JP2014215320A - スクラッチラベル - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明において、「スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去し、且つ、スクラッチラベルを加熱することにより、秘密情報及び、レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となる」とは、
「本発明のスクラッチラベルの粘着層が不透明な状態であって、本発明のスクラッチラベルを、秘密情報表示部を設けられたプリペイドカード等に、貼着し、スクラッチ隠蔽層をスクラッチオフすることにより、そのスクラッチ隠蔽層の下にあるレリーフホログラム形成層が露出し、そのレリーフホログラム形成層を視認できるようになるものの、粘着層の下にある秘密情報は視認することができない状態とし、このスクラッチラベルに所定の加熱を施すことで、その粘着層が加熱されて透明化し、よって、粘着層の下にある秘密情報を視認することができるようになる」こと、
もしくは、「本発明のスクラッチラベルのレリーフホログラム形成層が不透明な状態であって、同様の加熱によって、レリーフホログラム形成層が透明化し、秘密情報を視認することができるようになるか、または、秘密情報のみならず、レリーフホログラム形成層からのレリーフホログラム再生像までもこの加熱によって視認可能となる」こと、
さらには、「本発明のスクラッチラベルのレリーフホログラム形成層及び粘着層が、いずれも不透明であって、所定の加熱によって、その一方ずつ、もしくは、両方が同時に透明化する」ことを意味する。
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
本発明のスクラッチラベルの第1の態様は、
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去し、且つ、前記スクラッチラベルを加熱することにより、少なくとも前記粘着層が透明化して、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去し、且つ、前記スクラッチラベルを加熱することにより、少なくとも前記粘着層が透明化して、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベルを提供することができ、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチし、さらには加熱して、初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後、さらには加熱後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチラベルを提供することができる。
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする第1の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチラベルを提供することができ、スクラッチ隠蔽層の変造を防止し、より偽造防止性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
前記レリーフホログラム形成層が、前記加熱によって透明となることを特徴とするものである。
前記レリーフホログラム形成層が、前記加熱によって透明となることを特徴とする第1から第3の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より秘匿性を高めたスクラッチを可能とするスクラッチラベルを提供することができる。
前記地紋印刷が、前記加熱によって、変色、もしくは、消色することを特徴とするものである。
前記地紋印刷が、前記加熱によって、変色、もしくは、消色することを特徴とする第1から第4の態様のスクラッチラベルを提供することができ、さらにその偽造防止性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
しかし、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面(スクラッチラベルとしての最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面を「光学的な鏡面」とする。
レリーフホログラム形成層は、スクラッチ隠蔽層を溶解しない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
さらに、スクラッチ隠蔽層を、一旦、上記した原版のホログラムレリーフ面上に形成して、原版のホログラムレリーフ面形状を高い精度でスクラッチ隠蔽層上に再現させ(低粘度のスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の状態でホログラムレリーフ面上の設け、インキ内の顔料や樹脂材料の移動による、高い面形状再現性を発現させるという意味。)、その原版から上記した適宜な剥離性フィルムへスクラッチ隠蔽層を転移させる方法も、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させるためには好適である。
(スクラッチ隠蔽層、地紋印刷、及び透明基材)
本発明のスクラッチラベルH、H´もしくは、H´´(以下、H〜H´´ともいう。)のスクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層1の最表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図1〜図3参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層2の上にスクラッチ隠蔽層1を設ける手順とする場合に、そのレリーフホログラム形成層2の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
この地紋印刷9用のインキ組成物に、「加熱分解性の色素」、「加熱相転移性の色素」や、「加熱異性化性の色素」を用いて、「所定の加熱」により、形成した地紋印刷9の変色させたり、消色させたりするための、「加熱分解性の色素」、「加熱相転移性の色素」や、「加熱異性化性の色素」としては、以下から適宜選択することができる。
電子受容性化合物としては、炭素2〜5のヒドリン誘導体、フェノール性水酸基含有化合物、そのアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルブニル基等置換物も、用いることができる。
(レリーフホログラム形成層、及び、ホログラムレリーフ)
本発明のスクラッチラベルH〜H´´のレリーフホログラム形成層2を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図3参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ3となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3。)として使用できる。
まず、「光散乱性」を有し、加熱により「透明化」するレリーフホログラム形成層2用のインキ組成物として、上記したレリーフホログラム形成層2に用い得る透明樹脂層用の樹脂材料を適宜選択し、その樹脂材料に対して、セルソルブ系溶剤、第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の、比較的沸点が高く(沸点が、100℃以上、好ましくは、150℃以上。)、且つ、極性の大きいもの(アルコール類の極性より大きいもの。)を、0.1%〜5.0%添加し、且つ、レリーフホログラム形成層2形成時の乾燥条件を冷風乾燥等の低温にて行うことにより、上記の厚さのレリーフホログラム形成層2に対して、「白化処理(ブラッシング現象により白化もしくは、白濁化している状態とすること。)」を施すことができる。
(反射性薄膜層)
本発明のスクラッチラベルH〜H´´のレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3に接して、且つ、追従するように反射性薄膜層5を形成する。この反射性薄膜層5は、入射した光を反射する必要があるため、レリーフホログラム形成層2よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図2参照。)
反射性薄膜層5としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、ラベル貼着後にそのラベルに覆われた被貼着体上の画像などがホログラムを通して観察できるので好ましい。
(粘着層)
粘着層4としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着層4の粘着力は、レリーフホログラム形成層2、もしくは、反射性薄膜層5と粘着層4との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
この場合、粘着層4である高屈折率樹脂層の屈折率を、レリーフホログラム形成層2の屈折率よりも、0.3以上大きくなるように設計する。さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるようにする。
「光散乱性」を有し、加熱により「透明化」する粘着層4用のインキ組成物として、上記した樹脂を用い、その樹脂に対して、セルソルブ系溶剤、第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の、比較的沸点が高く(沸点が、100℃以上、好ましくは、150℃以上。)、且つ、極性の大きいもの(アルコール類の極性より大きいもの。)を、0.1%〜5.0%添加し、且つ、粘着層4形成時の乾燥条件を冷風乾燥等の低温にて行うことにより、上記の厚さの粘着層4に対して、「白化処理(ブラッシング現象により白化もしくは、白濁化している状態とすること。)」を施すことができる。
いずれの場合も、目視では、本発明のスクラッチラベルHで覆われた「秘密情報」8を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチラベルHの中にレリーフホログラム形成層2が存在することはとても知り得ない状態であった。
(実施例1)
スクラッチカード6の基材7として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図4参照。)、インクジェットプリンターにて、基材7の所定の領域に、「秘密情報」8として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mmm。)を印字した。(図5参照。)
これとは別に、表面をフッ素樹脂にて離形処理し、且つ、粗面化処理を施した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(表面粗さを3μm〜10μmとした剥離性フィルム。)上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層1を30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とし、その上に、下記組成のレリーフホログラム形成層2用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層2を10μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層2に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ3(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層2上に形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
そして、そのレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面上に、下記組成の粘着層4用粘着剤組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、乾燥条件を「低温乾燥」として、接着層4に「白化処理」を施しつつ、乾燥後の厚さ30μmの「不透明」性を有する粘着層4を形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。「不透明」な状態も図示せず。)
・<接着層4用接着剤組成物>
塩化ビニルー酢酸ビニル樹脂 20部
アクリル樹脂 10部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
メチルエチルケトン 5部
トルエン 5部
エチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 30部
第3級アミン 1部
ブチルセルソルブ 9部
このスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、及び粘着層4の積層物を、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の第1実施例のスクラッチラベルHを得た。(図1参照。)
このスクラッチラベルHを、最初に準備してあった、スクラッチカード6の基材7上の所定の位置に、その基材7上に印字してある「秘密情報」8を覆うように、貼着したところ、スクラッチカード6上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」8や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図4参照。)
次いで、このスクラッチカード6上の「銀色のラベル」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層1が部分的に削れ、その削れた部分から、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現したが、「秘密情報」8は視認することができなかった。
(実施例2)
実施例1のホログラムレリーフ3面上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層5とし、その反射性薄膜層5の上に、粘着層4を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチラベルH´、及び、スクラッチカード6を得た。(図2及び、図4参照。)
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルH´を実施離1と同様に評価したところ、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このラベルを偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例1と同様の良好な結果を得た。
実施例1のスクラッチ隠蔽層1のレリーフホログラム形成層2と接している面とは反対の面に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷9を行った。(この印刷面は、剥離性フィルムと接していた面であり、剥離フィルムを剥離後に形成した。)こと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のスクラッチラベルH、及び、スクラッチカード6を得た。(図1、図4及び図6参照。)
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価したところ、地紋印刷9が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷9とスクラッチ隠蔽層1が同時に削れ、このラベルの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例1において、剥離フィルムを用いずに、透明基材として、厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートを用い(図示せず。)、その一方の面に、スクラッチ隠蔽層1を同様の方法、及び、同様の厚さで形成し、その他方の面に、レリーフホログラム形成層2をやはり同様の方法、同様の厚さで形成後、同様のホログラム複製方法でその表面にホログラムレリーフ3を形成し、そのホログラムレリーフ3面上に、粘着層4を同様の方法、同様の厚さで形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のスクラッチラベルを得た。(この構成のスクラッチラベルは図示せず。スクラッチラベルをスクラッチカード6に貼着した状態は、図4参照。)
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、スクラッチ隠蔽層1が、その透明基材面から削り残渣が残らずきれいに除去でき、スクラッチオフが安定して実施できると思われたこと、及び、そのため、出現したホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと、さらには、透明基材があることで、スクラッチラベルの耐熱性がさらに向上したと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1のレリーフホログラム形成層2、及び、粘着層4として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のスクラッチラベルH、及び、スクラッチカード6を得た。(図1及び図4参照。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(屈折率n=1.44) 30部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 20部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<接着層4用接着剤組成物:屈折率n=1.77の高屈折率樹脂層>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 20部
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体(屈折率n=1.54) 4部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
メチルエチルケトン 5部
トルエン 5部
エチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 30部
第3級アミン 1部
ブチルセルソルブ 9部
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、ホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例6)
実施例1において、スクラッチ隠蔽層1を、表面平滑性の非常に高い(平均表面粗さRaが0.01μm。)厚さ11μmの透明ポリエチレンテレフタレートシート上に仮形成した後、剥離性フィルム上に転写して、剥離性フィルム上のスクラッチ隠蔽層1の露出している面の平均表面粗さRaを0.01μmとし、その露出面に、Ni原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度200℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力10000kg/m、複製速度2m/分)にて、ホログラムレリーフ3(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層2上に形成し、そのホログラムレリーフ3面上に、レリーフホログラム形成層2を同様の方式で同様の厚さで設け、そのレリーフホログラム形成層2上に、粘着層4を、やはり、同様の方式で同様の厚さで設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のスクラッチラベルH´´、及び、スクラッチカード6を得た。(図3及び図4参照。)
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、ホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、レリーフホログラム形成層2用インキ組成物として、以下のものを用い、その乾燥条件を冷風乾燥として、レリーフホログラム形成層2を「不透明」性を有する者としたこと、及び、回転式レリーフホログラム形成装置の複製条件を、「原版面温度50℃、圧力5000kg/m」としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のスクラッチラベルH、及び、スクラッチカード6を得た。(図1及び、図4参照。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 20部
アクリル樹脂 10部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
メチルエチルケトン 5部
トルエン 5部
エチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 10部
酢酸エチル 30部
第3級アミン 1部
ブチルセルソルブ 9部
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際には、「不透明」性を有する層が露出するのみで、何も出現せず、このスクラッチラベルHの部分に、家庭用アイロンを用いて、100℃、20秒間の加熱を施したところ、レリーフホログラム形成層2及び粘着層4がそれぞれ透明化し、「秘密情報」8が視認できるようになるとともに、重ねて、鮮明なレリーフホログラム再生像を観察することができ、この「銀色のラベル」を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例8)
実施例3の、地紋印刷9用インキ組成物として、松井色素化学工業所製サーモロックスクリーンインキ(黒色、消色温度80℃。)を用いて、厚さ5.0μmの同一模様の地紋印刷9を施したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例8のスクラッチラベルH、及び、スクラッチカード6を得た。(図1、図4及び図6参照。)
このスクラッチカード6上のスクラッチラベルHを実施離3と同様に評価したところ、地紋印刷9が黒色を呈して観察されたこと、及び、そして、この「黒色の地紋印刷9の施された銀色のラベル」部分に対して、家庭用アイロンを用いて、100℃、10秒間の加熱を施したところ、粘着層4が透明化し、その背後にある「秘密情報」8を視認できるようになるとともに、重ねて、鮮明なレリーフホログラム再生像を観察することができ、しかも、黒色の地紋印刷9の削り残った部分が、「消色(透明化)」して、あたかも地紋印刷9が消えたように見えたこと以外は実施例3と同様の良好な結果を得たことから、この「銀色のラベル」を偽造することは、非常に困難と思われた。(図示せず。)
(比較例)
実施例1において、レリーフホログラム形成層2を設けず、スクラッチラベルを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチラベルを得た。
1 スクラッチ隠蔽層
2 レリーフホログラム形成層
3 レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ
4 粘着層
5 反射性薄膜層
6 スクラッチカード
7 基材
8 「秘密情報」(「秘密情報」として、「12345678」が形成されており、そ れを模式的に示している。)
9 地紋印刷
Claims (5)
- 基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去し、且つ、前記スクラッチラベルを加熱することにより、少なくとも前記粘着層が透明化して、前記秘密情報及び、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベル。
- 前記レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が前記ホログラムレリーフに追従するように接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチラベル。
- 前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチラベル。
- 前記レリーフホログラム形成層が、前記加熱によって透明となることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクラッチラベル。
- 前記地紋印刷が、前記加熱によって、変色、もしくは、消色することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクラッチラベル。
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