JP2014185293A - 硬化性シリコーン樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が低くハンドリングが容易であって、しかもガスバリア性に優れた硬化物を与える、縮合硬化型の硬化性シリコーン樹脂を提供すること
【解決手段】硬化性シリコーン樹脂は、(A)水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を含有し、シロキシ単位の90%以上がD単位であり、かつ、アリール基およびアルキル基を有する、直鎖リッチシリコーンと、(B)T単位のみまたはT単位とM単位のみで構成され、水酸基またはメトキシ基が結合したケイ素原子を含有し、環構造を備える、分子量1000以下の反応性シリコーン化合物と、(C)縮合触媒と、を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、LED素子等の光学素子を封止する目的に好ましく使用し得る硬化性シリコーン樹脂に関する。
LED素子等の光学素子の封止に縮合硬化型の硬化性シリコーン樹脂が使用されている(特許文献1)。
LED素子を搭載するパッケージには銀メッキされたリフレクタが使用されるので、LED素子封止用のシリコーン樹脂に対しては、銀を変色させる物質である硫黄の透過性が低いことが求められている(特許文献2)。
特開2009−179677号公報 特開2012−116991公報
シリコーン樹脂のガスバリア性を改善するには、架橋構造の密度を高めることや、フェニル基のような芳香族基を導入することが有効であると考えられる。しかし、特に縮合硬化型の硬化性シリコーン樹脂において、架橋密度を高めるために、架橋剤として末端シラノールを多数有するシリコーンを用いることは、樹脂の高粘度化を招き、その取扱いを困難にする。芳香族基の導入もまた、硬化性シリコーン樹脂の粘度を高める要因となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、粘度が低くハンドリングが容易であって、しかもガスバリア性に優れた硬化物を与える、縮合硬化型の硬化性シリコーン樹脂を提供することを主たる目的とする。
下記の発明を開示する。
〔1〕(A)水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を含有し、シロキシ単位の90%以上がD単位であり、かつ、アリール基およびアルキル基を有する、直鎖リッチシリコーンと、(B)T単位のみまたはT単位とM単位のみで構成され、水酸基またはメトキシ基が結合したケイ素原子を含有し、環構造を備える、分子量1000以下の反応性シリコーン化合物と、(C)縮合触媒と、を含有する硬化性シリコーン樹脂。
〔2〕上記直鎖リッチシリコーンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が4000〜20000である、上記〔1〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔3〕上記(B)反応性シリコーン化合物として、T単位のみからなるシリコーン化合物と、T単位およびM単位のみからなるシリコーン化合物と、を含有する、上記〔1〕または〔2〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔4〕上記(B)反応性シリコーン化合物として、水酸基が結合したケイ素原子を有するシリコーン化合物と、メトキシ基が結合したケイ素原子を有するシリコーン化合物と、を含有する、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔5〕上記(B)反応性シリコーン化合物として、ケイ素原子に結合したアルキル基と、ケイ素原子に結合したアリール基と、を有するシリコーン化合物を含有する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔6〕上記直鎖リッチシリコーンがD単位のみを含有する、上記〔1〕〜〔5〕のいずれ
かに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔7〕含有するアリール基の99%以上がフェニル基であり、含有するアルキル基の99%以上がメチル基である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔8〕フェニル基含有量が30〜50重量%であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、上記〔7〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。ここで、3官能ケイ素の有効含有量とは、1官能ケイ素の含有量をC、3官能ケイ素の含有量をC、4官能ケイ素の含有量をCとしたとき、C−C+2Cを意味するものとし、以下においても同様とする。
〔9〕当該硬化性シリコーン樹脂が含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、上記〔7〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔10〕上記直鎖リッチシリコーンが含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4である、上記〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔11〕上記(A)直鎖リッチシリコーンおよび上記(B)反応性シリコーン化合物を含有し上記(C)縮合触媒を含有しない第1液と、上記(A)直鎖リッチシリコーンおよび上記(C)縮合触媒を含有し上記(B)反応性シリコーン化合物を含有しない第2液と、から構成される2液型の硬化性シリコーン樹脂である、上記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔12〕上記縮合触媒が有機金属錯体、金属アルコキシドまたは金属有機酸塩を含む、上記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔13〕上記縮合触媒がGaを含む有機−金属化合物、および、Znを含む有機−金属化合物から選ばれる少なくとも一種の有機−金属化合物を含む、上記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔14〕上記縮合触媒が更にZrを含む有機−金属化合物を含む、上記〔13〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔15〕平均単位式:
(PhSiO3/2b1(MeSiO3/2b2(MeSiO1/2b3(01/2Me)b4(O1/2H)b5
{式中、Phはフェニル基、Meはメチル基であり、b1は正数、b2は正数、b3は0または正数、b4は正数、b5は0または正数であり、b1/(b1+b2)は0.2〜0.8の数であり、b3/(b1+b2)は0〜0.3の数であり、(b4+b5)/(b1+b2)は0.1〜0.99の数であり、b4/(b4+b5)は0.25〜1の数である}
で表され、分子量1000以下の成分を含む、T単位リッチシリコーン。
〔16〕ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜1200である、上記〔15〕に記載のT単位リッチシリコーン。
〔17〕b3/(b1+b2)が0.05以上である、上記〔15〕または〔16〕に記載のT単位リッチシリコーン。
〔18〕(MeSiO1/2)単位を有するシリコーン化合物と(MeSiO1/2)単位を有さないシリコーン化合物とを含有する、上記〔17〕に記載のT単位リッチシリコーン。
〔19〕b4/(b4+b5)が0.75以下である、上記〔15〕〜〔18〕のいずれかに記載のT単位リッチシリコーン。
〔20〕上記T単位リッチシリコーンに含まれるシリコーン分子のそれぞれが有するメトキシ基の数をN、水酸基の数をNとしたとき、N/(N+N)の分布が単一のピークを有する、上記〔19〕に記載のT単位リッチシリコーン。
〔21〕上記〔15〕〜〔20〕のいずれかに記載のT単位リッチシリコーンと、下記の平均単位式で表されるD単位リッチシリコーンと、縮合触媒とを混合して得られる硬化性シリコーン樹脂:
(Phx1Me3−x1SiO1/2a1(Phx2Me2−x2SiO2/2a2(Phx3Me1−x3SiO3/2a3(SiO4/2a4(01/2Me)a5(01/2H)a6
{式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、x1は0〜3の数、x2は0〜2の数、x3は0〜1の数、a1は0または正数、a2は正数、a3は0または正数、a4は0または正数、a5は0または正数、a6は正数、a2/(a1+a2+a3+a4)は0.9〜1の数、(a5+a6)/(a1+a2+a3+a4)は0.002〜0.2の数である}。
〔22〕上記D単位リッチシリコーンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が4000〜20000である、上記〔21〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔23〕フェニル基含有量が30〜50重量%であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、上記〔21〕または〔22〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔24〕当該硬化性シリコーン樹脂が含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、上記〔21〕または〔22〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔25〕上記D単位リッチシリコーンが含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4である、上記〔21〕〜〔24〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔26〕上記D単位リッチシリコーンおよび上記T単位リッチシリコーンを含有し上記縮合触媒を含有しない第1液と、上記D単位リッチシリコーンおよび上記縮合触媒を含有し上記T単位リッチシリコーンを含有しない第2液と、から構成される2液型の硬化性シリコーン樹脂である、上記〔21〕〜〔25〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。〔27〕上記縮合触媒が有機金属錯体、金属アルコキシドまたは金属有機酸塩を含む、上記〔21〕〜〔26〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔28〕上記縮合触媒がGaを含む有機−金属化合物、および、Znを含む有機−金属化合物から選ばれる少なくとも一種の有機−金属化合物を含む、上記〔20〕〜〔27〕のいずれかに記載の硬化性シリコーン樹脂。
〔29〕上記縮合触媒が更にZrを含む有機−金属化合物を含む、上記〔28〕に記載の硬化性シリコーン樹脂。
本発明によれば、粘度が低くハンドリングが容易であって、しかも耐熱性やガスバリア性に優れた硬化物を与える、縮合硬化型の硬化性シリコーン樹脂が提供される。
実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂を用いて製造することのできる発光デバイスの一例を示す断面図である。 MALDI−TOF−MS分析から得られたシリコーン化合物の推定構造である。 MALDI−TOF−MS分析から得られたシリコーン化合物の推定構造である。 MALDI−TOF−MS分析から得られたシリコーン化合物の推定構造である。 MALDI−TOF−MS分析から得られたシリコーン化合物の推定構造である。
1.硬化性シリコーン樹脂
本発明の硬化性シリコーン樹脂は、下記成分(A)〜(C)を含有する組成物である:(A)水酸基が結合したケイ素原子を含有し、シロキシ単位の95%以上がD単位であり
、かつ、アリール基およびアルキル基を有する、直鎖リッチシリコーン;
(B)T単位のみまたはT単位とM単位のみで構成され、水酸基またはメトキシ基が結合したケイ素原子を含有し、かつ、T単位のみで構成された環構造を備える、分子量1000以下の反応性シリコーン化合物;
(C)縮合触媒。
本発明の実施形態には、上記成分(A)〜(C)の全てを含有する混合物である1液型の硬化性シリコーン樹脂が含まれる。この硬化性シリコーン樹脂は、本発明の効果が妨げられない限りにおいて、成分(A)、(B)以外のシリコーン、成分(C)以外の触媒、その他各種の添加物や溶剤等を、任意に含み得る。
本発明の実施形態には、また、上記成分(A)および(B)を含有する混合物である第1液と、上記成分(A)および(C)を含有する混合物である第2液と、から構成される2液型硬化性シリコーン樹脂が含まれる。この2液型硬化性シリコーン樹脂を使用する際は、第1液と第2液を混合して、成分(A)〜(C)の全てを含有する混合物としたうえで硬化させる。
この2液型硬化性シリコーン樹脂の第1液および第2液のそれぞれは、本発明の効果が妨げられない限りにおいて、成分(A)、(B)以外のシリコーン、成分(C)以外の触媒、その他各種の添加物や溶剤等を、任意に含み得る。
更に、本発明の硬化性シリコーン樹脂は、必要に応じて3液型、4液型などで有り得る。
1.1 (A)直鎖リッチシリコーン
実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂における(A)直鎖リッチシリコーンの主たる役割は、光学素子の封止材に必要な柔軟性と靱性を硬化後のシリコーン樹脂に付与することである。
直鎖リッチシリコーンはD単位を主成分とするD単位リッチシリコーンであるが、D単位のみから構成されるものに限定されず、当該シリコーンを構成するシロキシ単位のうちモル比で90%以上、好ましくは95%以上がD単位であればよい。
直鎖リッチシリコーンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上であり、通常50000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下である。
直鎖リッチシリコーンは、水酸基または加水分解性基(アルコキシ基等)が結合したケイ素原子を平均して1分子中に2個以上有する反応性シリコーンである。
直鎖リッチシリコーンとして、下記の平均単位式で表されるものが好ましく例示される:
(Phx1Me3−x1SiO1/2a1(Phx2Me2−x2SiO2/2a2(Phx3Me1−x3SiO3/2a3(SiO4/2a4(01/2Me)a5(01/2H)a6
{式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、x1は0〜3の数、x2は0〜2の数、x3は0〜1の数、a1は0または正数、a2は正数、a3は0または正数、a4は0または正数、a5は0または正数、a6は正数、a2/(a1+a2+a3+a4)は0.9〜1の数、(a5+a6)/(a1+a2+a3+a4)は0.002〜0.2の数である}。
D単位のみから構成された直鎖リッチシリコーンには、例えば、下記化学式(1)〜(5)で表されるものがある。
Figure 2014185293
Figure 2014185293
Figure 2014185293
Figure 2014185293
Figure 2014185293
上記式(1)〜(5)において、Phはフェニル基、Meはメチル基を表しており、p、q、rはそれぞれ正の整数であり、p、q、rは当該化学式で表されるシリコーンの分子量が1000〜50000の範囲内となるように設定される。
これらの直鎖リッチシリコーンは、シリルクロリド法、アルコキシシラン法、開環重合法等の公知の方法を適宜用いることにより製造することが可能である。
上記式(1)〜(5)の直鎖リッチシリコーンは各末端にシラノールを有している。一例においては、これらの線状シリコーンの反応性をより高くするために、末端シラノールに対して更にメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランなどを縮合させ加水分解することによって、鎖端部のシラノール密度を高くすることができる。
また、上記(3)〜(5)のフェニルメチルシリコーンにおいては、末端シラノールの反応性を高くするために、直鎖の各末端部分にジメチルシリコーンセグメントを配置した構造とすることができる。
直鎖リッチシリコーンとして、ケイ素原子に結合したアリール基のモル数で99%以上がフェニル基、かつ、ケイ素原子に結合したアルキル基のモル数で99%以上がメチル基であるフェニルメチルシリコーンを使用することができるが、その場合、該フェニル基とメチル基のモル比(フェニル基モル数:メチル基モル数)は2:8〜6:4とすることができる。
直鎖リッチシリコーンはアリール基の含有量を多くする程、ガスバリア性に優れたものとなる反面、粘性が高くなりハンドリングが難しくなる。そのようなアリール基含有量の多い直鎖リッチシリコーンに対し、後述する(B)反応性シリコーン化合物を添加して粘性を緩和させることができる。
1.2 (B)反応性シリコーン化合物
(B)反応性シリコーン化合物は、T単位のみまたはT単位とM単位のみで構成され、水酸基またはメトキシ基が結合したケイ素原子を含有し、環構造を備える、分子量1000以下のシリコーン化合物である。
この反応性シリコーン化合物は、(A)直鎖リッチシリコーンに混合されその粘性を緩和する、反応性溶剤としての側面を有している。また、この反応性シリコーン化合物が供給する豊富なT単位によって、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂の硬化物には、ガスバリア性向上に寄与する架橋密度の高い強直なシリコーン骨格が部分的に導入される。
(B)反応性シリコーン化合物の構造例を下記式(6)〜(11)に示す。
Figure 2014185293
{式(6)においてxは、例えば、3以上6以下の整数である}
Figure 2014185293
Figure 2014185293
Figure 2014185293
Figure 2014185293
Figure 2014185293
上記式(6)〜(11)のそれぞれにおいて、Rは独立して炭素数6以下の炭化水素基であり、Rは独立して水素原子、メチル基またはトリメチルシリル基である。RおよびRは当該化合物の分子量が好ましくは1000以下となるように選ばれる。
(B)反応性シリコーン化合物は主としてT単位で構成されているので、水酸基やアルコキシ基のような反応性基を高密度に含有できると同時に、環構造を備えることができる。
高い反応性を持っているために、(B)反応性シリコーン化合物は比較的分子量の低い化合物でありながら、加熱を受けたときに揮発しないで重合し、硬化物中に取り込まれる。
環構造は(B)反応性シリコーン化合物の粘度低減に役立っていると考えられる。なぜなら、シリコーン骨格を環状として分子運動を束縛することにより、極性の強いシラノール水酸基同士の間の自由な相互作用が阻害されるからである。
(B)反応性シリコーン化合物が液体となるように、環構造を構成する3官能ケイ素に結合する有機基{式(6)〜(11)ではR}の炭素数は好ましくは6以下である。該有機基の具体例としては、メチル基、エチル基、エテニル基、炭素数3〜6の直鎖状または分岐した飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、フェニル基などが挙げられる。複数の3官能ケイ素のそれぞれに結合した有機基は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
3官能ケイ素に結合する有機基の全てを脂肪族炭化水素基とすると、(B)反応性シリコーン化合物の粘度は低下するが、シリコーン樹脂硬化物のガスバリア性を改善する効果は低くなる。一方で、3官能ケイ素に結合する有機基の全てをフェニル基にするとシリコーン樹脂硬化物のガスバリア性は高くなるが、(B)反応性環状シリコーンの粘度が高くなる。
従って、好適な実施形態では、3官能ケイ素に結合する有機基が脂肪族炭化水素基と、フェニル基の両方を含むようにする。例えば、この有機基のそれぞれをメチル基およびフェニル基のいずれかとすることができるが、その場合の好ましいメチル基とフェニル基のモル比は1:4〜4:1、特に2:3〜3:2である。
3官能ケイ素に結合した反応性基はメトキシ基と水酸基のいずれかであればよいが、メトキシ基と水酸基を併存させることが、(B)反応性シリコーン化合物の反応活性と低粘度を両立させるうえでは好ましい。反応性基の全てをメトキシ基とすると、粘度は低下するが反応活性も低下し、また、反応性基の全てを水酸基とすると高粘度化するとともに、反応活性が高くなり過ぎて保存安定性が低下する。
3官能ケイ素に結合したトリメチルシロキシ基(3官能ケイ素に結合した水酸基をトリメチルシリル基でキャップした構造と換言し得る)の導入は、(B)反応性シリコーン化合物の粘度を著しく低下させ得る。嵩高いトリメチルシリル基が分子間の相互作用を著しく弱める働きをするからと考えられる。
実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として1種類のシリコーン化合物のみを含有するものであり得るが、通常は、(B)反応性シリコーン化合物に該当する複数種のシリコーン化合物を含有する。
例えば、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として、環構造を構成するT単位の数や環構造の構成等が異なる複数種のシリコーン化合物を含有し得る。
更に、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として、3官能ケイ素に結合した炭化水素基が様々に異なる複数種のシリコーン化合物を含有し得る。
更に、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として、3官能ケイ素に結合した炭化水素基に占める脂肪族炭化水素基とフェニル基の数の比率が異なる複数種のシリコーン化合物を含有し得る。
更に、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として、3官能ケイ素に結合したメトキシ基と水酸基のいずれか一方を有する化合物と、その両方を有する化合物とを含有し得る。また、後者として、メトキシ基と水酸基の数の比率が様々に異なるシリコーン化合物を含有し得る。
更に、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として
、3官能ケイ素に結合したトリメチルシロキシ基を有する化合物と有さない化合物のいずれか一方または両方を含有し得る。
実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、(B)反応性シリコーン化合物として、3官能ケイ素原子に結合した有機基がメチルまたはフェニル基のいずれかであるシリコーン化合物のみを含む場合がある。かかる場合においては、(B)反応性シリコーン化合物に該当するシリコーン化合物を全部合わせたときに、その3官能ケイ素原子に結合したメチル基とフェニル基のモル比(メチル基モル数:フェニル基モル数)が1:4〜4:1、特に2:3〜3:2であることが好ましい。
更に、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂においては、(B)反応性シリコーン化合物に該当するシリコーン化合物を全部合わせたときに、その3官能ケイ素原子に結合したメトキシ基と水酸基のモル比が好ましくは1:3〜1:0、より好ましくは1:3〜3:1、最も好ましくは4:6〜6:4である。
更に、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂においては、(B)反応性シリコーン化合物に該当するシリコーン化合物を全部合わせたときに、そのトリメチルシロキシ基の含有量が、3官能ケイ素の含有量に対してモル比で5〜30%であることが好ましく、10〜20%であることがより好ましい。
(B)反応性シリコーン化合物の製造方法に特に限定はない。一例を挙げれば、オルガノトリメトキシシランを原料として製造することができる。例えば、環構造を形成する3官能ケイ素の各々に結合した有機基がフェニル基またはメチル基のいずれかである反応性シリコーン化合物は、フェニルトリメトキシシランおよびメチルトリメトキシシランを原料に用いて製造することができる。
その場合、加水分解のために添加する水の量をオルガノトリメトキシシランと略等モルとし、例えば塩酸を触媒に用いて加水分解および重縮合を行うことにより、環構造を備えるシリコーン化合物を生成させることができる。その後、弱酸を触媒に用いることによって、残留したメトキシ基を部分的に加水分解して水酸基に転化することができる。環構造のシリコーン化合物を形成する前に、フェニルトリメトキシシランおよび/またはメチルトリメトキシシランの一部にトリメチルエトキシシランを反応させておくと、トリメチルシロキシ基を導入することができる。
1.3 (C)縮合触媒 実施形態に係る硬化性シリコーンにおける縮合触媒の役割は、シラノール間の脱水縮合反応や、ケイ素原子に結合したメトキシ基とシラノールの間の脱メタノール縮合反応を促進させることである。
縮合触媒には各種の有機酸、無機酸を使用することができる他、Sn(スズ)、Zn(亜鉛)、Fe(鉄)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Bi(ビスマス)、Hf(ハフニウム)、Y(イットリウム)、Al(アルミニウム)、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)などの金属と有機成分を含む、有機金属錯体、金属アルコキシド、金属有機酸塩などを好ましく用いることができる。
ジルコニウムを含有する縮合触媒としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシジアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムアシレート、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムオクトエート、ジルコニル(2−エチルヘキサノエート)、ジルコニウム(2−エチルヘキソエート)などが挙げられる。
ハフニウムを含有する縮合触媒としては、上記例示したジルコニウム化合物のジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物が挙げられる。
チタンを含有する縮合触媒としては、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラノルマルブトキシド、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテートなどが挙げられる。
亜鉛を含有する縮合触媒としては、亜鉛トリアセチルアセトネート、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛(II)(一水和物)、などが挙げられる。
スズを含有する縮合触媒としては、テトラブチルスズ、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキサイド、テトラオクチルスズ、ジオクチルスズジクロライド、ジオクチルスズオキサイド、テトラメチルスズ、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(ネオデカノエート)スズ、ジ−n−ブチルビス(エチルヘキシルマレート)スズ、ジ−ノルマルブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−ノルマルブチルブトキシクロロスズ、ジ−ノルマルブチルジアセトキシスズ、ジ−ノルマルブチルジラウリル酸スズ、ジメチルジネオデカノエートスズなどが挙げられる。
ガリウムを含有する縮合触媒としては、トリス(アセチルアセトネート)ガリウム、酢酸ガリウム、オキシ酢酸ガリウム、トリエトキシガリウム、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、シュウ酸ガリウム、エチルキサントゲン酸ガリウム、ジエチルエトキシガリウム、マレイン酸ガリウム等、オクチル酸ガリウム、ラウリン酸ガリウムなどが挙げられる。トリス(アセチルアセトネート)ガリウムは、ガリウムアセチルアセトネートとも呼ばれる。
アルミニウムを含有する縮合触媒としては、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウムなどが挙げられる。
1.4 硬化性シリコーン樹脂
実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂は、加熱すると、主として(A)直鎖リッチシリコーンと(B)反応性シリコーン化合物との間、および、(B)反応性シリコーン化合物同士の間に結合が形成されることによって、3次元架橋構造を備えた硬化物となる。
硬化性シリコーン樹脂が含有する(A)直鎖リッチシリコーンと(B)反応性シリコーン化合物の重量比は、例えば、8:2〜2:8とすることができ、好ましくは3:7〜4:6である。 硬化性シリコーン樹脂が含有する(C)縮合触媒の量は、例えば、成分(A)および(B)の合計重量100重量部に対して0.03重量部〜1.0重量部とすることができる。(C)縮合触媒の種類は1種類に限られるものではなく、2種以上の縮合触媒を様々な比率で組み合わせて用いることができる。
好ましい実施形態のひとつは、平均単位式:
(PhSiO3/2b1(MeSiO3/2b2(MeSiO1/2b3(01/2Me)b4(O1/2H)b5
{式中、Phはフェニル基、Meはメチル基であり、b1は正数、b2は正数、b3は0または正数、b4は正数、b5は0または正数であり、b1/(b1+b2)は0.2〜0.8の数であり、b3/(b1+b2)は0〜0.3の数であり、(b4+b5)/(b1+b2)は0.1〜0.99の数であり、b4/(b4+b5)は0.25〜1の数である}で表され、分子量1000以下の成分を含む、T単位リッチシリコーンと、
平均単位式:
(Phx1Me3−x1SiO1/2a1(Phx2Me2−x2SiO2/2a2(Phx3Me1−x3SiO3/2a3(SiO4/2a4(01/2Me)a5(01/2H)a6
{式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、x1は0〜3の数、x2は0〜2の数、x
3は0〜1の数、a1は0または正数、a2は正数、a3は0または正数、a4は0または正数、a5は0または正数、a6は正数、a2/(a1+a2+a3+a4)は0.9〜1の数、(a5+a6)/(a1+a2+a3+a4)は0.002〜0.2の数である}で表されるD単位リッチシリコーンと、
縮合触媒と、を混合することにより得られる硬化性シリコーン樹脂である。
上記T単位リッチシリコーンは上述の(A)反応性シリコーン化合物を含有するものであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば700〜1200である。
T単位リッチシリコーンは、(MeSiO1/2)単位を有するシリコーン化合物(トリメチルシロキシ基を有するシリコーン化合物)を含むとき低粘度となるので、b3/(b1+b2)は好ましくは0.05以上である。(MeSiO1/2)単位の含有量が多過ぎるとT単位リッチシリコーンの反応性が低下するので、b3/(b1+b2)は0.3以下であることが好ましく、また、T単位リッチシリコーンが(MeSiO1/2)単位を有するシリコーン化合物と有さないシリコーン化合物とを含有することが好ましい。
T単位リッチシリコーンは、3官能ケイ素原子に結合した反応性基に占めるシラノール水酸基の比率が高くなると高粘度化することから、b4/(b4+b5)は好ましくは0.25以上である。反対に、シラノール含有量が少な過ぎると反応性が低くなることから、b4/(b4+b5)は好ましくは0.75以下である。粘度と反応性のバランスが最も良好となるのは、b4/(b4+b5)が0.4〜0.6のときである。
T単位リッチシリコーンは、極性が近接したシリコーン化合物の集合体であることが好ましい。換言すれば、T単位リッチシリコーンに含まれるシリコーン分子のそれぞれが有するメトキシ基の数をN、水酸基の数をNとしたとき、N/(N+N)の分布が単一のピークを有することが好ましい。同じb4/(b4+b5)を有するT単位リッチシリコーンにおいて、N/(N+N)のピークが単一であるものと複数であるものとでは、後者の方がD単位リッチシリコーンとの混和性が低くなる場合がある。更に、N/(N+N)のピークを複数有するT単位リッチシリコーンを用いた硬化性シリコーン樹脂では、白色LED用の封止材用途において、添加した蛍光体粒子の凝集が生じ易くなる傾向がある。
上記D単位リッチシリコーンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3000〜20000であることが好ましい。
上記T単位リッチシリコーン、D単位リッチシリコーンおよび触媒を混合して得られる硬化性シリコーン樹脂は、フェニル基含有量が30〜50重量%であることが好ましい。あるいは、含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4であることが好ましい。
また、上記T単位リッチシリコーン、D単位リッチシリコーンおよび触媒を混合して得られる硬化性シリコーン樹脂における、3官能ケイ素の有効含有量は、好ましくは4.0mmol/g以上、より好ましくは4.4mmol/g以上であり、上限は特にないが、通常は8.0mmol/g以下である。
フェニル基含有量あるいはフェニル基とメチル基のモル比と、3官能ケイ素の有効含有量を上記好ましい範囲内とした硬化性シリコーン樹脂は、その硬化物が特に優れたガスバリア性を示すものとなる。
上記T単位リッチシリコーン、D単位リッチシリコーンおよび縮合触媒を用いて製造される硬化性シリコーン樹脂は、1液型であり得る他、2液型、3液型などで有り得る。2液型の一例は、T単位リッチシリコーンとD単位リッチシリコーンの混合液を第1液とし
、D単位リッチシリコーンに縮合触媒を溶解させたものを第2液としたものである。
縮合触媒には、有機金属錯体、金属アルコキシド、金属有機酸塩のような有機−金属化合物を好ましく用いることができる。特に、GaまたはZnを含む有機−金属化合物は、3官能ケイ素を豊富に含むシリコーン樹脂や、フェニル基を豊富に含むシリコーン樹脂の硬化触媒として好適である。一方、Zrを含む有機−金属化合物は末端シラノールを有する直鎖シリコーンを豊富に含むシリコーン樹脂の硬化触媒として好適である。
従って、実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂には、GaまたはZnを含む有機−金属化合物と、Zrを含む有機−金属化合物の両方を、縮合触媒として添加することが好ましい。
実施形態に係る硬化性シリコーン樹脂を硬化させる場合、縮合反応に伴い生成する水、メタノール等の脱離物質が気泡となって硬化物中に残らないように、温度を徐々に上げながら硬化させることが望ましい。例えば、80〜90℃で1〜2時間、110〜130℃で1〜2時間、160〜180℃で2時間、という具合に、段階的に温度を上げていく。
2.応用例
本発明の硬化性シリコーン樹脂は、無機または有機の発光素子を初めとする様々な光学素子の封止や、表面保護コーティングに用いることができる。
更に、本発明の硬化性シリコーン樹脂を素材に用いて、レンズ、導光板、光拡散板のような光学デバイスを作製することも可能である。
その他、本発明の硬化性シリコーン組成物は、光学素子用の接着剤に用いることもできる。
図1に、本発明の硬化性シリコーン樹脂を用いて製造することができる発光デバイスの断面図を示す。発光デバイス100は、銀メッキが施されたリードフレーム11と、該リードフレームと一体的に形成された樹脂製のリフレクタ12と、からなるパッケージ10を有している。該パッケージ10が有するキャビティ内にはLEDチップ20が収容されている。LEDチップ20は接着剤(図示せず)を用いてリードフレーム11の露出部分に固定されており、LEDチップ20に設けられた正負の電極のそれぞれは、AuまたはCuからなるボンディングワイヤ30によりリードフレーム11に接続されている。LEDチップ20とボンディングワイヤ30は、本発明の硬化性シリコーン樹脂の硬化物である封止材40で封止されている。
LEDチップ20は、AlGaAs系半導体を用いた赤色LEDチップ、AlGaInP系半導体を用いた黄色LEDチップ、GaP系半導体を用いた緑色LEDチップ、ZnSe系半導体を用いた緑〜青色LEDチップ、AlGaInN系半導体を用いた緑色〜紫外LEDチップなどであり得る。封止材40には、チキソ剤としてヒュームドシリカを分散させることができる他、LEDチップ20が発する光を拡散させる光拡散材粒子や、LEDチップ20が発する光の波長を変換する蛍光体粒子を分散させることができる。
LEDチップ20が近紫外光または紫光を発する場合には、波長変換物質として青色蛍光体、緑色蛍光体および赤色蛍光体を封止材40中に分散させることにより、発光デバイス100を白色発光デバイスとすることができる。LEDチップ20が青光を発する場合には、波長変換物質として黄色蛍光体を封止材40中に分散させることにより、発光デバイス100を白色発光デバイスとすることができる。
青色蛍光体の好適例には(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Eu等がある。
緑色蛍光体の好適例にはY(Al,Ga)12:Ce、Lu(Al,Ga)12:Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、β型サイアロン:Eu、Sr3Si13
Al3221:Eu、Sr5Al5Si21235:Eu、、(Ba,Ca,Sr)3Si6
122:Eu、(Ba,Ca,Sr)3Si694:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si222:Eu等がある。
黄色蛍光体の好適例にはYAl12:Ce、(Y,Gd)Al12:Ce、Tb3Al512:Ce、Lu3Al512:Ce、La3Si611:Ce、Ca1.5xLa3-xSi611:Ce、(Sr,Ca,Ba,Mg)SiO:Eu、α型サイアロン:Eu、Nature Communications 3, Article number: 1132で報告された「Cl_MS蛍光
体」等がある。
赤色蛍光体の好適例には(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、SrAlSi47:Eu、(La,Y)S:Eu、KSiF:Mn等がある。
3.実験結果(I)
3.1 T単位リッチシリコーンの合成例
T単位リッチシリコーンを下記手順で合成した。
3.1.1 シリコーン形成
(1)反応容器中でトルエン:89.4g、メタノール:89.4g、フェニルトリメトキシシラン(PTMS):198g(1.00mol)、トリメチルエトキシシラン(TMES):23.6g(0.200mol)を混合後、氷浴を用いて混合物の温度を5℃以下とした。
(2)反応容器内に1NHClaq:22.4gとメタノール:22.4gの混合溶液を滴下し、その後10分間撹拌した。
(3)反応容器内にメチルトリメトキシシラン(MTMS):136g(1.00mol)を滴下し、その後10分間撹拌した。
(4)反応容器内に1NHClaq:18.7gとメタノール:22.4gの混合溶液を滴下し、その後10分間撹拌した。
(5)反応容器を氷浴から取出し、更に、反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。
(6)反応混合物をトルエンおよび酢酸エチルで希釈のうえ、洗浄液の導電率が10μS未満かつpHが7となるまで脱イオン水による洗浄を行った。洗浄後、反応混合物を減圧下で60℃に加熱して溶媒を留去した。
3.1.2 メトキシ基の部分加水分解
(1)反応容器中で脱イオン水:165g、酢酸:1.65g(0.0275mol)およびメタノール:165gを混合した後、該混合物に対して、上記3.1.1で得たシリコーンの半分(110g)をTHF:300gに溶解させた溶液を投入し、均一化するまで撹拌した。
(2)反応溶液を75℃に加熱し、サンプリング測定(*)により求めた残存メトキシ基量がモル比で40〜50%となるまで撹拌を行った。(残存メトキシ基量の算出においては、上記3.1.1で用いたPTMSおよびMTMSがそれぞれ持つ3つのメトキシ基のうち、2つが単環シリコーンの形成に消費されたと仮定し、残ったメトキシ基のモル数、すなわちPTMSとMTMSの仕込みモル数の総和を100%とした。なお、上記3.1.1でTEMSの全量がPTMSまたはMTMSのメトキシ基と反応したと仮定すると、この100%のメトキシ基のうち10%はTEMSと反応したことになる。)
*サンプリングした反応混合物を酢酸エチルで希釈のうえ、脱イオン水で洗浄した。洗浄後、反応混合物を50℃に加熱し、エバポレータを用いた溶媒留去、真空ポンプを用い
た乾燥を順次行った。こうして反応混合物から取り出したシリコーンを重アセトンに溶解してH‐NMR分析を行い、メトキシ基のシグナル(3.5ppm付近)とフェニル基のシグナル(7〜8ppm)の強度比に基づいて残存メトキシ基量を算出した。
(3)反応混合物を減圧下で50℃を超えないように加熱して溶媒を留去した。
(4)反応混合物を酢酸エチルで希釈し、洗浄液の導電率が10μS未満かつpHが7となるまで脱イオン水による洗浄を行った。洗浄後、No.5C濾紙を用いて濾過した。
(5)反応混合物の温度が50℃を超えないように加熱しながらロータリーエバポレータを用いて溶媒留去した後、真空ポンプを用いて減圧しつつ、流量200mL/minで窒素バブリングをしながら75℃に加熱することにより、シリコーン中に残留した溶媒を完全に除去した。操作終了後、シリコーンから酢酸エチルが検出されないことをH−NMRにより確認した。
3.1.3 評価
(1)GPC
上記手順にて得たT単位リッチシリコーンのポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCにより測定した。その結果、試作ロットによる変動が見られたが、720〜1150の範囲内であった。
(2)NMR
上記手順にて得たT単位リッチシリコーンのNMR分析を、500MHz−NMR(Varian Inova 500)を用いて行った。29Si−NMR測定は、溶媒に重クロロホルム、緩和試薬にCr(acac)を用い、ヘキサメチルジシロキサン(7.22ppm)を化学シフト基準として、温度25℃にて行った。H−NMR測定は、溶媒に重DMSOを用い、DMSO(2.50ppm)を化学シフト基準として、温度25℃にて行った。
29Si−NMRから得られたSi−Ph、Si−MeおよびTMSのモル比は10:13:2.4であり、H−NMRから得られたSi−Ph基、Si−Me基(TMS基を含む)、Si−OMe基、Si−OH基のモル比は10:14:7:2であった。これらの結果を総合すると、Si−Ph、Si−Me、TMS、Si−OMe,Si−OHの比は、10:9:2:7:2と見積もられた。
(3)粘度
上記手順にて得たT単位リッチシリコーンの粘度を東京計器(株)製E型粘度計EHDを用いて測定した。その結果、25℃における粘度は1400mPa・sであった。
(4)MALDI−TOF質量分析
上記手順にて得たT単位リッチシリコーンの質量分析をMALDI−TOF型質量分析器(Applied Biosystems Voyager−DE STR)を用いて行った。条件は、イオン化法:MALDI(正イオンモード)、加速電圧:20kV、イオン化収束モード:リフレクターモード、マトリックス:DHB(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)とした。
測定の結果得られたシリコーン化合物の推定構造の一部を図2〜図5に示す。
3.2 D単位リッチシリコーンの合成例
D単位リッチシリコーンを下記手順で合成した。
3.2.1 シリコーン形成
(1)反応容器中でIPA(イソプロピルアルコール):31.8g、ジフェニルジメトキシシラン:146g(0.601mol)、ジメチルジメトキシシラン:140g(1.17mol)、脱イオン水:636g(35.3mol)を混合した。
(2)反応容器内に更にDBU(ジアザビシクロウンデセン):14.3g(0.0941mmol)を加え混合した後、該混合物を80℃に加熱して2時間撹拌した。
(3)温度を80℃に保持したまま、反応混合物にIPA:1.18gおよびジメチルジメトキシシラン:10.6g(0.0883mol)の混合溶液を加え、更に3時間撹拌した。
(4)温度を80℃に保持したまま、反応混合物にメチルトリメトキシシラン3.29g(0.0242mol)を加え、更に3時間撹拌した。
(5)加熱を停止し、反応混合物の温度が50℃未満となったところで、10%NaHPOaqを反応容器内に投入し中和した。
(6)トルエン:200mLを反応容器内に投入し撹拌した後、反応容器の内容物を分液ロートに移し、水相を除去した。次いで、有機相(反応混合物)を10%NaHPOaqでもう一度洗浄し、更に、洗浄液の導電率が10μS未満となるまで脱イオン水で洗浄した。
(7)減圧下で加熱することにより反応混合物から溶媒を留去した。
3.2.2 メトキシ基の加水分解
(1)上記3.2.1で得たシリコーン96.9gと、THF(テトラヒドロフラン):129gおよびIPA:129gを反応容器中で均一となるまで撹拌した。
(2)反応容器内に更に1NHClaq(1規定塩酸水溶液)64.6gを投入した後、反応混合物を75℃に加熱して撹拌した。サンプリング測定により、反応混合物中のシリコーンからメトキシ基の消失が確認されるまで加熱および撹拌を続けた。
*サンプリングした反応混合物をトルエンで希釈のうえ、10%NaHCOaqで洗浄し、次いで脱イオン水で洗浄した。洗浄後、溶媒を留去して反応混合物から取り出したシリコーンを重アセトンに溶解してH‐NMR分析を行い、メトキシ基のシグナル(3.5ppm付近)の有無を確認した。
(3)加熱を停止後、反応混合物の温度が40℃以下となったところで、10%NaHCOaq:59.7gを反応容器内に滴下した。次いで、10%NaHPOaq:31.0gを反応容器内に滴下し、pHが5〜7となったことを確認後、減圧下で加熱して溶媒を留去した。
(4)反応混合物をトルエンで希釈のうえ、10%NaHPOaqで洗浄し、次いで洗浄液の導電率が10μS未満となるまで脱イオン水で洗浄した。
(5)減圧下で加熱することにより反応混合物から溶媒を留去した。
3.2.3 環状体の除去
(1)3.2.2でメトキシ基を除去したシリコーン50〜70gに対し、メタノール675g/脱イオン水75gの混合溶液を加え、60℃に加熱して1時間撹拌した。次いで室温で静置し、上澄みを除去した。
(2)容器底部に残ったシリコーンをピペットを用いてサンプリングし、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)にて環状体の含有量を測定した。含有量が5重量%より多い場合は、再び上記(1)の操作を行った。
(3)環状体の含有量が5重量%以下となったシリコーンをトルエンに溶解し、No.5C濾紙を用いて濾過した。
(4)ロータリーエバポレータを用いて溶媒留去した後、真空ポンプを用いて減圧しつつ、流量200mL/minで窒素バブリングをしながら加熱することにより、シリコーン中に残留した溶媒を完全に除去した。溶媒留去の際の加熱温度は操作終了後、シリコーンからトルエンが検出されないことをH−NMRにより確認した。
3.2.4 評価
上記手順にて得たD単位リッチシリコーンの粘度を、東京計器(株)製E型粘度計EHDを用いて測定した。その結果、25℃における粘度は10000mPa・sであった。
3.3 硬化性シリコーン樹脂の作製例
上記3.1で合成したT単位リッチシリコーン:2.2g、上記3.2で合成したD単位リッチシリコーン:1.8g、ガリウムトリアセチルアセトネート:0.006g、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート:0.004gを混合した。混合直後の混合物2.0gを直径5cmのPFA製シャーレに注ぎ入れ、50℃で2時間、次いで70℃で1時間、次いで120℃で1時間、次いで170℃で2時間保持して硬化させたところ、厚さ約0.7mmの円板状の硬化物が得られた。JIS K6253に準拠してこの硬化物のデュロメータ硬さを測定したところA58であった。
また、上記3.1で合成したT単位リッチシリコーン:2.2g、上記3.2で合成したD単位リッチシリコーン:1.8g、ガリウムトリアセチルアセトネート:0.006g、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート:0.004g、ヒュームドシリカ:0.08gを混合して得た混合物を約2g、上記と同様にして直径5cmのPFA製シャーレに入れて硬化させたところ、硬化物の重量は硬化前の樹脂組成物の重量の95.0%であった。
4.実験結果(II)
下記表1に記す4種類の硬化性シリコーン樹脂組成物(組成物1〜4)を作製した。これらの組成物に用いたT単位リッチシリコーンおよびD単位リッチシリコーンの合成は、それぞれ上記3.1および3.2で説明した合成例に準じて行った。
Figure 2014185293
下記の硫黄バリア性試験を行ったところ、組成物1〜3の硬化物は良好な硫黄バリア性を示した。特に、組成物1の硬化物で被覆したリードフレームは、目視では変色が認められない程であった。また、組成物2および組成物3で被覆したリードフレームは、一部が黒変しただけであった。
(硫黄バリア性試験)
おもて側にLEDチップを収納するための窪みを有し、銀メッキされたリードフレームが該窪みの底面部に露出しているSMD型LEDパッケージを用いた。このLEDパッケージの窪みに硬化性シリコーン樹脂組成物(組成物1〜3)を滴下し、加熱して硬化させることにより、該リードフレームの表面を厚さ約1mmの硬化物で被覆したものをサンプルとした。
このLEDパッケージサンプルを両面テープで取り付けた幅5cm、長さ8cmのスライドグラスを、直径6cm、深さ1.5cmのシャーレの開口部上に、LEDパッケージを取り付けた側を下向きにして置いた。シャーレ底にはイオウ粉末1gを均一に散らした。
このシャーレをスライドガラスごと蓋付きの大型シャーレ(直径15cm、深さ4.5cm)中に入れ、フッ素樹脂製のシールテープを用いて密封した。この大型シャーレを90℃の恒温槽中で2.5時間保持した後、パッケージサンプルを取り出して、リードフレームの変色状態を目視で観察した。
組成物4は、メトキシ基モル比がそれぞれ71%および14%である2種類のT単位リッチシリコーンと、D単位リッチシリコーンとを混合して作製したものである。本発明者等はこれとは別に、メトキシ基モル比がそれぞれ71%および7%である2種類のT単位リッチシリコーンと、D単位リッチシリコーンとを混合して硬化性シリコーン樹脂を作製することを試みたが、均一な混合物を得ることはできなかった。
その他、本発明者等はメトキシ基モル比が10%未満、かつ、M単位を含有しないT単位リッチシリコーンを合成したが、粘度が100Pa・sを超える高い値となり、ハンドリングが極めて困難であった。
本発明の硬化性シリコーン樹脂は、その用途が特に制限されるものではなく、何れの用途に用いても良いが、特に光学素子の封止の用途に好適に使用することができる。
本発明は、本明細書に明示的または黙示的に記載された実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変更して実施することができる。
10 パッケージ
11 リードフレーム
12 リフレクタ
20 LEDチップ
30 ボンディングワイヤ
40 封止材
100 発光デバイス

Claims (29)

  1. (A)水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を含有し、シロキシ単位の90%以上がD単位であり、かつ、アリール基およびアルキル基を有する、直鎖リッチシリコーンと、(B)T単位のみまたはT単位とM単位のみで構成され、水酸基またはメトキシ基が結合したケイ素原子を含有し、環構造を備える、分子量1000以下の反応性シリコーン化合物と、(C)縮合触媒と、を含有する硬化性シリコーン樹脂。
  2. 上記直鎖リッチシリコーンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が4000〜20000である、請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  3. 上記(B)反応性シリコーン化合物として、T単位のみからなるシリコーン化合物と、T単位およびM単位のみからなるシリコーン化合物と、を含有する、請求項1または2に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  4. 上記(B)反応性シリコーン化合物として、水酸基が結合したケイ素原子を有するシリコーン化合物と、メトキシ基が結合したケイ素原子を有するシリコーン化合物と、を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  5. 上記(B)反応性シリコーン化合物として、ケイ素原子に結合したアルキル基と、ケイ素原子に結合したアリール基と、を有するシリコーン化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  6. 上記直鎖リッチシリコーンがD単位のみを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  7. 含有するアリール基の99%以上がフェニル基であり、含有するアルキル基の99%以上がメチル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  8. フェニル基含有量が30〜50重量%であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、請求項7に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  9. 当該硬化性シリコーン樹脂が含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、請求項7に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  10. 上記直鎖リッチシリコーンが含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  11. 上記(A)直鎖リッチシリコーンおよび上記(B)反応性シリコーン化合物を含有し上記(C)縮合触媒を含有しない第1液と、上記(A)直鎖リッチシリコーンおよび上記(C)縮合触媒を含有し上記(B)反応性シリコーン化合物を含有しない第2液と、から構成される2液型の硬化性シリコーン樹脂である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  12. 上記縮合触媒が有機金属錯体、金属アルコキシドまたは金属有機酸塩を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  13. 上記縮合触媒がGaを含む有機−金属化合物、および、Znを含む有機−金属化合物から選ばれる少なくとも一種の有機−金属化合物を含む、請求項1〜12のいずれか一項に
    記載の硬化性シリコーン樹脂。
  14. 上記縮合触媒が更にZrを含む有機−金属化合物を含む、請求項13に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  15. 平均単位式:
    (PhSiO3/2b1(MeSiO3/2b2(MeSiO1/2b3(01/2Me)b4(O1/2H)b5
    {式中、Phはフェニル基、Meはメチル基であり、b1は正数、b2は正数、b3は0または正数、b4は正数、b5は0または正数であり、b1/(b1+b2)は0.2〜0.8の数であり、b3/(b1+b2)は0〜0.3の数であり、(b4+b5)/(b1+b2)は0.1〜0.99の数であり、b4/(b4+b5)は0.25〜1の数である}
    で表され、分子量1000以下の成分を含む、T単位リッチシリコーン。
  16. ポリスチレン換算の重量平均分子量が700〜1200である、請求項15に記載のT単位リッチシリコーン。
  17. b3/(b1+b2)が0.05以上である、請求項15または16に記載のT単位リッチシリコーン。
  18. (MeSiO1/2)単位を有するシリコーン化合物と(MeSiO1/2)単位を有さないシリコーン化合物とを含有する、請求項17に記載のT単位リッチシリコーン。
  19. b4/(b4+b5)が0.75以下である、請求項15〜18のいずれかに記載のT単位リッチシリコーン。
  20. 上記T単位リッチシリコーンに含まれるシリコーン分子のそれぞれが有するメトキシ基の数をN、水酸基の数をNとしたとき、N/(N+N)の分布が単一のピークを有する、請求項19に記載のT単位リッチシリコーン。
  21. 上記〔15〕〜〔20〕のいずれかに記載のT単位リッチシリコーンと、下記の平均単位式で表されるD単位リッチシリコーンと、縮合触媒とを混合して得られる硬化性シリコーン樹脂:
    (Phx1Me3−x1SiO1/2a1(Phx2Me2−x2SiO2/2a2(Phx3Me1−x3SiO3/2a3(SiO4/2a4(01/2Me)a5(01/2H)a6
    {式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、x1は0〜3の数、x2は0〜2の数、x3は0〜1の数、a1は0または正数、a2は正数、a3は0または正数、a4は0または正数、a5は0または正数、a6は正数、a2/(a1+a2+a3+a4)は0.9〜1の数、(a5+a6)/(a1+a2+a3+a4)は0.002〜0.2の数である}。
  22. 上記D単位リッチシリコーンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が4000〜20000である、請求項21に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  23. フェニル基含有量が30〜50重量%であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、請求項21または22に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  24. 当該硬化性シリコーン樹脂が含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4であり、かつ、3官能ケイ素の有効含有量が4.0〜8.0mmol/gである、請求項21または22に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  25. 上記D単位リッチシリコーンが含有するフェニル基とメチル基のモル比が2:8〜6:4である、請求項21〜24のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  26. 上記D単位リッチシリコーンおよび上記T単位リッチシリコーンを含有し上記縮合触媒を含有しない第1液と、上記D単位リッチシリコーンおよび上記縮合触媒を含有し上記T単位リッチシリコーンを含有しない第2液と、から構成される2液型の硬化性シリコーン樹脂である、請求項21〜25のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  27. 上記縮合触媒が有機金属錯体、金属アルコキシドまたは金属有機酸塩を含む、請求項21〜26のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  28. 上記縮合触媒がGaを含む有機−金属化合物、および、Znを含む有機−金属化合物から選ばれる少なくとも一種の有機−金属化合物を含む、請求項20〜27のいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂。
  29. 上記縮合触媒が更にZrを含む有機−金属化合物を含む、請求項28に記載の硬化性シリコーン樹脂。
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