本発明は、少なくとも2台以上の充填機を備え、それぞれの充填機で異なる液体の充填を行う場合と、一方の充填機で一種類の液体の充填を行う場合に切り換え可能な充填システムに関するものである。
最近水にフレーバーを添加したフレーバーウオーターが増加している。このようなフレーバーウオーターを製造する際に、従来は、果汁入りの飲料やエキス入りの飲料と水とを一台の充填機で充填している。この充填機により、果汁やエキス入りの飲料を充填した後に、水の充填を行う場合には、香りが残らないように十分に洗浄する必要がある。そのため、洗浄に要する時間が長くかかるという問題があった。
複数台の充填機を使用して、別々の液体を充填したり、一種類の液体の充填を行うように切り換え可能な充填システムはすでに知られている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。特許文献1に記載された充填システム(発明の名称はロータリー充填機)は、コンベヤによって搬送されてきた容器を入口スターホイールを介して第1の充填機に供給し、液体の充填を行った後、中間に配置したスターホイールによって受け渡して第2の充填機に供給し、再度充填を行なった後、出口スターホイールに受け渡して搬送する。この充填システムでは、前記コンベヤの各スターホイールへの受け渡し部にガイドが設けられており、このガイドを移動させることにより、2台の充填機に順次容器を供給する場合と、いずれか一方の充填機にだけ容器を供給する場合に切り替えることができる。
また、特許文献2に記載された充填システム(発明の名称は充填ライン設備)は、それぞれ充填機を備えた3箇所の充填部を直列に配置し、第1充填部には、コンベヤによって搬送されてきた容器をタイミングスクリューでピッチ調整し、入口スターホイールを介して第1充填機に供給して充填を行う。充填後の容器を出口スターホイールを介して中間コンベヤに排出して搬送し、タイミングスクリューでピッチ調整し、入口スターホイールを介して第2充填部に設けられた第2充填機に供給して充填を行う。さらに、第2充填機で充填された容器を出口スターホイールを介して第2中間コンベヤに排出し、次のタイミングスクリューでピッチ調整し、入口スターホイールを介して第3充填部の第3充填機に供給して充填を行う。
この特許文献2の充填システムでは、各充填部のタイミングスクリューを取り外し、前後のコンベヤ間に通過ガイドを取り付けることにより、各充填部の充填機に容器を供給せずに通過させることができるようになっている。
特開2009−184686号公報
特開2010−70200号公報
特許文献1に記載された発明では、第1充填機で充填した容器を中間に配置されたスターホイールを介してそのまま第2充填機に供給するようになっているので、いずれか一方の充填機だけを使用する場合でも、他方の使用していない充填機を洗浄することはできず、洗浄に要する時間を短縮することはできない。
また、特許文献2に記載された発明は、いずれかの充填機を使用しない場合には、タイミングスクリューを取り外して通過ガイドを取り付けなければならず、切替作業に時間がかかるという問題がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、回転体に複数の充填手段が設けられた第1充填機と、この第1充填機よりも下流に配置され、回転体に複数の充填手段が設けられた第2充填機と、前記第1充填機よりも上流に配置され、前記第1充填機に容器を供給する少なくとも1つの供給ホイールと、前記第1充填機と前記第2充填機との間に設けられ、前記第1充填機から容器を受け取って前記第2充填機へ受け渡す少なくとも1つの搬送ホイールを備えた充填システムであって、前記供給ホイールと前記搬送ホイールとを連結するバイパスホイールを配置し、前記供給ホイールおよび前記搬送ホイール、または前記バイパスホイールの少なくとも1つに、下流側に配置されたホイールへの容器受け渡し、もしくは上流側に配置されたホイールからの容器受け取りを選択可能な保持手段を設けるとともに、この保持手段の受け渡しもしくは受け取りを制御する制御手段を設け、容器を前記第1充填機へ搬送する第1運転モードと、容器を前記第1充填機へは搬送せずに、前記第2充填機へ搬送する第2運転モードとを切り換え可能とし、第1運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、容器を前記バイパスホイールに搬送せずに前記第1充填機と前記第2充填機に搬送して、第1充填機により第1充填液を充填した後に、第2充填機により第2充填液を充填し、第2運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、容器を前記バイパスホイールへ搬送して容器を第1充填機に供給せずに第2充填機のみに搬送して、前記第2充填機により第2充填液を充填すること特徴とするものである。
また、第2の発明は、回転体に複数の充填手段が設けられた第1充填機と、上流から容器を受け取って、前記第1充填機に供給する第1供給ホイールと、前記第1充填機から容器を受け取って下流へ排出する第1排出ホイールと、前記第1充填機よりも下流に配置され、回転体に複数の充填手段が設けられた第2充填機と、この第2充填機に容器を供給する第2供給ホイールと、前記第2充填機から容器を受け取って下流へ排出する第2排出ホイールとを備え、前記第1供給ホイールと前記第2供給ホイールとを連結するバイパスホイールを配置し、前記第1供給ホイールまたは前記バイパスホイールの少なくともいずれか一方に、下流側に配置されたホイールへの容器受け渡し、もしくは上流側に配置されたホイールからの容器受け取りを選択可能な保持手段を設けるとともに、この保持手段による容器の受け渡しもしくは受け取りを制御する制御手段を設け、容器を前記第1供給ホイールへ搬送する第1運転モードと、容器を前記第1供給ホイールへは搬送せずに、前記第2供給ホイールへ搬送する第2運転モードとを切り換え可能とし、第1運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、容器を前記バイパスホイールを介して第1充填機と第2充填機に搬送して、第1充填機により第1充填液を充填した後、第2充填機により第2充填液を充填し、第2運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、容器を前記バイパスホイールを介して、第1充填機に供給せずに第2充填機のみに搬送して、第2充填機により第2充填液を充填することを特徴とするものである。
さらに、第3の発明は、前記第1の発明または第2の発明において、前記充填システムをチャンバーにより外部と区画し、さらに、チャンバー内において第1供給ホイールと第1充填機と第1排出ホイールとを、その他のホイールと区画可能な開閉扉を配置したことを特徴とするものである。
また、第4の発明は、前記第3の発明において、第2運転モード時に、前記開閉扉を閉鎖して第1充填機の洗浄を行うことを特徴とするものである。
また、第5の発明は、前記第1の発明ないし第4の発明のいずれかにおいて、前記第1充填機により充填される充填液は香りのある液体であり、前記第2充填機により充填される液体は水であることを特徴とするものである。
また、第6の発明は、前記第1の発明ないし第5の発明のいずれかにおいて、前記ホイール間の容器受け渡しは、容器に形成されたフランジの上方と下方を交互に把持しつつ容器を吊り下げた状態で行うことを特徴とするものである。
また、第7の発明は、回転体に複数の充填手段が設けられた第1充填機と、この第1充填機に容器を供給する第1供給ホイールと、前記第1充填機から容器を受け取って下流へ排出する第1排出ホイールと、前記第1充填機よりも下流に配置され、回転体に複数の充填手段が設けられた第2充填機と、上流から容器を受け取って前記第2充填機に供給する第2供給ホイールと、前記第2充填機から容器を受け取って下流へ排出する第2排出ホイールと、前記第2充填機よりも下流に配置され、回転体に複数の充填手段が設けられた第3充填機と、この第3充填機に容器を供給する第3供給ホイールと、前記第3充填機から容器を受け取って下流へ排出する第3排出ホイールとを備え、前記第2供給ホイールおよび前記第2排出ホイールと連結可能に設けられた第1バイパスホイールと、前記第3供給ホイールおよび前記第3排出ホイールと連結可能に設けられた第2バイパスホイールと、前記第1バイパスホイールと前記第2バイパスホイールとを連結する中間ホイールとを設け、前記第2供給ホイールおよび前記第2排出ホイール、または前記第1バイパスホイールの少なくともいずれか1つに、下流側に配置されたホイールへの容器受け渡し、もしくは上流側に配置されたホイールからの容器受け取りを選択可能な保持手段を設けるとともに、前記保持手段による容器の受け渡しもしくは受け取りを制御する制御手段を設け、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記第2充填機へ搬送する第1運転モードと、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記第2充填機へは搬送せずに、前記第3充填機へ搬送する第2運転モードとを切り換え可能とし、第1運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記第1バイパスホイールから前記第2供給ホイールへ受け渡し、前記第1充填液が充填された容器に前記第2充填機により第2充填液を充填し、第2運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記第1バイパスホイールから前記中間ホイールへ搬送し、前記第2バイパスホイールを介して第3供給ホイールへ受け渡し、第1充填液が充填された容器に前記第3充填機により第3充填液を充填することを特徴とするものである。
また、第8の発明は、回転体に複数の充填手段が設けられた第1充填機と、この第1充填機よりも下流に配置されるとともに、回転体に複数の充填手段が設けられた第2充填機と、この第2充填機よりも下流に配置されるとともに、回転体に複数の充填手段が設けられた第3充填機と、前記第1充填機と前記第2充填機との間に設けられ、前記第1充填機から容器を受け取って前記第2充填機へ供給する少なくとも1つの供給ホイールと、前記第2充填機と前記第3充填機との間に設けられ、前記第1充填機から容器を受け取って前記第3充填機へ受け渡す少なくとも1つの搬送ホイールを備えた充填システムであって、前記供給ホイールと前記搬送ホイールとを連結するバイパスホイールを設け、前記供給ホイールおよび前記搬送ホイール、もしくは前記バイパスホイールの少なくともいずれか1つに、下流側に配置されたホイールへの容器受け渡し、もしくは上流側に配置されたホイールからの容器受け取りを選択可能な保持手段を設けるとともに、この保持手段を制御する制御手段を設け、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記第2充填機へ搬送する第1運転モードと、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記第2充填機へは搬送せずに、前記第3充填機へ搬送する第2運転モードとを切り換え可能とし、第1運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を、前記バイパスホイールに搬送せずに第2充填機へ受け渡して、前記第1充填機で第1充填液が充填された容器に第2充填液を充填し、第2運転モード時には、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、前記第1充填機によって第1充填液が充填された容器を前記バイパスホイールを介して、前記第2充填機に搬送せずに前記第3充填機へ受け渡して、前記第1充填機で第1充填液が充填された容器に第3充填液を充填することを特徴とするものである。
また、第9の発明は、前記第7の発明において、前記第3充填機の下流に、少なくとも1つの排出ホイールを配置し、前記バイパスホイールよりも下流に配置されるとともに、前記搬送ホイールと前記排出ホイールとを連結する第2バイパスホイールとを備え、前記搬送ホイールおよび前記排出ホイール、または前記第2バイパスホイールの少なくともいずれか1つに、下流側に配置されたホイールへの容器受け渡し、もしくは上流側に配置されたホイールからの容器受け取りを選択可能な保持手段を設け、前記第1運転モード時に、前記制御手段によって前記保持手段を制御することにより、前記第2充填機から排出された容器を前記第2バイパスホイールを介して、前記第3充填機へ搬送せずに前記第3充填機の下流の排出ホイールへ受け渡すことを特徴とするものである。
また、第10の発明は、前記第7の発明ないし第9の発明において、前記ホイール間の容器受け渡しは、容器に形成されたフランジの上方と下方を交互に把持しつつ容器を吊り下げた状態で行うことを特徴とするものである。
本発明の充填システムは、例えば、果汁やエキスを充填する第1充填機と、水を充填する第2充填機を配置するとともに、第1充填機と第2充填機の両者を使用する第1運転モードと、第1充填機を使用せず第2充填機だけを使用する第2運転モードとを切り換え可能にしたので、果汁やエキス入りの飲料を充填した後でも、直ちに水充填への移行が行える。また、第2充填機で水充填を行っている間に、第1充填機の洗浄を同時に行うことができるので、水充填から果汁やエキス入りの飲料の充填へも直ちに移行することが可能であり、作業効率が大幅に改善される。しかも、第1充填モードと第2充填モードとの切替が容易である。
図1は本発明の一実施例に係る充填システムの平面図である。(実施例1)
図2(a)は板ばねグリッパを備えた回転体の平面図、(b)は板ばねグリッパを備えた回転体の縦断面図である。
図3(a)は開閉グリッパを備えたリンサ排出ホイールの縦断面図、(b)は図3(a)のb方向矢視図である。
図4は開閉グリッパを備えたリンサ排出ホイールの平面図である。
図5は第1チャンバーと第2チャンバーの内部の縦断面図である。
図6は第2の実施例に係る充填システムの平面図である。(実施例2)
図7は第3の実施例に係る充填システムの平面図である。(実施例3)
図8は第4の実施例に係る充填システムの平面図である。(実施例4)
図9は第5の実施例に係る充填システムの平面図である。(実施例5)
図10は第6の実施例に係る充填システムの平面図である。(実施例6)
チャンバー内に設置されたリンサで洗浄を行った容器をリンサ排出ホイールで取り出して、第1搬送ホイールおよび第1供給ホイールを介して第1フィラに供給し充填を行う。第1フィラで第1充填液が充填された容器は、第1排出ホイールから第2搬送ホイールに受け渡され、さらに、第2供給ホイールを介して第2フィラに供給され、第2充填液が充填される。その後、キャッパ供給ホイールを兼ねた第2排出ホイールによって第2フィラから取り出した容器をキャッパに送ってキャピングを行う。前記リンサ排出ホイールと第2供給ホイールにバイパスホイールが連結されており、リンサ排出ホイールから第1搬送ホイールとバイパスホイールのいずれか一方に容器を受け渡すことができ、また、第2供給ホイールは、第2搬送ホイールとバイパスホイールのいずれか一方から容器を受け取ることができるようになっており、第1運転モードでは、リンサ排出ホイールから第1搬送ホイールへ容器を送り、第2搬送ホイールから第2供給ホイールへ容器を受け渡すので、第1フィラと第2フィラの両方に容器を順次供給する。また、第2運転モードでは、リンサ排出ホイールからバイパスホイールを介して第2供給ホイールに容器を受け渡すので、容器は第1フィラには送られず、第2フィラだけに供給されて第2充填液だけが充填される。
第1フィラと第2供給ホイールおよび第1排出ホイールは、その他のホイールと仕切り壁で区画された第2チャンバー内に設置されており、第1フィラに容器を供給しない第2運転モード時には、この第2チャンバーを他のチャンバーから遮断することができる。従って、第2運転モード時には、第2フィラで第2充填液の充填を行っている間に、第1フィラを洗浄することができる。この構成にしたことにより、エキス入り飲料の充填をした後、直ぐに水充填に切り換えることを可能にし、また、水充填終了後、直ぐにエキス入り飲料の充填を開始することを可能にするという目的を達成する。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この充填システム(全体として符号1で示す)は、2台の充填機(第1フィラ2と第2フィラ4)を備えており、複数の搬送ホイールを介して容器6(図2および図3参照)をこれら2台のフィラ2、4に順次供給し、各フィラ2、4によりそれぞれ充填を行う第1充填モードと、一方のフィラ(第2フィラ4)にだけ容器6を供給して充填を行う第2充填モードとに切り換え可能になっている。後に説明する各搬送ホイールおよび2台のフィラ2、4は、回転体の外周部に円周方向等間隔で複数のグリッパが設けられており、各グリッパによって容器6のネック部に形成されたフランジ6aの上方または下方をグリップして、吊り下げた状態で回転搬送し(各搬送ホイールは図1中の矢印方向に回転する)、これら各搬送ホイール間を順次受け渡すようになっている。
この充填システム1では、上流側から搬送されてきた容器6が、入口側チャンバー8内に配置された導入ホイール10のグリッパ(図示せず)に保持されて回転搬送され、メインチャンバー12内に導入される。このメインチャンバー12の入口側には、リンサ14に容器6を供給するリンサ供給ホイール16が配置されており、導入ホイール10の各グリッパに保持されている容器6が、リンサ供給ホイール16の各グリッパに順次受け渡される。
この実施例では、導入ホイール10のグリッパは、2枚の板ばねの弾性力により容器のネック部を保持する板ばねグリッパであり、リンサ供給ホイール16のグリッパは、一対のグリップ部材を開閉させて容器6のネック部を保持、解放する開閉式グリッパを使用している。
ここで、板ばねグリッパの構成について、図2(a)、(b)により説明する。板ばねグリッパ18は、前記導入ホイール10、後に説明する第1搬送ホイール20、第1フィラ2、第2搬送ホイール22、第2フィラ4、キャッパ24およびバイパスホイール26に設けられており、一対の板ばね28の弾性力で容器6のネック部を保持する。板ばねグリッパ18は、図2(b)に示すように、直立した固定筒体30に回転自在に支持された垂直な回転軸32の上端に回転体34が固定されており、この回転体34の外周部に設けられている。回転体34の外周部に後端部が取り付けられ、前端部が左右に移動可能な一対の板ばね28(図2(a)参照)と、これら両板ばね28の先端部側に取り付けられた一対のグリップ片36と、両板ばね28の先端部側を互いに接近する方向に引き付ける引っ張りコイルバネ38とを備えている。また、両板ばね28およびグリップ片36がほぼ平行な状態で停止するように図示しないストッパが設けられている。
両グリップ片36の先端部には、内側へ伸びて互いに向かい合う保持爪36aが形成されており、これら両保持爪36aが容器6のネック部の前面側(回転体34の半径方向外方側)に当接して容器6を保持するようになっている。両側の保持爪36aの前面側に、内側に向けて傾斜した傾斜面36bが形成されており、前面側からこの傾斜面36bに沿って容器6を押し込むと、板ばね28の弾性に抗して両グリップ片36が押し広げられ、容器6を保持爪36aの内部側に押し込むことができる。その後、両板ばね28の弾性力でグリップ片36が戻って互いに接近し、容器6の前面側に当接してこの容器6を保持する。また、両グリップ片36の間には、容器6のネック部の内側(回転体34の半径方向内方側)を支持する支持部40が設けられており、容器6は、この支持部40の先端に形成された円弧状凹部40aと、前記両グリップ片36の保持爪36aとによって保持される。なお、前記搬送ホイール(導入ホイール10、第1搬送ホイール20、第1フィラ2、第2搬送ホイール22、第2フィラ4、キャッパ24およびバイパスホイール26)に設けられている板ばねグリッパ18は共通の構成を有しているので同一の符号により説明する。
次に、図3および図4により開閉グリッパ(保持手段)42の構成について説明する。なお、図3および図4に示す開閉グリッパ42は、後に説明するリンサ排出ホイール44に設けられている開閉グリッパの構成であるが、先ず、その他の搬送ホイール(リンサ供給ホイール16、第1供給ホイール46、第1排出ホイール48、第2排出ホイール50等)の開閉グリッパと共通する部分についてだけ説明する。直立した固定筒体52内に回転自在に支持された垂直な回転軸54の上端に回転体56が固定され、この回転体56の外周部に円周方向等間隔で複数の開閉グリッパ42が設けられている。各開閉グリッパ42は、回転体56の外周部に鉛直方向を向けて回転自在に支持された2本の平行な回転ピン58、60と、各回転ピン58、60の下端に、回転体56の半径方向外方側を向けてそれぞれ取り付けられた一対のグリップ部材62、64と、両回転ピン58、60の上部の、回転体56の下方側に固定されて互いに噛み合うギヤ66、68を備えている。これら両ギヤ66、68の噛み合いにより、回転ピン58、60の一方を回転させると他方の回転ピンも逆方向に同量だけ回転し、両回転ピン58、60の下端に取り付けられているグリップ部材62、64が互いに逆方向に回転して開閉する。
また、一方の回転ピン58の上端に取り付けられたレバー70と、回転体56の上面に固定されたばね受けピン72との間に引っ張りコイルバネ74が装着されて、この回転ピン58を常時一方向に回転させるようになっている。一方、他方の回転ピン60には、カムフォロア取付部材76を介してカムフォロア(以下、第1カムフォロア78と呼ぶ)が取り付けられており、前記コイルバネ74の付勢力によって、前記固定の支持筒体52の上端に固定された円板状カム80の外周カム面80aに常時押し付けられている。後に説明する図4に示すように、円板上カム80の外周カム面80aが大径の部分(半径方向外方へ突出している部分)では、第1カムフォロア78を回転体56の半径方向外方へ押し出して両グリップ部材62、64を閉じる方向へ回転させ、外周カム面80aが小径の部分では、第1カムフォロア78が回転体56の半径方向内方へ後退して、両グリップ部材62、64を開放する方向へ回転させる。前記各搬送ホイール(リンサ供給ホイール16、リンサ排出ホイール44、第1供給ホイール46、第1排出ホイール48、第2供給ホイール82、第2排出ホイール50等)に設けられている開閉グリッパ42は共通の構成を有しているので同一の符号により説明する。
リンサ供給ホイール16の開閉グリッパ42に保持されている容器6は、回転搬送されてリンサ14に供給される。リンサ14にはリンサ用のグリッパ(図示せず)が設けられており、このリンサ用グリッパに保持された容器6は、リンサ14の回転体の回転によって回転搬送される間に180度上下に反転されて倒立状態になり、洗浄水の噴射等により内外面が洗浄される。その後、容器6は倒立状態のまま水切りが行われた後、再度反転されてリンサ排出ホイール44の開閉グリッパ42に引き渡される。
このリンサ排出ホイール44の開閉グリッパ42は、前記リンサ供給ホイール16等の開閉グリッパ42と同様に、円板状カム80の外周カム面80aによって開閉されることに加えて、別の開閉機構を有している。このリンサ排出ホイール44のカムフォロア取付部材76には、前記第1カムフォロア78の上方に第2カムフォロア84(図3参照)が取り付けられている。一方、リンサ排出ホイール44からバイパスホイール26への容器受け渡し部B(図1参照)に、第2カムフォロア84を進退動させる進退カム86(図3および図4参照)が設けられている。固定の円板状カム80の上面に、半径方向外方側を向けたエアシリンダ88が固定されている。このエアシリンダ88のピストンロッド88aに進退カム86が取り付けられており、エアシリンダ88を作動させて進退カム86を前進させたときには、第2カムフォロア84を半径外方側へ押し出して開閉グリッパ42を閉じ、進退カム86を後退させたときには、開閉グリッパ42を開放させて容器6を離すようになっている。
開閉グリッパ42で容器6を保持して回転搬送するリンサ排出ホイール44は、前記進退カム86の作用によって、第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18に容器6を引き渡す第1運転モードと、バイパスホイール26の板ばねグリッパ18に容器6を引き渡す第2運転モードに切り替えることができる。リンサ排出ホイール44から第1搬送ホイール20への容器6受け渡し位置を図1中に符号Aで示す。また、リンサ排出ホイール44からバイパスホイール26への容器受け渡し位置を符号Bで示す。これら第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18とバイパスホイール26の板ばねグリッパ18は、前記導入ホイール10等の板ばねグリッパ18と同様の構成をしている。
第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18に受け渡された容器6は、この板ばねグリッパ42に保持されて回転搬送され、第1フィラ2に容器6を供給する第1供給ホイール46の開閉グリッパ42に引き渡される。リンサ14や、第1フィラ2および第2フィラ4が収容されているメインチャンバー12は、リンサ供給ホイール16、リンサ14、リンサ排出ホイール44、前記第1搬送ホイール20等が配置されている第1チャンバー12Aと、第1フィラ2とこの第1フィラ2の供給ホイール(第1供給ホイール46)および第1フィラの排出ホイール(第1排出ホイール48)が配置されている第2チャンバー12Bと、第2フィラ4およびキャッパ24等が配置されている第3チャンバー12Cとに区画されている。
第1搬送ホイール20と第1供給ホイール46および第1排出ホイール48と第2搬送ホイール22は、第1チャンバー12Aと第2チャンバー12Bとを区画する仕切壁90を挟んで配置されており(図1および図5参照)、この仕切壁90の、第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18と第1供給ホイール46の開閉グリッパ42との間で容器6の受け渡しを行う部分、および第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18と第1排出ホイール48の開閉グリッパ42との間で容器6の受け渡しを行う部分に、容器6が通過可能なサイズの開口部90aが形成されている。これら2箇所のこの開口部90aは、それぞれ仕切り壁90に鉛直方向を向けて固定した昇降シリンダ92のピストンロッド92aに連結されているシャッター(開閉扉94)によって開閉できるようになっている。
第1チャンバー12A、第2チャンバー12Bおよび第3チャンバー12Cには、それぞれ圧力調整手段96、98(第3チャンバー12Cの圧力調整手段は図示を省略)が設けられており、各チャンバー12A、12B、12C内の圧力を調整できるようになっている。各チャンバー12A、12B、12C内は、外部よりも高い所定の圧力に調整されており、かつ内部が無菌雰囲気に管理されている。また、この実施例では、シャッター94により仕切り壁90の開口部90aを完全に密閉することができず僅かな隙間が生じるので、第1フィラ2を洗浄している間に第2フィラを運転させる際には、第1フィラ2が収容されている第2チャンバー12B内の雰囲気が第1チャンバー12A側に漏れ出さないように、第2チャンバー12B内の圧力を第1チャンバー12Aおよび第3チャンバー12C内の圧力よりも低い圧力に制御している。なお、シャッター94を開放して第1フィラ2および第2フィラ4をともに運転させる際には、第1チャンバー12A内と第2チャンバー12Bと第3チャンバー12C内の圧力をほぼ同じに制御している。
第1供給ホイール46の開閉グリッパ42に保持されて回転搬送された容器6は、回転体34の外周部に円周方向等間隔で板ばねグリッパ18が設けられた第1フィラ2に供給される。第1フィラ2には、各板ばねグリッパ18に保持されている容器6の上方にそれぞれ充填手段100(図5参照)が設けられており、回転体34の回転により回転されている各容器6に前記充填手段100から液体(第1充填液)が充填される。この実施例では、第1充填液として例えば、香りのある液体が充填される。
第1フィラ2の回転体34の回転によって回転搬送される間に第1充填液が充填された容器6は、第1フィラ2の板ばねグリッパ18から第1排出ホイール48の開閉グリッパ42に引き渡されて第1フィラ2から排出される。第1排出ホイール48の開閉グリッパ42に保持されて第1フィラ2から取り出された容器6は、第1排出ホイール48に回転搬送されて、第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18に引き渡される。
第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18に保持された容器6は、容器受け渡し位置Cで、第2フィラ4に容器6を供給する第2供給ホイール82の開閉グリッパ42に受け渡される。第2供給ホイール82は、第2搬送ホイール22から受け取った容器6を回転搬送して第2フィラ4に受け渡す。また、この第2供給ホイール82は、バイパスホイール26とも連結されており、容器受け渡し位置Dで、このバイパスホイール26から容器6を受け取ることもできるようになっている。第2供給ホイール82の開閉グリッパ42は、前記リンサ排出ホイール44の開閉グリッパ42と同様に固定の円板状カムによって開閉されるとともに、バイパスホイール26からの容器受け渡し位置Dに設けられている進退カムによって開閉される。なお、第2供給ホイール82の円板状カムおよび進退カムは、リンサ排出ホイール44の円板状カム80および進退カム86と同様の構成をしているので図示を省略する。
第1運転モード時には、第2供給ホイール82は、第2搬送ホイール22から受け取った容器6を回転搬送し、バイパスホイール26をそのまま通過させた後、第2フィラ4に引き渡す。従って、第2搬送ホイール22からの容器受け渡し位置Cに到達した時点では、開閉グリッパ42は開放しており、その後、両グリップ部材62、64が閉じて容器6をグリップする。開閉グリッパ42が容器6をグリップしたままの状態で回転搬送し、バイパスホイール26との容器受け渡し位置Dでは、開閉グリッパ42が保持している容器6をバイパスホイール26の板ばねグリッパ18内に一旦押し込み、そのまま再び取り出して第2フィラ4の位置まで搬送する。第2フィラ4への受け渡し位置Eでは、第2フィラ4の板ばねグリッパ18に容器6を押し込んだ後、開閉グリッパ42開放してこの容器6を引き渡す。この第1運転モード時の、第2供給ホイール82の開閉グリッパ42の開閉は固定の円板状カムによって行われる。
また、第2運転モード時には、第2供給ホイール82がバイパスホイール26から容器6を受け取るので、開閉グリッパ42が開放した状態でバイパスホイール26との受け渡し位置Dに到達し、容器6を把持する時点で開閉グリッパ42を閉じて保持した容器6を第2フィラ4へ供給できるように、進退カムを配置する。例えば、第1充填モード時には、固定の円板状カムの形状により、第2供給ホイール82の開閉グリッパ42は、第2フィラ4へ容器6を供給する際に開放し、第2搬送ホイール22からの受け取り時に閉じて容器6を保持し、そのまま閉じた状態でバイパスホイール26からの受け渡し位置Dに到達する。開閉グリッパ42が閉じたままの状態では容器6をグリップできないので、バイパスホイール26からの受け渡し位置Dの直前で開閉グリッパ42を開放するように進退カムを配置する。なお、開閉グリッパ(保持手段)42の開閉により、下流側の複数のホイール20、26への容器受け渡しの切り換え、および上流側の複数のホイールからの容器受け取りの切り換えは、図示しない制御手段により制御される。
第2フィラ4が設置されている第3チャンバー12Cは、前記リンサ14が設置されている第1チャンバー12Aと仕切り壁102によって区画されており、この仕切り壁102に形成された開口部(図示せず)から第2供給ホイール82の一部が第3チャンバー12C内に入り込んで、第2フィラ4との間で容器6の受け渡しが行われる。
第2フィラ4の板ばねグリッパ18に保持されて回転搬送される容器6は、回転体の回転によって回転搬送される間に、各板ばねグリッパ18に対応して設けられている充填手段(図示しないが第1フィラ2の充填手段100と同様の構成を有している)によって、液体(第2充填液)が充填される。この実施例では、第2充填液として例えば、水が充填される。
第2フィラ4で第2充填液が充填された容器6は、第2フィラ4の板ばねグリッパ18から第2排出ホイール50の開閉グリッパ42に引き渡される。この実施例では、第2排出ホイール50はキャッパ24へ容器6を供給するキャッパ供給ホイールを兼ねており、第2排出ホイール50の開閉グリッパ42が第2フィラ4から取り出した容器6を、次のキャッパ24に供給する。第1フィラ2および第2フィラ4でそれぞれ第1充填液および第2充填液が充填された容器6は、キャッパ24の板ばねグリッパ18に保持されて回転搬送される間に、キャッピングが行われる。
キャッパ24でキャッピングが行われた容器6は、次のキャッパ排出ホイール104に引き渡される。キャッパ24でキャッピングが行われるまでは、各搬送ホイールに設けられている開閉グリッパ42または板ばねグリッパ18によって、容器6のネック部に形成されているフランジ6aの上方または下方を把持されてネック搬送されている。キャッパ排出ホイール104は、外周に円周方向等間隔で容器6を保持する凹部(ポケット)が形成されたスターホイール(図1では省略して示している)であり、容器6はその底面を支持され、スターホイールの回転によって搬送される。キャッパ排出ホイール104によって回転搬送された容器6は、チャンバー12の外部に排出され、排出コンベヤ106によって搬送されて次の工程に送られる。
リンサ14から容器6を取り出すリンサ排出ホイール44と、第2フィラ4に容器6を供給する第2供給ホイール82との間に、バイパスホイール26が配置されており、リンサ排出ホイール44からバイパスホイール26を介して第2供給ホイール82に容器6を受け渡すことができるようになっている。つまり、リンサ14によって洗浄された容器6を、第1フィラ2に供給せずに第2フィラ4だけに供給して第2充填液の充填だけを行うことができる。
以上の構成に係る充填システム1の作動について説明する。第1フィラ2と第2フィラ4に順次容器6を供給して、それぞれ第1充填液と第2充填液を充填する第1運転モードの場合には、リンサ排出ホイール44のバイパスホイール26への受け渡し位置Bに設けられている進退カム86を前進させておく。進退カム86を前進させているときには、この進退カム86によって第2カムフォロア84が回転体56の半径方向外方側へ押されて開閉グリッパ42が閉じるようになっている。先ず、この充填システム1を第1運転モードで運転する場合について説明する。
入口側チャンバー8内に配置された導入ホイール10の板ばねグリッパ18に保持されている容器6が、第1チャンバー12A内のリンサ供給ホイール16の開閉グリッパ42に受け渡される。容器6は、リンサ供給ホイール16からリンサ14内に供給され、図示しないリンサ用のグリッパに保持されて回転搬送され、洗浄、水切り等が行われる。洗浄が行われた容器6は、リンサ排出ホイール44の開閉グリッパ42に受け渡されて回転搬送される。搬送された容器6がバイパスホイール26との受け渡し部Bに到達すると、開閉グリッパ42に保持された容器6が、バイパスホイール26の板ばねグリッパ18内に押し込まれる。第1運転モードでは、この受け渡し部Bの進退カム86が前進しており、開閉グリッパ42が閉じて容器6をグリップしたままの状態なので、一旦バイパスホイール26の板ばねグリッパ18内に挿入された容器6がそのまま取り出されてさらに回転搬送される。リンサ排出ホイール44によって搬送された容器6が第1搬送ホイール20への受け渡し部Aに到達すると、第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18内に挿入されるとともに、固定の円板状カム80によって開閉グリッパ42が開放して、容器6を第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18に受け渡す。
第1運転モードで運転中は、第1チャンバー12Aと第2チャンバー12Bを仕切る仕切り壁90のシャッター94が上昇して開口部90aは開放されており、第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18に保持されている容器6は、第1供給ホイール46の開閉グリッパ42に引き渡される。さらに、この第1供給ホイール46の開閉グリッパ42から第1フィラ2の板ばねグリッパ18に受け渡される。容器6が第1フィラ2の板ばねグリッパ18に保持されて回転搬送される間に、上方の充填手段100によって第1充填液である果汁やエキス等が充填される。第1フィラ2での充填が終了した容器6は、第1フィラ2の板ばねグリッパ18から第1排出ホイール48の開閉グリッパ42に引き渡される。
この第1排出ホイール48が配置されている第2チャンバー12Bと、第2搬送ホイール22が設置されている第1チャンバー12Aとの間の仕切り壁90には、容器6の受け渡しを行う開口部90aが形成されており、この開放している開口部90aから容器6が第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18に引き渡される。
容器6は、第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18から第2供給ホイール82の開閉グリッパ42に引き渡される。第2供給ホイール82の開閉グリッパ42は、第2搬送ホイール22からの容器受け渡し位置Cまで開放した状態で移動し、第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18が保持している容器6を掴む位置で、固定の円板状カムの外周カム面により両グリップ部材62、64が閉じて容器6をグリップして受け取る。そのまま容器6をグリップして回転移動し、第2搬送ホイール22の板ばねグリッパ18から取り出す。さらに回転搬送して、バイパスホイール26との受け渡し位置Dに来ると、第2供給ホイール82の開閉グリッパ42は前記前進している進退カム(図示せず)により閉じた状態のまま移動するので、容器6を一旦バイパスホイール26の板ばねグリッパ18内に挿入するが、そのまま取り出して第2フィラ4の位置まで搬送して、第2フィラ4の板ばねグリッパ18に引き渡す。
第2フィラ4に供給された容器6は、板ばねグリッパ18に保持されて搬送される間に充填手段から第2充填液である水が充填される。前記第1フィラ2で充填された果汁やエキスと第2フィラ4で充填された水が容器6内でブレンドされる。
第2フィラ4で充填が終了した容器6は、キャッパ供給ホイールを兼ねる第2排出ホイール50の開閉グリッパ42に保持されて第2フィラ4から取り出され、次のキャッパ24に供給される。液体が充填されている容器6は、このキャッパ24でキャッピングが行われた後、キャッパ排出ホイール104に引き渡される。キャッパ排出ホイール104では、容器6の底面を支持してスターホイールにより搬送され、排出コンベヤ106上に排出されて次の工程に送られる。
また、第2運転モード時には、リンサ14で洗浄が行われた容器6を、リンサ排出ホイール44から第1搬送ホイール20へ送らずに、バイパスホイール26に受け渡す。このときには、リンサ排出ホイール44のバイパスホイール26への受け渡し位置Bに設けられている進退カム86を後退させておく。リンサ排出ホイール44の容器6を保持した開閉グリッパ42がバイパスホイール26の位置に来ると、保持している容器6をバイパスホイール26の板ばねグリッパ18内に押し込んだ後、進退カム86が後退しているので開閉グリッパ42の両グリップ部材62、64が開放し、容器6をバイパスホイール26の板ばねグリッパ18に引き渡す。
バイパスホイール26の板ばねグリッパ18によって保持されている容器6が第2供給ホイール82への受け渡し部Dに到達すると、開放された第2供給ホイール82の開閉グリッパ42が閉じて容器6をグリップし、回転に伴ってバイパスホイール26の板ばねグリッパ18から取り出す。開閉グリッパ42が容器6を保持している第2供給ホイール82から第2フィラ4の板ばねグリッパ18に容器6が受け渡される。この第2運転モードでは、第2フィラ4において水だけが充填される。水が充填された容器6は、その後、第2排出ホイール兼キャッパ供給ホイール50の開閉グリッパ42によって取り出されてキャッパ24に供給される。キャッパ24でキャッピングされた容器6は、キャッパ排出ホイール104から排出コンベヤ106上に排出される。
このように第2運転モードでは、リンサ排出ホイール44からバイパスホイール26を介して第2フィラ4に容器6を供給し充填を行うので、第1フィラ2は使用しない。この間にこの第1フィラ2の洗浄を行うことができる。このときには、第1チャンバー12Aと第2チャンバー12Bとの間を仕切る仕切り壁90の開口部90aを、シャッター94により閉じてこれら両チャンバー12A、12Bを区画し、第1フィラ2の洗浄を行う。なお、仕切り壁90の開口部90aをシャッター94によって閉じる際には、第1搬送ホイール20および第2搬送ホイール22のグリッパ18を人手によって取り外しておくことによりシャッター94との干渉を避けるようにしている。この実施例では、シャッター94を昇降シリンダ92によって移動させて仕切り壁90の開口部90aを閉鎖するようにしているが、仕切り壁90とシャッター94との間に隙間が生じてしまう。そこで、手動によってシャッターを移動させてボルト締めする等により完全密閉の状態にすることもできる。また、第1搬送ホイール20の板ばねグリッパ18に進退機構を配置して自動でシャッターの干渉を防ぐようにしてもよい。なお、前記実施例では、保持手段である開閉グリッパ42を、第2カムフォロア84と進退カム86によって開閉する構成としたが、この構成に限らず、個々のグリッパにエアシリンダなどの駆動手段を設けて開閉を制御するようにしてもよい。
図6は第2の実施例に係る充填システム201の概略構成を示す平面図である。この実施例に係る充填システム201も、前記第1実施例と同様に、第1フィラ202と第2フィラ204の2台のフィラを備えており、これら2台のフィラ202、204に容器を供給して、第1充填液と第2充填液を順次充填する第1運転モードと、容器を第2フィラ204にだけ供給し、第2充填液の充填を行う第2運転モードとに切り換えできるようになっている。
この実施例では、入口チャンバー208の導入ホイール210からリンサ供給ホイール216に容器を引き渡し、このリンサ供給ホイール216を介してリンサ214に容器を供給する。リンサ214において洗浄された容器は、リンサ排出ホイール244によって取り出される。第1実施例では、このリンサ排出ホイール44から、第1搬送ホイール20とバイパスホイール26のいずれかに受け渡すようになっていたが、この実施例では、リンサ排出ホイール244からバイパスホイール226に容器を引き渡し、このバイパスホイール226から第1フィラ202の第1供給ホイール246と、第2フィラ204の第2供給ホイール282のいずれかに容器を供給できるようになっている。
バイパスホイール226から第1供給ホイール246に受け渡された容器は、第1フィラ202に供給され、第1充填液が充填された後、第1排出ホイール248に排出され、さらに、前記バイパスホイール226に受け渡される。リンサ214やバイパスホイール226が配置されている第1チャンバー212Aと、第1フィラ202および第1供給ホイール246と第2供給ホイール248が設置されている第2チャンバー212Bとは仕切り壁290によって区画されている。この仕切り壁290には、第1供給ホイール246および第1排出ホイール248とバイパスホイール226との容器の受け渡しを行う開口部が形成されており、この開口部を開閉するシャッター(図示を省略)が設けられている。
バイパスホイール226には、第2供給ホイール282が連結されており、第1排出ホイール248から受け渡された第1充填液を充填された容器が、バイパスホイール226から第2供給ホイール282に受け渡される。また、リンサ排出ホイール244からバイパスホイール226に受け渡された洗浄済みの容器を、第1フィラ202の第1供給ホイール246に送らずに、直接第2供給ホイール282に受け渡すこともできる。
第2供給ホイール282に受け渡された容器は、第3チャンバー212C内に設置された第2フィラ204に供給される。この第2フィラ204では第2充填液の充填が行われる。第2フィラ204で第2充填液の充填が行われた容器は、キャップ供給ホイールを兼ねる第2排出ホイール250に排出され、キャッパ224に供給される。キャッパでキャッピングが行われた容器はキャッパ排出ホイール2104を介して排出コンベヤ2106に排出される。この実施例に係る充填システム201でも、第1フィラ202と第2フィラ204に順次容器を供給して香り付きの液体と水とをそれぞれ充填した後に、直ちに水の充填に移行することができ、しかも、水の充填を行っている間に、第1フィラ202の洗浄作業を行うことができる。従って、その後、直ちに水充填から果汁やエキス入り飲料の充填に移行することが可能であり、作業効率が大幅に改善される。
図7は第3実施例に係る充填システム301の概略構成を示す平面図である。この実施例に係る充填システム301も、前記第1実施例と同様に、第1フィラ302と第2フィラ304の2台のフィラを備えており、これら2台のフィラ302、304に容器を供給して、第1充填液と第2充填液を順次充填する第1運転モードと、容器を第1フィラ302には送らず第2フィラ304にだけ供給して、第2充填液の充填を行う第2運転モードとに切り換えできるようになっている。
この実施例では、入口チャンバー308の導入ホイール310からリンサ供給ホイール316に容器を引き渡し、このリンサ供給ホイール316を介してリンサ314に容器を供給する。リンサ314において洗浄された容器は、リンサ排出ホイール344によって取り出される。第1実施例では、このリンサ排出ホイール44から、第1搬送ホイール20とバイパスホイール26のいずれかに受け渡すようになっていたが、この実施例では、リンサ排出ホイール344が第1供給ホイールを兼ねており、このリンサ排出ホイール344から第1フィラ302またはバイパスホイール326のいずれかに容器を供給することができる。
リンサ排出ホイール344(第1供給ホイール)から第1フィラ302に供給された容器は、回転搬送される間に第1充填液の充填が行われる。その後、容器は給排ホイール382に受け渡されて、第2フィラ304に供給される。また、前記リンサ排出ホイール344から第1フィラ302に送られず、バイパスホイール326に送られた容器は、このバイパスホイール326から給排ホイール382に受け渡され、この給排ホイール382から第2フィラ304に供給される。
第2フィラ304に供給された容器は、回転搬送される間に第2充填液が充填された後、第2排出ホイール350に排出され、さらにこの第2排出ホイール350からキャッパ324に供給される。この容器もキャッパ324でキャッピングが行われた後、排出ホイール3104から排出コンベヤ3106に排出される。この実施例に係る充填システム301でも、容器を第1フィラ302と第2フィラ304に順次供給して、第1充填液と第2充填液を充填する第1運転モードと、容器を第1フィラ302に送らず、バイパスホイール326から第2フィラ304に送って第2充填液だけを充填する第2運転モードに切り替えることができる。
図8は第4の実施例に係る充填システム401の概略構成を示す平面図である。この実施例に係る充填システム401は、第1フィラ402、第2フィラ404および第3フィラ405の3台のフィラを備えており、これら3台のフィラ402、404、405に順次容器を供給して、それぞれ第1充填液(例えば第1フレーバー)、第2充填液(第2フレーバー)および第3充填液(例えば水)を充填する第1運転モードと、第1フィラ402および第3フィラ405に順次容器を供給して第1充填液と第3充填液の充填を行う第2運転モードと、第2フィラ404および第3フィラ405に順次容器を供給して第2充填液と第3充填液の充填を行う第3運転モードと、第3フィラ405にだけ容器を供給して第3充填液の充填を行う第4運転モードに切り換えできるようになっている。
この実施例に係る充填システム401は、入口チャンバー408内に配置された導入ホイール410から、メインチャンバー412の入口に配置されているリンサ供給ホイール416に容器を引き渡し、このリンサ供給ホイール416を介してリンサ414に容器を供給する。リンサ414において洗浄された容器は、リンサ排出ホイール444によって取り出される。リンサ排出ホイール444は、容器の受け渡しを行う場合と受け渡しを行わない場合に切り換え可能な切り換えグリッパ(図示せず)を有しており、このリンサ排出ホイール444から、第1搬送ホイール420と第1バイパスホイール426のいずれかに容器を受け渡すようになっている。
リンサ排出ホイール444から容器を受け取る第1搬送ホイール420は、第1フィラ402に容器を供給する第1供給ホイール446に容器を受け渡し、第1供給ホイール446はこの容器を第1フィラ402に供給する。第1フィラ402で第1充填液が充填された容器は、第1排出ホイール448によって取り出されて第2搬送ホイール422に受け渡される。第1供給ホイール446と第1搬送ホイール420の間、および第1排出ホイール448と第2搬送ホイール422の間は、メインチャンバー412の第1チャンバー412Aと第2チャンバー412Bとの間の仕切り壁490によって区画されており、この仕切り壁490に容器の受け渡しを行う開口部が形成されている。この開口部は、第1実施例と同じように、シャッター(図示せず)によって開閉できるようになっている。
第2搬送ホイール422によって搬送された容器は、容器の受け渡しを行う場合と行わない場合に切り換え可能な切り換えグリッパ(図示せず)を有する中間ホイール419に受け渡される。この中間ホイール419は、前記第1バイパスホイール426にも連結されており、第2搬送ホイール422と第1バイパスホイール426のいずれか一方から容器を受け取る。また、この中間ホイール419は、第3搬送ホイール421と第2バイパスホイール427にも連結されており、これらホイール421、427のいずれか一方に容器の引き渡しを行い、他方には引き渡さずに通過するように切り換えグリッパを切り換えるようになっている。
この実施例では、第1フィラ402と第2フィラ404の容器を供給、排出する構成が共通しており、第3搬送ホイール421から第2供給ホイール447に受け渡された容器が第2フィラ404に供給されて充填が行われる。また、充填後の容器は、第2排出ホイール449によって取り出され、第4搬送ホイール423に受け渡される。第2フィラ404と第2供給ホイール447および第2排出ホイール449は、第1チャンバー412Aおよび第2チャンバー412Bと仕切り壁490、491によって区画された第3チャンバー412D内に配置されている。第2供給ホイール447と第3搬送ホイール421との間および第2排出ホイール449と第4搬送ホイール423との間の仕切り壁490には、容器の受け渡しを行う開口部が形成されており、図示しないシャッターによって開閉できるようになっている。
第4搬送ホイール423によって搬送された容器は第3供給ホイール431に受け渡される。この第3供給ホイール431は切り換えグリッパ(図示せず)を有しており、第4搬送ホイール423と第2バイパスホイール427のいずれか一方から容器を受け取ることができるようになっている。第3供給ホイール431は、第4搬送ホイール423または第2バイパスホイール427から受け取った容器を第4チャンバー412C内に配置されている第3フィラ405に供給する。
第4チャンバー412C内には、第3フィラ405、キャッパ供給ホイールを兼ねた第3排出ホイール450およびキャッパ424が配置されており、第3フィラ405で第3充填液が充填された容器にキャッピングが行われる。キャッピングが終了した容器は、前記各実施例と同様に、キャッパ排出ホイール4104で取り出されて排出コンベヤ4106上に排出される。この実施例は、第1実施例のリンサ排出ホイール44から第2供給ホイール82までの構成と同様の構成を2組配置したものであり、各搬送ホイール420、422、421、423、供給ホイール446、447、排出ホイール448、449およびバイパスホイール426、427は、第1実施例と同じグリッパ(板ばねグリッパ18または開閉グリッパ42)が設けられている。
この第4実施例の第1運転モードでは、リンサ供給ホイール416からリンサ414、リンサ排出ホイール444、第1搬送ホイール420、第1供給ホイール446、第1フィラ402、第1排出ホイール448、第2搬送ホイール422、中間ホイール419、第3搬送ホイール421、第2供給ホイール447、第2フィラ404、第2排出ホイール449、第4搬送ホイール423、第3供給ホイール431、第3フィラ405に容器が順次受け渡され、各充填機402、404、405によって第1充填液、第2充填液および第3充填液が充填され、第3排出ホイール兼キャッパ供給ホイール450からキャッパ424に供給されてキャッピングが行われ、キャッパ排出ホイール4104から排出コンベヤ4106上に排出される。
また、第2運転モード時には、リンサ供給ホイール416からリンサ414、リンサ排出ホイール444、第1搬送ホイール420、第1供給ホイール446、第1フィラ402、第1排出ホイール448、第2搬送ホイール422、中間ホイール419、第2バイパスホイール427、第3供給ホイール431、第3フィラ405に順次容器が受け渡され、第1充填液と第3充填液が充填される。
さらに、第3運転モード時には、リンサ供給ホイール416からリンサ414、リンサ排出ホイール444、第1バイパスホイール426、中間ホイール419、第3搬送ホイール421、第2供給ホイール447、第2フィラ404、第2排出ホイール449、第4搬送ホイール423、第3供給ホイール431、第3フィラ405に容器が順次受け渡され、第2充填液と第3充填液が充填される。
また、第4運転モード時には、リンサ供給ホイール416からリンサ414、リンサ排出ホイール444、第1バイパスホイール426、中間ホイール419、第2バイパスホイール427、第3供給ホイール431、第3フィラ405に容器が順次受け渡され、第3充填液だけが充填される。この実施例では、第3充填液(例えば水)を充填する第3フィラ405だけは常に容器を供給して充填を行うようになっている。
図9は第5の実施例に係る充填システム501の概略構成を示す平面図である。この実施例に係る充填システム501は、第1フィラ502、第2フィラ504および第3フィラ505の3台のフィラを備えており、第1フィラ502から第2フィラ504に容器を供給して、第1充填液(例えば炭酸水)と第2充填液(例えば第1シロップ)を供給する第1運転モードと、第1フィラ502から第3フィラ505に容器を供給して、第1充填液(例えば炭酸水)と第3充填液(例えば第2シロップ)を供給する第2運転モードに切り換えできるようになっている。
この実施例では、導入ホイール510から、開閉グリッパを有する第1供給ホイール546に受け渡された容器が、板ばねグリッパを備えた第1フィラ502に供給されて第1充填液が充填される。第1充填液が充填された容器は開閉グリッパを有する第1排出ホイール548によって取り出され、板ばねグリッパを有する第1バイパスホイール526に受け渡される。
第1バイパスホイール526は、第2フィラ504に容器を供給する切り換えグリッパを備えた第2供給ホイール547と、開閉グリッパを備えた中間ホイール519のいずれか一方に容器を受け渡すようになっている。第2供給ホイール547は、第1バイパスホイール526から容器を受け取る状態と受け取らない状態に切り換え可能な切り換えグリッパを有しており、容器を第2フィラ504に供給する第1運転モードでは、第1バイパスホイール526から容器を受け取り、第2運転モードでは第1バイパスホイール526から容器を受け取らないように切り換える。
バイパスホイール526から第2供給ホイール547が受け取った容器は、第2フィラ504に供給されて第2充填液が充填される。第2フィラ504で第2充填液が充填された容器は、開閉グリッパを有する第2排出ホイール549によって取り出されて第1バイパスホイール526の板ばねグリッパに受け渡される。容器は、第1バイパスホイール526から、開閉グリッパを有する中間ホイール519を介して、板ばねグリッパを有する第2バイパスホイール527に受け渡される。第2バイパスホイール527は、切り換えグリッパを有する第3供給ホイール531と、開閉グリッパを備えたキャッパ供給ホイール551のいずれか一方に容器を受け渡すようになっている。第3供給ホイール531は、第2バイパスホイール527から容器を受け取る状態と受け取らない状態に切り換え可能な切り換えグリッパを有しており、容器を第3フィラ505に供給する第2運転モードでは、第2バイパスホイール527から容器を受け取り、第1運転モードでは第2バイパスホイール527から容器を受け取らないように切り換える。
第3供給ホイール531に受け取られた容器は、板ばねグリッパを有する第3フィラ505に供給されて第3充填液が充填され、開閉グリッパを有する第3排出ホイール550によって取り出されて、前記第2バイパスホイール527に受け渡される。第2バイパスホイール527の板ばねグリッパに保持された容器は、開閉グリッパを有するキャッパ供給ホイール551に受け渡されてキャッパ524に供給される。キャッパ524でキャッピングが行われた容器はキャピングが行われた後、キャッパ排出ホイール5104によって取り出されて排出コンベヤ5106上に排出される。
この実施例では、第1運転モード時には、第1供給ホイール546によって第1フィラ502に供給された容器に第1充填液が充填され、第1排出ホイール548に取り出されて第1バイパスホイール526に受け渡される。第2供給ホイール547の切り換えグリッパは容器を受け取る状態に切り換えられて、第1バイスホイール526から容器を受け取り、第2フィラ504に供給する。第2フィラ504で第2充填液が充填された容器は、第2排出ホイール549によって取り出されて第1バイパスホイール526に受け渡される。この容器は、中間ホイール519を介して第2バイパスホイール527に受け渡される。第2バイパスホイール527は、第3供給ホイール531とキャッパ供給ホイール551のいずれか一方に容器を受け渡すようになっており、第1運転モードでは、第3供給ホイール531の切り換えグリッパを、容器を受け取らない状態に切り換えてキャッパ供給ホイール551側に引き渡す。第1フィラ502と第2フィラ504で第1充填液と第2充填液が充填された容器は、第3フィラ505には送られることなく、キャッパ524に供給されてキャッピングが行われる。
また、第2運転モード時には、第1供給ホイール546によって第1フィラ502に供給された容器に第1充填液が充填され、第1排出ホイール548に取り出されて第1バイパスホイール526に受け渡される。第2供給ホイール547の切り換えグリッパは容器を受け取らない状態に切り換えられ、第1バイパスホイール526によって搬送された容器は中間ホイール519を介して第2バイパスホイール527に引き渡される。この第2バイパスホイール527に連結されている第3供給ホイール531の切り換えグリッパは、第2運転モード時には容器を受け取る状態に切り換えられており、第2バイパスホイール527から受け取った容器を第3フィラ505に供給する。第3フィラ505で第3充填液が充填された容器は、第3排出ホイール550によって取り出されて再び第2バイパスホイール527に引き渡される。第1フィラ502と第3フィラ505に送られて第1充填液と第3充填液が充填された容器は、キャッパ524に供給されてキャッピングが行われる。
前記第1実施例〜第4実施例では、複数のフィラのうち最も下流側に配置したフィラ4、204、304、405がメインのフィラであり、必ずこのフィラ4、204、304、405に容器を供給して充填液(例えば水)を充填しているが、この第5実施例では、第1フィラ502がメインのフィラであり、どの運転モード時でも必ずこの第1フィラ502に容器が供給されて第1充填液(例えば炭酸水)が充填されるようになっている。
図10は第6の実施例に係る充填システム601の概略構成を示す平面図である。この実施例に係る充填システム601は、前記第5の実施例と同様に、第1フィラ602、第2フィラ604および第3フィラ605の3台のフィラを備えており、第1フィラ602から第2フィラ604に容器を供給して、第1充填液(例えば炭酸水)と第2充填液(例えば第1シロップ)を充填する第1運転モードと、第1フィラ602から第3フィラ605に容器を供給して、第1充填液(例えば炭酸水)と第3充填液(例えば第2シロップ)を充填する第2運転モードに切り換えできるようになっている。
この第6実施例では、容器は、板ばねグリッパを有する導入ホイール610から、開閉グリッパを有するリンサ供給ホイール616、リンサ用のグリッパを備えたリンサ614、開閉グリッパを有するリンサ排出ホイール兼第1供給ホイール644を経て、板ばねグリッパを有する第1フィラ602に供給される。第1充填機602で第1充填液が充填された容器は、開閉グリッパを備えた第1排出ホイール648によって取り出される。第1排出ホイール648のグリッパは、板ばねグリッパを有する第1搬送ホイール620と、同じく板ばねグリッパを有する第1バイパスホイール626のいずれか一方に容器を引き渡すために切り換えられる切り換えグリッパである。
第1排出ホイール648から、板ばねグリッパを有する第1搬送ホイール620に受け渡された容器は、開閉グリッパを備えた第2供給ホイール646から板ばねグリッパを有する第2フィラ604に送られて第2充填液が充填される。第2充填液が充填された容器は、開閉グリッパを有する第2排出ホイール648によって取り出されて、板ばねグリッパを有する第2搬送ホイール622を介して、切り換えグリッパを有する中間ホイール619に引き渡される。中間ホイール619の切り換えグリッパは、板ばねグリッパを有する第3搬送ホイール621と、板ばねグリッパを有する第2バイパスホイール627のいずれか一方に容器を引き渡すように切り換えられるようになっている。
第3搬送ホイール621に引き渡された容器は、開閉グリッパを有する第3供給ホイール631を介して板ばねグリッパを有する第3フィラ605に供給され、第3充填液が充填される。第3充填液が充填された容器は、開閉グリッパを有する第3排出ホイール650によって取り出されて、板ばねグリッパを有する第4搬送ホイール623に引き渡される。第4搬送ホイール623によって搬送された容器は、開閉グリッパを有するキャッパ供給ホイール651に受け渡される。キャッパ供給ホイール651は第4搬送ホイール623と前記第2バイパスホイール627に連結されており、いずれか一方のホイールから容器を受け取り、キャッパ624に供給する。キャッパ624でキャッピングが行われた容器は、キャッパ排出ホイール6104によって取り出されて排出コンベヤ6106上に排出される。
この実施例では、導入ホイール610から導入された容器は、リンサ供給ホイール616を介してリンサ614に供給され、リンスが行われた後、リンサ排出ホイール兼第1供給ホイール644によって取り出されて第1フィラ602に供給され、第1充填液が充填される。
第1運転モード時には、第1フィラ602で第1充填液が充填された容器は、第1排出ホイール648によって取り出され、この第1排出ホイール648に設けられた切り換えグリッパの切り換えによって、第1バイパスホイール626には引き渡されず第1搬送ホイール620に引き渡される。この容器は、第2供給ホイール646から第2フィラ604に供給されて第2充填液が充填される。第2フィラ604で第2充填液が充填された容器は、第2排出ホイール648から第2搬送ホイール622を介して中間ホイール619に引き渡される。この第1運転モード時には、中間ホイール619によって搬送された容器は、第2バイパスホイール627に引き渡されて、第3搬送ホイール621側には搬送されない。第2バイパスホイール627に引き渡された容器は、キャッパ供給ホイール651を介してキャッパ624に送られてキャッピングが行われる。
また、第2運転モード時には、第1フィラ602で第1充填液が充填された容器は、第1排出ホイール648によって取り出され、その切り換えグリッパの切替によって、第1搬送ホイール620ではなく第1バイパスホイール626に受け渡される。この第1バイパスホイール626によって搬送された容器は、中間ホイール619から第3搬送ホイール621に受け渡され、第3供給ホイール631から第3フィラ604に供給されて第3充填液が充填される。第3充填液が充填された容器は、第3排出ホイール650から第3搬送ホイール623を経てキャッパ供給ホイール651へ送られてキャッパ624に供給される。キャッパ624に供給されてキャッピングが行われた容器は、キャッパ排出ホイール6104によって排出コンベヤ6106上に排出される。
2 第1充填機(第1フィラ)
4 第2充填機(第2フィラ)
6 容器
22 搬送ホイール(第2搬送ホイール)
26 バイパスホイール
34 回転体
42 保持手段(開閉グリッパ)
46 供給ホイール(第1供給ホイール)
50 第2排出ホイール
82 搬送ホイール(第2供給ホイール)
100 充填手段