JP2010053009A - 酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な雰囲気制御を必要とせず、簡便で高効率な窒素がドープされた酸化亜鉛を製造する方法を提供すること。
【解決手段】亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物を加熱して溶融し、窒素を含む気体を蒸発させる、窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法とする。なおこの場合において、亜鉛化合物及びアンモニウム塩を含む混合物は、粉体を混合したものであることが好ましい。また、亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物の溶融は、200℃以上400℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物を加熱して溶融し、窒素を含む気体を蒸発させる、窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法とする。なおこの場合において、亜鉛化合物及びアンモニウム塩を含む混合物は、粉体を混合したものであることが好ましい。また、亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物の溶融は、200℃以上400℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、一般には酸化亜鉛の製造方法に関し、より詳細には、窒素ドープがされた酸化亜鉛(以下「窒素ドープ酸化亜鉛」という。)の製造方法に関する。
酸化亜鉛(ZnO)におけるZn2+イオンをAl3+イオンやCe4+イオンで置換すると、n型半導体性が発現することが知られている。一方、酸化亜鉛に不純物として窒素を添加すると、p型半導体性が発現することが知られている。この結果、p型半導体性の発現した酸化亜鉛(以下「p型酸化亜鉛」という。)とn型半導体性の発現した酸化亜鉛(以下「n型酸化亜鉛」という。)を用いてp−n接合を形成し、紫外領域に発光を有するLEDや半導体レーザが実現できると期待されている。
公知の窒素ドープ酸化亜鉛を製造する方法としては、例えば、下記非特許文献1には、酢酸亜鉛水溶液と酢酸アンモニウム水溶液を混合して混合液とし、窒素雰囲気中、300℃以上500℃以下の温度に加熱された基板上にこの混合液を噴霧し、基板上で熱分解させることにより窒素ドープ酸化亜鉛薄膜を得る技術が開示されている。
また、例えば下記特許文献1には、シリカ系無機多孔体の表面にアミン類を表面官能基として修飾し、亜鉛化合物を吸着させ、350℃以上で熱分解することにより窒素ドープ酸化亜鉛を細孔内に生成させる技術が開示されている。
また、例えば下記特許文献2には、酸化窒素ガス中において気相堆積法を用い、基板上に酸化亜鉛薄膜を作成する方法が報告されている。
Journal of Crystal Growth、280巻、pp.495−501、2005年 特開2005−132964号公報
特開2001−068707号公報
Journal of Crystal Growth、280巻、pp.495−501、2005年
しかしながら、上記公知の技術では、窒素ドープ酸化亜鉛の製造を窒素やアンモニアガスといった特別な雰囲気中で行なう必要があるため、特別に雰囲気の制御が必要となるといった課題がある。また、上記公知の技術では、窒素ドープ酸化亜鉛を合成するための前躯体に反応活性の高い物質を用いており、反応の制御が難しく大量合成にあまり適さないだけでなく、製造に多くの費用がかかるといった課題がある。なお、安価で入手の容易な物質を前躯体として用いると、酸化亜鉛に対する窒素ドープの効率が低くなってしまうといった課題がある。
そこで本発明は、上記課題を鑑み、特別な雰囲気制御を必要とせず、簡便で高効率な窒素がドープされた酸化亜鉛(以下「窒素ドープ酸化亜鉛」という。)を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭検討を行なったところ、亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物を加熱して溶融し、窒素酸化物を含む気体を蒸発させることで特別な雰囲気制御を必要とせず簡便で効率よく窒素ドープ酸化亜鉛を製造することができる点を発見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一観点に係る窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物を加熱して溶融し、窒素酸化物を含む気体を蒸発させる。
以上、本発明によると、特別な雰囲気制御を必要とせず、簡便で高効率な窒素がドープされた酸化亜鉛を製造することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例の例示にのみ限定して解釈されるものではない。
本実施形態に係る窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物を加熱して溶融し、窒素酸化物を含む気体を蒸発させることを特徴の一つとする。図1は、本実施形態に係る窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法の概略を示す図である。
本実施形態において、亜鉛化合物は、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛及び硫酸亜鉛、並びに、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛又は硫酸亜鉛の水和物、の少なくともいずれかを含むことが好ましい。なお硝酸亜鉛の水和物としては、硝酸亜鉛6水和物を挙げることができ、塩化亜鉛の水和物としては、塩化亜鉛1.5水和物または2.5水和物を挙げることができ、酢酸亜鉛の水和物としては、限定されるわけではないが例えば6水和物を挙げることができ、更に、硫酸亜鉛の水和物としては、限定されるわけではないが例えば7水和物または6水和物を挙げることができる。
本実施形態においてアンモニウム塩は、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウム及びヒドロキシテトラメチルアンモニウムの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
また、本実施形態において、亜鉛化合物、アンモニウム塩、更には、後述する他の金属塩は、いずれも溶媒を含まない粉体であることが好ましく、この混合物も粉体であることが好ましい。
また、本実施形態において、亜鉛化合物とアンモニウム塩の混合比は、窒素ドープ酸化亜鉛粒子を得ることができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば、亜鉛化合物の物質量を1モルとした場合、アンモニウム塩は0.2モル以上5モル以下の範囲で含まれていることが好ましく、0.5モル以上4モル以下であることがより好ましい。0.2モル以上とすることでより低温で均一な溶融塩が形成され酸化亜鉛が生成をできるといった利点があり、5モル以下とすること反応をより早く完了させることができるといった効果がある。
また本実施形態においては、上記亜鉛化合物、アンモニウム塩のほか、副生成物を生成しない範囲で、他の金属塩を加えることもできる。
他の金属塩としては、硝酸塩、酢酸塩、塩化物を用いることができる。またこの場合において金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、ビスマス、コバルト、セリウム、ガリウム等を好ましく用いることができる。本実施形態では他の金属塩を加えることで、アクセプターとして作用する窒素とドナーとして作用する金属イオンとが同時にドープされることとなり、エネルギー的に安定化し、加熱処理条件をほとんど変えることなく窒素を酸化亜鉛中により多く取り込む(制御する)ことできるようになるといった効果がある。
なおこの加える他の金属塩の量としては、限定されるわけではないが、例えば亜鉛化合物の物質量を1モルとした場合、0.01モル以上1モル以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.05モル以上0.5モル以下の範囲である。
また本実施形態において、加熱して溶融する際、窒素酸化物を含む気体を蒸発させる際、いずれにおいても雰囲気は限定されず、大気中で行なうことができる。
また本実施形態において、加熱して溶融する際の温度は、溶融でき、揮発性物質を蒸発できる限りにおいて限定されないが200℃以上400℃以下の温度範囲内にあることが好ましく、300℃以上400℃以下の範囲内にあることがより好ましい。加熱温度を高くしすぎるとアンモニウム塩の蒸発や金属塩の分解反応が早く進みすぎ十分な窒素ドープ量を得ることができなくなる。したがって、400℃以下とすることで溶融塩中での反応に必要十分な時間を確保できるといった利点がある。また、生成した窒素ドープ酸化亜鉛の酸化による分解も抑制できる。一方、200℃以上とすることで亜鉛化合物及びアンモニウム塩の融点以上を確保し、亜鉛化合物及びアンモニウム塩を分解し、窒素を含む揮発性物質を蒸発させることができ、300℃以上とすることでこの効果がより顕著となる。なお、一例として、硝酸亜鉛の水和物は100℃程度で溶解し、硝酸アンモニウムは170℃、酢酸アンモニウムは110℃で溶解する。もちろん、亜鉛化合物とアンモニウム塩の融点と分解、蒸発速度との関係も重要である。
本実施形態では、亜鉛化合物およびアンモニア塩を加熱して溶融させた後、窒素を含む気体を蒸発させることで、窒素がドープした酸化亜鉛を効率よく製造することができる。例えば亜鉛化合物として硝酸亜鉛を用いてアンモニウム塩と混合すると、その状態において、亜鉛化合物に由来する亜鉛を含むイオンと、アンモニウム塩に由来するアンモニウムイオンとが反応して気体が発生し、特別な雰囲気制御をおこなうことなく窒素ドープ酸化亜鉛を製造することができる。特に、これらの融液は互いに完全に混合し溶解し均一な融液を形成しその融液中で反応が進行する。したがって、融液中での反応は他の製造方法に含まれる固相内での反応過程よりもより低い温度で効率よく進行するため、窒素ドープ酸化亜鉛の生成温度をより低くすることが可能である。また、未反応物は揮発するため酸化亜鉛を得るための特別な分離操作を必要としないという利点も有している。なお、例えば一例として、硝酸亜鉛とアンモニウム塩とを混合し、溶融した場合、下記式で示す反応がおこると考えられる。
また本実施形態において、窒素酸化物を含む気体を蒸発させる際の温度は、上記のとおり、気体を蒸発させることができる限りにおいて限定されるわけではないが、200℃以上400℃以下の温度範囲内にあることが好ましく、300℃以上400℃以下の範囲内にあることがより好ましい。400℃以下とすることで得られた窒素ドープ酸化物の酸化による分解を抑制できるといった利点があり、400℃以下とすることでこの効果がより顕著となる。一方、200℃以上とすることで亜鉛化合物及びアンモニウム塩の融点以上を確保し、亜鉛化合物及びアンモニウム塩を分解し、窒素を含む揮発性物質を蒸発させることができ、300℃以上とすることでこの効果がより顕著となる。なお、この温度は、上記亜鉛化合物とアンモニウム塩を加熱して溶融する温度と同じであっても良く、また、上記亜鉛化合物とアンモニウム塩を加熱して溶融する処理と同一の処理としても良い。なお、本実施形態において、窒素酸化物を含む気体を蒸発させる際の時間は、十分に窒素酸化物を蒸発させることができる限りにおいて限定されるわけではないが、上記好ましい温度範囲の場合、例えば0.2時間以上5時間以下であることが好ましく、0.5時間以上2時間以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛化合物とアンモニウム塩の混合物を加熱して溶融することでアンモニウム塩の低温フラックスとしての機能を活用し、無機塩の反応場として使用可能とすると共に、アンモニウム塩と亜鉛化合物とを反応させることで窒素酸化物を含む気体を発生させ、窒素ドープ源として利用し、余分な窒素酸化物を気体として蒸発させ、均一な窒素ドープ酸化亜鉛を容易に製造することができる。また本実施形態に係る製造方法は、大気中で加熱処理が可能であって雰囲気の制御が非常に簡便である。しかも本実施形態に係る亜鉛化合物、アンモニウム塩はいずれも特殊な条件を除いて比較的安定性が高く、取り扱いも簡便であり、製造方法自体の安全性も高い。さらに、亜鉛化合物、アンモニウム塩は入手が容易で、しかも工業的に安価なものが多く、コストの面でも有利である。
本実施形態の結果製造される窒素ドープ酸化亜鉛(以下「本窒素ドープ酸化亜鉛」)は、p型酸化物半導体、バリスタ、可視光活性型の光触媒、及び、抗菌剤等として産業上において利用可能である。また本窒素ドープ酸化亜鉛は、高いホール密度を有しているため色素増感太陽電池用電極材料としても有用である。また、本窒素ドープ酸化亜鉛は、ホールが酸化亜鉛表面に吸着した分子の電子と結合することで酸化活性を示すため、抗菌活性剤としても有用である。さらに、ビスマス、コバルト、マンガン、アンチモン、ニッケル、クロム、スズ、アルミニウム、チタン等の金属元素又は半金属元素をドープして、バリスタ等の電子部品の製造に応用することが可能であり、極めて有用である。
また、本実施形態に係る製造方法により製造された素ドープ酸化亜鉛粒子は、ボールミルなどのメカノケミカルな方法で粉砕し、ナノ粒子化した後、エチレングリコ−ルなどの有機溶媒中に分散し、ペースト状にして塗布乾燥するなどの方法により薄膜を作製することが可能である。例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、耐熱ガラス、石英ガラス等の板)の表面に均一にコーティング乾燥焼成して、所望の厚さの膜を基板上に生じさせる。この膜は導電性薄膜や、エレクトロクロミック用電極、太陽電池用電極等に実施することができる。しかも、ガラスや有機ポリマ−などの様々な基板上への製膜などの応用を考えた場合には400℃以下の加熱処理温度で合成可能な手法の開発が重要な技術的課題となるが、本実施形態によると、400℃以下の加熱処理が十分に可能であるため、この点からも極めて優れた利点を有する。
以下、上記実施形態で説明した窒素ドープ酸化亜鉛について実際に製造し、本発明の効果を確認した。以下具体的に説明する。
(実施例1)
(試料1)
まず、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと酢酸アンモニウム粉体0.01molを秤量し、るつぼに入れ、ガラス棒にて軽く混合した。次いで、るつぼを350℃に設定された電気炉中に入れ、5分後に一度取り出して上記粉体が溶融していることを確認し、ガラス棒で攪拌し、均一となるよう混合した。
(試料1)
まず、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと酢酸アンモニウム粉体0.01molを秤量し、るつぼに入れ、ガラス棒にて軽く混合した。次いで、るつぼを350℃に設定された電気炉中に入れ、5分後に一度取り出して上記粉体が溶融していることを確認し、ガラス棒で攪拌し、均一となるよう混合した。
その後、るつぼを再び電気炉に戻し、350℃で1時間静置した。なおこの際、硝酸化合物中の過剰の硝酸イオンは分解して窒素酸化物気体となり溶解物から放出されるため、るつぼ及び電気炉をドラフト中に配置し、窒素酸化物気体が大気中に開放されるようにした。
この処理の結果、溶融成分の残留は確認されず、薄い赤色に着色した粉体を得た。
(試料2)
硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと酢酸アンモニウム粉体0.02molとした以外は上記試料1と同様の操作を行い、薄い赤色から桃色に着色した粉体を得た。
硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと酢酸アンモニウム粉体0.02molとした以外は上記試料1と同様の操作を行い、薄い赤色から桃色に着色した粉体を得た。
(試料3)
硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと酢酸アンモニウム粉体0.005molとした以外は上記試料1と同様の操作を行い、白色に着色した粉体を得た。なお、上記式1乃至3における混合物の混合量は以下のとおりである。
硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと酢酸アンモニウム粉体0.005molとした以外は上記試料1と同様の操作を行い、白色に着色した粉体を得た。なお、上記式1乃至3における混合物の混合量は以下のとおりである。
(X線回折測定)
得られた上記試料1乃至3のそれぞれを乳鉢で軽く粉砕し、X線回折測定装置(ブルカーエイエックスエス製 MPX18)を用い、銅ターゲットとし、加速電圧40kV、電流100mAの測定条件で測定した。この結果を図2に示す。
得られた上記試料1乃至3のそれぞれを乳鉢で軽く粉砕し、X線回折測定装置(ブルカーエイエックスエス製 MPX18)を用い、銅ターゲットとし、加速電圧40kV、電流100mAの測定条件で測定した。この結果を図2に示す。
図2で示されるように、X線回折パターン中に見られるピークはすべて酸化亜鉛によるものであることが確認できた。これより、硝酸亜鉛6水和物粉体と酢酸アンモニウム粉体をるつぼ中で350℃にて加熱処理することにより高い結晶性を有する酸化亜鉛粒子が得られたことがわかる。また、硝酸塩やアンモニウム塩のピークは一切見られないことから生成物中に未反応物は残留していないことも確認できた。
(紫外可視吸光光度スペクトル測定)
また、得られた上記試料1乃至3のそれぞれについて、紫外可視吸光光度スペクトル測定装置(日立 U−2000)を用いて350nmから650nmの波長範囲の吸光スペクトルの測定を行った。この結果を図3に示す。
また、得られた上記試料1乃至3のそれぞれについて、紫外可視吸光光度スペクトル測定装置(日立 U−2000)を用いて350nmから650nmの波長範囲の吸光スペクトルの測定を行った。この結果を図3に示す。
図3で示すように、上記試料1においては、紫外可視吸光光度スペクトルには、スペクトルバンド間遷移に起因する強い吸収だけでなく、波長が400nmから650nmの波長領域にブロードなショルダーピークが存在していることを確認でき、試料3の場合は、このショルダーピークの吸収強度が更に増加していることが確認できた。一方、上記試料2の場合は、波長400nm付近にバンド遷移によると思われる強い吸収のみを確認できた。従って、このショルダーピークは窒素ドープにより発生した不純物準位に由来するピークであると考えられ、しかもこのショルダーピークは酢酸アンモニウムの添加量に依存すると考えられる。この結果、硝酸亜鉛6水和物と酢酸アンモニウムの混合物を大気中にて加熱処理することにより不純物として窒素を含有する窒素ド−プ酸化亜鉛が生成されることが推定された。
(実施例2)
本実施例では、実施例1とほぼ同様であるが、酢酸アンモニウムの代わりに硝酸アンモニウムを用いた点が異なる。具体的には、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと硝酸アンモニウム粉体0.01molを秤量し、るつぼに入れて上記実施例1と同様の作業を行なった結果得たものを試料4とし、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと硝酸アンモニウム粉体0.02molを秤量し、るつぼに入れて上記実施例1と同様の作業を行なった結果得たものを試料5とし、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molのみを秤量し、るつぼに入れて上記実施例1と同様の作業を行なった結果得たものを試料6とした。上記試料上記試料4及び試料5は、白色から薄い黄色に着色した粉体であり、試料6は薄い黄色に着色した粉体であった。なお、上記試料4乃至6においていずれも溶融成分の残留は見られなかった。なお、上記試料4乃至6における各粉体の配合は以下のとおりである。
本実施例では、実施例1とほぼ同様であるが、酢酸アンモニウムの代わりに硝酸アンモニウムを用いた点が異なる。具体的には、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと硝酸アンモニウム粉体0.01molを秤量し、るつぼに入れて上記実施例1と同様の作業を行なった結果得たものを試料4とし、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molと硝酸アンモニウム粉体0.02molを秤量し、るつぼに入れて上記実施例1と同様の作業を行なった結果得たものを試料5とし、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01molのみを秤量し、るつぼに入れて上記実施例1と同様の作業を行なった結果得たものを試料6とした。上記試料上記試料4及び試料5は、白色から薄い黄色に着色した粉体であり、試料6は薄い黄色に着色した粉体であった。なお、上記試料4乃至6においていずれも溶融成分の残留は見られなかった。なお、上記試料4乃至6における各粉体の配合は以下のとおりである。
(X線回折測定)
得られた粉体について、上記実施例1と同様にX線回折測定を行った。図4にその結果を示す。
得られた粉体について、上記実施例1と同様にX線回折測定を行った。図4にその結果を示す。
本図で示されるように、すべて酸化亜鉛によるものと考えられるピークを確認した。これより、硝酸亜鉛6水和物粉体と硝酸アンモニウム粉体をるつぼ中で350℃にて加熱処理することにより実施例1と同様に高い結晶性を有する酸化亜鉛粒子が得られたことがわかる。また、硝酸塩やアンモニウム塩のピークは一切見られないことから。生成物中に酸化亜鉛以外の未反応物は殆ど残留していないことがわかる。
(ラマンスペクトル測定)
ここで、得られた酸化亜鉛粉体に窒素がドープされているか否かを調べるために、上記試料4乃至6のそれぞれに対し、ラマンスペクトル(JASCO製 NRS1000)測定を行った。図5にこの結果を示す。
ここで、得られた酸化亜鉛粉体に窒素がドープされているか否かを調べるために、上記試料4乃至6のそれぞれに対し、ラマンスペクトル(JASCO製 NRS1000)測定を行った。図5にこの結果を示す。
本図で示すように、上記試料6のラマンスペクトルでは、433cm−1近傍に酸化亜鉛の格子振動に由来すると思われる白丸で示す強いピークと、570cm−1近傍にドープされた窒素に由来すると思われる窒素関連局所振動による黒丸で示した非常に弱いピークが観測された。このことから、硝酸亜鉛6水和物単独で350℃にて1時間加熱処理した場合でもわずかであるが窒素ドープがなされていることが確認できた。なお、上記試料4においても同様のことが確認できた。
一方、試料6では、433cm−1近傍に酸化亜鉛の格子振動に由来すると思われる白丸で示す強いピークと、570cm−1近傍にドープされた窒素に由来すると思われる窒素関連局所振動による黒丸で示した強いピーク(上記試料6の2倍程度)が観測された。この結果、硝酸亜鉛6水和物に対する酢酸アンモニウムの量を調節することでより窒素ドープ量を多苦することができることも確認できた。
(実施例3)
本実施例は、ほぼ実施例1と同様であるが、硝酸アルミニウム9水和物を加えた点が異なる。具体的には、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01mol、酢酸アンモニウム粉体0.02mol、及び硝酸アルミニウム9水和物粉体0.0005mol(Al/Zn=0.05モル比)を混合したものを試料7とし、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01mol、酢酸アンモニウム粉体0.02mol、及び硝酸アルミニウム9水和物粉体0.001mol(Al/Zn=0.1モル比)を混合したものを試料8とした以外は実施例1と同様の処理を行いった。なお試料7及び試料8はいずれも融液成分の在留はほとんど見られず、白色から薄く赤色に着色した粉体であった。なお、下記表に、資料7及び8の混合量について示しておく。
本実施例は、ほぼ実施例1と同様であるが、硝酸アルミニウム9水和物を加えた点が異なる。具体的には、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01mol、酢酸アンモニウム粉体0.02mol、及び硝酸アルミニウム9水和物粉体0.0005mol(Al/Zn=0.05モル比)を混合したものを試料7とし、硝酸亜鉛6水和物粉体0.01mol、酢酸アンモニウム粉体0.02mol、及び硝酸アルミニウム9水和物粉体0.001mol(Al/Zn=0.1モル比)を混合したものを試料8とした以外は実施例1と同様の処理を行いった。なお試料7及び試料8はいずれも融液成分の在留はほとんど見られず、白色から薄く赤色に着色した粉体であった。なお、下記表に、資料7及び8の混合量について示しておく。
(X線回折測定)
上記試料8について、実施例1と同様にX線回折測定を行った。この結果を図6に示す。なお上記実施例1における試料2の結果についても同様に示しておく。
上記試料8について、実施例1と同様にX線回折測定を行った。この結果を図6に示す。なお上記実施例1における試料2の結果についても同様に示しておく。
本図で示すように、すべて酸化亜鉛によるものと考えられるピークを確認した。これより、上記実施例と同様、高い結晶性を有する酸化亜鉛粒子が得られたことが確認できた。また、本図では、硝酸塩、アンモニウム塩及びアルミニウム化合物のピークはほとんど確認できないことから生成物中に酸化亜鉛以外の未反応物や副生成物は存在していないことが分かった。このX線回折の結果より、得られた酸化亜鉛にアルミニウムイオンは亜鉛イオン位置を置換する形で固溶していると考えられる。以上、本発明は窒素ドープのみならずアルミニウムイオンドープにも適用可能な方法であるといえる。
(紫外可視吸光光度スペクトル測定)
粉体について実施例1と同様に紫外可視吸光光度スペクトルを測定した。図7にそのパターンを示す。なおここでも、上記試料2の結果についても同様に示しておく。
粉体について実施例1と同様に紫外可視吸光光度スペクトルを測定した。図7にそのパターンを示す。なおここでも、上記試料2の結果についても同様に示しておく。
この結果、硝酸アルミニウム9水和物を添加していない場合(Al3+/Zn2+=0、試料2)と、0.0005mol添加した場合(Al3+/Zn2+=0.05、試料7)については、いずれもバンド間遷移に由来すると思われる400nm付近に吸収端を有する強い吸収と、窒素ドープに由来すると思われる不純物準位による400nm〜650nmの波長範囲にわたるブロードなショルダーピークが見られ、両者はほぼ同様の吸収スペクトルを示していた。
これに対し、硝酸アルミニウム9水和物を0.001mol添加して得られた生成物(資料8)では、窒素ドープに由来する不純物準位によるブロ−ドな吸収の強度が増加していた。これより、硝酸亜鉛6水和物粉体と酢酸アンモニウム粉体にさらに硝酸アルミニウム9水和物粉体を加えて加熱処理することで、更に窒素ドープ量の多い酸化亜鉛が得られることが確認できた。
(ラマンスペクトル測定)
また、上記実施例2と同様に、上記試料2、試料7、及び試料8についてラマンスペクトルを測定した。図8にこの結果を示す。
また、上記実施例2と同様に、上記試料2、試料7、及び試料8についてラマンスペクトルを測定した。図8にこの結果を示す。
本図で示すように、硝酸アルミニウム9水和物を添加しないで得られた酸化亜鉛(試料2)よりも、硝酸アルミニウム9水和物を添加して得られた酸化亜鉛(試料7、8)の方が、窒素関連の局所振動によるピ−クの強度が強いことが確認できた。さらに、433cm−1の酸化亜鉛の格子振動によるピークと、570cm−1付近の窒素に由来するピークの相対強度比に着目すると、硝酸アルミニウム9水和物の添加量が増加すると相対強度も増加するため、硝酸アルミニウム9水和物の添加により、添加しない場合よりも窒素ドープ量を増加させることができることを確認した。
これは、アクセプターとして作用する窒素が、ドナーとして作用するアルミニウムイオン等の2価以上の陽イオンと同時にドープされることで、エネルギー的に安定化し取り込まれやすくなったためであろうと推察される。
(窒素ドープ酸化亜鉛のホール生成確認例)
ここで、上記実施例1及び3において製造した試料2、5、8に対し、窒素ドープにより発生すると考えられるキャリアーとしてのホールの生成数を求めた。
ここで、上記実施例1及び3において製造した試料2、5、8に対し、窒素ドープにより発生すると考えられるキャリアーとしてのホールの生成数を求めた。
ホールの生成数はヨウ素滴定法を用いた。ヨウ素(I2)は、ヨウ物イオン(I−)から酸化亜鉛中のアクセプター準位に電子が移動し酸化されて生成したものであるため、ヨウ素分子1分子あたり2個のアクセプター準位が存在していたことを示している。よって、ヨウ素の量を把握することで、キャリアーとしてのホールの生成数を求めることができる。
なおヨウ素滴定法は、具体的には以下の手順で行った。まず、(1)0.2gの試料を0.5mol/Lのヨウ化カリウム水溶液5ml中に分散させた。次に、1mol/Lの硝酸水溶液5mlを加え完全に溶解させた。そして更に、デンプン水溶液を指示薬として加え、青紫色に変色させた(以下この溶液を「試料溶液」という。)。次いで、(2)ビュレットに0.002mol/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液を入れ、上記試料溶液に滴下し、指示薬の青紫色が消失したときを終点とする。この結果得られたチオ硫酸ナトリウムの消費量から試料溶液中に存在したヨウ素のモル数を求めた。この結果を下記表に示しておく。なお下記表において、Aacceptor/Zn2+は、窒素ドープによって生成したアクセプター準位数の亜鉛イオンに対する割合を示している。
この結果、アンモニウム塩としては、硝酸アンモニウムよりも酢酸アンモニウムを用いた方がより効率的に窒素ドープが行われアクセプター準位が生成していることが確認できた。さらに、硝酸アルミニウム9水和物を添加し、アルミニウムイオンをコドープすることで、アルミニウムイオンを添加しない場合よりさらに10倍以上多くのアクセプター準位が生成したことが明らかとなった。
以上、アンモニウム塩として酢酸アンモニウムを使用しさらにアルミニウムイオンを添加することによって窒素ドープの効率を非常に高めることができることを確認した。
本発明は、窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法として利用可能であり、窒素ドープ酸化亜鉛は、p型酸化物半導体、太陽電池用電極材料、バリスタ、光触媒、抗菌剤等として産業上において利用可能である。
Claims (6)
- 亜鉛化合物とアンモニウム塩を含む混合物を加熱して溶融し、窒素を含む気体を蒸発させる、窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法。
- 前記亜鉛化合物及び前記アンモニウム塩を含む混合物は、粉体を混合したものである請求項1記載の窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法。
- 前記亜鉛化合物と前記アンモニウム塩を含む混合物の溶融は、200℃以上400℃以下の温度範囲で行う請求項1記載の窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法。
- 前記窒素酸化物を含む気体の蒸発は、200℃以上400℃以下の温度範囲で行う請求項1記載の窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法。
- 前記亜鉛化合物は、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、又は、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛若しくは硫酸亜鉛の水和物、の少なくともいずれかを含む、請求項1記載の窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法。
- 上記アンモニウム塩は、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウム又はヒドロキシテトラメチルアンモニウムの少なくともいずれかを含む、請求項1記載の窒素ドープ酸化亜鉛の製造方法。
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Cited By (3)
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CN101979323A (zh) * | 2010-10-29 | 2011-02-23 | 哈尔滨工业大学 | 氮掺杂改性ZnO的制备方法 |
JP2014221708A (ja) * | 2013-05-14 | 2014-11-27 | テイカ株式会社 | 酸化亜鉛および酸化亜鉛の製造方法並びにこの酸化亜鉛を用いた化粧料、樹脂組成物、塗料組成物、無機粉体 |
JP2015101493A (ja) * | 2013-11-22 | 2015-06-04 | 宇部興産株式会社 | 導電性酸化亜鉛粉末およびその製造方法 |
-
2008
- 2008-08-29 JP JP2008222727A patent/JP2010053009A/ja not_active Withdrawn
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