熱時効処理後のビッカース硬さHV3の測定を行った。また、溶体化処理後の試料CCM5に12%の冷間圧延を行った後、800℃(20時間)の熱時効処理を行ったもの(試料CCM5−1−1)、および、溶体化処理後の試料CCM5に27%の冷間圧延を行った後、800℃(20時間)の熱時効処理を行ったもの(試料CCM5−2−1)についても、ビッカース硬さHV3の測定を行った。これらの測定結果を、図22に示す。図22に示すように、熱時効処理により、硬度が大きくなっていることが確認された。なお、これらの試料は、SUS310Sよりも硬度が大きくなっている。
次に、試料CCM5−1、試料CCM5−2、および、試料CCM5−2−1に対して、試料CCM4と同じ方法でクリープ試験を行った。クリープ試験は、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。クリープ試験の結果を、図23に示す。図23に示すように、試料CCM5−1は75時間程度で破断し、試料CCM5−2は220〜280時間程度で破断し、試料CCM5−2−1は465時間程度で破断することが確認された。また、試料CCM5−1、試料CCM5−2および試料CCM5−2−1ともに、破断するまでに、50〜60%の比較的高いクリープひずみを示すことが確認された。
[試料CCM6の試験結果等]
試料CCM6について、均質化処理後のSEM写真およびEDXの結果を、図24に示す。図24に示すように、平均粒径が5〜10μm程度の、(Ni,Nb,Zr,Sc)が豊富な粒子の形成が確認された。これらの粒子は、強度の強化に有効であると考えられる。
また、試料CCM6の母相および析出物の透過型電子顕微鏡(TEM)写真およびEDXの結果を、図25〜図27に示す。図25〜図27に示すように、(Nb,W)が豊富なナノ粒子の形成や、(Nb,W,Zr)が豊富なナノ粒子の形成が確認された。これらの粒子は、均一に分布しており、強度の強化に有効であると考えられる。
次に、800℃で40%の熱間圧延後に、溶体化処理および10%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM6−1)、ならびに、850℃で40%の熱間圧延後に、溶体化処理および10%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM6−2)の組織を、図28に示す。図28に示すように、試料CCM6は、オーステナイト単相で、平均結晶粒径が約320μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。
次に、試料CCM6−1および試料CCM6−2について、780℃(20時間)での熱時効処理前後のビッカース硬さHV3を、図29に示す。図29に示すように、試料CCM6−1および試料CCM6−2は、熱時効処理により硬度が大きくなっていることが確認された。これは、熱時効処理により、微細な金属間化合物が形成されたためであると考えられる。なお、試料CCM6−1および試料CCM6−2は、SUS310Sよりも硬度が大きくなっている。
次に、熱時効処理後の試料CCM6−1および試料CCM6−2、ならびに、熱時効処理前の試料CCM6−2に対して、試料CCM4と同じ方法でクリープ試験を行った。クリープ試験は、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。クリープ試験の結果を、図30に示す。図30に示すように、熱時効処理後の試料CCM6−1は365時間程度で破断し、熱時効処理後の試料CCM6−2は335時間程度で破断し、熱時効処理前の試料CCM6−2は210時間程度で破断することが確認された。
[試料CCM7の試験結果等]
試料CCM7について、溶体化処理後に30%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM7−1)、および溶体化処理前に40%の冷間圧延を行い、さらに溶体化処理後に30%の冷間圧延を行ったもの(試料CCM7−2)の組織を、図31に示す。図31に示すように、試料CCM7は、オーステナイト単相で、平均結晶粒径が約127μmであり、溶体化処理により結晶が微細化していることが確認された。
また、試料CCM7−1のSEM写真およびEDXの結果を、それぞれ図32および図33に示す。図32および図33に示すように、(Nb,Zr)、(Ni,Nb,Zr,Sc)、(Nb,Zr,Sc)、Nb、またはCrが豊富な粒子が形成されていることが確認された。これらの粒子は、強度の強化に有効であると考えられる。
次に、試料CCM7−1および試料CCM7−2のビッカース硬さHV3を測定したところ、試料CCM7−1のビッカース硬さHV3は、324であり、試料CCM7−2のビッカース硬さHV3は、340であった。この値は、SUS310Sのものよりも大きくなっている。
次に、試料CCM7−1に、それぞれ780℃(20時間)の熱時効処理、800℃(20時間)の熱時効処理を行ったもの、および、試料CCM7−2に780℃(20時間)の熱時効処理を行ったものに対して、試料CCM4と同じ方法でクリープ試験を行った。クリープ試験は、試験温度を700℃、試験圧力を150MPaとした。クリープ試験の結果を、図34に示す。図34に示すように、熱時効処理後の試料CCM7−1は250〜275時間程度で破断し、熱時効処理後の試料CCM7−2は70時間程度で破断することが確認された。
以上の試料CCM1〜CCM7についての各種試験結果のうち、平均結晶粒径、ビッカース硬さ、クリープ試験結果をまとめ、表3に示す。
表3に示すように、これらの鉄基合金は、平均結晶粒径が400μm以下で、ビッカース硬さHVが200以上のとき(試料CCM2〜CCM7)、クリープ破断時間が70時間以上となり、比較的大きい高温クリープ強度が得られ、耐熱性に優れているといえる。特に、試料CCM2−2、試料CCM3−2、試料CCM3−2−1、試料CCM3−2−2、試料CCM3−2−3、および試料CCM5−2−1では、クリープ破断時間が400時間以上となっており、その中でもさらに試料CCM3−2、試料CCM3−2−1では、クリープ破断時間が500時間以上となっており、非常に大きい高温クリープ強度を有し、特に耐熱性に優れているといえる。
[水蒸気酸化特性試験の結果]
試料CCM1〜CCM7の各試料に対し、クーポン試験片を作製し、水蒸気酸化特性試験を行った。試験に用いた試料は、試料CCM1−1(SA)、熱時効処理後の試料CCM2−1(20CW;20%冷間圧延材)および試料CCM2−2(30CW;30%冷間圧延材)、溶体化処理後の試料CCM3(SA)、熱時効処理後の試料CCM3−1(25CW;25%冷間圧延材)および試料CCM3−2(30CW;30%冷間圧延材)、溶体化処理後の試料CCM4(SA)、熱時効処理後の試料CCM4−1(25CW;25%冷間圧延材)および試料CCM4−2(30CW;30%冷間圧延材)、溶体化処理後の試料CCM5(SA)、熱時効処理後の試料CCM5−1(12CW;12%冷間圧延材)および試料CCM5−2(27CW;27%冷間圧延材)、溶体化処理後の試料CCM7(SA)熱時効処理後の試料CCM7−1(30CW;30%冷間圧延材)である。
試験では、クーポン試験片を、700℃で高圧(25MPa)の超臨界水(SCW)中に100時間設置し、そのときの単位面積当たりの重量の増加量(Weight Gain)を測定した。試験結果を、図35に示す。なお、図35には、比較のために、SUS310Sに対して全く同じ条件で行った試験結果も示す。図35に示すように、溶体化処理後の試料(SA)については、いずれもSUS310Sよりも優れた水蒸気酸化耐性を有していることが確認された。熱時効処理後の試料については、試料CCM3−1(25CW;25%冷間圧延材)、試料CCM3−2(30CW;30%冷間圧延材)、試料CCM4−1(25CW;25%冷間圧延材)および試料CCM4−2(30CW;30%冷間圧延材)で、SUS310Sと同じ程度の水蒸気酸化耐性を有していることが確認された。また、試料CCM5−1(12CW;12%冷間圧延材)、試料CCM5−2(27CW;27%冷間圧延材)および試料CCM7−1(30CW;30%冷間圧延材)で、SUS310Sよりも優れた水蒸気酸化耐性を有していることが確認された。

Claims (9)

  1. FeとCrとNiとNbとZrとを含む鉄基耐熱合金であって、
    前記Crを26.0〜30.0wt%、前記Niを15.0〜35.0wt%、前記Nbを0.4〜2.5wt%、前記Zrを0.05〜0.4wt%、Scを0〜0.4wt%、Wを0〜2.5wt%、Moを0〜0.009wt%含有し、残部が前記Feおよび不可避的不純物から成ることを
    特徴とする鉄基耐熱合金。
  2. 前記Crを26.0〜28.0wt%、前記Niを20.0〜30.0wt%含有していることを特徴とする請求項1記載の鉄基耐熱合金。
  3. C,S,O,NおよびPの含有量の合計が、0.03wt%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の鉄基耐熱合金。
  4. 前記Nbを1.2〜2.5wt%含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄基耐熱合金。
  5. 前記Zrを0.05〜0.23wt%含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄基耐熱合金。
  6. Scを0.01〜0.4wt%含有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鉄基耐熱合金。
  7. Wを0.4〜2.5wt%含有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の鉄基耐熱合金。
  8. Moを含有していないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の鉄基耐熱合金。
  9. 平均結晶粒径が400μm以下であり、ビッカース硬さHVが200以上であり、700℃、応力150MPaでのクリープ破断時間が70時間以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の鉄基耐熱合金。
JP2019505772A 2017-03-14 2018-02-07 鉄基耐熱合金 Active JP6930759B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017048031 2017-03-14
JP2017048031 2017-03-14
PCT/JP2018/004254 WO2018168268A1 (ja) 2017-03-14 2018-02-07 鉄基耐熱合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018168268A1 true JPWO2018168268A1 (ja) 2020-01-16
JP6930759B2 JP6930759B2 (ja) 2021-09-01

Family

ID=63523097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019505772A Active JP6930759B2 (ja) 2017-03-14 2018-02-07 鉄基耐熱合金

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6930759B2 (ja)
WO (1) WO2018168268A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06271992A (ja) * 1993-03-19 1994-09-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 耐酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
WO2005064031A1 (en) * 2003-12-30 2005-07-14 Sandvik Intellectual Property Ab Method for the manufacture of an austenitic product as well as the use thereof
JP2013227644A (ja) * 2012-03-28 2013-11-07 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp オーステナイト系耐熱合金
JP2014043621A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Nippon Steel & Sumitomo Metal オーステナイト系耐熱鋼

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06271992A (ja) * 1993-03-19 1994-09-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 耐酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
WO2005064031A1 (en) * 2003-12-30 2005-07-14 Sandvik Intellectual Property Ab Method for the manufacture of an austenitic product as well as the use thereof
JP2013227644A (ja) * 2012-03-28 2013-11-07 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp オーステナイト系耐熱合金
JP2014043621A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Nippon Steel & Sumitomo Metal オーステナイト系耐熱鋼

Also Published As

Publication number Publication date
JP6930759B2 (ja) 2021-09-01
WO2018168268A1 (ja) 2018-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6793689B2 (ja) Ni基合金部材の製造方法
JP5988008B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼板
US20190040501A1 (en) Nickel-cobalt alloy
JP6057363B1 (ja) Ni基超耐熱合金の製造方法
JP5283136B2 (ja) 窒素添加Co−Cr−Mo合金の結晶粒微細化方法および窒素添加Co−Cr−Mo合金
JP5652730B1 (ja) Ni基超耐熱合金及びその製造方法
JP5127749B2 (ja) 蒸気タービンのタービンロータ用Ni基合金およびそれを用いた蒸気タービンのタービンロータ
KR102403029B1 (ko) 석출 경화성의 코발트-니켈 베이스 초합금 및 이로부터 제조된 물품
JP5792500B2 (ja) Ni基超合金材およびタービンロータ
JP6315319B2 (ja) Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法
JP6826235B2 (ja) Ni基合金軟化粉末および該軟化粉末の製造方法
JP5995158B2 (ja) Ni基超耐熱合金
WO2020203460A1 (ja) Ni基超耐熱合金及びNi基超耐熱合金の製造方法
JP5268105B2 (ja) 2相ステンレス鋼およびその製造方法
JP2020105634A (ja) TiAl合金及びその製造方法
KR102048810B1 (ko) 저열팽창 초내열 합금 및 그의 제조 방법
JP6315320B2 (ja) Fe−Ni基超耐熱合金の製造方法
JP2017514998A (ja) 析出硬化ニッケル合金、前記合金でできた部品、及びその製造方法
WO2016152985A1 (ja) Ni基超耐熱合金およびそれを用いたタービンディスク
JP2011052239A (ja) O相基耐熱チタン合金およびその製造方法
JP2011236450A (ja) アニーリングツインを含有するニッケル基耐熱超合金と耐熱超合金部材
JP2004107777A (ja) オーステナイト系耐熱合金とその製造方法および蒸気タービン部品
JPWO2018168268A1 (ja) 鉄基耐熱合金
JP6485692B2 (ja) 高温強度に優れた耐熱合金およびその製造方法と耐熱合金ばね
JP7131332B2 (ja) オーステナイト系耐熱合金及びオーステナイト系耐熱合金部品

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190917

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6930759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150