JP2014199100A - ドグクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】ドグ歯同士の噛み合い速度の向上と、ドグ歯同士の当接後のシフトフォークにおけるスラスト荷重の発生防止とが両立可能なドグクラッチを提供する。【解決手段】シフターとしての駆動ギア58b及び変速ギアとしての駆動ギア58aにそれぞれ側方に突出するとともに当接し合うドグ歯58f,58eが形成され、ドグ歯58f,58eに、互いに当接するとともに付け根部よりも先端部が周方向に突出するように径方向に対して傾斜した傾斜面72m,72nを備えるドグクラッチ65において、駆動ギア58b及び駆動ギア58aのそれぞれの傾斜面72m,72nには、駆動ギア58bが軸方向移動しながら噛み合いが進行している途中で互いに当接する軸方向且つ径方向に延びる平坦面72pが部分的に形成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、シフター及び変速ギアにそれぞれ当接し合うように設けられるドグ歯の形状が改良されたドグクラッチに関する。
それぞれドグ歯を有するシフター及び変速ギアからなるドグクラッチとして、シフターのドグ歯が、付け根部よりも先端部が周方向に幅が大きくなるように逆テーパー状に形成されて径方向に対して傾斜した当接面を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記ドグクラッチにおいて、シフト操作時、ドグ歯の傾斜した当接面同士が当り始めると、シフターと変速ギアとの回転速度差によって当接面に、シフターが変速ギアに引き寄せられる軸方向分力が作用し、ドグ歯同士の噛み合い速度を増加させることが可能になる。
特開2008−248914号公報
特許文献1では、ドグ歯の当接面同士の当接後も、軸方向分力によって変速ギア側にシフターが引き寄せられるため、シフターを移動させるシフトフォークのスラスト荷重が増大する。そのため、シフトフォークの表面処理を追加するなどコスト増となる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、ドグ歯同士の噛み合い速度の向上と、ドグ歯同士の当接後のシフトフォークにおけるスラスト荷重の発生防止とが両立可能なドグクラッチを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、変速機(50)の回転軸(56)に回転を規制されながら軸方向移動可能に設けられるシフター(58b)と、前記回転軸(56)に回転可能に支持されながら軸方向移動が規制される変速ギア(58a)とを備え、前記シフター(58b)及び前記変速ギア(58a)にそれぞれ側方に突出するとともに当接し合うドグ歯(58e,58f)が形成され、ドグ歯(58e,58f)に、互いに当接するとともに付け根部(72e)よりも先端部(72k)が周方向に突出するように径方向に対して傾斜した傾斜面(72m,72n)を備えるドグクラッチにおいて、前記シフター(58b)及び前記変速ギア(58a)のそれぞれの前記傾斜面(72m,72n)には、前記シフター(58b)が軸方向移動しながら噛み合いが進行している途中で互いに当接する軸方向且つ径方向に延びる平坦面(72p)が部分的に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ドグ歯の噛み合い始めには、傾斜面に作用する軸方向分力によって、噛み合いスピードを高めたり、ドグ歯の浅噛みを防止したりすることができ、また、ドグ歯の噛み合い途中で、平坦面同士を当接させて平坦面には軸方向分力が発生しないようにすることができる。
上記構成において、前記シフター(58b)と前記変速ギア(58a)との互いの前記平坦面(72p)が当接した後に、前記シフター(58b)の軸方向移動が完了するまでに、前記傾斜面(72m,72n)同士に隙間(75)が発生するように前記傾斜面(72m,72n)と前記平坦面(72p)との位置関係が設定されるようにしても良い。この構成によれば、傾斜面同士を離間させて、シフターの所定の軸方向移動範囲でスラスト荷重を減らすことが可能となる。
また、上記構成において、前記傾斜面(72m,72n)は、前記平坦面(72p)の径方向内側の端部又は径方向外側の端部に形成されるようにしても良い。この構成によれば、傾斜面を加工によって形成する際、平坦面の径方向内側の端部又は径方向外側の端部から刃具を入れる方が加工しやすく、傾斜面を容易に形成することができる。
本発明は、シフター及び変速ギアのそれぞれの傾斜面には、シフターが軸方向移動しながら噛み合いが進行している途中で互いに当接する軸方向且つ径方向に延びる平坦面が部分的に形成されているので、ドグ歯の噛み合い始めには、傾斜面に作用する軸方向分力によって、噛み合いスピードを高めたり、ドグ歯の浅噛みを防止したりすることができ、また、ドグ歯の噛み合い途中で、平坦面同士を当接させて平坦面には軸方向分力が発生しないようにすることができる。
また、シフターと変速ギアとの互いの平坦面が当接した後に、シフターの軸方向移動が完了するまでに、傾斜面同士に隙間が発生するように傾斜面と平坦面との位置関係が設定されるので、傾斜面同士を離間させて、シフターの所定の軸方向移動範囲でスラスト荷重を減らすことが可能となる。
また、傾斜面は、平坦面の径方向内側の端部又は径方向外側の端部に形成されるので、傾斜面を加工によって形成する際、平坦面の径方向内側の端部又は径方向外側の端部から刃具を入れる方が加工しやすく、傾斜面を容易に形成することができる。
本発明の第1実施形態に係る変速装置を備えた自動二輪車の左側面図である。 パワーユニットの断面平面図である。 変速機を示す要部断面図である。 駆動ギアのドグ歯形状を示す側面図である。 ドグ歯の概略形状を示す斜視図である。 ドグ歯の断面を示す説明図である。 第1実施形態のドグ歯の噛み合いの作用を示す作用図である。 第2実施形態のドグ歯の概略形状を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る変速装置を備えた自動二輪車10の左側面図である。
自動二輪車10は、ヘッドパイプ(不図示)に回動可能に軸支されたハンドル11と、ハンドル11により操舵される前輪12と、駆動輪である後輪13と、運転者が着座するシート14と、後輪13にチェーン15を介して駆動力を供給するパワーユニット16と、パワーユニット16の制御を行う制御ユニット17(制御部)と、バッテリ18とを有する。
自動二輪車10は不図示の車体フレームをベースに構成されており、この車体フレームは車体カバー19により覆われている。制御ユニット17及びバッテリ18はシート14の下部で、車体カバー19の内部に配置されている。パワーユニット16は、前輪12と後輪13との略中間で、シート14の下方斜め前方に設けられている。運転者用のステップ20は、パワーユニット16の下部に左右一対設けられている。
次に、パワーユニット16の構成について説明する。
図2は、パワーユニット16の断面平面図である。図2では、左右方向が車幅方向、上方向が車両前方、下方向が車両後方に相当する。
パワーユニット16は、マニュアルトランスミッションである変速機50を備え、この変速機構Tでは、変速用クラッチ機構51の切替え及び変速段(シフト)の切替えが行われる。
パワーユニット16は、走行駆動力を発生するエンジン21と、発電機22と、エンジン21のクランク軸23に設けられた発進クラッチ24と、発進クラッチ24を介して出力されたクランク軸23の駆動力を変速して出力する変速機構Tとを備える。
パワーユニット16は、シリンダヘッド30a、シリンダ30b及びクランクケース30cが一体的に結合して構成される。クランク軸23は複数のベアリング31によって回転自在に軸支されている。エンジン21は、コンロッド32を介してクランク軸23に連結されたピストン33と、点火プラグ34と、不図示のバルブを開閉動作させて燃焼室35に対する吸排気を行う動弁機構36とを有する。動弁機構36はクランク軸23からタイミングチェーン36aを介して駆動される。
発進クラッチ24は、発進時及び停止時にクランク軸23とプライマリギア37との間を接続及び切断するものであり、クランク軸23の右端部に配置されている。この発進クラッチ24は、クランク軸23の外周に対して相対回転可能なスリーブ38の一端に固定されたカップ状のアウタケース39と、スリーブ38に設けられたプライマリギア37と、クランク軸23の右端部に固定されたアウタプレート40と、アウタプレート40の外周部にウェイト41を介して半径方向外側を向くように取り付けられたシュー42と、シュー42を半径方向内側に付勢するためのスプリング43とを有する。発進クラッチ24では、エンジン回転数が所定値以下の場合にアウタケース39とシュー42とが離間しており、クランク軸23と変速機構Tとの間が遮断状態(動力が伝達されない切り離し状態)となっている。エンジン回転数が上昇し所定値を超えると、遠心力によってウェイト41がスプリング43に抗して半径方向外側に移動することで、シュー42がアウタケース39の内周面に当接する。これにより、クランク軸23の回転がアウタケース39を介してプライマリギア37に伝達され、動力が伝達される接続状態となる。
クランクケース30cは、発進クラッチ24及び変速用クラッチ機構51(多板クラッチ)を覆うクランクケースカバー30dを右側面に備える。クランクケースカバー30dを取り外すと、発進クラッチ24及び変速用クラッチ機構51は外側に露出する。
変速機構Tは、前進4段の変速機50と、クランク軸23側と変速機50との間の接続を切り替える変速用クラッチ機構51と、変速用クラッチ機構51を操作するクラッチ操作機構52と、変速機50を変速するギヤチェンジ機構53と、クラッチ操作機構52とを備える。
変速機50は、変速用クラッチ機構51から供給される回転を、制御ユニット17の指示に基づいて変速して後輪13に伝達する。この変速機50は、入力軸としてのメイン軸56と、メイン軸56に対して平行配置されたカウンタ軸57と、メイン軸56に設けられた駆動ギア58a,58b,58c及び58dと、カウンタ軸57に設けられた従動ギア59a,59b,59c及び59dと、駆動ギア58aに係合するシフトフォーク60aと、従動ギア59cに係合するシフトフォーク60bと、シフトフォーク60a,60bを軸方向にスライド自在に保持する支持軸61と、シフトフォーク60a,60bの端部を溝62a,62bに沿わせながらスライドさせるシフトドラム63とを有する常時噛み合い式の変速機である。駆動ギア58a,58b,58c,58dは、この順に従動ギア59a,59b、59c,59dと噛合している。駆動ギア58bは左右にスライドしたとき、隣接する駆動ギア58a又は58cに側面のドグ歯が係合し、従動ギア59cは左右にスライドしたとき、隣接する従動ギア59b又は59dに側面のドグ歯が係合する。
駆動ギア58a,58cはメイン軸56に対して回転自在に保持され、従動ギア59b,59dはカウンタ軸57に対して回転自在に保持されている。駆動ギア58b及び従動ギア59cはメイン軸56及びカウンタ軸57に対してスプライン結合されており、メイン軸56に対して相対回転不能且つ軸方向にスライド可能である。駆動ギア58d及び従動ギア59aはメイン軸56及びカウンタ軸57に固定されている。
シフトドラム63がアクチュエータ機構により駆動されて回転すると、シフトフォーク60a,60bはシフトドラム63の溝62a,62bに沿って軸方向に移動し、駆動ギア58b及び従動ギア59cは変速段に応じてスライドする。
変速機50では、駆動ギア58b及び従動ギア59cのスライドに応じて、メイン軸56及びカウンタ軸57間で、ニュートラル状態、または、1速〜4速の何れかの変速歯車対を選択的に用いた動力伝達が可能となる。
メイン軸56及びカウンタ軸57は、ベアリング64a,64b,66a,66bによって回転自在に保持されている。
カウンタ軸57の端部にはスプロケット67が設けられ、スプロケット67はチェーン15を介して後輪13に回転を伝達する。また、カウンタ軸57の近傍には、非接触でカウンタ軸57の回転速度を検出する車速センサ68が設けられている。車速センサ68が検出するカウンタ軸57の回転速度は車速を示すことになる。
エンジン21は、クランク軸23から変速用クラッチ機構51への入力回転速度を検出する入力回転センサ45、及び、メイン軸56の出力回転速度を検出する出力回転センサ46を備える。また、自動二輪車10は、吸気装置のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ(不図示)を備える。車速センサ68、入力回転センサ45、出力回転センサ46及び上記スロットル開度センサは、検出値を制御ユニット17に供給する。
図3は、変速機50を示す要部断面図である。図3(A)は変速機50の要部拡大図、図3(B)は、駆動ギア58bを軸方向移動させて変速する状態を示す図である。
図3(A)に示すように、駆動ギア58aは、メイン軸56に回転自在に支持されるとともに軸方向移動が規制され、側面に、駆動ギア58b側に突出する複数のドグ歯58eが一体に形成されている。
駆動ギア58bは、メイン軸56にスプライン結合されるとともに軸方向に移動可能に支持され、側面に、駆動ギア58a側に突出する複数のドグ歯58fが一体に形成されている。なお、符号58gは、駆動ギア58bの側面から駆動ギア58c(図2参照)側に突出する複数のドグ歯、58hはシフトフォーク60a(図2参照)が係合するように駆動ギア58bの外周面に形成された環状溝である。
上記の駆動ギア58aのドグ歯58eと駆動ギア58bのドグ歯58fとは、ドグクラッチ65を構成している。
図3(B)は、メイン軸56、駆動ギア58a,58bが回転している状態で、白抜き矢印で示すように、図3(A)に示した駆動ギア58bを駆動ギア58a側に軸方向移動させ、駆動ギア58bの複数のドグ歯58fを、駆動ギア58aの複数のドグ歯58eにそれぞれ噛み合わせた状態を示している。
図4は、駆動ギア58a,58bのドグ歯形状を示す側面図である。図4(A)は駆動ギア58aの側面図、図4(B)は駆動ギア58bの側面図である。
図4(A)に示すように、駆動ギア58aは、中央にメイン軸56(図2参照)と嵌合する嵌合穴71aが開けられたボス部71bと、このボス部71bの外周部に形成された複数の歯部71cと、ボス部71bの側面71dに側方に突出するように周方向に等間隔に形成された複数のドグ歯58eとを備える。
ドグ歯58eは、側面視が略扇形状であり、内壁71fと、外壁71gと、周方向に面する2つの側壁71h,71jとを備え、一方の側壁71jが駆動ギア58b(図4(B)参照)のドグ歯58fと当接して(噛み合って)動力伝達が行われる。なお、黒丸で示す符号58Jは駆動ギア58aの中心を通って軸方向(紙面の表裏方向)に延びる軸線であり、上記側壁71hは軸線58Jを通る平面上に位置し、側壁71jは、その一部が軸線58Jを通る平面上に位置する。
図4(B)に示すように、駆動ギア58bは、シフターであり、中央にメイン軸56(図2参照)とスプライン結合する雌スプライン72aが形成されたボス部72bと、このボス部72bの外周部に形成された複数の歯部72cと、ボス部72bの側面72dに側方に突出するように周方向に等間隔に形成された複数のドグ歯58fとを備える。
ドグ歯58fは、側面視が略扇形状であって駆動ギア58a(図4(A)参照)のドグ歯58e(図4(A)参照)と同形状であり、内壁72fと、外壁72gと、周方向に面する2つの側壁72h,72jとを備え、一方の側壁72jが図4(A)に示した駆動ギア58aのドグ歯58eの側壁71jと当接して(噛み合って)動力伝達が行われる。なお、図4(B)に黒丸で示す符号58Kは駆動ギア58bの中心を通って軸方向(紙面の表裏方向)に延びる軸線であり、上記側壁72hは軸線58Kを通る平面上に位置し、側壁72jは、その一部が軸線58Kを通る平面上に位置する。
図5は、ドグ歯58fの概略形状を示す斜視図である。
ドグ歯58fは、ドグ歯58e(図4(A)参照)と同一形状であり、以下では、ドグ歯58fについて説明する。なお、矢印はドグ歯58fの回転方向である。
ドグ歯58fの側壁72jは、想像線で示した径方向に延びる平面72Lに対して傾斜した2つの傾斜面72m,72nと、平面72L上にあって傾斜面72m,72nの間に径方向に延びるように形成された平坦面72pとからなる。
傾斜面72m,72nは、ドグ歯58fの先端部72k側の上辺72q,72qが平面72Lに対して側壁72hとは反対側に突出し、ドグ歯58fの付け根部72e側の下辺72r,72rが平面72Lに対して側壁72h側寄りに位置するように傾斜した面である。換言すれば、傾斜面72m,72nは、上辺72qが下辺72rよりも周方向に突出するように傾斜している。
平坦面72pは、その上辺72sが、傾斜面72m,72nの上辺72q,72qよりも側壁72hの近くに位置し、下辺72tが、傾斜面72m,72nの下辺72r,72rよりも側壁72hから遠くに位置する。平坦面72pの上辺72sが、傾斜面72m,72nの上辺72qよりも回転方向に対して後退する後退距離をBLとし、平坦面72pの下辺72tが、傾斜面72m,72nの下辺72rよりも回転方向に対して前進する前進距離をFLとすると、前進距離FL>後退距離BLとなる。従って、傾斜面72m,72nの内辺72uと平坦面72pの側辺72vとの交点72wの高さHCは、平坦面72pの高さHの中央より高くなっている。
図6は、ドグ歯58fの断面を示す説明図である。図6(A)はドグ歯58fの要部側面図、図6(B)は、図6(A)のB−B線断面図、図6(C)は図6(A)のC−C線断面図である。
図6(A)に示すように、ドグ歯58fの側壁72jには、その内周部及び外周部に形成された傾斜面72m,72nと、傾斜面72m,72nの間に形成された平坦面72pとを備える。
図6(B)に示すように、平坦面72pは、軸線58K(図4(B)参照)を通って径方向に延びる平面72L上に配置されている。
図6(C)に示すように、傾斜面72mは、平面72L(及び平坦面72p)に対して角度θだけ傾斜した面である。ドグ歯58fの付け根部72e側では、平坦面72pの方が傾斜面72mより周方向に突出し、ドグ歯58fの先端部72k側では、傾斜面72mの方が平坦面72pより周方向に突出している。図6(A)に示した傾斜面72nの断面形状についても、傾斜面72mと同様である。
以上に述べたドグ歯58e,58fの噛み合いの作用を次に説明する。
図7は、第1実施形態のドグ歯58e,58fの噛み合いの作用を示す作用図であり、図7(A)〜(D)にて順にドグ歯58e,58fの噛み合いの作用を説明する。
図7(A)に示すように、ドグ歯58e,58fのそれぞれの傾斜面72m,72nの周方向(図の左右方向)の中央に軸方向(図の上下方向)に延びる直線73及び直線74を引いたときに、それぞれの平坦面72pは直線73,74よりも突出している。このようなドグ歯58e,58fの形状が、以下作用を生み出している。
図7(A)において、駆動ギア58a及び駆動ギア58bが共に回転するとともに、シフターである駆動ギア58bが、駆動ギア58aよりも高い速度で白抜き矢印で示すように回転するとともに、矢印Aで示すように駆動ギア58bが軸方向に移動する。
そして、図7(B)に示すように、駆動ギア58bのドグ歯58fが駆動ギア58aのドグ歯58eに当接する、詳しくは、ドグ歯58fの傾斜面72m,72nがドグ歯58eの傾斜面72m,72nに当たる。更に、ドグ歯58fは、矢印Bで示すように傾斜面72m,72nに沿って移動する。この状態では、ドグ歯58e,58fの傾斜面72m,72n同士が当っているだけなので、ドグ歯58fがドグ歯58eを周方向に押し付けることにより、駆動ギア58bを駆動ギア58a側に引き付ける軸方向分力が発生する。この結果、駆動ギア58aに対する駆動ギア58bの噛み合い速度が大きくなる。即ち、ドグ歯58e,58f同士の浅噛みが直ちに解消され、深く噛み合う状態に移行する。
やがて、図7(C)に示すように、駆動ギア58bの交点72wが駆動ギア58aの交点72wと一致して、駆動ギア58bの平坦面72pが、駆動ギア58aの平坦面72pに当たる。この状態からは、矢印Cで示すように、駆動ギア58bが平坦面72pに沿って移動する。
従って、図7(D)に示すように、駆動ギア58bの傾斜面72m,72nは、駆動ギア58aの傾斜面72m,72nから次第に離れ、駆動ギア58bの傾斜面72m,72nと駆動ギア58aの傾斜面72m,72nとの間に距離L1の隙間75が出来る。
この状態では、駆動ギア58a,58bの平坦面72p同士が当っているだけなので、駆動ギア58bを駆動ギア58a側に引きつける軸方向分力は発生しない。
この状態から、ドグ歯58e,58fの噛み合いを解除するために、シフトフォークを作動させて駆動ギア58bを軸方向の上記とは反対側に移動させる。ドグ歯58e,58f間に軸方向分力が発生していないので、駆動ギア58bはスムーズに移動を開始する。移動の途中では、駆動ギア58bの傾斜面72m,72nと駆動ギア58aの傾斜面72m,72nとが当たり、一次的に軸方向分力が発生するが、シフトフォーク及び駆動ギア58bの慣性力等の作用で駆動ギア58bの移動が継続さる。やがて、ドグ歯58fがドグ歯58eから外れ、ドグクラッチ65が切断された状態になる。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態のドグ歯77の概略形状を示す斜視図である。図5に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
ドグ歯77は、内壁77a、外壁77b、側壁77c,77dを備える。
側壁77dは、想像線で示した径方向に延びる平面72Lに対して角度θだけ傾斜した傾斜面777gと、平面72L上にあって傾斜面77gの両側に径方向に延びるように形成された2つの平坦面77f,77fと、傾斜面77g及び平坦面77f,77fの付け根部77m側に形成された平坦面77hとからなる。
傾斜面77gは、ドグ歯77の先端部77j側の上辺77pが平面72Lに対して側壁77cとは反対側に突出し、ドグ歯77の付け根部72e側の下辺77qが平面72Lに対して側壁77c側寄りに位置するように傾斜した面である。換言すれば、傾斜面77gは、上辺77pが下辺77qよりも周方向に突出するように傾斜している。
平坦面77e,77fは、その上辺77k,77kが、傾斜面77gの上辺77pよりも側壁77cの近くに位置する。平坦面77hは、その上辺77rが、傾斜面77gの下辺77qよりも側壁77cから遠くに位置する。平坦面77e,77fの上辺77k,77kが、傾斜面77gの上辺77pよりも回転方向に対して後退する後退距離をBLとし、平坦面77hの上辺77rが、傾斜面77gの下辺77qよりも回転方向に対して前進する前進距離をFLとすると、前進距離FL>後退距離BLとなる。従って、傾斜面777gの側辺77t,77tと平坦面77e,77fの内辺77u,77uとの交点77v,77vの高さHCは、平坦面77e,77fの高さHの中央より高くなっている。
以上の図2、図3、図4及び図5に示したように、変速機50の回転軸としてのメイン軸56に回転を規制されながら軸方向移動可能に設けられるシフターとしての駆動ギア58bと、メイン軸56に回転可能に支持されながら軸方向移動が規制される変速ギアとしての駆動ギア58aとを備え、駆動ギア58b及び駆動ギア58aにそれぞれ側方に突出するとともに当接し合うドグ歯58f,58eが形成され、ドグ歯58f,58eに、互いに当接するとともに付け根部72eよりも先端部72kが周方向に突出するように径方向に対して傾斜した傾斜面72m,72nを備えるドグクラッチ65において、駆動ギア58b及び駆動ギア58aのそれぞれの傾斜面72m,72nには、駆動ギア58bが軸方向移動しながら噛み合いが進行している途中で互いに当接する軸方向且つ径方向に延びる平坦面72pが部分的に形成されている。
この構成によれば、ドグ歯58f,58eの噛み合い始めには、傾斜面72m,72nに作用する軸方向分力によって、噛み合いスピードを高めたり、ドグ歯58f,58eの浅噛みを防止したりすることができる。また、ドグ歯58f,58eの噛み合い途中で、平坦面72p,72p同士を当接させて平坦面72pには軸方向分力が発生しないようにすることができる。従って、シフターとしての駆動ギア58bを移動させるシフトフォークにスラスト荷重が発生するのを抑制することができ、シフト操作に影響を及ぼしにくくすることができる。
また、図7に示したように、駆動ギア58bと駆動ギア58aとの互いの平坦面72pが当接した後に、駆動ギア58bの軸方向移動が完了するまでに、傾斜面72m,72n同士に隙間75が発生するように傾斜面72m,72nと平坦面72pとの位置関係が設定されるので、傾斜面72m,72n同士を離間させて、駆動ギア58bの所定の軸方向移動範囲でスラスト荷重を減らすことが可能となる。
また、図4及び図6に示したように、傾斜面72m,72nは、平坦面72pの径方向内側の端部又は径方向外側の端部に形成されるので、傾斜面72m,72nを加工によって形成する際、平坦面72pの径方向内側の端部又は径方向外側の端部から刃具を入れる方が加工しやすく、傾斜面72m,72nを容易に形成することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図5及び図8に示したように、単一のドグ歯に傾斜面又は平坦面を複数形成したが、これに限らず、単一のドグ歯に傾斜面と平坦面とを少なくとも1つずつ形成しても良い。この場合、傾斜面を平坦面の径方向外側に形成した方が形成しやすくなる。
また、本発明のドグクラッチは、マニュアルトランスミッションの車両に適用されるものとして説明したが、自動変速機構の車両に適用されるものであっても良い。
50 変速機
56 メイン軸(回転軸)
58a 駆動ギア(変速ギア)
58b 駆動ギア(シフター)
58e,58f,77 ドグ歯
65 ドグクラッチ
72e,77m 付け根部
72k,77j 先端部先端部
72m,72n,77g 傾斜面傾斜面
72p,77e,77f 平坦面
75 隙間

Claims (3)

  1. 変速機(50)の回転軸(56)に回転を規制されながら軸方向移動可能に設けられるシフター(58b)と、前記回転軸(56)に回転可能に支持されながら軸方向移動が規制される変速ギア(58a)とを備え、
    前記シフター(58b)及び前記変速ギア(58a)にそれぞれ側方に突出するとともに当接し合うドグ歯(58e,58f)が形成され、ドグ歯(58e,58f)に、互いに当接するとともに付け根部(72e)よりも先端部(72k)が周方向に突出するように径方向に対して傾斜した傾斜面(72m,72n)を備えるドグクラッチにおいて、
    前記シフター(58b)及び前記変速ギア(58a)のそれぞれの前記傾斜面(72m,72n)には、前記シフター(58b)が軸方向移動しながら噛み合いが進行している途中で互いに当接する軸方向且つ径方向に延びる平坦面(72p)が部分的に形成されていることを特徴とするドグクラッチ。
  2. 前記シフター(58b)と前記変速ギア(58a)との互いの前記平坦面(72p)が当接した後に、前記シフター(58b)の軸方向移動が完了するまでに、前記傾斜面(72m,72n)同士に隙間(75)が発生するように前記傾斜面(72m,72n)と前記平坦面(72p)との位置関係が設定されることを特徴とする請求項1に記載のドグクラッチ。
  3. 前記傾斜面(72m,72n)は、前記平坦面(72p)の径方向内側の端部又は径方向外側の端部に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のドグクラッチ。
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