JP4776506B2 - パワーユニットの速度センサ取付構造 - Google Patents
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Description
速度センサは、中間軸に軸支された位置固定式ギヤに検出部を近接させて中間軸の回転速度を検出している。
図1〜図3を参照すると、本発明が適用された車両としての小型4輪車に搭載されるパワーユニットPは、エンジンとしての内燃機関Eと、変速機としての常時噛合い式のギヤ式変速機Mと、該変速機Mに対して内燃機関Eが発生する動力の伝達および遮断を行う湿式の摩擦式クラッチCと、変速機Mからの動力が伝達される終減速装置Rとを備える。変速機MとクラッチCと終減速装置Rとは、内燃機関Eの動力を駆動輪としての後輪に伝達する動力伝達装置を構成する。
内燃機関Eのクランク軸6が収納されるクランク室7を形成する動力ケースとしてのクランクケース3は、シリンダ軸線Lcを含むと共に回転中心線L1に直交する平面を合わせ面として、軸方向に二分される2つのケース半体3a,3b、ここでは左ケース半体3aと右ケース半体3bとが結合されて構成される。
シリンダヘッド2には、シリンダ軸線方向でピストン4に対向する燃焼室10と、燃焼室10に開口する吸気ポート11および排気ポート12とが形成され、さらに吸気ポート11および排気ポート12をそれぞれ開閉する吸気弁13および排気弁14と、燃焼室10に臨む点火栓15とが設けられる。
そのために、カム軸16aは、クランク軸6の左延出軸部6aに設けられる駆動スプロケット17aと、カム軸16aの左軸端部に設けられるカムスプロケット17bと、それらスプロケット17a,17bに掛け渡されるタイミングチェーン17cとから構成される動弁用伝動機構17により、クランク軸6の1/2の回転速度で回転駆動される。
燃焼室10内の燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン4がクランク軸6を回転駆動する。
燃焼ガスは、排気ガスとして排気弁14の開弁時に排気ポート12に流出し、さらに排気装置を通じて外部に排出される。
左収納室22内で、クランク室7から左方に突出するクランク軸6の左延出軸部6aには、左軸端部から順次、交流発電機24と、クランクケース3に取り付けられたスタータモータ25の回転をクランク軸6に伝達する始動用減速機構を構成する始動用被動ギヤ9と、駆動スプロケット17aとが設けられる。
クラッチ室23内で、クランク室7から右方に突出するクランク軸6の右延出軸部6bには、右軸端部から順次、トルクコンバータ26と、1次減速機構27とが設けられる。そして、クランクケース3、両カバー20,21および後述するギヤカバー77は、パワーユニットPのハウジングを構成する。
そして、変速機Mの出力軸であるカウンタ軸52は、変速切換機構55により選択された変速段の変速比で、メイン軸51により回転駆動される。
カウンタ軸52からの動力は、ディファレンシャル装置80を備える終減速装置Rで減速された後、後輪に伝達される。
変速機Mが収納されるミッション室57を含むクランク室7からのオイルおよびトルクコンバータ26からのオイルによるオイル雰囲気で充満しているクラッチ室23内に配置されたクラッチCは、ミッション室57からクラッチ室23内に突出したメイン軸51の軸端部に設けられる。
プレッシャプレート35は、クラッチアーム39aおよびカム機構を備えるリレーズ機構39により操作されて軸方向に移動し、クラッチスプリング35aの弾発力による両クラッチ板33,34の押圧および押圧解除を行って、クラッチCの断続状態を制御する。
メイン軸51とカウンタ軸52は、前後に略同じ高さ(若干メイン軸51の方が高い)に位置し、リバース軸53はカウンタ軸52の上方にメイン軸51よりさらに高い位置に配置されている。
変速ギヤ群54は、メイン軸51に設けられる駆動変速ギヤ群54aを構成する複数である所定数の駆動ギヤ41〜44と、カウンタ軸52に設けられる被動変速ギヤ群54bを構成する前記所定数の被動ギヤ46〜49と、リバース軸53に設けられる減速ギヤとしてのリバースギヤ45とから構成される。
2速ギヤ列G2は、メイン軸51に常時一体回転可能に設けられる駆動ギヤ42と、駆動ギヤ42に噛合すると共にカウンタ軸52に相対回転可能に設けられる被動ギヤ47とからなる。
3速ギヤ列G3は、メイン軸51に相対回転可能に設けられる駆動ギヤ43と、駆動ギヤ43に噛合すると共にカウンタ軸52に常時一体回転可能に設けられる被動ギヤ48とからなる。
シフタ61が、被動ギヤ46に係合すると1速ギヤ列G1(1速変速段)が確立し、被動ギヤ47に係合すると2速ギヤ列G2(2速変速段)が確立する。一方、シフタ62が駆動ギヤ43に係合すると3速ギヤ列G3(3速変速段)が確立し、駆動ギヤ44に係合すると、車両の後進時のギヤ列である後進用ギヤ列GRが確立する。
また、各シフタ61,62が、被動ギヤ46,47または駆動ギヤ43,44と係合しない中立位置を占めるときは、変速機Mが中立状態になる。
また、後進用ギヤ列GRを構成する後進用駆動ギヤである駆動ギヤ44(図4参照)と後進用被動ギヤである被動ギヤ49(図4参照)との間に介在するリバースギヤ45(図4参照)は、両ギヤ44,49より上に配置され、変速切換機構55のシフトドラム65および間欠送り機構66は、両ギヤ44,49より下に配置される。
駆動ギヤ71は中間軸70の左軸端部に嵌着された出力用被動ギヤ72と噛合する。
駆動ギヤ71および被動ギヤ72は、それらギヤ71,72を左方から覆って左ケース半体3aに結合されるギヤカバー77と左ケース半体3aとにより形成される収納室78に収納される。
中間軸70の中間アイドルギヤ73より右側には左右軸方向に摺動自在にスライド部材96がスプライン嵌合されており、同スライド部材96の右方にはリテーナ97が嵌着され、スライド部材96とリテーナ97との間に圧縮スプリング98が介装されてスライド部材96は左方の中間アイドルギヤ73に向けて付勢されている。
中間アイドルギヤ73とスライド部材96との間にカム機構99が構成されている。
中間アイドルギヤ73は、ディファレンシャル装置80の差動入力ギヤ74と噛合して減速ギヤ機構75を構成している。
したがって、変速機Mの出力軸であるカウンタ軸52の動力は、出力用駆動ギヤ71と出力用被動ギヤ72の噛合を介して中間軸70に伝達され、同中間軸70の動力は、カム式トルクダンパ95および減速ギヤ機構75(中間アイドルギヤ73と差動入力ギヤ74の噛合)を介してディファレンシャル装置80に伝達される。
減速ギヤ機構75およびディファレンシャル装置80は、ミッション室57の後方にミッション室57から独立して形成されたギヤ室92に収納される。
ギヤ室92は、ミッションケース56の後方で、各ケース半体3a,3bの後部3a3,3b3により構成されるギヤケース91により形成される。
それゆえ、ギヤケース91はクランクケース3に一体成形される。
また、ギヤ室68には、内燃機関Eおよび変速機Mなどの潤滑箇所を潤滑するためにクランク室7に貯留されるオイルとは別に、終減速装置Rの潤滑箇所を潤滑するオイルが貯留される。
そして、ギヤ室92内のオイルは、内燃機関Eの始動により発生する熱により加熱されたクランク室7を形成する壁(前部3a1,3a2および後部3b1,3b2により構成される。)および隔壁3cからの伝熱により暖められる。
ディファレンシャルサイドギヤ84および両車軸85は同一の回転中心線L6を有し、該回転中心線L6および中間軸70の回転中心線L5は回転中心線L1に平行である。
カウンタ軸52の上方にはリバース軸53が配置されているので、カウンタ軸52の後方の中間軸70に軸支された中間アイドルギヤ73とカウンタ軸52の上方のリバース軸53に軸支されたリバースギヤ45の上方を覆うクランクケース3の上壁は、カウンタ軸52に向けて凹んだ凹部3dが形成されている。
P…パワーユニット、E…内燃機関、M…変速機、L1〜L3,L5,L6…回転中心線、H0…特定平面、H1…第1平面、G1〜G3,GR…変速ギヤ列。
Claims (3)
- 内燃機関の動力軸とともに前記動力軸からの動力を変速する変速機を収納するクランクケースを備えるパワーユニットにおいて、
左右の駆動輪への動力伝達を行うディファレンシャル装置が前記クランクケースの後部に収納され、
前記変速機の出力軸の動力により駆動される中間軸に軸支された中間アイドルギヤが、前記ディファレンシャル装置の差動入力ギヤの上方にあって同差動入力ギヤと噛合され、
前記中間アイドルギヤの回転速度を検出する速度センサが同中間アイドルギヤの上方からクランクケースに取り付けられることを特徴とするパワーユニットの速度センサ取付構造 - 前記変速機の変速ギヤ群が配設される入力軸と前記出力軸が前後略同じ高さに配置され、
前記変速ギヤ群の上方にリバースギヤが配置され、
前記変速機の出力軸の後方略同じ高さに前記中間軸が配置され、
前記リバースギヤの後方で前記中間アイドルギヤの上方の空間に前記速度センサが位置して前記クランクケースに取り付けられることを特徴とする請求項1記載のパワーユニットの速度センサ取付構造。 - 前記中間軸の動力は、カム式トルクダンパを介して前記中間アイドルギヤに伝達されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパワーユニットの速度センサ取付構造。
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