JP2014189937A - 機能性繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボン、酸化ジルコニウム、炭化ジルコニウム等の発熱性微粒子と、マイカ、酸化錫、タルク等の遠赤外線放射性微粒子を含有する繊維であり、遠赤外線放射微粒子が鞘部に含まれ、発熱性微粒子が芯部又は鞘部に含まれる複合繊維である、糸切れやガイド摩耗が抑制されている。当該繊維を用いた布帛は高い保温効果を有する。
【選択図】なし
Description
(2)前記遠赤外線放射性微粒子が、マイカ、酸化錫、及びタルクからなる群より選択される少なくとも1種である、(1)に記載の機能性繊維。
(3)前記発熱性微粒子が、カーボン、酸化ジルコニウム、及び炭化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、(1)又は(2)に記載の機能性繊維。
(4)芯鞘構造を有し、遠赤外線放射性微粒子が鞘部に含まれ、発熱性微粒子が芯部又は鞘部に含まれている、(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性繊維。
(5)遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子が鞘部に含まれ、遠赤外線放射性微粒子の含有量が鞘部100質量部に対して0.1〜2.5質量部であり、発熱性微粒子の含有量が鞘部100質量部に対して0.1〜2.5質量部である、(4)に記載の機能性繊維。
(6)芯鞘の重量比(芯/鞘)が95/5〜15/85である、(4)又は(5)に記載の機能性繊維。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維を含む糸条。
(8)(7)に記載の糸条を含む布帛。
(9)カバーファクターが850〜3500である、(8)に記載の布帛。
本発明の糸条は、前記機能性繊維を用いて形成される。本発明の糸条は、前記繊維のみからなる糸条あってもよく、上記機能性繊維と他の繊維との混用糸条であってもよい。本発明の糸条が混用糸条である場合、使用される他の繊維としては、従来公知のものから選択することができ、例えば、綿、麻、絹、ウール等の天然繊維;ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等の合成繊維等が挙げられる。本発明の糸条が混用糸条である場合には、例えばインターレース加工、タスラン加工等の従来公知の方法により製造される。本発明の糸条が複合糸である場合、前記機能性繊維の含有量は、例えば、10質量%以上、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜90質量%が挙げられる。
本発明の布帛は、前記糸条を用いて形成される。本発明の布帛は、前記糸条単独で形成されていてもよく、又は本発明の効果を損なわない範囲で前記糸条と他の糸条が組み合わされて形成されていてもよい。また、本発明の布帛は、織物、編物、不織布等のいずれであってもよい。
なお、カバーファクターは次式で表される。
CF=Wa×√(Da/1.11)+We×√(De/1.11)
ここで、Wa:布帛の2.54cm(1インチ)当りの経糸本数
We:布帛の2.54cm(1インチ)当りの緯糸本数
Da:布帛構成経糸の繊度(dtex)
De:布帛構成緯糸の繊度(dtex)
(1)極限粘度[η]
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、20℃の条件下で常法に基づき測定した。
24時間紡糸した際の切糸回数を計測し、下記判定基準に従って紡糸操業性を評価した。
<紡糸操業性の判定基準>
○:切糸回数が0〜2回
△:切糸回数が3〜5回
×:切糸回数が6回以上
各実施例及び比較例で得られた織物の遠赤外線放射強度を測定した。測定は、赤外分光光度計FT−IR装置を使用し、測定温度40℃、測定波長域5〜20μmで行った。その際、同条件における黒体の遠赤外線放射強度も測定し、各波長における黒体の放射強度を100%とした場合の各織物の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。また、ブランクとして、遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子を含まないこと以外は、各実施例及び比較例と同組成の繊維を用いて調製した各織物を用い、同様に平均放射率(%)を求めた。そして、次式に基づいて、遠赤外線放射性を算出した。
<遠赤外線放射性の算出式>
遠赤外線放射性=〔(得られた織物の平均放射率(%)−ブランクの平均放射率(%))/ブランクの平均放射率(%)〕×100
各実施例及び比較例で得られた織物に、照度10000LUXとなるようにレフランプを照射し、裏面からサーモグラフィーで織物の表面温度を観察した。なお、上記ブランクについても表面温度を測定したところ、いずれも39.5℃であった。
各実施例及び比較例で得られた各仮撚り糸(マルチフィラメント)について、ステンレス製のトラベラーを有するリワインド機で100000mリワインドした後、トラベラーの表面状態を顕微鏡で観察し、下記判定基準に従ってガイド摩耗性を評価した。
<ガイド摩耗性の判定基準>
○:摩耗が認められないか、又は摩耗があっても問題のない程度である。
△:やや摩耗している。
×:強い摩耗が認められる。
鞘部材料は、遠赤外線放射性微粒子として1.0質量%の酸化錫、及びポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)99.0質量%を含む樹脂組成物を使用した。
一方、芯部材料は、発熱性微粒子として1.0質量%の炭化ジルコニウム、及びポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)99.0質量%を含む樹脂組成物を使用した。
鞘部材料及び芯部材料を、孔数が24孔の芯鞘複合ノズルプレートを用いて、芯鞘重量比(芯/鞘)を15/85として、紡糸速度1400m/分、紡糸温度290℃、吐出量21g/分、延伸倍率2.9倍で紡糸し、延伸糸(本発明の糸条)を捲き取った。
次に、この延伸糸を仮撚機(三菱重工業社製「LS−6」)に給糸して、加工速度120m/分、延伸倍率1.03倍、仮撚数4200T/M、ヒーター温度170℃で仮撚加工を行い、56dtex/24fの仮撚糸を得た。
得られた仮撚糸を経緯糸に用いて製織し、得られ生機を常法にしたがって精練、染色、仕上げ加工し、経緯密度132×120本/2.54cm(CF:1789)の織物を得た。
遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子の種類、含有量を下表1に記載の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により仮撚糸を得て、更に実施例1のものと同規格の織物を得た。
鞘部材料は、遠赤外線放射性微粒子として1.0質量%のマイカ、発熱性微粒子として1.0質量%のカーボン、及びポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)98.0質量%を含む樹脂組成物を使用した。
一方、芯部材料は、ポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)100質量%のものを使用した。
以降は、実施例1と同様の方法により仮撚糸を得、更に実施例1のものと同規格の織物を得た。
鞘部中のマイカ及びカーボンの含有量を下表1に記載の量に変更したこと以外は実施例5と同様の組成の樹脂組成物を使用し、実施例1と同様の方法により仮撚糸を得て、更に実施例1のものと同規格の織物を得た。
遠赤外線放射性微粒子として1.0質量%のマイカ、発熱性微粒子として1.0質量%のカーボン、及びポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)98.0質量%を含む樹脂組成物を用意した。そして、この樹脂組成物を用いて実施例1同じ条件で紡糸、仮撚加工を行い、その後、得られた仮撚糸を用いて、実施例1のものと同規格の織物を得た。
実施例9及び10においては、機能性繊維として実施例5と同じ組成のものを使用した。経緯糸の一部を通常の56dtex/24fのポリエステルマルチフィラメント糸に置き換えることで、生機中に占める機能性繊維の含有量(混率)を40質量%(実施例9)、20質量%(実施例10)にそれぞれ変更したこと以外、実施例1の場合と同じ条件で製織・後加工を行い、実施例1のものと同規格の織物を得た。
実施例11及び12においては、機能性繊維として実施例5と同じ組成のものを使用した。織物の経緯密度を70×58/2.54cm(CF:909、実施例11)、150×138/2.54cm(CF:2045、実施例12)にそれぞれ変更したこと以外、実施例1の場合と同じ条件で製織・後加工を行い、2種の織物を得た。
実施例13及び14においては、機能性繊維として実施例5と同じ組成のものを使用し、経緯糸の一部を通常の56dtex/24fのポリエステルマルチフィラメント糸に置き換えることで、生機中に占める機能性繊維の含有量(混率)を40質量%とした。また、織物の経緯密度を70×58/2.54cm(CF:909、実施例13)、150×138/2.54cm(CF:2045、実施例14)にそれぞれ変更し、実施例1の場合と同じ条件で製織・後加工を行い、2種の織物を得た。
鞘部材料に、発熱性微粒子として1.0質量%のカーボン、及びポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)99.0質量%を含む樹脂組成物を用いたこと以外は実施例5と同様の組成の樹脂組成物を使用し、実施例1の場合と同様の方法により仮撚糸を得、その後、得られた仮撚糸を用いて、実施例1のものと同規格の織物を得た。
鞘部材料に、遠赤外線放射性微粒子として1.0質量%のマイカ、及びポリエチレンテレフタレートを主体成分とするポリエステル樹脂(極限粘度0.65)99.0質量%を含む樹脂組成物を用いたこと以外は実施例5と同様の組成の樹脂組成物を使用し、実施例1の場合と同様に行って仮撚糸を得、その後、得られた仮撚糸を用いて、実施例1のものと同規格の織物を得た。
鞘部のマイカまたはカーボンの含有量を下表1に記載の量に変更した以外は実施例5と同様の組成の樹脂組成物を使用し、実施例1と同様の方法により仮撚糸を得て、更に実施例1のものと同規格の織物を得た。
以上の実施例及び比較例で調製した繊維の組成、及び各評価結果を下表1に示す。
Claims (9)
- 発熱性微粒子及び遠赤外線放射性微粒子を含有することを特徴とする、機能性繊維。
- 前記遠赤外線放射性微粒子が、マイカ、酸化錫、及びタルクからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の機能性繊維。
- 前記発熱性微粒子が、カーボン、酸化ジルコニウム、及び炭化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の機能性繊維。
- 芯鞘構造を有し、遠赤外線放射性微粒子が鞘部に含まれ、発熱性微粒子が芯部又は鞘部に含まれている、請求項1〜3のいずれかの機能性繊維。
- 遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子が鞘部に含まれ、遠赤外線放射性微粒子の含有量が鞘部100質量部に対して0.1〜2.5質量部であり、発熱性微粒子の含有量が鞘部100質量部に対して0.1〜2.5質量部である、請求項4に記載の機能性繊維。
- 芯鞘の重量比(芯/鞘)が95/5〜15/85である、請求項4又は5に記載の機能性繊維。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維を含む糸条。
- 請求項7に記載の糸条を含む布帛。
- カバーファクターが850〜3500である、請求項8に記載の布帛。
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