JP2014221708A - 酸化亜鉛および酸化亜鉛の製造方法並びにこの酸化亜鉛を用いた化粧料、樹脂組成物、塗料組成物、無機粉体 - Google Patents

酸化亜鉛および酸化亜鉛の製造方法並びにこの酸化亜鉛を用いた化粧料、樹脂組成物、塗料組成物、無機粉体 Download PDF

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Abstract

【課題】長波長UVA領域の吸収効率を向上させ、さらに長波長UVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させる酸化亜鉛が望まれていた。また、粒子同士の摩擦を軽減し、その結果、化粧料や各種の組成物などに用いた場合に肌への感触、使用感、レベリング性などの効果を向上させることができる酸化亜鉛が望まれていた。さらに、可視光領域の高い透明性を確保しつつ、全UVA領域の散乱効果も発現させる酸化亜鉛が望まれていた。
【解決手段】本発明に係る酸化亜鉛は、平均一次粒子径が20〜40nmであり、かつアスペクト比が0.8〜1.2であり、かつ以下の圧縮成形品の円柱底面におけるb値が4.0以上であることを特徴とする。
圧縮成形品:酸化亜鉛3.0gのみを内径40mm、高さ5mmのアルミ製リングに充填して圧縮成形することによって作製したペレット状の圧縮成形品
【選択図】図3

Description

本発明は、顔料や添加剤などとして使用される酸化亜鉛に係る。さらに詳しくは特定の黄色度(b値)を有することによって、UVA領域の吸収効率を向上させ、さらにUVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させることができる酸化亜鉛に関するものである。
また、特定の粒子径、アスペクト比とすることによって粒子同士の摩擦を軽減し、その結果、化粧料や各種の組成物などに用いた場合に肌への感触、使用感、レベリング性などの効果を向上させることができる酸化亜鉛に関するものである。
さらに、かかる酸化亜鉛の表面の全部または一部をさらに酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することによって、上記の効果を奏しつつ、各種の安定性(耐久性試験および水分散時のpH安定性など)に優れた酸化亜鉛に関するものである。
従来から酸化亜鉛は、顔料や添加剤として化粧料、医薬品、塗料などの各種の樹脂組成物、半導体や圧電素子などの各種の電子材料に使用されている。
特に、酸化亜鉛は紫外線防止能を有することから、化粧料においては特許文献1〜3に示すように、サンスクリーン剤の原料として使用されることが多い。
また、特許文献4、5に示すような微粒子化した酸化亜鉛や特許文献6〜8に示すような、薄片状や針状などの特定の形状を有する酸化亜鉛も開発されている。
ここで、紫外線については、その波長によってUVA(320〜400nm)、UVB(290〜320nm)、UVC(200〜290nm)の3つに分類され、地表にはUVA、UVBが到達していることが知られている。そして、従前の酸化亜鉛は、短波長UVA領域(320〜340nm)の紫外線防止能は優れているものの、長波長UVA領域(340〜400nm)の紫外線防止能については低いことが知られている。
従って、特許文献1〜8において開示されている酸化亜鉛を用いた、従前の化粧料は、全UVA領域(320〜400nm)の紫外線防止効果(UVA領域のサンスクリーン効果)については不十分な面があった。
また、特許文献6〜8に示す特定形状の酸化亜鉛は化粧料に使用した場合には、肌に対する感触、使用感、レベリング性などの点が依然として不十分であるという問題があった。
そこで、このような酸化亜鉛の欠点を補完するために、特許文献9、10に示すような表面処理剤などの有機化合物によって表面処理加工を行った酸化亜鉛が開発されている。また、全UVA領域の紫外線防止能に優れた紫外線吸収剤(Ultraviolet Absorber)などを別途配合することなども行われている。
特開平5−201844号公報 特開平8−333219号公報 特開平9−263523号公報 特開2010−275223号公報 特開2000−191490号公報 特開平7−173044号公報 特開2011−16734号公報 特開2010−195847号公報 特開2007−277415号公報 特開2009−23981号公報 特開2012−207039号公報
しかしながら、特許文献9〜11に示す酸化亜鉛に用いられている表面処理剤などの有機化合物や紫外線吸収剤(Ultraviolet Absorber)は、皮膚への悪影響が懸念されるという問題があった。また、特許文献9、10に示す酸化亜鉛については製造工程が複雑になり、コストも高くなってしまうという問題もあった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、酸化亜鉛に特定の黄色度を持たせることによって、従前においては紫外線防止能が低かった酸化亜鉛の長波長UVA領域の紫外線防止能を向上させることができるとの知見を得るに至ったのである。
また、長波長UVA領域の紫外線の吸収効率を向上させることができることに伴って、長波長UVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させることができるとの知見も得るに至ったのである。
本発明は、上記した従来の酸化亜鉛の問題点に鑑みてなされたものであって、特定の黄色度(b値)を持たせることによって長波長UVA領域の吸収効率を向上させ、さらに長波長UVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させることができる酸化亜鉛の提供を目的とするものである。
また、特定の粒子径、アスペクト比とすることによって粒子同士の摩擦を軽減し、その結果、化粧料や各種の組成物などに用いた場合に肌への感触、使用感、レベリング性などの効果を向上させることができる酸化亜鉛の提供を目的とするものである。
さらに、かかる酸化亜鉛の表面の全部または一部を酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することによって、上記の効果を奏しつつ、各種の安定性を向上させた酸化亜鉛の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る酸化亜鉛は、平均一次粒子径が20〜40nmであり、かつアスペクト比が0.8〜1.2であり、かつ以下の圧縮成形品の円柱底面におけるb値が4.0以上であることを特徴とする。
圧縮成形品:酸化亜鉛3.0gのみを内径40mm、高さ5mmのアルミ製リングに充填して圧縮成形することによって作製したペレット状の圧縮成形品
また、本発明に係る酸化亜鉛は、さらに表面の全部または一部を、酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することを特徴とする。
また、本発明に係る酸化亜鉛は、ラマン分光法によるラマンスペクトルにおいて、420〜460cm−1の領域に存在するピークの強度E2とし、530〜620cm−1の領域に存在するピークの強度A1としたときのスペクトル強度比A1/E2が0.15〜2.00であることを特徴とする。
また、本発明に係る酸化亜鉛は、a軸の格子定数が3.2470〜3.2500Å(オングストローム)であり、c軸の格子定数が5.2000〜5.2100Å(オングストローム)であることを特徴とする。
また、本発明に係る酸化亜鉛は、塩化亜鉛水溶液に炭酸塩溶液を加えて炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の沈殿物を得る工程と、炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に対して、10〜150重量%の酸化剤を添加した後、70℃以上で、かつ2時間以上加熱して過酸化亜鉛の分散液を生成する工程と、過酸化亜鉛を300℃以上で、かつ2時間以上焼成して酸化亜鉛粒子を生成する工程を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る酸化亜鉛は、塩化亜鉛水溶液に炭酸塩溶液を加えて炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の沈殿物を得る工程と、炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に対して、10〜150重量%の酸化剤を添加した後、70℃以上で、かつ2時間以上加熱して過酸化亜鉛の分散液を生成する工程と、過酸化亜鉛に対して、水溶性チタン塩、チタンアルコキシド、有機チタンキレート錯体、酸化チタンスラリーから選択される1種または2種以上のチタン系処理剤を、0.1〜10.0重量%添加する工程と、チタン系処理剤によって処理された過酸化亜鉛を300℃以上で、かつ2時間以上焼成して被覆された酸化亜鉛粒子を生成する工程を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る化粧料は、請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を配合したことを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂組成物は、請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を配合したことを特徴とする。
また、本発明に係る塗料組成物は、請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を配合したことを特徴とする。
また、本発明に係る酸化亜鉛は、請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を、有機ケイ素化合物、金属酸化物、金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つ以上の物質で表面処理したことを特徴とする。
本発明に係る酸化亜鉛によれば、以下の技術的効果を発現させることができる。
1)長波長UVA領域の紫外線の吸収効率を向上させることができる。
2)長波長UVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させることができる。
3)特定の粒子径とすることで可視光領域の高い透明性を確保しつつ、全UVA領域の散乱効果も発現させることができる。
4)粒子同士の摩擦が軽減されることによって、化粧料や各種の組成物などに用いた場合に肌への感触、使用感、レベリング性などの効果を向上させることができる。
また、表面の全部または一部を、酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することによって、上記の効果を奏しつつ、各種の安定性に優れた酸化亜鉛を得ることができる。
また、ラマンスペクトルにおけるスペクトル強度比、格子定数などを特定の範囲とすることによって、上記の効果をより確実に発現させることができる。
また、特定の工程を特定の条件下において行うことによって、上記の効果が発現する酸化亜鉛を得ることができる。
さらに、本発明に係る酸化亜鉛を表面処理することによって、上記の効果を有しつつ、さらに表面特性が発現する無機粉体を得ることができる。
本発明の酸化亜鉛のb値を測定するための圧縮成型品の作製方法を示す模式図である。 本発明の酸化亜鉛のb値の測定方法を示す模式図である。 実施例1の酸化亜鉛の電子顕微鏡写真である。 実施例5の酸化亜鉛の電子顕微鏡写真である。 実施例1、5〜9および比較例1〜8の酸化亜鉛のb値の測定結果である。 実施例1の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例2の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例3の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例4の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例5の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例6の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例7の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例8の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例9の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 比較例1の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 比較例2の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 比較例3の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 比較例4の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図である。 実施例1〜9および比較例1〜4の酸化亜鉛のスペクトル強度比A1/E2の結果である。 実施例1、5および比較例1〜4の酸化亜鉛の格子定数の測定結果である。 実施例1、5および比較例1の酸化亜鉛の吸光度の測定結果である。 実施例1、5および比較例1〜4の酸化亜鉛の官能試験結果である。 実施例5および比較例3〜4の酸化亜鉛の耐久性試験結果である。 実施例5および比較例3〜4の酸化亜鉛の水分散時のpH安定性結果である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(黄色度)
まず、本発明の酸化亜鉛は特定の黄色度を有することを特徴とするものである。このように本発明の酸化亜鉛は特定の黄色度を有することによって、従前の酸化亜鉛においては紫外線防止能が低かった長波長UVA領域の紫外線の紫外線防止能を向上させることができるのである。加えて、従来は吸収効果が発現しなかった長波長UVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させることができるのである。
ここで、本発明の特徴であるこの黄色度は、酸化亜鉛の合成の際に結晶内に酸素欠損を生じていることに起因するものである。すなわち、従来の酸化亜鉛は亜鉛(Zn)と酸素(O)が等モルで構成された結晶構造(例えばウルツ鉱型結晶構造)を有しているものであるが、本発明の酸化亜鉛は亜鉛(Zn)に対する酸素(O)のモル比が少なくなっていることを特徴としている。そして、このような構成を有していることから、本発明の酸化亜鉛は光の吸収特性が変化し、黄色味を帯びるのである。なお、亜鉛(Zn)に対する酸素(O)のモル比は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜調整されるものであるが、0.65〜0.91の範囲であることが好ましい。
そして、黄色度については第一義的にはb値において表わされ、かかるb値が4.0以上であることが必要である。
具体的には、以下の方法によって測定された圧縮成型品の円柱底面におけるb値が4.0以上であることが必要である。なお、b値の上限値については特に限定されないが、あまりにも高すぎると化粧料などに使用した際に化粧料自体が黄色味を帯びてしまうことから、30程度を上限値とすることが好ましい。
1)酸化亜鉛1の粉体のみ3.0gを、内径40mm、高さ5mmの円筒形のアルミ製リング2に仕込み、押さえ板3とともに成型圧縮機BRE−32(株式会社前川試験機製作所製)にて17MPaの圧力を1分間かけて厚さ約1.7mm、直径約40mmの圧縮成型品4を作製する(図1参照)。
2)作製した圧縮成型品4を厚さ1.7mmの石英板5の上に置き(図2(a)参照)、かかる石英板5の裏から色彩色差計6(CR−400、コニカミノルタ社製)にてb値を測定する(図2(b)参照)。
3)1)〜2)の作業を3回行い、その平均値をもって酸化亜鉛のb値とする。
(ラマンスペクトル)
また、黄色度については、上記の通り酸化亜鉛の結晶内に酸素欠損を生じさせることによって得られることから、酸化亜鉛のラマン分光法によるラマンスペクトルによっても表わすことができる。
具体的には、亜鉛(Zn)と酸素(O)が等モルで構成されている純度99.9%以上の酸化亜鉛を基準として測定した場合において、420〜460cm−1の領域に存在するピーク(ZnOのウルツ鉱型結晶構造由来のピーク)の強度E2とし、530〜620cm−1の領域に存在するピーク(酸素欠損由来のピーク)の強度A1としたときのスペクトル強度比A1/E2が0.15〜2.00であることが好ましい。また、より好ましくは0.2〜1.5である。
強度比が0.15より低くなると本発明の技術的効果が発現しにくくなり、逆に強度比が2.00よりも高くなると酸化亜鉛の結晶性が悪くなり、本発明の技術的効果が発現しにくくなることとなる。
さらに、黄色度については、結晶構造を示す格子定数によっても表わすことができる。
具体的には、a軸の格子定数が3.2470〜3.2500Å(オングストローム)であり、c軸の格子定数が5.2000〜5.2100Å(オングストローム)であることが好ましい。
なお、格子定数がかかる数値範囲を外れることとなると本発明の技術的効果が発現しにくくなることとなる。
また、より好ましくはa軸の格子定数が3.2485〜3.2495Å(オングストローム)であり、c軸の格子定数が5.2030〜5.2070Å(オングストローム)である。
(粒子径、アスペクト比)
次に、本発明の酸化亜鉛は、上記した特定の黄色度を有するとともに特定の粒子径、アスペクト比を有することを特徴とするものである。
酸化亜鉛に特定の粒子径を持たせることによって、黄色度を有することによる長波長UVA近傍の可視光および長波長UVA領域の紫外線の吸収効果を損なうことなく、可視光領域において高い透明性を発現させることができるのである。すなわち、化粧料などに使用した際に、長波長UVA近傍の可視光および長波長UVA領域の紫外線の吸収効果を発現させながら、肌に塗布した場合でも白っぽくなったり、メイクの仕上がりが悪くなったりすることを防止することができるのである。
また、特定の粒子径、アスペクト比を持たせることによって、粒子同士の摩擦が軽減されることから、化粧料や各種の組成物などに用いた場合に肌への感触、使用感、レベリング性などの効果を向上させることができるのである。
ここで、アスペクト比については0.8〜1.2であることが必要である。アスペクト比が上記の範囲を超えると、酸化亜鉛粒子の形状が不均一になることから、粒子同士の摩擦が多くなり、肌への感触、使用感、レベリング性などの効果を向上させることが困難となる。
そして、このようなアスペクト比を持つものの中でも球状を有していることが好ましい。なお、本発明の酸化亜鉛が球状である場合には、かかるアスペクト比は球状度(長軸径/短軸径)と換言することができる。
また、粒子径については、平均一次粒子径が20〜40nmであることが必要である。そして、その中でもより好ましくは20〜35nmであり、さらに好ましくは20〜30nmである。
(酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛による被覆)
さらに、本発明の酸化亜鉛については、上記の特定の黄色度、粒子径、アスペクト比を有する酸化亜鉛の表面の全部または一部を、酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することもできる。
このように酸化チタンまたは/およびチタン酸亜鉛で被覆することで、上記の効果を奏しつつ、各種の安定性を向上させた酸化亜鉛を得ることができるのである。具体的には、酸化亜鉛は大気中の水分および二酸化炭素を吸着することによって炭酸亜鉛に経時変化していくことが知られているが、酸化チタンまたは/およびチタン酸亜鉛によって被覆されることによって、酸化亜鉛の表面が大気に触れにくくなり、その結果各種の安定性を向上させた酸化亜鉛を得ることができるのである。
また、後記する製造方法において、過酸化亜鉛を焼成して酸化亜鉛を作製する際の粒子同士の焼結を抑えることができ、特定の粒子径、アスペクト比を持つ酸化亜鉛を簡単に得ることもできるのである。
(製造方法)
本発明の酸化亜鉛の製造方法については、上記した特定の黄色度、粒子径、アスペクト比の全てを有する酸化亜鉛が製造できるものであれば特に限定されるものではなく、公知の手法を用いることができるが以下の工程を備える方法によって作製することが好ましい。
1)塩化亜鉛水溶液に炭酸塩溶液を加えて炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の沈殿物を得る。
2)1)において作製した炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に対して、所定量の酸化剤を添加した後、加熱することによって過酸化亜鉛の分散液を作製する。
3)2)において作製した過酸化亜鉛を焼成することによって酸化亜鉛粒子を作製する。
ここで、1)の工程において使用される炭酸塩溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ガス、炭酸鉄、炭酸コバルトなどを、水、アセトン、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒や、メタノール、エタノールなどのプロトン性溶媒などで溶解したものを挙げることができる。
なお、塩化亜鉛水溶液および炭酸塩溶液の濃度、配合量などについては特に限定されず、必要に応じて適宜決定される。
また、1)の工程では使用する炭酸塩溶液や反応条件などによって、炭酸亜鉛または酸化亜鉛または炭酸亜鉛と酸化亜鉛の混合物が得られ、特に炭酸亜鉛においては塩基性の炭酸亜鉛が含まれる場合がある。
2)の工程において使用される酸化剤としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化マグネシウムなどの過酸化物や、過マンガン酸カリウム、リンモリブデン酸水和物などの金属系酸化剤や、次亜塩素酸ナトリウムなどの過塩素酸系酸化剤や、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物酸化剤などを挙げることができる。そして、これらの酸化剤をそのままの状態または水などに溶解した状態で、1)において作製した炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に添加する。
なお、2)の工程における酸化剤の添加量としては、1)において作製した炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に対して10〜150重量%であることが好ましく、より好ましくは50〜100重量%である。
また、酸化剤を添加した後の加熱条件としては、反応効率の点から70℃以上で、かつ2時間以上行うことが好ましく、より好ましくは90℃以上で、かつ2時間以上である。
3)の工程における焼成条件としては、脱酸素を十分に行う点から200℃以上で、かつ2時間以上行うことが好ましく、より好ましくは500℃以上で、かつ2時間以上である。
そして、上記のようにして合成された本発明の酸化亜鉛は、化粧料、医薬品、塗料などの各種の樹脂組成物、半導体や圧電素子などの各種の電子材料に使用されることになる。
(酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆された酸化亜鉛の製造方法)
なお、表面の全部または一部が酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆された酸化亜鉛については、上記2)の工程の後に、得られた過酸化亜鉛粒子に水溶性チタン塩、チタンアルコキシド、有機チタンキレート錯体、酸化チタンスラリーから選択される1種または2種以上のチタン系処理剤を添加する工程を追加することによって得ることができる。
ここで、かかる工程において使用されるチタン系処理剤としては、より具体的には、塩化チタンや硫酸チタンなどの水溶性チタン塩、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムブトキシドなどの有機チタンアルコキシド、その有機チタンアルコキシドを重合させた有機チタンポリマーや有機チタンオリゴマー、ペルオキソチタネート、チタンペルオキソクエン酸錯体などの有機チタンキレート錯体、酸化チタンを水などに分散させた酸化チタンスラリーを挙げることができる。そしてその中でも、容易に作製ができる点から水溶性チタン塩の水溶液を用いることが好ましい。
なお、チタン系処理剤の濃度、配合量などについては特に限定されず、必要に応じて適宜決定されることになるが、各種の安定性を十分に発現させることができる点などから、2)において作製した過酸化亜鉛に対して0.1〜10.0重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。
さらに、本発明の酸化亜鉛については、樹脂成分との密着性の向上など各種の性能を向上させるために、必要に応じて表面処理を行うこともできる。ここで、このような表面処理剤としては、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシカプリリルシランなどの有機ケイ素化合物、ステアリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸、酸化チタン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムなどの金属酸化物、水酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、含水ケイ酸などの金属水酸化物などを挙げることができる。
次に、実施例および比較例に基づいて本発明の酸化亜鉛をさらに詳しく説明する。
図3は実施例1の酸化亜鉛の電子顕微鏡写真であり、図4は実施例5の酸化亜鉛の電子顕微鏡写真であり、図5は実施例1、5〜9および比較例1〜8の酸化亜鉛のb値の測定結果であり、図6は実施例1の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図7は実施例2の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図8は実施例3の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図9は実施例4の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図10は実施例5の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図11は実施例6の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図12は実施例7の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図13は実施例8の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図14は実施例9の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図15は比較例1の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図16は比較例2の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図17は比較例3の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図18は比較例4の酸化亜鉛のラマンスペクトルデータを示す図であり、図19は実施例1〜9および比較例1〜4の酸化亜鉛のスペクトル強度比A1/E2の結果であり、図20は実施例1、5および比較例1〜4の酸化亜鉛の格子定数の測定結果であり、図21は実施例1、5および比較例1の酸化亜鉛の吸光度の測定結果であり、図22は実施例1、5および比較例1〜4の酸化亜鉛の官能試験結果であり、図23は実施例5および比較例3〜4の酸化亜鉛の耐久性試験結果であり、図24は実施例5および比較例3〜4の酸化亜鉛の水分散時のpH安定性試験結果である。
(実施例1)
(1)工程1
塩化亜鉛320g(ZnO換算で90g/lに相当)を水680mlに溶解した。そして、かかる塩化亜鉛水溶液を40℃に保持するとともに回転数360rpmの条件で撹拌しながら、20重量%の炭酸ナトリウム水溶液650gを5分かけて添加することによって炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の水溶液を得た。なお、この際の炭酸亜鉛水溶液のpHは6程度となった。
(2)工程2
次に、工程1で得た炭酸亜鉛水溶液を40℃に保持するとともに回転数360rpmの条件で撹拌しながら、35重量%の過酸化水素水129g(ZnOに対して50重量%に相当)を添加し、その後、かかる混合液を撹拌を続けながら90℃以上で2時間保持することによって過酸化亜鉛の分散液を得た。
(3)工程3
次に、工程2で得た過酸化亜鉛の分散液をろ過した後、残渣である過酸化亜鉛を水で洗浄し、110℃、6時間の条件で乾燥することによって過酸化亜鉛の粉体を得た。
(4)工程4
最後に、工程3で得た過酸化亜鉛粉体を500℃で2時間焼成することによって実施例1の酸化亜鉛粉体を得た。
(実施例1の酸化亜鉛粉体の分析)
得られた実施例1の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比を測定したところ、平均一次粒径は25.7nmであり、アスペクト比は1.09であった。なお、平均一次粒径およびアスペクト比の測定は、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて撮影した1000個ほどの酸化亜鉛粒子の写真から、画像解析式粒度分布ソフトウェアMac−VIEW(株式会社マウンテック社製)を用いて行った。
また、実施例1の酸化亜鉛粉体の透過型電子顕微鏡写真を図3に示す。図3から実施例1の酸化亜鉛粉体は球状を示していることがわかる。
なお、実施例1の酸化亜鉛については、後記するb値および格子定数の測定用に25ロット分の酸化亜鉛を上記した工程1〜3と同じ方法によって作製した。
(実施例2)
工程2における過酸化水素水の添加量を258gに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例2の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ25.7nmと1.09であった。
(実施例3)
工程4における焼成温度を400℃に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例3の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ22.7nmと1.10であった。
(実施例4)
工程4における焼成温度を600℃に変更した以外は実施例1と同様にして実施例4の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例4の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ30.2nmと1.12であった。
(実施例5)
実施例1の工程2と工程3の間に以下の追加工程を行うことによって、酸化チタンまたは/およびチタン酸亜鉛で被覆された実施例5の酸化亜鉛粉体を得た。
(1)工程1
塩化亜鉛320g(ZnO換算で90g/lに相当)を水680mlに溶解した。そして、かかる塩化亜鉛水溶液を40℃に保持するとともに回転数360rpmの条件で撹拌しながら、20重量%の炭酸ナトリウム水溶液650gを5分かけて添加することによって炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の水溶液を得た。なお、この際の炭酸亜鉛水溶液のpHは6程度となった。
(2)工程2
次に、工程1で得た炭酸亜鉛水溶液を40℃に保持するとともに回転数360rpmの条件で撹拌しながら、35重量%の過酸化水素水129g(ZnOに対して50重量%に相当)を添加し、その後、かかる混合液を撹拌を続けながら90℃以上で2時間保持することによって過酸化亜鉛の分散液を得た。
(3)追加工程
次に、工程2で得た過酸化亜鉛の分散液をろ過した後、残渣である過酸化亜鉛を水で洗浄し、得られた過酸化亜鉛を水で1800mlに希釈した分散液を60℃に保持するとともに回転数360rpmの条件で撹拌しながら、1重量%の硫酸チタン水溶液9g(ZnOに対して0.1重量%に相当)を添加することによって表面が処理された過酸化亜鉛の分散液を得た。
(4)工程3
次に、追加工程にて得られた、表面が処理された過酸化亜鉛の分散液をろ過した後、残渣である過酸化亜鉛を水で洗浄し、110℃、6時間の条件で乾燥することによって表面が処理された過酸化亜鉛の粉体を得た。
(5)工程4
最後に、工程3で得た過酸化亜鉛粉体を550℃で2時間焼成することによって、実施例5の酸化チタンまたは/およびチタン酸亜鉛で被覆された酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例5の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ26.1nmと1.09であった。
また、実施例5の酸化亜鉛粉体の透過型電子顕微鏡写真を図4に示す。図4から実施例5の酸化亜鉛粉体は球状を示していることがわかる。
なお、実施例5の酸化亜鉛については、実施例1と同様に、b値および格子定数の測定用に25ロット分の酸化亜鉛を作製した。
(実施例6)
工程2における過酸化水素水の添加量を258gに変更した以外は実施例5と同様にして実施例6の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例6の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ26.1nmと1.09であった。
(実施例7)
追加工程における1重量%の硫酸チタン水溶液を45g(ZnOに対して0.5重量%に相当)に変更した以外は実施例5と同様にして実施例7の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例7の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ26.4nmと1.10であった。
(実施例8)
工程5における焼成温度を600℃に変更した以外は実施例5と同様にして実施例8の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例8の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ30.3nmと1.12であった。
(実施例9)
工程2における熟成温度を70℃に変更した以外は実施例5と同様にして実施例9の酸化亜鉛粉体を得た。なお、実施例9の酸化亜鉛粉体の平均一次粒径およびアスペクト比はそれぞれ26.1nmと1.09であった。
(比較例1)
酸化亜鉛試薬99.9%(シグマアルドリッチジャパン合同会社)を比較例1の酸化亜鉛とした。
(比較例2)
テイカ社製酸化亜鉛MZ−200(平均一次粒径:50nm、アスペクト比:1.31)を比較例2の酸化亜鉛とした。
(比較例3)
テイカ社製酸化亜鉛MZ−300(平均一次粒径:35nm、アスペクト比:1.33)を比較例3の酸化亜鉛とした。
(比較例4)
テイカ社製酸化亜鉛MZ−500(平均一次粒径:25nm、アスペクト比:1.40)を比較例4の酸化亜鉛とした。
次に、実施例1〜9および比較例1〜4の酸化亜鉛について、黄色度(b値)、ラマンスペクトル、格子定数、吸光度測定、官能試験の各評価を行った。また、実施例5および比較例2、3の酸化亜鉛については、耐久性および水分散時のpH安定性についても評価を行った。
(黄色度の評価:b値の測定)
実施例1および実施例5〜9、比較例1〜4の酸化亜鉛についてb値を測定した。具体的には、[0029]に示した方法によって行った。なお、実施例1および実施例5の酸化亜鉛については25ロット分の一部についてb値を測定した。結果を図5に示す。
図5の結果から、実施例の酸化亜鉛については、b値がいずれも4以上となり、目視においても黄色を帯びていることが確認できた。
一方、比較例1〜4の酸化亜鉛については、いずれもb値が4未満となり、目視においても黄色味を確認することができなかった。
以上から、本発明の酸化亜鉛は従来の酸化亜鉛に比べて、黄色度の高いものであることがわかった。
(黄色度の評価:ラマンスペクトルの測定)
実施例1〜9および比較例1〜4の酸化亜鉛のラマンスペクトルを測定した。具体的にはRaman−11(ナノフォトン株式会社製:励起波長532nm、出力15mW、グレーティング1200gr/mm、スリット幅60um、露光時間30秒)を用いて、[0030]に示した方法(亜鉛(Zn)と酸素(O)が等モルで構成されている純度99.9%以上の酸化亜鉛を基準として測定)によって測定を行った。
なお、実施例1〜4の酸化亜鉛については3回測定を行い、さらにスペクトル強度比A1/E2について評価を行った。結果を図6〜図18に示す。
実施例1〜9の酸化亜鉛については、図6〜図14および図19の結果から、スペクトル強度比A1/E2が、いずれも0.15〜1.10([0030]に記載の0.15〜2.00の範囲内)であった。
一方、比較例1〜4の酸化亜鉛については、図15〜図19の結果から、スペクトル強度比A1/E2が、いずれも0.05〜0.13であった。
従って、本発明の酸化亜鉛は、従来の酸化亜鉛に比べて酸素欠損に由来するA1のピークが高いことから、結晶内に酸素欠損が存在していることがわかった。
(黄色度の評価:格子定数の測定)
実施例1と実施例5(25ロット分)および比較例1〜4の酸化亜鉛について、X線回折装置にて格子定数を測定した。具体的にはX‘Pert PRO(スペクトリス株式会社製)を用いて行った。結果を図20に示す。
図20(a)から、上記実施例1および実施例5(25ロット分)の酸化亜鉛は、a軸の格子定数が3.2470〜3.2500Å(オングストローム)であり、c軸の格子定数が5.2000〜5.2100Å(オングストローム)であった。特に、かかる数値範囲の中でも図20(b)に示すように、a軸の格子定数が3.2470〜3.2494Å(オングストローム)で、かつc軸の格子定数が5.2030〜5.2090Å(オングストローム)の範囲内に集中していることがわかった。
一方、比較例1〜4の酸化亜鉛については、a軸の格子定数が3.2495Å(オングストローム)または3.2500Å(オングストローム)であり、c軸の格子定数については5.2060〜5.2100Å(オングストローム)の範囲内であった。
以上から、本発明の酸化亜鉛は従来の酸化亜鉛に比べて、特定範囲の格子定数を有するものであることがわかった。
(吸光度測定)
実施例1と実施例5および比較例1の酸化亜鉛の吸光度を測定した。具体的には日立分光光度計 U−4100(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。結果を図21に示す。
図21から実施例1および実施例5の酸化亜鉛については、比較例1の酸化亜鉛に比べて、全UVA領域の紫外線の吸収率が高くなっていることがわかる。また、その中でも長波長UVA領域については、特に高い吸収率を示していることがわかる。
さらに、実施例1および実施例5の酸化亜鉛は、比較例1の酸化亜鉛ではほとんど吸収をしない、400nmを越える可視光領域の光についても吸収効果を示していることがわかる。
従って、本発明の酸化亜鉛は従来では紫外線防止能が低い長波長UVA領域の紫外線の紫外線防止能が向上するとともに、長波長UVA近傍の可視光領域の光についても吸収効果を発現させることができることがわかった。
(官能試験)
実施例1と実施例5および比較例1〜4の酸化亜鉛の肌に対する感触について官能試験を行った。具体的には、実施例1と実施例5および比較例1〜4の酸化亜鉛粉体の肌触りを、12人の女性(被験者)に1点から4点までを0.5点刻みに区切った7段階の評点によって評価してもらった。結果を図22に示す。
図22から実施例1と実施例5の酸化亜鉛については、12人の被験者の平均点が3.9と3.8という高い評価となり、さらにほとんどの被験者が4点満点の評価を行うという結果となった。
一方、比較例1〜4の酸化亜鉛については、12人の被験者の平均点が1.9〜2.5点という評価となるとともに、被験者によってバラツキが生じる結果となった。
以上から、特定範囲のアスペクト比や粒径を持つ本発明の酸化亜鉛は、従来の酸化亜鉛に比べて肌に対する感触に優れており、化粧料に使用した場合には使用感、レベリング性などの点において優れたものになることがわかった。
(耐久性試験および水分散時のpH安定性試験)
実施例5および比較例3、4の酸化亜鉛について耐久性および水分散時のpH安定性の評価を行った。具体的には恒温恒湿機PR−1KT(エスペック株式会社製)を用いて、温度40℃、湿度75%の条件にて促進試験を行い、経過における比表面積(測定はMacsorb
HM model−1201:株式会社マウンテック製)の変化を確認することによって、耐久性の評価を行った。
また、実施例5および比較例3、4の酸化亜鉛をそれぞれ10重量%になるようにイオン交換水で希釈分散し、経過におけるpH変化(測定は株式会社堀場製作所:D−51)を確認することによって、水分散時のpH安定性の評価を行った。結果を図23、図24に示す。
図23に示す通り、実施例5の酸化亜鉛については粒子径が小さいにもかかわらず、比表面積の減少が小さいことから、耐久性に優れていることがわかった。また図24に示す通り、pHについても経過における変動がないことから、水分散時のpH安定性にも優れていることがわかった。
一方で、比較例3〜4の酸化亜鉛については、比表面積の変動が大きく、pHの変化も大きいものであった。
以上から、酸化チタンまたは/およびチタン酸亜鉛で被覆された本発明の酸化亜鉛は、従来の酸化亜鉛に比べて耐久性および水分散時のpH安定性に優れていることがわかった。
以上の結果から、本発明の酸化亜鉛は、1)特定の黄色度(b値)とすることによって長波長UVA領域の吸収効率が向上するとともに、長波長UVA領域近傍の可視光領域の光についても吸収効果が発現し、2)特定の粒子径、アスペクト比とすることによって粒子同士の摩擦を軽減し、その結果、化粧料や各種の組成物などに用いた場合に肌への感触、使用感、レベリング性などの効果が向上し、3)特定の粒子径とすることによって可視光領域の高い透明性が確保しつつ、全UVA領域の散乱効果も得られることがわかった。
さらに、表面の全部または一部をさらに酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することによって、上記の効果を奏しつつ、各種の安定性に優れた酸化亜鉛を得ることができることがわかった。
本発明の酸化亜鉛は、化粧料、医薬品、塗料などの各種の樹脂組成物、半導体や圧電素子などの各種の電子材料などに用いることができる。
1 酸化亜鉛
1a 酸化亜鉛(酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆したもの)
2 アルミ製リング
3 押さえ板
4 圧縮成型品
5 石英板
6 色彩色差計

Claims (10)

  1. 平均一次粒子径が20〜40nmであり、かつアスペクト比が0.8〜1.2であり、かつ以下の圧縮成形品の円柱底面におけるb値が4.0以上であることを特徴とする酸化亜鉛。
    圧縮成形品:前記酸化亜鉛3.0gのみを内径40mm、高さ5mmのアルミ製リングに充填して圧縮成形することによって作製したペレット状の圧縮成形品
  2. さらに表面の全部または一部を、酸化チタンおよび/またはチタン酸亜鉛で被覆することを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛。
  3. ラマン分光法によるラマンスペクトルにおいて、
    420〜460cm−1の領域に存在するピークの強度E2とし、
    530〜620cm−1の領域に存在するピークの強度A1としたときのスペクトル強度比A1/E2が0.15〜2.00であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化亜鉛。
  4. a軸の格子定数が3.2470〜3.2500Å(オングストローム)であり、
    c軸の格子定数が5.2000〜5.2100Å(オングストローム)であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の酸化亜鉛。
  5. 塩化亜鉛水溶液に炭酸塩溶液を加えて炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の沈殿物を得る工程と、
    前記炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に対して、10〜150重量%の酸化剤を添加した後、70℃以上で、かつ2時間以上加熱して過酸化亜鉛の分散液を生成する工程と、
    前記過酸化亜鉛を300℃以上で、かつ2時間以上焼成して酸化亜鉛粒子を生成する工程を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛の製造方法。
  6. 塩化亜鉛水溶液に炭酸塩溶液を加えて炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛の沈殿物を得る工程と、
    前記炭酸亜鉛または/および酸化亜鉛に対して、10〜150重量%の酸化剤を添加した後、70℃以上で、かつ2時間以上加熱して過酸化亜鉛の分散液を生成する工程と、
    前記過酸化亜鉛に対して、水溶性チタン塩、チタンアルコキシド、有機チタンキレート錯体、酸化チタンスラリーから選択される1種または2種以上のチタン系処理剤を、0.1〜10.0重量%添加する工程と、
    前記チタン系処理剤によって処理された過酸化亜鉛を300℃以上で、かつ2時間以上焼成して被覆された酸化亜鉛粒子を生成する工程を備えることを特徴とする請求項2に記載の酸化亜鉛の製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を配合したことを特徴とする化粧料。
  8. 請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を配合したことを特徴とする樹脂組成物。
  9. 請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を配合したことを特徴とする塗料組成物。
  10. 請求項1から4のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を、有機ケイ素化合物、金属酸化物、金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つ以上の物質で表面処理したことを特徴とする無機粉体。
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