JP2014197596A - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティの形を精密に制御し、また、キャビティの深さを、積層基板の厚さの半分を超える深さまで深く形成する。【解決手段】上層から順に、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板/絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とし、前記積層基板の上層の、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板が除去されて成るキャビティを有し、前記キャビティが前記積層基板の厚さの半分を超える深さを有する多層配線基板を製造する。【選択図】図5

Description

本発明は、半導体素子や抵抗、コンデンサ等のチップ部品を実装するためのキャビティを有する多層配線基板及びその製造方法に関する。
従来は、この種のプリント配線板として、特許文献1では、キャビティの底になる基材のパターンにソルダーレジストを形成し、その上にキャビティを形成するための準備として、剥離層に当たるマスクを形成し、キャビティの底になる基材の上下に樹脂層を積層した積層基板を形成する。そして、積層基板の上から、剥離層のあるマスク下に溝ができるまで加工用レーザー光線を照射し、マスクを境界にしてマスク上の積層部を除去してキャビティを形成していた。
特開2012−146983号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、加工用レーザー光線が積層基板のキャビティの高さまでの樹脂層を貫通した後に、更にマスク下までレーザー光線を照射するため、マスク下の溝の深さを精密に制御でず、最悪の場合、加工用レーザー光線が積層基板を貫通する問題もあり、製造歩留まりが悪い問題があった。
また、特許文献1の技術では、キャビティ底となる基材の反対側、つまり基板の中央部より更に下層部へのキャビティが形成できないので、キャビティの深さを、積層基板の厚さの半分を超える深さまで深く形成することができない問題があった。
上記の問題点を解決するために、本発明の課題は、キャビティの形を精密に制御し、また、キャビティの深さを、積層基板の厚さの半分を超える深さまで深く形成した、製造歩留まりが良い多層配線基板を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、
樹脂基板の一方の面に、キャビティ領域金属層を表面に有する剥離フィルムを貼付ける工程と、
前記樹脂基板と該樹脂基板の前記一方の面と他方の面を覆う絶縁樹脂層を積層して内層基板を形成する工程と、
前記内層基板の両面に樹脂層を含む外層構造を形成して積層基板を形成する工程と、
前記積層基板の前記樹脂基板の前記他方の面側の面から、加工用レーザー光線で、前記外層構造と、前記内層基板の前記絶縁樹脂層と前記樹脂基板と前記剥離フィルムを貫いて前記キャビティ領域金属層に達する枠状の溝を形成して前記キャビティ領域金属層上の前記枠状の溝内の積層基板の部分をその外側の積層基板の部分から分離する工程と、
積層基板から、前記キャビティ領域金属層上の、前記溝で分離された積層基板の部分を除去してキャビティを形成する工程と
を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
これにより、本発明は、上層から順に、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板
/絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板で、キャビティの深さがその積層基板の厚さの半分を超える深さを有する多層配線基板が得られる効果がある。
また、本発明は、上記の多層配線基板の製造方法であって、前記剥離フィルムを貼付ける工程が、
前記樹脂基板の前記一方の面に、前記キャビティ領域金属層の領域の外側の領域にキャビティ外側金属箔パターンを形成する工程と、
前記樹脂基板の前記一方の面に剥離フィルムのシートを貼り付ける工程と、
前記剥離フィルムのシートに、加工用レーザー光線によって前記キャビティ外側金属箔パターンに沿う枠状の第1の溝を形成し、前記剥離フィルムのシートを前記枠状の第1の溝の外側の前記キャビティ外側金属箔パターン上の部分と、前記枠状の第1の溝で囲まれる部分とに分離する工程と、
前記キャビティ外側金属箔パターン上の前記剥離フィルムのシートを剥離して除去する工程と、
前記剥離フィルムのシートの前記枠状の第1の溝で囲まれる部分の上に金属めっきによりキャビティ領域金属層を形成する工程とから成ることを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
また、本発明は、上記の多層配線基板の製造方法であって、前記剥離フィルムを貼付ける工程が、
キャビティの領域の形に切り抜いた粘着層付き金属箔を前記樹脂基板の前記一方の面に貼り付ける工程から成ることを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
また、本発明は、上層から順に、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板/絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とし、前記積層基板の上層の、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板が除去されて成るキャビティを有し、前記キャビティが前記積層基板の厚さの半分を超える深さを有することを特徴とする多層配線基板である。
また、本発明は、上記の多層配線基板であって、前記キャビティの底面の周囲を囲む金属枠パターンを有することを特徴とする多層配線基板である。
また、本発明は、上記の多層配線基板であって、上層から順に、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板/補強材を含まない絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とすることを特徴とする多層配線基板である。
また、本発明は、上記の多層配線基板であって、上層から順に、樹脂層を含む外層構造/補強材を含まない絶縁樹脂層/樹脂基板/補強材を含まない絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とすることを特徴とする多層配線基板である。
本発明のキャビティ付き多層配線基板10の製造方法によれば、樹脂基板1の下面に、キャビティ領域金属層4aを下面に有する剥離フィルム31を貼付け、その樹脂基板1の上下面に樹脂層を積層した内層基板を形成し、その内層基板の上下面に樹脂層を含む外層構造を形成することで、上層から順に、外層構造/絶縁樹脂層22/樹脂基板1/絶縁樹脂層21/外層構造で構成された積層基板を形成する。そして、その積層基板の上から、加工用レーザー光線で、外層構造/絶縁樹脂層22/樹脂基板1/剥離フィルム31を貫いてキャビティ領域金属層4aに達する枠状の溝33を形成する。そして、キャビティ領域金属層4a上の外層構造/絶縁樹脂層22/樹脂基板1/剥離フィルム31を積層基板
から除去してキャビティ34を形成する。
それにより、本発明は、上層から順に、外層構造/絶縁樹脂層22/樹脂基板1/絶縁樹脂層21/外層構造で構成された積層基板で、キャビティ34の深さが、その積層基板の厚さの半分を超える深さを有するキャビティ付き多層配線基板が得られる効果がある。
また、本発明によれば、その形成するキャビティ34が積層基板にプラスマイナス20μmの精度の正確な位置に形成できる効果がある。
本発明の第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その1)。 本発明の第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その2)。 本発明の第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その3)。 本発明の第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その4)。 本発明の第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その5) 本発明の第2の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である。 本発明の第3の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その1)。 本発明の第3の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その2)。 本発明の第3の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その3)。 本発明の第3の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である(その4)。 本発明の第4の実施形態のキャビティ付き多層配線基板の製造方法を説明する側断面図である。 本発明の第5の実施形態のキャビティ付き多層配線基板を説明する側断面図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1〜図5は、第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板10の製造方法を説明する側断面図である。
第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板10は、図5(t)のように、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイド−トリアジン樹脂、PPE樹脂などの絶縁樹脂からなる厚さが0.05mm以上で0.8mm以下の樹脂基板1を中心に持つ。この樹脂基板1は、ガラス繊維等の補強材入り絶縁樹脂を用いることができる。
この樹脂基板1内には、電解銅めっきで充填した金属めっき柱で構成する導電材充填バイアホール3を形成する。
樹脂基板1の下側には、全体の厚さが40μm〜50μmの補強材を含まない樹脂付き銅箔が積層されている。この樹脂付き銅箔の構成は、厚さ12μm程度の金属箔20aの
下層に、ガラス繊維等の補強材を含まない絶縁樹脂層21を有する。
樹脂基板1の上側には、全体の厚さが40μm〜50μmの補強材入り樹脂付き銅箔が積層されている。補強材入り樹脂付き銅箔の構成は、厚さ12μm程度の銅の金属箔20aの下層に、ガラス繊維等の補強材入り絶縁樹脂層22を有する。
(変形例1)
ここで、変形例1として、補強材入り樹脂付き銅箔の替りに、ガラス繊維を含むプリプレグから成る補強材入り絶縁樹脂層22と銅の金属箔20bの組み合わせを使用しても良い。また、その補強材入り樹脂付き銅箔又は補強材入り絶縁樹脂層22の替りに、補強材を含まない樹脂付き銅箔又は絶縁樹脂層を使用することもできる。
こうして、上層から順に、金属箔20aあるいは金属箔20b/絶縁樹脂層22/樹脂基板1/絶縁樹脂層21/金属箔20aから成る内層基板を有する。
そして、その内層基板の、外側の層の、補強材を含まない絶縁樹脂層21及び補強材入り絶縁樹脂層22の表面から樹脂基板1の導電材充填バイアホール3に達する銅の金属めっきで充填したブラインドバイアホール23を形成する。
そして、その内層基板の両面に第2の絶縁樹脂層41を形成し、その第2の絶縁樹脂層41の表面から内層基板のブラインドバイアホール23に達する銅の金属めっきで充填したブラインドバイアホール43を形成する。すなわち、内層基板の両面に、第2の絶縁樹脂層41と導体層とから成る外層構造を形成した積層基板を基本構成部分とする。
このキャビティ付き多層配線基板10は、積層基板の上の外層構造と樹脂基板1とを貫通したキャビティ34を有する。このキャビティ34の底部の最上層が、補強材を含まない絶縁樹脂層21であり、その下に外層構造の第2の絶縁樹脂層41を有する。そして、そのキャビティ34の底部には、BGAボールパッド用穴51を0.4mm以下のピッチで形成する。
このキャビティ付き多層配線基板10は、キャビティ34の外側の積層基板の層構成は、上から順に、第2の絶縁樹脂層41/補強材入り絶縁樹脂層22/樹脂基板1/補強材を含まない絶縁樹脂層21/第2の絶縁樹脂層41で構成する。また、第2の絶縁樹脂層41の表面は必要に応じてソルダーレジスト60のパターンを有する。
また、このキャビティ付き多層配線基板10は、その上面から順に、ブラインドバイアホール43/ブラインドバイアホール23/導電材充填バイアホール3/ブラインドバイアホール23/ブラインドバイアホール43で構成した金属柱を有する。
ここで、この第2の絶縁樹脂層41は、1層の樹脂に限らず、複数層の絶縁樹脂層と導体パターンとを積層した構造体で構成しても良い。
(製造方法の詳細)
以下で、図1から図5を参照して、本発明の第1の実施形態のキャビティ付き多層配線基板10の製造方法を詳しく説明する。
(工程1)
図1(a)のように、両面銅張り基板1aを準備する。その両面銅張り基板1aは、ガラスエポキシ樹脂やガラスポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイド−トリアジン樹脂、PPE樹脂等の絶縁基板の樹脂基板1の両面に銅の金属箔2aを有する。ここで
用いる両面銅張り基板1aは、それを構成する金属箔2aと樹脂基板1の間に接着剤層が存在する両面銅張り基板1aを用いることも可能である。
(工程2)
次に、図1(b)のように、この両面銅張り基板1aの両面の銅の金属箔2aの上に、エッチングレジストのパターンを形成して、上面の金属箔2a上のエッチングレジストのパターンを、バイアホール下穴3aを形成する位置を露出させて、金属箔2aをエッチングする。それにより、上面の金属箔2aにバイアホール下穴3a用の開口部3bを形成する。
また、両面銅張り基板1aの下面に形成するエッチングレジストのパターンは、キャビティ領域30を露出させて、金属箔2aをエッチングする。それにより、下面の金属箔2aのキャビティ領域30を除去し、キャビティ領域30の外側に銅のキャビティ外側金属箔パターン2bを残す。また、エッチングレジストのパターンで両面銅張り基板1aの金属箔2aをエッチングしてアライメントマーク(図示せず)を形成する。
(工程3)
次に、図1(c)のように、バイアホール下穴3a用の開口部3bに露出した樹脂基板1の面に炭酸ガスレーザー光線やYAGレーザー光線を照射するレーザー穴あけ処理により、下層のキャビティ外側金属箔パターン2bに達するバイアホール下穴3aを形成する。
(変形例2)
変形例2として、工程2で開口部3bを形成せずに、工程3において、上面の金属箔2aの上から直接にレーザー穴あけ処理を行うことで、開口部3bとバイアホール下穴3aとを同時に形成しても良い。
このバイアホール下穴3aは、後工程で、導電材充填バイアホール3を形成する下穴である。バイアホール下穴3aの形状は、例えば外層側の径が80μm、内層側の穴底の径が50μm、樹脂基板1による層間厚を30〜90μmの円錐台状のバイアホール下穴3aを形成する。
(工程4:剥離層形成)
次に、図1(d)のように、剥離フィルム31のシートを、圧着、熱圧着、真空熱圧着などによって樹脂基板1の下面に貼り付ける。剥離フィルム31は、後に工程7〜9で形成するキャビティ領域金属層4aの表面から剥離し易い樹脂の、フッ素系樹脂フィルム、PBTフィルム、PP延伸フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリオレフィンフィルム、PENフィルム等を用いる。
剥離フィルム31にこれらの材料を用いることで、後に形成するキャビティ領域金属層4aと剥離フィルム31との密着力を、キャビティ領域金属層4aと絶縁樹脂層21との密着力、及び、その他の金属めっき層と絶縁樹脂層22や第2の絶縁樹脂層41との密着力よりも弱くする。
その剥離フィルム31の厚さは、樹脂基板1の下に後に積層する絶縁樹脂層21の厚さに対して、その絶縁樹脂層21の厚さの2分の1以下の十分薄いシートを用いる。特に、厚さが25μm以下のシート状の剥離フィルム31を用いることが望ましい。
(工程5)
次に、図1(e)の側断面図のように、炭酸ガスレーザー光線やYAGレーザー光線の
加工用レーザー光線Lを、キャビティ外側金属箔パターン2bに沿って剥離フィルム31の表面に照射することで、剥離フィルム31の表面から樹脂基板1に達する、枠状の第1の溝32を形成することで、剥離フィルム31を、枠状の第1の溝32の内側の領域と、枠状の第1の溝32の外側の、キャビティ外側金属箔パターン2b上の領域に分割する。
この加工用レーザー光線Lは、両面銅張り基板1aの金属箔2aをエッチングして形成したアライメントマーク(図示せず)に位置を合わせて、正確な位置に照射する。それにより、プラスマイナス20μmの精度の正確な位置に第1の溝32を形成する。
(工程6)
次に、図1(f)の側面図のように、剥離フィルム31を、その周縁部分を掴んで樹脂基板1から下側に引き剥がす。すなわち、枠状の第1の溝32の外側の領域の剥離フィルム31を、樹脂基板1の下面のキャビティ外側金属箔パターン2bから剥離して除去する。枠状の第1の溝32の外側の領域の剥離フィルム31は、キャビティ外側金属箔パターン2b上にあるため、容易に剥離することができる。
それにより、図2(g)の側面図のように、枠状の第1の溝32よりも内側の領域の矩形の剥離フィルム31による剥離層を、樹脂基板1の下面の矩形のキャビティ領域30aに残す。
(工程7)
次に、樹脂基板1及び剥離フィルム31の剥離層の表面を粗化する。ここで、工程3で、レーザー光線にてバイアホール下穴3aを形成すると、バイアホール下穴3aの底に薄い樹脂膜が残る場合があり、その場合は、強アルカリにより樹脂を膨潤させ、その後、クロム酸や過マンガン酸塩水溶液などの酸化剤を使用して樹脂を分解除去するデスミア処理を行う。また、プラズマ処理にてバイアホール下穴3aの底に残った樹脂膜を除去してもよい。
(工程8)
次に、バイアホール下穴3aの壁面と剥離フィルム31の表面にめっき触媒付与及び無電解銅めっきを行って、厚さ0.1μmから数μmのめっき下地導電層を形成する。次に、電解銅めっき液を用いて電解銅めっきし、図2(h)のように、バイアホール下穴3aを電解銅めっきで充填した金属めっきによる導電材充填バイアホール3を形成し、一方、樹脂基板1の表面及び剥離フィルム31の剥離層の表面に、15μm以上の厚さの、例えば約16μmの厚さの銅の金属めっき層4を形成する。
(工程9)
次に、両面銅張り基板1aの金属箔2a及び銅の金属めっき層4の上にレジストのパターンを形成してエッチングすることで、図2(i)のように、導電材充填バイアホール3のランドを残し、また、キャビティ領域30aの剥離フィルム31の下面に矩形のキャビティ領域金属層4aのパターンを残し回路パターンを残す。
(変形例3)
変形例3として、この導電材充填バイアホール3の形成に、電解銅めっきを用いずに、導電ペーストを充填することで、導電材充填バイアホール3を形成することもできる。
(工程10)
次に、その積層の際に、樹脂基板1の両面に樹脂付き銅箔を積層するための表面処理を施す。次に、図2(j)のように、樹脂基板1の上側には、厚さ12μm程度の金属箔20bの下層に、ガラス繊維等の補強材入りで全体の厚さが40μm〜50μmの補強材入り絶縁樹脂層22を有する樹脂付き銅箔を設置し、樹脂基板1の下側には、厚さ12μm程度の金属箔20aの上層に、ガラス繊維等の補強材を含まず全体の厚さが40μm〜50μmの絶縁樹脂層21を有する樹脂付き銅箔を設置し積層する。そして、加熱・加圧することで、図3(k)のような内層基板を製造する。
(工程11)
次に、図3(l)のように、この内層基板の外側の金属箔20aと20bを、内層の導電材充填バイアホール3の位置の部分をエッチングして除去して、金属箔20aの下地の絶縁樹脂層21を露出させ、金属箔20bの下地の補強材入り絶縁樹脂層22を露出させた上で、その絶縁樹脂層21が露出した部分及び補強材入り絶縁樹脂層22が露出した部分に、炭酸ガスレーザー穴あけ装置のレーザー光線を照射して、樹脂基板1上の導電材充填バイアホール3に達するバイアホール用の穴23aを形成する。そのバイアホール用の穴23aの直径は、50〜150μm程度に形成する。
(工程12)
次に、その内層基板をデスミア液に浸漬することで、バイアホール用の穴23aのデスミア処理を行った上で、無電解銅めっき液に基板を浸漬することで、そのバイアホール用の穴23aの壁面に無電解銅めっき皮膜を形成する。
(工程13)
次に、その内層基板の下面の金属箔20aと上面の金属箔20bに電解銅めっき装置の陰極を接続して、基板を電解銅めっき浴に浸漬し基板の全面に電解銅めっきによる金属めっき層を形成するパネルめっき処理を行うことで、バイアホール用の穴23aを金属めっきで充填してブラインドバイアホール23を形成する。
(工程14)
次に、エッチングレジストパターンで内層基板の上下面の表面の銅の金属めっき層を保護してエッチングすることで、図3(m)のように、BGA接続用ランド24のパターンと、ブラインドバイアホール23のランドのパターン及び回路パターンを形成する。また、エッチング後にエッチングレジストを剥離する。ここで、BGA接続用ランド24のパターンは、0.4mm以下のピッチで形成する。そして、後工程で、BGA接続用ランド24のパターンの上にBGAボールパッド用穴51を0.4mm以下のピッチで形成する。
(工程15)
次に、図3(n)のように、内層基板の両面に、銅の金属箔40とプリプレグとを組み合わせた絶縁樹脂シートを加熱加圧成型することにより、プリプレグを加熱硬化させて、内層基板の両面の外側に第2の絶縁樹脂層41を有し、その外側に銅の金属箔40を有する積層基板を形成する。
(工程16)
次に、その積層基板の両面の表面の銅の金属箔40の面上に、バイアホール用穴43aと44aを形成する位置を露出させたエッチングレジストのパターンを形成する。そして、そのエッチングレジストのパターンでマスクして銅の金属箔40をエッチングすることで、バイアホール用穴43aと44a用の開口部を形成する。
また、上面の金属箔40の上に形成するエッチングレジストのパターンでは、キャビティ領域30aを露出させたレジストパターンを形成する。そのレジストパターンで銅の金属箔40をエッチングすることで、上面の金属箔40からキャビティ領域30aを除去し、キャビティ領域30aの外側の銅の第2のキャビティ外側金属箔パターン42を積層基板の上面に残す。
(工程17)
次に、図4(o)のように、バイアホール用穴43a用の開口部に露出した第2の絶縁樹脂層41に炭酸ガスレーザー光線やYAGレーザー光線を照射するレーザー穴あけ処理により、内層のブラインドバイアホール23に達するバイアホール用穴43aを形成する。バイアホール用穴43aは、50〜150μm程度の直径の穴を形成する。
また、バイアホール用穴44a用の開口部に露出した第2の絶縁樹脂層41にレーザー穴あけ処理を行うことで、内層のBGA接続用ランド24に達するバイアホール用穴44aを形成する。
(工程18:第2の溝形成)
次に、図4(p)の側断面図のように、第2のキャビティ外側金属箔パターン42に沿って、炭酸ガスレーザー光線やYAGレーザー光線などの加工用レーザー光線Lを、積層基板の表層の第2の絶縁樹脂層41から、補強材入り絶縁樹脂層22と樹脂基板1とを貫いて矩形のキャビティ領域金属層4aに達するまで照射する。それにより、キャビティ領域30aの、矩形のキャビティ領域金属層4aの上に枠状の第2の溝33を形成し、剥離フィルム31の端部を第2の溝33内に露出させる。
この加工用レーザー光線Lは、積層基板の内層の両面銅張り基板1aの金属箔2aにエッチングして形成したアライメントマーク(図示せず)に位置を合わせて、正確な位置に照射する。それにより、プラスマイナス20μmの精度の正確な位置に第2の溝33を形成できる効果がある。また、加工用レーザー光線Lは、キャビティ領域金属層4aで反射し、それより下層の絶縁樹脂層21には溝を形成しない。それにより、第2の溝33の深さはキャビティ領域金属層4aまでに精密に制御できる効果がある。
(工程19:キャビティの形成)
次に、図4(q)のように、積層基板から、矩形のキャビティ領域金属層4aの上の、枠状の第2の溝33で周囲から分離された矩形の剥離フィルム31とその上層の樹脂とをキャビティ領域金属層4aから剥離して矩形のキャビティ34を形成する。
積層基板において剥離フィルム31の下面に接触する層は、剥離フィルム31を容易に剥離できる矩形のキャビティ領域金属層4aのみであるため、積層基板から、矩形のキャビティ領域金属層4aの上の、第2の溝33で周囲から分離された剥離フィルム31とその上層の樹脂を容易に剥離できる効果がある。
このキャビティ34は、以上のようにして、表層の第2の絶縁樹脂層41から、補強材入り絶縁樹脂層22と、積層基板の中央部の両面銅張り基板1aの樹脂基板1とを貫いた第2の溝33によって形成するので、積層基板の中央部より更に下層部まで、積層基板の厚さの半分を超える深さのキャビティ34を形成できる効果がある。
(工程20)
次に、キャビティ34を形成した積層基板をデスミア液に浸漬することで、バイアホール用穴43aと44aのデスミア処理を行う。次に、その積層基板を無電解銅めっき液に浸漬することで、そのバイアホール用穴43aと44aの壁面に無電解銅めっき皮膜を形成する。
(工程21)
次に、その積層基板のキャビティ34をめっきレジストフィルムで保護して電解銅めっ
き浴に浸漬し基板の全面に電解銅めっきするパネルめっき処理を行うことでバイアホール用穴43aと44aを銅めっきで充填してブラインドバイアホール43と44を形成する。
(工程22)
次に、めっきレジストフィルムを剥離する。次に、エッチングレジストパターンを積層基板の上下面の表面の銅の金属めっき層上に形成し、金属めっき層をエッチングする。そして、エッチングレジストを剥離することで、図5(r)のように、ブラインドバイアホール43と44のランドパターンを形成する。このエッチングの際に、積層基板のキャビティ34の底面のキャビティ領域金属層4aもエッチングして除去し、キャビティ34の底面に絶縁樹脂層21を露出させる。
このエッチングの際に、絶縁樹脂層21に食い込んだ金属枠パターン4bをキャビティ34の底面の周囲に残し、その金属枠パターン4bでキャビティ34の底面を囲む。キャビティ34の底面の周囲を金属枠パターン4bで囲むことで、キャビティに設置する半導体素子チップ70の動作に影響する電磁ノイズをその金属枠パターン4bが抑制する効果がある。
こうして、内層基板の両面に、導体パターンと第2の絶縁樹脂層41とから成る外層構造を有し、キャビティ34を有する積層基板を形成する。
(工程23)
次に、図5(s)のように、積層基板のキャビティ34の底面の絶縁樹脂層21に対して、炭酸ガスレーザ加工装置を使用したレーザー穴あけを行い、絶縁樹脂層21を貫通してBGA接続ランド24に達するBGAボールパッド用穴51を、0.4mm以下のピッチで形成する。
このBGAボールパッド用穴51を形成するレーザー穴あけのレーザー光線の照射位置は、積層基板の下面の金属箔20aを含む銅の金属めっき層を、エッチングして、BGA接続ランド24と同時に形成したアライメントマーク(図示せず)に位置を合わせてレーザー光線を正確な位置に照射する。
(工程24)
次に、図5(t)のように、積層基板の表裏にソルダーレジスト60のパターンを印刷する。そして、必要に応じて、BGAボールパッド用穴51の底に露出したBGA接続ランド24の面にフラッシュ金めっき等の表面処理を行う。
<第2の実施形態>
第2の実施形態を図6により説明する。第2の実施形態では、図6(a)のように、第1の実施形態の工程10において両面銅張り基板1aの樹脂基板1の上下面に、ともに、補強材を含まない絶縁樹脂層21と金属箔20aとから成る樹脂付き銅箔を積層して内層基板を形成する。そして、その内層基板の両面に外層積層構造を形成して、図6(b)の層構成のキャビティ付き多層配線基板10を製造する。
そのように両面銅張り基板1aの上下面に強材を含まない絶縁樹脂層21を積層することにより、製造したキャビティ付き多層配線基板10の反り量を少なくできる効果がある。
<第3の実施形態>
図7〜図10の側断面図で、第3の実施形態のキャビティ付き多層配線基板10の製造
方法を説明する。
(工程1)
図7(a)のように、第1の実施形態と同様に、両面銅張り基板1aを準備する。
(工程2)
次に、図7(b)のように、この両面銅張り基板1aの両面の金属箔2aの上に、エッチングレジストのパターンを形成して、上面の金属箔2a上のエッチングレジストのパターンを、バイアホール下穴3aを形成する位置を露出させて、金属箔2aをエッチングする。それにより、上面の金属箔2aにバイアホール下穴3a用の開口部3bを形成する。
(工程3)
次に、図7(c)のように、バイアホール下穴3a用の開口部3bに露出した樹脂基板1の面に炭酸ガスレーザー光線やYAGレーザー光線を照射するレーザー穴あけ処理により、下層の金属箔2aに達するバイアホール下穴3aを形成する。
(工程4)
次に、バイアホール下穴3aの壁面に露出した樹脂基板1を粗化する。ここで、バイアホール下穴3aの底に残留した薄い樹脂膜を、強アルカリにより膨潤させ、その後、クロム酸や過マンガン酸塩水溶液などの酸化剤を使用して樹脂を分解除去するデスミア処理を行う。また、プラズマ処理にてバイアホール下穴3aの底に残った樹脂膜を除去してもよい。
(工程5)
次に、バイアホール下穴3aの壁面にめっき触媒付与及び無電解銅めっきを行って、厚さ0.1μmから数μmのめっき下地導電層を形成する。次に、電解銅めっき液を用いて電解銅めっきし、図7(d)のように、バイアホール下穴3aを電解銅めっきで充填した金属めっきによる導電材充填バイアホール3を形成し、一方、樹脂基板1の表面に、15μm以上の厚さの、例えば約16μmの厚さの銅の金属めっき層4を形成する。
(工程6)
次に、両面銅張り基板1aの金属箔2a及び金属めっき層4の上にレジストのパターンを形成してエッチングすることで、図7(e)のように、導電材充填バイアホール3のランドのパターン及び回路パターンを残す。次に、その積層の際に、樹脂基板1の両面に樹脂付き銅箔を積層するための表面処理を施す。
(工程7:剥離層形成)
次に、粘着層31b付きの金属箔をキャビティ領域30aの形に打ち抜く。そして、キャビティ領域30aの形に打ち抜くことで金属箔を切り抜いたキャビティ領域金属層4aと粘着層31bから成る粘着層付き金属箔を粘着性剥離フィルム31cを作成する。
粘着性剥離フィルム31cの粘着層31bには、キャビティ領域金属層4aの表面から剥離し易い粘着性の樹脂を用いる。その粘着性剥離フィルム31cの厚さは、樹脂基板1の下に後に積層する絶縁樹脂層21の厚さに対して、その絶縁樹脂層21の厚さの2分の1以下の十分薄いシートを用いる。特に、厚さが25μm以下の粘着性剥離フィルム31cを用いることが望ましい。
次に、図7(f)のように、樹脂付き銅箔を両面に積層するための表面処理を施した後の樹脂基板1の下面に、粘着性剥離フィルム31cを位置合わせする。その位置合わせは、積層基板の内層の両面銅張り基板1aの金属箔2aにエッチングして形成したアライメントマーク(図示せず)に位置を合わせ、粘着性剥離フィルム31cを樹脂基板1に対してプラスマイナス20μmの正確な位置に位置合わせする。
そして、図8(g)のように、樹脂付き銅箔を両面に積層するための表面処理を施した後の樹脂基板1の下面に、粘着性剥離フィルム31cを貼り付ける。
本実施形態では、樹脂付き銅箔を両面に積層するための表面処理を施した後に、樹脂基板1の下面に粘着性剥離フィルム31cを貼り付けるため、その表面処理の際に粘着性剥離フィルム31cが剥がれる危険性が少ない効果がある。それにより、貼り付けた粘着性剥離フィルム31cの位置ずれが無く高い信頼性のキャビティ付き多層配線基板10を製造できる効果がある。
(工程8)
次に、図8(h)のように、樹脂基板1の上側には、金属箔20bと補強材入り絶縁樹脂層22から成る樹脂付き銅箔を設置し、樹脂基板1の下側には、金属箔20aと補強材を含まない絶縁樹脂層21から成る樹脂付き銅箔を設置し積層して内層基板を製造する。
(工程9)
次に、図8(i)のように、その内層基板にレーザー光線でバイアホール用の穴を形成し、その穴に銅めっきを充填してブラインドバイアホール23を形成する。そして、エッチングレジストのパターンでマスクしてエッチングすることで、ブラインドバイアホール23のランドのパターンとBGA接続用ランド24のパターンを形成する。
(工程10)
次に、図8(j)のように、内層基板の両面に、金属箔40とプリプレグとを組み合わせた絶縁樹脂シートを加熱加圧成型することにより、プリプレグを加熱硬化させた第2の絶縁樹脂層41を形成した積層基板を得る。
(工程11)
次に、図9(k)のように、積層基板の両面の第2の絶縁樹脂層41の外側の金属箔40の上に、エッチングレジストのパターンでマスクして金属箔40をエッチングすることで、バイアホール用穴43aと44a用の開口部を形成する。
次に、バイアホール用穴43a用の開口部に露出した第2の絶縁樹脂層41にレーザー穴あけ処理により、内層のブラインドバイアホール23に達するバイアホール用穴43aを形成するとともに、バイアホール用穴44a用の開口部に露出した第2の絶縁樹脂層41にレーザー穴あけ処理を行うことで、内層のBGA接続用ランド24に達するバイアホール用穴44aを形成する。
(工程12)
次に、積層基板をデスミア液に浸漬することで、バイアホール用穴43aと44aのデスミア処理を行う。次に、その積層基板を無電解銅めっき液に浸漬することで、そのバイアホール用穴43aと44aの壁面に無電解銅めっき皮膜を形成する。
次に、その積層基板を電解銅めっき浴に浸漬し積層基板の全面に電解銅めっきするパネルめっき処理を行うことでバイアホール用穴43aと44aを銅めっきで充填してブラインドバイアホール43と44を形成する。
(工程13)
次に、図9(l)のように、銅の金属めっき層をエッチングすることで、ブラインドバイアホール43と44のランドパターン及び回路パターンを形成する。こうして、内層基
板の両面に樹脂層と導体パターンから成る外層構造を形成する。
ここで、本実施形態で、内層基板の両面に外層構造を形成する方法は、以上のような、第2の絶縁樹脂層41の1層とブラインドバイアホール43及び回路パターンより成る外層構造を形成する方法に限定されない。すなわち、以下のようにして外層構造を形成しても良い。すなわち、内層基板の両面に、以上の工程10から13までの工程を繰り返して行うことで、内層基板の両面に、第2の絶縁樹脂層41とブラインドバイアホール43及び回路パターンとを複数層形成した外層構造を形成することもできる。
(工程14:溝形成)
次に、図9(m)の側断面図のように、積層基板の内層基板の更に内層の両面銅張り基板1aの金属箔2aをエッチングして形成したアライメントマーク(図示せず)に位置を合わせて、加工用レーザー光線Lを、積層基板の表層の第2の絶縁樹脂層41から、補強材入り絶縁樹脂層22と樹脂基板1とを貫いて矩形のキャビティ領域金属層4aに達するまで照射する。
それにより、キャビティ領域30aの、矩形のキャビティ領域金属層4aの上に、プラスマイナス20μmの精度の正確な位置に第2の溝33を形成する。これにより、粘着性剥離フィルム31cの粘着層31bの端部を第2の溝33内に露出させる。
(工程15:キャビティの形成)
次に、図10(n)のように、積層基板から、矩形のキャビティ領域金属層4aの上の、第2の溝33で周囲から分離された矩形の粘着層31bとその上層の樹脂とをキャビティ領域金属層4aから剥離して矩形のキャビティ34を形成する。
次に、キャビティ34内に残留したキャビティ領域金属層4aをエッチングして除去して、キャビティ34の底面に絶縁樹脂層21を露出させる。
(工程16)
次に、図10(o)のように、積層基板のキャビティ34の底面に露出した絶縁樹脂層21に対して、炭酸ガスレーザ加工装置を使用したレーザー穴あけを行い、絶縁樹脂層21を貫通してBGA接続ランド24に達するBGAボールパッド用穴51を、0.4mm以下のピッチで形成する。
このBGAボールパッド用穴51を形成するレーザー穴あけのレーザー光線の照射位置は、積層基板の下面の金属箔20aを含む銅の金属めっき層をエッチングして、BGA接続ランド24と同時に形成したアライメントマーク(図示せず)に位置を合わせてレーザー光線を正確な位置に照射する。
(工程17)
次に、図10(p)のように、積層基板の表裏にソルダーレジスト60のパターンを印刷する。そして、必要に応じて、BGAボールパッド用穴51の底に露出したBGA接続ランド24の面にフラッシュ金めっき等の表面処理を行う。
<第4の実施形態>
第4の実施形態を図11により説明する。第4の実施形態は、第3の実施形態の工程14まで同じ製造工程を経て、図9(m)の積層基板を得る。それ以降の製造工程を以下のように進める。
(工程15:キャビティの形成)
次に、図11(a)のように、積層基板から、矩形のキャビティ領域金属層4aの上の、第2の溝33で周囲から分離された矩形の粘着層31bとその上層の樹脂とをキャビティ領域金属層4aから剥離して矩形のキャビティ34を形成する。このキャビティ34の底面にはキャビティ領域金属層4aが残っている。
(工程16)
次に、図11(b)のように、積層基板の表裏にソルダーレジスト60のパターンを印刷してキャビティ付き多層配線基板10を完成させる。
(半導体素子チップの実装)
このキャビティ付き多層配線基板10には、図11(c)のように半導体素子チップ70を実装する。すなわち、キャビティ34の底面のキャビティ領域金属層4aの上に半導体素子チップ70を設置し、その半導体素子チップ70の端子とブラインドバイアホール43のランドとに、金、銅等の金属のボンディングワイヤ80をワイヤボンディングして電気接続することができる。
この第4の実施形態の、キャビティ34の底面にキャビティ領域金属層4aを有するキャビティ付き多層配線基板10は、第1の実施形態の製造方法によってキャビティ領域金属層4aを形成することもできる。
<第5の実施形態>
第5の実施形態を図12により説明する。第5の実施形態は、導電材充填バイアホール3の下に接続するバイアホールを、導電材充填バイアホール3の下の絶縁樹脂層21と第2の絶縁樹脂層41との2層の樹脂層をレーザー穴あけで下層から貫通させて導電材充填バイアホール3に達する穴を形成し、その穴を銅めっきで充填してスキップバイアホール45を形成する。すなわち、本発明は、本実施形態のように、スキップバイアホール45を形成したキャビティ付き多層配線基板10を製造することもできる。
1・・・樹脂基板
1a・・・両面銅張り基板
2a・・・金属箔
2b・・・キャビティ外側金属箔パターン
3・・・導電材充填バイアホール
3a・・・バイアホール下穴
3b・・・開口部
4・・・金属めっき層
4a・・・キャビティ領域金属層
4b・・・金属枠パターン
10・・・キャビティ付き多層配線基板
20a、20b・・・金属箔
21・・・絶縁樹脂層
22・・・補強材入り絶縁樹脂層
23・・・・ブラインドバイアホール
23a・・・バイアホール用の穴
24・・・BGA接続用ランド
30、30a・・・キャビティ領域
31・・・剥離フィルム
31b・・・粘着層
31c・・・粘着性剥離フィルム
32・・・第1の溝
33・・・第2の溝
34・・・キャビティ
40・・・金属箔
41・・・第2の絶縁樹脂層
42・・・第2のキャビティ外側金属箔パターン
43、44・・・・ブラインドバイアホール
43a、44a・・・バイアホール用穴
45・・・スキップバイアホール
51・・・BGAボールパッド用穴
60・・・ソルダーレジスト
70・・・半導体素子チップ
80・・・ボンディングワイヤ
L・・・加工用レーザー光線

Claims (7)

  1. 樹脂基板の一方の面に、キャビティ領域金属層を表面に有する剥離フィルムを貼付ける工程と、
    前記樹脂基板と該樹脂基板の前記一方の面と他方の面を覆う絶縁樹脂層を積層して内層基板を形成する工程と、
    前記内層基板の両面に樹脂層を含む外層構造を形成して積層基板を形成する工程と、
    前記積層基板の前記樹脂基板の前記他方の面側の面から、加工用レーザー光線で、前記外層構造と、前記内層基板の前記絶縁樹脂層と前記樹脂基板と前記剥離フィルムを貫いて前記キャビティ領域金属層に達する枠状の溝を形成して前記キャビティ領域金属層上の前記枠状の溝内の積層基板の部分をその外側の積層基板の部分から分離する工程と、
    積層基板から、前記キャビティ領域金属層上の、前記溝で分離された積層基板の部分を除去してキャビティを形成する工程と
    を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の多層配線基板の製造方法であって、前記剥離フィルムを貼付ける工程が、
    前記樹脂基板の前記一方の面に、前記キャビティ領域金属層の領域の外側の領域にキャビティ外側金属箔パターンを形成する工程と、
    前記樹脂基板の前記一方の面に剥離フィルムのシートを貼り付ける工程と、
    前記剥離フィルムのシートに、加工用レーザー光線によって前記キャビティ外側金属箔パターンに沿う枠状の第1の溝を形成し、前記剥離フィルムのシートを前記枠状の第1の溝の外側の前記キャビティ外側金属箔パターン上の部分と、前記枠状の第1の溝で囲まれる部分とに分離する工程と、
    前記キャビティ外側金属箔パターン上の前記剥離フィルムのシートを剥離して除去する工程と、
    前記剥離フィルムのシートの前記枠状の第1の溝で囲まれる部分の上に金属めっきによりキャビティ領域金属層を形成する工程とから成ることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  3. 請求項1記載の多層配線基板の製造方法であって、前記剥離フィルムを貼付ける工程が、
    キャビティの領域の形に切り抜いた粘着層付き金属箔を前記樹脂基板の前記一方の面に貼り付ける工程から成ることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  4. 上層から順に、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板/絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とし、前記積層基板の上層の、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板が除去されて成るキャビティを有し、前記キャビティが前記積層基板の厚さの半分を超える深さを有することを特徴とする多層配線基板。
  5. 請求項4記載の多層配線基板であって、前記キャビティの底面の周囲を囲む金属枠パターンを有することを特徴とする多層配線基板。
  6. 請求項4又は5に記載の多層配線基板であって、上層から順に、樹脂層を含む外層構造/絶縁樹脂層/樹脂基板/補強材を含まない絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とすることを特徴とする多層配線基板。
  7. 請求項4又は5に記載の多層配線基板であって、上層から順に、樹脂層を含む外層構造/補強材を含まない絶縁樹脂層/樹脂基板/補強材を含まない絶縁樹脂層/樹脂層を含む外層構造で構成された積層基板を基本構成部分とすることを特徴とする多層配線基板。
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