JP2014194184A - アイドルストップ車両の制御装置 - Google Patents

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Koji Matsufuji
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Abstract


【課題】アイドルストップシステムを備えた車両において、トリップ中においてもバッテリの劣化度合いを推定して、バッテリが良好状態に復帰していると判定された場合はアイドルストップを許可し、燃費を向上できるシステムを提供することにある。
【解決手段】スタータモータ駆動中のバッテリ電圧と電流とを測定する手段を備え、前述のバッテリ電圧と電流から鉛バッテリの内部抵抗を算出する手段を備え、算出した鉛バッテリの内部抵抗から劣化度合いを推定してアイドルストップ制御の禁止条件、または許可条件で用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の制御装置に係り、特に車両のアイドルストップ条件が成立した時に内燃機関を自動停止し、再発進する時に速やかに内燃機関を始動させる制御装置に関する。
アイドルストップシステムを備えた車両においては、その運転中に、内燃機関の自動停止条件が成立した時に、燃料供給を遮断することにより内燃機関を停止し、運転者の操作又は車両の要求により、内燃機関の再始動条件が成立した時に、速やかに内燃機関を始動し発進する技術が、既に、実用化されている。
このアイドルストップシステムを備えた車両においては、車両の運転状態に基づいた様々な判定方法によりアイドルストップを実行するか否かの判断を行い、アイドルストップを実行する時間を増やすことによって燃費を向上する工夫をしている。
アイドルストップの許可判定、および禁止判定条件の一つとしては、バッテリの充電状態(SOC)を推定して行う方法が一般的に知られている。
バッテリの充電状態を推定する従来の実施例としては、満充電法と呼ばれる方法がある。〔数1〕のように、エンジンをKEYで始動した直後にバッテリを満充電状態にしてSOCの初期値SOC0を取得し、その後は、バッテリに設けた電流センサにより充放電電流を積算し、SOCを推定する方法である。
一方、鉛バッテリは、放電時に電極板で発生する硫酸鉛が結晶化する現象、所謂サルフェーション現象が発生して内部抵抗が増加し、性能が劣化していく性質を持っている。このバッテリの内部抵抗を推定して、劣化度合いを判定し、アイドルストップ条件の一つとすることが出来る。
具体的には、初回始動時にスタータモータ回転中のバッテリ電圧と電流を測定し、予め無負荷時に測定し記憶しておいた、バッテリ開放電圧からバッテリの内部抵抗を〔数2〕等で算出することにより、バッテリの劣化度合いを推定して、アイドルストップを許可、または禁止する条件に使用することが可能である(例えば、特許文献1等)。
特開2010−209733号公報
前述の方法で初回始動時にバッテリの劣化度合いを推定して、その劣化度合いからアイドルストップを禁止判定した場合、以後トリップ中にバッテリが良好状態に復帰したにもかかわらず、次に初回始動が行われてアイドルストップ許可判定されるまで、アイドルストップが禁止状態となるため、燃費の向上が望めない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、トリップ中においてもバッテリの劣化度合いを推定して、バッテリが良好状態に復帰していると判定された場合はアイドルストップを許可し、燃費を向上することにある。
前記目的を達成するべく、本発明の車両の制御装置は、内燃機関を始動するためのスタータモータに電力を供給するバッテリを備え、前記内燃機関の自動停止と自動始動とを行うアイドルストップ車両を制御する制御装置において、前記制御装置は、前記バッテリの端子電圧を取得する電圧取得手段と、前記バッテリからの供給電流を取得する電流取得手段と、前記バッテリの温度を取得する温度取得手段と、前記端子電圧と前記供給電流と前記温度から前記バッテリの内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、前記内燃機関の初回始動から手動停止までの期間よりも短い間隔で少なくとも一回、前記内部抵抗に基づいて前記自動停止の禁止および許可を反転するバッテリ状態判定手段と、を供えることを特徴とする。
本発明は、初回始動時にバッテリの劣化度合いを推定してアイドルストップが禁止判定された場合でも、トリップ中に鉛バッテリの劣化度合いを推定してアイドルストップを許可することが可能であるため、途中からアイドルストップを実行し燃費の向上を図ることができる。
本発明の車両の制御装置におけるアイドルストップシステムの機能構成図。 図1の車両の制御装置の制御システム構成図。 図1の車両の制御装置の機能ブロック図。 図1の車両の制御装置の制御フローチャート。 バッテリの劣化度合いを判定するフローチャート。 バッテリ温度に対する内部抵抗特性グラフ。 バッテリ内部抵抗から劣化度合いを判定するテーブル。 バッテリ内部抵抗測定時のスタータモータの駆動方法。
図1〜8を参照して、本発明による車両の制御装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の車両の制御装置を搭載した車両の全体構成図である。なお、図1では、本発明による車両の制御装置に関する説明に係る部分を主に記載して、他の部分の記載を省略している。この車両は、多気筒のエンジン(内燃機関本体)1と、アイドルストップスタータシステム10と、ECU(コントロールユニット、制御装置)11とを備えている。
内燃機関本体(単に内燃機関とも呼ぶ)1はクランク軸1aを有し、点火コイル14a、点火プラグ14b、および燃料噴射弁15等が取り付けられている。アイドルストップスタータシステム10は、ピニオンギヤ押し出し式のスタータ本体3と、半導体スイッチング素子13とを備えており、ECU11によって制御されている。なお、半導体スイッチング素子13は、ON、OFF信号で動作する機械式マグネットスイッチに置き換えてもよい。
内燃機関本体1のクランク軸1aには、リングギヤ2が取り付けられている。スタータ本体3は、半導体スイッチング素子13により駆動されるアクチュエータ5と、モータ7と、ピニオンギヤ4とが設けられている。リングギヤ2の近傍には、リングギヤ2の凸凹を検出してパルス信号に変換するパルスセンサ37が設けられている。パルスセンサ37から出力されるパルス信号に基づいて、ECU11は内燃機関1の回転数(エンジン回転数)を算出する。
スタータ本体3は、ピニオンギヤ4と、アクチュエータ5と、レバー6と、スタータモータ7と、ピニオンパルスセンサ38とを備えている。ピニオンギヤ4は、リングギヤ2と噛合可能なギヤであり、スタータモータ7の軸(ピニオン軸)8に軸方向に移動可能に設けられている。アクチュエータ5は、レバー6を介してピニオンギヤ4をピニオン軸8の軸方向に移動させるための電動アクチュエータである。スタータモータ7は、後述するように内燃機関1をクランキングするためのモータである。ピニオンパルスセンサ38は、ピニオン軸8の回転速度を検出するためのセンサである。
ECU11のピニオン移送指令がピニオン移送アクチュエータ駆動用の半導体スイッチング素子13aのゲート端子に入力されると、バッテリ12の電力がアクチュエータ5へ供給される。これによりアクチュエータ5がレバー6を介してピニオンギヤ4を図示右方向へ移動させるので、ピニオンギヤ4はリングギヤ2と噛合する。
ECU11からのモータ駆動指令がスタータモータ駆動用の半導体スイッチング素子13bのゲート端子に入力されると、バッテリ12の電力がスタータモータ7へ供給される。これにより、スタータモータ7がピニオンギヤ4およびリングギヤ2を介してクランク軸1aを回転させて内燃機関1をクランキングする。
なお、クランク軸1aにはトランスミッション16が接続されている。トランスミッション16は、ドライブシャフト17およびタイヤ18を介して内燃機関本体1で発生する回転駆動力を路面に伝える。また、トランスミッション16には、その出力軸の回転パルスを検知する車速センサ33が取り付けられている。ECU11は、車速センサ33からの出力信号に基づき、所定の係数で変換すること等により車速値を算出する。
バッテリ12のマイナス端子側には、バッテリセンサ39が接続され、バッテリ電圧、バッテリ電流、バッテリの周囲温度を検知し、ECU11へ検知した情報を出力する。
図2は、ECU11のシステム構成をECU11に入力するセンサ等の各種の入力信号、および、ECU11から制御機器等に出力する各種の出力信号とともに示す図である。
ECU11の入力回路24には、車両の不図示のアクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセル開度センサ230、不図示のスロットルバルブの開き量を検知するスロットル開度センサ231、内燃機関1のシリンダ内へ吸入される吸入空気量を計測するエアフロセンサ232、車両の走行速度を検出する車速センサ233、不図示のフットブレーキの操作を検知するブレーキスイッチ234、内燃機関1の点火、噴射タイミングの算出や気筒判定に用いるカム角信号とクランク角信号を検出するカム角センサ235とクランク角センサ236、上述したリングギヤセンサ237およびピニオンギヤセンサ238、バッテリ電圧、バッテリ電流、バッテリの周囲温度を検知し、情報を出力するバッテリセンサ239、が接続されている。
出力回路226には、点火コイル14aと、燃料噴射弁15と、半導体スイッチング素子13とが接続されている。点火コイル14aは、カム角センサ235、クランク角センサ236の信号からECU11が算出した点火タイミングに基づいて出力回路226から出力される点火信号を受信すると、点火コイル14aでシリンダ内の混合気に点火するために、点火プラグ14bへ高電圧の電力を供給する。燃料噴射弁15は、出力回路226を介して所定のタイミングで所定時間出力される開弁信号を受信すると、燃料を噴射する。なお、ECU11は、エアフロセンサ232で計量された吸入空気量から燃料噴射弁15で噴射する燃料量を算出する。
スイッチング素子13は、出力回路226を介して出力されるPWM駆動信号を受信すると、アクチュエータ5、スタータモータ7をそれぞれ駆動する。スイッチング素子13aはアクチュエータ5を駆動し、スイッチング素子13bはスタータモータ7を駆動する。なお、ECU11は、スタータ3への駆動要求を受けると出力回路26を介してPWM駆動信号を出力する。
図3は、ECU11の機能ブロック図である。これらの機能は、例えばROM241にプログラムとして記憶され、演算処理装置223によって読み出されて実行される。ECU11は、走行速度算出部311aと、回転数算出部311bと、減速時燃料カット制御部311cと、燃料噴射復帰制御部311dと、コーストストップ制御部311eとを備えている。走行速度算出部311aは、車速センサ233からの出力信号に基づき、所定の係数で変換すること等により車速値を算出する。回転数算出部311bは、リングギヤセンサ237からの出力信号に基づき、エンジン回転数を算出する。
減速時燃料カット制御部311cは、所定の減速時燃料カット条件が満たされると、車両の減速中に内燃機関1への燃料供給を停止するよう燃料噴射弁15を制御する。燃料噴射復帰制御部311dは、減速時燃料カット制御部311cによって内燃機関1への燃料供給が停止されているときに、エンジン回転数が燃料噴射復帰回転数以下であれば内燃機関1への燃料供給を再開するよう燃料噴射弁15を制御する。
コーストストップ制御部311eは、車速がコーストストップ許可車速以下であることを少なくとも条件の1つとする所定のコーストストップ条件が満たされると、内燃機関1への燃料の供給を停止するよう燃料噴射弁15を制御する。
バッテリ劣化度合い判定部311fは、スタータモータ駆動時のバッテリセンサ239の情報(バッテリ電流、バッテリ電圧、バッテリ周囲温度)を元にバッテリの内部抵抗を算出し、その内部抵抗値からバッテリの劣化度合いを判定し、アイドルストップの禁止または許可条件の一つとして使用する。
図4は、アイドルストップ時に内燃機関1の回転数とピニオンギヤ4の回転数とを同期して、ピニオンギヤ4をリングギヤ2へ噛み込ませながら内燃機関1を停止する回転数同期式プリメッシュのフローチャートである。この制御フローチャートで示した動作の処理は、ECU11にて繰り返し実行される。
車両が停止する過程の減速走行中には、減速感の向上と燃料消費量低減を目的として、ステップ101で所定の条件(減速時燃料カット条件)が成立するとステップ102で燃料噴射弁15の駆動を停止させる。これにより、内燃機関1への燃料供給の遮断(燃料カット)が実行され、エンジンブレーキが作動する。なお、減速時燃料カット条件としては、たとえば、「車速が20km/h以上であり、かつエンジン回転数が1200rpm以上であり、かつ、不図示のアクセルペダルが踏み込まれていないこと」が挙げられる。
上述した減速時燃料カットの実行中にステップ103において、エンジン回転数が燃料噴射を再開(リカバ)する所定の回転数(燃料噴射復帰回転数(たとえば1100rpm))まで低下し、燃料噴射復帰(リカバ)条件が成立するとステップ104のサブルーチンで燃料噴射を再開(リカバ)させる燃料リカバ処理を実行する。燃料リカバ処理のサブルーチンについては後述する。
ステップ104の燃料リカバ処理の実行後に、スロットル開度が全閉で内燃機関1が無負荷運転にある時、ステップ105で、車速センサ33やブレーキスイッチ34などの各入力条件がコーストストップ条件を満たすと、ステップ106で、燃料噴射弁15の駆動を停止して、内燃機関1の燃料供給の遮断(燃料カット)を行う。なお、コーストストップ条件としては、たとえば、「車速がたとえば14km/h以下であり、かつ不図示のブレーキペダルが踏み込まれていること」が挙げられる。
上述した燃料カット動作により、エンジン回転数は徐々に低下して、ステップ107で、判定条件の所定値A(たとえばエンジン回転数が600rpm)以下となった時には、ステップ108に進み、ピニオン予回転動作、即ちスタータモータ7へ通電し、ピニオンギヤセンサ38から算出されるピニオンギヤ回転数を所定値まで上昇させて、通電を停止する動作を行う。
この場合、上記のピニオン予回転動作により、ピニオンギヤ回転数は惰性によって時間とともに徐々に低下する。一方、エンジン回転数が吸入→圧縮→膨張→排気を繰り返して脈動しながら低下するので、リングギヤセンサ37から算出されるエンジン回転数とピニオン予回転動作によって徐々に低下しているピニオンギヤ回転数が同期するタイミングを予測し、ステップ109で、プリメッシュ条件が成立した時、ステップ110に進み、ピニオンギヤ移送を実行、即ちアクチュエータ5への通電を開始し、回転するピニオンギヤ4をリングギヤ2へレバー6を介して噛み込ませる、いわゆるプリメッシュ状態とする。なお、プリメッシュ条件としては、たとえば、リングギヤ2と完全にシンクロしたと仮定した時のピニオンギヤ4の回転数と、実際のピニオンギヤ4の回転数との差が±100rpm以内であることが挙げられる。
ステップ111で、たとえば不図示のブレーキペダルから足が離れるなどの運転者からの再始動要求、いわゆるチェンジ・オブ・マインドが無いと判定された場合は、ステップ112に進み、上記プリメッシュ状態のまま、内燃機関本体1を完全停止させて、ステップ113に進み、再始動要求を受けるまで、待機する。
ステップ113の待機状態において、運転者の操作などにより、再始動要求を受けた時には、ステップ116に進み、スタータモータ7へ通電し、燃料噴射を再開させて内燃機関を再始動させる。
また、ステップ111において、運転者からのチェンジ・オブ・マインド要求が有りと判定された場合には、ステップ114に進み、エンジン回転数が所定値B(たとえばエンジン回転数が600rpm)以下か否かを判定する。エンジン回転数が所定値B以下でない場合には、ステップ116に進み、内燃機関回転数が所定値B以下の場合には、ステップ115に進み、所定時間だけスタータ本体3の駆動を禁止した後、ステップ116に進む。
その後、ステップ117に進み、エンジン回転数が所定値C(たとえばエンジン回転数が500rpm)以上か否かを判定して、所定値C以上の場合は、ステップ118に進み、スタータ本体3の駆動をOFFとする。
以上のように、ピニオンギヤ4とリングギヤ2との回転数同期式のプリメッシュ動作を行うことにより、ピニオンギヤ4がリングギヤ2へ噛み込むまでの時間を短縮することが出来るので、ギヤ噛み込み時に発生する騒音を低減できる。また、次回再始動時には、ピニオンギヤ4をリングギヤ2へ噛み込ませる動作が不要となるので、再始動要求を受けてから内燃機関が完爆に至るまでの始動時間を短縮できる。
このように本発明のアイドルストップシステムは、スタータのピニオンギヤをリングギヤに当接しない状態で回転させることが可能であり、エンジンが回転中でもECUの指令によりスタータモータのみを回転駆動できる特徴を備えているので、その特徴を利用することにより、車両走行中においてもスタータモータを空転させた時に流れるバッテリ電流とバッテリ電圧、およびバッテリ温度を測定することによって、バッテリの内部抵抗を推定することが可能である。
具体的な例を図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップ201で車両の負荷が一切稼動していない無負荷状態にある時のバッテリの開放電圧 VoをECUで記憶しておき、ステップ202でエンジン始動後にバッテリの内部抵抗の測定を行う所定条件を満たした場合、ステップ203でスタータモータのみを駆動する。
次にステップ204で、前述のバッテリ開放電圧 Voと、スタータモータを駆動した時に検知したバッテリ電流 Imとバッテリ端子電圧 Vmから、下式によりバッテリ内部抵抗 Riを算出する。
また、図6に図示するように、バッテリ内部抵抗は温度をパラメータとして、低温側で大きく、高温側で小さくなる特性を持っているため、バッテリセンサで検知したバッテリ周囲温度を基に、前記で算出したバッテリ内部抵抗を補正する計算をステップ205で行う。
この計測および計算を、精度向上を目的として、所定時間(例えば10ms毎に5回測定し平均処理)行い、その所定時間に達した場合はステップ206で計測終了判定し、スタータモータの駆動を停止する。
次にステップ205において補正計算したバッテリの内部抵抗値から、図7に図示するバッテリの劣化特性を基に作成したテーブルデータを検索し、バッテリの劣化度合いを参照し、ステップ207でその値が所定値を超えているか否かで、バッテリの劣化度合いを判定する。
すなわち、図7の矢印で示す例のように、バッテリ周囲温度20℃で、算出したバッテリ内部抵抗が6.5mΩの場合、バッテリの劣化度合いが「82」である。ステップ207の劣化度合い判定のしきい値を「80」に設定していれば、バッテリの寿命が末期に近いと判定して、ステップ209でアイドルストップを禁止する。一方で、測定したばってりの劣化度合いが判定しきい値よりも低い場合、ステップ208でアイドルストップを許可または禁止を解除する。
ステップ202でバッテリ内部抵抗値の測定を実行する条件は、バッテリの充電状態によってスタータを駆動した時の電流が変化するため、バッテリの充電状態(SOC)を検出し、所定値以上である場合に内部抵抗値を測定するためのスタータモータ駆動を許可する。
ステップ203で内部抵抗値を測定するためにスタータモータを駆動する方法は、電圧、電流の測定精度を向上させるため、短時間で複数回サンプリング出来るように、半導体スイッチング素子によるPWM制御(例えば図8に示すように初期50%で駆動し、100ms後に60%になるように制御する)で初期の突入電流を抑制し、平均的に電流値を制御するとともに、不必要な電圧降下(消費電力の増加)を避けることを特徴とする。また、初期のトルクを抑えることにより、ピニオンギヤが前進してリングギヤに衝突する音の発生を防止する効果がある。
また、ステップ203で内部抵抗値を測定するためにスタータモータを駆動する前には、バッテリ状態を安定させるため、オルタネータの発電を停止、または制限してからスタータモータを駆動する。
ステップ203でスタータモータ駆動時の電圧降下により、ヘッドライトのちらつき、電動パワーステアリングのリセットで安全上影響を受ける恐れがある負荷が入っている場合は、内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を禁止する。
ステップ203でスタータモータ駆動時には、スタータモータが回転することにより騒音が発生するため、運転状況によっては運転者に不快感を与える。このため、低車速でロードノイズが小さくなる車速(例えば10km/h)以下では内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を禁止する。
また、車両の電気負荷において消費電流が大きく不規則に変動する、例えばパワーウインドウが稼動している場合は、内部抵抗の推定精度が低下するので内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を禁止する。
ステップ204において、既知の電流値を消費する電気負荷が稼動している場合は、その既知の電流値をトータルの電流値から減算することで測定精度を向上する。
また、スタータモータ駆動時に電流を測定する場合、スタータモータのコイル温度により電流値が変動し、測定値がばらつく要因となるので、エンジン冷却水温、外気温、エンジン潤滑油温等のパラメータからスタータモータのコイル温度を推定して、その推定値でモータ駆動時の電流を補正することで推定精度を向上する。
本発明では、手動による初回始動によるバッテリ状態判定に加え、図5に記載した処理を所定時間毎、またはエンジン回転位相同期など、1トリップの間隔よりも短い隔毎で少なくとも一回行うため、バッテリの劣化度合いが改善されたにも関わらずトリップ中にアイドルストップ禁止状態が継続することを防止できる。 なお、トリップとは例えばエンジンの手動による初回始動から手動停止までの期間を表す。
また、本発明によれば、初回始動以外に図5による処理を実行するため、必ずしも初回始動によるバッテリ状態の判定は必要としない。
1 内燃機関本体
1a クランクシャフト
2 リングギヤ
3 スタータ
4 ピニオンギヤ
5 ピニオン移送アクチュエータ
6 ピニオン移送レバー
7 スタータモータ
8 モータ軸
10 アイドルストップスタータシステム
11 ECU
12 バッテリ
13 半導体スイッチング素子
13a 半導体スイッチング素子(ピニオン移送アクチュエータ駆動用)
13b 半導体スイッチング素子(スタータモータ駆動用)
14a 点火コイル
14b 点火プラグ
15 燃料噴射弁
16 トランスミッション
17 ドライブシャフト
18 タイヤ
33 車速センサ
37 リングギヤセンサ
38 ピニオンギヤセンサ
39 バッテリセンサ

Claims (10)

  1. 内燃機関を始動するためのスタータモータに電力を供給するバッテリを備え、
    前記内燃機関の自動停止と自動始動とを行うアイドルストップ車両を制御する制御装置において、
    前記制御装置は、前記バッテリの端子電圧を取得する電圧取得手段と、
    前記バッテリからの供給電流を取得する電流取得手段と、
    前記バッテリの温度を取得する温度取得手段と、
    前記端子電圧と前記供給電流と前記温度から前記バッテリの内部抵抗を算出する内部抵抗算出手段と、
    前記内燃機関の初回始動から手動停止までの期間よりも短い間隔で少なくとも一回、前記内部抵抗に基づいて前記自動停止の禁止および許可を反転するバッテリ状態判定手段と、を供えることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置であっ
    前記スタータモータは、ピニオンギヤの移動とモータの駆動とをそれぞれ単独で動作させるスタータモータであり、前記ピニオンギヤの移動と前記モータの駆動とを制御する半導体スイッチング素子、または機械式リレーを有し、該ピニオンギヤの回転速度を取得するピニオン回転数取得手段を備え、
    前記制御装置は、所定条件を満たした場合にスタータモータを前記内燃機関と接続しない状態で所定のピニオンギヤ回転数に達するまで、または所定の時間駆動するスタータモータ駆動手段を備え、
    前記バッテリ状態判定手段は、前記スタータモータ駆動手段により駆動中のバッテリ端子電圧と電流とバッテリ温度を用いることを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2の内部抵抗値を測定するためにスタータモータを駆動するための条件は、バッテリへの充電状態(SOC)を検出し、所定値以上である場合に内部抵抗値を測定するためのスタータモータ駆動が可能であると判断することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項2の内部抵抗値を測定するためにスタータモータを駆動する手段は、半導体スイッチング素子によるDuty制御で駆動電流を制御することにより初期の突入電流を抑制することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項2の内部抵抗値を測定するためにスタータモータを駆動する際には、オルタネータの発電を停止、または制限して、バッテリの端子電圧を安定させてから内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を実行することを特徴とする制御装置。
  6. 請求項2に記載のスタータモータの駆動を禁止する条件は、ヘッドライト、電動パワーステアリング等の重要電気負荷が入っている場合は、内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を禁止することを特徴とする制御装置。
  7. 請求項2に記載のスタータモータの駆動を禁止する条件は、スタータモータの空転音が目立つ車速以下(例えば10km/h以下)では、内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を禁止することを特徴とする制御装置。
  8. 請求項2に記載のスタータモータの駆動を禁止する条件は、消費電流が大きく不規則に変動するようなパワーウインドウ等の負荷の状態を検知し、その電気負荷が稼動している場合は、内部抵抗値を測定するためのスタータモータの駆動を禁止することを特徴とする制御装置。
  9. 請求項2に記載のスタータモータ駆動時の電流を算出する方法は、既知の電流値を消費する電気負荷が稼動している場合は、その既知の電流値をトータルの電流値から減算することで推定精度を向上することを特徴とする制御装置。
  10. 請求項2に記載のスタータモータ駆動時の電流を算出する方法は、エンジン冷却水温、外気温、エンジン潤滑油温等のパラメータからスタータモータのコイル温度を推定し、そのコイル温度でスタータモータ駆動時の電流を補正することで推定精度を向上することを特徴とする制御装置。
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