JP2014186989A - 被覆電線、接続構造体、コネクタ、並びに、被覆電線の製造方法、接続構造体の製造方法 - Google Patents

被覆電線、接続構造体、コネクタ、並びに、被覆電線の製造方法、接続構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる被覆電線、圧着接続構造体、コネクタ、並びに、被覆電線の製造方法、接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】アルミニウム芯線201の外周を絶縁性の絶縁被覆202で被覆して構成し、絶縁被覆202の先端近傍に対して圧着端子100を加締めて圧着する被覆電線200であって、加熱により発泡する成分を絶縁被覆202に混合して構成したことを特徴とする。絶縁被覆202に混合した成分が加熱により発泡し、絶縁被覆202が部分的に変形(膨張)することにより、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞する。
【選択図】図4

Description

この発明は、例えば自動車用ワイヤーハーネスのコネクタ等に使用されるような被覆電線、接続構造体、コネクタ、並びに、被覆電線の製造方法、接続構造体の製造方法に関する。
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤーハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続されている。
これらコネクタは、被覆電線に圧着して接続した圧着端子が内部に装着されており、凹凸対応して接続される雌型コネクタと雄型コネクタとを嵌合させる構成である。
ところで、このようなコネクタは、様々な環境下で使用されているため、雰囲気温度の変化による結露などによって意図しない水分が被覆電線の表面に付着することがある。そして、被覆電線の表面を伝ってコネクタ内部に水分が侵入すると、被覆電線の先端より露出している電線導体の表面が腐食するという問題がある。
そこで、圧着端子で圧着された電線導体への水分の侵入を防止する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の圧着端子は、電線の導体を圧着する導体圧着部、及び電線の絶縁被覆を圧着する被覆圧着部で構成した圧着部を備えた圧着端子において、被覆圧着部に電線の長手方向と交差する方向にセレーションを設けて、被覆圧着部と絶縁被覆との境界を凸凹状にしている。これにより、特許文献1の圧着端子は、水分の侵入経路を複雑にして絶縁被覆側からの水分の侵入を防止するとされている。
しかしながら、特許文献1のような圧着端子は、単に凹状からなるセレーションを被覆圧着部に設けただけの構成であるため、被覆圧着部を確実に圧着しなければ、セレーションによる止水性をより確実にすることができないという問題がある。
特開2011−216253号公報
この発明は、上述の問題に鑑み、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる被覆電線、接続構造体、コネクタ、並びに、被覆電線の製造方法、接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆して構成し、前記絶縁被覆の先端近傍に対して圧着端子を加締めて圧着する被覆電線であって、加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上手段を備えたことを特徴とする。
ここで前記圧着端子は、周方向の少なくとも一部が開いた圧着部を備えたオープンバレル形式の端子、断面中空状の圧着部を有するクローズバレル形式の端子のいずれの端子であってもよい。また、前記圧着端子は、一対構成した端子組の他方の端子の接続部との接続を許容する接続部を有する接続端子、あるいは圧着部のみで構成する端子であることを含む。
前記電線導体は、素線を撚った撚線あるいは単線とすることができ、さらには、例えば、銅合金で構成する圧着端子と同系金属で構成する導体あるいは、圧着端子を構成する金属に対して卑な金属であるアルミニウムやアルミニウム合金などの異種金属で構成する導体とすることができる。
上記止水性向上手段は、加熱により絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞する構成であり、加熱により変形する手段を含む概念である。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着する際、または被覆圧着部を圧着した後、加熱により絶縁被覆と圧着端子との間の止水性を向上することで、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
なお、上述の被覆圧着部を圧着する際の加熱とは、圧着工具で被覆圧着部を圧着する圧着動作に伴う加熱であり、一連の圧着動作において、圧着と同時、圧着する前から圧着中に亘る加熱、あるいは圧着中から圧着終了後も続く加熱なども含む概念である。
この発明の態様として、前記止水性向上手段を、加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との密着性を向上する密着性向上手段で構成することができる。
上記密着性向上手段は、絶縁被覆と圧着端子との隙間において加熱により変形する手段を含む概念である。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
具体的には、密着性向上手段が、加熱により絶縁被覆と圧着端子との密着性を向上することで、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞することができるため、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
さらには、被覆圧着部を圧着する際に、加熱により絶縁被覆と圧着端子との密着性を向上する構成とした場合には、圧着と加熱とを別々に行う構成に比べて、作業効率を向上することができる。この場合、圧着による被覆圧着部の変形に追従して、加熱により被覆圧着部と絶縁被覆との密着性を向上することができるため、絶縁被覆と圧着端子との隙間を確実に閉塞することができる。
また、この発明の態様として、前記密着性向上手段を、加熱により発泡する成分を前記絶縁被覆に混合して構成することができる。
上記加熱により発泡する成分は、加熱によりガスを発生する成分を含む概念であり、窒素ガス、または炭酸ガスを発生する構成とすることができる。なお、加熱によって発泡した穴は、連通しない穴であるとより好ましい。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
具体的には、絶縁被覆に混合した成分が加熱により発泡し、絶縁被覆が変形することにより、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞することができるため、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
さらには、絶縁被覆を加熱する前には、絶縁被覆を最初の形状のまま維持できることにより、圧着部に被覆電線を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
また、被覆圧着部を圧着する際に絶縁被覆を加熱する構成とした場合には、圧着端子を介して絶縁被覆を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
また、この発明の態様として、前記密着性向上手段を、熱可塑性接着剤を前記絶縁被覆に混合して構成することができる。
上記熱可塑性接着剤は、加熱により溶融して変形し、絶縁被覆と圧着端子とを接着する構成とすることができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
具体的には、絶縁被覆に混合した熱可塑性接着剤が加熱により溶融し、絶縁被覆が変形することにより、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞することができるため、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。特に、接着剤を使用することにより、絶縁被覆と圧着端子との隙間を長期間にわたって確実に閉塞することができるため、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらには、絶縁被覆を加熱する前には、絶縁被覆を最初の形状のまま維持できることにより、圧着部に被覆電線を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
また、被覆圧着部を圧着する際に絶縁被覆を加熱する構成とした場合には、圧着端子を介して絶縁被覆を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
また、この発明は、上述の被覆電線と圧着端子とを接続した接続構造体であることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着する際、または被覆圧着部を圧着した後、加熱により絶縁被覆と圧着端子との間の止水性を向上して、接続構造体を構成することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
また、この発明は、電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで一体に構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを接続した接続構造体であって、加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上手段を備え、該止水性向上手段を、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで覆う熱収縮チューブで構成したことを特徴とする。
上記熱収縮チューブは、加熱により縮径する円筒状の部材で構成とすることができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着する際、または被覆圧着部を圧着した後、絶縁被覆と被覆圧着部とを長手方向に跨いで覆う熱収縮チューブを加熱により縮径して、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞した接続構造体を構成することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
また、この発明は、電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで一体に構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを接続した接続構造体であって、加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上手段を備え、該止水性向上手段を、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで巻回する自己溶着テープで構成したことを特徴とする。
上記自己溶着テープは、ブチルゴムで形成することができ、加熱により変形して、互いに重なり合ったテープ同士が溶着するシート状の部材で構成することができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着した後、絶縁被覆と被覆圧着部とを長手方向に跨いで巻回する自己溶着テープを加熱により溶着して、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞した接続構造体を構成することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
この発明の態様として、前記電線導体を、アルミ系材料で構成するとともに、少なくとも前記圧着部を、銅系材料で構成することができる。
この発明によれば、銅線による電線導体を有する被覆電線に比べて軽量化できるとともに、上述した確実な止水性により、いわゆる異種金属腐食(以下において電食という)を防止することができる。
具体的には、被覆電線の電線導体に従来用いられていた銅系材料をアルミニウムあるいはアルミニウム合金などのアルミ系材料に置き換え、そのアルミ系材料製の電線導体を圧着端子に圧着した場合においては、端子材料の錫めっき、金めっき、銅合金等の貴な金属との接触により、卑な金属であるアルミ系材料が腐食される現象、すなわち電食が問題となる。
なお、電食とは、貴な金属と卑な金属とが接触している部位に水分が付着すると、腐食電流が生じ、卑な金属が腐食、溶解、消失等する現象である。この現象により、圧着端子の圧着部に圧着されたアルミ系材料製の導体部分が腐食、溶解、消失し、やがては電気抵抗が上昇する。その結果、十分な導電機能を果たせなくなるという問題があった。
しかしながら、上述した確実な止水性により、銅系材料による導体部分を有する被覆電線に比べて軽量化を図りながら、いわゆる電食を防止することができる。
また、この発明は、上述の接続構造体における圧着端子をコネクタハウジング内に配置したコネクタであることを特徴とする。
この発明によれば、安定した導電性を確保したまま圧着端子を接続することができる。
具体的には、例えば、雌型のコネクタと雄型のコネクタを互いに嵌合して、各コネクタのコネクタハウジング内に配置した圧着端子を互いに接続する際、止水性を確保したまま各コネクタの圧着端子を互いに接続することができる。
したがって、コネクタは、確実な導電性を備えた接続状態を確保することができる。
また、この発明は、電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆して構成し、前記絶縁被覆の先端近傍に対して圧着端子を加締めて圧着する被覆電線の製造方法であって、加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との密着性を向上する密着性向上工程を行い、前記密着性向上工程において、絶縁被覆の少なくとも先端近傍を、該絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度で加熱することを特徴とする。
上述した構成によれば、絶縁被覆の少なくとも先端近傍を、該絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度で加熱する前記密着性向上工程を行うことによって、被覆電線の製造する工程において、電線導体の外周に絶縁被覆を被覆する際に残留した該絶縁被覆の内部の残留応力を、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着した状態にする前に予め解放しておくことができる。すなわち、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着した状態にする前に、絶縁被覆の少なくとも先端近傍の残留応力を、大幅に緩和し、又は、除去しておくことができる。
これにより、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着した後に、絶縁被覆の少なくとも先端近傍に、例えば、周辺機器から放出される熱が付与されたとしても、該先端近傍に残留する応力が緩和されることで、前記被覆電線と前記圧着端子との密着力が低下することがなく、これら被覆電線と圧着端子との間の止水性を確保することができる。
ここで、上述した絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度とは、絶縁被覆の形成材料がガラス転移する温度以上の温度であり、すなわち、絶縁被覆の残留応力の解放が促進する温度であれば特に限定しない。
例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)のガラス転移温度は60℃付近であるため、絶縁被覆の形成材料がポリ塩化ビニルである場合には、上述した絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度は、60℃付近となる。
また、本発明における接続構造体の製造方法における圧着端子は、オープンバレル型、クローズドバレル型のいすれであってもよく、また、雌型、雄型のいずれであってもよい。
この発明の態様として、前記電線導体の外周を前記絶縁被覆で被覆する被覆工程において、押出し手段により、前記絶縁被覆の形成材料である絶縁樹脂を溶融状態で電線導体の外周に押し出す樹脂押出し工程を行い、前記樹脂押出し工程と前記密着性向上工程とを連続してこの順で行うことができる。
上述した構成によれば、前記密着性向上工程を、前記樹脂押出し工程の後に行うことで、前記樹脂押出し工程によって、内部歪が残留している前記絶縁被覆に対して、確実に前記密着性向上工程を行うことができるため、確実に絶縁被覆の残留歪を除去することができる。さらに、前記密着性向上工程を、前記樹脂押出し工程とともに連続して行うことで絶縁被覆に残留している歪を効率よく除去することができる。
例えば、前記密着性向上工程は、前記樹脂押出し工程によって、前記電線導体の外周を前記絶縁被覆で被覆した後に、該絶縁被覆を巻き取る前の被覆電線に対して行ってもよい。
また、この発明は、電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する圧着工程を行う接続構造体の製造方法であって、加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上工程を行うことを特徴とする。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を防止することができる接続構造体を製造することができる。
具体的には、前記止水性向上工程により加熱により絶縁被覆と圧着端子との間の止水性を向上することで、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる接続構造体を製造することができる。
この発明の態様として、前記圧着工程の際に、前記止水性向上工程を行うことができる。
この発明によれば、絶縁被覆を加熱する前には、絶縁被覆を最初の形状のまま維持できることにより、圧着端子がクローズドバレル型である場合には、圧着工程の際に、断面中空状の圧着部に被覆電線を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
また、被覆圧着部を圧着する圧着工程の際に、前記止水性向上工程において、絶縁被覆を加熱することにより、圧着端子を介して絶縁被覆を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
またこの発明の態様として、前記止水性向上工程において、絶縁被覆の少なくとも先端近傍を、該絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度以上の温度で加熱することができる。
この発明によれば、電線導体の外周に絶縁被覆を被覆する際に残留した該絶縁被覆の内部の残留応力を確実に除去しておくことができるため、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる接続構造体を製造することができる。
またこの発明の態様として、前記圧着工程において、加熱により発泡する成分を混合して構成した前記絶縁被覆に対して前記被覆圧着部を圧着するとともに、前記被覆圧着部を加熱することによって前記止水性向上工程を行うことができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着する際に、絶縁被覆に混合した成分が加熱により発泡し、絶縁被覆が変形することにより、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞することができるため、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
さらには、絶縁被覆を加熱する前には、絶縁被覆を最初の形状のまま維持できることにより、圧着端子がクローズドバレル型である場合には、断面中空形状の圧着部に被覆電線を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
また、被覆圧着部を圧着する際に絶縁被覆を加熱することにより、圧着端子を介して絶縁被覆を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
またこの発明の態様として、前記圧着工程において、熱可塑性接着剤を混合して構成した前記絶縁被覆に対して前記被覆圧着部を圧着するとともに、前記被覆圧着部を加熱することによって前記止水性向上工程を行うことができる。
この発明は、電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する接続構造体の製造方法であって、熱可塑性接着剤を混合して構成した前記絶縁被覆に対して前記被覆圧着部を圧着する際に、前記被覆圧着部を加熱することを特徴とする。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着する際に、絶縁被覆に混合した熱可塑性接着剤が加熱により溶融し、絶縁被覆が変形することにより、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞することができるため、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。特に、接着剤を使用することにより、絶縁被覆と圧着端子との隙間を長期間にわたって確実に閉塞することができるため、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらには、絶縁被覆を加熱する前には、絶縁被覆を最初の形状のまま維持できることにより、圧着部に被覆電線を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
また、被覆圧着部を圧着する際に絶縁被覆を加熱することにより、圧着端子を介して絶縁被覆を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
また、被覆圧着部を圧着した後に加熱した場合には、圧着によって圧着端子が変形しても、絶縁被覆が追従して隙間を閉塞することができるため、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを確実に防止できる。
またこの発明の態様として、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで覆うように熱収縮チューブを設けた後、前記圧着工程を行うことができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着する際に、絶縁被覆と被覆圧着部とを長手方向に跨いで覆う熱収縮チューブを加熱により縮径して、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞した接続構造体を構成することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
またこの発明の態様として、前記圧着工程の後、前記止水性向上工程を行い、前記止水性向上工程において、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで覆うように設けた熱収縮チューブを加熱することができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着した後、絶縁被覆と被覆圧着部とを長手方向に跨いで覆う熱収縮チューブを加熱により縮径して、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞した接続構造体を構成することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
またこの発明の態様として、前記圧着工程の後、前記止水性向上工程を行い、
前記密着性向上工程において、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで巻回するように設けた自己溶着テープを加熱することができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、被覆圧着部を圧着した後、絶縁被覆と被覆圧着部とを長手方向に跨いで巻回する自己溶着テープを加熱により溶着して、絶縁被覆と圧着端子との隙間を閉塞した接続構造体を構成することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
この発明により、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる被覆電線、接続構造体、コネクタ、並びに、被覆電線の製造方法、接続構造体の製造方法を提供することができる。
被覆電線、及び圧着端子における上方からの外観を示す外観斜視図。 バレル部における溶接について説明する説明図。 図1中のA−A矢視断面における圧着工程を説明する説明図。 圧着接続構造体の断面形状を示す断面図。 メス型コネクタとオス型コネクタの接続対応状態を示す斜視図。 圧着端子、及び圧着接続構造体における別の断面形状を説明する説明図。 実施例2における圧着工程を説明する説明図。 実施例2における圧着接続構造体の断面形状の断面図。 実施例3における圧着接続構造体の製造方法を説明する説明図。 実施例4における圧着接続構造体の製造方法を説明する説明図。 実施例5における圧着接続構造体の製造方法を説明する説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、本実施例における被覆電線200、及び圧着端子100について図1、及び図2を用いて詳しく説明する。
なお、図1は被覆電線200、及び圧着端子100における上方からの外観斜視図を示し、図2はバレル部130における溶接について説明する説明図を示している。
また、図1中において、矢印Xは長手方向を示し(以下「長手方向X」とする)、矢印Yは幅方向を示している(以下、「幅方向Y」とする)。さらに、長手方向Xにおいて、後述するボックス部110側(図中の左側)を前方とし、ボックス部110に対して後述する被覆電線200側(図中の右側)を後方とする。
また、図2(a)は、ボックス部110を二点鎖線で示す透過状態とした圧着端子100の底面側の概略斜視図を示し、図2(b)は図2(a)におけるZ部拡大図を示している。
被覆電線200は、アルミニウム素線201aを束ねたアルミニウム芯線201を、絶縁樹脂で構成する絶縁被覆202で被覆して構成している。詳しくは、アルミニウム芯線201は、断面が、例えば0.75mmとなるように、アルミニウム合金線を撚って構成している。さらに、被覆電線200は、絶縁被覆202の先端から所定の長さアルミニウム芯線201を露出させている。
圧着端子100は、メス型端子であり、長手方向Xの前方から後方に向かって、図示省略するオス型端子のオスタブの挿入を許容するボックス部110と、ボックス部110の後方で、所定の長さのトランジション部120を介して配置されたバレル部130とを一体に構成している。
この圧着端子100は、表面が錫メッキ(Snメッキ)された黄銅等の銅合金条(図示せず)を、平面展開した端子形状に打ち抜いた後、中空四角柱体のボックス部110と後方視略O型のバレル部130とからなる立体的な端子形状に曲げ加工するとともに、バレル部130を溶接して構成したクローズバレル形式の端子である。
ボックス部110は、底面部111の長手方向Xと直交する幅方向Yの両側部に連設された側面部112の一方を、他方の端部に重なり合うように折り曲げて、長手方向Xの前方側から見て略矩形の倒位の中空四角柱体で構成されている。
さらに、ボックス部110の内部には、底面部111における長手方向Xの前方側を延設して、長手方向Xの後方に向かって折り曲げて形成され、挿入されるオス型端子の挿入タブ(図示省略)に接触する弾性接触片113(図3参照)を備えている。
バレル部130は、絶縁被覆202を圧着する被覆圧着部131と、露出したアルミニウム芯線201を圧着する導体圧着部132とを一体で構成するとともに、導体圧着部132より前方端部を略平板状に押しつぶすように変形させた封止部133で構成している。
このバレル部130は、図2に示すように、端子形状に打ち抜いた銅合金条におけるバレル部130を被覆電線200の外周を包囲する大きさに丸めるとともに、丸めた端部130a同士を突き合わせて長手方向Xの溶接個所W1に沿って溶接して後方視略O型に形成している。換言すると、バレル部130は、幅方向Y且つ高さ方向における断面形状を閉断面形状に形成している。
さらに、バレル部130の封止部133は、図2に示すように、バレル部130の長手方向Xの前端を閉塞するように幅方向Yの溶接個所W2に沿って溶接して封止している。
つまり、バレル部130は、長手方向Xの前端、及び端部130a同士を溶着して閉塞して、長手方向Xの後方に開口を有する略筒状に形成されている。
次に、このような構成の圧着端子100のバレル部130に被覆電線200を挿入するとともに、バレル部130を加締めて圧着する工程、及び圧着後の圧着接続構造体1について、図3及び図4を用いて詳しく説明する。
なお、図3は図1中のA−A矢視断面における圧着工程を説明する説明図を示し、図4は圧着接続構造体1の断面形状の断面図を示している。
さらに、図3(a)は図1中のA−A矢視断面図を示し、図3(b)は被覆電線200を挿入した圧着端子100に対して圧着工具10で加締めて圧着する工程を説明する説明図を示している。
被覆電線200における絶縁被覆202には、加熱により発泡する成分を混合する。該成分は、加熱により、例えば窒素ガス、または炭酸ガスなどのガスを発生する成分で構成することができる。
上記加熱により発泡する成分は、被覆電線200における絶縁被覆202の全体に混合した構成とすることができるが、これに限定せず、絶縁被覆202における圧着される領域にのみ混合した構成としてもよい。
上述した圧着端子100のバレル部130に対して、図3(a)に示すように、後方からアルミニウム芯線201が露出した被覆電線200を内部に挿入する。この際、露出したアルミニウム芯線201が、図3(b)に示すように、導体圧着部132に配置されるように挿入する。
その後、図3(b)に示すように、被覆電線200を挿入した圧着端子100のバレル部130に対して、アンビルとクリンパで構成された1組の圧着工具10で挟み込むようにして圧着する。
この1組の圧着工具10は、図3(b)に示すように、アンビルとなる第1圧着型11、及びクリンパとなる第2圧着型12で構成されている。さらに、圧着工具10の内面形状は、圧着後における被覆圧着部131、及び導体圧着部132の外面形状に応じた形状に形成されている。
第1圧着型11は、第1ヒータ11aを備えている。第1ヒータ11aは、少なくとも第1圧着型11における絶縁被覆202を圧着する領域に設けることができる。同様に、第2圧着型12は、第2ヒータ12aを備えている。第2ヒータ12aは、少なくとも第2圧着型12における絶縁被覆202を圧着する領域に設けることができる。
第1ヒータ11a及び第2ヒータ12aは、圧着時に通電することにより、バレル部130における被覆圧着部131を加熱することができる。
このような1組の圧着工具10で挟み込むようにして被覆電線200を挿入した導体圧着部132、及び被覆圧着部131を加締め、アルミニウム芯線201、及び絶縁被覆202を圧着して圧着接続構造体1を構成する。
具体的には、圧着接続構造体1は、図4に示すように、圧着工具10で導体圧着部132を加締めることで、導体圧着部132とアルミニウム芯線201とが圧着して導通可能に接続されている。さらに、圧着工具10で被覆圧着部131を加締めることで、被覆圧着部131と絶縁被覆202とが圧着して接続されている。
さらには、被覆圧着部131を圧着する際に、絶縁被覆202に混合した成分が加熱により発泡し、図4に示すように絶縁被覆202が部分的に変形(膨張)することにより、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞する。
このようにして圧着端子100のバレル部130を加締めて被覆電線200を圧着して接続するとともに、アルミニウム芯線201と圧着端子100との導通性を確保した圧着接続構造体1を構成する。
次に、上述した圧着接続構造体1をコネクタハウジングの内部に装着したコネクタについて図5を用いて説明する。
なお、図5はメス型コネクタ21とオス型コネクタ31の接続対応状態の斜視図を示し、図5中においてオス型コネクタ31を二点鎖線で図示している。
メス型コネクタハウジング22は、圧着端子100を長手方向Xに沿って装着可能な複数のキャビティを内部に有して、幅方向Y且つ高さ方向における断面形状が略矩形状のボックス形状に形成している。このようなメス型コネクタハウジング22の内部に対して、上述した圧着端子100で構成した複数の圧着接続構造体1を長手方向Xに沿って装着してメス型コネクタ21を備えたワイヤーハーネス20を構成する。
また、メス型コネクタハウジング22に対応するオス型コネクタハウジング32は、メス型コネクタハウジング22と同様に、圧着端子を装着可能な複数のキャビティを内部に有して、幅方向Y且つ高さ方向における断面形状が略矩形状であってメス型コネクタハウジング22に対して凹凸対応して接続可能に形成している。
このようなオス型コネクタハウジング32の内部に対して、図示を省略するオス型の圧着端子で構成した圧着接続構造体1を長手方向Xに沿って装着してオス型コネクタ31を備えたワイヤーハーネス30を構成する。
そして、メス型コネクタ21とオス型コネクタ31とを嵌合することで、ワイヤーハーネス20とワイヤーハーネス30とを接続する。
以上のような構成を実現する被覆電線200、圧着接続構造体1、メス型コネクタ21、及び圧着接続構造体1の製造方法は、絶縁被覆202側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
具体的には、絶縁被覆202に混合した成分が加熱により発泡し、絶縁被覆202が変形することにより、絶縁被覆202と圧着端子100との密着性を向上し、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞することができる。この結果、加熱により絶縁被覆202と圧着端子100との間の止水性を向上し、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる。
さらには、被覆圧着部131を圧着する際に、加熱により絶縁被覆202と圧着端子100との密着性を向上する構成とすることにより、圧着と加熱とを別々に行う構成に比べて、作業効率を向上することができる。この場合、圧着による被覆圧着部131の変形に追従して、加熱により被覆圧着部131と絶縁被覆202との密着性を向上することができるため、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を確実に閉塞することができる。
また、絶縁被覆202を加熱する前には、図3に示すように、絶縁被覆202を最初の形状のまま維持できることにより、バレル部130に被覆電線200を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
さらに、被覆圧着部131を圧着する際に絶縁被覆202を加熱する構成とすることにより、圧着端子100を介して絶縁被覆202を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
また、上述のように、加熱により絶縁被覆202と圧着端子100との間の止水性を向上して、圧着接続構造体1を構成することにより、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる圧着接続構造体1を構成できる。
したがって、圧着接続構造体1は、絶縁被覆側からの水分の侵入を確実に防止することができる。
また、圧着接続構造体1における圧着端子100をメス型コネクタハウジング22の内部に配置してメス型コネクタ21を構成することにより、メス型コネクタハウジング22の内に配置した圧着端子100にオス型コネクタ31の圧着端子を接続する際、止水性を確保したままメス側コネクタ21の圧着端子100をオス型コネクタ31に接続することができる。
したがって、メス型コネクタ21は、確実な導電性を備えた接続状態を確保することができる。
また、被覆電線200の芯線を、アルミニウム合金で構成するとともに、バレル部130を、銅合金で構成したことにより、銅線による芯線を有する被覆電線200に比べて軽量化することができる。さらに、上述した確実な止水性により、異種金属で構成された圧着端子100と被覆電線200とによる電食の発生を防止することができる。
また、加熱により発泡する成分を混合して構成した絶縁被覆202に対して被覆圧着部131を圧着する際に、被覆圧着部131を加熱する圧着接続構造体1の製造方法としたことにより、被覆圧着部131を圧着する際に、絶縁被覆202に混合した成分が加熱により発泡し、絶縁被覆202が変形することにより、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞することができる。このため、絶縁被覆202側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
なお、上述の実施例1において、加熱により発泡する成分を絶縁被覆202に混合することで、加熱により絶縁被覆202と圧着端子100との密着性を向上する構成としたが、これに限定せず、適宜の方法で絶縁被覆202と圧着端子100との密着性を向上することができる。
例えば、圧着端子100、及び圧着接続構造体1における別の断面形状を説明する説明図を示す図6において、図6(a)に示す絶縁被覆202を、熱可塑性接着剤を混合して構成してもよい。熱可塑性接着剤は、加熱により溶融して変形し、絶縁被覆202と圧着端子100とを接着する構成とすることができる。
上記熱可塑性接着剤は、被覆電線200における絶縁被覆202の全体に混合した構成とすることができるが、これに限定せず、絶縁被覆202における圧着される領域にのみ混合した構成としてもよい。
図6(b)に示すように、被覆圧着部131を被覆電線200における絶縁被覆202に圧着した場合には、絶縁被覆202に混合した熱可塑性接着剤が加熱により溶融し、絶縁被覆202の表面部分202aが変形することにより、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞する。このため、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる。
特に、接着剤を使用することにより、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を長期間にわたって確実に閉塞することができるため、絶縁被覆202側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらには、絶縁被覆202を加熱する前には、図6(a)に示すように、絶縁被覆202を最初の形状のまま維持できることにより、バレル部130に被覆電線200を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
さらに、被覆圧着部131を圧着する際に絶縁被覆202を加熱する構成とすることにより、圧着端子100を介して絶縁被覆202を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
このように、上述の実施例1においては、加熱により発泡する成分、または熱可塑性接着剤を絶縁被覆202に混合することで、加熱により被覆圧着部131と絶縁被覆202との密着性を向上し、この結果、絶縁被覆202と圧着端子100との間の止水性を向上することができる。
次に、実施例1とは異なる圧着接続構造体1の製造方法について図7を用いて説明する。
なお、図7は実施例2における圧着工程を説明する説明図を示し、図8は実施例2における圧着接続構造体1の断面形状の断面図を示している。さらに、図7(a)は被覆電線200を挿入する際の説明図を示し、図7(b)は被覆電線200を挿入した圧着端子100に対して圧着工具10で加締めて圧着する工程を説明する説明図を示している。
実施例2における圧着接続構造体1の製造方法は、図7(a)に示すように、熱収縮チューブ134を圧着端子100の被覆圧着部131に設けたことが、上述の実施例1とは異なる。
なお、実施例2において、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
熱収縮チューブ134は、加熱により縮径する円筒状の部材で構成し、その一部を被覆圧着部131の外側に被せるとともに、残りの部分を圧着端子100の後方に張り出した状態で設けることができる。
このような圧着端子100のバレル部130に対して、図7(a)に示すように、後方からアルミニウム芯線201が露出した被覆電線200を内部に挿入する。この際、露出したアルミニウム芯線201が、図7(b)に示すように、導体圧着部132に配置されるように挿入する。これにより、図7(b)に示すように、絶縁被覆202と被覆圧着部131とを長手方向Xに跨いで覆うように熱収縮チューブ134を設けることができる。
その後、図7(b)に示すように、被覆電線200を挿入した圧着端子100のバレル部130に対して、アンビルとクリンパで構成された1組の圧着工具10で挟み込むようにして圧着する。
図7(b)に示すように、アンビルとなる第1圧着型11は、圧着端子100の後方において熱収縮チューブ134に接触する延長部11bを一体に構成している。同様に、クリンパとなる第2圧着型12は、圧着端子100の後方において熱収縮チューブ134に接触する延長部12bを一体に構成している。
第1圧着型11は、第1ヒータ11cを備えている。第1ヒータ11cは、少なくとも第1圧着型11における熱収縮チューブ134に対向する領域に設けることができる。同様に、第2圧着型12は、第2ヒータ12cを備えている。第2ヒータ12cは、少なくとも第2圧着型12における熱収縮チューブ134に対向する領域に設けることができる。
第1ヒータ11c及び第2ヒータ12cは、圧着時に通電することにより、熱収縮チューブ134を加熱することができる。
このような1組の圧着工具10で挟み込むようにして被覆電線200を挿入した導体圧着部132、及び被覆圧着部131を加締め、アルミニウム芯線201、及び絶縁被覆202を圧着して圧着接続構造体1を構成する。
被覆圧着部131を圧着する際には、絶縁被覆202と被覆圧着部131とを長手方向Xに跨いで覆う熱収縮チューブ134が加熱により縮径する。この結果、図8に示すように、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞した圧着接続構造体1を構成することができるため、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる。
次に、実施例2と同様に熱収縮チューブ134を使用した異なる圧着接続構造体1の製造方法について図9を用いて説明する。
なお、図9は実施例3における圧着接続構造体1の製造方法を説明する説明図を示し、図9(a)は熱収縮チューブ134を加熱する前の圧着接続構造体1の長手方向Xにおける断面形状の断面図を示し、図9(b)は熱収縮チューブ134を加熱した後の圧着接続構造体1の長手方向Xにおける断面形状の断面図を示している。
実施例3における圧着接続構造体1の製造方法は、図9(a)に示すように、被覆圧着部131を圧着した後、絶縁被覆202と被覆圧着部131とを長手方向Xに跨いで覆うように熱収縮チューブ134を設ける点が、上述の実施例2とは異なる。
なお、実施例3において、実施例2と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図9(a)に示すように、熱収縮チューブ134は、被覆電線200に圧着接続された圧着端子100に対して、その一部を被覆圧着部131の外側に被せるとともに、残りの部分を圧着端子100の後方の絶縁被覆202側に張り出した状態で設ける。
熱収縮チューブ134は、送風装置300から熱風を吹き付けることで、加熱により縮径する。熱収縮チューブ134を加熱する手段としては、送風装置300に限定せず、適宜の手段を用いることができる。
熱収縮チューブ134を加熱により縮径することで、図9(b)に示すように、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞した圧着接続構造体1を構成することができるため、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる。
次に、実施例1から3とは異なる自己溶着テープ135を使用した圧着接続構造体1の製造方法について図10を用いて説明する。
なお、図10は実施例4における圧着接続構造体1の製造方法を説明する説明図を示し、図10(a)は自己溶着テープ135を加熱する前の圧着接続構造体1の長手方向Xにおける断面形状の断面図を示し、図10(b)は自己溶着テープ135を加熱した後の圧着接続構造体1の長手方向Xにおける断面形状の断面図を示している。
実施例4における圧着接続構造体1の製造方法は、図10(a)に示すように、被覆圧着部131を圧着した後、絶縁被覆202と被覆圧着部131とを長手方向Xに跨いで覆うように自己溶着テープ135を設ける。
なお、実施例4において、実施例3と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
自己溶着テープ135は、ブチルゴムで形成したシート状の部材で構成することができる。図10(a)に示すように、自己溶着テープ135は、被覆電線200に圧着接続された圧着端子100に対して、絶縁被覆202と被覆圧着部131とを長手方向Xに跨いで巻回するように設ける。このとき、巻回した自己溶着テープ135が、互いに一部が重なり合った状態となる。
自己溶着テープ135は、送風装置300から熱風を吹き付けることで、加熱により変形し、図10(b)に示すように、互いに重なり合ったテープ同士が溶着する。
この結果、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞した圧着接続構造体1を構成することができるため、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる。
次に、実施例1から4とは異なる圧着接続構造体1の製造方法、詳しくは、圧着接続構造体1に備えた被覆電線200の製造方法について図11を用いて説明する。
なお、図11は実施例5における被覆電線200の製造方法、及び、製造装置500を説明する説明図を示し、詳しくは、図11(a)は被覆電線200の製造装置500、及び製造工程を模式的に示した説明図であり、図11(b)はX部の内部構成を拡大して示している。また、実施例5において、実施例1から4と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
実施例5における被覆電線200の製造方法は、図11(a)に示すように、上流側から下流側へアルミニウム芯線201を走行させながら、アルミニウム芯線201の外周を絶縁被覆202で被覆する被覆工程S1と、絶縁被覆202に対して絶縁被覆加熱ヒータ550による絶縁被覆加熱工程S2とを行うことで被覆電線200を製造する。なお、被覆電線200は、適宜、下流側に備えた巻取りドラム560などの巻取り手段に巻き取られる。
被覆工程S1において、押出しダイス510により、絶縁被覆202の形成材料である絶縁樹脂202Aを溶融状態でアルミニウム芯線201の外周に押し出す樹脂押出し工程S1を行うことにより、アルミニウム芯線201の外周を絶縁被覆202で被覆する。
押出しダイス510は、図11(b)に示すように、押出しダイス本体520と、該押出しダイス本体520の内部に備えたガイド部材530とで構成している。
押出しダイス本体520は、アルミニウム芯線201、及び絶縁樹脂202Aを上流側から下流側へ押し出し可能に貫通した押出し孔521を中心軸に沿って形成している。押出し孔521は、押出し空間522と絶縁被覆形成空間523とに上流側から下流側の順に区分けして構成している。
絶縁被覆形成空間523は、該押出し孔521の軸方向における下流側の端部に位置し、アルミニウム芯線201の外周に対して溶融状態の絶縁樹脂202Aを付着させて絶縁被覆202で被覆する空間である。
押出し空間522は、絶縁被覆形成空間523から上流側へ向けて徐々に拡径するようにテーパ状の内周面で形成し、上述したガイド部材530を備えている。
ガイド部材530は、錐状に形成され、その頂部を絶縁被覆形成空間523に向けて押出し空間522の中心軸方向に沿って配置している。ガイド部材530の頂部にはアルミニウム芯線201を通過可能な導体挿通孔531を形成し、ガイド部材530の外周面と押出しダイス本体520の内周面とによって、これらの間の空間を、下流側から供給された絶縁樹脂202Aを絶縁被覆形成空間523の側へ押し出す樹脂押出し空間522として構成している。
アルミニウム芯線201を押出し孔521に貫通した状態で上流側から下流側へ走行させながら押出し空間522に対して上流側から溶融状態で可塑化した絶縁樹脂202Aが供給され、該絶縁樹脂202Aは、押出し空間522から絶縁被覆形成空間523へ樹脂を押し出される。
これにより、絶縁被覆形成空間523において、アルミニウム芯線201の外周全体に絶縁樹脂202Aを均一に付着させることができ、押出しダイス510を通過したアルミニウム芯線201の外周を絶縁被覆202で被覆することができる。
続いて、絶縁被覆加熱工程S2では、被覆電線200の絶縁被覆202に対して外周側から絶縁被覆加熱ヒータ550で加熱する。
絶縁被覆加熱ヒータ550は、被覆電線200(アルミニウム芯線201)の走行方向において、押出しダイス510と巻取りドラム560との間に配置され、押出しダイス510を通過した被覆電線200を包囲するように、被覆電線200の通過を許容する貫通孔550Aを備えた被覆電線包囲部551を備えて構成している。
被覆電線包囲部551の内周面は、該内周面から被覆電線200に対して、周方向全体から均等に熱源から発せられる熱を付与可能に構成している。
また、絶縁被覆加熱ヒータ550には、図示しないが、所望の温度で加熱するための熱電対(温度センサ)や温度を制御するための基板や制御機器を適宜備えている。
なお、ヒータの熱源は、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなど、その種類は特に限定しない。
上述した製造装置500、及び製造工程によれば、被覆工程S1、すなわち樹脂押出し工程S1において、押出しダイス510によって絶縁樹脂202Aを押し出しながらアルミニウム芯線201の外周を絶縁被覆202で被覆する際に、絶縁被覆202に歪が残留しても、その後の、絶縁被覆加熱工程S2において、絶縁被覆加熱ヒータ550によってポリ塩化ビニル樹脂で形成した絶縁被覆202を、60℃または、好ましくは120℃の温度で加熱することによって、絶縁被覆202の残留応力を解放することができる。
さらに、上述した製造方法により製造した被覆電線200の先端部分の絶縁被覆202を剥離してアルミニウム芯線201を露出させ、該露出したアルミニウム芯線201と絶縁被覆202の先端近傍とを、圧着端子100で圧着して、圧着接続構造体1を製造することができる。
実施例5における圧着接続構造体1によれば、絶縁被覆202の少なくとも先端近傍に、例えば、周辺機器から放出される熱が付与されたとしても、該先端近傍に残留する応力が緩和されることで、被覆電線200の絶縁被覆202と圧着端子100との密着力が低下することがなく、これら被覆電線200と圧着端子100との間の止水性を確保することができる。
この点について詳述すると、従来は、絶縁被覆202に歪が残留した状態の被覆電線200の先端近傍に圧着端子100を圧着していたため、被覆電線200と圧着端子100とを圧着した後に、外部から絶縁被覆202の少なくとも先端近傍に熱が加わることで、該先端近傍に残留する応力が緩和し、被覆電線200と圧着端子100との密着力が低下することで、これら被覆電線200と圧着端子100との間の止水性を確保できないという課題を有していた。
被覆工程S1において押出しダイス510における押出し空間522から絶縁被覆形成空間523へ押し出された絶縁樹脂202Aは、押し出し方向に引き伸ばされた状態でアルミニウム芯線201の外周に付着し、その引き伸ばされた状態のまま冷却されることで固化することになる。
このように、絶縁樹脂202Aは、押出し空間522や絶縁被覆形成空間523において下流側へ押し出される際の際の押し出し方向の引張り歪が残留したまま凍結した状態となり、これが被覆電線200における絶縁被覆202に残留歪が残留する要因となる。
そして、被覆電線200と圧着端子100とを圧着した後に、絶縁被覆202の少なくとも先端近傍に残留する応力が緩和すると、外部からの熱により、絶縁被覆202が、その内部歪を除去可能な温度になると、絶縁被覆202に残留する上述した引張り歪が解放され、絶縁被覆202が縮む方向に変形するため、圧着端子100の特に、鋭角状の部分による絶縁被覆202の締め付けが緩み、被覆電線200と圧着端子100との間に隙間が生じるため、これら被覆電線200と圧着端子100と間の止水性を確保できなくなるという課題を有する。
これに対して、実施例5の圧着接続構造体1の製造方法においては、樹脂押出し工程S1によって絶縁被覆202に残留した応力を、被覆電線200と圧着端子100とを圧着した状態にする前に絶縁被覆加熱工程S2を行うことによって、予め解放しておくことができる。すなわち、被覆電線200と圧着端子100とを圧着した状態にする前に、絶縁被覆202の少なくとも先端近傍の残留応力を、大幅に緩和し、又は、除去しておくことができる。
これにより、被覆電線200と圧着端子100とを圧着した後に、絶縁被覆202の少なくとも先端近傍に、例えば、周辺機器から放出される熱が付与されたとしても、該先端近傍に残留する応力が緩和されることで、被覆電線200と圧着端子100との密着力が低下することがなく、これら被覆電線200と圧着端子100との間の止水性を確保することができる。
さらに、実施例5の圧着接続構造体1の製造方法によれば、絶縁被覆加熱工程S2を、被覆工程S1としての樹脂押出し工程S1の後に行うことで、樹脂押出し工程S1によって、内部歪が残留している絶縁被覆202に対して、絶縁被覆加熱工程S2を行うことができるため、確実に絶縁被覆202の残留歪を除去することができる。
さらにまた、実施例5の圧着接続構造体1の製造方法によれば、樹脂押出し工程S1と絶縁被覆加熱工程S2とを連続してこの順で行うことで、絶縁被覆202に残留している歪を確実に除去した被覆電線200を効率よく製造することができる。
また、他の実施例の圧着接続構造体1の製造方法として、絶縁被覆加熱工程S2は、実施例5の圧着接続構造体1の製造方法のように、被覆電線200を製造する際に、絶縁被覆加熱工程S2を行うに限らず、被覆電線と圧着端子100とを圧着接続する圧着工程を行う圧着工程の際に、絶縁被覆加熱工程S2を行ってもよい。
このように、圧着工程の際に、絶縁被覆加熱工程S2を行う場合には、例えば、図3(b)に示すように、第1ヒータ11aを備えた第1圧着型11と第2ヒータ12aを備えた第2圧着型12とで構成される1組の圧着工具10で挟み込むようにして被覆電線200を挿入した導体圧着部132、及び被覆圧着部131を加締め、アルミニウム芯線201、及び絶縁被覆202を圧着して圧着接続構造体1を構成する。
第1ヒータ11a及び第2ヒータ12aは、圧着時に通電することにより、バレル部130における被覆圧着部131を加熱することができる。そして、被覆圧着部131が加熱されることによる熱を、被覆圧着部131に圧着されている絶縁被覆202の先端近傍に伝達することができ、絶縁被覆202の先端近傍の歪を解放可能な温度、例えば、60℃以上、好ましくは120℃程度の温度で絶縁被覆202の先端近傍を加熱できるように、第1ヒータ11a及び第2ヒータ12aによる加熱温度を設定している。
上述したように、絶縁被覆加熱工程S2を圧着工程の際に行うことにより、絶縁被覆202を加熱する前には、絶縁被覆202を最初の形状のまま維持できるため、圧着端子100がクローズドバレル型である場合には、圧着工程の際に、断面中空状の圧着部に被覆電線200を挿入する作業を円滑に行うことができるため、作業効率を向上することができる。
また、被覆圧着部131を圧着する圧着工程の際に、絶縁被覆加熱工程S2において、絶縁被覆202を加熱することにより、圧着端子100を介して絶縁被覆202を容易に加熱することができるため、作業効率をより向上することができる。
勿論、絶縁被覆加熱工程S2は、被覆電線200を製造する際と、圧着工程の際とのうち、いずれか一方において行うに限らず、両方において行ってもよい。
また、絶縁被覆加熱工程S2は、絶縁被覆202の長さ方向の全長に亘って行うに限らず、絶縁被覆202の少なくとも先端近傍に対して行うことができる。その場合、絶縁被覆加熱工程S2は、被覆電線200の先端側の絶縁被覆202を剥離してアルミニウム芯線201を露出する前の状態で、絶縁被覆202の少なくとも先端近傍に対して行ってもよい。或いは、絶縁被覆加熱工程S2は、被覆電線200の先端側の絶縁被覆202を剥離した状態で、被覆電線200の先端側であって、アルミニウム芯線201が露出した部分の後方側の絶縁被覆202に対して行ってもよい。
また、上述の実施例2から4においては、熱収縮チューブ134または自己溶着テープ135が加熱により変形することで、絶縁被覆202と圧着端子100との隙間を閉塞し、この結果、絶縁被覆202と圧着端子100との間の止水性を向上することができる。
上述の実施例1から5において、圧着端子100をメス型の圧着端子100としたが、これに限定せず、メス型の圧着端子100に対して長手方向Xに嵌合するオス型の圧着端子であってもよい。
また、被覆電線200における芯線をアルミニウム合金とし、圧着端子100を黄銅等の銅合金としたが、これに限定せず、被覆電線200における芯線、及び圧着端子100を黄銅等の銅合金やアルミニウム合金などの同一金属で構成してもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の電線導体は、実施形態のアルミニウム芯線201に対応し、
以下同様に、
止水性向上手段は、加熱により発泡する成分、熱可塑性接着剤、熱収縮チューブ134及び自己溶着テープ135に対応し、
密着性向上手段は、加熱により発泡する成分、及び熱可塑性接着剤に対応し、
圧着部は、バレル部130に対応し、
接続構造体は、圧着接続構造体1に対応し、
アルミ系材料は、アルミニウム合金に対応し、
銅系材料は、黄銅等の銅合金条に対応し、
コネクタハウジングは、メス型コネクタハウジング22、及びオス型コネクタハウジング32に対応し、
コネクタは、メス型コネクタ21、及びオス型コネクタ31に対応し、
被覆工程(樹脂押出し工程)は、被覆工程S1(樹脂押出し工程S1)に対応し、
止水性向上工程、及び密着性向上工程は、絶縁被覆加熱工程S2に対応し、
押出し手段は、押出しダイス510に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
1…圧着接続構造体
21…メス型コネクタ
22…メス型コネクタハウジング
31…オス型コネクタ
32…オス型コネクタハウジング
100…圧着端子
130…バレル部
131…被覆圧着部
132…導体圧着部
134…熱収縮チューブ
135…自己溶着テープ
200…被覆電線
201…アルミニウム芯線
202…絶縁被覆
202A…絶縁樹脂
510…押出しダイス
S1…樹脂押出し工程
S2…絶縁被覆加熱工程
X…長手方向

Claims (19)

  1. 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆して構成し、前記絶縁被覆の先端近傍に対して圧着端子を加締めて圧着する被覆電線であって、
    加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上手段を備えた
    被覆電線。
  2. 前記止水性向上手段を、
    加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との密着性を向上する密着性向上手段で構成した
    請求項1に記載の被覆電線。
  3. 前記密着性向上手段を、
    加熱により発泡する成分を前記絶縁被覆に混合して構成した
    請求項2に記載の被覆電線。
  4. 前記密着性向上手段を、
    熱可塑性接着剤を前記絶縁被覆に混合して構成した
    請求項2に記載の被覆電線。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の被覆電線と圧着端子とを接続した
    接続構造体。
  6. 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで一体に構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを接続した接続構造体であって、
    加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上手段を備え、
    該止水性向上手段を、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで覆う熱収縮チューブで構成した
    接続構造体。
  7. 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで一体に構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを接続した接続構造体であって、
    加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上手段を備え、
    該止水性向上手段を、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで巻回する自己溶着テープで構成した
    接続構造体。
  8. 前記電線導体を、アルミ系材料で構成するとともに、
    少なくとも前記圧着部を、銅系材料で構成した
    請求項5から7のいずれか一つに記載の接続構造体。
  9. 請求項5から8のいずれか一つに記載の接続構造体における圧着端子をコネクタハウジング内に配置した
    コネクタ。
  10. 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆して構成し、前記絶縁被覆の先端近傍に対して圧着端子を加締めて圧着する被覆電線の製造方法であって、
    加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との密着性を向上する密着性向上工程を行い、
    前記密着性向上工程において、絶縁被覆の少なくとも先端近傍を、該絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度で加熱する
    被覆電線の製造方法。
  11. 前記電線導体の外周を前記絶縁被覆で被覆する被覆工程において、
    押出し手段により、前記絶縁被覆の形成材料である絶縁樹脂を溶融状態で電線導体の外周に押し出す樹脂押出し工程を行い、
    前記樹脂押出し工程と前記密着性向上工程とを連続してこの順で行う
    請求項1に記載の被覆電線の製造方法。
  12. 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する圧着工程を行う接続構造体の製造方法であって、
    加熱により前記絶縁被覆と前記圧着端子との間の止水性を向上する止水性向上工程を行う
    接続構造体の製造方法。
  13. 前記圧着工程の際に、前記止水性向上工程を行う
    請求項12に記載の接続構造体の製造方法。
  14. 前記止水性向上工程において、
    絶縁被覆の少なくとも先端近傍を、該絶縁被覆の内部歪を除去可能な温度以上の温度で加熱する
    請求項13に記載の接続構造体の製造方法。
  15. 前記圧着工程において、加熱により発泡する成分を混合して構成した前記絶縁被覆に対して前記被覆圧着部を圧着するとともに、
    前記被覆圧着部を加熱することによって前記止水性向上工程を行う
    請求項13、又は14に記載の接続構造体の製造方法。
  16. 前記圧着工程において、熱可塑性接着剤を混合して構成した前記絶縁被覆に対して前記被覆圧着部を圧着するとともに、
    前記被覆圧着部を加熱することによって前記止水性向上工程を行う
    請求項13から15のうちいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  17. 前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで覆うように熱収縮チューブを設けた後、前記圧着工程を行う
    請求項13から16のうちいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
  18. 前記圧着工程の後、前記止水性向上工程を行い、
    前記止水性向上工程において、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで覆うように設けた熱収縮チューブを加熱する
    請求項12に記載の接続構造体の製造方法。
  19. 前記圧着工程の後、前記止水性向上工程を行い、
    前記密着性向上工程において、前記絶縁被覆と前記被覆圧着部とを前記長手方向に跨いで巻回するように設けた自己溶着テープを加熱する
    請求項12に記載の接続構造体の製造方法。
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