JP2014224213A - 防曇性セルロースエステルフィルム、該防曇性セルロースエステルフィルムを用いた防曇ガラス - Google Patents
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Abstract
Description
0.005μm<d1<0.500μm ・・・ (1)
0.0001μm<d1/d2<0.0200 ・・・ (2)
図1は、本発明の一実施形態の防曇性セルロースエステルフィルム1(以下、単にフィルム1ともいう)の基本構成を示す模式的な断面図である。フィルム1は、防曇保護層11と、防曇保護層11の一方の面に形成された防曇層12とを有する。なお、フィルム1では、防曇保護層11の片面に防曇層12が設けられているが、防曇層12は、防曇保護層11の少なくとも一方の面に形成されていればよく、両面に設けられていてもよい。また、防曇層12は、図1に示されるように、フィルム1の表面全体に設けられることが好ましいが、少なくとも一部にのみに設けられてもよい。
0.005μm<d1<0.500μm ・・・ (1)
0.0001μm<d1/d2<0.0200 ・・・ (2)
メチレンクロライド可溶層は、セルロースエステル樹脂組成物(以下、単にセルロースエステルともいう)、および必要に応じて、後述する可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子、染料、糖エステル化合物、アクリル系共重合体などの添加剤を含む。
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000((株)日立製作所製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
メチレンクロライド不溶層は、高湿度環境や温度差の大きな環境において発生する水分を吸収して、または付着した水滴を膜状に広げて、曇りを防止する機能(防曇性)を有する。
次に、図1に示されるメチレンクロライド不溶層12の厚みd1と、メチレンクロライド可溶層11の厚みd2との測定方法について説明する。本実施形態では、メチレンクロライドを用いて以下の方法により所定の条件下でフィルムを溶解し、溶解したフィルム領域の厚みに基づいて、d1とd2とを算出している。
フィルムは、防曇性フィルムの性能をさらに向上させる目的で、メチレンクロライド可溶層および/またはメチレンクロライド不溶層に、以下の(a)可塑剤、(b)紫外線吸収剤、(c)微粒子、(d)染料、(e)糖エステル化合物、(f)アクリル系共重合体等の添加剤を含んでもよい。中でも、(a)可塑剤、(b)紫外線吸収剤、(c)微粒子のうち少なくとも1種以上を含むことが好ましく、(a)可塑剤、(b)紫外線吸収剤および(c)微粒子のすべてを含むことがより好ましい。
フィルムは、機械強度や耐水特性を向上させる目的で、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤としては、ポリエステル化合物が好ましい。
(式中、Bはヒドロキシ基、ベンゼンモノカルボン酸残基または脂肪族モノカルボン酸残基であり、Gは炭素数2〜18のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基であり、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜16のアリールジカルボン酸残基であり、nは1以上の整数である。)
(1)2,6−ナフタレンジカルボン酸
(2)2,3−ナフタレンジカルボン酸
(3)2,6−アントラセンジカルボン酸
(4)2,6−ナフタレンジカルボン酸:コハク酸(75:25〜99:1 モル比)
(5)2,6−ナフタレンジカルボン酸:テレフタル酸(50:50〜99:1 モル比)
(6)2,3−ナフタレンジカルボン酸:コハク酸(75:25〜99:1 モル比)
(7)2,3−ナフタレンジカルボン酸:テレフタル酸(50:50〜99:1 モル比)
(8)2,6−アントラセンジカルボン酸:コハク酸(50:50〜99:1 モル比)
(9)2,6−アントラセンジカルボン酸:テレフタル酸(25:75〜99:1 モル比)
(10)2,6−ナフタレンジカルボン酸:アジピン酸(67:33〜99:1 モル比)
(11)2,3−ナフタレンジカルボン酸:アジピン酸(67:33〜99:1 モル比)
(12)2,6−アントラセンジカルボン酸:アジピン酸(40:60〜99:1 モル比)
Y/X×100=ヒドロキシ基(水酸基)含有量(%) ・・・ (B)
X:前記ポリエステルポリオールのヒドロキシ基(水酸基)価(OHV)
Y:1/(数平均分子量(Mn))×56×2×1000
本実施形態のフィルムは、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、フィルムの耐久性を向上させることを目的として添加される。紫外線吸収剤は、波長370nmでの透過率が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下となるように添加される。
フィルムは、滑り性、保管安定性の観点から、微粒子を含有することが好ましい。微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
フィルムには、本実施形態の効果を損なわない範囲内で、色味調整のため染料を添加することもできる。フィルムには、たとえば、フィルムの黄色味を抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。
本実施形態に用いられる糖エステル化合物としては、たとえば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストース挙げられる。この他、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
本実施形態のフィルムは、重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリル系重合体を含有することができる。中でも分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーX、より好ましくは、分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーXと、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーYとを含有することが好ましい。
次に、上記した実施形態の防曇性セルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。防曇性セルロースエステルフィルムの製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。フィルムは、(a)セルロースエステルを溶液流涎法または溶融流延法により製膜する工程(製膜工程)と、(b)製膜されたフィルムの表面に防曇層を形成する工程(防曇層形成工程)とにより製造されうる。
まず、セルロースエステルを溶液流涎法または溶融流延法により製膜する。以下、溶液流涎法を用いた場合を例に挙げて製膜方法を説明するが、溶融流涎法も従来公知の方法を参照して実施することができる。溶液流涎法により製膜する場合、製膜工程は、好ましくは、(i)ドープ調製工程、(ii)ドープ流延工程、(iii)乾燥工程1、(iv)剥離工程、(v)延伸工程、(vi)乾燥工程2、および(vii)フィルム巻取工程を含む。
ドープ調整工程は、セルロースエステルおよび上記した添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程である。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が高すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%であり、好ましくは、15〜25質量%である。
これにより、ドープ内の不純物を除去、低減することができる。濾過材としては、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材がさらに好ましい。濾材としては特に限定されず、公知の濾材を使用することができる。
ドープ流延工程は、ドープを無端の金属支持体上に流延(キャスト)する工程である。金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は、1〜4mとすることができる。金属支持体の表面温度は、−50℃〜溶剤の沸点未満の温度とすることができ、好ましくは0〜40℃とすることができ、より好ましくは5〜30℃とすることができる。
乾燥工程1は、流延したドープをウェブとして乾燥する工程である。金属支持体の表面温度は、ドープ流延工程と同様である。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化したりする場合がある。
剥離工程は、ウェブを金属支持体から剥離する工程である。製膜後のフィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は、10〜150質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、さらに好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(式中、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量であり、Nはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料を115℃で1時間の加熱した後の質量である)
延伸工程は、金属支持体より剥離した直後のウェブを少なくとも一方向に延伸処理する工程である。延伸処理を行うことにより、フィルム内の分子の配向を制御することができる。延伸フィルムは、二軸延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルムであることが好ましい。ただし、延伸工程は必須ではなく、セルロースエステルフィルムは未延伸フィルムであってもよい。
乾燥工程2は、延伸後のフィルムをさらに乾燥する工程である。乾燥工程2では、フィルムは、残留溶媒量が1質量%以下になるように乾燥されることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム巻取工程は、乾燥後のウェブ(仕上がったセルロースエステルフィルム)を巻き取る工程である。フィルムの巻き取りは、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
次に、セルロースエステルフィルムを巻き出して、防曇性セルロースエステルフィルムの説明において上記した防曇性を付与する親水化処理により、フィルムの少なくとも一方の面に防曇層を形成する。
次に、上記した防曇性セルロースエステルフィルムを用いた防曇ガラスについて説明する。本実施形態の防曇ガラスは、上記したフィルムが貼合されたガラスである。具体的には、たとえば、防曇ガラスは、フィルムを適当な大きさに裁断し、粘着層を介してガラスに貼合させることができる。
[セルロースエステルCE−1の作製]
セルロース(綿花リンター由来)100質量部に、硫酸16質量部、無水酢酸260質量部、酢酸420質量部をそれぞれ添加し、攪拌しながら室温から60℃まで60分かけて昇温し、15分間その温度を保持しながら酢化反応を行った。次に、酢酸マグネシウムおよび酢酸カルシウムの酢酸−水混合溶液を添加して硫酸を中和した後、反応系内に水蒸気を導入して、60℃で120分間維持して鹸化処理を行った。その後、多量の水により洗浄を行い、さらに乾燥し、セルロースエステルCE−1を得た。セルロースエステルCE−1は、アセチル基置換度が2.9であり、重量平均分子量Mwが270000であった。
重量平均分子量Mwが表1に記載の値となるように、硫酸量を適宜変更したこと以外はセルロースエステルCE−1の作製と同様にして、セルロースエステルCE−2を作製した。
セルロースエステルの置換度および重量平均分子量Mwが表1に記載の置換度、分子量となるように、セルロースエステルの水酸基残度(DR)、カルシウム量、マグネシウム量、酢酸量およびプロピオン酸量を変更したこと以外は、セルロースエステルCE−1の作製と同様にして、セルロースエステルCE−3、CE−4を作製した。
<実施例1:フィルム101の製造>
(1)ドープ組成物の調製
下記のドープ組成物を調製した。
下記(a)〜(f)を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ組成物を調製した。
(a)セルロースエステルCE−1:90質量部
(b)ポリエステルA:10質量部
(c)紫外線吸収剤 チヌビン928(チバ・ジャパン(株)製):2.5質量部
(d)微粒子分散液 二酸化ケイ素分散希釈液:4質量部
(e)良溶剤 メチレンクロライド:432質量部
(f)貧溶剤 エタノール:38質量部
なお、ポリエステルAは芳香族末端ポリエステルであり、下記方法により合成した。
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温した。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、エステル化合物Aを得た。エステル化合物Aは、酸価0.10、数平均分子量450であった。
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製;一次粒子の平均径7nm)10質量部、およびエタノール90質量部をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。これにメチレンクロライド88質量部を撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合した。混合液を微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過し、二酸化ケイ素分散希釈液を調製した。
上記で得たドープ組成物を、ベルト流延装置を用い、ステンレスバンド支持体(温度:35℃)に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が100%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。
支持体からウェブを剥離後、テンターでウェブ両端部を把持し、160℃で幅手(TD)方向の延伸倍率が1.2倍となるように延伸し、その幅を維持したまま数秒間保持し(熱固定)、幅方向の張力を緩和させた後、幅保持を解放し、さらに125℃に設定された乾燥ゾーンで30分間搬送させて乾燥を行った。なお、延伸開始時の残留溶媒量は10%であった。
その後、セルロースエステルフィルムを1.65m幅にスリットし、フィルム両端に幅15mmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取った。得られたセルロースエステルフィルムの残留溶媒量は0.2%であり、膜厚は60μmであり、巻数は6000mであった。
フィルムを巻き出し、以下の方法により、防曇処理を施した。
フィルム101と同じドープを用い、流延膜厚を調製して、膜厚が40μmのフィルム原反を作製した。このフィルム原反に、(株)エム・ディ・エキシマ社製 高照度エキシマUV照射ユニット(高出力タイプ140mW/m2)を用いて、窒素パージ下、酸素濃度を0.5%以下として、180秒間エキシマUVを照射し、フィルム102を作製した。
セルロースエステルをCE−2に変更した以外はフィルム101と同様にドープを作製し、流延膜厚と延伸倍率を変更して膜厚40μmの原反フィルムを作製した。このフィルム原反を、エキシマUVによる光照射時間を60秒間とし、フィルム201を得た。
セルロースエステルをCE−3に変更した以外は、フィルム101と同様にドープを作製し、流延膜厚と延伸倍率などの延伸条件を変更して膜厚40μmおよび20μmのフィルム原反を作製した。
セルロースエステルをCE−4に変更した以外はフィルム101と同様にドープを作製し、流延膜厚と延伸倍率などの延伸条件を変更して膜厚20μの原反フィルムを作製した。この原反を用い、照射時間を45秒とした以外はフィルム101と同様の方法で低圧水銀ランプによる光照射を行い、フィルム401を作製した。
得られたフィルム101〜404を切片にして、さらにこの切片に白金を0.3nm程度の厚みで蒸着させ、フェノール樹脂で包埋し、ミクロトームによりフィルム断面が表面に現れるように切断した。この状態でTEMを用いてフィルムの膜厚を測定した(d1+d2)。
得られたフィルム101〜404について、以下の評価を行った。
フィルム101〜404を10cm角サイズに裁断し、23℃55%雰囲気化で24時間放置し、その後、同雰囲気下にて未通電状態の冷凍ショーケース(ホシザキ電機(株)製 リーチイン冷凍ショーケース FS−120XT3−1)のガラス扉の内側に25μmの両面接着テープ(リンテック(株)製、基材レステープ MO−3005C)を介して貼り、庫内設定温度を−25℃となったのを確認した後、12時間以上放置し、扉を開けたときの防曇特性を下記の評価基準に基づいて評価した。なお、扉を開けた時の庫外設定温度は23℃、相対湿度70%であった。結果を表3に示す。
フィルム101〜404を10cm角サイズに裁断し、23℃55%雰囲気化で24時間放置し、その後、同雰囲気下にて70℃の水蒸気に3分間暴露して、防曇特性を下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表3に示す。
5:全く結露が見られなかった。
4:結露したが、数秒で消えた。
3:結露したが、10秒以内に消えた。
2:結露したが、30秒以内に消えた。
1:結露し、30秒以上消えなかった。
得られたフィルム101〜404をA3サイズ(297mm×420mm)に裁断し、23℃55%RH雰囲気下にて、24時間以上静置した。その後、裁断したフィルムに、25μmの両面接着テープ(リンテック(株)製 基材レステープ MO−3005C)を貼りつけた。続いて、中性洗剤で洗浄した2mm厚のガラスの表面と、フィルム101〜404の粘着層側とに霧吹きで水をかけてから変形とカール状態を確認し、次いで水をかけた面とを貼り合わせ、水切りをしてから放置した。カール状態を下記の評価基準に基づいて評価した。また、貼り付けの作業性の観点から、下記の評価基準に基づいて変形を評価した。さらに、端面が剥がせるかどうかを確認し、乾燥状態を下記の評価基準に基づいて評価した。結果を表4に示す。フィルム401とフィルム402との乾燥時間は、いずれも1時間以内であったが、フィルム402の方が5分程度、乾燥時間が短かった。
大:カールが2cm以上であり、作業性が悪かった。
小:カールが2cm未満であり、作業性に問題がなかった。
大:波打ちやシワの発生があり、貼り付け作業性が悪かった。
小:多少の変形はあったが、作業性には問題がなかった。
なし: 変形は認められず、作業性が良かった。
3:1時間以内で剥がれなくなった。
2:3時間以内で剥がれなくなった。
1:剥がれなくなるまで3時間よりも長い時間がかかった。
5:シワ、剥がれが全くなかった。
4:四隅に剥がれが発生し始めていたが、許容できる程度であった。
3:わずかにシワ、剥がれが発生していたが、許容できる程度であった。
2:シワ、剥がれがはっきりと判った。
1:フィルムが前面に波打ち、シワ、剥がれが発生した。
11 防曇保護層(メチレンクロライド可溶層)
12 防曇層(メチレンクロライド不溶層)
Claims (5)
- セルロースエステル樹脂組成物を含み、
メチレンクロライド可溶層と、該メチレンクロライド可溶層の少なくとも一方の面に一体的に形成されたメチレンクロライド不溶層とを有し、
膜厚が65μm以下であり、
前記メチレンクロライド不溶層の厚みd1と、前記メチレンクロライド可溶層の厚みd2とが、以下の下記式(1)および(2)を満たす、防曇性セルロースエステルフィルム。
0.005μm<d1<0.500μm ・・・ (1)
0.0001μm<d1/d2<0.0200 ・・・ (2) - 前記メチレンクロライド可溶層における前記セルロースエステル樹脂組成物の重量平均分子量が、75000以上300000以下である、請求項1記載の防曇性セルロースエステルフィルム。
- 幅手方向に1.05倍以上1.50倍以下で一軸延伸される工程を経て作製される、請求項1または2記載の防曇性セルロースエステルフィルム。
- 前記メチレンクロライド可溶層における前記セルロースエステル樹脂組成物のアシル基置換度が、2.0以上3.0以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防曇性セルロースエステルフィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防曇性セルロースエステルフィルムが貼合された防曇ガラス。
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