JP2014208737A - 樹脂組成物、樹脂成形体および表面処理赤燐 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂成形体および表面処理赤燐 Download PDF

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Abstract

【課題】成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、表面処理赤燐とを含む樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂成形体および表面処理赤燐に関する。
電気製品や電子・電気機器の部品には、ポリスチレン、ポリスチレン−ABS樹脂共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール等の高分子材料が、耐熱性、機械強度等、特に、電子・電気機器の部品の場合には、環境変動に対する機械強度の維持性等に優れることから用いられている。
また、近年、環境問題等の観点から、生分解性ポリマの一種であるポリ乳酸樹脂を含む樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いて得られる成形体が知られている。
例えば、特許文献1には、樹脂成分が、ポリ乳酸樹脂、ゴム含有スチレン系樹脂および芳香族ポリカーボネート樹脂で構成されるポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物であって、樹脂成分100重量部中に、ポリ乳酸樹脂を5〜95重量部、ゴム含有スチレン系樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂を合計で95〜5重量部、芳香族ポリカーボネート樹脂の少なくとも一部として、光学ディスクから回収された回収芳香族ポリカーボネート樹脂を5重量部以上、ポリ乳酸樹脂と回収芳香族ポリカーボネート樹脂との合計で50重量部より多く含むポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
特許文献2には、(A)ポリ乳酸25〜45質量%;(B)Siを含有するコアシェルゴム3〜12質量%;(C)有機リン系難燃剤1〜15質量%;(D)含フッ素滴下防止剤0.2〜3質量%;および(E)前記各成分に含まれない熱可塑性樹脂15〜70.8質量%を含有するポリ乳酸樹脂組成物が記載されている。
特許文献3には、(A)ポリ乳酸および/または乳酸共重合体100重量部に対して、(B)ポリカーボネート樹脂1〜100重量部、(C)スチレン系樹脂1〜100重量部、および(D)特定の構造を有する有機リン化合物1〜100重量部を含有する難燃性樹脂組成物が記載されている。
特開2007−321096号公報 特開2011−168756号公報 特開2011−001511号公報
本発明の目的は、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体、成形体に含有した場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる表面処理赤燐を提供することである。
請求項1に係る発明は、ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、表面処理赤燐とを含む樹脂組成物である。
請求項2に係る発明は、さらに熱膨張性黒鉛を含む、請求項1に記載の樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、前記ポリ乳酸樹脂、前記ポリカーボネート樹脂、前記スチレン系樹脂、および前記加水分解防止剤の合計量に対して、前記表面処理赤燐を1質量%以上20質量%以下の範囲、および前記熱膨張性黒鉛を0質量%以上20質量%以下の範囲で含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、前記表面処理赤燐が、活性水素含有基を有する化合物により表面処理された赤燐である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項5に係る発明は、前記表面処理赤燐の平均粒子径が10μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項6に係る発明は、前記表面処理赤燐の赤燐分が、50質量%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項7に係る発明は、前記熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度が、80cc/g超である、請求項2に記載の樹脂組成物である。
請求項8に係る発明は、前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が、230℃以上である、請求項2または7に記載の樹脂組成物である。
請求項9に係る発明は、前記ポリカーボネート樹脂および前記スチレン系樹脂のうち少なくとも1つが、市場から回収された回収樹脂である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項10に係る発明は、前記ポリカーボネート樹脂および前記スチレン系樹脂が、ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂である、請求項9に記載の樹脂組成物である。
請求項11に係る発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体である。
請求項12に係る発明は、イソシアネート基、メルカプト基、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基、および硫酸基のうち少なくとも1つを有する化合物により表面処理された表面処理赤燐である。
請求項13に係る発明は、前記化合物がイソシアネート基、メルカプト基から選ばれる少なくとも1つの活性水素含有基を有する化合物である、請求項12に記載の表面処理赤燐である。
請求項14に係る発明は、赤燐分が90質量%以上である、請求項12または13に記載の表面処理赤燐である。
請求項15に係る発明は、平均粒子径が10μm以下である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の表面処理赤燐である。
請求項16に係る発明は、ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂と請求項12〜15のいずれか1項に記載の表面処理赤燐とを含み、前記ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂100質量部に対して前記表面処理赤燐を10質量部以上40質量部以下含む樹脂組成物である。
請求項1に係る発明によると、ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、表面処理赤燐とを含まない場合に比べて、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる。
請求項2に係る発明によると、熱膨張性黒鉛を含まない場合に比べて、成形体にした場合に難燃性に優れる。
請求項3に係る発明によると、前記表面処理赤燐および前記熱膨張性黒鉛の含有量が本範囲外の場合に比べて、成形体にした場合に難燃性に優れる。
請求項4に係る発明によると、前記表面処理赤燐が活性水素含有基を有する化合物により表面処理された赤燐ではない場合に比べて、成形体にした場合に機械的特性に優れる。
請求項5に係る発明によると、表面処理赤燐の平均粒子径が10μmを超える場合に比べて、成形体にした場合に機械的特性に優れる。
請求項6に係る発明によると、前記表面処理赤燐の赤燐分が50%未満の場合に比べて、難燃性に優れる。
請求項7に係る発明によると、前記熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度が80cc/g以下の場合に比べて、難燃性に優れる。
請求項8に係る発明によると、前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が230℃未満の場合に比べて、難燃性に優れる。
請求項9に係る発明によると、環境性に優れる。
請求項10に係る発明によると、回収したポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂が有効に使用される。
請求項11に係る発明によると、ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、表面処理赤燐と、加水分解防止剤とを含まない場合に比べて、難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる。
請求項12〜15に係る発明によると、本構成を有さない表面処理赤燐に比べ、樹脂組成物に含有させて成形した場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる樹脂成形体が得られる。
請求項16に係る発明によると、本構成を有さない樹脂組成物に比べ、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、表面処理赤燐とを含む。本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂および加水分解防止剤に加えて、難燃剤として表面処理赤燐を含むことにより、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる。赤燐は難燃剤として知られているが、赤燐を含む樹脂組成物は、成形体にした場合に加水分解防止剤を使用しても耐加水分解性に劣る場合があった。これは、加水分解によりリン酸が発生し、ポリ乳酸樹脂等の分解を促進するためと考えられる。本発明者らは、樹脂組成物の難燃剤として表面処理した赤燐を用いることにより、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れることを見出した。これは、赤燐を表面処理することによって、加水分解によるリン酸の発生が抑制されるためと考えられる。また、本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、成形体にした場合に機械的特性が優れている。
<ポリ乳酸樹脂>
ポリ乳酸樹脂は、植物由来であり、環境負荷の低減、具体的にはCO2の排出量削減、石油使用量の削減等の効果がある。ポリ乳酸樹脂としては、乳酸の縮合体であれば、特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸(以下「PLLA」ともいう)であっても、ポリ−D−乳酸(以下「PDLA」ともいう)であっても、それらが共重合やブレンドにより交じり合ったものでもよく、さらに、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを混合したものであり、これらのらせん構造が噛み合った耐熱性の高い、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(以下「SC−PLA」ともいう)であってもよい。
共重合体あるいは混合体におけるポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の成分比(モル比の割合%)は特に制限はないが、ポリ−L−乳酸の方がポリ−D−乳酸がよりもポリカーボネート・エポキシ化合物との反応性が高い等の点から、L−乳酸/D−乳酸として、50/50以上99.99/0.01以下の範囲であることが好ましい。L−乳酸/D−乳酸が、50/50未満であると、成形体にした場合に機械的特性が低下する場合があり、99.99/0.01を超えると、コストが増加する場合がある。
ポリ乳酸樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ユニチカ(株)製の「テラマックTE4000」、「テラマックTE2000」、「テラマックTE7000」、ネイチャーワークス社製の「Ingeo3251D」、「Ingeo3001D」、「Ingeo4032D」等が挙げられる。また、ポリ乳酸樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリ乳酸樹脂としては、植物由来のエチレングリコール、ジブタノール等の乳酸以外の他の共重合成分を含んでもよい。このような共重合成分は、全単量体成分中、通常1モル%以上50モル%以下の含有量とすればよい。また、ポリ乳酸樹脂としては、変性したものを用いてもよく、例えば、無水マレイン酸変性ポリ乳酸、エポキシ変性ポリ乳酸、アミン変性ポリ乳酸などを用いてもよい。
ポリ乳酸樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、50,000以上300,000以下の範囲であることが好ましく、70,000以上250,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリ乳酸樹脂の重量平均分子量が50,000未満の場合、成形体にした場合に機械的特性が低下する場合があり、ポリ乳酸の重量平均分子量が300,000を超える場合には加工性が不良となる場合がある。
ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、100℃以上250℃以下の範囲であることが好ましく、120℃以上200℃以下の範囲であることがより好ましい。ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度が100℃未満の場合、成形体にした場合に機械的特性が低下する場合があり、ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度が250℃を超える場合には加工性が不良となる場合がある。
ポリ乳酸樹脂には、製造上、ブチロラクトン、1,6−ジオキサシクロデカン−2,7−ジオン等の環状ラクトン等のラクトン化合物等が不純物として含まれる場合がある。そのようなラクトン化合物等の不純物の含有量が少ないことが好ましく、具体的には、ポリ乳酸の量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。ラクトン化合物等の不純物の含有量が10質量%以上であると、ポリカーボネート・エポキシ化合物等と反応して、ポリアミドとの反応性が低下し、その結果、成形体にした場合に機械的特性が低下する場合がある。
<ポリカーボネート樹脂>
ポリカーボネート樹脂は、1つまたは複数のモノマの重縮合で得られ、少なくとも一つのカーボネート基を有するポリマであればよく、特に限定されない。例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート、ビスフェノールS型ポリカーボネート、ビフェニル型ポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、帝人化成社製の「L−1250Y」、「AD5503」、出光興産社製の「A2200」、三菱エンジニアリングプラスチック社製の「ユーピロンS2000」(芳香族ポリカーボネート樹脂)等が挙げられる。また、ポリカーボネートは、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、5,000以上30,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上25,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が5,000未満の場合、流動性過剰により加工性が低下する場合があり、ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が30,000を超える場合には流動性不足により加工性が低下する場合がある。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、100℃以上200℃以下の範囲であることが好ましく、120℃以上180℃以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が100℃未満の場合、耐熱性が不足する場合があり、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が200℃を超える場合には加工性が不足する場合がある。
<スチレン系樹脂>
スチレン系樹脂として、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)等が挙げられる。上記の中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂との相溶性等の点から、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が好ましい。
スチレン系樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、東レ社製の「トヨラック700」(ABS樹脂)、UMGABS製「ZFJ5」(ABS樹脂)等が挙げられる。また、スチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
スチレン系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、スチレン系樹脂の重量平均分子量は、5,000以上500,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上400,000以下の範囲であることがより好ましい。スチレン系樹脂の重量平均分子量が5,000未満の場合、流動性過剰により加工性が低下する場合があり、スチレン系樹脂の重量平均分子量が500,000を超える場合には流動性不足により加工性が低下する場合がある。
スチレン系樹脂のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、80℃以上200℃以下の範囲であることが好ましく、90℃以上180℃以下の範囲であることがより好ましい。スチレン系樹脂のガラス転移温度が80℃未満の場合、耐熱性が不足する場合があり、スチレン系樹脂のガラス転移温度が200℃を超える場合には加工性が不足する場合がある。
<ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂>
ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂として、上記ポリカーボネート樹脂の少なくとも1種と、上記スチレン系樹脂の少なくとも1種と、を組み合わせたアロイ樹脂を用いてもよい。
ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、帝人化成製の「TN7300」(ポリカーボネート/ABSアロイ樹脂)等が挙げられる。また、ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂の重量平均分子量は、5,000以上300,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上150,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂の重量平均分子量が5,000未満の場合、流動性過剰により加工性が低下する場合があり、ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂の重量平均分子量が300,000を超える場合には流動性不足により加工性が低下する場合がある。
ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、80℃以上200℃以下の範囲であることが好ましく、90℃以上180℃以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂のガラス転移温度が80℃未満の場合、耐熱性が不足する場合があり、ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂のガラス転移温度が200℃を超える場合には加工性が不足する場合がある。
ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂のうち少なくとも1つが、市場から回収された回収樹脂であってもよい。難燃剤として表面処理赤燐を用いることにより、市場から回収された回収樹脂が有効に使用され、コストが低減され、環境性に優れる。特に、回収樹脂として、市場から回収されたポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂を用いることが好ましい。ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂等の市場からの回収樹脂と、ポリ乳酸樹脂とをアロイ化させたリサイクル材の、高難燃化、高耐熱化の処方として好適に使用される。
<表面処理赤燐>
赤燐は、紫燐を主成分とする他の同素体との混合体であり、本実施形態で用いられる表面処理赤燐は、赤燐を、活性水素含有基を有する化合物により表面処理したものである。活性水素含有基は、後述する加水分解防止剤と容易に結合できる、水酸基(−OH)、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、メルカプト基(−SH)、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基、および硫酸基からなる群から選択された少なくとも一つの基を含む。これらのうち、水酸基が加水分解防止剤との反応に有利である。活性水素含有基を有する化合物としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルフォン樹脂メラミン樹脂、アルキド樹脂等の樹脂等が挙げられ、水酸基を有することで加水分解防止剤と容易に反応すること、および被覆された赤燐同士の凝集防止機能が高い等点からフェノール樹脂が好ましい。活性水素含有基を有する化合物としては、シランカップリング剤、無機化合物も挙げられる。シランカップリング剤としては、上記活性水素含有基を持つもの等が挙げられる。シランカップリング剤で赤燐表面を処理すると、活性水素を含有する官能基が外側に配向するため、加水分解防止剤と容易に結合することができる。無機化合物としては、金属の水酸化物、金属の酸化物等が挙げられる。金属の水酸化物、金属の酸化物としては、Al、Zn、Ti、Co等の水酸化物、酸化物等が挙げられる。これらのうち、赤燐同士の凝集防止等の点から、Alの水酸化物が好ましい。特に、赤燐を水酸化アルミニウムで処理した後、フェノール樹脂で処理した、内層に水酸化アルミニウムを含み、外層にフェノール樹脂を含む表面処理赤燐が好ましい。内層に水酸化アルミニウムを含み、外層にフェノール樹脂を含む表面処理赤燐を樹脂組成物に含有させることにより、赤燐からのホスフィン発生が抑制されることに加え、成形体にした場合に、引っ張り強度、衝撃強度等の機械的強度に優れる。これは、この表面処理赤燐がポリカーボネート樹脂に対する親和性が高く、また、外層のフェノール樹脂のヒドロキシル基とポリ乳酸樹脂のカルボキシル基とが加水分解防止剤を介して反応することにより、赤燐と樹脂との界面密着性が向上し、衝撃による剥離等が抑制されるために、引っ張り強度、衝撃強度等の機械的強度に優れると考えられる。
表面処理赤燐の赤燐分は、特に制限はないが、50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。表面処理赤燐の赤燐分が50質量%未満であると、成形体にした場合に、難燃性に劣る場合がある。なお、表面処理赤燐の赤燐分は、例えば、赤燐に対する表面処理量を調整することにより、調整される。
表面処理赤燐の平均粒子径は、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることがさらにより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。表面処理赤燐の平均粒子径が40μmを超えると、成形体にした場合の機械的特性が劣る場合がある。
表面処理赤燐は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、燐化学工業社製の「ノーバエクセル140」(赤燐分92%、フェノール樹脂(外層)とAl(OH)3(内層)の表面処理品)、「ノーバレッド280A」(赤燐分50%、フェノール樹脂(外層)とAl(OH)3(内層)の表面処理品)、「ノーバレッド280C」(赤燐分32%、フェノール樹脂(外層)とAl(OH)3(内層)の表面処理品)等が挙げられる。また、表面処理赤燐は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
<加水分解防止剤>
ポリ乳酸樹脂の加水分解性を抑えること、およびポリ乳酸樹脂と赤リンの界面密着性を向上させるために、ポリ乳酸樹脂に加水分解防止剤を配合する。本実施形態において用いられる加水分解防止剤とは、ポリ乳酸樹脂の末端に遊離しているカルボキシル基と反応する官能基を有する化合物であり、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、イソシアネート基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基等を有する化合物等が挙げられる。その中でも、安定性やカルボキシル基末端との反応性等の面で優れるカルボジイミド基、エポキシ基、オキサゾリン基を有する化合物が好ましい。
加水分解防止剤は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。カルボジイミド化合物の市販品としては、ラインケミー社製の「Stabaxol I−LF」(芳香族モノカルボジイミド化合物)、「Stabaxol P」、「Stabaxol P400」(以上、芳香族ポリカルボジイミド化合物)、日清紡社製の「LA−1」、「HMV−8CA」、「HMV−15CA」(以上、芳香族ポリカルボジイミド化合物)等が挙げられる。エポキシ化合物の市販品としては、三菱レイヨン社製の「P−1900」(重量平均分子量70,000のポリグリシジルメタクリレート)、Shinepolymer社製の「LP−2500」(グリシジルメタクリレート、メタクリレート、スチレンの共重合体)等が挙げられる。オキサゾリン化合物の市販品としては、日本触媒社製の「RPS−1005」(スチレン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンの共重合体)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
外層のフェノール樹脂のヒドロキシル基とポリ乳酸樹脂のカルボキシル基とが加水分解防止剤を介して反応する作用機構としては、ポリ乳酸と赤燐と加水分解防止剤との混練工程において、カルボジイミド基やエポキシ基のような加水分解防止剤に結合している官能基と、ポリ乳酸樹脂末端のカルボシキル基、および赤燐表面のヒドロキシル基等の活性水素含有基とが付加反応することにより結合すると考えられる。一方、加水分解防止剤の官能基については、本付加反応にて全て消費されることはほとんどなく、大部分が未反応で残存すると考えられる。その量は加水分解防止剤の添加量や官能基種類、量等によって異なる。ポリ乳酸樹脂の加水分解反応によってエステル結合が切断されて、新たに生成した末端カルボシキル基に対し、加水分解防止剤に残存した官能基が付加反応することにより、分子量低下が抑制されることで耐加水分解性が発現されると考えられる。
したがって、ポリ乳酸と赤燐と加水分解防止剤とを一緒に溶融混練してもよいが、最初にポリ乳酸樹脂と加水分解防止剤を溶融混練させ、反応させてから赤燐を添加して溶融混練してもよいし、赤燐と加水分解防止剤を混合し反応させてからポリ乳酸樹脂を添加して溶融混練させても十分な効果が得られる。
<熱膨張性黒鉛>
本実施形態に係る樹脂組成物は、難燃助剤として、さらに熱膨張性黒鉛を含むことが好ましい。熱膨張性黒鉛は、天然黒鉛に層間化合物処理を施したものであり、熱により膨張しやすくなったものである。熱膨張性黒鉛は、加熱されると層間化合物が分解し、発泡することによって膨張するものである。樹脂組成物が熱膨張性黒鉛を含むことにより、成形体にした場合に難燃性が向上する。これは、加熱により膨張した熱膨張性黒鉛により断熱作用が働き、燃焼しにくくなるためと考えられる。
層間化合物としては、例えば、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度が、80cc/g超であることが好ましく、150cc/g以上であることがより好ましく、200cc/g以上であることがさらに好ましい。熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度が80cc/g以下であると、成形体にした場合に難燃性に劣る場合がある。
熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が、230℃以上であることが好ましく、240℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることがさらに好ましい。熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が230℃未満であると、樹脂組成物の製造の原料混合物の混練の際の加熱(加熱温度は通常190℃以上220℃以下程度)により発泡が発生し、成形体にした場合に難燃性に劣る場合がある。
熱膨張性黒鉛は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、エアーウォーター社製の「MZ−260」(膨張開始温度260℃、膨張度215cc/g)、「MZ−600」(膨張開始温度230℃、膨張度80cc/g)、「SS−3N」(膨張開始温度200℃、膨張度230cc/g)等が挙げられる。また、熱膨張性黒鉛は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
<各成分の含有量>
ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の固形分全量を基準として、ポリ乳酸樹脂の含有量が5質量%以上90質量%以下の範囲であり、ポリカーボネート樹脂の含有量が5質量%以上90質量%未満の範囲であり、スチレン系樹脂の含有量が1質量%以上70質量%未満の範囲であることが好ましい。ポリ乳酸の含有量が50質量%未満であり、ポリカーボネートおよびスチレン系樹脂の合計の含有量が50質量%以上であると、成形体にした場合にバイオマス度と耐衝撃性および引張弾性率とのバランスがとれた成形体となる。ここで、バイオマス度とは、植物等の生物由来の有機性資源であるバイオマス資源がどの程度含まれているかを表す指標であり、一般にバイオマス度は25質量%以上であることが好ましい。本実施形態においては、樹脂組成物あるいは樹脂成形体中のポリ乳酸の含有量をバイオマス度とする。
表面処理赤燐の含有量は、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の合計量に対して、1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、1.5質量%以上15質量%以下の範囲であることがより好ましい。表面処理赤燐の含有量が1質量%未満であると、難燃性が不足する場合があり、20質量%を超えると、耐衝撃性が低下する場合がある。
加水分解防止剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の合計量に対して、0.1質量%以上5質量%以下の範囲であることが好ましく、0.3質量%以上3質量%以下の範囲であることがより好ましい。加水分解防止剤の含有量が0.1質量%未満であると、赤燐と樹脂の密着性が不足する場合があり、5質量%を超えると、樹脂の溶融粘度の増大に伴う成型不良が発生する場合がある。
熱膨張性黒鉛の含有量は、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の合計量に対して、0質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下の範囲であることがより好ましく、2質量%以上10質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量が1質量%未満であると、難燃性が不足する場合があり、20質量%を超えると、耐衝撃性が低下する場合がある。
<各種測定方法>
樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の含有量は、1H−NMR分析により測定する。樹脂組成物中のポリ乳酸に含まれるラクトン化合物等の不純物の含有量も、同様の方法により測定する。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の含有量は1H−NMR分析により測定する。このようにして測定した樹脂成形体中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の含有量から、樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の含有量が推定される。
樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の重量平均分子量は、高分子を溶媒に溶解し、この溶液をサイズ排除クロマトグラフ(GPC)にて、重量平均分子量を求める。テトラヒドロフラン(THF)溶解し分子量分布測定(GPC)により分析する。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂の重量平均分子量は、高分子を溶媒に溶解し、この溶液をサイズ排除クロマトグラフ(GPC)にて、重量平均分子量を求める。テトラヒドロフラン(THF)溶解し、分子量分布測定(GPC)により分析する。
樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂のガラス転移温度は、熱分析装置(エスアイアイナノテクノロジ製、DSC6000型)を用いて、JIS K 7121の方法により測定する。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中のポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂およびスチレン系樹脂のガラス転移温度は、熱分析装置(エスアイアイナノテクノロジ製、DSC6000型)を用いて、JIS K 7121の方法により測定する。
樹脂組成物中の表面処理赤燐の含有量は、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析の方法により測定する。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中の表面処理赤燐の含有量も同様の方法により測定する。
赤燐表面のヒドロキシル基等の活性水素含有基と加水分解防止剤の官能基との反応、およびポリ乳酸樹脂と加水分解防止剤の官能基との反応の同定は、NMR、IRにより測定する。
樹脂組成物中の熱膨張性黒鉛の含有量は、試料中の有機物を高温で燃焼して除去し、残留物の重量を熱膨張性黒鉛分とする方法により測定する。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中の熱膨張性黒鉛の含有量も同様の方法により測定する。
樹脂組成物中の表面処理赤燐の赤燐分は、比色定量分析法により測定する。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中の表面処理赤燐の赤燐分は、SEM−EDXにより測定する。
樹脂組成物中の表面処理赤燐の平均粒子径は、堀場製作所社製レーザーラマン分光装置LabRAM ARAMIS、レーザー波長:633nmにより測定した。平均粒子径は、OMNIC At1μsソフトウエアを用いて、多変量解析法の一つである主成分分析による成分分布のラマンケミカルイメージングによる画像処理によりその円相当径を測定し、5つの粒子の個数平均粒径D50の平均値を平均粒子径として求める。樹脂成形体中の表面処理赤燐の平均粒子径も同様の方法により測定する。
樹脂組成物中の熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度、および膨張開始温度は、試料をクロロホルム溶媒による溶解再沈法により得られた回収膨張性黒鉛を、1000℃×10秒間で加熱した時の1g当たりの容積(cc/g)を測定することにより求める。樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体中の熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度および膨張開始温度も同様の方法により測定する。
<その他成分>
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、強化剤、耐候剤、強化剤等の添加剤、触媒等のその他の成分をさらに含有してもよい。これらのその他の成分の含有量は、樹脂組成物の固形分全量を基準として、それぞれ10質量%以下であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂と、上述の表面処理赤燐とを含み、前記ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂100質量部に対して前記表面処理赤燐を10質量部以上40質量部以下含む。本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂に加えて、難燃剤として表面処理赤燐を特定の量含むため、難燃剤のマスターバッチとして使用して、さらに他の樹脂や材料を加えて成形体にした場合に、難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる。
ここで、マスターバッチとは、樹脂成形体を構成する一種または複数種の樹脂に添加剤を配合したものを意味し、添加剤が難燃剤である場合を前記難燃剤のマスターバッチという。
赤燐は難燃剤として知られているが、赤燐を含む樹脂組成物は、成形体にした場合に加水分解防止剤を使用しても耐加水分解性に劣る場合があった。これは、加水分解によりリン酸が発生し、ポリ乳酸樹脂等の分解を促進するためと考えられる。本発明者らは、樹脂組成物の難燃剤として表面処理した赤燐を用いることにより、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れることを見出した。これは、赤燐を表面処理することによって、加水分解によるリン酸の発生が抑制されるためと考えられる。また、本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、マスターバッチとして使用して、さらに他の樹脂や材料を加えて成形体にした場合に機械的特性が優れている。
ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、表面処理赤燐としては、上述したものが使用される。また、ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂100質量部に対して含まれる表面処理赤燐は、10質量部以上40質量部以下であることが好ましく、12.5質量部以上33.3質量部以下であることがより好ましい。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、表面処理赤燐と、必要に応じて、熱膨張性黒鉛や、その他の成分とを、混練して作製したり、ポリ乳酸樹脂および/またはポリカーボネート樹脂と、表面処理赤燐と、必要に応じて、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、熱膨張性黒鉛や、その他の成分とを、混練して作製すればよい。
混練は、例えば、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)、簡易ニーダ(東洋精機製、ラボプラストミル)等の公知の混練装置を用いて行えばよい。ここで、混練の温度条件(シリンダ温度条件)としては、例えば、170℃以上220℃以下の範囲が好ましく、180℃以上220℃以下の範囲がより好ましく、190℃以上220℃以下の範囲がさらにより好ましい。これにより、耐衝撃性および引張弾性率に優れた成形体が得られ易くなる。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、例えば、上述した本実施形態に係る樹脂組成物を成形することにより得られる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形等の成形方法により成形して、本実施形態に係る樹脂成形体が得られる。生産性等の理由から、本実施形態に係る樹脂組成物を射出成形して得られたものであることが好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業製「NEX150」、日精樹脂工業製「NEX70000」、東芝機械製「SE50D」等の市販の装置を用いて行えばよい。この際、シリンダ温度としては、樹脂の分解抑制等の観点から、170℃以上250℃以下の範囲とすることが好ましく、180℃以上240℃以下の範囲とすることがより好ましい。また、金型温度としては、生産性等の観点から、30℃以上100℃以下の範囲とすることが好ましく、30℃以上60℃以下の範囲とすることがより好ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、薄肉難燃性等の難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れる。また、本実施形態に係る樹脂成形体は、機械的特性が優れている。
<電子・電気機器の部品>
本実施形態に係る樹脂成形体は、機械的強度(耐衝撃性、引張弾性率等)に優れたものになり得るため、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので、重量物とならない場合に比べて高い耐衝撃性が要求されるが、本実施形態に係る樹脂成形体によれば、このような要求特性が十分満足される。本実施形態に係る樹脂成形体は、特に、画像形成装置や複写機等の筐体に適している。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[メラミン被覆表面処理赤燐の製造例]
<製造例1:赤燐の製造例>
コンデンサーを装備したステンレス製転化釜に水2000質量部と黄燐10000質量部、メチルタウリン酸ナトリウム界面活性剤(ライオン社製、リポタックTEP、メチルタウリン酸ナトリウム含量26質量%)192質量部を入れた後、窒素ガスを通しながら転化釜を加熱した。100℃で水分を留出させた後、黄燐が転化釜内で還流するようにし、約270℃で6時間加熱を続行した。続いて、未転化黄燐を280℃で蒸留し、大部分の黄燐を留去した後、約330℃で1時間加熱し、残留黄燐を除去して赤燐を得た。得られた赤燐を水中で解砕し、赤燐スラリーとした。この赤燐スラリーに、撹拌しながら水酸化ナトリウムを添加してpH12に調整し、2時間加熱撹拌を続けた後、濾過、乾燥を行い、平均粒径5μmの赤燐約4000質量部を得た。
<表面処理例1:メラミン樹脂表面処理>
製造例1で得られた赤燐500質量部、および酸化亜鉛10質量部を水に懸濁させ2000質量部とした。これにメラミン50質量部、37%ホルマリン97質量部、および炭酸ナトリウム83質量部を添加し、90℃で2時間撹拌反応させた。一昼夜放冷後、濾過水洗し、窒素ガス流中135℃で乾燥し、平均粒径5.2μm、赤燐分92質量%のメラミン被覆表面処理赤燐500質量部を得た。
<表面処理例2:エポキシ樹脂表面処理>
製造例1で得られた赤燐500質量部をアセトンに懸濁し、エポキシ樹脂(DIC社製エピクロン840)50質量部、硬化剤(変性脂肪族ポリアミン、アデカ社製のアデカハードナーEH−227)20質量部を添加して2000質量部とした。撹拌しながら45℃に昇温し、安定剤(ゼラチン水溶液)を滴下し、75℃で2時間撹拌、熟成した後、冷却、濾過した。こうして得たエポキシ被覆赤リンを再度水に懸濁させ、3000質量部とし、これに30質量%硫酸チタン水溶液を200質量部添加し、24%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、30分間撹拌した後、濾過、水洗し、窒素ガス流中140℃で乾燥し、平均粒径5.1μm、赤燐分93質量%のエポキシ樹脂被覆表面処理赤燐565質量部を得た。
<表面処理例3:尿素樹脂表面処理>
尿素60質量部とホルムアルデヒド60質量部とをアンモニア存在下75℃で縮合し、粘稠なシロップ状物を得た。これを真空蒸発させ、樹脂成分を60質量%に調整し、濃縮型尿素系樹脂前駆体を得た。その後、製造例1で得られた赤燐300質量部に、25質量%水溶液の25℃における溶液粘度が8,000mPa・sのポリアクリル酸をpHが3.6で濃度が5質量%となるよう添加した。さらに、上記の濃縮型尿素系樹脂前駆体1.5質量部(乾燥)を室温で混合した。その後、得られた室温の混合物を20分で55℃に昇温し、3時間で樹脂化反応を行い、赤燐の表面を尿素樹脂で被覆した。濾過、水洗し、窒素ガス流中140℃で乾燥し、平均粒径5.1μm、赤燐分93質量%の尿素樹脂表面処理赤リン295質量部を得た。
<表面処理例4:ポリウレタン樹脂表面処理>
製造例1で得られた赤燐2000質量部を、熱風発生機を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機(パン径520mm)に仕込み、20〜30RPMで回転させ、温度を70〜75℃に調整した。被覆樹脂として、スミジュール44V10(住友バイエルウレタン製)を4.7質量部、分岐ポリエーテル型ポリオール(住友バイエルウレタン製)を5.3質量部、およびアミン触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.1質量部を撹拌、混合し添加した。50分間反応させ、平均粒径5.2μm、赤燐分92質量%のポリウレタン樹脂表面処理赤リン1990質量部を得た。
<表面処理例5:不飽和ポリエステル樹脂表面処理>
製造例1で得られた赤燐1000質量部をクロロホルム3000質量部に加えた。この溶液に不飽和ポリエステル(商品名:エポラックG−753PTW、日本触媒社製)50質量部を添加して、常温で30分間撹拌した。次いで、予めクロロホルム50質量部に硬化触媒メチルエチルケトンパーオキサイド(商品名Cat−M、日本触媒社製)0.5質量部を溶解した溶液を添加して、常温で60分間撹拌を行った。反応終了後、減圧乾燥によりクロロホルムを回収し、平均粒径5.2μm、赤燐分95質量%の不飽和ポリエステル樹脂被覆表面処理赤燐960質量部を得た。
<表面処理例6:エポキシ基含有シランカップリング剤表面処理>
製造例1で得られた赤燐100質量部に対し、エポキシ基含有シランカップリング剤(商品名:KBM−402、信越シリコーン社製)5質量部、エタノール100質量部と共に30分撹拌した後、減圧下でエタノールを留去し、平均粒径5.1μm、赤燐分94質量%のエポキシ基含有シランカップリング剤表面処理赤燐96質量部を得た。
<表面処理例7:アミノ基含有シランカップリング剤表面処理>
シランカップリング剤として、アミノ基含有シランカップリング剤(商品名:KBM−903、信越シリコーン社製)を用いた他は、表面処理例6と同条件で処理を行い、平均粒径5.1μm、赤燐分94質量%のアミノ基含有シランカップリング剤表面処理赤燐95質量部を得た。
<表面処理例8:メルカプト基含有シランカップリング剤表面処理>
シランカップリング剤として、メルカプト基含有シランカップリング剤(商品名:KBM−802、信越シリコーン社製)を用いた他は、表面処理例6と同条件で処理を行い、平均粒径5.1μm、赤燐分95質量%のメルカプト基含有シランカップリング剤表面処理赤燐97質量部を得た。
<表面処理例9:イソシアネート基含有シランカップリング剤表面処理>
シランカップリング剤として、イソシアネート基含有シランカップリング剤(商品名:KBE−9007、信越シリコーン社製)を用いた他は、表面処理例6と同条件で処理を行い、平均粒径5.1μm、赤燐分94質量%のイソシアネート基含有シランカップリング剤表面処理赤燐95質量部を得た。
[樹脂組成物および樹脂成形体の作製]
<実施例1>
表1に示す組成で、ポリ乳酸樹脂(A−1)としてポリ乳酸樹脂(商品名「Ingeo4032D」、ネイチャーワークス社製)、ポリカーボネート樹脂(B−1)として芳香族ポリカーボネート樹脂(商品名「ユーピロンS2000」、三菱エンジニアリングプラスチック社製)、スチレン系樹脂(C−1)としてアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体(商品名「トヨラック700」、東レ社製)、難燃剤−1(D−1)として、表面処理赤燐(マイクロカプセル化赤燐、商品名「ノーバエクセル140」、赤燐分92%、燐化学工業社製)、加水分解防止剤−1としてカルボジイミド化合物(商品名「HMV−8CA」、日清紡社製)を配合し、タンブラーでできるだけ均一に混合し、該混合物をベント付二軸押出機(日本製鋼所製、TEX−30α)にて、シリンダ温度およびダイス温度220℃、スクリュー回転数240rpm、ベント吸引度100MPa、ならびに吐出量10kg/hで溶融混練してペレットを得た。得られたペレットは80℃で4時間、熱風乾燥機を用いて乾燥後、射出成形機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)によりシリンダ温度230℃、金型温度60℃の条件で所定の評価用試験片を得た。
<実施例2〜4,5−1〜5−9,6,7−1〜7−2,8〜21、比較例1〜比較例6>
表1〜表3、表6〜表8に示す組成で、表4,5に示す難燃剤−1〜4,5−1〜5−9,6〜9(D−1〜4,5−1〜5−9,6〜9)、加水分解防止剤−1〜3、必要に応じて難燃助剤−1〜3(E−1〜3)として熱膨張性黒鉛、必要に応じてアンチドリップ剤としてポリテトラフルオロエチレン(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)含量50質量%、商品名「A−3800」、三菱レイヨン社製)を用いた以外は、上記実施例1に準じて、評価用試験片を得た。
[再生樹脂組成物の作製および樹脂成形体の作製]
<実施例22〜実施例24、比較例7〜比較例8、参考例1〜参考例3>
表10に示す組成で、表9に示す樹脂1〜6のいずれかと、ポリ乳酸樹脂(A−1)と、難燃剤として表面処理赤燐(D−1)または芳香族縮合リン酸エステル難燃剤(D−7)と、難燃助剤として熱膨張性黒鉛(E−1)と、加水分解防止剤−1と、アンチドリップ剤とをタンブラーでできるだけ均一に混合し、該混合物をベント付二軸押出機(日本製鋼所製;TEX−30α)にて、シリンダ温度およびダイス温度220℃、スクリュー回転数250rpm、ベント吸引度100MPa、ならびに吐出量10kg/hで溶融混練してペレットを得た。得られたペレットは80℃で4時間、熱風乾燥機を用いて乾燥後、射出成形機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)によりシリンダ温度220℃、金型温度50℃の条件で所定の評価用試験片を得た。
市場回収品は、市場回収されたPC/ABSアロイ樹脂(商品名「TN7300」、帝人化成社製)、ABS樹脂(商品名「ZFJ31」、UMGABS製)製の複写機カバー、またはPC樹脂(商品名「AD5503」、帝人化成製)製のディスク廃材を回収し、金属部品を取り除き、粉砕機で4mm程度の大きさに粉砕したものを用いた。
[測定・評価]
(難燃性)
UL94に規定されているV試験を、試験片厚み0.8mmにて実施した。また、一部については、UL94に規定されている5VB試験を、試験片厚み1.6mmにて実施した。なお、燃焼試験の結果は、5VB、V−0、V−1、V−2、HBの順で高いレベルである。
(耐熱性(熱変形温度))
ASTM D648の試験法規格に決められた荷重(1.8MPa)を与えた状態で、試験片の温度をあげていき、たわみの大きさが規定の値になる温度(荷重たわみ温度:DTUL)を測定した。
(耐加水分解性)
賦型ペレットを80℃、95%RH雰囲気下に、100時間、および300時間調湿し、それぞれのメルトインデックスMVRを測定した。調湿前のMVRが5cm3/10minとなるように、温度、荷重を調整した。調湿前のMVRを100としたときの変化量を指数として評価した。
(機械的特性)
[衝撃強度]
ISO多目的ダンベル試験片をノッチ加工したものを用い、ISO−179に規定の方法に従って耐衝撃試験装置(東洋精機社製、DG−5)によりシャルピー耐衝撃強度(kJ/m2)を測定した。
[引張破断伸度]
成形体の引張破断伸度(%)を、JIS K−7113に準じて測定した。なお、成形体として、射出成形により得られたJIS1号試験片(厚さ4mm)を用いた。
[引張り降伏応力強度]
成形体の引張り降伏応力強度(MPa)を、JIS K−7113に準じて測定した。
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実施例1〜4,5−1〜5−9,6,7−1〜7−2,8〜19の樹脂組成物は、比較例1〜6の樹脂組成物に比べて、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れていた。実施例20および実施例21の樹脂組成物は、難燃助剤である熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が実施例15に比べて低いため、樹脂組成物の混練の際の加熱により発泡が発生し、実施例15の樹脂組成物に比べて、成形体にした場合に難燃性にやや劣った。実施例23,24の樹脂組成物のように、市場から回収されたスチレン系樹脂またはポリカーボネート樹脂を用いても、成形体にした場合に難燃性、耐熱性、かつ耐加水分解性に優れていた。
また、表1〜3の実施例および比較例については、ポリ乳酸樹脂と各難燃剤とのマスターバッチを、表6,7の実施例については、芳香族ポリカーボネート樹脂と各難燃剤とのマスターバッチを、予め表に従った配合比で作製後、その他の材料を表に示す配合比でさらに混合して評価用試験片を作製し、各測定および評価を行ったところ、各測定および評価とも同様の結果が得られた。なお、具体的な手順は以下の通りである。
表1〜3の実施例および比較例については、ポリ乳酸樹脂と難燃剤とをタンブラーでできるだけ均一に混合し、該混合物をベント付二軸押出機(日本製鋼所製、TEX−30α)にて、シリンダ温度およびダイス温度220℃、スクリュー回転数240rpm、ベント吸引度100MPa、ならびに吐出量10kg/hで溶融混練してペレットを得たのち、得られたペレットは80℃で4時間、熱風乾燥機を用いて乾燥後、ポリ乳酸樹脂および難燃剤以外の材料を表1〜3に示す配合比となるようにさらに配合し、タンブラーでできるだけ均一に混合し、該混合物をベント付二軸押出機(日本製鋼所製、TEX−30α)にて、シリンダ温度およびダイス温度220℃、スクリュー回転数240rpm、ベント吸引度100MPa、ならびに吐出量10kg/hで溶融混練してペレットを得、射出成形機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)によりシリンダ温度230℃、金型温度60℃の条件で所定の評価用試験片を得た。表6,7の実施例については、上記ポリ乳酸を芳香族ポリカーボネート樹脂に置き換えた以外は同様の手順で、所定の評価用試験片を得た。

Claims (16)

  1. ポリ乳酸樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、スチレン系樹脂と、加水分解防止剤と、表面処理赤燐とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. さらに熱膨張性黒鉛を含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ポリ乳酸樹脂、前記ポリカーボネート樹脂、前記スチレン系樹脂、および前記加水分解防止剤の合計量に対して、前記表面処理赤燐を1質量%以上20質量%以下の範囲、および前記熱膨張性黒鉛を0質量%以上20質量%以下の範囲で含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記表面処理赤燐が、活性水素含有基を有する化合物により表面処理された赤燐であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記表面処理赤燐の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記表面処理赤燐の赤燐分が、50質量%以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記熱膨張性黒鉛の1000℃における膨張度が、80cc/g超であることを特徴とする、請求項2に記載の樹脂組成物。
  8. 前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が、230℃以上であることを特徴とする、請求項2または7に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ポリカーボネート樹脂および前記スチレン系樹脂のうち少なくとも1つが、市場から回収された回収樹脂であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記ポリカーボネート樹脂および前記スチレン系樹脂が、ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂であることを特徴とする、請求項9に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする樹脂成形体。
  12. イソシアネート基、メルカプト基、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基、および硫酸基のうち少なくとも1つを有する化合物により表面処理されたことを特徴とする表面処理赤燐。
  13. 前記化合物がイソシアネート基、メルカプト基から選ばれる少なくとも1つの活性水素含有基を有する化合物であることを特徴とする、請求項12に記載の表面処理赤燐。
  14. 赤燐分が90質量%以上であることを特徴とする、請求項12または13に記載の表面処理赤燐。
  15. 平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の表面処理赤燐。
  16. ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂と請求項12〜15のいずれか1項に記載の表面処理赤燐とを含み、前記ポリ乳酸樹脂またはポリカーボネート樹脂100質量部に対して前記表面処理赤燐を10質量部以上40質量部以下含むことを特徴とする樹脂組成物。
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