以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態が説明される。なお、各図では、同様の要素には同様の符号が付され、適宜、説明が省略される。
(1)車両の全体構成
図1は、エンジンの停止制御装置が搭載された車両の構成を概略的に示す図である。
車両1は、例えば4輪自動車である。エンジン2は、車両1のエンジンルームに設けられる。エンジン2の駆動力は、クランクシャフト2aからトランスミッション、終減速機、駆動軸等を介して車輪1aに伝達されて、車両1を走行させる。
車両1には、図1に示されるように、車両の駆動源としてのエンジン2、スタータ3、モータジェネレータ4、Liバッテリ(リチウムバッテリ)9、DC−DCコンバータ10、鉛バッテリ12、および各種電気機器が搭載されている。モータジェネレータ4は、後述するように、電動機としての機能と発電機としての機能を有するいわゆるISG(Integrated Starter−Generator)であり、以下では、これをISG4という。
Liバッテリ9は請求項にいう「蓄電池」に相当し、鉛バッテリ12は請求項にいう「2次蓄電池」に相当し、DC−DCコンバータ10は請求項にいう「降圧装置」に相当する。また、ISG4は請求項にいう「発電装置」および「駆動力付与装置」に相当する。つまり、本実施形態では、発電装置と駆動力付与装置とが一体とされて一つの装置で構成されている。
図1の例では、エンジン2は、一列に並ぶ4つの気筒2cを備えた直列4気筒エンジンである。本実施形態では、エンジン2は、ガソリンを含む燃料により駆動されるエンジンである。エンジン2は、各気筒2c内に燃料を噴射するインジェクタ30(図4参照)と、各気筒2c内の混合気(空気と燃料の混合気)に点火する点火プラグ31(図4参照)とを備えている。インジェクタ30と点火プラグ31とは、1つの気筒2cにつき1つずつ設けられている。
(高電圧回路)
Liバッテリ9は、高電圧ラインL1を介して、ISG4、シートヒータ5およびPTCヒータ6に電気的に接続されており、これらは高電圧回路14を構成する。
ISG4は、発電機および電動機として動作可能な装置である。ISG4は、ベルト4aを介してエンジン2のクランクシャフト2aに連結されている。
ISG4は、発電機として動作する際には、エンジン2のクランクシャフト2aと連動して回転するロータを磁界中で回転させることにより発電を行う。ISG4は、磁界を発生するフィールドコイルへの供給電流の増減に応じて、最大数十Vまでの範囲で発電電圧を調節することが可能になっている。ISG4には、発電された交流電力を直流電力に変換する整流器(図示省略)が内蔵されている。ISG4で発電された電力は、この整流器で直流に変換された後に、高電圧ラインL1に出力され、高電圧ラインL1を介してLiバッテリ9に蓄電される。
本実施形態では、ISG4は、車両の減速時に発電機として動作するように制御されて、エンジン2の回転エネルギーを電気に変換する。つまり、本実施形態では、ISG4は、いわゆる減速回生発電を行うように構成されている。
ISG4は、電動機として動作する際は、Liバッテリ9からの電力供給を受けて駆動され、ベルト4aを介してエンジン2のクランクシャフト2aに駆動力を伝達して、エンジン2に駆動力を付与する。
このように、本実施形態では、ISG4は、エンジン2により駆動されて発電する発電装置と、Liバッテリの電力を用いてエンジン2に駆動力を付与可能な駆動力付与装置として機能する。また、Liバッテリが、車両の減速時にISG4で発電された電力を蓄電可能な蓄電池として機能する。
ISG4は、冷間始動時を除くエンジンの始動時に、電動機として動作してエンジン2を始動させる(エンジン2を強制的に回転させる)。本実施形態では、車両1は、エンジン2の自動停止ができるように構成されており、エンジン2の自動停止後のエンジン2の再始動時もISG4によってエンジン2が再始動される。具体的には、車両1に設けられたイグニッションスイッチを乗員が操作することによって、エンジン2は始動/停止される。また、車速が所定値以下でエンジンがアイドル状態にある等の条件が成立するとエンジン2は自動的に停止され、その後、アクセルペダルが踏み込まれる等の条件が成立するとエンジン2は自動的に再始動される。
また、ISG4は、エンジン負荷の低いとき等に電動機として動作するように制御されて、エンジン2に駆動力を付与する。つまり、本実施形態では、ISG4は、いわゆるトルクアシストを行うようにも構成されている。
Liバッテリ9は、正極にリチウムを含み、正極と負極との間でのリチウムイオンの移動により充放電するバッテリである。Liバッテリ9は、鉛バッテリ12よりも速い速度で充放電ができるとともに、鉛バッテリ12よりも充放電による劣化が進行しにくい。本実施形態では、ISG4で生成された電力がLiバッテリ9に蓄電されるように構成されていることで、エンジン2の減速エネルギーを効率よく電力として車両1に貯蔵することができる。そして、このようにISG4で生成された電力をより多く蓄電できるように、Liバッテリ9の公称電圧は、鉛バッテリ12の交渉電圧よりも高い電圧とされている。本実施形態では、Liバッテリ9の公称電圧は、DC24Vとされている。ここで、充放電速度が高く電力を多く貯蔵可能な装置としては、キャパシタがあるが、Liバッテリ9は、同じサイズのキャパシタに比べて容量を大きくすることができる。従って、本実施形態では、電力を貯蔵するための装置の小型化も実現されている。
図2は、Liバッテリ9の配置を説明するための図であって車両1の一部を概略的に示した平面図である。図2の例では、車両1の前部にエンジンルーム1が形成されており、その後方に車室80が形成されている。
車両1は、フロアパネルの上方に設けられて車室の床面を構成するパネル81と、車両の車幅方向の両側部に形成された開口部(ドア部分)の下部に設けられて車室80の車幅方向の両側部に沿って車両前後方向にそれぞれ延びる一対のサイドシル82とを備える。また、車両1は、パネル81の下方にエンジンルーム1と連通するように設けられて、エンジン2の排気ガスを車両1の外部に排出するためのダクトが内側を通るフロアトンネル83を備える。フロアトンネル83は、フロアパネル81の車幅方向の中央部分が上方に膨出することで形成されている。Liバッテリ9は、パネル81の下方であってフロアトンネル83と一方のサイドシル82(図2の例では、右側のサイドシル82)との間に、配置されている。図2の例では、Liバッテリ9は、パネル81の前部の下方であって運転席あるいは助手席の下方に配置されている。
このように配置されることで、本実施形態では、ISG4とLiバッテリ9との距離、ひいては、これらをつなぐ電線が短く抑えられている。
ここで、フロアトンネル83とサイドシル82との車幅方向の離間距離は短い。これに対して、本実施形態では、Liバッテリ9を構成する複数のLi蓄電池のセル(電池)9aが、一列に並ぶように配設されて直列接続されて、Liバッテリ9が平面視で所定の方向に長く延びる形状とされている。そして、Liバッテリ9が、その長手方向つまりセル9aの配列方向が車両前後方向に沿うように配置されている。これにより、Liバッテリ9を、前記のようにISG4との距離が短く抑えられる位置に配置することが可能となっている。
シートヒータ5(高電圧電気機器の一例、車室ヒータの一例)は、車両1の座席を加熱するためのヒータである。PTCヒータ6(高電圧電気機器の一例、車室ヒータの一例)は、車両1の室内を暖房するためのヒータである。触媒ヒータ7は、排ガスを浄化する触媒を加熱するためのヒータである。シートヒータ5、PTCヒータ6、及び触媒ヒータ7は、DC数十Vでも安定して動作するため、高電圧ラインL1の側に配置されている。
(低電圧回路)
鉛バッテリ12は、低電圧ラインL2を介して、スタータ3及び低電圧電気機器13に電気的に接続されており、これらは低電圧回路15を構成する。この低電圧電気機器13は、請求項にいう「電気負荷」に相当する。
鉛バッテリ12は、本実施形態では、直列接続された6セルの鉛蓄電池を含む。この構成により、鉛バッテリ12の公称電圧は、DC12Vになっている。
スタータ3は、エンジン2を始動するための装置である。スタータ3は、ギヤ駆動式の装置であり、エンジン2のリングギヤ2bに連結されたピニオンギヤ3aを有する。スタータ3の駆動力は、ピニオンギヤ3a及びリングギヤ2bを介して、エンジン2のクランクシャフト2aに伝達される。スタータ3は、冷間始動時(冷間時に乗員のイグニッションスイッチの操作に伴ってエンジン2を始動させる時)にのみ駆動されてエンジン2を始動させる。
低電圧電気機器13は、鉛バッテリ12の公称電圧と同じ電圧(本実施形態では、DC12V)以下の電圧で動作する電気機器である。低電圧電気機器13は、例えば、電動式パワーステアリング機構(EAPS)、エアコン、オーディオ機器、各種の照明装置を含む。
(DC−DCコンバータ)
DC−DCコンバータ10は、高電圧回路14と低電圧回路15との間に設けられており、これら回路14、15どうしをつないでいる。
DC−DCコンバータ10は、高電圧ラインL1から低電圧ラインL2に(つまり図1中、左側から右側に)供給される電力の電圧を降圧するための装置である。Liバッテリ9からの出力電力およびISG4によって発電された電力は、DC−DCコンバータ10によって電圧が降圧されて低電圧電気機器13に供給される。また、ISG4によって発電された電力の余剰分は鉛バッテリ12に供給され、鉛バッテリ12が充電される。
DC−DCコンバータ10は、これ以外の機能、例えば上記とは反対方向(つまり図1中、右側から左側へ)の電力の供給を許容したり、電圧を昇圧したりする機能は有しておらず、電圧の降圧のみを行う。このように構成されることで、本実施形態では、高電圧ラインL1と低電圧ラインL2とをつなぎつつ、これをつなぐためのコンバータの構造を簡素化してコストを格段に低く抑えることができる。
図3は、DC−DCコンバータ10の構成を説明するための概略図である。DC−DCコンバータ10は、FETからなるスイッチング素子10a、10b(Hi−FET10aとLow−FET10b)を内蔵しており、これらスイッチング素子10a、10bのオンオフスイッチングによって入力電圧を変化させて出力する。このDC−DCコンバータ10では、スイッチング素子10a、10bのオンオフ時間を変更することで、出力電圧を変更することが可能となっている。スイッチング素子10a、10bのオンオフ時間の変更は、後述するECU100により行われるようになっており、ECU100は、後述するように出力電圧の目標値を設定するとともに、この目標値が実現されるスイッチング素子10a、10bのオンオフ時間を算出し、このオンオフ時間が実現されるようにDC−DCコンバータ10に指令信号を出力する。
ここで、高電圧ラインL1側から低電圧ラインL2側へつまり鉛バッテリ12および低電圧電気機器13に電力が安定して供給されるように、DC−DCコンバータ10の出力電圧は、基本的に、鉛バッテリ12の公称電圧および低電圧電気機器13の作動電圧よりも十分に高い基本出力電圧とされる。つまり、DC−DCコンバータ10の出力電圧の目標値である目標出力電圧が基本出力電圧とされ、これが実現されるように、ECU100によりDC−DCコンバータ10(DC−DCコンバータ10に内蔵されたFET10a、10b)が制御される。本実施形態では、鉛バッテリ12の公称電圧が12Vであるのに対して、基本出力電圧は14.4Vに設定されている。なお、この基本出力電圧は、Liバッテリ9の液温等に応じて変更されてもよい。
(2)制御系統
図3は、図1に示される車両1の制御系統の電気的構成を概略的に示すブロック図である。図3に示されるECU100は、エンジンを統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
ECU100には各種センサによる検出情報や各種スイッチの操作信号が入力される。
具体的に、車両1には、クランク角センサSN20、水温センサSN21、外気温センサSN22、アクセルセンサSN23、ブレーキセンサSN24、車速センサSN25、Liバッテリ電圧センサSN26、Liバッテリ電流センサSN27、イグニッションスイッチSW28、PTCヒータスイッチSW29、シートヒータスイッチSW30等が設けられている。
クランク角センサSN20は、クランクシャフト2aの回転速度ひいてはエンジン回転数を検出する。水温センサSN21は、エンジン2を冷却するためのエンジン冷却水の温度を検出する。外気温センサSN22は、外気温つまり車両1の周囲の気温を検出する。アクセルセンサSN23は、車両1に設けられたアクセルペダルの踏込量を検出する。ブレーキセンサSN24は、フットブレーキペダルの踏込量を検出する。車速センサSN25は、車速を検出する。Liバッテリ電圧センサSN26、Liバッテリ電流センサSN27は、それぞれ、Liバッテリ9の入出力電圧および入出力電流を検出する。イグニッションSW(イグニッションスイッチ)20は、前記のように、乗員がエンジン2の始動/停止を行うためのスイッチである。PTCヒータSW28は、乗員がPTCヒータ6の駆動/停止を行うためのスイッチである。シートヒータSW29は、乗員がシートヒータ5の駆動/停止を行うためのスイッチである。
ECU100は、各センサ、各スイッチの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつ車両1に設けられた各装置を制御する。ECU100は、インジェクタ30、点火プラグ31、スタータ3、ISG4、シートヒータ5、PTCヒータ6、DC−DCコンバータ10、低電圧電気機器13等と電気的に接続されており、前記演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。このECU100は、請求項にいう「制御装置」に相当する。
例えば、水温センサSN21で検出されたエンジン冷却水の温度が所定温度未満のときにイグニッションSW20が操作されると、ECU100は、冷間始動時であると判定して、スタータ3を駆動させる。ECU100は、PTCヒータSW28、シートヒータSW29等のスイッチの操作に応じて、シートヒータ5、PTCヒータ6、低電圧電気機器13等を駆動させる。
また、ECU100は、車速センサSN25で検出された車速が低下中であること等に伴ってISG4を発電機として駆動させて、ISG4に前記のように減速回生発電を行わせる。ECU100は、アクセルペダルの踏込量やクランク角センサSN20により検出されたエンジン回転数等に基づいてエンジン負荷を算出し、エンジン負荷が所定値未満のときは、ISG4を電動機として駆動させてISG4からエンジン2にトルクを付与する。
また、ECU100は、所定の条件が成立するとエンジン2を自動停止させる。さらに、その後、ブレーキペダルが踏み込まれておらずアクセルペダルが踏み込まれている等の条件の成立が成立すると、ISG4を電動機として駆動させてエンジン2を再始動させる。
ここで、前記のように、高電圧回路14と低電圧回路15とをつなぐコンバータとして、降圧機能を有するDC−DCコンバータ10を用いれば、コストを極めて小さく抑えることができる。しかしながら、この構成では、エンジン2の再始動時に低電圧回路15に接続された低電圧電気機器13に付与される電圧が急低下するおそれがある。
図5を用いて具体的に説明する。図5は、後述する出力電圧低下制御を実施しなかったときの車両の各パラメータの時間変化を模式的に示した図である。図5には、上から順に、車速、エンジン回転数、Liバッテリ9の電圧、DC−DCコンバータ10の出力電圧、低電圧電気機器13に入力される電圧を示している。
時刻t11にて車両が減速を開始すると、ISG4が発電機として駆動されて発電を行うことでLiバッテリ9の電圧は上昇する。しかし、時刻t12にてエンジン回転数がアイドル回転数に低下したこと等に伴ってエンジン2が自動停止されると、Liバッテリ9の電圧は徐々に低下していく。その後、時刻t13にて、エンジンを再始動させる要求があると、ISG4が電動機として駆動されてエンジン2を強制的に回転させる。このとき、Liバッテリ9からはISG4に向けて非常に大きな電力が放出され、Liバッテリ9の電圧は急降下する。この電圧低下量が大きいと、Liバッテリ9の電圧が、破線で示したDC−DCコンバータ10の出力電圧よりも低下してしまう。そして、Liバッテリ9の電圧がDC−DCコンバータ10の出力電圧よりも低下すると、DC−DCコンバータ10が降圧機能しか有していないことから、Liバッテリ9から低電圧回路15側へ電力が供給されなくなり、低電圧電気負荷13に入力される電圧が急低下する。
本実施形態では、低電圧回路15に鉛バッテリ12が設けられていることから、DC−DCコンバータ10から電力が出力されなくても、鉛バッテリ12によって低電圧回路15に設けられた各低電圧電気機器13への電力供給を維持することはできる。しかし、前記のように、DC−DCコンバータ10の出力電圧は、基本的に、鉛バッテリ12の公称電圧よりも十分に高い値とされている。そのため、DC−DCコンバータ10から電力が出力されなくなって各低電圧電気機器13への電力供給源が鉛バッテリ12に切り替わると、これら低電圧電気機器13に供給される電圧が急低下して、低電圧電気機器13の作動状態が変化してしまう。例えば、低電圧電気機器13としてライトが作動しているときに、このライトがちらつく場合がある。また、低電圧電気機器13としてオーディオが作動しているときに、オーディオの音量が変化する場合がある。これらは、乗員に違和感を生じさせる。
そこで、本実施形態では、このようなエンジンの自動停止時に低電圧電気機器13に供給される電圧が急低下するという事態が生じるのを防止するための出力電圧低下制御を実施する。
(自動停止制御)
図6のフローチャート等を用いて、出力電圧低下制御を含むエンジン2の自動停止時の制御について説明する。以下の説明、および、図6では、エンジンの自動停止を、アイドルストップと記す。
ステップS1にて、ECU100は、各センサの検出値を含む車両の各種情報を読み込む。ステップS1の後はステップS2に進む。
ステップS2では、ECU100は、車両1がアイドルストップを実施することが可能な状態にあることを示す条件であるアイドルストップ許可条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、エンジン冷却水の温度が所定の温度以上であり、エンジン回転数が所定の回転数以下であり、アクセルペダルがオフ状態(アクセル開度がゼロ)であり、フットブレーキペダルの踏込量が0より大きい(フットブレーキペダルが踏み込まれている)ときに、アイドルストップ許可条件が成立したと、判定される。
ステップS2の判定がNOであってアイドルストップ許可条件が非成立のときは、ECU100はそのまま処理を終了する(ステップS1に戻る)。
一方、ステップS2の判定がYESであってアイドルストップ許可条件が成立したときは、ステップS3に進む。ステップS3では、ECU100は、車速が予め設定された第1判定車速以下且つ予め設定された第2判定車速よりも大きく、さらに、Liバッテリ9のSOC(State Of Charge:残容量)が予め設定された判定SOC以上であるという特定条件が成立しているか否かを判定する。第1判定車速は、0km/hよりも大きい値であって、例えば、16km/h程度に設定されている。第2判定車速は、第1判定車速よりも小さい値であって0km/hに設定されている。判定SOCは、0より大きく100%よりも小さい値に設定されている。
ステップS3の判定がYESであって前記特定条件が成立しているとき、つまり、車速が第2判定車速以上よりも大きく車両は完全には停車していないが車速が第1判定車速以下と低く、かつ、Liバッテリ9のSOCが判定SOC以上であって比較的多く確保されている場合は、ステップS4に進む。ステップS4では、ECU100は、有車速フラグを1とする。この有車速フラグは、ステップS3の判定がYESのときに1となり、その他のときに0となるフラグである。なお、図示は省略したが、ステップS2の判定がNOのときは有車速フラグは0にリセットされる。ステップS4の後はステップS7に進む。
一方、ステップS3の判定がNOであって前記特定条件が非成立のときは、ステップS5に進む。ステップS5では、ECU100は、車速が第2判定車速以下であって停車中であるか否かを判定する。
ステップS5の判定がYESであって車速が第2判定車速以下の場合(停車中の場合)は、ステップS6に進む。ステップS6では、ECU100は、有車速フラグを0にする。ステップS6の次はステップS7に進む。
ステップS7では、ECU100は、Liバッテリ9の内部抵抗が予め設定された判定抵抗値以上であるか否かを判定する。
Liバッテリ9の内部抵抗は、Liバッテリ9の温度とLiバッテリ9の劣化の進み具合とによって推定される。
具体的には、ECU100は、Liバッテリ9が充放電に伴って発熱した量をLiバッテリ電圧センサSN26およびLiバッテリ電流センサSN27により検出されたLiバッテリ9の入出力電圧および入出力電流に基づいて随時推定するとともに、推定した発熱量に基づいてこの発熱に伴うLiバッテリ9の温度上昇量を随時推定している。さらに、ECU100は、この温度上昇量と外気温とに基づいて、Liバッテリ9の温度を随時推定している。
また、ECU100は、エンジンの再始動に伴ってISG4が駆動されたときにLiバッテリ9から放出された電流と電圧(Liバッテリ電圧センサSN26およびLiバッテリ電流センサSN27により検出された電流と電圧)とに基づいて、Liバッテリ9の劣化の進み具合を推定する。具体的には、ECU100は、Liバッテリ9から放出された電流が少ないほど且つ放出された電圧が低いほどLiバッテリ9の劣化が進んでいると推定する。本実施形態では、これら電流が少ないほど且つ電圧が低いほど大きい値となるパラメータであってLiバッテリ9の劣化の進み具合を数値化したパラメータ(以下、適宜、劣化パラメータという)が設定されており、ECU100は、前記電流および電圧に基づいて劣化パラメータの値を算出する。ECU100は、エンジンの再始動に伴ってISG4が駆動される毎に劣化パラメータの値を算出して更新し、記憶する。
本実施形態では、ECU100には、図7に示すマップが記憶されている。このマップは、横軸をLiバッテリ9の温度、縦軸をLiバッテリ9の内部抵抗としたマップである。また、このマップに示された複数のラインは、劣化パラメータの値(Liバッテリ9の劣化の進み具合)が互いに異なるラインである。ECU100は、このマップから、現時点(ステップS7実施時点)でのLiバッテリ9の温度の推定値と、現時点(ステップS7実施時点)で記憶している劣化パラメータの値とに対応するLiバッテリ9の内部抵抗を抽出して、これを現時点(ステップS7実施時点)でのLiバッテリ9の内部抵抗として推定する。図7に示されるように、Liバッテリ9の温度が低いほど且つ劣化パラメータの値が大きくLiバッテリ9の劣化の進み具合が大きいほど、Liバッテリ9の内部抵抗は高い値に推定される。
図6に戻り、ステップS7の判定がNOであってLiバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満のときは、ECU100は、ステップS8に進む。ステップS8では、ECU100は、DC−DCコンバータ10の出力電圧の目標値である目標出力電圧を、基本出力電圧に維持し、ステップS13に進む。以下、適宜、DC−DCコンバータ10の出力電圧の目標値である目標出力電圧を、単に、目標出力電圧という。
ステップS13では、ECU100は、アイドルストップを実施する。具体的には、ECU100は、インジェクタ30による燃料噴射を停止させるとともに、点火プラグ31による点火を停止させる。このように、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満のときは、後述する出力電圧低下制御が実施されることなくアイドルストップが実施される。
一方、ステップS7の判定がYESであってLiバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値以上のときは、ECU100は、ステップS8に進む。
ステップS8では、ECU100は、推定したLiバッテリ9の内部抵抗と有車速フラグとに基づいて目標出力電圧を決定する。
図8は、Liバッテリ9の内部抵抗と、目標出力電圧との関係を示したグラフである。図8において、実線は有車速フラグが0のときのライン、破線は有車速フラグが1のときのラインである。前記のように、ステップS7の判定がNOであってLiバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満のときは、Liバッテリの出力電圧は基本出力電圧に維持される。一方、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値以上のときは有車速フラグが1のときと0のときとのいずれにおいても、目標出力電圧は基本出力電圧よりも低い電圧とされる。また、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値以上のときは、目標出力電圧は、Liバッテリ9の内部抵抗が大きいときの方が小さいときよりも小さい値とされる。図8の例では、Liバッテリ9の内部抵抗に比例してこの内部抵抗が増大するほど目標出力電圧は小さくされる。また、図8に示すように、Liバッテリ9の内部抵抗が同じであっても有車速フラグが1のときの方が0のときよりも、目標出力電圧は小さい値とされる。このステップS9で設定される目標出力電圧であって基本出力電圧よりも低い電圧が、請求項にいう「調整電圧」である。
例えば、図8の例では、判定抵抗値は13mΩとされる。また、基本出力電圧は14.4Vとされる。そして、有車速フラグが1のときは、Liバッテリ内部抵抗が13.5mΩまで増加すると目標出力電圧は13.8V程度とされる。一方、有車速フラグが0のときは、Liバッテリ内部抵抗が13.5mΩまで増加すると目標出力電圧は14.2V程度とされる。
ステップS9の後は、ステップS10に進む。ステップS10では、ECU100は、Liバッテリ9の現在(ステップS10の実施時点)の出力電圧(現出力電圧)、ステップS9で決定した目標出力電圧との差に基づいて、Liバッテリの出力電圧の低下速度である電圧低下速度を決定する。本実施形態では、現出力電圧には、ECU100で設定されている出力電圧の指令値が用いられる。
図9は、実出力電圧から目標出力電圧を引いた値であって出力電圧の低下量の目標値(以下、目標低下電圧という)と、電圧低下速度との関係を示した図である。図9に示すように、本実施形態では、目標低下電圧が大きいときの方が小さいときよりも電圧低下速度が大きくされる。図9の例では、目標低下電圧が所定値dV0以上では電圧低下速度は一定に維持され、目標低下電圧が所定値dV0未満では目標低下電圧に比例して目標低下電圧が大きくなるほど電圧低下速度は小さくされる。例えば、目標低下電圧は、0.5V/sec〜2V/ses程度に設定される。
ステップS10の後は、ステップS11に進む。ステップS11では、ECU100は、DC−DCコンバータ10の出力電圧を低下させる。具体的には、前記のように、ECU100は、DC−DCコンバータ10に内蔵されているスイッチング素子10a、10bのオンオフ時間を変更する。このとき、ECU100は、DC−DCコンバータ10の出力電圧がステップS10で設定した電圧低下速度で低下していくように、スイッチング素子10a、10bのオンオフ時間を調整する。これにより、DC−DCコンバータ10の出力電圧は、目標出力電圧に向けて漸減される。
ステップS11の後は、ステップS12に進む。ステップS12では、DC−DCコンバータ10の現出力電圧が目標出力電圧以下になったか否かを判定する。この判定がNOであってDC−DCコンバータ10の現出力電圧がまだ目標出力電圧まで低下していない場合はステップS11に戻る。一方、この判定がYESとなってDC−DCコンバータ10の現出力電圧が目標出力電圧まで低下すると、ステップS13に進みアイドルストップを実施する。
このように、本実施形態では、ECU100は、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満のときは、アイドルストップ許可条件が成立しても、すぐにはアイドルストップを実施せず、DC−DCコンバータ10の出力電圧を基本目標電圧からこれよりも低い電圧に向けて低下させるとともに、この出力電圧を漸減させる出力電圧低下制御を実施する。また、このときは、DC−DCコンバータ10の出力電圧が目標出力電圧まで低下してはじめてアイドルストップを実施する。
そして、本実施形態では、このようにして、出力電圧を目標出力電圧まで低下した後にアイドルストップを実施した場合は、少なくともエンジンが再始動されるまでの間、DC−DCコンバータ10の出力電圧を目標出力電圧に維持する。
(3)作用等
図10は、車両走行時に、前記の出力電圧低下制御を含むエンジンの自動停止制御を実施したときの各パラメータの時間変化を模式的に示した図である。図10には、上から順に、車速、アイドルストップ許可フラグ、エンジン回転数、Liバッテリ9の温度、Liバッテリ9の内部抵抗、Liバッテリ9の電圧、DC−DCコンバータ10の出力電圧、低電圧電気機器13に入力される電圧を示している。アイドルストップ許可フラグは、アイドルストップ許可条件が成立していると1になり、その他のときは0となるフラグである。
図10に示すように、車両の走行に伴ってLiバッテリ9の温度は徐々に増大していき、これに伴って、Liバッテリ9の内部抵抗は徐々に低下していく。
時刻t1にて車両が減速を開始するとISG4が発電を開始する。これに伴って、Liバッテリ9の電圧は、時刻t1後、徐々に増大する。
時刻t2では、アイドルストップ許可条件が成立する(アイドルストップ許可フラグが0から1になる)。しかし、時刻t2でのLiバッテリ9の内部抵抗は判定抵抗値以上である。そのため、時刻t2では、アイドルストップは実施されず、出力電圧低下制御が開始される。前記のように、本実施形態では、所定の低下速度で目標出力電圧が低下するようになっており、時刻t2後、DC−DCコンバータ10の出力電圧は漸減していく。これに伴い、時刻t2後、低電圧電気負荷13の入力電圧も漸減していく。そして、時刻t3にて、DC−DCコンバータ10の出力電圧が目標出力電圧V1であって基本出力電圧V0よりも低い電圧V1まで低下すると、アイドルストップが実施されてエンジン2が停止される。そして、時刻t3以後、DC−DCコンバータ10の出力電圧は、目標出力電圧V1に維持される。
時刻t2以後は、エンジン2がアイドル運転されることおよびエンジン2が停止されることに伴って、ISG4からLiバッテリ9への電力の供給が停止する。そのため、時刻t2以後はLiバッテリ9の電圧は徐々に低下していく。
時刻t3にてアイドルストップ許可条件が非成立となりエンジンを再始動させる条件が成立すると、ISG4が電動機として駆動される。これにより、Liバッテリ9の電圧は急低下する。しかしながら、このとき、DC−DCコンバータ10の出力電圧は低い電圧V1とされている。そのため、Liバッテリ9の電圧はDC−DCコンバータ10の出力電圧よりも高い値に維持される。従って、時刻t3において、低電圧電気負荷13の入力電圧は急低下せず、低電圧電気負荷13には安定して必要な電圧が供給される。
時刻t3にてエンジンが再始動されることに伴い、DC−DCコンバータ10の出力電圧は、基本出力電圧V0に戻される。図9の例では、このときDC−DCコンバータ10の出力電圧は基本出力電圧V0に向けて漸増される。
その後、車両が加速および定常走行された後、時刻t5にて、車両の減速が再び開始すると、前記と同様に、Liバッテリ9の電圧は増大していく。また、時刻t6にてアイドルストップ許可条件が成立するが、このときも、まだ、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値以上であることから、DC−DCコンバータ10の出力電圧が基本出力電圧V0よりも低い電圧V2まで漸減され、その後、時刻t7にてアイドルストップが実施される。
ここで、時刻t6では、車速が0より大きい状態、つまり、有車速フラグが1の状態でアイドルストップの許可条件が成立している。一方、時刻t2では、車速が0の状態であって有車速フラグが0の状態でアイドルストップの許可条件が成立している。従って、時刻t6にて設定されるDC−DCコンバータ10の目標出力電圧(時刻t7にて実現される出力電圧)V2は、時刻t2で設定されるDC−DCコンバータ10の目標出力電圧(時刻t3にて実現される出力電圧)V1よりも低い値とされる。
また、前記と同様に、Liバッテリ9の電圧は時刻t6以後徐々に低下し、時刻t8にてエンジンが再始動されたときに、この電圧は急低下する。しかし、このときも、Liバッテリ9の電圧はDC−DCコンバータ10の出力電圧V2よりも高く維持され、低電圧電気負荷13の入力電圧の急変は防止される。
一方、時刻t9にLiバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値を下回った後の時刻t10にてアイドルストップ許可フラグが1となったときには、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満であることから、出力電圧低下制御は実施されず、時刻t10にてすぐさまアイドルストップが実施されてエンジン2が停止される。
このように、本実施形態に係る装置によれば、車両の減速時のエネルギーを電力としてLiバッテリ9に蓄電させることで車両全体のエネルギー効率を高くすることができる。また、エンジン2の再始動時にLiバッテリ9に蓄えられたこの電力によってISG4を駆動してエンジン2に駆動力を付与することができ、エンジン2を適切に再始動させることができる。
しかも、エンジンの自動停止時に、DC−DCコンバータ10の出力電圧を、エンジン2の自動停止前の電圧よりも低い電圧に向けて漸減させる出力電圧低下制御を実施し、DC−DCコンバータ10の出力電圧が低い電圧に維持された状態でエンジンが再始動される。そのため、エンジンの自動停止後からエンジンの再始動までの期間、DC−DCコンバータ10の出力電圧をLiバッテリ9の電圧よりも低い電圧に維持することができ、Liバッテリ9からDC−DCコンバータ10を介して低電圧電気負荷13に電力を供給し続けることができる。従って、エンジンの再始動時にISG4が電動機として駆動されることに伴ってこの電力供給が停止して低電圧電気負荷13の作動状態が急変するのを防止できる。特に、本実施形態では、エンジンの自動停止時に、DC−DCコンバータ10の出力電圧を漸減させている。そのため、DC−DCコンバータ10の出力電圧を低下させて前記効果を得つつ、この出力電圧の低下によって低電圧電気負荷13に加えられる電圧が急変するのも防止することができ、低電圧電気負荷13を安定して適切に作動させることができる。
また、本実施形態では、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値以上のときにのみ前記の出力電圧低下制御を実施し、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満のときには出力電圧低下制御を実施しない(禁止する)。そのため、Liバッテリ9の内部抵抗が高いためにLiバッテリ9の電圧降下が大きく低電圧電気負荷13の入力電圧が急低下しやすい場合に、確実にこの低電圧電気負荷13の入力電圧の急低下を防止することができる。そして、Liバッテリ9の内部抵抗が比較的引く低電圧電気負荷13の入力電圧の急低下が生じにくいときにDC−DCコンバータ10の出力電圧が過度に低くされるのを防止できる。従って、DC−DCコンバータ10を介してLiバッテリ9から低電圧電気負荷13に高い電圧が安定して供給される機会を多く確保することができる。
また、本実施形態では、図7を用いて説明したように、出力電圧低下制御を実施する場合において、有車速フラグが1であって停車していない状態でエンジンの自動停止がなされるときの方が、有車速フラグが0であって停車している状態でエンジンの自動停止がなされるときよりも、DC−DCコンバータ10の出力電圧が低くされる。
そのため、エンジンの再始動時にLiバッテリ9の電圧がDC−DCコンバータの出力電圧よりも低くなるのを防止しながら、DC−DCコンバータ10の出力電圧が過度に低くされるのを防止して低電圧電気負荷13に高い電圧が安定して供給される機会を多く確保することができる。
具体的には、停車していない状態でエンジンの自動停止がなされるときは、その後、停車していない状態でエンジンが再始動される可能性がある。そして、このように停車していない状態でエンジンが再始動される場合は、エンジンの再始動時にエンジンを車速に対応した高い回転数まで高めねばならず、停車した状態でエンジンの自動停止がなされるときよりもISG4の駆動力を高くせねばならない。また、ブレーキ装置に電力を供給せねばならないこと等からも、ISG4の駆動力を高くせねばならない。そのため、停車していない状態でエンジンが再始動される場合は、エンジンの再始動時におけるLiバッテリ9の電圧降下量が大きくなる。
これに対して、前記のように構成されていることで、本実施形態によれば、停車していない状態でエンジンが自動停止されて停車していない状態でエンジンが再始動されるときにも、Liバッテリの電圧がDC−DCコンバータの出力電圧よりも低くなるのを確実に防止できる。そして、停車している状態でエンジンが自動停止したときであってエンジンの再始動時におけるLiバッテリ9の電圧降下量が少なく抑えられるときに、DC−DCコンバータ10の出力電圧が過度に低くされるのを防止することができる。
また、本実施形態によれば、複数のLi蓄電池のセルが一列に並ぶように配設されたLiバッテリ9を用い、これをフロアパネル81の下方であってフロアトンネル83とサイドシル82との間の空間に配置している。従って、この空間を利用して、Liバッテリ9をISG4により近い位置に適切に配置することができる。ISG4とLiバッテリ9との距離、ひいては、これらをつなぐ電線を短く抑えることができる。
ただし、このように複数の電池を1列に配置して複数の電池を直列に接続すると、Liバッテリ9の内部抵抗が大きくなりやすい。そして、Liバッテリ9の内部抵抗が大きいと、エンジンの再始動時にLiバッテリ9の電圧が大きく低下しやすい。これに対して、本実施形態では、前記のように、エンジンの再始動時にLiバッテリ9の電圧が低下してもDC−DCコンバータ10の出力電圧がLiバッテリ9の電圧よりも低い電圧に維持される。そのため、前記のレイアウトを実現しながら、Liバッテリ9から低電圧電気機器13への電力供給を維持してこれの作動を安定させることができる。
(4)変形例
前記実施形態では、エンジン2の自動停止時において、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値以上のときに出力電圧低下制御を実施し、Liバッテリ9の内部抵抗が判定抵抗値未満のときは出力電圧低下制御を実施しない場合について説明したが、Liバッテリ9の内部抵抗によらず常に出力電圧低下制御を実施してもよい。
また、出力電圧低下制御の実施と禁止との判定を、Liバッテリ9の内部抵抗以外のパラメータを用いて行ってもよい。例えば、Liバッテリ9の劣化が所定の状態よりも進んでいるときに出力電圧低下制御を実施し、Liバッテリ9の劣化が所定の状態まで進んでいないときは出力電圧低下制御を禁止するようにしてもよい。また、Liバッテリ9の温度が所定の温度未満のときに出力電圧低下制御を実施し、Liバッテリ9の温度が所定の温度以上のときには出力電圧低下制御を禁止するようにしてもよい。
また、出力電圧低下制御の実施と禁止との判定を、Liバッテリ9のSOCに基づいて行うようにしてもよい。例えば、Liバッテリ9のSOCが所定値未満のときに出力電圧低下制御を実施し、Liバッテリ9のSOCが所定値以上のときは出力電圧低下制御を禁止するようにしてもよい。さらに、Liバッテリ9のSOCとLiバッテリ9の内部抵抗とを組み合わせて、Liバッテリ9のSOCが所定値未満で且つLiバッテリ9の内部抵抗が所定値以上のときに出力電圧低下制御を実施し、Liバッテリ9のSOCが所定値以上、または、Liバッテリ9の内部抵抗が所定値未満のときは出力電圧低下制御を禁止するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、ISG4により発電された電力を蓄電する蓄電池としてLiバッテリ9を用いた場合について説明したが、この蓄電池はLiバッテリ9に限らない。