JP2014202759A - 有色防曇鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射色が青色系または緑色系を呈しかつ防曇性を有する表面鏡による有色防曇鏡について、撥水洗車剤に対する耐久性を高めつつ視線角度の変化による色調ズレを軽減する。【解決手段】有色防曇鏡11は、基材12の表面に反射層14、反射率調整層20、光触媒層16、親水層18を順次積層した構造を有する。光触媒層16は膜厚が140〜200nmのTiO2で構成される。親水層18は多孔質SiO2で構成される。反射率調整層20は例えばAl2O3とTa2O5の混合物、Al2O3とSnO2の混合物、Al2O3とZrO2の混合物で構成される。有色防曇鏡11の反射率の極大値は430〜560nmにあり、反射色は青色系または緑色系を呈する。有色防曇鏡11の可視光域の反射率の極大値と極小値の比は2以上、4以下である。【選択図】図1

Description

この発明は、反射色が青色系または緑色系を呈しかつ防曇性を有する、表面鏡による有色防曇鏡に関し、従来品に比べて光触媒性能を向上させつつ、視認者の視線が鏡面に対面する角度の変化による色調ズレを軽減したものである。
車両用アウターミラーとして、反射色が青色系を呈しかつ防曇性を有する表面鏡による有色防曇鏡が実用化されている。図2は従来実用化されていた有色防曇鏡10の積層構造を模式的に示す。有色防曇鏡10は基材12の表面に、反射層14、光触媒層16、親水層18を順次積層して構成される。基材12はソーダガラス等のガラス基板で構成される。反射層14はCr等の金属で構成される。光触媒層16はTiO2で構成される。親水層18は多孔質SiO2で構成される。光触媒層16の膜厚は反射色を青色系にするために75nm程度に設定される。有色防曇鏡10は各層での反射光の干渉により、青色系または緑色系の反射色を生じさせる。また親水層18により防曇性が得られる。また親水層18の表面に付着した有機物汚れを光触媒層16による光触媒作用で分解して除去することにより、親水層18の防曇性が維持される。このような構造を有する有色防曇鏡は下記特許文献1,2に記載されている。
特開2001−141916号公報 特開2007−286491号公報
特許文献1によれば、光触媒TiO2層の膜厚について「TiO2膜10の膜厚が厚くなるに伴い、可視光域内での反射率のピークの数が増加する。このため鏡表面14の反射光は、波長が400〜510nmの範囲に1つのピークを有し青色系を保持しているものの、他の色が重なり合った色調を呈し、視線の角度によって色調が変化する。特に複合曲面ミラーのような小さな曲率半径を有するミラーにおいては、色調ズレの原因となる。したがって、色調ズレを防止するためには、TiO2膜10の膜厚を150nm以下に設定し、もって可視光域で単一のピークを有するように設定するのが好適である。」(明細書0023段)との知見が記載されている。
特許文献2によれば、光触媒TiO2層の膜厚について「光触媒性膜16の膜厚は、有色防曇鏡10の反射光が上述の条件を満足するような分光反射スペクトルを有するように、設定されたものであれば、特に限定されない。ただし、その膜厚は、50〜130nmであると好ましい。光触媒性膜16の膜厚が上記下限値未満であると、可視光反射域内に分光反射ピークが発生しなくなる傾向にあり、上記上限値を超えると、可視光反射域内での分光反射ピークが複数出現し、他の色が重なり合った色調を呈し、視線の角度によって色調が変化する傾向にある。」(明細書0038段)との知見が記載されている。
このように、従来は、反射色が青色系を呈しかつ防曇性を有する表面鏡による有色防曇鏡について、視認者の視線が鏡面に対面する角度(以下「視線角度」という。視線角度は鏡面に真正面から対面する角度を0度とする)の変化による色調ズレ(視線角度が0度のときの色調に対する色調の変化)を防止するために、光触媒TiO2層の膜厚を薄く形成することが推奨されていた。ところが、光触媒TiO2層の膜厚が140nmよりも薄くなると、近年急速に普及してきた撥水洗車に対する耐久性に問題があることがわかった。すなわち撥水洗車で使用する撥水洗車剤に含まれる撥水剤はシリコーン樹脂を主成分とするため、鏡の表面に付着すると光触媒作用では除去できない。このため、撥水洗車を繰り返すうちに撥水剤が鏡の表面に蓄積され、光触媒性能を低下させる。この場合、光触媒TiO2層の膜厚が厚ければ光触媒性能に余裕があるので、鏡の表面に撥水剤が多少蓄積されても、その上に付着した汚れを分解して親水性を回復させることができる。これに対しTiO2層の膜厚が薄いと、光触媒性能に余裕がないので、鏡の表面に撥水剤が少し蓄積されただけでも、その上に付着した汚れを分解することができなくなり、親水性を回復させることができなくなる。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、反射色が青色系または緑色系を呈しかつ防曇性を有する表面鏡による有色防曇鏡について、撥水洗車剤に対する耐久性を高めつつ視線角度の変化による色調ズレを軽減した有色防曇鏡を提供しようとするものである。
この発明は、基材の表面に反射層、反射率調整層、光触媒層、親水層を順次積層した構造を有し、前記光触媒層が実質的にTiO2で構成され、該光触媒層の膜厚が140〜200nmであり、前記親水層が実質的に多孔質SiO2で構成され、もって、可視光域での反射率の極大値が波長430〜560nmに存在し、反射色が青色系または緑色系を呈し、可視光域の反射率の極大値と極小値の比が2以上、4以下である有色防曇鏡である。この発明によれば、TiO2光触媒層の膜厚を厚くしたので光触媒性能が向上し、撥水洗車剤に対する耐久性が向上する。また、TiO2光触媒層の膜厚を厚くすると、可視光域の反射率が低下し、しかも可視光域に反射率の極大値と極小値が生じて視線角度の変化による色調ズレが目立つようになるが、この発明では反射層と光触媒層の間に反射率調整層を配置したので、可視光域の反射率の低下が抑制され、しかも可視光域の反射率の極大値と極小値の比の増大が抑制され、視線角度の変化による色調ズレを軽減することができる。また可視光域の反射率の極大値と極小値の比が2以上であることにより反射色を有色(青色系または緑色系)とすることができ、同比が4以下であることにより色調ズレを軽減することができる。なおこの発明は光触媒層の膜厚が140〜200nm程度のときに所期の効果を奏するが、光触媒効果は光触媒層の膜厚がある厚さ以上ではあまり増加しないので、光触媒層の膜厚は165±20nm程度が実用的である。また光触媒層の膜厚は150nmより大とすることもできる。
この発明は、前記反射率調整層が実質的にAl23と、Ta25、SnO2、ZrO2のうちのいずれか1つまたは複数との混合物で構成されるものとすることができる。この場合、該反射率調整層に含まれるAl23の体積百分率(以下、含有率の%は体積百分率を意味する)は、該反射率調整層が実質的にAl23とTa25の混合物で構成される場合は50%以上、95%以下、該反射率調整層が実質的にAl23とSnO2の混合物で構成される場合は30%以上、90%以下、該反射率調整層が実質的にAl23とZrO2の混合物で構成される場合は40%以上、90%以下であるものとすることができる。これによれば、反射率調整層はTa25、SnO2、ZrO2のいずれかを含むので、Al23による耐水性の低下を抑制することができる。より詳しく言えば、反射率調整層が実質的にAl23とTa25の混合物で構成される場合は、反射率調整層に含まれるAl23が50%以上(またはTa25が50%以下)であることにより実用上十分な反射率と色調ズレを軽減する効果が得られる。また反射率調整層に含まれるAl23が95%以下(またはTa25が5%以上)であることにより、実用上十分な耐水性が得られる。反射率調整層が実質的にAl23とTa25の混合物で構成される場合はさらに、前記反射率調整層に含まれるAl23が70%以上(またはTa25が30%以下)、95%以下(またはTa25が5%以上)であるものとすることができる。これによれば反射率調整層に含まれるAl23が70%以上であることによりさらに十分な反射率が得られ、かつ色調ズレをさらに軽減する効果が得られる。また反射率調整層が実質的にAl23とSnO2の混合物で構成される場合は、反射率調整層に含まれるAl23が30%以上(またはSnO2が70%以下)であることにより実用上十分な反射率と色調ズレを軽減する効果が得られる。また反射率調整層に含まれるAl23が90%以下(またはSnO2が10%以上)であることにより、実用上十分な耐水性が得られる。また反射率調整層が実質的にAl23とZrO2の混合物で構成される場合は、反射率調整層に含まれるAl23が40%以上(またはZrO2が60%以下)であることにより実用上十分な反射率と色調ズレを軽減する効果が得られる。また反射率調整層に含まれるAl23が90%以下(またはZrO2が10%以上)であることにより、実用上十分な耐水性が得られる。反射率調整層の膜厚は例えば35〜85nmに設定することができる。
この発明による有色防曇鏡の実施の形態を示す模式断面図である。 従来実用化されていた有色防曇鏡の構造を示す模式断面図である。 TiO2光触媒層の膜厚と光触媒性能の関係を示す線図である。 図1の有色防曇鏡の反射率調整層20、光触媒層16、親水層18を蒸着法で成膜する場合の成膜条件の一例を示す図表である。 実施例1〜8および比較例1〜4の主な仕様を示す図表である。 実施例1の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例2の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例3の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例4の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 比較例1の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 比較例2の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 比較例3の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 比較例4の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例1〜4および比較例1〜4の主な特性を示す図表である。 (a)は実施例2について視線角度を変化させたときの可視光域での分光反射スペクトルを示す線図であり、(b)は(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比(反射率極大値/反射率極小値をいう)を示す図表である。 (a)は実施例3について視線角度を変化させたときの可視光域での分光反射スペクトルを示す線図であり、(b)は(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す図表である。 (a)は実施例4について視線角度を変化させたときの可視光域での分光反射スペクトルを示す線図であり、(b)は(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す図表である。 (a)は比較例4について視線角度を変化させたときの可視光域での分光反射スペクトルを示す線図であり、(b)は(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す図表である。 図2に示す従来の有色防曇鏡10の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例1〜4の有色防曇鏡11と図2の従来の有色防曇鏡10について、撥水洗車剤に対する光触媒性能の耐久性を比較テストした結果を示す線図である。 実施例5の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例6の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例7の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。 実施例8の可視光域での分光反射スペクトルを示す線図である。
この発明の実施の形態を以下説明する。図1はこの発明による有色防曇鏡11の積層構造を模式的に示す。有色防曇鏡11は車両用アウターミラーの鏡本体部分を構成するものである。有色防曇鏡11は、基材12の表面に、反射層14、反射率調整層20、光触媒層16、親水層18を順次積層して構成される。有色防曇鏡11は各層での反射光の干渉により、青色系または緑色系の反射色を生じさせる。各層について説明する。
《基材12》
基材12はソーダガラス等のガラス基板等で構成される。
《反射層14》
反射層14はCr等の金属で構成される。
《光触媒層16》
光触媒層16はTiO2で構成される。従来実用化されていた図2の有色防曇鏡10は反射色を青色系にするためにTiO2光触媒層16の膜厚を75nm程度に設定していたのに対し、図1の有色防曇鏡11は反射色を青色系(または緑色系)にするために、光触媒層16の膜厚を140〜200nmの厚い膜厚に設定する。光触媒層16は親水層18の表面に付着した有機物汚れを光触媒作用で分解して除去することにより、親水層18の防曇性を維持する。
《親水層18》
親水層18は多孔質SiO2で構成される。膜厚は例えば15nmに設定される。親水層18により防曇性が得られる。
《反射率調整層20》
反射率調整層20は光触媒層16よりも屈折率が低い材料で構成されるもので、例えばAl23とTa25の混合物、Al23とSnO2の混合物、Al23とZrO2の混合物等で構成される。反射率調整層20は光触媒層16の膜厚を厚く(140〜200nm)設定したことに伴う反射率の低下を抑制するとともに、視線角度の変化による色調ズレを軽減する。反射率の低下および色調ズレを軽減する機能は主にAl23で得られる。但し反射率調整層20をAl23のみで構成すると、耐水性が不十分であるので、Ta25、SnO2、ZrO2等を混合することにより、耐水性を向上させる。反射率調整層20に含まれるAl23は、反射率調整層20がAl23とTa25の混合物の場合は、50%以上、95%以下(好ましくは70%以上、95%以下)に設定する。このとき反射率調整層20に含まれるTa25は50%以下、5%以上(好ましくは30%以下、5%以上)に設定する。また反射率調整層20に含まれるAl23は、反射率調整層20がAl23とSnO2の混合物の場合は、30%以上、90%以下に設定する。このとき反射率調整層20に含まれるSnO2は70%以下、10%以上に設定する。また反射率調整層20に含まれるAl23は、反射率調整層20がAl23とZrO2の混合物の場合は、40%以上、90%以下に設定する。このとき反射率調整層20に含まれるZrO2は60%以下、10%以上に設定する。有色防曇鏡11は反射率調整層20の膜厚が厚くなるほど極大/極小反射率比が小さくなるが、反射率調整層20の膜厚を厚くした場合に薄い場合と同様の反射色を得るためには、該薄い場合に比べて光触媒層16を薄くしなければならず、光触媒性能が低下する。ここで、光触媒層16の膜厚と光触媒性能の関係は図3のようになる。すなわち、膜厚が薄いときは膜厚の増加に従い光触媒性能も増加するが、膜厚が所定以上になると光触媒性能は飽和する。そこで、先に光触媒層16の膜厚を、飽和値付近の光触媒性能が得られる最低膜厚(140〜200nm)に設定し、この条件下で所定の反射色(ここでは青色系または緑色系)が得られかつ極大/極小反射率比が2以上、4以下となるように反射率調整層20の膜厚を設定する。反射率調整層20の膜厚を35〜85nmに設定すると、要求される条件を満たす特性(自動車用ミラーとして必要な反射率、飽和値付近の光触媒性能、青色系または緑色系の反射色、極大/極小反射率比が2以上、4以下)が得られる。
有色防曇鏡11は基材の表面に、蒸着法、スパッタリング法等のPVD法その他の薄膜形成工程により、反射層14、反射率調整層20、光触媒層16、親水層18を順次成膜することにより製造することができる。反射率調整層20、光触媒層16、親水層18を蒸着法で成膜する場合の成膜条件の一例を図4に示す。
この発明の実施例並びに比較例を説明する。ここでは図1の積層構造を有する有色防曇鏡11について、光触媒層16の膜厚および反射率調整層20の組成が異なる図5に示す仕様の実施例1〜8および比較例1〜4を製作し(比較例4は反射率調整層20がない)、各種特性を測定した。なお実施例1〜8および比較例1〜4は、親水層18の膜厚をいずれも15nmに設定した。実施例1〜4および比較例1〜4の可視光域での分光反射スペクトルを図6〜図13にそれぞれ示す。また実施例1〜4および比較例1〜4の主な特性(積分球反射率、可視光域での反射率極大値および反射率極小値、極大/極小反射率比、視線角度の変化による色調ズレの大小、耐水性能、耐酸性能)を図14に示す。「積分球反射率」はJIS規格D5705の積分球による間接測定法で測定した反射率である。「耐水性」は各試料を水道水に浸漬して2時間煮沸した後の膜の剥離の有無を観察したものである。「耐酸性」は濃度が0.1Nの硫酸を各試料の表面に滴下し、24時間放置して膜の剥離の有無を観察したものである。「耐水性」「耐酸性」とも、○は剥離または変色なし、△は剥離または変色ありを意味する。図6〜図14によれば、次が言える。
(a)実施例1〜4および比較例1〜4は反射率極大値における波長がほぼ等しく、反射色はいずれも青色系である。
(b)比較例4の積分球反射率はJIS規格D5705で規定された自動車用ミラーの反射率の下限値35%に近い値であり(40%以上の積分球反射率が自動車用ミラーとして適切である)、十分とは言えない。比較例4の反射率が低いのは、光触媒層16の膜厚を厚く形成したことによるものである。これに対し、実施例1〜4は自動車用ミラーとして十分に高い反射率が得られている。実施例1〜4の反射率が高いのは、光触媒層16の膜厚を厚く形成したことによる反射率の低下が、反射率調整層20を構成するAl23によって抑制されているためである。
(c)極大/極小反射率比が大きい(すなわち強く反射する色調と反射が弱い色調の比率が大きい)比較例2,3は視線角度の変化による色調ズレが大きい。これに対し、極大/極小反射率比が小さい実施例1〜4は視線角度の変化による色調ズレが小さい。極大/極小反射率比が4以下であれば、色調ズレを実用上問題がない程度に軽減することができる。
(d)実施例1〜4どうしを対比すると、実施例1よりも実施例2〜4の方が積分球反射率が高く、極大/極小反射率比が小さい。したがって実施例1よりも実施例2〜4の方がより高い反射率が得られ、かつ色調ズレをより軽減することができる。
(e)比較例2は耐水性が十分でない。これに対し、実施例1〜4は耐水性、耐酸性とも十分である。
ここで極大/極小反射率比と視線角度の変化による色調ズレの関係について説明する。図15(a)は実施例2について、視線角度が0度(鏡面の真正面から視認)、30度、45度のときの可視光域での分光反射スペクトルを示す。図15(b)は図15(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す。

図16(a)は同様に、実施例3について、視線角度が0度、30度、45度のときの可視光域での分光反射スペクトルを示す。図16(b)は図16(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す。

図17(a)は同様に、実施例4について、視線角度が0度、30度、45度のときの可視光域での分光反射スペクトルを示す。図17(b)は図17(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す。


図18(a)は同様に、比較例4について、視線角度が0度、30度、45度のときの可視光域での分光反射スペクトルを示す。図18(b)は図18(a)の特性による可視光域での反射率極大値、反射率極小値、極大/極小反射率比を示す。

図18(b)によれば、極大/極小反射率比が大きい比較例4は視線角度の変化による極大/極小反射率比の変動が大きいので、視線角度が0度から変動するに従い色調が大きく変動し、反射色が0度のときの青色系から、赤みがかった色に変化したり、色が薄くなったりする。これに対し、図15(b)、図16(b)、図17(b)によれば、極大/極小反射率比が小さい実施例2,3,4は、視線角度の変化による極大/極小反射率比の変動が小さいので、視線角度が0度から変動しても反射色の色調の変化は比較例4に比べて小さく抑える(すなわち色調ズレを軽減する)ことができる。因みに、図2の従来の有色防曇鏡10(光触媒層16の膜厚は75nm)の可視光域での分光反射スペクトルを図19に示す。光触媒層16の膜厚が75nmの場合は、可視光域に単一の極大値しか生じず、極小値は生じないので、波長による反射率の変化が緩やかであり、視線角度の変化による色調ズレの問題は起こらない。すなわち視線角度の変化による色調ズレの問題は波長による反射率の変化が急峻となる光触媒層16の膜厚が厚い場合に起こる。
図1のこの発明による有色防曇鏡11と図2の従来の有色防曇鏡10の光触媒性能の違いを説明する。図20は実施例1〜4の有色防曇鏡11と図2の従来の有色防曇鏡10(光触媒層16の膜厚は70nm)について、これらを設置した車両に撥水洗車を行い、その後にミラーを取り外し、紫外線を照射した後、ミラー表面の水滴接触角を測定するテストを繰り返し行ったときのテスト結果を示すものである。図20によれば、実施例1〜4の有色防曇鏡11は従来の有色防曇鏡10に比べて、水滴接触角が急激に上昇するまでの繰り返し回数が2倍以上、3倍近くに達しており、従来の有色防曇鏡10に比べて光触媒性能が飛躍的に向上していることがわかる。
図1のこの発明による有色防曇鏡11の実施例5を説明する。これは反射色が緑色系を呈するものである。実施例5における各層の構成は次のとおりである。
《反射層14》組成:Cr。
《反射率調整層20》組成:Al23(70体積%)とTa25(30体積%)の混合物、膜厚70nm。
《光触媒層16》組成:TiO2、膜厚:165nm。
《親水層18》組成:多孔質SiO2、膜厚:15nm。
実施例5の可視光域での分光反射スペクトルを図21に示す。これによれば次の特性が得られている。
・積分球反射率:62%
・反射率極大値:78.3%(at 532nm)
・反射率極小値:25.1%(at 707nm)
・極大/極小反射率比:3.1
・反射色:緑色系
図1のこの発明による有色防曇鏡11の実施例6を説明する。これも反射色が緑色系を呈するものである。実施例6における各層の構成は次のとおりである。
《反射層14》組成:Cr。
《反射率調整層20》組成:Al23(70体積%)とTa25(30体積%)の混合物、膜厚35nm。
《光触媒層16》組成:TiO2、膜厚:200nm。
《親水層18》組成:多孔質SiO2、膜厚:15nm。
実施例6の可視光域での分光反射スペクトルを図22に示す。これによれば次の特性が得られている。
・積分球反射率:63%
・反射率極大値:75.2%(at 556nm)
・反射率極小値:18.8%(at 734nm)
・極大/極小反射率比:4.0
・反射色:緑色系
図1のこの発明による有色防曇鏡11の実施例7を説明する。これも反射色が緑色系を呈するものである。実施例7における各層の構成は次のとおりである。
《反射層14》組成:Cr。
《反射率調整層20》組成:Al23(50体積%)とSnO2(50体積%)の混合物、膜厚67nm。
《光触媒層16》組成:TiO2、膜厚:165nm。
《親水層18》組成:多孔質SiO2、膜厚:15nm。
実施例7の可視光域での分光反射スペクトルを図23に示す。これによれば次の特性が得られている。
・積分球反射率:64%
・反射率極大値:78.4%(at 530nm)
・反射率極小値:24.1%(at 715nm)
・極大/極小反射率比:3.2
・反射色:緑色系
図1のこの発明による有色防曇鏡11の実施例8を説明する。これも反射色が緑色系を呈するものである。実施例8における各層の構成は次のとおりである。
《反射層14》組成:Cr。
《反射率調整層20》組成:Al23(60体積%)とZrO2(40体積%)の混合物、膜厚60nm。
《光触媒層16》組成:TiO2、膜厚:170nm。
《親水層18》組成:多孔質SiO2、膜厚:15nm。
実施例8の可視光域での分光反射スペクトルを図24に示す。これによれば次の特性が得られている。
・積分球反射率:65%
・反射率極大値:78.8%(at 530nm)
・反射率極小値:23.4%(at 716nm)
・極大/極小反射率比:3.4
・反射色:緑色系
11…有色防曇鏡、12…基板(基材)、14…反射層、16…光触媒層、18…親水層、20…反射率調整層

Claims (7)

  1. 基材の表面に反射層、反射率調整層、光触媒層、親水層を順次積層した構造を有し、
    前記光触媒層が実質的にTiO2で構成され、該光触媒層の膜厚が140〜200nmであり、
    前記親水層が実質的に多孔質SiO2で構成され、もって、
    可視光域での反射率の極大値が波長430〜560nmに存在し、反射色が青色系または緑色系を呈し、可視光域の反射率の極大値と極小値の比が2以上、4以下である有色防曇鏡。
  2. 前記反射率調整層が実質的にAl23とTa25の混合物で構成され、該反射率調整層に含まれるAl23の体積百分率が50%以上、95%以下である請求項1に記載の有色防曇鏡。
  3. 前記反射率調整層が実質的にAl23とSnO2の混合物で構成され、該反射率調整層に含まれるAl23の体積百分率が30%以上、90%以下である請求項1に記載の有色防曇鏡。
  4. 前記反射率調整層が実質的にAl23とZrO2の混合物で構成され、該反射率調整層に含まれるAl23の体積百分率が40%以上、90%以下である請求項1に記載の有色防曇鏡。
  5. 前記反射率調整層の膜厚が35〜85nmである請求項1から4のいずれか1つに記載の有色防曇鏡。
  6. 前記光触媒層の膜厚が165±20nmである請求項1から5のいずれか1つに記載の有色防曇鏡。
  7. 前記光触媒層の膜厚が150nmより大である請求項1から6のいずれか1つに記載の有色防曇鏡。
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