以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動変速装置が適用されたエンジンの断面図である。鞍乗型4輪車等の車両の動力源としてのエンジン1は、前進5段後進1段の自動変速機を一体に形成した4サイクル単気筒の内燃機関である。クランクケース21に回転自在に軸支されたクランクシャフト2には、クランクピン3を介して回転自在にコンロッド4が軸支されている。コンロッド4の他端部には、シリンダ6に内設されたスリーブ7内を摺動するピストン5が取り付けられ、シリンダ6の図示上方には、混合気および燃焼ガスの吸排気を制御するバルブ機構が収納されたシリンダヘッド8およびシリンダヘッドカバー9が固定される。
クランクシャフト2の左端部には、クラッチアウタ11およびクラッチシュー12を有する発進クラッチ10が備えられている。発進クラッチ10は、エンジン回転数すなわちクランクシャフト2の回転数が、所定値(例えば、2000rpm)を超えることで、クランクシャフト2と一体的に回転するクラッチアウタ11と前記クラッチシュー12との間に摩擦力を生ずる構成とされ、これにより、クラッチアウタ11に固定された出力ギヤ13に回転駆動力が伝達される。
出力ギヤ13に伝達された回転駆動力は、プライマリギヤ14、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2とからなるツインクラッチTCL、主軸としての内側プライマリシャフト16およびこれに回動自在に軸支される外側プライマリシャフト15、副軸としてのカウンタシャフト17と前記プライマリシャフト15,16との間に設けられる歯車対G1〜G5,GRからなる変速機TM、駆動側出力ギヤ18および被動側出力ギヤ19を介して、出力軸20に伝達される。ツインクラッチTCLは、プライマリギヤ14を挟んで第1クラッチCL1および第2クラッチCL2を背面合わせに配設した構成とされ、これを駆動する油圧経路は、クランクケース21の左側ケース22の近傍に集約されている。
図2は、ツインクラッチTCLを駆動するための油路構造を示したブロック図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。第1クラッチCL1および第2クラッチCL2を駆動するための油圧は、前記クランクシャフト2の回転に伴って回転するトロコイド式のフィードポンプ31によって生成される。フィードポンプ31によってオイルストレーナ33を介してオイルタンク35から吸い上げられたオイルは、油圧を所定値に保つリリーフバルブ30およびオイルフィルタ29を介して、クランクシャフト2、シリンダヘッド8、変速機TMの潤滑経路に供給される。なお、本実施形態では、オイルストレーナ34を介してオイルパン36からオイルを吸い上げるセカンドポンプ32も備えられている。
そして、フィードポンプ31によって生じる油圧の一部が、リニアソレノイドバルブ28、エマージェンシバルブ27、シフトソレノイド25、シフトバルブ26、オリフィスコントロールバルブ23,24、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2からなるクラッチ駆動用の油圧回路に供給される。この油圧機構により、シフトソレノイド25の通電のオンオフによって、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2の接続状態を交互に切り替えることが可能となる。
供給油圧をリニアに変化させることで変速ショックの低減を可能とするリニアソレノイドバルブ28から供給される油圧は、エマージェンシバルブ27を介してシフトバルブ26に導入される。前記エマージェンシバルブ27は、リニアソレノイドバルブ28が故障等によって油圧が供給不能となった際に、手動で油路を切り替えてバイパス回路を開くことで、リニアソレノイドバルブ28を迂回してシフトバルブ26に直接オイルを供給することを可能とするバルブである。
前記シフトソレノイド25は、通電がオンの時に開弁状態となり、通電がオンにされると、油路の切り替え動作を行うための作動油が油路切替装置としてのシフトバルブ26に供給される。これにより、シフトバルブ26は、リニアソレノイドバルブ28からの油圧の供給先を第1クラッチCL1に切り替え、第1クラッチCL1が接続状態となる。一方、通電をオフにすると、シフトソレノイド25が閉弁状態となり、シフトバルブ26は、リニアソレノイドバルブ28からの油圧の供給先を第2クラッチCL2に切り替えて、第2クラッチCL2が接続状態となる。なお、オリフィスコントロールバルブ23,24は、クラッチ接続後の余剰油圧を抜くことで変速ショックを低減させる機能を有する。
図3は、図1の一部拡大断面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本実施形態に係る変速機TMは、前進5段・後進1段のシーケンシャル式多段自動変速機であり、各段間の変速動作は、ツインクラッチTCLに与えられる油圧のオン・オフと、変速機構である第1スリーブM1、第2スリーブM2、第3スリーブM3の軸方向への摺動動作との組み合わせで行われる。
前記外側プライマリシャフト15および内側プライマリシャフト16に対して回転自在に結合されるプライマリギヤ14には、駆動力伝達時のショックを吸収するため、バネ40を有する衝撃吸収機構が組み込まれている。本実施形態では、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2は、同じ部品の組み合わせからなる同一の構成を有する。以下では、第1クラッチCL1を代表としてその構成を説明し、第2クラッチCL2の対応構成部分をカッコを付して示す。
第1クラッチCL1(第2クラッチCL2)には、プライマリギヤ14に固定されるクラッチケースC1(C2)の底部に、オイルシールを介して密閉挿入されたピストンB1(B2)が備えられている。このピストンB1(B2)は、内側プライマリシャフト16に設けられた油路A1(A2)から作動オイルが圧送されると図示左方向(右方向)へ押し出され、一方、供給油圧が低下すると、バネの弾発力によって元の位置に戻るように構成されている。
また、ピストンB1(B2)の図示左側(右側)には、クラッチケースC1(C2)に回転不能に係合された3枚のフリクションディスクと、アームD1(D2)に回転不能に係合された3枚のクラッチプレートとからなるクラッチ板が配設されており、ピストンB1(B2)が図示左方向(右方向)へ押し出されることで、クラッチ板同士の間に摩擦力が発生することとなる。上記構成により、プライマリギヤ14の回転駆動力は、ピストンP1(P2)が油圧で押し出されない限りクラッチケースC1(C2)を回転させるのみであるが、油圧が供給されてピストンP1(P2)が押し出されると、アームD1(D2)を回転駆動させることとなる。なお、この時、前記リニアソレノイドバルブ28の油圧制御によって、半クラッチ状態等を作り出すことも可能である。
内側プライマリシャフト16の軸心に設けられたオイルギャラリ16aには、二重管で構成された油路分配器39が挿入固定されている。これにより、供給油路37に与えられた油圧は、油路分配器39の外管から油路A1を通じて第1クラッチCL1のピストンB1を駆動し、一方、供給油路38に与えられた油圧は、油路分配器39の外管と内管の間から油路A2を通じて第2クラッチCL2のピストンB2を駆動することになる。
第1クラッチCL1側のアームD1は、内側プライマリシャフト16の図示左端部に固定され、一方、第2クラッチCL2側のアームD2は、外側プライマリシャフト15に固定されている。内側プライマリシャフト16には、第1速駆動側ギヤI1および第3速駆動側ギヤI3が軸方向に摺動不能かつ周方向に回転自在に取り付けられ、両ギヤの間に、第5速駆動側ギヤI5が形成された第3スリーブM3が軸方向に摺動可能かつ周方向に回転不能に取り付けられている。
一方、外側プライマリシャフト15には、第2速駆動側ギヤI2と第4速駆動側ギヤI4とが形成されている。また、カウンタシャフト17には、軸方向に摺動可能かつ周方向に回転不能な第1スリーブM1、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転不能な第1速被動側ギヤO1、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転自在な第2速被動側ギヤO2、第3速被動側ギヤO3が形成されると共に軸方向に摺動可能かつ周方向に回転不能な第2スリーブM2、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転自在な第4速被動側ギヤO4、軸方向に摺動不能かつ周方向に回転自在な第5速被動側ギヤO5がそれぞれ所定の位置に取り付けられている。
前記第1スリーブM1〜第3スリーブM3は、それぞれを軸方向に摺動させることで、隣接するギヤとの間に形成されているドグクラッチの断接が行われるように構成されており、本実施形態に係る変速機TMは、前記第1クラッチCL1および第2クラッチCL2の接続状態と、第1スリーブM1〜第3スリーブM3の位置との組み合わせによって、クランクシャフト2の回転駆動力をどの歯車対を介してカウンタシャフト17に伝達するかを選択できる。なお、カウンターシャフト17に回転自在に軸支されたリバースギヤORは、後進用の出力ギヤ(不図示)と常時噛み合わされることで歯車対GRを構成している。そして、前記第1クラッチCL1は、1速、3速、5速の奇数変速段における回転駆動力の断接を行い、一方、第2クラッチCL2は、2速、4速の偶数変速段およびリバースギヤにおいて回転駆動力の断接を行うように構成されている。これにより、例えば、1速から順次シフトアップしていく際には、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2の接続状態が交互に切り替えられることとなる。
図4は、変速機TMの変速機構の断面図およびシフトドラムの展開図である。前記変速機TMの近傍には、中空円筒状のシフトドラム44がクランクケース21に対して回転自在に軸支されている。該シフトドラム44は、変速機TMの軸方向と平行に配設され、その外周面には、シフトフォーク41〜43の図示下端部に形成された突起が係合するリード溝45〜47が形成されている。シフトフォーク41〜43は、シフトドラム44と平行に配置されたフォークロッド74の軸方向に摺動可能に係合されている。これにより、シフトドラム44が回動されると、シフトフォーク41〜43の他端部(不図示)に係合された前記第1スリーブM1〜第3スリーブM3がそれぞれ摺動されることとなる。
通常、変速機のシフトドラムには、各変速段数と1対1で対応する回動位置が設定されるが、本実施形態に係るシフトドラム44においては、前記したツインクラッチTCLとの組み合わせに伴い、独自の回動位置設定を有している。図4の展開図を参照すると、シフトドラム44の回動位置において、後進:PR、ニュートラル:PNに続き、所定回動位置として、1−2速に対応するP1−2、2−3速に対応するP2−3、3−4速に対応するP3−4、4−5速に対応するP4−5がそれぞれ設定されている。これは、例えば、P1−2の位置にシフトドラムがある場合に、前記第1クラッチCL1および第2クラッチCL2の接続状態を切り替えるのみで、1速と2速との間で変速が可能であることを意味する。
そして、本実施形態においては、シフトドラム44の所定回動位置同士の中間に、ハーフニュートラル位置としてのPN2、PN3、PN4がそれぞれ設定されている。このハーフニュートラル位置が設定されることで、例えば、所定回動位置であるP1−2から、シフトアップ方向の次の所定回動位置P2−3にシフトドラム44を回動させる場合には、ハーフニュートラル位置PN2が経由されることで、シフトドラム44の回動速度が一時的に減速されることとなる。これにより、変速ショックて低減されると共に、より確実な変速動作の実行が可能となる。
前記シフトドラム44の回動動作は、後述する制御部によって駆動制御されるアクチュエータとしての電動モータ48によって行われる。電動モータ48の回転駆動力は、出力軸49から中間ギヤ50および扇型ギヤ51を介してシフトスピンドル52に伝達される。シフトスピンドル52には、板状のシフトアーム53が取り付けられており、該シフトアーム53が所定角度だけ正逆回転の一往復動を行うと、ポールラチェット機構60を介してシフトドラム44が一方向に所定角度だけ回動するように構成されている。
センタボルト55によってシフトドラム44に回動不能に固定されたドラムセンタ61は、シフトドラム44の所定回動位置およびハーフニュートラル位置の切り替え動作に節度を与える機能を有する。また、ポールラチェット機構60は、クランクケース21に固定されるガイドプレート56およびシフタ組立体54によって回転可能に保持されており、このシフタ組立体54の一端部が、前記シフトアーム53に形成された係合孔に係合されている。シフトスピンドル52とガイドピン57との間には、シフトアーム53を初期位置に戻す方向の付勢力を与える戻しバネ58が係合されている。また、前記シフトドラム44の図示右端部には、シフトドラム44の回動位置に基づいて現在の変速段を検出する位置検出手段としてのシフトポジションセンサ70が設けられており、一方、シフトスピンドル52の右端部には、回動角度センサ59が取り付けられている。
図5は、本実施形態に係る自動変速装置の構成を示すブロック図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。前記したように、本実施形態に係る変速機TMは、制御部100によってシフトソレノイド25およびリニアソレノイドバルブ28ならびに電動モータ48を駆動制御することで、オートマチック式、または、スイッチ操作等により乗員が変速指令を発するセミオートマチック式の自動変速機として機能する。これにより、エンジン1の回転駆動力は、変速機TMの所定の変速段で減速された後に駆動輪WPに伝達されることとなる。なお、制御部100には、シフトポジションセンサ70のほか、エンジン回転数センサ101および車速センサ102等からの信号が入力され、多様な走行条件に応じて、ツインクラッチTCLの断接のタイミングや速度、シフトドラム44の駆動タイミングや駆動速度を変更する等の種々の制御を行うことが可能である。
図6および図7は、図4のA方向から見た変速機構の動作説明図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。図6は、電動モータ48が駆動されていない、すなわち、シフトアーム53が初期位置にある状態を示し、図7は、電動モータ48が駆動されて、シフトアーム53がシフトスピンドル52の回転軸CT2を中心に図示時計方向に所定角度だけ回動された状態を示す。本実施形態では、図示時計方向をシフトアップ方向とし、所定角度は60度に設定されている。前記ポールラチェット機構60は、シフトドラム44を所定角度づつ回動させることを可能とする周知の機構であり、本実施形態では、シフトドラム44の端部に同軸かつ一体回転可能に設けられるドラムセンタ61と、該ドラムセンタ61に形成される凹部に収納されたシフタ組立体54と、該シフタ組立体54が臨む挿通孔56bが形成されたガイドプレート56とを備えている。シフトドラム44とドラムセンタ61とを回転不能に締結するセンタボルト55の頭部には、シフタ組立体54を回転可能に支持する支持軸が取り付けられている。図6および7では、この支持軸の中心を回転軸CT1で示している。
シフトアーム53は、アーム本体53aに対して略直角をなして図示左方に延びるガイドアーム53bを有し、該ガイドアーム53bの先端部には、ガイド孔53dが形成されている。ガイド孔53dは、シフトアーム53の回動方向に所定の幅を有しており、このガイド孔53dに前記ガイドピン57が挿通されている。前記シフトアーム53の初期位置とは、ガイド孔53dの回動方向幅の中央にガイドピン57が位置する場合における回動位置を指すものとする。
シフトアーム53における初期位置からの正逆方向それぞれの方向での回動角度は、ガイド孔53dの内周にガイドピン57が当接することで規定される。ガイド孔53dの内周部からは、図示右方に向けて係止片69が突出しており、該係止片69には、シフトアーム53に隣接配置される戻しバネ58の作用端が係合されている。戻しバネ58は、シフトスピンドル52を挿通させるトーションコイルスプリングであり、両コイル端部が図示左方に向けて延出して係止片69およびガイドピン57を上下から挟み込むように取り付けられている。これにより、シフトアーム53が前記初期位置から正逆回転すると、係止片69およびガイドピン57が相対移動して戻しバネ58の両コイル端部が離間し、シフトアーム53を初期位置に戻すべく付勢力が作用することとなる。
なお、本実施形態では、前記回転軸CT1と回転軸CT2とを結ぶ直線を中心線T1で示すと共に、前記回転軸CT1とシフタ組立体54の端部である係止ピン54aの中心とを結ぶ直線をシフタ中心線T2で示しており、このシフタ中心線T2と前記中心線T1とが重なる位置をシフタ組立体54の回動初期位置としている。そして、シフタ組立体54が回動初期位置にあるとき、シフトアーム53も前記初期位置にあるように構成されている。
シフタ組立体54の回転軸CT1からオフセットした位置に形成される係止ピン54aは、シフトアーム53のアーム本体53aに形成された長孔53c内に挿通されている。シフトスピンドル52の回転力は、シフトアーム53から係止ピン54aを介してポールラチェット機構60に入力される。シフトドラム44は、シフトアーム53が初期位置にある時に所定の変速段に対応した所定回動位置にあり、このときのシフトドラム44の回動動作は、ドラムセンタ61に当接するドラムストッパ64により規制される。ドラムストッパ64は、クランクケース2に固定された回動軸66aに回動自在に支持されるストッパアーム64aと、該ストッパアーム64aの先端部に回転自在に支持されるストッパローラ65と、該ストッパローラ65をドラムセンタ61の外周に押しつけるようストッパアーム64aを付勢するトーションコイルスプリング67とを有する。
一方、ドラムセンタ61の外周部には、ストッパローラ65の外周形状とほぼ整合する円弧状をなす凹部が所定角度毎に複数形成されており、このドラムセンタ61とドラムストッパ64との協働により、シフトドラム44に回転規制力が付与されることとなる。前記シフタ組立体54には、ドラムセンタ61に対して同軸かつ相対回転可能なシフタ本体73に、一対のラチェットポール71,72を組み付けた構成とされている。このラチェットポール71,72は、図示上端部71a,72aを中心にしてシフタ本体73に揺動自在に取り付けられると共に、付勢部材(不図示)によってドラムセンタ61に形成された凹部の内壁側に付勢されている。この周知の機構によって、ポールラチェット機構60は、シフタ組立体54の一方向への回動時にシフトドラム44を一方向に回動させると共に、回動後には、ガイドプレート56との協働によってシフタ組立体54のみを逆方向に空転させることを可能とする。これにより、前記一方向への回動後にドラムストッパ64によって回動規制されるドラムセンタ61およびシフトドラム44に対して、シフタ組立体54のみを初期位置に戻すことが可能となる。
そして、シフタ組立体54が所定角度の正逆回転の往復動を繰り返すことで、ドラムセンタ61およびシフトドラム44を正逆転それぞれの方向に間欠送りすることができる。この間欠送りによりシフトドラム44が一度に回転する角度は、変速機TMを一段シフトアップ、またはシフトダウンさせる角度に相当する。
図8は、ドラムセンタ61の正面図である。ドラムセンタ61の一端面には、前記シフタ組立体54が収容される凹部62が形成されており、該凹部62の端部には、前記ラチェットポール71,72の端部が係合する6つの係合凹部63が等間隔をもって形成されている。そして、前記シフトドラム44の所定回動位置(PR,PN,P1−2,P2−3,P3−4,P4−5)およびハーフニュートラル位置(PN2,PN3,PN4)に対応する位置に、それぞれ、前記ドラムストッパ64のストッパローラ65が収まる凹部が形成されている。
図9は、ツインクラッチTCLの動作とシフトドラムの回動位置との対応表である。前記したように、ツインクラッチTCLにおける第1クラッチCL1は、第1速、第3速、第5速での回転駆動力伝達時に接続され、一方、第2クラッチCL2は、リバースギヤ、ニュートラル、2速および4速での回転駆動力伝達時に接続されるように設定されており、表中では、この各状態に対応する部分に○印を付している。なお、ニュートラル時は、変速機TM内で回転駆動力の伝達が行われないので、クラッチを接続しない設定としてもよい。ここで、シフトドラムポジションが所定回動位置P2−3にあってかつ前記シフトソレノイド25がオフ状態(第2クラッチCL2が接続状態)とされて、第2速ギヤによって回転駆動力が伝達されている場合の自動変速機の動作を整理する。
まず、第2速ギヤでの走行中(表中の2Hに相当)に第3速へシフトアップする場合は、制御部100からのシフトアップ変速指令により、シフトソレノイド25がオンにされる。これにより、第1クラッチCL1が接続されると共に第2クラッチCL2が遮断されて変速が完了する。したがって、第2速から第3速への変速直後は、シフトドラム44の回動位置はP2−3にある。しかしながら、続いて第3速から第4速へシフトアップする場合、シフトドラム44の回動位置がP2−3のままであると、シフトアップ時にP3−4への回動動作が必要となり、そのぶん変速動作に時間を要することとなる。そこで、変速時間を短縮するため、所定の変速段でクランクシャフト2から変速機TMへの回転駆動力の伝達を維持したまま、シフトアップ方向の次の変速段に応じた所定回動位置に予めシフトドラム44を回動させておく動作が、以下に説明するアップ側予備変速である。
前記アップ側予備変速は、例えば、前記第2速から第3速へのシフトアップが完了した後に、次の第4速へのシフトアップに備えてシフトドラム44を予めシフトアップ側の次の所定回動位置へ回動させておく動作であり、上記した例では、第3速での走行中に、シフトドラム44をP2−3からP3−4に回動させることに相当する。このようなアップ側予備変速を実行しておけば、第4速へのシフトアップ変速指令が出された際には、変速指令と同時にシフトソレノイド25をオフにするのみで第2クラッチCL2が接続されると共に第1クラッチCL1が遮断されてシフトアップが完了するので、変速時間の大幅な短縮が可能となる。
また、本実施形態では、シフトドラム44の所定回動位置同士の間にハーフニュートラル位置が設けられており、該ハーフニュートラル位置を通過する際にシフトドラム44の回動動作が一時減速されることで、確実な変速動作および変速ショックの低減が実現されることとなる。図9の表は、例えば、第2速での走行中は、シフトドラムの回動位置がP2−3であり、シフトソレノイドがオフ状態、変速機のステータスが2H(第2速のハイ側)であることを示している。そして、この変速機のステータスは、第3速へのシフトアップによって3L(第3速のロー側)となり、その後に実行されるアップ側予備変速によって、所定回動位置P3−4に対応する「3L」からハーフニュートラル位置PN3に対応する「3」、そして、「3H」へと順次切り替わることとなる。なお、上記したようなアップ側予備変速は、第1速から第2速へのシフトアップ時(P1−2→P2−3)と、第3速から第4速へのシフトアップ時(P3−4→P4−5)にも同様に行われる。
図10(a)〜(f)は、第2速から第3速へのシフトアップする際のアップ側予備変速に係る各種動作を示すタイムチャートである。各タイムチャートには、(a):変速機のステータス、(b):シフトソレノイド通電状態、(c):電動モータ動作モード、(d):シフトスピンドル回転角度センサ出力、(e):リニアソレノイドバルブ制御モード、(f):リニアソレノイドバルブ油圧指令値が示される。このうち、変速機のステータスは、シフトドラム44に取り付けられたシフトポジションセンサ70の出力信号に基づいて検出される。前記したように、本実施形態に係る自動変速機において、第2速で走行中に第3速へシフトアップする時には、すでに所定回動位置P1−2からP2−3へのアップ側予備変速が実行されているので、変速動作は非常に短時間で完了する。
時間t10においてシフトアップ変速指令を受けると、これと同時にシフトソレノイド25への通電がオンにされる。また、この通電と同時に、リニアソレノイドバルブ28の駆動制御が開始され、第1クラッチCL1への供給油圧が高められる。そして、第1クラッチCL1への供給油圧が所定値(例えば、1000kPa)に到達する時間t12において第1クラッチCL1の接続が完了し、第2速から第3速へのシフトアップが完了することとなる。
続いて、時間t12でのシフトアップ完了と同時に、所定回動位置P2−3からP3−4へのアップ側予備変速が開始される。アップ側予備変速が開始されると、電動モータ48の駆動に伴い、シフトスピンドル52に取り付けられた回動角度センサ59(図4参照)からの出力信号が変化する。また、シフトドラム44の回動位置は、時間t13においてハーフニュートラル位置PN3の近傍に達し、回動角度センサ59の出力信号が示すように、その回動速度が一時減速されることとなる。一方、リニアソレノイドバルブ28は、時間t11〜t14のモード2制御によって、例えば、油圧指令値を5ms毎に少しづつ加算することで、変速ショックを極力低減するよう供給油圧を調整する。そして、時間t14において、油圧指令値が変速前の初期状態に戻ると、次回のシフトアップに必要な油圧制御が完了し、1つ目のシフトアップ許可条件(1/2)が成立することとなる。
また、シフトドラム44の回動動作は、時間t15でハーフニュートラル位置PN3を乗り越え、時間t16において所定回動位置P3−4に到達してアップ側予備変速が完了する。この時間t16では、シフトドラム44の送り側の駆動制御が完了することにより2つ目のシフトアップ許可条件(2/2)が成立し、ツインクラッチTCLの切り替えのみで第4速へのシフトアップが実行可能な状態となる。また、時間t16からは、前記シフタ本体73(図6参照)を初期位置に戻すため、電動モータ48が逆方向に回動され、時間t30において戻し動作が完了することとなる。なお、電動モータ動作モードにおいては、この戻し動作時に、回動角度センサ出力に対応した3段階のフィードバック制御を実行することで、シフトスピンドル52が初期位置に正確に戻るようにしている。
上記したように、本実施形態に係る自動変速機においては、アップ側予備変速を、第1クラッチCL1の接続完了と同時に開始するように設定されているので、アップ側予備変速の開始が可能な状態となると同時に制御を開始することとなり、シフトアップ時の変速時間を短縮することが可能となる。なお、第1クラッチCL1の接続開始からアップ側予備変速の開始までの時間をタイマで設定すると共に、エンジン油温に合わせてタイマ設定時間を変更するように構成することができる。また、上記したようなアップ側予備変速変速制御は、第1速から第2速、第3速から第4速へのシフトアップ時にも同様に実行することができる。
図11は、第2速から第3速へシフトアップする際のアップ側予備変速制御の流れを示すフローチャートである。図10のタイムチャートと対応する部分には、タイムチャート内に示した時間を付す。ステップS10でシフトアップ変速指令を検知する(時間t10)と、ステップS11に進んで第1クラッチCL1の接続が開始される(時間t10)。続くステップS12では、タイマによって計測される第1クラッチCL1接続開始からの経過時間tが、所定時間t0を超えたか否かが判定される。ステップS12で肯定判定されるとステップS13へ進んで、第1クラッチCL1の接続を完了すると共に、第2速から第3速へのシフトアップが完了することとなる(時間t12)。
次に、ステップS14では、所定回動位置P2−3からP3−4へのアップ側予備変速が開始され(時間t12)、続くステップS15において、シフトポジションセンサ70の出力信号が所定回動位置P3−4に対応する値になったか否かが判定される。ステップS15で肯定判定されると、ステップS16に進んでアップ側予備変速を完了し(時間t16)、一連の制御を終了する。
図12(a)〜(f)は、第3速から第2速へシフトダウンする際のダウン側予備変速に係る各種動作を示すタイムチャートである。前記したように、第3速での走行中は、所定回動位置時P3−4へのアップ側予備変速が完了しているので、第2速へシフトダウンするには、シフトドラム44を所定回動位置P2−3に回動する必要がある。本実施形態では、シフトダウン時に予めシフトダウン方向の次の所定回動位置へ予め回動させる動作を、ダウン側予備変速と呼称する。本発明に係る自動変速装置は、このダウン側予備変速を最も早い時期に完了することで、シフトダウン時の変速時間の短縮を可能とする点に特徴がある。
時間t20においてシフトダウン変速指令を受けると、これと同時に、ダウン側予備変速のために電動モータ48の駆動が開始される。そして、シフトドラム44は、シフトスピンドル回動角度センサ出力に示されるように、時間t21〜t22においてハーフニュートラル位置PN3を経由し、時間t23において所定回動位置P2−3へのダウン側予備変速が完了することとなる。そして、本実施形態では、この時間t23におけるダウン側予備変速の完了、すなわち、前記シフトポジションセンサ70によって所定回動位置P2−3に回動されたことが検出されると、これと同時に第2クラッチCL2の接続を開始するように設定されている。このような接続開始タイミングによれば、第2クラッチCL2の接続開始が可能な状態となると同時に第2クラッチCL2の接続を開始するので、最短時間でシフトダウン動作を完了することが可能となる
また、時間t23で開始されるリニアソレノイドバルブ28の駆動制御は、アップ側予備変速時と同様に、時間t24〜t26のモード2制御によって、例えば、油圧指令値を5ms毎に少しづつ加算することで、変速ショックを極力低減するよう供給油圧を調整する。また、時間t23から開始されるシフトスピンドル52の戻し制御は、時間t25で完了し、ここで1つ目のシフトダウン許可条件(1/2)が成立する。そして、時間t26で第2クラッチCL2の接続が完了すると、第2速へのシフトダウンが完了すると共に、2つ目のシフトダウン許可条件(2/2)が成立し、次回のシフトダウン動作が可能な状態となる。また、リニアソレノイドバルブ28の駆動制御は時間t27で完了し、これにより、次回のシフトアップ動作が可能な状態となる。なお、時間t20から時間t30までの時間は、図10に示す時間t10から時間t30までの時間と同一である。また、上記したようなダウン側予備変速制御は、第4速から第3速、第2速から第1速へのシフトダウン時にも同様に実行することが可能である。
図13は、第3速から第2速へシフトダウンする際のダウン側予備変速制御の流れを示すフローチャートである。図12のタイムチャートと対応する部分には、タイムチャート内に示した時間を付す。ステップS20でシフトダウン変速指令を検知する(時間t20)と、ステップS21に進んでダウン側予備変速が開始される(時間t20)。ステップS22では、シフトポジションセンサ70の出力信号が所定回動位置P2−3に対応する値になったか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS23でダウン側予備変速を完了する(時間t23)。
次に、ステップS24では、第2クラッチCL2の接続を開始し(時間t23)、ステップS25では、タイマによって計測される第2クラッチCL2接続開始からの経過時間tが所定時間t1を超えたか否かが判定され、肯定判定されるとステップS26へ進んで、第2クラッチCL2の接続を完了すると共に第2速への変速が完了して(時間t26)、一連の制御を終了する。
上記したように、本実施形態に係る自動変速装置によれば、シフトアップの変速指令が出された場合は、変速指令と同時に第1クラッチCL1または第2クラッチCL2を接続するので、アップ側予備変速の開始が可能となる最も早いタイミングでクラッチの接続が実行されることとなり、シフトアップ時間を短縮することが可能となる。また、シフトダウンの変速指令が出された場合は、変速指令に伴ってダウン側予備変速を実行すると共に、シフトポジションセンサ70によってダウン側予備変速の完了が検出されることで第1クラッチCL1または第2クラッチCL2を接続するので、第2クラッチCL2の接続開始が可能な状態となるタイミングでクラッチの接続が実行されることとなり、シフトダウン時間を大幅に短縮することができるようになる。
図14および図15は、シフトポジションセンサ70の正面図および側面図である。シフトポジションセンサ70は、取付ステー76によりクランクケース21に固定される本体部75の内部に固定接点90および可動接点(不図示)を収納した回動角度センサである。可動接点には、位置決めピン79を有するセンサ軸78が固定されている。そして、位置決めピン79がシフトドラム44の端部の溝(不図示)に係合することで、シフトドラム44とセンサ軸78とが相対回転不能に連結されて、両者は一体的に回動することになる。
図16は、可動接点80および固定接点90の構成を示す模式図(a)およびそのJ−J線断面図(b)である。である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。固定接点90に対して回動可能とされる可動接点80には、金属等からなる接点部81が設けられている。また、前記本体部75に固定された固定接点90には、シフトドラム44の回動位置を規定するためにドラムセンタ61(図8参照)に形成された各凹部に対応する位置に、それぞれ金属等からなる接点部PN,P1−2,PN2,P2−3,PN3,P3−4,PN4 ,P4−5,PRが設定されており、シフトドラム44の回動動作に伴って可動接点80が回動されると、固定接点90側との通電位置が順次切り替わる構成とされている。すなわち、本実施形態に係るシフトポジションセンサ70によれば、前記所定回動位置(PN,P1−2,P2−3,P3−4,P4−5,PR)のみならず、ハーフニュートラル位置(PN2,PN3,PN4)の検出が可能である。
図17は、可動接点および固定接点の構成の変形例を示す模式図(a)およびそのK−K線断面図(b)である。である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本実施形態に係る可動接点82には、固定接点91の外周側に対応する外側接点部83と、固定接点91の内周側に対応する内側接点部84とが取り付けられている。外側接点部83と内側接点部84とは電気的に接続されており、可動接点82と共に回動するように構成されている。一方、固定接点91には、その内周側に、所定回動位置に対応する接点部PN,P1−2,P2−3,P3−4,P4−5,PRが設けられると共に、外周側にハーフニュートラル位置に対応する接点部PN2,PN3,PN4が設けられている。
この構成によれば、例えば、シフトアップが順次行われる場合には、可動接点82の外側接点部83と内側接点部84とが、固定接点91の内周側と外周側とで交互に接触することとなる。したがって、接点部同士の接触回数が減少し、接触箇所の増加に伴う接点部の摩耗を低減することが可能となる。また、ハーフニュートラル位置(PN2,PN3,PN4)と所定回動位置(P1−2,P2−3,P3−4,P4−5)との間では、2つの接点が同時に接触するオーバーラップ期間を有するように構成されている。この構成によれば、ハーフニュートラル位置と所定回動位置との間の位置においてもシフトポジション70からの出力信号が途切れることがなくなり、センサ回路の断線を場合に容易に判断できるようになる。
図18は、本発明の一実施形態に係るシフトドラム駆動制御の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係る自動変速機においては、シフトドラム44(図4参照)を電動モータ48で回転駆動するので、例えば、変速動作の途中でイグニッションキーのオフ動作やエンスト等によって電源供給が絶たれると、シフトドラム44がハーフニュートラル位置(PN2,PN3,PN4)に留まったままとなる可能性がある。本実施形態に係る自動変速機では、このような場合でも、シフトドラム44がハーフニュートラル位置にあることを検知して、ハーフニュートラル位置に対応した変速制御を可能とした点に特徴がある。
ステップS1では、シフトポジションセンサ70によって、シフトドラム44がハーフニュートラル(ハーフN)位置に留まって一定時間が経過したか否かが判定され、肯定判定されるとステップS2に進む。ステップS2では、エンジン1が回転中であるか否かが判定され、肯定判定、すなわち通常運転中であると判定されると、ステップS3において、目標とする所定回動位置にシフトドラム44を回動駆動して制御を終了する。一方、ステップS2で否定判定された場合は、前記エンジン1が停止した理由を判定するため、ステップS4に進む。
ステップS4では、制御部100等に内設された記憶装置の情報に基づいて、ハーフニュートラル位置になる前のギヤ段数の履歴が残っているか否かが判定される。本実施形態では、記憶装置にRAMを適用しているので、その記憶情報はイグニッションキーの操作等で電源がオフにされると消滅することとなる。したがって、ステップS4で肯定判定された場合は、電源がオンのままエンストしたものと判定してステップS5に進む。他方、否定判定された場合は、シフトドラム44の回転駆動の途中でイグニッションキーによって電源がオフにされた後に、再度電源がオンにされたものと判定してステップS6に進む。
そして、前記ステップS5では、RAMに残っているギヤ段数履歴に対応する所定回動位置にシフトドラム44を駆動し、他方、ステップS6では、シフトダウン側のギヤ段数に対応する所定回動位置にシフトドラム44を駆動して、それぞれ制御を終了する。上記したようなシフトドラム駆動制御によれば、ハーフニュートラル位置に対応した変速制御が可能となり、例えば、シフトドラム44の回転駆動の途中で電源がオフにされてハーフニュートラル位置に停止した後、再度電源がオンにされた場合でも、電源のオンと同時に適切な所定回動位置にシフトドラム44が駆動されることとなり、スムーズな再発進が可能となる。なお、ステップS6においては、電源のオンと同時に車速センサ等の出力信号を検知し、これらの情報に基づいてシフトアップ側の所定回動位置にシフトドラム44を回動駆動するように構成することもできる。また、例えば、ハーフニュートラル位置PN4等で停止した場合に、電源の再投入時に車速センサによって車両の停止状態が検知されると、発進に適した低速ギヤに対応する所定回動位置P1−2等までシフトドラム44を回動駆動するようにしてもよい。
上記したように、本発明に係る自動変速装置によれば、シフトポジションセンサによって、シフトドラムの所定回動位置同士の中間に設けられたハーフニュートラル位置を検出するようにしたので、ハーフニュートラル位置に対応した変速制御を実行することが可能となる。これにより、シフトドラムがハーフニュートラル位置にある状態でエンジンが停止された場合でも、再始動時にはシフトドラム位置が明確になり、適切なシフトドラム駆動制御の継続が可能となる。
なお、上記したような自動変速装置は、種々の車両の動力源に適用可能であり、例えば、自動二輪車用や4輪車の多気筒エンジン等に適用することができる。また、電動モータやリニアソレノイドバルブ等の駆動制御方法は、動力源の形式等に合わせて種々の変形が可能である。さらに、変速機の変速段数やドラムセンタの形状、シフトポジションセンサ内の固定接点および可動接点の形状、ハーフニュートラル位置の検出信号に基づいたシフトドラムの駆動制御方法等は、上記した実施形態に限られず、種々の変形が可能である。
1…エンジン(動力源)、25…シフトソレノイド、28…リニアソレノイドバルブ、31…フィードポンプ、44…シフトドラム、48…電動モータ、70…シフトポジションセンサ(位置検出手段)、80…可動接点、81…接点部、90…固定接点、100…制御部、101…エンジン回転数センサ、102…車速センサ、CL1…第1クラッチ、CL2…第2クラッチ、TCL…ツインクラッチ、TM…変速機、PN,P1−2,P2−3,P3−4,P4−5,PR…所定回動位置、PN2,PN3,PN4…ハーフニュートラル位置、WP…後輪