JP2014201959A - 耐震補強工事施工方法及び耐震補強工事用ゴンドラ装置 - Google Patents

耐震補強工事施工方法及び耐震補強工事用ゴンドラ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 大がかりにならず、工期が短く、低コストで、景観の大きな悪化はなく、大きな労力を必要としない耐震スリット工法を提供する。【解決手段】 三つのウインチ41,42,43に締結された三本のワイヤロープ31,32,33によりゴンドラ装置が吊り下げられ、ゴンドラ装置内のクレーン9が、カッター6を搭載したり、スリット形成のために壁面10に固定されたレール61にカッター6を装着したりする際に使用される。ゴンドラ装置に乗り込んだ作業者がリモコン71を操作し、制御ユニット7によりゴンドラ装置の昇降やカッター6の動作を制御する。スリット形成の際、カッター刃60はカッターカバー61で覆われ、湿式により粉塵が集塵機81で集められる。【選択図】 図1

Description

本願の発明は、建築物の耐震補強工事に関するものである。
大震災の教訓を背景として、建築物の耐震性についての関心が非常に高まっている。建築物を新築する際、耐震性の高い設計や施工を行うことの重要性は指摘するまでもないが、既存の建築物の耐震性を高めることもまた非常に重要である。特に耐震基準の低い時期に建てられた建築物の耐震性の問題は、しばしば取り上げられる。完全に建て替えるほどは老朽化していないものの、大きな震災には耐えられない構造であると診断された建築物が数多く存在する。
マンション等の大規模なコンクリート建築物が震災で倒壊した場合、住民の生命や財産に甚大な被害がもたらされることは言うまでもないことであるが、倒壊によって道路が寸断され、救急車の通行を阻害したり、災害復旧の大きな妨げになったりする問題も指摘されている。
このようなことから、マンションやオフィスビル等の既存のコンクリート建築物について、耐震性を高める工事(耐震補強工事)の研究が進められている。また、有効であるとされた幾つかの工法について既に実用化されており、実際に耐震補強工事が行われている。
このような耐震補強工事の一つが、建築物の外壁にスリットを形成する工法(以下、耐震スリット工法と呼ぶ)であり、例えば特許文献1や非特許文献1に開示されている。
特許第2864002号
http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Search/NtDetail1.asp?REG_NO=KT-060099&TabType=2&nt=nt
耐震スリット工法を施工する工事は、上述したようにコンクリート建築物の外壁にスリットを形成することで耐震性を補強する。スリットを形成する位置、スリットの数、スリット相互の間隔等は、建築物の躯体構造に従って予め計算され、指定される。指定された位置にスリットを形成することで、既存の建築物の耐震性が向上する。
耐震スリット工法では、頑丈な外壁に対してスリットを形成するため、ドリルやコンクリートカッター、ウォルソー等の比較的大型の切削工具又は切削機械が使用される。また、殆どの場合、2階以上の高い位置を含んでスリット形成を行う必要がある。このため、耐震スリット工事は、建築物の大規模修繕と同様、外壁に沿って足場を組んで行われる。
しかしながら、足場を組んで行う工事は大がかりになってしまう欠点がある。また、施工の前に足場を組み上げ、施工後に足場を撤去する必要があり、全体の工期が長くなってしまう欠点もある。さらに、建築物の外壁全体を覆うようにして足場を組む必要があるから、工事のコストも高くなる問題もあるし、外壁が全体に足場で覆われるから、屋内からの景観も大きく悪化する問題もある。大規模修繕工事と併せて行えばこのような問題は小さくなるが、大規模修繕の時期になっていない建築物についてはその手法は採用できない。
また、足場を組んだとしても、ウォルソー等の切削工具又は切削機械は、比較的大型であり、足場を組んだだけでは所定の施工箇所の位置まで運んでいくのは困難で、移動式クレーンのような重機が必要になってしまう場合も多い。このため、コストがさらに上昇したり、大きな作業スペースが必要になってしまったりする問題もある。
本願の発明は、このような課題を解決するために為されたものであり、耐震スリット工法を施工する際、工事が大がかりにならず、工期が短くて済み、コストも安価にでき、且つ屋内からの景観も大きくは悪化せず、また大きな労力を必要としないようにすることを目的としている。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、コンクリート建築物の壁面にスリットを形成することで当該建築物の耐震性を補強する耐震補強工事施工方法であって、ゴンドラ装置を用いた方法であり、
ゴンドラ装置には、ゴンドラ装置全体の重心に対してほぼ均等な位置に三つのウインチが固定されているともに、クレーンがゴンドラ装置内に固定されており、
三つのウインチの固定箇所及び耐震補強工事を行う箇所に合わせて建物の屋上の縁部に三つの滑車を固定する動作を含む屋上準備作業を行う屋上準備工程と、
ゴンドラ装置内にカッター及び集塵機を搭載する搭載工程と、
一端が各ウインチに連結された各ワイヤロープを各滑車に引っ掛け、各ワイヤロープの他端を屋上で固定するワイヤロープ固定工程と、
各ウインチを動作させてゴンドラを昇降させ、耐震補強工事を行う箇所に適合した高さにゴンドラ装置を位置させるゴンドラ昇降工程と、
ゴンドラ昇降工程の後、耐震補強工事に行う箇所にレールを固定するレール固定工程と、
クレーン装置を用いてレールにカッターを装着するカッター装着工程と、
カッター装着工程の後、レールに沿ってカッターを移動させながらカッターを動作させることでスリットを形成するスリット形成工程と、
スリット形成工程の後、クレーンを用いてカッターをレールから取り外すカッター取り外し工程と、
次の箇所に耐震補強工事を行うために再びゴンドラ装置を昇降させるゴンドラ昇降工程とを含む耐震補強工事施工方法であり、
スリット形成工程は、カッターの刃をカバーで覆いながらコンクリート建築物の壁面の切削を行う工程であり、カバー内の粉塵を水を使用することなく集塵機で集めながらスリットを形成する工程であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、コンクリート建築物の壁面にスリットを形成することで当該コンクリート建築物の耐震性を補強する耐震補強工事に用いられる耐震補強工事用ゴンドラ装置であって、
ベース板と、ベース板上に組み立てられた躯体とを備えており、
ベース板又は躯体には、ゴンドラ装置全体の重心に対してほぼ均等な位置に三つのウインチが固定されており、
ベース板又は躯体には、クレーンが固定されており、当該クレーンは、耐震補強用のスリットを形成するカッターを保持して移動させることが可能なものであり、
ベース板又は躯体には、制御ボックスが固定されており、
制御ボックス内には、三つウインチを同期して動作させてゴンドラ装置を昇降させるウインチ制御部と、搭載されたカッターを制御するカッター制御部とが設けられており、
カッター制御部によって制御されるカッターは、ベース板上に搭載された集塵機に接続されたカッターカバーでカッター刃を覆うことで粉塵を飛散させることなく建築物の壁面を切削する乾式のカッターであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願発明によれば、カッターをゴンドラ装置に搭載し、ゴンドラ装置を昇降させながらカッターによりスリット形成を行うので、足場を組む必要がない。このため、工事が大がかりにならず、工期が短くて済み、コストも安価にできる。また、限られたエリアでゴンドラ装置が昇降するのみであるので、屋内からの景観も足場を組む場合に比べると大きくは悪化しない。また、ゴンドラ装置にはクレーンが設けられており、クレーンを使用してカッターの搭載や移動が行えるので、大きな労力を必要としない。
また、カッターを制御する制御ボックスもゴンドラ装置内に設けられているので、作業者がカッターによる切削状況を見ながらカッターによる切削動作の調整を行うことも可能である。
また、三本のワイヤロープゴンドラ装置が吊り下げられるので、ゴンドラ装置全体の重量が大きくなってもゴンドラ装置に揺れが生じて不安定になることはない。
また、カッターによる切削の際に集塵機により粉じんが集められるので、粉じんが飛散して問題になることはない。この際、粉じんの回収は乾式で行われるので、湿式のような困難性や面倒はなく簡便であり、ゴンドラ装置に適している。
本願発明の実施形態に係る耐震補強工事用ゴンドラ装置の斜視概略図である。 実施形態のゴンドラ装置を使用した耐震補強工事の施工について示した概略図であり、屋上準備工程について示した側面断面概略図である。 実施形態のゴンドラ装置を使用した耐震補強工事の施工について示した概略図であり、カッター6がスリットを形成している状況について示した斜視概略図である。 実施形態のゴンドラ装置を使用した耐震補強工事の施工について示した概略図であり、スリット形成工程の手順について示した概略図である。 実施形態のゴンドラ装置を使用した耐震補強工事の施工について示した概略図であり、集塵を行いながらスリット形成を行う状況について示した側面概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係る耐震補強工事用ゴンドラ装置の斜視概略図である。図1に示すゴンドラ装置は、前述した耐震スリット工法の施工に用いられる装置である。このゴンドラ装置は、図1に示すように、ベース板1と、ベース板1上に組み立てられた躯体2とを備えている。
ゴンドラ装置は、図1に示すように建築物の壁面10に沿って吊り下げられるが、説明の都合上、壁面10に近い側を前側とし、これとは反対側を後ろ側とする。左右は、前側に向かった際の左右とする。
ベース板1は剛性の高いスチール製であり、例えば3000×1200mm程度の大きさとなっている。躯体2は、図1に示すような骨格部材であり、同様にスチール製の角材を組み立てて構成されている。
実施形態のゴンドラ装置は、図1に示すように、3本のワイヤロープ31,32,33によって屋上から吊り下げられるものである。ビルの窓ガラスの清掃用のゴンドラの場合、2本のワイヤロープによって吊り下げるものが多いが、実施形態のゴンドラ装置は、後述するように重量の大きな器具を搭載するものであり、また姿勢をより安定化させる必要があるため、3本のワイヤロープ31,32,33によって吊り下げるものとなっている。
3本のワイヤロープ31,32,33の駆動ができるよう、ゴンドラ装置には三つのウインチ41,42,43が固定されている。図1に示すように、建築物の屋上の縁部(以下、パラペットという)11には、三つのガイドアーム51,52,53が固定されている。ガイドアーム51,52,53の先端には、滑車50が設けられており、3本のワイヤロープ31,32,33は、各々滑車50に引っ掛けられて吊り下げられている。3本のワイヤロープ31,32,33の一端は、図1に示すように、各々ウインチ41,42,43に巻き付けられている。各ワイヤロープ31,32,33の他端は、頑丈な固定箇所に固定されている。
まず、左右方向の中央の位置には、第一のウインチ41が固定されている。第一のウインチ41は、躯体2を構成する角材(以下、躯体部材という)21のうち、後ろ側に設けられた水平な躯体部材21に固定されている。この躯体部材21には、第一の支持板411が固定されており、第一のウインチ41は、第一の支持板411に固定されている。
また、左側には第二のウインチ42が固定されている。左側において前後方向に延びる躯体部材21には第二の支持板421が固定されており、第二のウインチ42は、第二の支持板421上に固定されている。そして、右側において前後方向に延びる躯体部材21には第三の支持板431が固定されており、第三の支持板431上には第三のウインチ43が固定されている。
図1に示すように、第一のウインチ41に巻き付けられたワイヤロープ(以下、第一のワイヤロープ)31は、左右方向の中央の位置において垂直方向に延び、中央のガイドアーム51を介して不図示の屋上の固定箇所に締結されている。また、第二のウインチ41に巻き付けられたワイヤロープ(以下、第二のワイヤロープ)32や第三のウインチ43に巻き付けられたワイヤロープ(以下、第三のワイヤロープ)33も同様で、垂直方向に延び、左右のガイドアーム52,53を介して不図示の固定箇所に締結されている。
尚、図1に示すように、第二の支持板421の上方に位置する躯体部材21には、第一のワイヤガイド321が固定されている。また、第三の支持板431のは上方に位置する躯体部材21には、第二のワイヤガイド331が固定されている。第二のワイヤロープ32は、第一のワイヤガイド321に挿通された状態で垂直方向に延びており、第三のワイヤロープ33は、第二のワイヤガイド331に挿通された状態で垂直方向に延びている。
また、第一のワイヤロープ31は、二つのガイドプーリ311,312に引っ掛けられた状態で垂直方向に延びている。二つのガイドプーリ311,312は、水平方向(左右方向)の回転軸の回りに回転可能なものであり、上下に並んで設けられている。第一のワイヤロープ31は、下側のガイドプーリ311に対して後ろ側から引っ掛けられて前側斜め上方に延び、上側のガイドプーリ312の前側に引っ掛けられた状態でそのまま垂直上方に延びている。各ガイドプーリ311,312は、不図示の軸受けを介して躯体部材21に固定されている。
これら各ウインチ41,42,43の固定位置(即ち三つのワイヤロープ31,32,33の位置)は、ゴンドラ装置全体の重心に対するほぼ均等な配置の一例である。「均等な」とは、三つのウインチ41,42,43を動作させた際にゴンドラ装置全体がバランス良く上下動するという意味において均等ということであり、各ウインチ41,42,43の固定位置が重心から等距離にあるということではない。
実施形態のように三本のワイヤロープでゴンドラ装置を均等に吊り下げる場合、二本はゴンドラ装置の左右の側辺に配される。残りの一本は、後ろ側の辺の中央に配される。この場合、左右のワイヤロープの吊り下げ位置が前後方向の中央の位置であると、三つのワイヤロープの中心(水平な面内での中心)がゴンドラ装置全体の重心よりも後ろ側になってしまう。このため、実施形態のゴンドラ装置では、第二第三のウインチ42,43を少し前側の位置にし、第二第三のワイヤロープ32,33は少し前の位置でゴンドラ装置を吊り下げるようになっている。この位置で吊り下げられるよう二つのワイヤガイド321,331の位置が選定されている。
尚、幾何学に均等の位置ということになると、第二第三のワイヤロープ32,33は、ゴンドラ装置の前側の左右の角の位置で吊り下げを行うことになる。これでも良いのであるが、ゴンドラ装置が全体に建築物の側に多少付勢されていた方が良いので、角の位置ではなく、左右方向の中央から少し前の位置で吊り下げを行うようにしている。
このような三本のワイヤロープ31,32,33の吊り下げ位置に応じて、三つのガイドアーム51,52,53の位置や長さが調整されている。即ち、左右のガイドアーム52,53は、第二第三のウインチ42,43の離間間隔の位置で固定され、アームの長さは第二第三のウインチ42,43の前後方向での固定位置に応じた長さとされる。また、中央のガイドアーム51は、第一のウインチ41の前後方向での固定位置に応じた長さとされる。
一方、実施形態のゴンドラ装置内には、クレーン9が固定されている。クレーン9は、主として、耐震補強用のスリットを形成するカッター6を保持して移動させるためのものである。クレーン9は、クレーン支柱91と、クレーン支柱91の上端に連結されたクレーンアーム92と、クレーンアーム92の先端に設けられたクレーンウインチ93とから主に構成されている。
図1に示すように、後ろ側の辺において水平に延びる躯体部材21には、クレーン支柱91が固定されている。クレーンアーム92は、クレーン支柱91の上端に回転可能に連結されている。回転軸は、連結箇所に設けられた垂直な向きのものである。従って、クレームアームは、図1中矢印で示すように、垂直な軸の回りに回転可能である。
クレーンアーム92は、二つの部材で構成されていて伸縮可能となっている。クレーンウインチ93は、先端にフック94を有するワイヤを巻装したものであり、フック94を引き出してフック94に重量物を引っ掛けて保持させることが可能なものである。
また、実施形態のゴンドラ装置は、装置全体の動作を制御したり各部に電力を供給したりするための制御ボックス7を備えている。制御ボックス7は、図1に示すように、躯体2に固定されており、後ろ側において水平に延びる躯体部材21に固定されている。
制御ボックス7の主要な機能の一つは、耐震補強用のスリットを形成するカッター6に電力を供給したりカッター6の動作を制御したりする機能である。従って、制御ボックス7内には、カッター用電源回路とカッター制御回路とが含まれる。
この実施形態では、カッター6としてウォルソーカッターを使用することが想定されている。ウォルソーカッターは、被切断物の予定切断線に沿ってレールを設け、カッター6がレール上を移動するようにしながら切断を行うタイプのカッターである。カッター6としては、ある程度広い幅でコンクリートの切削(スリット形成)が行えるものであることが好ましく、例えば、日本フレキ産業株式会社(本社、東京都西東京市)から販売されている変芯フランジウォルソーNK200−0T等が好適に使用できる。
このようなカッター6には、カッター刃の回転速度、カッター刃を壁面10に対して押し付ける際の強さや深さ、カッター刃をレールに沿って移動させる際の移動速度等の制御信号が送られる。これら制御信号を送る制御回路は、カッター6の製造会社から提供される場合が多いが、いずれにしても制御ボックス7内に搭載されている(即ち、ゴンドラ装置に搭載されている)。
制御ボックス7内には、三つのウインチ41,42,43の駆動用の配電回路や昇降制御回路も設けられている。昇降制御回路は、三つのウインチ41,42,43を同期させて駆動し、ゴンドラ装置全体を上昇又は下降させ、任意の高さの位置にゴンドラ装置が停止するようにするものである。
また、後述する耐震スリット工事の施工方法では、ハンマードリルのようなドリルが使用される。電動のドリルが使用される場合、制御ボックス7はこのドリルの電力供給を行う場合もある。この他、制御ボックス7は、クレーンウインチ93への電力供給も行うようになっている。
尚、制御ボックス7は、地上に設置されている主電源装置にメインケーブルを介して接続されており、各部への電力は、主電源装置から送られるものである。主電源装置は、移動式の発電機である場合が多いが、建築物が備える電源設備が使用されることもある。
また、図1には不図示であるが、制御ボックス7の前面パネルには、各種操作ボタンが設けられている。また、制御ボックス7からある程度離れたゴンドラ装置内の位置でも操作ができるよう、有線式のリモコン71が設けられている。
このようなゴンドラ装置を使用した耐震補強工事の施工について、図2〜5を使用して説明する。以下の説明は、実施形態の耐震補強工事施工方法の説明でもある。
図2〜図5は、実施形態のゴンドラ装置を使用した耐震補強工事の施工について示した概略図である。このうち、図2は、屋上準備工程について示した側面断面概略図である。図3は、カッター6がスリットを形成している状況について示した斜視概略図であり、図4は、スリット形成工程の手順について示した概略図である。また、図5は、集塵を行いながらスリット形成を行う状況について示した側面概略図である。実施形態の方法は、屋上準備工程と、ワイヤロープ固定工程と、搭載工程と、吊り上げ工程と、ゴンドラ昇降工程と、スリット形成工程等を含んでいる。
まず、図2を使用して、屋上準備工程について説明する。図2には、ガイドアーム51,52,53の構成がより詳しく示されている。
屋上準備工程は、耐震補強工事に必要な屋上での準備作業を行う工程である。この工程には、ゴンドラ装置の吊り下げのためのガイドアーム51,52,53の取り付けを含む。
三つのガイドアーム51,52,53は、通常、建築物のエレベータを使用し、台車等に載せて屋上に運ばれる。そして、耐震スリットを形成する箇所に合わせ、パラペット11上の所定の位置に各ガイドアーム51,52,53を取り付ける。
具体的には、パラペット11に養生シート敷設のような養生を行った後、ガイドアーム51,52,53の台座500を取り付ける。台座500は、図2に示すように万力に似た締結具501を備えており、締結具501の先端をパラペット11の内壁面10に押し付けて締結する。
ガイドアーム51,52,53は、台座500に連結ボルト502により連結される。ガイドアーム51,52,53には、長さ方向に沿って幾つかボルト孔が形成されており、適宜のボルト孔を選択することでガイドアーム51,52,53の壁面10からの突出長さが調整される。
また、ガイドアーム51,52,53の先端には、支え棒503が固定されている。支え棒503は、ガイドアーム51,52,53に掛かる荷重を支えるためのものであり、ガイドアーム51,52,53の先端から斜め下方に壁面10に向けて延びている。支え棒503の先端は壁面10に当接するが、壁面10の損傷を防止すための緩衝部504が先端に設けられている。図2に示すように、台座500をパラペット11に固定した後、ガイドアーム51,52,53を台座500に連結すると、支え棒503の先端が壁面10に当接し、ガイドアーム51,52,53の姿勢が安定するようになっている。
このようにガイドアーム51,52,53を取り付けた後、ガイドアーム51,52,53の先端に設けられた滑車50にワイヤロープ31,32,33を引っ掛け、ワイヤロープ31,32,33の先端を台座500に設けられた固定部505に固定する。ワイヤロープ31,32,33の先端には、予め固定ピン30が必要な強度で固定されており、台座500にはピン用孔が設けられている。このピン用孔に通すことで固定ピン30が台座500に固定される。尚、固定ピン30には、不図示の脱落防止ワイヤの一端が引っ掛けられ、脱落防止ワイヤの他端は、屋上に根元が埋設されているフックのような頑丈な構造物に連結される。
このようにして三つのガイドアーム51,52,53をそれぞれ取り付け、それぞれにワイヤロープ31,32,33を懸架すると、屋上準備工程は終了である。尚、各ワイヤロープ31,32,33は、屋上から地上まで垂らされる。
次に、ゴンドラ装置の吊り上げ工程と、機器の搭載工程とを行う。ゴンドラ装置は、施工場所(建築物のある場所)にトラックで運ばれ、三本のワイヤロープ31,32,33が垂らされている場所まで移動される。図1に示すように、ベース板1の下面にはキャスター100が設けられており、この移動を容易にしている。
所定位置にゴンドラ装置を移動させた後、ワイヤロープ31,32,33をそれぞれウインチ41,42,43に締結する。即ち、第一のワイヤロープ31については、二つのガイドプーリ311,312に引っ掛けならが第一のウインチ41に締結する。第二第三のワイヤロープ32,33については、ワイヤガイド321,331に通し、第二第三のウインチ42,43にそれぞれ締結する。
また、クレーン9を使用しながらカッター6をゴンドラ装置に搭載する。即ち、トラック等で運ばれたカッター6をクレーンウインチ93のワイヤの先端のフック94に引っ掛けて吊り上げ、ゴンドラ装置に内に移動させる。そして、ワイヤを引き出してカッター6をいったんベース板1上に載置する。この際、クレーンアーム92は、必要な回転動作をし、クレーンアーム92は必要な伸縮動作をする。
尚、カッター6の搭載は、各ワイヤロープ31,32,33のウインチ41,42,43への締結動作の前又は後のどちらでも良いが、ワイヤロープ31,32,33がカッター6の搭載に邪魔になるようであれば、カッター6の搭載をした後に各ワイヤロープ31,32,33の締結を行うようにする。尚、カッター6の搭載後、カッター6は、制御ボックス7内の電源回路や制御回路にケーブルで接続される。
また、実施形態の施工方法では、カッター6とドリル(不図示)を併用する。従って、搭載工程ではドリルもゴンドラ装置に搭載される。ドリルとしては、例えば電動式のハンマードリルが使用される。
さらに、粉じんの飛散を防止しながら耐震スリット工事を行うため、ゴンドラ装置には集塵機(図1中不図示)と、カッターカバー(図1中不図示)と、集塵ホース(図1中不図示)等が搭載される。集塵機としては、例えば、HILTI社製のバキュームクリーナーVC40−Uを使用することができる。
このようにしてゴンドラ装置の吊り下げと、各機器の搭載が完了した後、ゴンドラ装置の吊り下げの安全確認等をし、その後、ゴンドラ装置の昇降工程が行われる。即ち、耐震スリットを形成する場所の高さまでゴンドラ装置を上昇させる。この動作は、ゴンドラ装置に作業員が乗り込み、ゴンドラ装置内で制御ボックス7を操作し、各ウインチ41,42,43を同期して駆動することにより行う。即ち、作業員がリモコン71を持ち、各ウインチ41,42,43を駆動させるスイッチを押した後、スリット形成箇所の高さまでゴンドラ装置が上昇したら、各ウインチ41,42,43を停止させるスイッチを押す。尚、建築物の壁面10には、予め耐震スリットを形成する箇所にマーキングがされている。作業者は、このマーキングを目印にしてゴンドラ装置を昇降させ、マーキングの箇所に耐震スリットを形成するのに最適な高さにゴンドラ装置を位置させる。
このようにしてゴンドラ昇降工程を行った後、スリット形成工程が行われる。この実施形態では、カッター6とドリルを併用しながらスリット形成が行われる。スリット形成工程について、図3及び図4を参照しながら説明する。尚、図4の(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)は正面概略図であり、(1−2)、(2−2)、(3−2)、(4−2)は側面断面概略図である。
スリット形成工程では、まず、ドリルを使用してはつり作業を行う。はつり作業は、スリット形成領域の上端部と下端部に予め穴開けする作業である。穴開けは、図4(1−1(1−2)に示すように、上端部及び下端部のそれぞれに例えば三つ程度行われ、穴三つ程度の長さの溝10Hが形成される。
次に、カッター6を使用してスリット形成が行われる。この実施形態では、ウォルソーカッターが使用されるので、切削に先立ってレール61の固定作業が行われる。レール61は、図3に示すように、スリット形成領域の脇の位置において上下方向に延びるように固定される。スリット形成領域とレール61との距離は、使用するカッター6の仕様に従って指定された距離とされる。レール61は、必要に応じてドリルを使用しながらボルトでしっかりと壁面10に固定される。
レール61の固定後、レール61にカッター6を装着する。この装着には、クレーン9が使用される。クレーンウインチ93が駆動されてカッター6を持ち上げる。作業は、手作業でクレーンアーム92を回したり、クレーンアーム92の伸縮をしたりしながら、クレーンウインチ93が持ち上げたカッター6をレール61の位置まで移動させ、レール61に装着する。カッター6の装着位置は、はつり作業を行った上端位置から切削を開始する位置である。
その後、制御ボックス7の前面のスイッチ又はリモコン71上のスイッチを操作し、カッター6を動作させる。これによりカッター6が切削を開始する。カッター刃60による切削深さやレール61上のカッター刃60の移動速度が予め定められて予め制御信号として制御ボックス7内の制御回路に入力されている。カッター6は、この制御信号に従って制御され、所定の切削深さで切削を行いながら上端部から下端部まで、図3及び図4の(2−1)(2−2)に示すように切削を行う。この結果、図4の(3−1)(3−2)に示すように、スリット10Sが形成された状態となる。
カッター6によるスリット10Sの形成の際、この実施形態の方法では、乾式法により粉じんの飛散防止を行う。即ち、図5に示すように、カッター刃60を覆うようにしてカッターカバー62が取り付けられる。カッターカバー62は、集塵ホース82により集塵機81に接続されている。作業者は、カッター6とともに集塵機81も動作させ、カッター刃60から飛散する粉じんをカッターカバー62内に封じ込めながら、集塵機81で集める。
このようにしてスリット10Sの形成が終了したら、クレーン9でカッター6を保持しながらカッター6をレール61から取り外し、ベース板1の上に置く。そして、レール61を取り外す。その後、図4の(4−1)(4−2)に示すように、スリット10S内に緩衝材10Bが充填され、カバー10Cでスリット10Sを塞いでシールする。緩衝材10Bとしてはソフトロックウール(例えば(株)東京パイロン販売から販売されているNNソフトロックウール)が使用される。カバー10Cはコーキング材で形成され、内部に雨水が浸入しないようにする。コーキングの下地としてシート状の部材が介在されることがある。また、レール61の固定の際に開けた穴も充填材を充填して塞いでおく。これにより一つのスリット形成箇所に対するスリット形成工程は、終了する。
次に、ゴンドラ装置の昇降工程を再び行い、次のスリット形成箇所に対するスリット形成を行う。これは、次のスリット形成箇所は、水平方向において同じ位置(同一鉛直線上の位置)にある場合である。作業者は、リモコン71を操作して各ウインチ41,42,43を同期駆動し、ゴンドラ装置を上昇又は下降させ、次のスリット形成箇所の高さにゴンドラ装置に位置させる。
この位置でゴンドラ装置を静止させながら、ドリルによるはつり作業とカッター6による切削作業を行い、同様にスリット10Sを形成する。そして、形成したスリット10S内に緩衝材10Bを充填した後、カバー10Cでスリット10Hを塞いでシールする。
このようにして同一沿直線上に位置するすべてのスリット形成箇所に対してスリット形成を行う。各スリット形成箇所に対するスリット形成は、最も下のスリット形成箇所から始めて順次ゴンドラ装置を上昇させながら行っても良いし、最も上のスリット形成箇所から始めて順次ゴンドラ装置を下降させながら行っても良い。
このようにして同一鉛直線上に位置するすべてのスリット形成箇所に対してスリット形成工程を行った後、水平方向において別の位置(別の鉛直線上の位置)にあるスリット形成箇所に対してスリット形成工程を行うための準備作業を行う。即ち、ゴンドラ装置内の作業者がリモコン71を操作してゴンドラ装置を下降させ、いったん地上まで戻す。そして、各ウインチ41,42,43を緩めて各ワイヤロープ31,32,33をいったん取り外す。そして、ゴンドラ装置を地上で移動させ、次の鉛直線上の各スリット形成箇所の直下の位置に位置させる。
次に、屋上にいる作業員が各ガイドアーム51,52,53の締結具501を緩め、各ガイドアーム51,52,53を次の鉛直線上の各スリット形成箇所に応じた位置に移動させて固定し直す。その後、同様に各ガイドアーム51,52,53に各ワイヤロープ31,32,33を掛け直し、各ワイヤロープ31,32,33の一端を各ウインチ41,42,43に締結するとともに他端をガイドアーム51,52,53の固定ピン30に再び固定する。その後は、上述したのと同様であり、ゴンドラ装置を順次上昇又は下降させながら、各スリット形成箇所に対してスリット形成と緩衝材の充填等を行う。上記の動作を繰り返しながら、一つの建築物における全ての壁面10について必要なスリット形成工程を行うと、その建築物の耐震補強工事が完了したことになる。
尚、一つのスリット形成箇所へのスリット形成が終了した後、その左側又は右側のスリット形成箇所までの離間間隔がゴンドラ装置の幅より小さい場合には、ゴンドラ装置を水平方向に移動させずに(各ガイドアーム51,52,52の移動やワイヤロープ31,32,33の掛け直しをせずに)、クレーン9によりカッター6を装着し直すことで次のスリット形成を行う場合もあり得る。
上述したゴンドラ装置及びゴンドラ装置を使用した耐震補強工事施工方法によれば、カッター6をゴンドラ装置に搭載し、ゴンドラ装置を昇降させながらカッター6によりスリット形成を行うので、足場を組む必要がない。このため、工事が大がかりにならず、工期が短くて済み、コストも安価にできる。また、限られたエリアでゴンドラ装置が昇降するのみであるので、屋内からの景観も足場を組む場合に比べると大きくは悪化しない。また、ゴンドラ装置にはクレーン9が設けられており、クレーン9を使用してカッター6の搭載や移動が行えるので、大きな労力を必要としない。
また、カッター6を制御する制御ボックス7もゴンドラ装置内に設けられているので、作業者がカッター6による切削状況を見ながらカッター6による切削動作の調整を行うことも可能である。例えば、壁面10が当初の予想よりも硬くて思うように切削が進まない場合に、切削強度を高めるように調整することも可能である。
このようにカッター6や制御ボックス7等が搭載されるので、実施形態のゴンドラ装置は、窓ガラスクリーニング等で使用されるゴンドラ装置に比べてかなりの重量となる。この場合、二本のワイヤロープで吊り下げられるタイプのものであると、ゴンドラ装置が安定しなかったり、安全性の点で懸念が生じたりする恐れがある。特に、クレーン9を動作させたりカッター6を動作させたりすると、反動でゴンドラ装置に揺れが生じ易いが、実施形態のゴンドラ装置では、三本のワイヤロープ31,32,33で吊り下げられるので、ゴンドラ装置に揺れが生じて不安定になることはない。
また、カッター6による切削の際に集塵機81により粉じんが集められるので、粉じんが飛散して問題になることはない。粉じんの飛散は、マンションのような住居用の建築物の場合に特に問題になるが、実施形態の装置や方法ではこの問題はない。
尚、粉じんの回収には湿式即ち水を使用して行う方式もあるが、実施形態の装置や方法では乾式即ち水を使用しない。この点は、ゴンドラ方式であることに関連して顕著な意義を有する。即ち、足場のように定常的な構造物が設置される場合には、給水ホースを敷設することも容易であり、非現実的な方法ではない。しかしがら、ゴンドラ方式の場合、ゴンドラ装置が適宜昇降しながらスリット形成が行われるので、そこに粉じん回収用の水を供給するのは困難である。地上からホースで給水する場合、ポンプでかなりの圧力で給水しなければならないし、屋上から給水する場合にも、屋上にいったん大量の水を溜めなけれならず、困難で面倒である。そして、湿式の場合には、排水中に粉じんが混ざるので、排水を処理してから廃棄しなければならず、この点でも面倒である。乾式の場合、このような困難性や面倒はなく、簡便である。尚、粉じんの飛散防止の観点では、ゴンドラ装置の側面全体をシートで覆うようにすることも効果的である。
また、実施形態の方法では、カッター6とドリルとを併用してスリット形成を行うので、均一な深さのスリットが形成でき、耐震補強の効果が不十分になることがない。カッター6のみでスリット形成を行うと、カッター刃60が円盤状であることから、スリットの上端部と下端部とでどうしても削り残しができてしまう。つまり、薄い直方体状の空間を成すようにスリットを形成することができない。実施形態のようにドリルを併用して上端部と下端部とではつり作業を行うと、削り残し無くスリットを形成することができる。尚、はつり作業はカッター6による切削の後に行っても良い。
また、図1では一つのみの制御ボックス7が示されているが、カッター6用や各ウインチ41,42,43用等にそれぞれ別の制御ボックスを設ける場合もある。いずれにしても制御ボックスがゴンドラ装置内に設けるようにすれば、制御ボックス7の操作(各部の制御)を地上や屋上からではなくゴンドラ装置内で作業員が行うことができ、作業性が向上する。
尚、ドリルを併用することは上述したような効果があるが、カッターのみでスリットを形成した場合でも、耐震補強の効果は得られる。従って、ドリルによるはつり作業は必須要件ではない。
また、ウインチ41,42,43、クレーン9、制御ボックス7等は躯体2に固定されたが、ベース板1に固定されてていも良い。ゴンドラ装置を構成する構造部材のどれかに固定されていれば良い。
尚、スリット形成を行う壁面は、主として外壁であるが、屋内の壁面に対して行う場合もあり得る。
1 ベース板
2 躯体
21 躯体部材
31 ワイヤロープ
32 ワイヤロープ
33 ワイヤロープ
41 ウインチ
42 ウインチ
43 ウインチ
50 滑車
51 ガイドアーム
52 ガイドアーム
53 ガイドアーム
6 カッター
60 カッター刃
61 レール
62 カッターカバー
7 制御ボックス
81 集塵機
82 集塵ホース
9 クレーン
91 クレーン支柱
92 クレーンアーム
93 クレーンウインチ
10 壁面
10S スリット
11 パラペット

Claims (2)

  1. コンクリート建築物の壁面にスリットを形成することで当該建築物の耐震性を補強する耐震補強工事施工方法であって、ゴンドラ装置を用いた方法であり、
    ゴンドラ装置には、ゴンドラ装置全体の重心に対してほぼ均等な位置に三つのウインチが固定されているともに、クレーンがゴンドラ装置内に固定されており、
    三つのウインチの固定箇所及び耐震補強工事を行う箇所に合わせて建物の屋上の縁部に三つの滑車を固定する動作を含む屋上準備作業を行う屋上準備工程と、
    ゴンドラ装置内にカッター及び集塵機を搭載する搭載工程と、
    一端が各ウインチに連結された各ワイヤロープを各滑車に引っ掛け、各ワイヤロープの他端を屋上で固定するワイヤロープ固定工程と、
    各ウインチを動作させてゴンドラを昇降させ、耐震補強工事を行う箇所に適合した高さにゴンドラ装置を位置させるゴンドラ昇降工程と、
    ゴンドラ昇降工程の後、耐震補強工事に行う箇所にレールを固定するレール固定工程と、
    クレーン装置を用いてレールにカッターを装着するカッター装着工程と、
    カッター装着工程の後、レールに沿ってカッターを移動させながらカッターを動作させることでスリットを形成するスリット形成工程と、
    スリット形成工程の後、クレーンを用いてカッターをレールから取り外すカッター取り外し工程と、
    次の箇所に耐震補強工事を行うために再びゴンドラ装置を昇降させるゴンドラ昇降工程とを含む耐震補強工事施工方法であり、
    スリット形成工程は、カッターの刃をカバーで覆いながらコンクリート建築物の壁面の切削を行う工程であり、カバー内の粉塵を水を使用することなく集塵機で集めながらスリットを形成する工程であることを特徴とする耐震補強工事施工方法。
  2. コンクリート建築物の壁面にスリットを形成することで当該コンクリート建築物の耐震性を補強する耐震補強工事に用いられる耐震補強工事用ゴンドラ装置であって、
    ベース板と、ベース板上に組み立てられた躯体とを備えており、
    ベース板又は躯体には、ゴンドラ装置全体の重心に対してほぼ均等な位置に三つのウインチが固定されており、
    ベース板又は躯体には、クレーンが固定されており、当該クレーンは、耐震補強用のスリットを形成するカッターを保持して移動させることが可能なものであり、
    ベース板又は躯体には、制御ボックスが固定されており、
    制御ボックス内には、三つウインチを同期して動作させてゴンドラ装置を昇降させるウインチ制御部と、搭載されたカッターを制御するカッター制御部とが設けられており、
    カッター制御部によって制御されるカッターは、ベース板上に搭載された集塵機に接続されたカッターカバーでカッター刃を覆うことで粉塵を飛散させることなく建築物の壁面を切削する乾式のカッターであることを特徴とする耐震補強用ゴンドラ装置。
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