以下、添付の各図面を参照して本発明の各実施例を詳細に説明する。次に紹介する各実施例は、当業者に本発明の思想を十分に伝達するための例として提供されるものである。したがって、本発明は、以下で説明する各実施例に限定されず、他の形態に具体化されることも可能である。そして、各図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは、便宜上、誇張して表現する場合がある。明細書全体にわたって同一の参照番号は同一の構成要素を示す。明細書全般にわたって、方位を示す用語は、図面に示したように、各構成要素の位置、構造及び配置を説明するためのもので、その用語が発明の技術思想と直接関連していない限り、これら用語によって本発明が制限されてはならない。
[各実施例]
図1は、本発明の一実施例に係る光半導体照明装置を示した斜視図で、図2は、図1に示した発光モジュールを光学カバーが除去された状態に示した平面図で、図3は、本発明の一実施例に係る照明装置を部分的に切開して示した正面図で、図4は、本発明の一実施例に係る照明装置を部分的に切開して示した側面図で、図5は、図3及び図4に示した冷却ファン及び放熱ユニットを上側から下側に示した平面図で、図6は、放熱ユニットのヒートパイプが配置されている放熱ベースの上面を示した平面図で、図7は、図6のI―I線断面図で、図8は、放熱ユニットの協力型ヒートパイプと放熱ブロックを共に示した斜視図である。図4〜図6では、一部の構成要素に対して括弧と括弧外に互いに異なる部材番号を表示したが、括弧内に表示された部材番号で指示された構成要素が括弧外に表示された部材番号で指示された構成要素を含むと定義する。
図1、図3及び図4に示したように、本実施例に係る照明装置は、発光モジュール10及びハウジング20を含む。また、前記照明装置は、前記ハウジング20の内部に放熱ユニット40及び冷却ファン60を含むことができる。また、前記照明装置は、発光モジュール10に電力を供給するためのパワーサプライ80をハウジング20の内部に含むことができる。
前記ハウジング20には、前記発光モジュール10から発生した熱を迅速に外部に発散するための多様な放熱要素を内蔵することができる。前記各放熱要素としては、前記放熱ユニット40に含まれる多様な構成要素があり、また、例えば、前記冷却ファン60などの空冷ユニットの構成要素があり得る。
前記ハウジング20は、ハウジング上部22及びハウジング下部24を含む。前記ハウジング下部24の下端に円状の開放された領域が提供され、その開放された領域を覆うように前記発光モジュール10が設置される。前記多様な放熱要素は、前記ハウジング20内で前記発光モジュール10の上側、すなわち、発光モジュール10のハウジング20内の後方に配置される。
上述したように、発光モジュール10が設置されるハウジング下部24の下端領域は、発光モジュール10の全般的な形状に対応するように略円状を有する。発光モジュール10が円状以外の他の幾何学的形状であると、ハウジング下部24の下端領域もそれに対応する形状を有するようになる。
前記パワーサプライとしてはSMPS(Switching Mode Power Supply)を用いることができる。前記SMPS80は、外部から供給される交流(AC)電流を直流(DC)電流に変換し、これを発光モジュール10内の各光半導体素子に供給する。
また、前記照明装置は、チルト可変式支持ユニット30をさらに含むことができ、そのチルト可変式支持ユニット30によって、天井などに任意の調節された角度で維持することができる。
1.発光モジュール10
上述した発光モジュール10は、下側に光を放射するように前記ハウジング20の下端開放領域に設置される。
図2に示したように、前記発光モジュール10は、略円状のPCB14と、前記PCB14上に実装された複数の光半導体素子16とを含む。前記光半導体素子16はLEDであることが望ましい。本実施例によると、各光半導体素子16は、PCB14の外郭に沿って一点鎖線で表示した仮想の円(C)の形態で配列されており、その内側にも複数の光半導体素子16が円(C)内のほとんどの領域にわたって位置している。前記PCB14の中心領域には、各光半導体素子16を駆動するための部品及び配線を提供するために光半導体素子16が実装されていない。
前記PCB14は、扇状を有する多数の単位PCBからなり得る。前記PCB14は、熱伝導性の良い金属板を基盤とするMCPCB(Metal Core PCB)又はMPCB(Metal PCB)であり得る。
例えば、円状のPCB14は、前記放熱ベース12上に付着又は締結される方式で略円板状の放熱ベース12上に提供される。前記放熱ベース12は、上述したハウジング20の下端開放領域を覆うように提供される。前記円状のPCB14を取り囲む前記放熱ベース12の縁部領域には、前記ハウジング20の内部と外部とを連結する各空気排出口3が一定間隔で形成されている。前記放熱ベース12は、熱伝導性の良い銅又はアルミニウムなどの金属材料からなり得る。光学カバーは、光半導体素子14を保護するように放熱ベース12に結合される。図1には、内部の各発光素子16を見せるために一部が切開されている光学カバー18が示されている。前記各空気排出口12は、前記光学カバー18の設置領域の外郭に略円状に配列されており、これによって、前記光学カバー18に覆われずに外部に露出する。
前記PCB14が放熱ベース12上に結合されて構成されたが、絶縁材料と共にPCBの回路パターンを放熱ベース12に直接形成することも考慮することができる。したがって、放熱ベースとPCBとが互いに独立した別個の要素であると説明されているにもかかわらず、PCBが放熱ベースに属している構成要素にもなり得ることに留意しなければならない。
2.放熱ユニット20
図3及び図4に示したように、上述した放熱ユニット40は、ハウジング20内で発光モジュール10の直ぐ上に配置される。また、前記放熱ユニット40は、ヒートパイプ構造42、44a、44b及び放熱ブロック46を含む。
前記ヒートパイプ構造は、複数のヒートパイプ42、44a、44bを含む。前記複数のヒートパイプ42、44a、44bは、冷却流体を収容する一方、放熱ベース12に接するように設置され、冷却流体の作用により、上述した放熱ベース12から熱を奪うように作用する。
前記複数のヒートパイプ42、44a、44bは、減圧状態で内部に水又はアルコールなどの液体を収容し、一側の温度上昇によって蒸発された液体が他側に流れ、その他側で放熱した後、液体になる方式で放熱ベース12の熱を奪って放出することができる。
2.1.独立型ヒートパイプと協力型ヒートパイプ
前記ヒートパイプ構造は、独立型ヒートパイプ42及び協力型ヒートパイプ44a、44bを含む。独立型ヒートパイプ42は、放熱ブロック46から独立して放熱機能を実現し、協力型ヒートパイプ44a、44bは、放熱ブロック46と共に放熱機能を実現する。
前記独立型ヒートパイプ42は、放熱ベース12に対して水平に配置される水平配置式ヒートパイプであると同時に、放熱ベース12の上面に長さ全体が接する全体接触式ヒートパイプである。また、前記協力型ヒートパイプ44a、44bは、放熱ベース12に対して垂直に配置される垂直配置式ヒートパイプであると同時に、下部の一部の長さ部分のみが放熱ベース12の上面に接する部分接触式ヒートパイプである。
図3〜図8に示したように、前記協力型パイプ44a又は44bは、略コの字状に折り曲げることによって限定された下部水平ライン部442a又は442b、垂直中間ライン部444a又は444b及び上部水平ライン部446a、446bを一体に含む。前記下部水平ライン部442a又は442b、前記垂直中間ライン部444a又は444b及び上部水平ライン部446a、446bは直線形状を有する。前記下部水平ライン部442a又は442bは、前記独立型ヒートパイプ42と同様に前記放熱ベース12上に水平状態で接触する。
前記上部水平ライン部446a又は446bは、図8に示したように、放熱ブロック46を構成する多数の放熱板462を貫通するように配置されている。本実施例において、前記放熱ブロック46は、狭い間隔で水平に配列された多数の放熱板462が略直方体又は正六面体形状で固定維持されることによって設けられる。複数の上部水平ライン部446a及び446bが各放熱板462を互いに異なる位置で貫通することによって、前記各放熱板462をブロック形状に維持することができる。
左側の協力型ヒートパイプ44a及び44bは、自分の上部水平ライン部446a、446bが放熱ブロック46の左側から右側に向けて延在し、前記放熱ブロック46を貫通する。また、右側の協力型ヒートパイプ44a及び44bは、自分の上部水平ライン部446a、446bが放熱ブロック46の右側から左側に向けて延在し、前記放熱ブロック46を貫通する。
図8に示したように、前記各協力型ヒートパイプ44a、44bは、放熱ブロック46を貫通する高さ又は垂直中間ライン部444a、444bの長さに応じて第1の協力型ヒートパイプ44aと第2の協力型ヒートパイプ44bとに区分される。第1の協力型ヒートパイプ44aは、第2の協力型ヒートパイプ44bの垂直ライン部444bの垂直長さより長い垂直長さを有する垂直ライン部444aを有する。したがって、前記第1の協力型ヒートパイプ44aの上部水平ライン部446aが前記放熱ブロック46を貫通する高さは、前記第2の協力型ヒートパイプ44bの下部水平ライン部446bが前記放熱ブロック46を貫通する高さより大きい。
したがって、前記第1の協力型ヒートパイプ44aと前記第2の協力型ヒートパイプ44bは交互に配置されることが望ましい。高さの異なる第1の協力型ヒートパイプ44aと第2の協力型ヒートパイプ44bの配置により、放熱ブロック46の一領域に熱伝導が集中することを防止することができ、これによって、発光モジュール10に対する放熱ユニット40の放熱性能をより向上させることができる。
2.2.ヒートパイプ構造のパターン
図5及び図6に示したように、前記独立型又は全体接触型ヒートパイプ42は、折り曲げることによって二つ以上のライン部に限定された状態で、前記放熱ベース12上での接触が維持される。
本実施例において、前記独立型ヒートパイプ42は、二つのライン部、すなわち、放熱ベース12の仮想の中央線H付近で前記中央線Hと平行に位置する直線型の内側ライン部422と、放熱ベース12の縁部に隣接した状態で前記縁部に略平行に位置する曲線型の縁部ライン部424を一体に含んでいる。
前記縁部ライン部424は、上述した光半導体素子16の外郭配列をなす円弧に対応する曲線形状を有する。前記独立型又は全体接触型ヒートパイプ42の縁部ライン部424は、その内側領域の放熱にも関与するが、その縁部ライン部424が位置する領域と放熱ベース12の外郭コーナーとの間の領域で放熱に多く寄与する。前記縁部ライン部424が各光半導体素子16の外郭配列16に対応する形状及び位置に提供されることによって放熱性能をより高めることができるが、各光半導体素子16の外郭配列は前記縁部ライン部424と放熱ベース12の外郭コーナーとの間に存在することが望ましい。
本実施例において、前記放熱ベース12上には同一形状を有する4個の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42が配置されるが、中央線(H)を基準にして左側に位置する二つの独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42は、二つの内側ライン部422、422が互いに同一直線上で端部同士が向い合っており、二つの縁部ライン部424、424が互いに対称をなしながら二つの端部同士が互いに離隔した状態で対向している。前記縁部ライン部424は、各半導体発光素子16の外郭配列形状に対応する形状及び配置を有する。
同様に、中央線を基準にして右側に位置する2個の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42も、二つの内側ライン部422、422が互いに同一直線上で端部同士が向い合っており、二つの縁部ライン部424、424が互いに対称をなしながら二つの端部同士が互いに離隔した状態で対向している。前記のように、4個の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42は、放熱ベース12上において前後左右対称構造で配置されることが望ましい。
前記のような独立型又は全体接触型ヒートパイプ42の形状及び配置は、協力型又は部分接触型ヒートパイプ44a及び44bの直線型下部水平ライン部442a、442bが放熱ベース12上の一領域、望ましくは、中央領域に所定の密度以上に集約された状態で各ヒートパイプが可能な限り広く配置されることを可能にする。
前記放熱ベース12の上面左側には、一対の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42の二つの内側ライン部422、422が互いに同一直線上で端部同士が向い合っており、一対の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42の二つの縁部ライン部424、424が互いに対向しながら離隔している。前記一対の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42間には、複数の協力型又は部分接触型ヒートパイプ44a及び44b(図8参照)の下部水平ライン部442a及び442bが並んで配置される。
また、前記放熱ベース12の上面右側には、他の一対の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42の二つの内側ライン部422、422が互いに同一直線上で端部同士が向い合っており、その一対の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42の二つの縁部ライン部424、424が互いに対向しながら離隔している。前記一対の独立型又は全体接触型ヒートパイプ42間には、複数の協力型又は部分接触型ヒートパイプ44a及び44bの下部水平ライン部442a及び442bが並んで配置される。
このとき、複数の下部水平ライン部442a及び442bは、それぞれ独立型又は全体接触型ヒートパイプ42、42の二つの縁部ライン部424、424間に各端部を有する状態で中央に向けて直線形状で延在している。
本発明の一実施例によると、協力型又は部分接触型ヒートパイプ44は、発光モジュール10と協力して高い放熱性能で発光モジュール10を冷却させることができる。その結果、このような各協力パイプ44の下部水平ライン部442a及び442bが発光モジュール10の上面又は背面の放熱ベース12上に広くかつ高い密度で配置され、各下部水平ライン部442a及び442bの配置が難しい領域、特に、放熱ベース12の縁部領域の一部及び中央領域には、各独立型ヒートパイプ42が全体的に接し、独自に放熱機能を実現するようにした。このような構造は、ヒートパイプの配管設計を複雑にすることなく、発光モジュール10の背面の放熱ベース12のほぼ全領域に各ヒートパイプ42、44を広くかつぎっしり詰まった形で配置できるようにする。
図7を参照すると、前記各独立型ヒートパイプ42と前記各協力型ヒートパイプ44a又は44bの各下部水平ライン部442は、パイプ固定ユニット120によって放熱ベース10の上面に固定される。前記パイプ固定ユニット120は、各独立型ヒートパイプ42と各協力型ヒートパイプ44a又は44bの下部水平ライン部442が少なくとも部分的に収容される各溝121aを限定する下部固定プレート121と、前記各溝121aを覆いながら前記各下部固定プレート121の上面に締結される上部固定プレート122とを含む。
再び図6を参照すると、前記パイプ固定ユニット120は、中央パイプ固定ユニット120a及び外郭パイプ固定ユニット120bを含む。前記中央パイプ固定ユニット120aは、前記放熱ベース12の中央領域で各下部水平ライン部442a、442bの互いに対向する各端部と、各独立型ヒートパイプ42の各内側ライン部422とを全て固定するように配置される。前記外郭パイプ固定ユニット120bは、各下部水平ライン部442a、442bの中間部分と各独立型ヒートパイプ42の縁部ライン部424の各端部を固定するように外郭に配置される。
3.空冷構造の適用
図3及び図4に示したように、前記ハウジング20の内側上部には上述したSMPS80が配置される。前記SMPS80は、駆動中に多くの熱を発生させるが、ハウジング20内部の過度な温度上昇を防止する空冷構造がハウジング20内に適用される。前記空冷構造は、以下で詳細に説明され、SMPS80は勿論、放熱ユニット又は発光モジュールなどのハウジング20内の多様な構成要素を空冷させるのに関与することができる。
前記SMPS80と放熱ユニット40との間には冷却ファン60が配置される。また、前記ハウジング20の各上部側面には、外部空気が吸入する多数の空気吸入口2が形成されている。前記各空気吸入口2はスリット形状を有することができ、他の各空気吸入口2と共にグリル形状で配列することができる。そして、前記各空気吸入口2は、前記冷却ファン60より上側に位置しているとよい。
また、前記SMPS80は、それを懸架式で支持する支持手段によってハウジング20内の天井面と離隔していることが望ましい。ハウジング20内の天井面とSMPS80との間に離隔空間を置くことによって、空気がSMPS80の上面に直接接することができ、SMPS80を冷却させるのに役に立つ。特に、本実施例のように、外部空気を吸入してSMPS80を冷却させる場合、外部空気がSMPS80の全ての面に接触できるようにSMPS80の上面及び底面、そして、側面がいずれもハウジング20の各内壁面と離隔しているとよい。
前記空気吸入口2は、前記SMPS80と横方向に隣接する位置に形成されることが望ましい。空気排出口3は、ハウジング20の下側、発光モジュール10の縁部又はその付近に形成される。
また、ハウジング20下端の発光モジュール10の縁部に沿って外部空気を排出する多数の空気排出口3が形成される、前記各空気排出口3は、各光半導体素子16が実装されたPCB14を支持する発光モジュール10自体の放熱ベース12に形成したり、又は発光モジュール10周辺のハウジング20の下端に形成したりすることができる。
前記ハウジング20の下端付近、さらに、ハウジング20下端の放熱ベース12の縁部領域に複数の空気排出口3が一定配列で形成されるとよい。本実施例においては、前記各空気排出口3が放熱ベース12の環状縁部領域に略スリット形状を有しながら形成された状態で、一定間隔で配列されている。放熱ベース12の環状縁部領域に各空気排出口3を形成することによって、放熱ベース12にPCBと各光半導体素子を設置して発光モジュール10を組み立てた後、その発光モジュール10をハウジング20の下端の開放された領域に組み立てる作業のみで上述した各空気排出口3を意図した場所に位置させることが可能であるという長所がある。
前記各空気吸入口2は、前記冷却ファン60より高く位置する。前記冷却ファン60とハウジング20の上端との間の間隔、すなわち、冷却ファン60の後方空間の厚さは前記冷却ファン60の厚さより大きく定められる。もし冷却ファン60の厚さが後方空間の厚さより大きい場合、空気吸入口2を介して吸入した冷たい空気がSMPS80を十分に冷却できず下側に送風されるので、SMPS80を効果的に冷却させにくい。
本実施例によると、SMPS80の下側に位置した冷却ファン60が空気吸入口2を介して吸入した冷たい外気がSMPS80から発生し、対流によって上昇する熱を引き下げながら冷やし、その空気が下側にさらに進行し、放熱ユニット40と協力して発光モジュール10を冷やした後、ハウジング20の下端付近に設けられた空気排出口3を介して外部に排気される。SMPS80から出た熱がハウジング内部の上端側に上昇して滞留する場合、照明装置の作動に深刻な作動不調や故障を引き起こすおそれがある。
前記冷却ファン60は、正逆回転が可能になるように構成することができ、冷却ファン60の逆方向回転時には、上述した空気排出口3が空気吸入口として機能し、外部空気の吸入を許容する一方、上述した空気吸入口2は空気排出口として機能し、ハウジング内に熱を吸収した空気を外部に排気する。
空冷構造の適用により、上述した放熱ブロック46の放熱板の厚さtと放熱板の間隔gとの比が照明装置の放熱性能を決定する重要な因子の一つとして考慮される。
前記各放熱板462が一定厚さを有するとき、一定個数及び一定間隔までは各放熱板462の個数を増加し、各放熱板462の間隔を増加するとしても放熱性能は略線形的に良好になる。しかし、各放熱板462の間隔が一定値未満に減少すると、隣接する各放熱板462間に熱的な干渉が起き、各放熱板462間で熱が滞留するラグ(lag)現象が発生し、却って照明装置の放熱性能を低下させる。また、本実施例のように冷却ファン60が用いられる場合、各放熱板462間の間隔が過度に狭いと、冷却ファン60による送風が放熱板462間に円滑に供給されず、放熱性能の向上が問題になり得る。放熱板の厚さに対する放熱板の間隔の比を1:1.5〜1:5にすると、放熱性能が特に良い。
冷却ファン60を含む空冷構造は、放熱ユニット40と協力して発光モジュール10の放熱に関与し、SMPS20の冷却にも関与する。
一方、放熱ブロック46及びそれに含まれた各放熱板462の下端は、その下側に位置した独立型ヒートパイプ42及び協力型ヒートパイプ44a、44bの各下部水平ライン部から離隔している。したがって、放熱ブロック46の各放熱板462間の各ギャップが各放熱板462の下端で開放され、よって、冷却ファン60から送風される空気は、放熱板462間の各ギャップを通して放熱ブロック46の下端を通過することができ、さらに、放熱ベース12上に伝達することができる。
左右一対の放熱ブロック46、46の直上には一対の冷却ファン60が位置する。前記冷却ファン60は、前記放熱ブロック46とSMPS80との間に位置する。前記SMPS80には、前記冷却ファン60と隣接する下部領域に熱が多く発生する各部品が設置される。
図9は、上述した空冷構造の変形例を示している。
図9を参照すると、前記SMPS80は、懸架式支持具29によってハウジング20内の上端の天井面と離隔している。また、ハウジング20の各上部側面に形成された空気吸入口2に加えて、ハウジング20の天井面にも各空気吸入口2'がさらに形成されている。冷却ファン60の作動時、外部の空気がハウジング20側面の空気吸入口2のみならず、ハウジング20の天井面の各空気吸入口2'を介してハウジング20内に吸入する。したがって、本実施例によると、相対的に熱滞留現象が激しかったSMPS80の上部が天井面の各空気吸入口2'を介して入ってきた外部空気によって冷却されるので、SMPS80をより効果的に冷却させることができる。
4.チルト可変式支持ユニット30
図1に示したように、チルト可変式支持ユニット30は、天井などに固定されるブラケットを含む。前記ブラケットは、水平のショルダー部322と、ショルダー部322の両側から下側に垂直に延在した一対のアーム部324、324とを一体で含む。前記一対のアーム部324、324は、下部でハウジング20の下端又は放熱ベース12の下端両側から突出した各軸342にヒンジ連結される。
前記ショルダー部322の中央には、天井などに、例えば締結方式によって固定される締結部326が設けられる。前記各軸342を前記放熱ベース12の両側に一体に設けることがより望ましい。例えば、ダイキャスティング工程によって放熱ベース12を製作するとき、前記各軸342を放熱ベース12に一体に設けると、ハウジング20に軸設置のための別途の細部的な設計及び考慮がなくてもよく、ハウジング20及びこれを含む照明装置の回転挙動によって軸342付近のハウジングで引き起こされる損傷も防止することができる。
締結部326によってブラケットが天井などに固定されるとき、ハウジング20は、外力によって軸242、242を中心にして回転することができる。ハウジング20が任意の回転角度で停止されるように、例えば、摩擦又はラッチ器具を適用すると、ハウジング20はその回転角度で停止することができる。
5.防汚ユニットの適用
図10は、防汚ユニットがさらに適用された光半導体照明装置の一例を全般的に示した断面概念図で、図11の(a)及び(b)は、図10のB―B'線からA視点で見た図で、空気排出作動が異なる二つのモードをそれぞれ示す。
図10を参照すると、照明装置は、上述した例の照明装置と同様に、ハウジング20の下端開放領域に複数の光半導体素子16を有する発光モジュール10を含む。ハウジング20の下端側開放領域を覆うように放熱ベース12が装着され、前記放熱ベース12の底面にはPCB14が結合されている。また、PCB14には各光半導体素子16が実装され、放熱ベース12には光学カバー18が装着される。
前記光学カバー18は、PCB14の直ぐ下側に位置した状態で各光素子16を覆い、これらを保護する。ハウジング20の上部内側空間にはSMPS80が配置される。その空間にSMPS80と共に他の部品を配置可能であることに留意する。
上述した実施例と同様に、ハウジング20の下端側の光学カバー18周辺に複数の空気排出口3が形成される。前記各空気排出口3は、前記光学カバー18の縁部に沿って配列される。また、前記各空気排出口3の周辺に前記各空気排出口3を介して排出される空気の流れを光学カバー18の表面に向けて誘導する防汚構造物70が設けられる。また、前記ハウジング20内には、ハウジング20の上部側面の空気吸入口2から外部空気を強制的に吸入し、上述した各空気排出口3を介して排出するために一つ以上の冷却ファン60が設けられる。
空気は、冷却ファン60によって点線で表示した矢印方向に強制吸入されて排出されながら、ハウジング20の内部発熱を解消すると同時に、防汚構造物70と共に異物の流入又は吸着を遮断することもできる。防汚構造物70は、空気排出口3を介して排出される空気をハウジング20下端の開放領域及びその場所に設置された光学カバー18を覆う方向に誘導し、エアカーテン方式で異物又は汚染物を遮断する。また、前記空気が各光学カバー18に付いた異物又は汚染物を吹いて除去する役割もすることができる。
冷却ファン60は、外部の冷たい空気を強制的に吸入し、光半導体素子16及びSMPS80などの発熱体を冷却させる作用をする。ハウジング20の上部に内蔵されたSMPS80に対応するハウジング20の側面に沿って各空気吸入口2が長いスリット形状で形成されており、これら各空気吸入口2を介して吸入した空気は最も先にSMPS80の冷却作用に関与する。
図面に示していないが、埃などの異物を遮断し、きれいな空気のみを吸入できるように、各空気吸入口3を覆う異物遮断フィルターをさらに提供することができる。この異物遮断フィルターとして、例えば、HEPAフィルター又はSEPAフィルターなどの特殊フィルターを適用し、単純な埃のみならず細菌などの多様な有害物質を遮断することも考慮することができる。
上述した実施例でも説明したように、冷却ファン60の直ぐ下には、放熱ブロック46及びヒートパイプ44を含む放熱ユニット40が提供される。本実施例の図面には詳細に示していないが、前記放熱ユニット40は、上述した実施例で説明したものと同一又は類似する各ヒートパイプの種類、構造及び配置を含むことができる。
一方、防汚構造物70は、光学カバー18の周辺に位置する空気排出口3を介して排出される空気を光学カバー18の中心側に向けて誘導することによって異物の流入又は吸着を防止するように構成される。本実施例において、前記防汚構造物70は、光学カバー18の中心側方向に傾斜した形状を有し、排出される空気を光学カバー18の中心側方向に誘導するベントガイド構造を有する。
本実施例においては、複数の空気排出口3がPCB14周辺の放熱ベース12の環状縁部領域12aに沿って円状に配列されている。前記放熱ベース12の環状縁部領域12aの後方には、図11に点線で表示したようなリング状の空気排出口調節部材80を設置することができる。この空気排出口調節部材80は、前記各空気排出口3に対応する個数及び大きさの各スロット82を含んだ状態で、前記環状縁部領域12aの後側で正逆回転可能に構成される。したがって、スロット82と空気排出口3とが重なる面積を任意に調節することができ、この調節により、排出される空気の速度と量を調節することができる。
図12は、防汚ユニットが適用された光半導体照明装置の他の例を説明するための断面概念図で、図13は、図12のB―B'線からA視点で見た図で、図14及び図15は、防汚ユニット構造の他の具現例を説明するための概念図である。
図12を参照すると、光半導体照明装置は、上述した例と同様に、光半導体素子16を有するハウジング20の開口部21側にエアを排出することによって、光半導体素子16の周辺、特に、光学部材18を汚染する異物を除去する防汚構造物(すなわち、防汚ユニット)を含む。前記ハウジング20の一側、より具体的には、開口部21側に複数の光半導体素子16が位置する。光学部材18は、前記各光半導体素子16と対面するように、ハウジングの開口部21に装着される。また、ハウジング20の内部空間には、SMPS80などを含む各種部品が収容される。
防汚ユニットは、光学部材18側に異物が流入又は吸着されることを遮断するために、及び/又は既に吸着された異物を光学部材18から分離・除去するために、光学部材18の縁部に沿ってハウジング20の開口部21に提供され、ハウジングの内部から外部に強制的に送風されるエアの方向(点線で表示された矢印)をハウジング20の外部で光学部材18の表面側に向かうように変える役割をする。
また、光半導体照明装置は、光半導体素子16又はSMPS80などのハウジング内の主要要素をエアで冷却するための空冷ユニットと、各光半導体素子16及びこれを支持する各要素(PCB又は放熱ベース)と熱的に接触し、放熱機能を実現する放熱ユニット40とを含む。空冷ユニットと放熱ユニットは、互いに協調的に放熱機能を実現することができる。
空冷ユニットは、上述した実施例でも説明したような冷却ファン60を含む。放熱ユニットは、上述した実施例で説明したようなヒートパイプと放熱ブロックなどを含むことができる。
冷却ファン60は、ハウジング18の外部でエアを吸入し、前記光学部材18の縁部に形成された空気排出口にエアを強制的に送風しながら、上述したような防汚ユニットと協働することができ、これによって、光学部材18の表面に異物が蓄積されることを防止することができる。前記冷却ユニットは、一定のパターンの流路に沿って循環する冷却流体が光半導体素子の冷却をさらに促進させるように構成される。
ハウジング20内部からハウジング20外部へのエアの流動方向に沿って、冷却ファン60を含む空冷ユニット、放熱ユニット40、光学部材18が順次配置されることが望ましい。
図12で図面の上側を天井部と仮定し、光半導体照明装置を天井部に設置したとき、空冷ユニット又は冷却ファン60によるエアは、点線で表示された矢印方向のように強制的に吸入されて排出されながらハウジング20の内部発熱を解消すると同時に、防汚ユニットによって異物の流入又は吸着を遮断することもできる。
以下では、空冷ユニット、放熱ユニット40及び防汚ユニットのそれぞれの構成及び作用についてより詳細に説明する。
まず、空冷ユニットは、冷却ファン60がハウジング20の外部から強制的にエアを吸入して排出することによって、光半導体素子16及びSMPS80などの発熱体を冷却させる。このとき、冷却ファン60は、ハウジング20の一側に内蔵されたSMPS80に対応する外面に沿って貫通された空気吸入口2を介して外部のエアを吸入し、光学部材18側にエアを排出する。空気吸入口2は、図示したように、多数のスリット型穴からなり得る。ここで、空気吸入口2が形成されたハウジング20の内側面には、特別に図示していないが、着脱可能な粉塵フィルターがさらに備えられることが望ましい。粉塵フィルターとしては、HEPAフィルター又はSEPAフィルターなどを適用し、単純に粉塵のみならず、多様な有害物質のろ過も可能になる。
一方、放熱ユニット40は、上述したように、冷却流体を用いて各光半導体素子16、これらが実装されたPCB14、及び前記PCB14が装着された放熱ベース12に熱伝導的に接触して冷却作用を具現するためのもので、空冷ユニットの冷却ファン60と隣接した第1の冷却アセンブリー(FC)と、光半導体素子16と隣接した第2の冷却アセンブリー(SC)とを含む。
第1の冷却アセンブリー(FC)は、冷却ファン60に隣接するように配置され、吸入するエアによって直ぐ冷却される第1のヒートパイプ44及び放熱ブロック46を含む。前記第1のヒートパイプ44は、熱によって流動又は循環する冷却流体を内部に収容し、折り曲げられた構造を有する。前記放熱ブロック46は、一定間隔で離隔した多数の金属放熱板を含む。前記第1のヒートパイプ44は、一側で放熱ブロック46の各金属放熱板を連続的に貫通するように設置される。また、前記第1のヒートパイプ44は、他側で各光半導体素子16と熱伝導的に連結されている放熱ベース12と接触することができる。
第1のヒートパイプ44の形成方向及び構造は、冷却流体が最大限に長い間多くの地点を通過しながら放熱ブロック46及びそれに属した放熱板の周辺を冷却できるように設計することができる。
前記第2の冷却アセンブリー(SC)は放熱ベース12に提供される。前記放熱ベース12は、光学部材18が向い合う前方面に各光半導体素子16及びこれらが実装されたPCB14が配置される。前記第2の冷却アセンブリー(SC)は、放熱ベース12と、その放熱ベース12に接触する第2のヒートパイプ42とを含む。前記第2のヒートパイプ42は、図示したように、放熱ベース12に埋め込まれた構造であってもよく、上述した実施例で説明した独立型ヒートパイプと同様に、放熱ベース12の背面で上部に露出している構造であってもよい。放熱ベース12は、一つの金属板又は2個以上の金属板の積層構造であってもよく、用いられる金属板は、熱伝導性に優れた銅又はアルミニウム材質であることが有利である。前記積層構造は、二つの金属板のうち少なくとも一つの金属板に第2のヒートパイプのパターンに対応するパターンの溝又はホールを置くことによって、第2のヒートパイプ42が放熱ベース12の両サイドを貫通したり、又は第2のヒートパイプ42が放熱ベース12に堅固に維持されたりするのに有利である。
ここで、上述したヒートパイプ42又は44を流動する冷却流体は、HFC134aなどのフロン代替冷媒を含む冷却性能を発揮することができ、安定的で環境に影響をほとんど与えない物質であればいずれも使用可能である。
一方、防汚ユニットは、上述したように、光学部材18の縁部に排出されるエアを光学部材18の表面中心側に誘導することによって異物の流入又は吸着を防止するためのもので、第1のリング71及びベントガイド70を含むことができる。
図12及び図13に示したように、前記第1のリング71は、ハウジング20の開口部の縁部に沿って結合され、光学部材18の縁部に対して平行に複数の第1のスリット712が貫通されている。ベントガイド70は、図12及び図14に示したように、前記第1のリング71の外側縁部に沿って形成され、その先端が前記光学部材18に近づく方向に傾斜して延在し、光学部材18と鋭角の傾斜をなす。
したがって、ベントガイド70の前記のような構造からエアが排出される方向を光学部材18に対して傾斜するように変化させることによって、空気吸入口2を介してハウジング20内に強制的に吸入され、複数の第1のスリット712を介して排出されるエア自体が、異物の流入又は吸着を遮断するエアカーテンの役割を行えるようになる。
一方、防汚ユニットは、図13〜図15に示したように、第1のリング71で仕上げられ、光学部材18の縁部に沿って正逆回転が可能な第2のリング73をさらに含む構造の実施例を適用することができる。
第2のリング73は、光学部材18の外側縁部に沿って装着され、第1のリング71で仕上げられる。また、前記第2のリング73には、第1のスリット712に対応する形状の第2のスリット732が貫通される。また、第2のリング73は、第1のリング71に対して光学部材18の外側縁部で正逆回転するようになっている。
ここで、ベントガイド70の端部から延在する仮想の直線lが光学部材18とぶつかる点pから開口部の縁部までの距離dは、第1のリング71の内側縁部から開口部の縁部までの距離d'より長いか同一であることが望ましい。
このとき、距離dに対する距離d'は、異物の流入又は吸着遮断効果を具現するための限界と言える。
また、第2のリング73は、光学部材18の縁部に沿って正逆回転が可能になるように、図3のように突起734をさらに設けることもできる。
すなわち、突起734は、第2のスリット732と隣接した第2のスリット732間から突出し、突起734の端部は、ハウジング20の外側に露出し、突起732の露出した端部は、特別に図示していないが、ハウジング20の外側でギアーやリンクなどの部品と連結されて往復しながら、図13の(a)と(b)のようにエアの排出量を調節することができる。
また、ベントガイド70は、図15に示すように、光学部材18に対する傾斜角度を調節することができる。ここで、図中、未説明符号711は、第1のリングの結合部を示す。
すなわち、ベントガイド70は、ヒンジ701によって回動可能に維持された複数のガイド片702を含み、それら各ガイド片702を第1のワイヤ724で連結し、第1のワイヤ724からハウジング20まで連結された弾性部材726が排出されるエアの風量及び風圧によってガイド片702が回動し、自然に傾斜角度が調節されるように弾性変形を許容するようになる。
また、ベントガイド70は、図示した実施例の他にも、複数のガイド片702がそれぞれ第1のワイヤ724で連結され、第1のワイヤ724に別途のワイヤを連結し、ハウジング20の外側に連通させた後、別途のワイヤを駆動モーターで正逆回転するスプールに巻き取り、遠隔制御するなどの変形及び応用も可能である。
以上のように、本発明は、異物の流入及び吸着を遮断し、光量の低下を予め防止することができ、内部の発熱を解消できるようにする光半導体照明装置を提供することを基本的な技術的思想としていることが分かる。
そして、本発明の基本的な技術的思想の範疇内で当該業界で通常の知識を有する者にとって、他の多様な変形及び応用が可能であることは当然である。
[変形例]
以下では、本発明の変形例に係る光半導体照明装置について説明する。
まず、図16を参照すると、本実施例に係る光半導体照明装置は、発光モジュール10及びハウジング20を含む。また、前記光半導体照明装置は、ハウジング20の内部に放熱ユニット40、冷却ファン60、及びパワーサプライ80を含む。
前記ハウジング20は、水平なハウジング上部22及び垂直なハウジング下部24を含む。前記発光モジュール10は、下側に光を放射するように前記ハウジング下部24の下端開放領域に設置される。
また、前記放熱ユニット40は、ハウジング下部24で前記発光モジュール10の上側に配置される。そして、前記冷却ファン60と前記パワーサプライ80は前記ハウジング上部22に位置している。以下で詳細に説明するように、ハウジング下部24とハウジング上部22とが互いに交差し、ハウジング20内の中間に一点鎖線で表示したような交差領域Iを形成するが、前記交差領域Iには、前記放熱ユニット40の一部である放熱ブロック46が位置し、その放熱ユニット46が側方には冷却ファン60に向かい、下側には放熱ユニット40の各ヒートパイプ44及び放熱ベース12に向かう。
前記パワーサプライ80は、外部から供給される交流(AC)電流を直流(DC)電流に変換し、これを発光モジュール10内の各光半導体素子に提供するSMPS(Switching Mode Power Supply)で構成される。前記SMPSのようなパワーサプライ80は、駆動中に多くの熱が発生するが、本実施例によると、放熱ユニット40の他にも、パワーサプライ80による温度上昇を防止するために、冷却ファン60などを含む構成がハウジング20内に設けられる。
上述したように、発光モジュール10が設置されるハウジング下部24の下端領域は、発光モジュール10の全般的な形状に対応するように略円状を有する。発光モジュール10が円状以外の他の幾何学的形状であると、ハウジング下部24の下端領域も、それに対応する形状を有するようになる。
前記ハウジング上部22の後端には、外部空気が吸入される多数の空気吸入口2が形成される。各空気吸入口2のそれぞれは、スリット形状を有することができ、他の空気吸入口2と共にグリル形状で配列することができる。
また、ハウジング下部24の下端又は発光モジュール10の縁部に沿って空気を排出する多数の空気排出口3が形成される、前記各空気排出口3は、各光半導体素子16が実装されたPCB14が装着支持される発光モジュール10自体の放熱ベース12に形成したり、又は発光モジュール10周辺のハウジング20の下端に形成したりすることができる。
本実施例においては、前記各空気排出口3が放熱ベース12の環状縁部領域に略スリット形状を有して形成された状態で一定の間隔で配列されている。放熱ベース12の環状縁部領域に各空気排出口3を形成することによって、放熱ベース12にPCBと各光半導体素子を設置し、発光モジュール10を組み立てた後、その発光モジュール10をハウジング20の下端開放領域に組み立てる作業のみで上述した各空気排出口3を意図した場所に位置させることが可能であるという長所がある。
そして、各空気排出口3を、発光モジュール10の一部を構成する放熱ベース12に提供することによって得られる多様な他の効果は、詳細な説明及び図面から当業者であれば認識可能であろう。
1.発光モジュール10
図17を参照すると、前記発光モジュール10は、略円状のPCB14と、前記PCB14上に実装された複数の光半導体素子16とを含む。前記光半導体素子16はLEDであることが望ましい。前記PCB14の外郭に沿って各光半導体素子16が一点鎖線で表示した仮想の円(C)に沿って配列されており、その内側にも複数の光半導体素子16が円(C)内のほとんどの領域にわたって位置している。本実施例では、前記PCB14の中心領域にも光半導体素子16が位置するが、各光半導体素子16の駆動のための部品及び配線を提供するために、PCB14の中心領域には各光半導体素子が実装されないこともある。
前記PCB14は、熱伝導性の良い金属板をベースとするMCPCB(Metal Core PCB)又はMPCB(Metal PCB)であり得る。
例えば、円状PCB14が放熱ベース12上に付着又は締結される方式で、円状のPCB14が円板型の放熱ベース12上に提供される。前記円状PCB14を取り囲む前記放熱ベース12の縁部領域に上述した各空気排出口3が一定間隔で形成されている。前記放熱ベース12は、熱伝導性の良い銅又はアルミニウムなどの金属材料からなり得る。
本実施例においては、PCB14が放熱ベース12上に結合されて構成されたが、絶縁材料と共にPCBの回路パターンを放熱ベース12に直接形成することも考慮することができる。したがって、放熱ベースとPCBとが互いに独立した別個の要素であると説明しているにもかかわらず、PCBが放熱ベースに属している構成要素にもなり得ることに留意しなければならない。
2.放熱ユニット
図16に示したように、前記放熱ユニット40は、ハウジング20内で発光モジュール10の直ぐ上に配置される。前記放熱ユニット40は、各ヒートパイプ44及び放熱ブロック46を含む。各ヒートパイプ44は、前記放熱ブロック46と前記発光モジュール10との間に配置され、前記放熱ブロック46と協力して前記発光モジュール10に対する放熱機能を行う。
前記放熱ブロック46は、水平に配列された多数の放熱板462を含み、これら多数の放熱板462が前記放熱ブロック46を構成する。前記多数の放熱板462のそれぞれは、発光モジュール10の形状に対応するように円形状とすることができ、この場合、前記各放熱板462で構成された放熱ブロック46は、略円柱形状となる。また、前記各放熱板462は例えば四角形などの多角形とすることができるが、この場合、放熱ブロック46は、例えば六面体のような多面体形状(多角柱形状)となる。前記放熱ブロック46は、前記冷却ファンに向けて開かれている多数のギャップを含み、これらギャップは、それぞれ上下に隣接する各放熱板462間に存在する。
前記各ヒートパイプ44は、放熱ベース12の背面に水平に接するように配置された水平ライン部44aと、それから垂直に延在して前記放熱ブロック46を貫通する垂直ライン部44bとを一体で含む。前記各ヒートパイプ44のそれぞれの管内の中空は、水平ライン部44aから前記垂直ライン部44bまでつながっている。
前記各ヒートパイプ44は、内部に冷却流体を収容し、冷却流体の作用によって放熱ベース12から熱を奪うように作用する。より望ましくは、前記各ヒートパイプ44は、減圧状態で内部に水又はアルコールなどの液体を収容し、一側の温度上昇によって蒸発された液体が他側に流れ、その他側で放熱した後、液体になる方式で放熱ベース12の熱を奪って放出することができる。
このとき、前記水平ライン部44aは、前記放熱ベース12に形成された溝に部分的に挿入又は埋め込むことができ、これによって、放熱ベース12に対する接触面積が増加する。
図18は、放熱ベース12上で各ヒートパイプが配列されたパターン及び構造を示している。図18を参照すると、前記放熱ベース12の背面には、前記各ヒートパイプ44の各水平ライン部44aが放射状に配列されている。前記各水平ライン部44aは、略直線形状を有し、前記放熱ベース12の中央領域から前記放熱ベース12の縁部に向けて延在している。全ての水平ライン部44aの長さは同一で、各水平ライン部44aは、回転方向に沿って一定角度でアレイされている。各水平ライン部44aは、両端部のうち一つの端部に垂直ライン部44bを含む。
本実施例では、放熱ベース12の中央領域と隣接した一端部に垂直ライン部44bを含むヒートパイプ44と、放熱ベース12の縁部に隣接した他端部に垂直ライン部44bを含むヒートパイプ44とが前記放熱ベース12の背面に共に存在する。より望ましくは、放熱ベース12の中央領域に隣接した水平ライン部44aの一端部に垂直ライン部44bを有するヒートパイプ44と、縁部に隣接した水平ライン部44aの他端部に垂直ライン部44bを有するヒートパイプ44とが交互に配置される。
前記の交互配置により、各垂直ライン部44bは、放熱ブロック46の中央領域に近い位置と、前記放熱ブロック46(図16参照)の縁部領域に近い位置とで交互に放熱ブロック46を貫通することができる。これは、各ヒートパイプ44からの熱が放熱ブロック46の縁部又は中央領域に集中することを防止し、放熱効率を高めるのに寄与することができる。
本明細書では、前記のように放熱効率を高めることができるヒートパイプ配置構造の他の具現例として、図19に示した構造を提供する。図19を参照すると、放射状に配置された各ヒートパイプの水平ライン部44aの長さが交互的に異なる。このような配置によっても、各ヒートパイプ44からの熱が放熱ブロック46(図16参照)の縁部又は中央領域に集中することを防止し、放熱効率を高めるのに寄与することができる。
図20は、更に他の具現例のヒートパイプ配置構造を含む放熱ユニットを説明するための図である。図20を参照すると、隣接する放射性に配置された各ヒートパイプ44の各水平ライン部44a間に各補助ヒートパイプ42が配置される。これら補助ヒートパイプ42は、前記各ヒートパイプの各水平ライン部44aが存在しない領域である隣接する各水平ライン部44a間の領域に位置し、前記各ヒートパイプと協力して放熱効率をより高めるのに寄与する。前記各補助ヒートパイプ42は、放熱ベース12と接触する各水平ライン部のみで構成することができる。
本発明によると、放熱ベース12の背面に接する複数のヒートパイプ44及び/又は42を含む。前記複数のヒートパイプは、多数の放熱板462からなる放熱ブロック46と協力して放熱機能を行う主ヒートパイプ44と、放熱ブロック46と協力せずに単独で放熱機能を行う補助ヒートパイプ42とを含む。主ヒートパイプ44は、前記放熱ベース12に屈曲又は湾曲のない直線形状で接触することが望ましく、前記補助ヒートパイプ42は、屈曲又は湾曲を含むパターンで前記放熱ベース12に接することが望ましい。また、前記補助ヒートパイプ42は、直線形状を有する主ヒートパイプ44でカバーしにくい領域を円、弧、湾曲又は屈曲のパターンを有してカバーすることが望ましい。
図21の(a)、(b)及び(c)は、ヒートパイプ配置構造の他の具現例を説明するための図である。
図21の(a)、(b)及び(c)を参照すると、放熱ベース12の背面には、直線形状を有する複数の主ヒートパイプ44が放熱ベース12の中央領域又はその付近に所定の密度以上で位置し、補助ヒートパイプ42は、前記複数の主ヒートパイプ44のない放熱ベース12の背面縁部領域に位置する。このとき、前記補助ヒートパイプ42は、上述したような放熱ブロック46(図1参照)との協力が要求されないので、前記放熱ベース12の背面に2次元的に形成することができ、より広い領域を覆うように、円、弧、湾曲又は屈曲のパターンを有する。
図21の(a)を参照すると、一つの補助ヒートパイプ42が前記放熱ベース12の縁部に沿って略C字状に形成されて配置され、前記補助ヒートパイプ42の内側中央領域には、直線形状で前記放熱ベース12と接する複数の主ヒートパイプ44が配置される。前記各主ヒートパイプ44は、前記放熱ベース12の背面に接する直線型の水平ライン部44aを含み、さらに、放熱ブロック46を貫通するように延在した追加のライン部44bをさらに含む。
図21の(b)を参照すると、四角形を有する放熱ベース12の縁部に沿って2個のコの字状の補助ヒートパイプ42が配置され、それら2個の補助ヒートパイプ42によって限定された内側領域に直線形状で前記放熱ベース12に接する複数の主ヒートパイプ44が配置される。前記各主ヒートパイプ44は、前記放熱ベース12の背面に接する直線型の水平ライン部44aを含み、さらに、放熱ブロック46を貫通するように延在した追加のライン部44bをさらに含む。
図21の(c)を参照すると、円状を有する放熱ベース12の縁部に沿って複数の円弧型補助ヒートパイプ42が略円状に配置され、それら複数の補助ヒートパイプ42によって限定された内側領域に直線形状で前記放熱ベース12と接する複数の主ヒートパイプ44が配置される。前記各主ヒートパイプ44は、前記放熱ベース12の背面に接する直線型の水平ライン部44aを含み、さらに、放熱ブロック46を貫通するように延在した追加のライン部44bを含む。
図面に示していないが、ヒートパイプは、放熱ベースに接するライン部と放熱ブロックを貫通してそれに接するライン部との間の放熱ベースに接しなく、放熱ブロックと接しない状態で前記各ライン部間を連結する追加の各ライン部をさらに含むことができる。
3.空冷ユニットの適用
前記ハウジング上部22には、冷却ファン60及びパワーサプライ80が配置される。水平のハウジング上部22と垂直のハウジング下部24とは互いに交差領域Iを内部に含み、この交差領域I(以下では、「交差領域」という。)には、前記放熱ユニット40の一部を構成する放熱ブロック46が位置する。
前記放熱ブロック46の横方向にハウジング上部22の後端に向けて冷却ファン60とパワーサプライ80が順次配置される。これによって、前記放熱ブロック46と前記パワーサプライ80との間に冷却ファン60が位置する。そして、前記ハウジング上部22の後端に形成された空気吸入口2は、前記パワーサプライ80と隣接して位置する。
前記冷却ファン60は、空気吸入口2を介して外部の空気を吸入し、前記パワーサプライ80を自分の上流側で冷却させ、下流側では、前記放熱ブロック46、ヒートパイプ44及びそれに接している放熱ベース12を順次冷却させる。次に、冷却作用を終了した空気は、各空気排出口3を介して外部に放出される。前記冷却ファン60は正逆回転することができる。この場合、上述した各空気排出口3の空気吸入口としての役割をし、外部の空気を吸入し、その外部の空気は、放熱ベース12及びそれと接しているヒートパイプ44を冷却させ、次の放熱ブロック46を冷却させた後、最後に前記パワーサプライ80を冷却させ、空気排出口としての役割をする空気吸入口2を介して放出される。
前記放熱ブロック46は、前記冷却ファンに向けて開かれている多数のギャップを含み、これらギャップは、上下に隣接する各放熱板462間に存在する。前記放熱ブロック46は、自分の横方向に位置した冷却ファン60に対して前記各ギャップが開かれているので、それらギャップを介して前記冷却ファン60の送風空気が円滑に流れ、前記各放熱板462の全体面積を冷却させる。さらに、前記各放熱板462は、多数の空気流動ホール4622を含むことができる。前記多数の空気流動ホール4622は、放熱ブロック46から放熱ベース12に向かう空気の流れを良好にすることができる。各放熱板462間の各空気流動ホール4622を互い違いにすることができ、この場合、流動する空気によって各放熱板462をより効果的に冷却させることができる。