JP2014196276A - シート状皮膚外用剤 - Google Patents

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Kaori Zaiki
香里 財木
浩一 仲尾次
Koichi Nakaoji
浩一 仲尾次
濱田 和彦
Kazuhiko Hamada
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Abstract

【課題】損傷後の皮膚に傷跡が残ることを抑制できるシート状皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂とクスノハガシワ抽出物とを含有する樹脂組成物がシート状に形成された樹脂シートを備えているシート状皮膚外用剤を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シート状皮膚外用剤に関する。
従来、シート状皮膚外用剤としては、様々なものが知られており、例えば、樹脂を含み皮膚に接するように貼付されるシート状の樹脂シートを備えたものなどが知られている。
この種のシート状皮膚外用剤は、例えば、損傷部分を覆うように樹脂シートが皮膚に貼り付けられることにより使用される。
この種のシート状皮膚外用剤としては、具体的には例えば、シロキサン結合を有するポリエーテル系樹脂を樹脂として含む樹脂シートを備えたものが提案されている(特許文献1)。
斯かるシート状皮膚外用剤によれば、損傷した皮膚において傷跡が残ることを抑制できる。
しかしながら、斯かるシート状皮膚外用剤においては、樹脂シートが単に上記のような樹脂を含んでいても、損傷後の皮膚に傷跡が残ることを必ずしも十分に抑制できないという問題がある。
特開2008−132206号公報
本発明は、上記問題点等に鑑み、損傷後の皮膚に傷跡が残ることを十分に抑制できるシート状皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本発明に係るシート状皮膚外用剤は、樹脂とクスノハガシワ抽出物とを含有する樹脂組成物がシート状に形成された樹脂シートを備えていることを特徴としている。
本発明に係るシート状皮膚外用剤においては、前記樹脂組成物において前記樹脂100質量部に対する前記クスノハガシワ抽出物の量が乾燥物換算で0.001〜0.5質量部であることが好ましい。
本発明に係るシート状皮膚外用剤においては、前記樹脂が、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが重合した(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。
本発明に係るシート状皮膚外用剤は、皮膚に貼付された前記樹脂シートを保護すべく、前記樹脂シートの皮膚と接する面と反対の面側に配された保護シートをさらに備えていることが好ましい。
本発明のシート状皮膚外用剤は、損傷後の皮膚に傷跡が残ることを十分に抑制できるという効果を奏する。
シート状皮膚外用剤の断面を模式的に表した模式図。 シート状皮膚外用剤の断面を模式的に表した模式図。 (a)シート状皮膚外用剤を片面側から見た様子を模式的に表した模式図。(b)シート状皮膚外用剤の断面を模式的に表した模式図。 シート状皮膚外用剤の剥離用シートを取り除くときの様子を断面で模式的に表した模式図。 シート状皮膚外用剤によって皮膚における傷跡の回復を評価した結果を表す図。 シート状皮膚外用剤によって皮膚における傷跡の回復を評価した結果を表す写真。 シート状皮膚外用剤によって皮膚における傷跡の回復を評価した結果を表す図。 シート状皮膚外用剤によって皮膚における傷跡の回復を評価した結果を表す図。 シート状皮膚外用剤によって皮膚における傷跡の回復を評価した結果を表す図。
本発明に係るシート状皮膚外用剤の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。図1及び図2は、いずれも本実施形態のシート状皮膚外用剤を厚み方向に切断した断面の模式図である。
本実施形態のシート状皮膚外用剤1は、図1及び図2に示すように、樹脂とクスノハガシワ抽出物とを含有する樹脂組成物がシート状に形成された樹脂シート2を備えているものである。
本実施形態のシート状皮膚外用剤1は、図2に示すように、さらに、皮膚に貼付された前記樹脂シート2を保護すべく、前記樹脂シート2の皮膚と接する面と反対の面側に配され前記樹脂シート2と積層された状態で皮膚に貼付される保護シート3を備えている。即ち、前記シート状皮膚外用剤1においては、図2に示すように、前記樹脂シート2と前記保護シート3とがそれぞれ片面側にて互いに接するように積層されている。
前記シート状皮膚外用剤1によれば、皮膚における損傷部分を覆い皮膚と接するように樹脂シート2を皮膚に貼付することにより、皮膚における損傷部分の回復を促進することができる。また、樹脂シート2がクスノハガシワ抽出物を含むため、クスノハガシワ抽出物によっても皮膚における損傷部分の回復を促進することができる。従って、前記シート状皮膚外用剤1によれば、損傷後の皮膚に傷跡が残ることを抑制できる。
前記樹脂シート2を形成する樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが重合した(メタ)アクリル樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合樹脂、ポリイソブチレン樹脂などが挙げられる。
前記樹脂としては、皮膚との密着性に優れ、損傷後の皮膚の傷跡をより確実に目立たないようにすることができるという点で、前記(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
前記(メタ)アクリル樹脂としては、1種の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが重合した単独重合(メタ)アクリル樹脂、又は、異なる複数種の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが共重合した共重合(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
なお、前記(メタ)アクリル酸誘導体モノマーは、アクリル酸誘導体及びメタクリル酸誘導体の両方を意味する。
前記(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)アクリル酸ミリスチルエステル、(メタ)アクリル酸パルミチルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルとしては、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシメチルエステルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル樹脂としては、より皮膚との密着性に優れる点、また、透湿性に優れ損傷後の皮膚の傷跡に長期間貼付しても密着性及び安全性を確保できる点で、前記共重合(メタ)アクリル樹脂が好ましく、少なくとも前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルとが共重合した共重合(メタ)アクリル樹脂がより好ましく、少なくともアクリル酸メトキシエチルエステルと(メタ)アクリル酸ラウリルエステルとが共重合した共重合(メタ)アクリル樹脂がさらに好ましい。
前記樹脂組成物においては、前記樹脂の含有量が、通常、90〜99質量%である。
前記クスノハガシワ抽出物は、クスノハガシワ(Mallotus philippensis)に抽出処理を施すことにより得られるものである。
前記抽出処理が施されるクスノハガシワの部分としては、クスノハガシワの樹皮などが挙げられる。
前記クスノハガシワ抽出物としては、損傷後の皮膚の傷跡をより確実に目立たないようにすることができるという点で、クスノハガシワの樹皮に抽出処理を施すことにより得られたものが好ましい。即ち、前記クスノハガシワ抽出物としては、クスノハガシワの樹皮の抽出物が好ましい。
前記クスノハガシワ抽出物を抽出処理するための抽出溶媒としては、特に限定されず、例えば、水、又は、アルコール類やエステル類などの有機溶媒などが挙げられる。
前記アルコール類としては、エタノールなどの1価アルコール、グリセリンやプロピレングリコールなどの多価アルコールなどが挙げられる。
前記エステル類としては、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。
前記抽出溶媒としては、損傷後の皮膚の傷跡をより確実に目立たないようにすることができるクスノハガシワ抽出物を得るという点で、水と1価アルコールとが混合された抽出溶媒が好ましく、水とエタノールとが混合された抽出溶媒がより好ましい。
水とエタノールとが混合された抽出溶媒においては、エタノール含量が70〜90容量%であることが好ましい。
前記抽出処理の方法としては、特に制限されず、従来公知の一般的な抽出処理方法を採用することができる。抽出処理においては、抽出原料をそのまま若しくは乾燥させて用いることができる。また、抽出処理においては、通常、抽出溶媒量が抽出原料の1〜15倍量(質量比)であり、抽出温度が10℃〜90℃であり、抽出時間が1時間〜5日間である。抽出した後においては、必要に応じて、適宜、ろ過、脱臭、脱色などの精製処理が行われる。
抽出処理後のクスノハガシワ抽出物は、前記抽出溶媒による抽出液、その希釈液、その濃縮液、又はその抽出溶媒を除去した乾燥物の態様になり得る。具体的には、抽出処理後のクスノハガシワ抽出物は、例えば、液体状、ペースト状、ゲル状、粉末状などの態様になり得る。
前記樹脂組成物においては、損傷後の皮膚の傷跡をより確実に目立たないようにすることができるという点で、前記樹脂100質量部に対する前記クスノハガシワ抽出物の量が、乾燥物換算で、0.001質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましく、0.05質量部以上であることがさらに好ましい。また、0.5質量部以下であることが好ましく、0.3質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以下であることがさらに好ましい。
なお、乾燥物換算とは、抽出処理後の抽出物から抽出溶媒を除いた残渣である乾燥物の質量に換算することである。
前記クスノハガシワ抽出物としては、例えば、市販されているものが採用される。
前記樹脂シート2の厚みは、通常、10〜100μmである。
前記樹脂シート2の大きさは、特に限定されず、前記樹脂シート2は、通常、皮膚の損傷部分を覆うことができる大きさに形成されている。
前記樹脂シート2の形状としては、例えば、片面側から見たときに、矩形状、又は、円状のもの等が挙げられる。
前記樹脂シート2を形成する樹脂組成物は、必要に応じて、適宜、界面活性剤、油剤、増粘剤、保湿剤、色素、pH調整剤、防腐剤、無機粉体、香料などを含み得る。
前記保護シート3は、前記樹脂シート2の皮膚と接する面と反対の面側に配され前記樹脂シート2に積層された状態で皮膚に貼付されるシート状物である。
前記保護シート3は、皮膚に接するように貼付される樹脂シート2を保護するように、図2に示すように、樹脂シート2の片面側に配されている。
前記保護シート3は、前記クスノハガシワ抽出物を含んでいない。
前記保護シート3としては、例えば、プラスチックシート、紙、又は、金属箔などが挙げられる。
前記保護シート3としては、適度な弾性を有するという点で、プラスチックシートが好ましい。
前記保護シート3は、必要に応じて、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などを適量含み得る。
前記保護シート3の大きさは、特に限定されないが、片面側から見たときに、通常、樹脂シート2と同じである。
前記保護シート3の形状は、シート状であれば特に限定されないが、片面側から見たときに、通常、前記樹脂シート2と同じである。
前記保護シート3の厚みは、通常、5〜100μmである。
前記シート状皮膚外用剤1は、図2に示すように、樹脂シート2と保護シート3とが互いに片面側で接して積層された積層シートを備え、樹脂シート3側が皮膚と対向するように該積層シートを皮膚に貼付するように構成されている。
前記シート状皮膚外用剤1は、例えば図3に示すように、樹脂シート2と保護シート3とが積層された積層シートを複数備え、さらに、積層シートを皮膚に貼付する前に剥離されて取り除かれる剥離用シート4を備えていることが好ましい。
前記剥離用シート4は、例えば図3に示すように、複数の樹脂シートと接するように配された1枚の樹脂シート側剥離用シート4aと、それぞれの保護シートと接するように配された複数の保護シート側剥離用シート4bとを備えている。
図3(a)は、1枚の樹脂シート側剥離用シート4a及び複数枚の保護シート側剥離用シート4bを備えたシート状皮膚外用剤1を保護シート側剥離用シート4b側から見た様子を示す概要図である。また、図3(b)は、図3(a)におけるZ−Z断面を模式的に表した断面図である。
前記樹脂シート側剥離用シート4aは、図3(b)に示すように、樹脂シート2の皮膚に貼付される面側に配されている。即ち、樹脂シート2の皮膚に貼付される面と接している。
一方、前記保護シート側剥離用シート4bは、図3(b)に示すように、積層シートの皮膚に貼付される面と反対の面側に配され、保護シート3の一方の面と接している。
前記樹脂シート側剥離用シート4aは、例えば図3(a)に示すように、片面側から見たときに矩形状に形成されており、一平面に沿って並ぶように配された複数の樹脂シート2それぞれの片面側と接するように配されている。
前記樹脂シート側剥離用シート4aの面積は、各樹脂シート2の合計面積より大きく、具体的には例えば、図3(a)に示すように、6つの樹脂シート2の合計面積より大きい。
前記樹脂シート側剥離用シート4aには、片面側から見たときに、対向する2辺のうちの一方の辺から他方の辺へ延びる直線状の切れ目Bが入れられている。該切れ目Bは、シートの片面側から見たときに樹脂シート2を二分するように配されている。
一方、前記保護シート側剥離用シート4bは、例えば図3(a)及び(b)に示すように、樹脂シート2と同じ大きさ且つ同じ形状に形成されている。
また、前記保護シート側剥離用シート4bには、片面側からみたときに樹脂シート2を二分し且つ波形を描くように切れ目Aが入れられている。なお、波形を描くように入れられた切れ目Aと、上述した直線状の切れ目Bとは、図3(a)に示すように、前記シート状皮膚外用剤1を片面側からみたときに、互いに重なり合わないように配されている。
上記のごとき樹脂シート側剥離用シート4a及び保護シート側剥離用シート4bを備えたシート状皮膚外用剤1は、図4に示すように、樹脂シート2を皮膚に貼付する前に両方の剥離用シートが剥離されて取り除かれ、そして、樹脂シート2及び保護シート3の積層シートが皮膚に貼付されるように構成されている。
図4は、樹脂シート2の貼付前に前記シート状皮膚外用剤1の樹脂シート側剥離用シート4a及び保護シート側剥離用シート4bが取り除かれる様子を示す模式図である。
斯かるシート状皮膚外用剤1は、図4(a)に示すように、樹脂シート2の皮膚貼付面側の反対側が凸となるように折り曲げることによって、切れ目Aにおいて保護シート側剥離用シート4bを二分して、該剥離用シートの一部を保護シート3から剥離し、剥離によって二分されたシート片のそれぞれを矢印で示す方向へ引っ張ることにより、保護シート側剥離用シート4bが取り除かれるように構成されている。
さらに、斯かるシート状皮膚外用剤1は、図4(b)に示すように、樹脂シート2の貼付面側が凸となるように折り曲げることによって、切れ目Bにおいて樹脂シート側剥離用シート4aを分割して、該剥離用シートの一部を樹脂シート2から剥離し、剥離によって分割されたシート片のそれぞれを矢印で示す方向へ引っ張ることにより、樹脂シート側剥離用シート4aが取り除かれるように構成されている。
そして、斯かるシート状皮膚外用剤1は、両方の剥離用シートが取り除かれた積層シートを皮膚に貼り付けることにより、樹脂シート2の片面側が皮膚に接するように構成されている。
なお、前記シート状皮膚外用剤1の厚みは、特に限定されないが、通常、10〜350μmである。
前記シート状皮膚外用剤1は、従来公知の一般的な方法によって製造することができる。
具体的には、前記シート状皮膚外用剤1は、例えば、樹脂と該樹脂を溶解する有機溶剤とクスノハガシワ抽出物とを混合して混合液を調製し、該混合液を塗工した後、有機溶剤を揮発させて樹脂シート2を作製することにより製造することができる。
また、保護シート3を備えたシート状皮膚外用剤1は、例えば、保護シート3と上記のようにして作製した樹脂シート2とを積層して互いに圧着させることにより製造することができる。
また、図3に示したような剥離用シート4を備えたシート状皮膚外用剤1は、例えば、保護シート側剥離用シート4bと保護シート3と樹脂シート2とを積層したものを打ち抜き加工によって複数に断片化し、断片の樹脂シート2側をそれぞれ樹脂シート側剥離用シート4aと貼り合わせることにより製造することができる。
また、剥離用シート4を備えたシート状皮膚外用剤1は、例えば、樹脂シート2を構成する樹脂とクスノハガシワ抽出物と樹脂溶解用溶剤とを混合した混合液を樹脂シート側剥離用シート4aに塗工し、溶剤を揮発させて樹脂シート2を作製した後、樹脂シート2へ保護シート3を貼り付け、さらに、保護シート3に保護シート側剥離用シート4bを貼り付けることによって製造することができる。
前記シート状皮膚外用剤1は、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧料等の用途で好適に用いられる。
本発明のシート状皮膚外用剤は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の実施形態に限定されるものではない。また、本発明では、一般のシート状皮膚外用剤において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
例えば、上記実施形態のシート状皮膚外用剤は、樹脂シートと保護シートとの積層シートを皮膚に貼り付けて使用するように構成されているが、本発明のシート状皮膚外用剤は、積層シートが皮膚に貼付された後に、樹脂シートが皮膚上に残るように保護シートが取り除かれ、樹脂シートのみが皮膚に貼付された状態で使用されるように構成されていてもよい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
シート状皮膚外用剤の原材料として、下記に示すものを用いた。そして、下記に示す方法によって、シート状皮膚外用剤を製造した。
「樹脂シートの原料」
・樹脂:アクリル樹脂(製品名「HiPAS10」 コスメディ製薬社製)
・クスノハガシワ抽出物:
クスノハガシワの樹皮(乾燥物)1質量部に対して10質量部の80容量%エタノール水溶液を抽出溶媒として用い、樹皮と抽出溶媒とを混合して撹拌しながら、60〜80℃を保ちつつ、48時間抽出処理を行った。
抽出処理後に得られたクスノハガシワ抽出物は、抽出溶媒を除いた乾燥物を2.7質量%含むものであった。
「保護シート」
・ポリウレタン製の透明プラスチックシート(厚み7μm、長径25mm、短径20mmの楕円状)
「樹脂シート側剥離用シート」
・両面離型紙(目付け80g/cm2、54mm×87mmの長方形)
「保護シート側剥離用シート」
・ポリプロピレン製のシート(厚み40μm、保護シートと同じ大きさ)
(実施例1)
上記の樹脂(アクリル樹脂)を97質量部、上記のクスノハガシワ抽出液を3質量部(樹脂100質量部に対して乾燥物換算で0.0835質量部)、及び樹脂溶解用溶剤としての酢酸エチル282質量部を混合し、混合液を調製した。そして、溶剤除去後に厚みが20μmとなるように混合液を上記の両面離型紙に塗工し、80℃で10分間放置することによって溶剤を揮発させ、樹脂シートを作製した。なお、樹脂シートにおけるクスノハガシワ抽出物の含有量は、3質量%(乾燥物換算で0.081質量%)である。
そして、上記のごとく作製した樹脂シートと上記の保護シートとがそれぞれ互いに片面側で接するように積層し、積層したものを圧着させた。
さらに、保護シート側剥離用シートを保護シートに貼り付けることにより、シート状皮膚外用剤を製造した。
(実施例2)
上記の樹脂(アクリル樹脂)を94質量部、上記のクスノハガシワ抽出液を6質量部(樹脂100質量部に対して乾燥物換算で0.172質量部)用いた点以外は、実施例1と同様にしてシート状皮膚外用剤を製造した。なお、樹脂シートにおけるクスノハガシワ抽出物の含有量は、6質量%(乾燥物換算で0.162質量%)である。
(比較例)
クスノハガシワ抽出物を用いなかった点以外は、実施例1と同様にしてシート状皮膚外用剤を製造した。
<評価1>
[CO2レーザー損傷皮膚のシート状皮膚外用剤による傷跡抑制能の評価]
各実施例及び比較例で製造されたシート状皮膚外用剤を用いて、下記の試験条件により、ヒトの皮膚における傷跡抑制能の評価を行った。
・試験方法:シングルブラインド法
・被験者:5名
・試験期間:1ヶ月間
詳しくは、上腕内側部の8箇所にCO2レーザー(1.2mm径)を照射し、実施例1のシート状皮膚外用剤でCO2レーザーを照射した2箇所を覆い、実施例2のシート状皮膚外用剤でCO2レーザーを照射した2箇所を覆い、比較例のシート状皮膚外用剤でCO2レーザーを照射した2箇所を覆った。また、残りの2箇所は、試験期間中、そのまま放置した。なお、それぞれのシート状皮膚外用剤は、毎日貼り替えた。
そして、傷跡の外観を下記の評価基準に従って、目視によって経時的に観察した。
グレード1:目立たない
グレード2:ほとんど目立たない
グレード3:ほとんど目立たない〜やや目立つ
グレード4:やや目立つ
グレード5:目立つ
上記評価1の結果(5名の平均スコアをグラフ化したもの)を図5に示す。また、観察時にマイクロスコープによって撮影した写真(倍率100倍)を図6に示す。
図5及び図6から把握できるように、実施例1のシート状皮膚外用剤の貼付、実施例2のシート状皮膚外用剤の貼付、比較例のシート状皮膚外用剤の貼付、無貼付の順で、傷の治癒速度が低下した。また、同じ順序で、1ヶ月後に残存する傷跡が多くなった。
<評価2>
[CO2レーザーによってホクロを消失させた損傷皮膚におけるシート状皮膚外用剤による傷跡抑制能の評価]
実施例2で製造されたシート状皮膚外用剤を用いて、下記の試験条件により、CO2レーザーによってホクロを消失させたヒトの皮膚における傷跡抑制能の評価を行った。なお、評価対照物として、0.1質量%濃度のゲンタマイシンを適量塗布した絆創膏を用いた。
・試験方法:オープンテスト法
・被験者:3名
・試験期間:1ヶ月間
詳しくは、被験者の上腕内側部にある同等サイズのホクロ2箇所に、ホクロが消えるまでCO2レーザー(1.2mm径、16W)を照射し、1箇所を実施例2のシート状皮膚外用剤で覆い、もう1箇所を上記の絆創膏(対照物)で覆った。シート状皮膚外用剤及び絆創膏は、毎日貼り替えた。
そして、CO2レーザー照射による傷跡の外観を上記と同様にして経時的に評価してスコア化した。
上記評価2の結果を図7に示す。図7から把握できるように、傷の治癒速度において、実施例2のシート状皮膚外用剤と、ゲンタマイシンを塗布した絆創膏とは、同等であるか、又は、実施例2のシート状皮膚外用剤の方が優れていた。また、1ヶ月後に残存する傷跡の少なさにおいて、実施例2のシート状皮膚外用剤の方が優れていた。
<評価3>
[ニキビ痕におけるシート状皮膚外用剤による傷跡抑制能の評価]
実施例1で製造されたシート状皮膚外用剤を用いて、下記の試験条件により、ヒトの皮膚のニキビ痕又は治癒途中のニキビにおける傷跡抑制能の評価を行った。
・試験方法:医師による目視観察
・被験者:7名(19〜22歳の女性)
(顔面に同程度のざ瘡(紅色丘疹)を4個以上有する尋常性ざ瘡患者)
・試験期間:4週間
詳しくは、被験者のニキビ痕又は治癒途中のニキビの4箇所又は6箇所を選択し、うち2箇所を実施例1のシート状皮膚外用剤で覆い、残りの箇所を放置(無貼付)とした。シート状皮膚外用剤は、日中に貼り付け、夜に取り除くことにより、毎日新しいものと交換した。
そして、傷跡の外観を目視、写真撮影、マイクロスコープ(20倍、100倍)によって観察した。観察結果は、医師の所見により−1(悪化)、0(不変)、1(やや改善)、2(改善)、3(著明改善)で規定する改善度によってスコア化した。なお、観察は、1週間後、2週間後、及び、4週間後に行った。
上記評価3の結果を表1及び図8に示す。なお、表1における「群間比較p値」は、Wilcoxonの符号付順位検定によるものである。
表1及び図8から把握できるように、実施例1のシート状皮膚外用剤によって、特に4週間後において、ニキビによる傷跡が目立たなくなる。
<評価4>
[CO2レーザー損傷皮膚のシート状皮膚外用剤による傷跡抑制能の評価]
下記の試験条件とした点以外は、評価1と同様にして、ヒトの皮膚における傷跡抑制能の評価を行った。
・試験期間:28日間
・被験者:3名
・上腕内側部の6箇所にCO2レーザー(1.2mm径)を照射
・実施例1のシート状皮膚外用剤でCO2レーザーを照射した2箇所を覆う
(毎日貼り替え)
・下記に示す組成のローションを、CO2レーザーを照射した2箇所に1日あたり2回塗布(1日あたり適量を2回塗布)
・ローションの組成
クスノハガシワ抽出物:3質量%(乾燥物換算で0.081質量%)
グリセリン:10質量%
水:残部
評価4の結果(3名の平均スコアをグラフ化したもの)を図9に示す。
図9から把握されるように、実施例1のシート状皮膚外用剤によれば、傷を速く治癒させることができ、傷跡の残存を抑えることができる。
1:シート状皮膚外用剤、
2:樹脂シート、
3:保護シート、
4:剥離用シート、
4a:樹脂シート側剥離用シート、 4b:保護シート側剥離用シート。

Claims (4)

  1. 樹脂とクスノハガシワ抽出物とを含有する樹脂組成物がシート状に形成された樹脂シートを備えていることを特徴とするシート状皮膚外用剤。
  2. 前記樹脂組成物においては、前記樹脂100質量部に対する前記クスノハガシワ抽出物の量が乾燥物換算で0.001〜0.5質量部である請求項1に記載のシート状皮膚外用剤。
  3. 前記樹脂は、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが重合した(メタ)アクリル樹脂である請求項1又は2に記載のシート状皮膚外用剤。
  4. 皮膚に貼付された前記樹脂シートを保護すべく、前記樹脂シートの皮膚と接する面と反対の面側に配された保護シートをさらに備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状皮膚外用剤。
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