JP2014194222A - 軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各ニードルの転動面の損傷を防止でき、しかも低コストで造れる軸受装置の構造を実現する。
【解決手段】1対のハウジング素子21、21の各接合面24、24のうちで両保持凹部11a、11aの開口部に隣接する部分に、それぞれ係止凹部27、27を形成する。又、1対の外輪素子17a、17aの周方向両端部に、それぞれ外輪12aの径方向に関して外側に折れ曲がった突片26、26を形成する。そして、これら各突片26、26を前記各係止凹部27、27内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子21、21同士を、前記各接合面24、24同士を付き合わせた状態で結合固定する。前記両外輪素子17a、17aの周方向両端部同士の突き合せ部に、前記各ニードルの転動面を傷める様な尖った部分が存在しなくなり、前記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンのクランクシャフトやカムシャフトのジャーナル部を回転自在に支持する為に使用する軸受装置の改良に関する。具体的には、外輪を構成する、それぞれが半円筒状である1対の外輪素子の周方向端縁同士の突き合わせ部の構造を改良して、優れた耐久性を有する軸受装置を低コストで実現可能とするものである。
自動車用エンジンを構成するクランクシャフトやカムシャフトのジャーナル部(軸方向中間部に設けられた円柱状のくびれ部分)を、シリンダブロックやシリンダヘッド等のハウジングに対し、回転自在に支持する為の軸受として従来から、滑り軸受が一般的に使用されている。これに対して、近年、自動車の燃費向上等を図る為に、当該軸受として、滑り軸受よりも回転抵抗(動トルク)が小さい、ラジアルニードル軸受を使用する事が考えられている(例えば、特許文献1参照)。図21〜23は、この特許文献1等に記載されて従来から知られている、ラジアルニードル軸受1を使用した、クランクシャフト2のジャーナル部3の回転支持部分を示している。このジャーナル部3が、特許請求の範囲に記載した回転軸である。
前記ラジアルニードル軸受1は、ハウジングを構成する1対のハウジング素子である、互いに結合固定されたシリンダブロック4と抑えブロック5(ジャーナルキャップ)との間に内嵌支持されている。これらシリンダブロック4と抑えブロック5とは、互いの接合面6、7同士を突き合わせた状態で、1対のボルト8、8(図22にのみ図示)により、互いに結合固定されている。又、前記両接合面6、7同士の間部分で、前記両ボルト8、8同士の間に挟まれた部分には、断面形状が円形であって、円筒状の内周面を有する、保持孔9が設けられている。この様な保持孔9は、それぞれが前記両接合面6、7の互いに整合する位置に形成された、断面形状が半円形であって、半円筒状の内周面を有する、1対の保持凹部10、11同士を組み合わせて成る。
又、前記ラジアルニードル軸受1は、前記保持孔9に内嵌支持された円筒状の外輪12と、この外輪12の内周面に形成された円筒面状の外輪軌道13と、前記ジャーナル部3の外周面に直接形成された円筒面状の内輪軌道14と、この内輪軌道14と前記外輪軌道13との間に転動自在に設けられた複数本のニードル15、15と、これら各ニードル15、15を円周方向に関して互いに離隔した状態で保持する円筒状の保持器16とから成る。この様なラジアルニードル軸受1を構成する複数の部材のうち、それぞれが円筒状である、前記外輪12と前記保持器16とは、それぞれ円周方向に二分割可能な構造としている。そして、これら外輪12と保持器16とを、前記クランクシャフト2の中間部に設けられた円柱状のくびれ部である、前記ジャーナル部3を囲む状態で配置できる様にしている。
図示の例の場合、前記外輪12は、前記両保持凹部10、11に1つずつ内嵌された、それぞれが半円筒状である1対の外輪素子17、17の円周方向両端面同士を、互いに突き合わせる事により構成している。又、前記両外輪素子17、17の軸方向両端縁の円周方向中央部には、それぞれ径方向外方に折れ曲がった1対ずつの突片18、18が設けられている。そして、これら1対ずつの突片18、18を、それぞれ前記両保持凹部10、11の軸方向両端縁の円周方向中央部に設けられた、1対ずつの係合凹部19a、19bに係合させている。これにより、前記両保持凹部10、11に対する前記両外輪素子17、17の円周方向及び軸方向に関する位置決めを図っている。又、前記円筒状の保持器16も、それぞれが半円筒状の保持器素子20、20の円周方向両端面同士を、互いに突き合わせる事により構成している。
上述の様な軸受装置の場合、前記両外輪素子17、17の周方向両端縁同士の突き合わせ部に、僅かとは言え段差が生じる可能性があり、この段差の存在に基づき、前記各ニードル15、15の転動面が損傷する可能性がある。この点に就いて、以下に説明する。
前記クランクシャフト2のジャーナル部3を支持する為の軸受装置の場合、ラジアル荷重は特定方向にのみ加わる。具体的には図22で下向きのラジアル荷重のみが加わり、図22で上向きや横向きのラジアル荷重が加わる事はない。従って、前記軸受装置の負荷圏(ラジアル荷重を支承する範囲)は、図22の下側の限られた範囲のみであり、前記両外輪素子17、17の周方向両端縁同士の突き合わせ部が負荷圏となる事はない。これに対して、回転軸がカムシャフトの場合には、ラジアル荷重の作用方向が、上述の場合とは上下逆になる。何れの場合でも、前記両突き合わせ部は、常に非負荷圏に存在する状態となる。従って、外部から加わるラジアル荷重により、前記各ニードル15、15の転動面が前記両突き合わせ部に押し付けられる事はない。
但し、前記軸受装置の運転時に前記各ニードル15、15には、公転運動に伴う遠心力が加わる。そして、これら各ニードル15、15は、この遠心力により、前記外輪12の内周面に押し付けられつつ、自転運動及び公転運動をする。従って、前記各ニードル15、15の転動面は、前記遠心力により前記外輪12の内周面に押し付けられつつ、前記両突き合わせ部を通過する事になる。この為、これら両突き合わせ部に段差部が存在すると、前記各ニードル15、15の転動面に、傷等の損傷を生じる可能性がある。
特許文献2には、ラジアルニードル軸受の外輪を構成する1対の外輪素子の周方向両端部の形状を工夫する事により、これら両外輪素子の円周方向両端縁同士の突き合わせ部に多少のずれが生じた場合にも、前記外輪の内周面に、各ニードルの転動面に損傷を与える様なエッジを有する段差が生じない様にする発明が記載されている。又、特許文献3には、1対の外輪素子の周方向両端部を焼き入れせずに軟質なままとする事により、軸受装置の運転に伴って硬質のニードルの転動面が、前記両外輪素子の周方向両端部に存在する段差を均す(平滑にする)発明が記載されている。
前者の場合には、各ニードルの転動面保護の面からは有効であるが、前記両外輪素子の周方向両端部を適切に削り取る必要があり、製造コストが嵩む可能性がある。又、後者の場合には、前記両外輪素子の周方向両端部が、軟質とは言え、外輪を構成する為に必要な強度を得られる金属製である為、これら周方向両端部に存在する段差を均す以前に、前記各ニードルの転動面が損傷を受ける可能性がある。又、何れの発明の場合も、前記両外輪素子の周方向両端部同士の突き合わせ部が、これら両外輪素子の回り止め機能を持たないので、これら両外輪素子の回り止めの為の構造が別途必要になり、この面からも、低コスト化を図り難い。
特開2005−180459号公報 特開2006−125606号公報 特開2006−292132号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、各ニードルの転動面の損傷を防止でき、しかも低コストで造れる軸受装置を実現すべく発明したものである。
本発明の軸受装置は、ハウジングとラジアルニードル軸受とを備え、このハウジングに対して回転軸を、この回転軸に対して特定方向にのみ加わるラジアル荷重を支承しつつ回転自在に支持するものである。
このうちのハウジングは、前記ラジアル荷重の作用方向に2分割され、互いの対向する面の中間部にそれぞれ半円筒形の保持凹部を設けた、1対のハウジング素子を備える。そして、これら両ハウジング素子同士を、それぞれの保持凹部を挟む位置に存在する互いの接合面同士を突き合わせた状態で互いに結合固定し、これら両保持凹部が組み合わされた部分を円形の保持孔としている。
又、前記ラジアルニードル軸受は、外輪と複数本のニードルとを備える。
このうちの外輪は、前記両保持凹部に添設された、それぞれが金属板製である1対の外輪素子の周方向両端部同士を、前記両ハウジング素子を結合固定して前記ハウジングとした状態で突き合わせて円筒状とし、前記保持孔の内周面に保持固定している。
又、前記各ニードルは、前記外輪の内周面である円筒面状の外輪軌道と前記回転軸の外周面に設けた円筒面状の内輪軌道との間に、転動自在に設けている。
特に、本発明の軸受装置に於いては、前記各接合面のうちで前記両保持凹部の開口部に隣接する部分に、それぞれ凹部を形成すると共に、前記両外輪素子の周方向両端部を、それぞれ前記外輪の径方向に関して外側に突出した曲げ部としている。そして、これら各曲げ部を前記各凹部内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子同士を、前記各接合面同士を突き合わせて結合固定している。
上述の様な本発明を実施する場合、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記各凹部を係止凹部とし、前記各曲げ部を、前記両外輪素子の周方向両端部に、それぞれ前記外輪の径方向に関して外側に折れ曲がった突片とする。そして、これら各突片を前記各係止凹部内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子同士を、前記各接合面同士を突き合わせた状態で結合固定する。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記両ハウジング素子を結合固定する以前の、これら両ハウジング素子と前記各突片との自由状態で、これら各突片の厚さ寸法を前記各係止凹部の深さ寸法よりも、僅かに(数μm〜十数μm)大きくする。そして、前記両ハウジング素子を結合固定した状態で、前記両ハウジング素子と各突片との弾性変形に基づいて接合面同士を突き合わせると共に、前記両外輪素子を前記保持孔の内側に固定する。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば、請求項4に記載した発明の様に、前記各係止凹部のうちで前記両保持凹部と反対側部分を、これら両保持凹部側部分よりも深くなった逃げ凹部とする。そして、前記各突片の先端部に曲げ形成した折り曲げ部を、これら各逃げ凹部内に進入させる。
或いは、請求項5に記載した発明の様に、少なくとも上側に配置されるハウジング素子に形成した1対の係止凹部のうちで保持凹部と反対側部分を、この保持凹部側部分よりも深くなった逃げ凹部とする。又、前記上側に配置されるハウジング素子の保持凹部に添設される外輪素子の両端部に設けられた1対の突片の先端部に曲げ形成した折り曲げ部を、前記両逃げ凹部内に進入させる。そして、これら両折り曲げ部の先端縁を、前記各係止凹部の内面のうちで前記両保持凹部と反対側部分に、弾性的に当接させる。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記各係止凹部を、前記各接合面の幅方向(使用時の組み付け状態で前記保持孔の軸方向と同方向)中間部にのみ設ける事もできる。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項7に記載した発明の構成を採用する事ができる。即ち、この構成を採用する場合には、前記各係止凹部のうちで、前記保持凹部側部分を、前記各接合面の幅方向の全長に亙り形成された幅広凹部とすると共に、前記保持凹部と反対側部分を、前記各接合面の幅方向中間部にのみ形成された幅狭凹部とする。そして、前記各突片のうちで、基端側部分を、前記幅広凹部内に配置した、前記幅狭凹部よりも大きい幅寸法を有する幅広部とすると共に、先端側部分を、前記幅狭凹部内に配置した幅狭部とする。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項8に記載した発明の構成を採用する事ができる。即ち、この構成を採用する場合には、前記各係止凹部のうちで、前記保持凹部側部分を、前記各接合面の幅方向の全長に亙り形成された幅広凹部とすると共に、前記保持凹部と反対側部分を、前記各接合面の幅方向中間部を挟んだ幅方向両側部分にのみ形成された1対の分岐凹部とする。そして、前記各突片のうちで、基端側部分を、前記幅広凹部内に配置した、前記両分岐凹部同士の幅方向間隔よりも大きい幅寸法を有する幅広部とすると共に、先端側部分を、前記両分岐凹部内に配置した、幅方向に関して互いに離隔した1対の分岐部とする。
又、本発明を実施する場合に、請求項9に記載した発明の様に、前記各凹部を逃げ凹部とし、前記各曲げ部を、前記両外輪素子の周方向両端部に設けた非硬化部分を、これら両外輪素子の中間部の湾曲方向とは逆に、径方向外方に湾曲させて成る、逆湾曲部とする事もできる。この場合には、これら各逆湾曲部をそれぞれ前記各逃げ凹部内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子同士を、前記各接合面同士を突き合わせて結合固定する。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した発明の様に、前記回転軸の周囲に前記外輪を、前記各ニードルを介して組み付けた状態で、この外輪を構成する前記両外輪素子の周方向両端部同士を非分離に結合する。
この様な請求項10に記載した発明を実施する場合、具体的には、例えば請求項11に記載した発明の様に、前記両外輪素子の周方向両端部に、それぞれ径方向外方に折れ曲がった突片を形成する。そして、これら各突片同士を重ね合わせて前記両外輪素子を組み合わせる事により、前記外輪とした状態で、互いに重ね合わされて対となる前記各突片のうちの一方の突片の先端縁部を径方向内方に折り返す事により形成した折り返し部を、他方の突片の先端縁に係合させる。
或いは、請求項12に記載した発明の様に、前記両外輪素子の周方向両端部に、それぞれ径方向外方に折れ曲がった突片を形成する。そして、これら各突片同士を重ね合わせて前記両外輪素子を組み合わせる事により、前記外輪とした状態で、互いに重ね合わされた前記各突片同士を、クリップにより抑え付ける。
上述の様に構成する本発明によれば、各ニードルの転動面の損傷を防止できる軸受装置を、低コストで造れる。
先ず、前記各ニードルの転動面の損傷防止は、両外輪素子の周方向両端部を径方向外側に折り曲げて、突片或いは逆湾曲部等の曲げ部を形成する事により図れる。これら各外輪素子を構成する金属板を曲げ形成した場合、曲げ方向外側部分には、断面形状が四分の一円弧状等の部分円弧状の凸曲面が形成される。この凸曲面には前記各ニードルの転動面を損傷する様な尖った部分(シャープエッヂ)が存在しない為、前記各ニードルの転動面の損傷を防止できる。
又、前記各突片若しくは前記各逆湾曲部等の曲げ部は、前記両外輪素子を構成する金属板を曲げ形成する事により容易に形成できる。特に、前記各逆湾曲部に関しては、前記両外輪素子の両端部に存在する未硬化の部分を曲げる事により、容易に形成できる。又、前記各突片若しくは前記各逆湾曲部等の曲げ部を、1対のハウジング素子の接合面に形成した、各係止凹部若しくは各逃げ凹部等の凹部同士の間で挟持したりこの凹部に係合させる事により、前記両外輪素子の回り止めを図れるので、別途これら両外輪素子の回り止め構造を設ける必要がない。これらにより、軸受装置の低コスト化を図り易くなる。
特に、請求項3に記載した発明の構造によれば、ハウジングに設けた保持孔の内側に外輪を、がたつきなく、しっかりと保持できる。
又、請求項4、5に記載した発明の構造によれば、各折り曲げ部の存在に基づき、前記両外輪素子の剛性を適度に高くする事が可能になる。又、各逃げ凹部を設ける事により、前記各突片の先端縁部の形状精度を高くしなくても(例えば、これら各突片の先端縁部の形状を、切断したまま仕上加工を施さない形状としたり、或いは、1対のハウジング素子同士の間で前記各突片を強く挟持する事で、これら各突片が変形した場合でも)、これら両ハウジング素子の接合面同士を(請求項3に記載した発明の構造を採用した場合でも)密に突き合わせる事ができる。
更に、請求項5に記載した発明の構造によれば、1対のハウジング素子同士を組み合わせる以前の状態でも、ハウジング素子と外輪素子とが不用意に分離しない様にできる。この為、上側に組み付けるハウジング素子の保持凹部に外輪素子を予め組み付けた状態から、前記両ハウジング素子同士を組み合わせる際に、上側の外輪素子に関しても、特に抑えておく必要がなくなり、軸受装置の組立作業の容易化を図れる。
又、請求項6に記載した発明の構造によれば、1対のハウジング素子同士を組み合わせる以前の状態でも、各係止凹部の幅方向両内側面と各突片の幅方向両端縁との係合に基づいて、ハウジング素子に対する外輪素子の軸方向の位置決めを図れる。
又、請求項7に記載した発明の構造によれば、1対のハウジング素子同士を組み合わせる以前の状態でも、各係止凹部を構成する幅狭凹部の幅方向両内側面と、各突片を構成する幅狭部の幅方向両端縁との係合に基づいて、ハウジング素子に対する外輪素子の軸方向の位置決めを図れる。
又、請求項8に記載した発明の構造によれば、1対のハウジング素子同士を組み合わせる以前の状態でも、ハウジング素子のうち、各係止凹部を構成する1対の分岐凹部同士の間に挟まれた部分の幅方向両側面と、各突片を構成する1対の分岐部の幅方向内側縁との係合に基づいて、ハウジング素子に対する外輪素子の軸方向の位置決めを図れる。
しかも、請求項7〜8に記載した発明の場合には、前記各突片の基端側部分である幅広部の幅寸法を、前記各接合面の幅寸法と等しくできる。従って、前記外輪素子のうちで、円周方向に関して前記両突片同士の間に設けられた半円筒部(内周面を外輪軌道とする部分)の幅寸法も、半円筒状の保持凹部の幅寸法と等しくできる。この結果、その分だけ各ニードルの軸方向寸法を長くして、ラジアルニードル軸受の負荷容量を確保できる。
更に、請求項10〜12に記載した発明によれば、軸受装置の組み立て時に、回転軸の周囲に前記各ニードル及び前記両外輪素子を組み付けた後、これら回転軸と各ニードルと両外輪素子とが不用意に分離する事を防止できて、前記軸受装置の組立作業の容易化を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、ハウジング及び外輪の断面図。 1対の外輪素子を取り出した状態で図1と同方向から見た端面図。 一方のハウジング素子と外輪素子とを組み合わせた状態を示す断面図(A)と、(A)のa部拡大図(B)と、1対のハウジング素子と外輪素子とを組み合わせた状態で(B)と同じ部分を示す図(C)。 本発明の実施の形態の第2例を、上側のハウジング素子と外輪素子とを組み合わせた状態で示す断面図。 図4のb部拡大図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、ハウジング及び外輪の断面図。 同第4例を示す、図5と同様の図(A)、及び、(A)の下方から見た図(B)。 図7の(A)の下方から見た斜視図。 外輪素子の一部を示す斜視図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図5と同様の図(A)、及び、(A)の下方から見た図(B)。 図10の(A)の下方から見た斜視図。 外輪素子の一部を示す斜視図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図5と同様の図(A)、及び、(A)の下方から見た図(B)。 図13の(A)の下方から見た斜視図。 外輪素子の一部を示す斜視図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、ハウジング及び外輪の断面図。 図16のc部拡大図。 本発明の実施の形態の第8例を、組立工程順に示す斜視図。 互いに重ね合わせた状態で結合する1対の突片の先端縁部に形成した係止切り欠きを示す斜視図(A)及び折り返し部を示す斜視図(B)と、前記両突片を重ね合わせて結合した状態を示す断面図(C)。 本発明の実施の形態の第9例を示す、図19の(C)と同様の図。 従来構造の1例を示す部分断面図。 図21のd−d断面図。 一部の部品及び部位を省略した状態で示す分解斜視図。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の軸受装置の特徴は、1対の外輪素子17a、17aの周方向両端部同士の突き合わせ部に、各ニードル15、15(図21〜23参照、図1〜3には省略)の転動面を損傷する様な尖った部分を存在させない様にする為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、一部を除き、前述の図21〜23に示した従来構造の場合と同様である。この為、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
前記両外輪素子17a、17aを組み合わせて成る外輪12aは、1対のハウジング素子21、21を組み合わせて成るハウジング22に設けた円形の保持孔23の内側に、がたつきなく保持されている。このハウジング22を構成する、前記両ハウジング素子21、21の分割方向は、ラジアル荷重の作用方向である、図1の上下方向である。これら両ハウジング素子21、21の互いの対向する面の中間部に、それぞれ半円筒形の保持凹部11a、11aを設けている。そして、前記両ハウジング素子21、21同士を、それぞれの保持凹部11a、11aを挟む位置に存在する互いの接合面24、24同士を突き合わせた状態で互いに結合固定し、前記両保持凹部11a、11aが組み合わされた部分を、前記保持孔23としている。尚、前記両ハウジング素子21、21のうちの一方が例えばシリンダブロック(又はシリンダヘッド)であり、他方が抑えブロックである。
又、前記両外輪素子17a、17aは、それぞれ軸受鋼、浸炭鋼等の硬質金属板を曲げ形成して成るもので、半円筒部25と、この半円筒部25の周方向両端から径方向外方に折れ曲がった、前記両外輪素子17a、17a毎に1対ずつの突片26、26とを備える。前記半円筒部25の外周面の曲率半径は、前記両保持凹部11a、11aの内面の曲率半径と一致させている。
前記両外輪素子17a、17aに前記各突片26、26を設けた事に合わせて、前記両ハウジング素子21、21に設けた前記各接合面24、24のうちで、前記両保持凹部11a、11aの開口部に隣接する部分に、それぞれ係止凹部27、27を形成している。前記両ハウジング素子21、21を結合固定する以前の、これら両ハウジング素子21、21と前記各突片26、26との自由状態で、これら各突片26、26の厚さ寸法Tを、前記各係止凹部27、27の深さ寸法Dよりも、僅かに(数μm〜十数μm)大きく(T>D)している。又、前記外輪12aの径方向に関する、前記各突片26、26の幅wは、同じく前記各係止凹部27、27の幅Wよりも小さく(w<W)している。
上述の様な両外輪素子17a、17aは、それぞれの半円筒部25、25を前記両ハウジング素子21、21の保持凹部11a、11aに嵌合させると共に、前記各突片26、26を前記各係止凹部27、27に係合させる。そして、この状態から、前記両ハウジング素子21、21同士を、複数本のボルト8、8(図22参照)により結合固定する。この結合固定作業に伴って、前記両ハウジング素子21、21と前記各突片26、26とが弾性変形し、これら両ハウジング素子21、21の接合面24、24同士が密接すると共に、前記両外輪素子17a、17aが前記保持孔23内に、がたつきなく固定される。
上述の様に構成する本例の構造の場合には、前記両外輪素子17a、17aの周方向両端部を径方向外側に折り曲げて前記各突片26、26を形成しているので、これら両外輪素子17a、17aの周方向両端部同士の突き合せ部に、前記各ニードル15、15の転動面を損傷する様な尖った部分(シャープエッヂ)が存在しない。この為、これら各ニードル15、15の転動面の損傷を防止できる。
又、前記各突片26、26は、前記両外輪素子17a、17aを構成する金属板を曲げ形成する事により容易に造れるし、前記各突片26、26を前記ハウジング素子21、21同士の間で挟持する事により、前記両外輪素子17a、17aの回り止めを図れる。従って、別途これら両外輪素子17a、17aの回り止め構造を設ける必要がない。これらにより、軸受装置の低コスト化を図り易くなる。
[実施の形態の第2例]
図4〜5は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上側に配置されるハウジング素子21aに形成した1対の係止凹部27a、27aのうちで、保持凹部11aと反対側部分を、この保持凹部11a側部分よりも深くなった逃げ凹部28、28としている。又、前記上側に配置されるハウジング素子21aの保持凹部11aに添設される外輪素子17bの両端部に設けられた、1対の突片26a、26aの先端部に曲げ形成した折り曲げ部29、29を、前記両逃げ凹部28、28内に進入させている。そして、これら両折り曲げ部29、29の先端縁を、前記両係止凹部27a、27aの内面のうちで、前記両保持凹部11aと反対側部分に弾性的に当接させている。
この様な本例の構造によれば、前記上側のハウジング素子21aと、下側のハウジング素子とを組み合わせる以前の状態でも、この上側のハウジング素子21aと前記外輪素子17bとが不用意に分離しない様にできる。この為、上側に組み付ける前記ハウジング素子21aの保持凹部11aに前記外輪素子17bを予め組み付けた状態から、前記両ハウジング素子同士を組み合わせる際に、上側の外輪素子17bに関しても、特に抑えておく必要がなくなり、軸受装置の組立作業の容易化を図れる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図6は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も上述した実施の形態の第2例の場合と同様に、ハウジング22aを構成する1対のハウジング素子21b、21bに設けた各係止凹部27b、27bのうちで、保持凹部11a、11aと反対側部分を、これら両保持凹部11a、11a側部分よりも深くなった逃げ凹部28a、28aとしている。そして、各突片26b、26bの先端部に曲げ形成した折り曲げ部29a、29aを、前記各逃げ凹部28a、28a内に進入させている。本例の場合には、これら各折り曲げ部29a、29aを、前記各突片26b、26bの基端寄り部分に対してほぼ直角に折り曲げており、これら各折り曲げ部29a、29aの先端縁と前記各逃げ凹部28a、28aの内面とは、特に係合させてはいない。
この様な本例の構造によれば、前記各折り曲げ部29a、29aの存在に基づき、外輪12bを構成する両外輪素子17c、17cの剛性を適度に高くする事が可能になる。
又、前記各逃げ凹部28a、28aを設ける事により、前記各突片26b、26bの先端縁部の形状精度を高くしなくても、前記両ハウジング素子21b、21bの接合面同士を密に突き合わせる事ができる。例えば、前記各突片26b、26bの先端縁部の形状を、切断したまま仕上加工を施さない形状としたり、或いは、前記両ハウジング素子21b、21b同士の間で前記各突片26b、26bを強く挟持する事で、これら各突片26b、26bが変形した場合でも、前記各逃げ凹部28a、28aの存在に基づいて、前記両ハウジング素子21b、21bの接合面24、24同士を密に突き合わせる事ができる。尚、この様な効果(剛性向上を除く効果)を得る為には、必ずしも前記各突片26b、26bの先端部に折り曲げ部を設けなくても良い。
[実施の形態の第4例]
図7〜9は、請求項1〜4、6に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、ハウジング素子21cの接合面24に設ける係止凹部27c(逃げ凹部28bを含む)を、この接合面24の幅方向{図7の(A)に於ける表裏方向、(B)に於ける上下方向}の全長に亙り形成する事なく、この幅方向の中間部にのみ形成している。そして、この様な係止凹部27cに、外輪素子17dの突片26b(折り曲げ部29aを含む)を、幅方向に関する大きながたつきを生じる事なく係合させている。
この様な構成を有する本例の構造によれば、1対のハウジング素子21c同士を組み合わせる以前の状態でも、前記係止凹部27cの幅方向両内側面と前記突片26bの幅方向両端縁との係合に基づいて、保持凹部11aに対する前記外輪素子17dの幅方向(軸方向)の位置決めを図れる。
その他の部分の構造及び作用は、上述の図6に示した第3例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
尚、上述した第4例の構造の如く、係止凹部を接合面の幅方向中間部にのみ設ける構成(請求項6に記載した発明の構成)は、前述の図1〜3に示した第1例の構造や、前述の図4〜5に示した第2例の構造に対して適用する事もできる。
[実施の形態の第5例]
図10〜12は、請求項1〜4、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、ハウジング素子21dの接合面24に設ける係止凹部27dのうちで、保持凹部11a側部分である基半部を、前記接合面24の幅方向の全長に亙り形成した幅広凹部30としている。これと共に、前記係止凹部27dのうちで、前記保持凹部11aと反対側部分である先半部(逃げ凹部28cを形成した部分)を、前記接合面24の幅方向中間部にのみ形成した幅狭凹部31としている。これに伴い、本例の場合、外輪素子17eの突片26cの基半部を、前記幅広凹部30内に配置した、この幅広凹部30とほぼ等しい幅寸法を有する(前記幅狭凹部31よりも大きい幅寸法を有する)幅広部32としている。これと共に、前記突片26cの先半部(折り曲げ部29bを含む)を、前記幅狭凹部31内に幅方向に関する大きながたつきを生じる事なく配置した、幅狭部33としている。
この様な構成を有する本例の構造によれば、1対のハウジング素子21d同士を組み合わせる以前の状態でも、前記係止凹部27dを構成する幅狭凹部31の幅方向両内側面と、突片26cを構成する幅狭部33の幅方向両端縁との係合に基づいて、前記保持凹部11aに対する前記外輪素子17eの幅方向(軸方向)の位置決めを図れる。又、本例の場合には、上述した第4例の場合と異なり、前記外輪素子17eを構成する半円筒部25の幅寸法を、前記保持凹部11aの幅寸法とほぼ等しくできる為、その分だけ各ニードル15、15(図21〜23参照)の軸方向寸法を長くして、ラジアルニードル軸受の負荷容量を確保できる。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した第3例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
尚、上述した第5例の構造の如く、係止凹部を構成する幅狭凹部の幅方向両内側面と、突片を構成する幅狭部の幅方向両端縁との係合に基づいて、保持凹部に対する外輪素子の幅方向の位置決めを図る構成(請求項7に記載した発明の構成)は、前述の図1〜3に示した第1例の構造や、前述の図4〜5に示した第2例の構造に対して適用する事もできる。
[実施の形態の第6例]
図13〜15は、請求項1〜4、8に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、ハウジング素子21eの接合面24に設ける係止凹部27eのうちで、保持凹部11a側部分である基半部を、前記接合面24の幅方向の全長に亙り形成した幅広凹部30としている。これと共に、前記係止凹部27eのうちで、前記保持凹部11aと反対側部分である先半部(逃げ凹部28d、28dを形成した部分)を、前記接合面24の幅方向中間部を挟んだ幅方向両側部分にのみ形成された、1対の分岐凹部34、34としている。これに伴い、本例の場合、外輪素子17fの突片26dの基半部を、前記幅広凹部30内に配置した、この幅広凹部30とほぼ等しい幅寸法を有する(前記両分岐凹部34、34同士の幅方向間隔よりも大きい幅寸法を有する)幅広部32としている。これと共に、前記突片26dの先半部(折り曲げ部29c、29cを含む)を、前記両分岐凹部34、34内に幅方向に関する大きながたつきを生じる事なく配置した、1対の分岐部35、35としている。
この様な構成を有する本例の構造によれば、1対のハウジング素子21e同士を組み合わせる以前の状態でも、これら各ハウジング素子21eのうち、前記係止凹部27eを構成する1対の分岐凹部34、34同士の間に挟まれた部分の幅方向両側面と、前記突片26dを構成する1対の分岐部35、35の幅方向内側縁との係合に基づいて、前記保持凹部11aに対する前記外輪素子17fの幅方向(軸方向)の位置決めを図れる。又、本例の場合も、前述した第4例の場合と異なり、前記外輪素子17fを構成する半円筒部25の幅寸法を、前記保持凹部11aの幅寸法とほぼ等しくできる為、その分だけ各ニードル15、15(図21〜23参照)の軸方向寸法を長くして、ラジアルニードル軸受の負荷容量を確保できる。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した第3例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
尚、上述した第6例の構造の如く、ハウジング素子のうち、係止凹部を構成する1対の分岐凹部同士の間に挟まれた部分の幅方向両側面と、突片を構成する1対の分岐部の幅方向内側縁との係合に基づいて、保持凹部に対する外輪素子の幅方向の位置決めを図る構成(請求項8に記載した発明の構成)は、前述の図1〜3に示した第1例の構造や、前述の図4〜5に示した第2例の構造に対して適用する事もできる。
[実施の形態の第7例]
図16〜17は、請求項1、9に対応する、本発明の実施の形態の7例を示している。本例の軸受装置では、1対の外輪素子17g、17gを組み合わせて成る外輪12cは、1対のハウジング素子21f、21fを組み合わせて成るハウジング22bに設けた円形の保持孔23aの内側に、がたつきなく保持されている。このハウジング22bを構成する、前記両ハウジング素子21f、21fの分割方向は、ラジアル荷重の作用方向である、図16の上下方向である。これら両ハウジング素子21f、21fの互いの対向する面の中間部に、それぞれ半円筒形の保持凹部11b、11bを設けている。そして、前記両ハウジング素子21f、21f同士を、それぞれの保持凹部11b、11bを挟む位置に存在する互いの接合面24、24同士を突き合わせた状態で互いに結合固定し、前記両保持凹部11b、11bが組み合わされた部分を、前記保持孔23aとしている。又、前記各接合面24、24のうちで前記両保持凹部11b、11bの開口部に隣接する部分に、それぞれ逃げ凹部36、36を形成している。尚、前記両ハウジング素子21f、21fのうちの一方が例えばシリンダブロック(又はシリンダヘッド)であり、他方が抑えブロックである。
又、前記両外輪素子17g、17gは、それぞれ軸受鋼、浸炭鋼等の硬質金属板を曲げ形成して成るもので、全体を半円筒状としている。但し、前記両外輪素子17g、17gの周方向両端部に設けた非硬化部分を、これら両外輪素子17g、17gの中間部の湾曲方向とは逆に、径方向外方に湾曲させて、それぞれ逆湾曲部37、37としている。これら各逆湾曲部37、37部分を除き、前記両外輪素子17g、17gの外周面の曲率半径は、前記両保持凹部11b、11bの内面の曲率半径と一致させている。尚、前記各逆湾曲部37、37となるべき、前記両外輪素子17g、17gの周方向両端部を前記非硬化部分とする為に、これら両外輪素子17g、17gに浸炭焼き入れを行う際に、これら両外輪素子17g、17gの周方向両端部に防炭メッキ等の防炭処理を施したり、或いは、これら両外輪素子17g、17g全体を焼き入れした後、これら両外輪素子17g、17gの周方向両端部にのみ焼きなまし処理を施す。
本例の軸受装置を組み立てるには、前記両外輪素子17g、17gを前記両保持凹部11b、11bに内嵌すると共に、前記各逆湾曲部37、37をそれぞれ前記両ハウジング素子21f、21fの接合面24、24に形成した前記各逃げ凹部36、36内に位置させる。そして、これら両ハウジング素子21f、21fに設けた前記各接合面24、24同士を突き合わせた状態で、これら両ハウジング素子21f、21f同士を、複数本のボルト8、8(図22参照)により結合固定する。
上述の様に構成する本例の構造の場合には、前記両外輪素子17g、17gの周方向両端部に逆湾曲部37、37を形成しているので、これら両外輪素子17g、17gの周方向両端部同士の突き合わせ部に、ラジアルニードル軸受1を構成する各ニードル15、15(図21〜19参照)の転動面を損傷する様な尖った部分(シャープエッヂ)が存在しない。この為、これら各ニードル15、15の転動面の損傷を防止できる。
又、前記各逆湾曲部37、37は、前記両外輪素子17g、17gを構成する金属板を曲げ形成する事により容易に造れるし、前記各逆湾曲部37、37と前記各逃げ凹部36、36とを係合させる事により、前記両外輪素子17g、17gの回り止めを図れる。従って、別途これら両外輪素子17g、17gの回り止め構造を設ける必要がない。これらにより、軸受装置の低コスト化を図り易くなる。
[実施の形態の第8例]
図18〜19は、請求項1、2、10、11に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、回転軸であるカムシャフト38の軸方向中間部に設けた小径部39の外周面と、1対のハウジング素子21、21を組み合わせて成るハウジングの内周面との間に、軸受装置を組み付けている。特に、本例の構造の場合には、この軸受装置を構成する1対の外輪素子17h、17iの周方向両端部同士を非分離に結合する事で、この軸受装置の組立作業の容易化を図っている。
具体的には、前記両外輪素子17h、17iの周方向両端部をそれぞれ径方向外方に折り曲げ形成して成る突片26e、26fを重ね合わせた状態で、前記両外輪素子17h、17iを円筒状に組み合わせて、外輪12dとしている。そして、互いに重ね合わせた、対となる突片26e、26fのうち、一方(図18〜19の上方)の突片26eの先端縁中央部に係止切り欠き40を形成している。これに対して、他方(図18〜19の下方)の突片26fの先端縁中央部に、折り返し部41を形成している。前記カムシャフト38の軸方向に関する、この折り返し部41の幅寸法は、前記係止切り欠き40の幅寸法と同じか、僅かに短くしている。尚、この折り返し部41は、前記両外輪素子17h、17iを組み合わせて前記外輪12dとすべく、前記各突片26e、26fを重ね合わせた後に形成する。これら各突片26e、26fを重ね合わせる以前の状態で、前記他方の突片26fの先端縁中央部には、この突片26fの幅寸法よりも小さな幅寸法を有する突出板部42を設けている。
この突出板部42は、前記両外輪素子17h、17iにより前記カムシャフト38の小径部39を、保持器素子20及び各ニードル15、15を介して囲みつつ、前記各突片26e、26fを重ね合わせた後に、前記他方突片26fに向け180度折り返して、前記折り返し部41とする。そして、この折り返し部41の先半部で前記他方突片26fを前記一方の突片26eに向けて抑え付け、前記両外輪素子17h、17i同士がこれら各突片26e、26fの厚さ方向に分離する事を防止する。同時に、前記折り返し部41の基半部の幅方向両外側縁と、前記係止切り欠き40の幅方向両内側縁との係合により、前記両外輪素子17h、17i同士が、前記カムシャフト38の軸方向にずれ動く事を防止する。この状態で、前記カムシャフト38の小径部39の周囲に、前記保持器素子20と前記各ニードル軸受15、15と前記外輪12dとから成るラジアルニードル軸受1aが組付けられる。そして、このラジアルニードル軸受1aの構成各部材15、20、17h、17iが、前記小径部39の周囲に、非分離に組付けられた状態となる。
本例の構造の場合には、この様に、前記ラジアルニードル軸受1aの構成各部材15、20、17h、17iを前記小径部39の周囲に、非分離に組付ける事ができるので、前記両ハウジング素子21、21を組み合わせてハウジングとする際に、前記構成各部材15、20、17h、17iを抑えておく必要がなく、軸受装置の組立作業の容易化を図れる。尚、本例の場合には、前記両ハウジング素子21、21のうちで保持凹部11a、11aの両端部分に形成する係止凹部27f、27fと各接合面24、24との間に存在する段差部の高さを、前記折り返し部41の存在に拘らず、前記両ハウジング素子21、21の接合面24、24同士を突き合わせられるだけの寸法としている。その他の部分の構成及び作用は、前述の図1〜3に示した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第9例]
図20は、請求項1、2、10、12に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の軸受装置の場合には、1対の外輪素子17a、17aの周方向両端部に形成した各突片26、26同士を重ね合わせてこれら両外輪素子17a、17aを組み合わせ、外輪とした状態で、互いに重ね合わされた前記各突片26、26同士を、バネ鋼板等の弾性材により前記両外輪素子17a、17aとは別体に造った、クリップ43により抑え付けている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第8例と同様であるから、重複する説明は省略する。
1、1a ラジアルニードル軸受
2 クランクシャフト
3 ジャーナル部
4、4a シリンダブロック
5、5a、5b 抑えブロック
6 接合面
7 接合面
8 ボルト
9 保持孔
10 保持凹部
11、11a、11b 保持凹部
12、12a、12b、12c、12d 外輪
13 外輪軌道
14 内輪軌道
15 ニードル
16 保持器
17、17a〜17g 外輪素子
18 突片
19a、19b 係合凹部
20 保持器素子
21、21a〜21f ハウジング素子
22、22a、22b ハウジング
23、23a 保持孔
24 接合面
25 半円筒部
26、26a〜26f 突片
27、27a〜27e 係止凹部
28、28a〜28d 逃げ凹部
29、29a〜29c 折り曲げ部
30 幅広凹部
31 幅狭凹部
32 幅広部
33 幅狭部
34 分岐凹部
35 分岐部
36 逃げ凹部
37 逆湾曲部
38 カムシャフト
39 小径部
40 係止切り欠き
41 折り返し部
42 突出板部
43 クリップ

Claims (12)

  1. ハウジングとラジアルニードル軸受とを備え、このハウジングに対して回転軸を、この回転軸に対して特定方向にのみ加わるラジアル荷重を支承しつつ回転自在に支持する軸受装置であって、
    このうちのハウジングは、前記ラジアル荷重の作用方向に2分割され、互いの対向する面の中間部にそれぞれ半円筒形の保持凹部を設けた1対のハウジング素子を備え、これら両ハウジング素子同士を、それぞれの保持凹部を挟む位置に存在する互いの接合面同士を突き合わせた状態で互いに結合固定し、これら両保持凹部が組み合わされた部分を円形の保持孔としたものであり、
    前記ラジアルニードル軸受は、外輪と複数本のニードルとを備えたもので、
    このうちの外輪は、前記両保持凹部に添設された、それぞれが金属板製である1対の外輪素子の周方向両端部同士を、前記両ハウジング素子を結合固定して前記ハウジングとした状態で突き合わせて円筒状とし、前記保持孔の内周面に保持固定されており、
    前記各ニードルは、前記外輪の内周面である円筒面状の外輪軌道と前記回転軸の外周面に設けた円筒面状の内輪軌道との間に転動自在に設けられている
    軸受装置に於いて、
    前記各接合面のうちで前記両保持凹部の開口部に隣接する部分にそれぞれ凹部を形成すると共に、前記両外輪素子の周方向両端部を、それぞれ前記外輪の径方向に関して外側に突出した曲げ部とし、これら各曲げ部を前記各凹部内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子同士を、前記各接合面同士を突き合わせて結合固定した事を特徴とする軸受装置。
  2. 前記各凹部が係止凹部であり、前記各曲げ部が、前記両外輪素子の周方向両端部に、それぞれ前記外輪の径方向に関して外側に折れ曲がった突片であり、これら各突片を前記各係止凹部内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子同士を、前記各接合面同士を突き合わせた状態で結合固定した、請求項1に記載した軸受装置。
  3. 前記両ハウジング素子を結合固定する以前の、これら両ハウジング素子と前記各突片との自由状態で、これら各突片の厚さ寸法が前記各係止凹部の深さ寸法よりも大きく、前記両ハウジング素子を結合固定した状態で、前記両ハウジング素子と各突片との弾性変形に基づいて接合面同士を突き合わせると共に、前記両外輪素子を前記保持孔の内側に固定している、請求項2に記載した軸受装置。
  4. 前記各係止凹部のうちで前記両保持凹部と反対側部分を、これら両保持凹部側部分よりも深くなった逃げ凹部とすると共に、前記各突片の先端部に曲げ形成した折り曲げ部をこれら各逃げ凹部内に進入させている、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載した軸受装置。
  5. 少なくとも上側に配置されるハウジング素子に形成した1対の係止凹部のうちで前記保持凹部と反対側部分を、この保持凹部側部分よりも深くなった逃げ凹部とすると共に、前記上側に配置されるハウジング素子の保持凹部に添設される外輪素子の両端部に設けられた1対の突片の先端部に曲げ形成した折り曲げ部を前記両逃げ凹部内に進入させ、これら両折り曲げ部の先端縁を、前記各係止凹部の内面のうちで前記両保持凹部と反対側部分に弾性的に当接させている、請求項2〜4のうちの何れか1項に記載した軸受装置。
  6. 前記各係止凹部が、前記各接合面の幅方向中間部にのみ設けられている、請求項2〜5のうちの何れか1項に記載した軸受装置。
  7. 前記各係止凹部は、前記保持凹部側部分を、前記各接合面の幅方向の全長に亙り形成された幅広凹部とすると共に、前記保持凹部と反対側部分を、前記各接合面の幅方向中間部にのみ形成された幅狭凹部としており、
    前記各突片は、基端側部分を、前記幅広凹部内に配置した、前記幅狭凹部よりも大きい幅寸法を有する幅広部とすると共に、先端側部分を、前記幅狭凹部内に配置した幅狭部としている、
    請求項2〜5のうちの何れか1項に記載した軸受装置。
  8. 前記各係止凹部は、前記保持凹部側部分を、前記各接合面の幅方向の全長に亙り形成された幅広凹部とすると共に、前記保持凹部と反対側部分を、前記各接合面の幅方向中間部を挟んだ幅方向両側部分にのみ形成された1対の分岐凹部としており、
    前記各突片は、基端側部分を、前記幅広凹部内に配置した、前記両分岐凹部同士の幅方向間隔よりも大きい幅寸法を有する幅広部とすると共に、先端側部分を、前記両分岐凹部内に配置した、幅方向に関して互いに離隔した1対の分岐部としている、
    請求項2〜5のうちの何れか1項に記載した軸受装置。
  9. 前記各凹部が逃げ凹部であり、前記各曲げ部が、前記両外輪素子の周方向両端部に設けた非硬化部分を、これら両外輪素子の中間部の湾曲方向とは逆に、径方向外方に湾曲させて成る逆湾曲部であり、これら各逆湾曲部をそれぞれ前記各逃げ凹部内に位置させた状態で、前記両ハウジング素子同士を、前記各接合面同士を突き合わせて結合固定した、請求項1に記載した軸受装置。
  10. 前記回転軸の周囲に前記外輪を、前記各ニードルを介して組み付けた状態で、この外輪を構成する前記両外輪素子の周方向両端部同士を非分離に結合している、請求項1〜9のうちの何れか1項に記載した軸受装置。
  11. 前記両外輪素子の周方向両端部に、それぞれ径方向外方に折れ曲がった突片を形成して、これら各突片同士を重ね合わせて前記両外輪素子を組み合わせる事により、前記外輪とした状態で、互いに重ね合わされて対となる前記各突片のうちの一方の突片の先端縁部を径方向内方に折り返す事により形成した折り返し部を他方の突片の先端縁に係合させている、請求項10に記載した軸受装置。
  12. 前記両外輪素子の周方向両端部に、それぞれ径方向外方に折れ曲がった突片を形成して、これら各突片同士を重ね合わせて前記両外輪素子を組み合わせる事により、前記外輪とした状態で、互いに重ね合わされた前記各突片同士をクリップにより抑え付けている、請求項10に記載した軸受装置。
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