JP2011075030A - 常時噛合式自動変速機の制御装置 - Google Patents

常時噛合式自動変速機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】変速開始のタイミングを適切にできる常時噛合式自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】駆動回転部材及び被動回転部材間に設けられる油圧クラッチを作動させるクラッチアクチュエータと、常時噛合式の変速機の変速段を切り換えるシフトドラムを作動させるシフトアクチュエータとを制御し、油圧クラッチを選択作動させて変速を行う常時噛合式自動変速機の制御装置において、油圧クラッチの油圧paを検出し、検出した油圧paが所定油圧(規定油圧pb)になったか否かを判定し、所定油圧(規定油圧pb)になったと判定されると、シフトアクチュエータの作動を開始させるようにした。
【選択図】図10

Description

本発明は、自動二輪車などに用いられる常時噛合式自動変速機の制御装置に関する。
従来、常時噛合式変速機において、アクチュエータにより変速操作を行う自動変速機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この自動変速機では、シフトシリンダの油圧に基づいて変速を行っており、具体的には、シフトシリンダの油圧から変速操作に要する時間が所定時間となるようにシフトシリンダの出力を補正している。
特開2007−120572号公報
しかしながら、シフトシリンダの油圧に基づき変速操作を行うと、変速機の切り換えタイミングが遅れてしまう場合があった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、変速開始のタイミングを適切にできる常時噛合式自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、駆動回転部材及び被動回転部材間に設けられる油圧クラッチを作動させるクラッチアクチュエータと、常時噛合式の変速機の変速段を切り換えるシフトドラムを作動させるシフトアクチュエータとを制御し、油圧クラッチを選択作動させてシフト操作を行う常時噛合式自動変速機の制御装置において、前記油圧クラッチの油圧を検出する油圧検出手段と、前記油圧検出手段で検出した油圧が所定油圧になったか否かを判定する判定手段と、所定油圧になったと判定されると、前記シフトアクチュエータの作動を開始させるシフト制御手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、油圧クラッチの油圧を検出し、検出した油圧が所定油圧になったか否かを判定し、所定油圧になったと判定されると、シフトアクチュエータの作動を開始させるので、クラッチの油圧を検出するだけで、シフトアクチュエータの作動を開始させることができ、変速開始のタイミングを適切にすることができる。
上記構成において、前記油圧クラッチは、当該油圧クラッチの油圧が高から低になると切断状態に切り替わる常時開放型クラッチであり、前記判定手段は、前記油圧検出手段で検出した油圧が所定油圧より低いか否かを判定し、前記シフト制御手段は、前記所定油圧より低いと判定されると、前記シフトアクチュエータの作動を開始させるようにしてもよい。この構成によれば、常時開放型クラッチを有する構成で、変速開始のタイミングを適切にすることができる。
また、上記構成において、前記変速段に応じて前記所定油圧の値を制御するようにしてもよい。この構成によれば、変速段に応じて適切な所定油圧を設定でき、変速開始のタイミングをより適切にでき、変速制御精度を向上することができる。
また、上記構成において、前記変速機は、前記シフトドラムの作動に伴って移動するシフタギヤの係合部を予定ギヤに嵌合させて変速段を確立する構成を有し、前記変速段に応じてシフタギヤ係合部引き抜き荷重を算出し、算出結果に応じて前記所定油圧の値を制御するようにしてもよい。この構成によれば、より緻密な変速制御をすることが可能になる。
また、上記構成において、前記シフタギヤ係合部引き抜き荷重は、前記シフタギヤまでの減速レシオと、前記シフタギヤ係合部の摩擦係数とに基づいて算出されるようにしてもよい。この構成によれば、シフタギヤ係合部引き抜き荷重を精度良く算出でき、より緻密な変速制御をすることが可能になる。
また、上記構成において、前記シフトドラムの作動に伴い前記シフタギヤを移動させ、その移動荷重がシフトアクチュエータのトルクに連動するシフトフォークを有するようにしてもよい。この構成によれば、シフトフォークを確実に作動させて緻密な変速制御をすることができる。
また、上記構成において、前記油圧検出手段で検出した油圧に基づいてシフト制御とクラッチ制御とを行うようにしてもよい。この構成によれば、シフト制御とクラッチ制御とで油圧センサを兼用でき、部品点数を削減することができる。
また、上記構成において、前記判定手段は、変速要求があった場合に、前記油圧検出手段の油圧検出及び油圧判定を行うようにしてもよい。この構成によれば、判定手段は、常時作動する必要がなく、消費電力を削減することができる。
また、上記構成において、前記クラッチアクチュエータにより作動されるクランクの回転位置を検出する回転検出手段を有し、前記油圧検出手段のバックアップとして前記回転検出手段を用いて前記シフトアクチュエータを制御するバックアップ機能を具備するようにしてもよい。この構成によれば、油圧検出手段を用いて変速制御できない事態が生じた場合でも、変速制御を継続して行うことができる。
本発明では、油圧クラッチの油圧を検出する油圧検出手段と、油圧検出手段で検出した油圧が所定油圧になったか否かを判定する判定手段と、所定油圧になったと判定されると、シフトアクチュエータの作動を開始させるシフト制御手段とを備えるため、クラッチの油圧を検出するだけで、シフトアクチュエータの作動を開始させることができ、変速開始のタイミングを適切にすることができる。
また、油圧クラッチは、当該油圧クラッチの油圧が高から低になると切断状態に切り替わる常時開放型クラッチであり、判定手段は、油圧検出手段で検出した油圧が所定油圧より低いか否かを判定し、シフト制御手段は、所定油圧より低いと判定されると、シフトアクチュエータの作動を開始させるようにすれば、常時開放型クラッチを有する構成で、変速開始のタイミングを適切にすることができる。
また、変速段に応じて所定油圧の値を制御するようにすれば、変速段に応じて適切な所定油圧を設定でき、変速開始のタイミングをより適切にでき、変速制御精度を向上することができる。
また、変速機は、シフトドラムの作動に伴って移動するシフタギヤの係合部を予定ギヤに嵌合させて変速段を確立する構成を有し、変速段に応じてシフタギヤ係合部引き抜き荷重を算出し、算出結果に応じて所定油圧の値を制御するようにすれば、より緻密な変速制御をすることが可能になる。
また、シフタギヤ係合部引き抜き荷重は、シフタギヤまでの減速レシオと、シフタギヤ係合部の摩擦係数とに基づいて算出されるようにすれば、シフタギヤ係合部引き抜き荷重を精度良く算出でき、より緻密な変速制御をすることが可能になる。
また、シフトドラムの作動に伴いシフタギヤを移動させ、その移動荷重がシフトアクチュエータのトルクに連動するシフトフォークを有するようにすれば、シフトフォークを確実に作動させて緻密な変速制御をすることができる。
また、油圧検出手段で検出した油圧に基づいてシフト制御とクラッチ制御とを行うようにすれば、シフト制御とクラッチ制御とで油圧センサを兼用でき、部品点数を削減することができる。
また、判定手段は、変速要求があった場合に、油圧検出手段の油圧検出及び油圧判定を行うようにすれば、判定手段は、常時作動する必要がなく、消費電力を削減することができる。
また、クラッチアクチュエータにより作動されるクランクの回転位置を検出する回転検出手段を有し、油圧検出手段のバックアップとして回転検出手段を用いてシフトアクチュエータを制御するバックアップ機能を具備するようにしてもよい。この構成によれば、油圧検出手段を用いて変速制御できない事態が生じた場合でも、変速制御を継続して行うことができる。
一実施の形態による自動二輪車の側面図である。 同フレームの平面図である。 同エンジンの断面図である。 多板クラッチの断面図である。 クラッチアクチュエータの系統図である。 図5のVI−VI断面図である。 制御装置の発進制御時の構成を周辺構成と共に示す機能ブロック図である。 制御装置の変速制御時の構成を周辺構成と共に示す機能ブロック図である。 クラッチ油圧の時間変化特性を示す図である。 変速時の動作を示すフローチャートである。 別実施の形態によるクラッチアクチュエータの系統図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1及び図2において、100は自動二輪車(小型車両)を示す。自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車両後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
メインフレーム114、及びピボットプレート115には、パワーユニットPが懸架、搭載され、パワーユニットPから出力される回転動力は、車体前後に延びるドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。
パワーユニットPは、前後V型4気筒のエンジンEを備え、該エンジンEは、図2に示すように、平面視で両メインフレーム114内に配置されている。該エンジンEは、クランクシャフト2(図1参照)を左右水平方向に指向し横置き配置であって、OHC型の水冷式で、クランクケース3を備え、該クランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いたフロントバンクBfと、リヤバンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。
フロントバンクBfのシリンダボア3f,3f間の間隔LFは、リヤバンクBrのシリンダボア3f,3f間の間隔LRよりも大きく設定され、クランクシャフトの軸線方向でのリヤバンクBrの幅は、正面視ではフロントバンクBfに隠れるように、フロントバンクBfの幅よりも小さく設定されている。フロントバンクBfの排気口には、図1に示すように、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、リヤバンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管(不図示)を介して、エンジンEの後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
パワーユニットPの後方には、ピボット軸121が設けられ、このピボット軸121には、リヤフォーク122がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取り付けられている。リヤフォーク122の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131とパワーユニットPとは、リヤフォーク122内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、パワーユニットPからの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。
また、リヤフォーク122と車体フレーム111との間には、リヤフォーク122からの衝撃を吸収するリヤクッション124が掛け渡されている。パワーユニットPの後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられ、パワーユニットPの左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
メインフレーム114の上部には、パワーユニットPの上方を覆うようにして燃料タンク141が搭載されている。この燃料タンク141の後方には、乗員のシート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置されており、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、該車体カバー150は、車体フレーム111の前方からパワーユニットPの前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備え、フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
図3は、前後V型4気筒エンジンEの自動変速機構を示す断面図である。この図3では、フロントバンクBfの断面を示し、リヤバンクBrの内部はフロントバンクBfの内部と同様に構成されているため、リヤバンクBrの説明は省略する。
シリンダヘッド4fの各気筒には、シリンダボア3fの中心軸線であるシリンダ軸線C1上に、プラグ差込孔15が形成されており、このプラグ差込孔15には点火プラグ16(右側の気筒の点火プラグは不図示)がその先端を燃焼室20内に臨ませて配置されている。6はピストン、7fは連接棒である。
クランクシャフト2は、軸方向の両端部及び中間部に設けたメタルベアリング2Aにより、クランクケース3内に回転自在に支持されている。
クランクシャフト2の図中右端側には、クランクシャフト2の回転を出力するカムシャフト駆動スプロケット17が設けられている。エンジンEのカムシャフト駆動スプロケット17側には、各バンクBf,Br内で上下に延在するカムチェーン室35が設けられ、カムシャフト25と一体に回転する従動スプロケット36は、カムシャフト25の一端に固定されてカムチェーン室35内に位置している。従動スプロケット36とカムシャフト駆動スプロケット17には、カムチェーン37が巻き回され、カムシャフト25はカムチェーン37及び従動スプロケット36を介して、クランクシャフト2の回転の半分の回転速度で回転されている。また、クランクシャフト2の図中左端側には、発電機としてのジェネレータ18が設けられている。
この自動二輪車100は、常時噛合式のマニュアル変速機の構造を備え、クラッチ操作と変速操作をコンピューター制御により行う自動マニュアル変速機(Automated Manual Transmission:以下、AMTという)タイプに構成されている。次に、この自動二輪車100の自動変速機(常時噛合式自動変速機)400の各部を説明する。
クランクケース3内には、クランクシャフト2とそれぞれ平行にメイン軸41、カウンタ軸42、及び出力軸43が設けられている。クランクシャフト2を含むこれらの軸41,42,43は、クランクシャフト2の回転をメイン軸41、カウンタ軸42、及び出力軸43の順に伝達する歯車伝達機構を備えている。
クランクシャフト2のカムチェーン室35側の端には、メイン軸41を回転させるクランク側駆動歯車2Bが固定され、クランク側駆動歯車2Bはメイン軸41のメイン軸側被動歯車41Aと噛み合っている。メイン軸41は、両端に設けられた軸受41Cを介して支持されている。メイン軸側被動歯車41Aは、メイン軸41上にメイン軸41と相対回転自在に設けられるとともに、クラッチ機構44に接続されており、このクラッチ機構44を介してメイン軸側被動歯車41Aの回転、つまり、クランクシャフト2の回転がメイン軸41へと伝達される。
クラッチ機構44は、駆動回転部材であるクランクシャフト2と、被動回転部材であるメイン軸41との間に設けられ、これらの間の動力伝達を断接可能(断続可能とも言う)にする機構である。また、メイン軸側被動歯車41Aには、オイルポンプ(不図示)を駆動するオイルポンプ駆動歯車41Bが設けられている。
メイン軸41とカウンタ軸42との間には、変速歯車群が跨って配置され、これらによって常時噛合式の変速装置(変速機)46が構成されている。カウンタ軸42の両端部は軸受42Cで支持されている。変速装置(変速機)46を詳述すると、メイン軸41には、6速分の駆動歯車m1〜m6が設けられ、カウンタ軸42には6速分の被動歯車n1〜n6が設けられ、各駆動歯車m1〜m6及び被動歯車n1〜n6は、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速歯車対(歯車の組み合わせ)を構成する。なお、各変速歯車対は、1速から6速の順に減速比が小さくなる(高速ギヤとなる)。
最も変速比の大きい1速歯車対m1,n1はメイン軸側被動歯車41Aが支持されるメイン軸41の一端側に配置され、2速歯車対m2,n2はメイン軸41の他端側に配置されている。1速歯車対m1,n1と2速歯車対m2,n2との間には、一端側から順に、5速歯車対m5,n5、4速歯車対m4,n4、3速歯車対m3,n3、及び6速歯車対m6,n6が配置されている。
また、カウンタ軸42は、該カウンタ軸42の回転を出力軸43に伝達する中間駆動歯車42Aを有し、該中間駆動歯車42Aには、出力軸43の被動歯車43Aが噛み合っている。該出力軸43は、カウンタ軸42の両端に設けられた軸受43Cによって支持されている。また、出力軸43には、被動歯車43Aに隣接してカム式トルクダンパ51が配置されている。カム式トルクダンパ51は、トルク変動が加わった場合にそれを緩和するものであり、出力軸43に軸方向に移動可能にスプライン結合された円筒部材52を備えている。円筒部材52の被動歯車43A側の端面には、被動歯車43Aに形成された凹カム43Bに噛み合う凸カム52Aが形成されている。
出力軸43の略中央には、ばね受け部材53が固定され、円筒部材52とばね受け部材53との間にコイルばね54が設けられ、円筒部材52が被動歯車43Aに向けて付勢されている。カム式トルクダンパ51は、円筒部材52、ばね受け部材53及びコイルばね54を備えて構成されている。出力軸43の左端部には駆動傘歯車48が一体的に設けられ、この駆動傘歯車48は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト49の前端に一体に設けられた被動傘歯車49Aに噛み合う。これによって、出力軸43の回転がドライブシャフト49に伝達される。
メイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4は、一体となってメイン軸41にスプライン結合され、メイン軸41を軸方向に移動するシフタギヤに形成されている。3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4は、シフタとなって軸方向に移動し、3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4の左右に設けられた係合凸部が、隣接する5速駆動歯車m5又は6速駆動歯車m6に設けられた係合凹部に嵌合し、5速駆動歯車m5又は6速駆動歯車m6と選択的に係合自在に構成されている。
カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6は、それぞれカウンタ軸42にスプライン結合されてカウンタ軸42を軸方向に移動するシフタギヤに形成されており、シフタとなってそれぞれ軸方向に移動する。5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6のそれぞれには、左右に係合凸部が設けられ、それぞれの係合凸部が隣接する4速被動歯車n4、3速被動歯車n3に設けられた係合凹部にそれぞれ嵌合し、4速被動歯車n4、3速被動歯車n3と選択的に係合自在に構成されている。
シフタとなるメイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4と、カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6とは、図3の最下部に示した変速切換機構47によって移動されて予定ギヤ(3速駆動歯車m3又は4速駆動歯車m4、4速被動歯車n4又は3速被動歯車n3)にそれぞれ嵌合し、これによって変速段が確立する。なお、この変速装置46の構造は、従来の常時噛合式のマニュアル変速機と同構造である。
変速切換機構47は、上記軸41〜43に平行なシフトドラム47Aを備える。このシフトドラム47Aの車体前後には、フォーク軸47B,47Cがシフトドラム47Aに平行に配置されている。フォーク軸47Bにはメイン軸41のシフタに係合するシフトフォーク47B1が支持され、フォーク軸47Cにはカウンタ軸42のシフタに係合するシフトフォーク47C1が支持されている。
上述した変速歯車対は、変速切換機構47のシフトフォーク47B1,47C1を移動させることによって変更され、この変更された変速歯車対を介して、メイン軸41の回転動力がカウンタ軸42へと伝達される。
シフトドラム47Aは、シフトドラム47Aの回転量を制御するラチェット機構47Dを介してシフトスピンドル47Eに連結されている。
シフトスピンドル47Eの図中左端には、シフトアクチュエータ61が連結され、シフトアクチュエータ61はシフトモータ62を有し、シフトモータ62にはギヤ列63を介してシフトスピンドル47Eが連結されている。
この自動変速機400は常時噛合式であるため、変速切換機構47によるシフト動作を行う際には油圧で作動するクラッチ機構44(油圧クラッチ)が切断状態とされる。すなわち、油圧クラッチを切って、メイン軸41をフリー状態にした後、変速切換機構47で変速動作を行い、ついで油圧クラッチを接続してクランクシャフト2の回転動力をメイン軸41に伝達する。
続いてクラッチ機構44の構造を説明する。
図4はクラッチ機構44を周辺構成と共に示す図である。
図4に示すように、メイン軸41には軸方向に中空部41Dが貫通し、中空部41Dには、クラッチリフターロッド(プッシュロッドとも言う)66が配置されている。クラッチリフターロッド66の図中左端には、クラッチスレーブシリンダ68内のクラッチピストン67が固着されている。クラッチスレーブシリンダ68には、油圧ホース74を介して、クラッチスレーブシリンダ68内に作動油を供給するクラッチアクチュエータ(油圧クラッチ作動機構)71が接続されている。このクラッチスレーブシリンダ68は、クラッチアクチュエータ71から供給される作動油によってクラッチリフターロッド66を油圧作動し、クラッチ機構44を油圧で作動させる油圧シリンダとして機能する。
クラッチアクチュエータ71は、図1及び図2に示すように、メインフレーム114の前端部の車体左側壁面に配置、固定され、クラッチアクチュエータ71の出力側に連結された油圧ホース74がメインフレーム114に沿って車体後方に延出し、メイン軸41の左端の上記クラッチスレーブシリンダ68に接続されている。このため、メインフレーム114前端部のスペースを利用してクラッチアクチュエータ71を配置でき、小型車両に対し、簡易な構造で、クラッチアクチュエータ71とクラッチスレーブシリンダ68とを固定できる。
クラッチアクチュエータ71、油圧ホース74、及びクラッチスレーブシリンダ68は、車両左右方向で片側(左側)に配置されている。クラッチアクチュエータ71とクラッチスレーブシリンダ68を両側に分けて配置するのと比べて、油圧ホース74を短くできると共に、片側だけに配置するので、メンテナンス性が向上する。また、クラッチアクチュエータ71は、図1に示すように、車両側面視でクラッチスレーブシリンダ68より上方に配置され、油圧ホース74の一部がメインフレーム114に沿うように取り付けられるとともに、油圧ホース74の一部を、図2に示すように、メインフレーム114の途中からメインフレーム114の内側に引き回し、メインフレーム114の内側に配管して、メインフレーム114の中程からクラッチスレーブシリンダ68に向けて鉛直方向下方に垂らすようにして、クラッチスレーブシリンダ68と接続されている。油圧ホース74をメインフレーム114に確実に固定するとともに、メインフレーム114からクラッチスレーブシリンダ68までのホース長を比較的短くできる。
クラッチアクチュエータ71の配置位置は、メインフレーム114の前端部の車体左側壁面に限定されない。前後V型4気筒エンジンEであれば、図1及び図2に示すように、フロントバンクBfとリヤバンクBr間の空いたスペースにクラッチアクチュエータ71−A、油圧ホース74−Aを配置してもよく、例えば、リヤバンクBrの下方位置の空いたスペースにクラッチアクチュエータ71−B、油圧ホース74−Bを配置してもよい。V型エンジンEにより形成されたシリンダ及びエンジン本体間のスペースを有効に活用して、クラッチアクチュエータ71−A、或いは71−Bを配置すれば、車両前後及び上下方向への突出を抑えながら、効率よくクラッチアクチュエータ71を配置できる。クラッチアクチュエータ71の位置がクラッチスレーブシリンダ68に近づくため、油圧ホース74−A,74−Bを短くできる。クラッチスレーブシリンダ68の配置位置は、リヤバンクBr側への配置位置に限定されず、エンジンE近傍のどの位置でもよい。
クラッチリフターロッド66の右端は、図4に示すように、メイン軸41の中空部41Dを貫通し、その先端66Aには、クラッチ機構44の多板クラッチ80が連結されている。多板クラッチ80は、主要部品としてクラッチアウタ81とクラッチインナ83とプレッシャープレート85とを備えている。クラッチアウタ81の基部81Aは、メイン軸側被動歯車41Aに固着され、クラッチインナ83のボス部83Aは、スリーブ86の外周に嵌合し、このスリーブ86はメイン軸41の外周に軸方向に移動不能かつメイン軸41と一体回転可能にスプライン結合86Aされている。クラッチアウタ81には、該クラッチアウタ81に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合された複数の駆動摩擦板81Bが設けられ、クラッチインナ83には、該クラッチインナ83に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合された複数の被動摩擦板83Bが設けられ、駆動摩擦板81Bと被動摩擦板83Bとは交互に配置されている。
プレッシャープレート85は、クラッチアウタ81の図中左端の駆動摩擦板81Bに当接し配置される。プレッシャープレート85には筒部85Aが形成され、筒部85Aはクラッチインナ83の貫通孔83Cを貫通し、その先端にはボルト87を介してホルダ88が連結されている。ホルダ88の内周にはベアリング89を介してリフタ91が連結され、リフタ91は、上述したクラッチリフターロッド66の先端66Aに固着されている。また、プレッシャープレート85の筒部85Aの外周には、プレッシャープレート85を、常に、図中左方に押し戻す戻しスプリング(クラッチスプリング)93が配置され、戻しスプリング93の一端93Aはプレッシャープレート85に係合し、戻しスプリング93の他端93Bはクラッチインナ83に係合している。
次いで、クラッチ機構44の動作を説明する。
図3において、クラッチアクチュエータ71(油圧発生装置72と油圧制御装置73)が作動すると、クラッチスレーブシリンダ68に一定の油圧力が作用し、クラッチアクチュエータ71が作動しないとき、クラッチスレーブシリンダ68には一定の油圧力が作用しない。クラッチスレーブシリンダ68に一定の油圧力が作用しない状態では、図4に示すように、戻しスプリング93が、プレッシャープレート85を常に左方に押圧し、プレッシャープレート85が、図中左端の駆動摩擦板81Bから離れ、駆動摩擦板81Bと被動摩擦板83Bとが断(非圧接状態)となる。これによりクラッチアウタ81とクラッチインナ83とが断(切断状態)となり、メイン軸側被動歯車41Aからの回転動力が、クラッチアウタ81に伝達されても、クラッチアウタ81が空回りし、メイン軸側被動歯車41Aからメイン軸41への回転動力の伝達が断たれる。
クラッチアクチュエータ71が作動し、クラッチスレーブシリンダ68に一定の油圧力が作用すると、クラッチリフターロッド66が右方に移動し、リフタ91及びホルダ88を介して、プレッシャープレート85が、戻しスプリング93のばね力に抗して右方に移動する。すると、プレッシャープレート85が、図中左端の駆動摩擦板81Bを右方に押圧し、駆動摩擦板81Bと被動摩擦板83Bとが接(圧接状態)となり、かつ戻しスプリング93による摩擦力を介し、プレッシャープレート85とクラッチインナ83とが一体回転可能に連結され、メイン軸側被動歯車41Aからの回転動力は、クラッチアウタ81、各摩擦板81B,83B、プレッシャープレート85、及びクラッチインナ83を介して、メイン軸41へと伝達される。
このように、このクラッチ機構44は、クラッチスレーブシリンダ68への油圧が高の場合に接続状態となり、クラッチスレーブシリンダ68への油圧が低の場合に切断状態となり、つまり、油圧が高から低になると切断状態に切り替わる常時開放型クラッチに構成されている。
クラッチアクチュエータ71を説明する。
図5は、クラッチアクチュエータ71を示す系統図、図6は、図5のVI−VI断面図である。図5において、クラッチアクチュエータ71は、クラッチ操作のための油圧を発生する油圧発生装置72と、その油圧を必要により制御するための油圧制御装置73とを備えている。油圧発生装置72は、クラッチ制御モータ101を有し、クラッチ制御モータ101の出力軸102には、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104が連結されている。駆動ギヤ104には、偏心したクランク受け104Aが形成され、クランク受け104Aには、クランク105が嵌合し、クランク105と駆動ギヤ104が一体化されている。クランク105と駆動ギヤ104は、回転軸106から距離L1、偏心した偏心軸107を持ち、偏心軸107の外周には軸受108が嵌合する。軸受108の外周にはクランク室109内でピストン110が当接し、ピストン110はシリンダ211内を延出し、ばね212で軸受108に向けて付勢されている。
クラッチ制御モータ101が作動すると、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104とクランク105が一体になって、回転軸106の回りを回動する。クランク105の回動範囲は、図6に示すように、位置A〜Bであり、正回転時には、位置A〜Bへ反時計方向に回動し、逆回転時には位置B〜Aへ時計方向に回動する。このクランク部には、クランク室109内に突出したストッパ113が設けられる。ストッパ113は、位置AからBへの正回転時に、軸受108が、ピストン110を最高位に押し退ける位置Cを越えて、距離L2だけ回動した位置Bにおいて、それ以上の反時計方向への軸受108の回動を停止可能な位置に配置される。位置BからAへの逆回転時には、位置Bから回動を開始し、軸受108がピストン110を最高位に押し退ける位置Cを越えて、位置Aでストッパ113に当たって停止する。
油圧発生装置72は、給油口214から入口ジョイント215、ピストン110の押し退け室216、及び出口ジョイント217に至る油圧経路218を持ち、この油圧経路218を経て、油圧制御装置73の油圧経路219に至る。
そして、油圧発生装置72の油圧経路218から、油圧制御装置73の油圧経路219を経て、油圧ホース74、及び上記クラッチスレーブシリンダ68に至るまでの油圧経路は、閉じた油圧経路となっており、該油圧経路内の一定の油圧は、油圧発生装置72の上記ピストン110の作動によって発生する。
油圧制御装置73の油圧経路219には、入口ジョイント221、油圧センサ(油圧検出手段)222、過剰油吸収ピストン223、及び出口ジョイント224が直列に接続され、過剰油吸収ピストン223、及び出口ジョイント224の間には、クラッチ作動油戻しピストン225が接続され、クラッチ作動油戻しピストン225には、クラッチ作動油弁機構226が組み付けられている。出口ジョイント224には、上述した油圧ホース74が接続され、油圧ホース74は、図1又は図2に示すように、メインフレーム114に沿って車体後方に延出し、図3に示すように、メイン軸41の図中左端のクラッチスレーブシリンダ68に接続される。
過剰油吸収ピストン223は、クラッチトルク容量の上限を規定する。すなわち、油圧発生装置72の軸受108は、図6を参照し、位置AからBへの正回転時に、ピストン110を最高位にまで押し退ける上死点の位置Cを通過する。従って、上述した油圧経路内には、上死点の位置Cを通過する瞬間に、最高の押し退け量に起因した油圧の上昇が起こり、該油圧により、過剰油吸収ピストン223が押し下げられ、その空間内に過剰油が蓄えられる。これにより、油圧経路内での油圧の上限が規定される。そのため、過剰な油によって圧力が異常に上昇することを抑制できる。
クラッチ作動油戻しピストン225は、例えばクラッチ制御モータ101の不具合発生時など、多板クラッチ80を切断状態にしたい時、上述した油圧経路内のクラッチ作動油を、戻しピストン225に入り込ませて、油圧経路内の油圧を降下し、クラッチ切断状態とする。クラッチ作動油戻しピストン225には、クラッチ作動油戻しソレノイド226が組み付けられ、クラッチ作動油戻しソレノイド226は、チェック弁126Aを内蔵している。チェック弁126Aは、ソレノイド126Bへの非通電時に開放され、通電時には閉じられる。従って、不具合発生時には、ソレノイド126Bへの通電をやめ、チェック弁126Aを開放し、クラッチ接続用油圧を降下する。
クラッチアクチュエータ71の動作を説明する。
クラッチアクチュエータ71が機能すると、上記多板クラッチ80(図4)が断・接される。すなわち、多板クラッチ80の接続時には、クラッチ制御モータ101を正回転する。すると、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104とクランク105が一体になって、図6に示すように、位置A〜Bへ反時計方向に回動し、軸受け108がピストン110を押し退けて、該経路内の油圧力を一定の圧力まで上昇する。
これが上昇すると、油圧制御装置73の油圧経路219、油圧ホース74を経て、クラッチスレーブシリンダ68に一定の圧力の作動油が供給され、クラッチリフターロッド66を右方に押動し(図4)、多板クラッチ80が接続される。
油圧力を一定の圧力まで上昇する場合、軸受108は、位置Aから、上死点の位置Cを越えて、位置Bでストッパ113に当たって停止するため、軸受け108は、クラッチ制御モータ101で逆回転されない限り、位置Bでその位置を保持される。従って、クラッチ制御モータ101の作動電流をゼロにしても、クランクが押し戻されることがなく、軸受け108が逆回転することはない。
多板クラッチ80を断とする場合、クラッチ制御モータ101を逆回転する。すると、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104とクランク105が一体になって、図6の位置B〜Aへ時計方向に回動し、該経路内の油圧力が下降する。
これが下降すると、クラッチスレーブシリンダ68内に一定の油圧力が立たなくなり、クラッチリフターロッド66は、図4を参照し、戻しスプリング93のばね力により、プレッシャープレート85、ホルダ88、及びリフタ91を介して、左方に移動する。これにより、プレッシャープレート85が、図中左端の駆動摩擦板81Bから離れ、多板クラッチ80が断とされる。
自動二輪車を停止したとき、図6を参照し、軸受108は、どの位置にあっても、必ず位置Aに戻され、多板クラッチ80が断とされる。すなわち、図5に示すように、回転軸106の軸端には、駆動ギヤ104とクランク105の位置(回転位置)を検出する位置センサ(回転検出手段)231が設けられ、位置センサ231が、車両のECU(不図示)や後述するAMT用制御装置401に接続される。ECUには、車速を検出する車速検出手段である車速センサ404(後述する図7、図8参照)やエンジン回転数センサ402(後述する図7、図8参照)が接続され、例えば、エンジン回転数センサ402で所定のエンジン回転数Ne以下になったら、位置センサ231で、軸受け108が位置A以外の位置にあることを検出したとき、図5を参照し、クラッチ制御モータ101が逆回転されて、軸受け108が、図6の位置B〜Aへ時計方向に回動し、これによって、多板クラッチ80の接続が断とされる。このように、自動二輪車の停止時にECU制御により多板クラッチ80が断とされるため、電源をオフした場合にも、多板クラッチ80の切断状態が維持される。
従って、この常時開放型クラッチ構造では、従来のように、クラッチレバーなどのクラッチリリース機構などを設けることなく、自動二輪車100の停止時に、始動スイッチのオフなどで電源がオフ(車両各部への電源供給が停止)されても、自動二輪車100の押し歩きが可能である。
次に、クラッチアクチュエータ71及びシフトアクチュエータ61、つまり、自動変速機(常時噛合式自動変速機)400を制御するAMT用制御装置(以下、制御装置という)401について説明する。この制御装置401は、図示しないMPU、RAM、ROMなどを備え、ROM内に予め記憶した制御プログラムに基づいて動作するマイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)として構成されており、制御プログラム(ソフトウェア)により各種制御機能を実現するように構成されている。なお、制御装置401は、ロジック回路のようにハードウェアとして構成することも可能である。
図7は、制御装置401の発進制御時の構成を周辺構成と共に示す機能ブロック図である。この図に示すように、制御装置401には、この自動二輪車100に設けられた各種センサからの検出結果が入力されるように構成されている。具体的には、制御装置401には、エンジンEの回転数(クランクシャフト2の回転数)を検出するエンジン回転数センサ402、スロットルボディに設けられてスロットル開度信号を出力するスロットルセンサ403、シフトドラム47Aの回転位置に基づいて現在の変速段を検出するギヤポジションセンサ(変速段検出手段)404、クラッチアクチュエータ71に設けられてクランク105の回転位置を検出する位置センサ(回転検出手段)231、車速を検出する車速センサ(車速検出手段)405などからの検出信号が入力される。
図7に示すように、制御装置401は、各種演算処理を行う演算部410と、発進時にクラッチ制御部(クラッチ制御手段)411として機能する発進時クラッチ制御部411Aと、発進時にシフト制御部(シフト制御手段)421として機能する発進時シフト制御部421Aとを備えている。演算部410は、発進に必要なトルク(目標クラッチ容量)を算出する算出処理を行う必要トルク算出部410Aと、必要トルク算出部410Aが算出したトルク(目標クラッチ容量)をクラッチ油圧に変換する変換処理を行うトルク・油圧変換部410Bとを備えている。
必要トルク算出部410Aは、エンジン回転数センサ402及びスロットルセンサ403の出力信号(エンジン回転数とスロットル開度)に基づいて発進に必要なトルク(発進トルクを得るための目標クラッチ容量)を算出し、トルク・油圧変換部410Bに出力する。
トルク・油圧変換部410Bは、入力したトルク(目標クラッチ容量)をクラッチ機構44(多板クラッチ80)が伝達するクラッチ油圧(目標クラッチ油圧)に変換し、発進時クラッチ制御部411Aに出力する。
発進時クラッチ制御部411Aは、トルク・油圧変換部410Bにより得たクラッチ油圧(目標クラッチ油圧)になるようにクラッチアクチュエータ71(クラッチ制御モータ101)のオン/オフをデューティー制御する。この場合、発進時クラッチ制御部411Aは、油圧制御装置73に設けられた油圧センサ222が検出する油圧を入力し、この油圧が、上記クラッチ油圧(目標クラッチ油圧)になるようにフィードバック制御する。このフィードバック制御により、クラッチ油圧を精度良く制御することができる。ここで、油圧センサ222は、油圧制御装置73の油圧経路219の油圧を検出することにより、クラッチアクチュエータ71からクラッチ機構44に供給される油圧、つまり、油圧クラッチの油圧(クラッチ油圧)を検出する。
また、発進時シフト制御部421Aは、発進制御時において、変速装置(変速機)46を1速にするようにシフトアクチュエータ61を制御する。
従って、エンジン回転数とスロットル開度から求めた発進トルクで発進するようにクラッチ機構44(多板クラッチ80)が接続され、つまり、いわゆる半クラッチ状態が実現されて自動二輪車100を適切に発進させることができる。なお、発進後は、半クラッチ状態を解除すべく、クラッチ油圧を高めてクラッチ機構44(多板クラッチ80)を完全に接続状態とし、エンジントルクを効率よく後輪131側へ伝達することができる。
ここで、油圧センサ222の不具合発生時など、油圧センサ222を用いてクラッチ制御できない事態が生じた場合、図7に波線で示すように、発進時クラッチ制御部411Aは、油圧センサ222のバックアップ(代用)として、クラッチアクチュエータ71のクランク105の回転位置を検出する位置センサ(回転検出手段)231を用いてクラッチ制御を行う。
例えば、この位置センサ231が検出するクランク回転位置を取得することにより、クラッチ制御モータ101の制御状態を取得でき、この制御状態が適切になるように(例えば、確実に発進可能な所定のデューティー比となるように)クラッチアクチュエータ71(クラッチ制御モータ101)を制御する。このような不具合発生時に対応するバックアップ機能を具備することで、油圧センサ222の不具合発生時でも発進制御を継続して行うことができ、ライダーは自動二輪車100を確実に発進させることができる。
次に変速制御(シフト制御)について説明する。
図8は、制御装置401の変速制御時の構成を周辺構成と共に示す機能ブロック図である。この図に示すように、制御装置401は、変速要求の有無を判定する変速要求判定部431と、変速時にクラッチ制御部(クラッチ制御手段)411として機能する変速時クラッチ制御部411Bと、変速時にシフト制御部(シフト制御手段)421として機能する変速時シフト制御部421Bと、変速開始タイミング(シフト開始タイミングとも言う)を判定するシフト開始判定部(判定手段)432とを備えている。
変速要求判定部431は、シフト信号SAを入力したか否かを判定することにより変速要求を入力したか否かを判定する。ここで、シフト信号SAは、自動変速機400の変速モードが手動変速(MT)モードの場合には、ライダーが操作する変速用操作子(不図示)が操作された場合に出力される信号であり、変速モードが自動変速(AT)モードの場合には、制御装置401が車速、エンジン回転数、スロットル開度などの情報に応じて変速段を切り換える場合に出力する信号である。なお、本自動二輪車100は、両変速モードを具備するタイプ、或いは、いずれか一方の変速モードを具備するタイプのいずれに構成してもよい。
変速要求判定部431は、変速要求を入力したと判定すると、その旨を示す信号(以下、変速制御開始信号という)SBを、変速時クラッチ制御部411Bと、シフト開始判定部432とに出力する。
変速時クラッチ制御部411Bは、変速制御開始信号SBを入力すると、クラッチアクチュエータ71を制御してクラッチ機構44(多板クラッチ80)を切断状態へと切り換える。本実施形態のクラッチ機構44(多板クラッチ80)が常時開放型クラッチであるため、変速時クラッチ制御部411Bは、車両の始動スイッチがオンで車両走行中の場合、変速制御開始信号SBを入力していないときはクラッチアクチュエータ71を駆動してクラッチ機構44(多板クラッチ80)を接続状態に保持し、変速制御開始信号SBを入力すると、クラッチアクチュエータ71を切断側へ駆動させ、クラッチ油圧を下げてクラッチ切断状態へと切り換える。
図9は、クラッチを接続状態から切断状態へ切り換えるときのクラッチ油圧paの時間変化特性fpを示す図である。この図に示すように、クラッチ油圧paは、時間tの経過に伴って徐々に下がり、最終的に一定の最下限圧paminに至り、少なくとも最下限圧paminに至ると、クラッチが確実に切断された状態となる。
ところで、自動変速機400では、変速開始タイミング(シフト開始タイミング)をできるだけ早くすることが臨まれており、クラッチ油圧paが最下限圧paminに至った後にシフトアクチュエータ61を駆動するのでは変速が遅くなってしまう。
しかしながら、クラッチアクチュエータ71によるクラッチ切断状態への制御を開始してから変速可能になるタイミングは、一定時間ではなく、現在の変速段やクラッチアクチュエータ71それぞれの部品ばらつきなどで変動してしまい、変速開始タイミングを適切かつ早いタイミングに設定することが難しかった。
そこで、本実施形態では、シフト開始判定部432が、変速制御開始信号SBを入力すると、油圧センサ222で検出されるクラッチ油圧(検出油圧とも言う)paに基づいて変速開始タイミングを判定する処理(変速開始タイミング判定処理)を行い、この判定結果に基づいて変速時シフト制御部421Bがシフトアクチュエータ61を駆動制御するようにしている。
図10は、変速時の動作を示すフローチャートである。
この図に示すように、シフト開始判定部432は、変速要求があったか否か、つまり、変速制御開始信号SBを入力したか否かを判定する処理を行い(ステップS1)、変速要求がない場合、つまり、変速制御開始信号SBを入力しない場合(ステップS1:NO)、処理を終了する。
その後、所定の割り込み信号が到来したタイミングで、シフト開始判定部432は、上記ステップS1の処理を実行する。つまり、シフト開始判定部432は、上記ステップS1の処理を時間間隔を空けて繰り返し実行しており、ステップS1の判定結果が肯定とならない限り、油圧センサ222の検出油圧paの取得及び油圧判定を含む各種センサの結果検出及び判定処理を行っていない。このため、制御装置401の処理負担の軽減及び消費電力の低減を図ることができる。
ステップS1において、変速要求があったと判定すると(ステップS1:YES)、シフト開始判定部432は、ギヤポジションセンサ(変速段検出手段)404から現在の変速段を取得するとともに(ステップS2)、油圧センサ222の検出油圧paの取得を開始する(ステップS3)。
次いで、シフト開始判定部432は、取得した変速段に応じた規定油圧pbを算出する(ステップS4)。
この規定油圧pbは、シフトドラム47Aの作動に伴って移動するシフタギヤ(メイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4、カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6)のそれぞれの係合凸部(ギヤダボ)を、クラッチトルクにより嵌合しているギヤから引き抜ける第1条件を満足する値である。
この規定油圧pbの算出方法を説明する。
クラッチトルクTcdは、以下の式(1)により算出される。
Tcd=(pa×Ss−fr)×rc×μc×nc・・・式(1)
ここで、Ssはクラッチスレーブシリンダ68の面積、frはクラッチスプリング荷重、rcはクラッチ有効半径、μcはクラッチ摩擦係数、ncはクラッチ面数、paは、油圧クラッチの油圧(=油圧センサ222の検出油圧)である。クラッチトルクTcdは、検出油圧paに比例する値であり、本実施形態では、検出油圧pa以外は固定値として扱っている。なお、クラッチスプリング荷重frやクラッチ摩擦係数μcを変数としてもよい。
シフタギヤ係合部引き抜き荷重(シフタギヤをクラッチトルクTcdにより嵌合しているギヤから引き抜く荷重)Fdは、以下の式(2)により算出される。
Fd=Tcd×Rg×μd/rd・・・式(2)
ここで、Rgはシフタギヤまでの減速レシオ、μdはシフタギヤ係合部の摩擦係数、rdはシフタギヤ係合部の有効半径である。このうち、変数は、シフタギヤまでの減速レシオRg、シフタギヤ係合部の摩擦係数μdである。
式(1)(2)より、
pa=(Fd×rd/(Rg×μd×rc×μc×nc)+fr)/Ss・・・式(3)
が得られる。
そして、シフトアクチュエータ61のシフトモータ62により発生できるシフタギヤ係合部引き抜き荷重Fmが、上記値Fd以上になると、シフタギヤを抜くことができる。そのときの油圧クラッチの油圧paの上限値を規定油圧pbとし、規定油圧pbは以下の式(4)により算出される。
pb=(Fd×rd/(Rg×μd×rc×μc×nc)+fr)/Ss・・・式(4)
但し、Fd=Fm・・・式(5)
この場合、変数は、シフタギヤ係合部引き抜き荷重Fm、シフタギヤまでの減速レシオRg、シフタギヤ係合部の摩擦係数μdとなる。本実施形態では、6速の変速段毎の(Rg、μd)を、制御装置401のメモリー(記憶手段)に格納しており、変速段毎にシフタギヤ係合部引き抜き荷重Fdを精度良く算出できるように構成されている。
なお、(Rg、μd)以外は固定値であるため、6速の変速段毎の(Rg、μd)をメモリーに格納し、変速段毎に(Rg、μd)を読み出してシフタギヤ係合部引き抜き荷重Fdを算出する方法に代えて、変速段毎のシフタギヤ係合部引き抜き荷重Fdをメモリーに格納しておき、変速段毎にシフタギヤ係合部引き抜き荷重Fdを読み出すように構成してもよい。
図10に戻り、シフト開始判定部432は、現在の変速段に応じた規定油圧pbを算出した後、油圧センサ222の検出油圧paが規定油圧pbより低いか否かを判定する(ステップS4)。そして、シフト開始判定部432は、検出油圧paが規定油圧pbより低くなっていない場合(ステップS4:NO)、検出油圧paが規定油圧pbより低くなるまで待機する処理(図10に示すフローチャートではステップS2に移行する処理)を行う。
その後、検出油圧paが規定油圧pbより低くなると(ステップS4:YES)、シフト開始判定部432は、シフト開始を指示する信号(以下、シフト開始信号という)SCを、変速時シフト制御部421Bに出力し(ステップS5)。変速時シフト制御部421Bによりシフトアクチュエータ61の作動を開始させて変速動作を行わせる。
なお、検出油圧paが規定油圧pbより低くなり、シフト開始信号SCを出力する場合、つまり、シフトアクチュエータ61を作動させて変速動作を行う場合には、油圧センサ222の検出油圧paの取得及び油圧判定を含む各種センサの結果検出及び判定処理が中止される。以上が変速時の動作である。
図9に示すように、本実施形態の変速開始タイミングtsは、検出油圧paが規定油圧pbと略一致したタイミングとなる。このタイミングは、上記したように、シフタギヤの係合凸部をクラッチトルクにより嵌合しているギヤから引き抜ける最も早いタイミングであるため、確実に変速を行いつつ変速開始タイミングを早くすることができる。
ここで、油圧センサ222の不具合発生時など、油圧センサ222を用いて変速制御できない事態が生じた場合、図8に波線で示すように、シフト開始判定部432は、油圧センサ222のバックアップ(代用)として、クラッチアクチュエータ71のクランク105の回転位置を検出する位置センサ(回転検出手段)231を用いて変速制御を行う。
例えば、この位置センサ231が検出するクランク回転位置を取得し、このクランク回転位置が規定位置(例えば、クラッチトルクが低く、変速可能な予め定めた位置)か否かを判定し、規定位置となった場合、或いは、規定位置を過ぎた場合にシフト開始信号SCを変速時シフト制御部421Bに出力し、変速動作を開始させるようにしてもよい。この不具合発生時に対応するバックアップ機能を具備することで、油圧センサ222の不具合発生時でも変速制御を継続して行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、油圧クラッチ(クラッチ機構44)の油圧paを検出する油圧センサ222を備え、シフト開始判定部432が、油圧センサ222で検出した油圧paが規定油圧(所定油圧)pbより低くなったか否かを判定し、検出油圧paが規定油圧pbより低くなったと判定されると、変速時シフト制御部421Bがシフトアクチュエータ61の作動を開始させるので、クラッチの油圧を検出するだけで、シフトアクチュエータ61の作動を開始させることができる。しかも、クラッチの油圧に基づいてシフトアクチュエータ61の作動を開始させれば、変速装置46のシフタギヤをクラッチトルクにより嵌合しているギヤから引き抜けるタイミングでシフトアクチュエータ61の作動を開始することができ、変速開始のタイミングを適切にできる。
この場合、規定油圧pbとして、変速装置46のシフタギヤをクラッチトルクにより嵌合しているギヤから引き抜けるシフタギヤ係合部引き抜き荷重Fmとなったときの油圧paの値としているので、確実に変速を行いつつ変速開始のタイミングを早くすることができる。
また、本構成では、現在の変速段に応じて規定油圧pbの値を制御するので、変速段に応じて適切な規定油圧pbを設定でき、変速開始のタイミングをより適切にでき、変速制御精度を向上することができる。しかも、変速段に応じてシフタギヤ係合部引き抜き荷重FMを算出し、算出結果に応じて規定油圧pbの値を制御するので、より緻密な変速制御をすることが可能になる。
さらに、シフタギヤ係合部引き抜き荷重FMは、シフタギヤまでの減速レシオRgと、シフタギヤ係合部の摩擦係数μdとに基づいて算出されるので、シフタギヤ係合部引き抜き荷重FMを精度良く算出でき、より緻密な変速制御をすることが可能になる。
また、本構成では、シフトドラム47Aの作動に伴いシフタギヤを移動させ、その移動荷重がシフトアクチュエータ61のトルクに連動するシフトフォーク47B1,47C1を有するので、シフトフォーク47B1,47C1の移動荷重の制御が容易であり、シフトフォーク47B1,47C1を確実に作動させて緻密な変速制御をすることができる。
また、本構成では、単一の油圧センサ222で検出した油圧paに基づいてシフト制御とクラッチ制御とを行うので、シフト制御とクラッチ制御とで油圧センサ222が兼用される。このため、シフト制御とクラッチ制御とで別々の油圧センサを設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
また、変速要求があった場合に、シフト開始判定部432が、油圧センサ222の油圧検出及び油圧判定を行うので、シフト開始判定部432は常時作動する必要がなく、消費電力を削減することができる。
さらに、本構成では、クラッチアクチュエータ71により作動されるクランク105の回転位置を検出する位置センサ(回転検出手段)231を有し、油圧センサ222のバックアップとして位置センサ231を用いてシフトアクチュエータ61の作動を開始させるバックアップ機能を具備するようにしたので、油圧センサ222の不具合発生時など、油圧センサ222を用いて変速制御できない事態が生じた場合でも、変速制御を継続して行うことができる。
ここで、規定油圧pbは、シフトドラム47Aの作動に伴って移動するシフタギヤのそれぞれの係合凸部(ギヤダボ)を、クラッチトルクにより嵌合しているギヤから引き抜ける第1条件を満足する値としたが、この第1条件に加え、係合凸部を変速後の予定ギヤに入れたときの衝撃力が許容範囲内となる第2条件を満足する値にしてもよい。
例えば、第1条件を満足する油圧paの上限値を規定油圧pbとした場合に、シフタギヤの係合凸部を変速後の予定ギヤに入れたときの衝撃力が許容範囲外となるか否かを、実際の車両での実験或いはシミュレーションなどで検討し、衝撃力が許容範囲外となる場合は、衝撃力が許容範囲内となるように、規定油圧pbを許容範囲内にする補正処理を追加し、補正後の値を規定油圧pbとするようにすればよい。なお、この補正処理は、規定油圧pbを算出するシフト開始判定部432が行えばよい。
一方、第1条件を満足する油圧paの上限値を規定油圧pbとした場合に、上記衝撃力が許容範囲内であれば、その規定油圧pbを用いればよい。この場合、第1条件と第2条件とを満足しつつ変速開始タイミングを最も早くすることができる。
これによれば、第1条件と第2条件とを満足するので、上記各種効果に加えて、シフト時のフィーリング向上を図ることができる。
図11は、自動変速機400のクラッチアクチュエータ(油圧クラッチ作動機構)71の別の実施の形態を示す。なお、図5と同一部分には同一符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態では、クラッチ制御モータ101の出力軸102に、減速ギヤ列103を介して、ギヤ244が連結され、ギヤ244には、ボールねじ143が固定されている。ボールねじ143には、ねじ軸145が螺合し、ねじ軸145の上端145Aにはピストン110が当接している。この構成では、図6に関する機構が存在しないため、油圧制御装置73の過剰油吸収ピストン223や位置センサ231を備えていない。
クラッチ制御モータ101が正回転すると、減速ギヤ列103を介して、ギヤ244が正回転し、ボールねじ143に螺合した上記ねじ軸145が上昇し、ピストン110を上方に押し退ける。これにより、油圧系統の圧力が上昇し、上述したように、多板クラッチ80が接とされる。クラッチ制御モータ101が逆回転すると、減速ギヤ列103を介して、ギヤ244が逆回転し、ボールねじ143に螺合した上記ねじ軸145が下降し、ばね212のばね力で、ピストン110が押し下げられる。これにより、油圧系統の圧力が低下し、多板クラッチ80が断とされる。
このボールねじ式のクラッチアクチュエータ71の場合でも、図11に示すように、油圧クラッチ(クラッチ機構44)の油圧paを検出する油圧センサ222を備えており、この油圧センサ222の検出油圧paに基づいて上記と同じ変速制御が可能である。
上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、上記実施の形態では、常時開放型クラッチの場合の変速制御に本発明を適用する場合について述べたが、これに限らず、クラッチ油圧が高の場合に切断状態となり、クラッチ油圧が低の場合に接続状態となる常時接続型クラッチの変速制御に適用してもよい。この場合、油圧センサ222で検出した油圧paが規定油圧pbより高くなったか否かを判定し、検出油圧paが規定油圧pbより高くなったと判定されると、シフトアクチュエータ61の作動を開始させればよい。
要は、常時開放型クラッチや常時接続型クラッチのいずれの場合でも、油圧クラッチを切断する場合に、油圧センサ222で検出した油圧paが規定油圧pbになったか否か(規定油圧pbの値と一致、或いは、該値を跨いだか否か)を判定し、検出油圧paが規定油圧pbになったと判定されると、シフトアクチュエータ61の作動を開始させるようにすればよい。
また、上記実施の形態では、油圧センサ222が油圧制御装置73に配置されているが、これに限らず、クラッチアクチュエータ71の他の部分やクラッチスレーブシリンダ(油圧シリンダ)68などに配置してもよい。
2 クランクシャフト(駆動回転部材)
41 メイン軸(被動回転部材)
44 クラッチ機構(油圧クラッチ)
46 変速装置(変速機)
47A シフトドラム
61 シフトアクチュエータ
68 クラッチスレーブシリンダ(油圧シリンダ)
71 クラッチアクチュエータ
100 自動二輪車
105 クランク
222 油圧センサ(油圧検出手段)
231 位置センサ(回転検出手段)
400 自動変速機(常時噛合式自動変速機)
401 制御装置
411 クラッチ制御部(クラッチ制御手段)
421 シフト制御部(シフト制御手段)
432 シフト開始判定部(判定手段)
pa 検出油圧(クラッチ油圧)
pb 規定油圧
P パワーユニット
E エンジン

Claims (9)

  1. 駆動回転部材及び被動回転部材間に設けられる油圧クラッチを作動させるクラッチアクチュエータと、常時噛合式の変速機の変速段を切り換えるシフトドラムを作動させるシフトアクチュエータとを制御し、油圧クラッチを選択作動させて変速を行う常時噛合式自動変速機の制御装置において、
    前記油圧クラッチの油圧を検出する油圧検出手段と、
    前記油圧検出手段で検出した油圧が所定油圧になったか否かを判定する判定手段と、
    所定油圧になったと判定されると、前記シフトアクチュエータの作動を開始させるシフト制御手段とを備えることを特徴とする常時噛合式自動変速機の制御装置。
  2. 前記油圧クラッチは、当該油圧クラッチの油圧が高から低になると切断状態に切り替わる常時開放型クラッチであり、
    前記判定手段は、前記油圧検出手段で検出した油圧が所定油圧より低いか否かを判定し、前記シフト制御手段は、前記所定油圧より低いと判定されると、前記シフトアクチュエータの作動を開始させることを特徴とする請求項1に記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  3. 前記変速段に応じて前記所定油圧の値を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  4. 前記変速機は、前記シフトドラムの作動に伴って移動するシフタギヤの係合部を予定ギヤに嵌合させて変速段を確立する構成を有し、
    前記変速段に応じてシフタギヤ係合部引き抜き荷重を算出し、算出結果に応じて前記所定油圧の値を制御することを特徴とする請求項3に記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  5. 前記シフタギヤ係合部引き抜き荷重は、前記シフタギヤまでの減速レシオと、前記シフタギヤ係合部の摩擦係数とに基づいて算出されることを特徴とする請求項4に記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  6. 前記シフトドラムの作動に伴い前記シフタギヤを移動させ、その移動荷重がシフトアクチュエータのトルクに連動するシフトフォークを有することを特徴とする請求項4又は5に記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  7. 前記油圧検出手段で検出した油圧に基づいてシフト制御とクラッチ制御とを行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  8. 前記判定手段は、変速要求があった場合に、前記油圧検出手段の油圧検出及び油圧判定を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
  9. 前記クラッチアクチュエータにより作動されるクランクの回転位置を検出する回転検出手段を有し、前記油圧検出手段のバックアップとして前記回転検出手段を用いて前記シフトアクチュエータを制御するバックアップ機能を具備することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の常時噛合式自動変速機の制御装置。
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