JP2014185223A - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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【課題】現在市販されているタイヤの多くは、主に石油などの化石資源由来の原材料を使用して製造され、CO2を発生させ環境上問題がある。そこで天然素材であるリグニンを用いて合成したリグニンスルホン酸塩を原材料の一部として使用する従来技術はあるが、ゴム成分中への分散性が悪く、モジュラス、破断物性、耐摩耗性を悪化させていた。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部配合することにより得られるゴム組成物と、該ゴム組成物を使用した空気入りタイヤによって、上記課題を解決した。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、天然素材の配合比率を高めたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
現在市販されているタイヤの多くは、主に石油などの化石資源由来の原材料を使用して製造されており、その製造時や廃棄時に地球温暖化の原因となるCO2が発生し、大気中のCO2量を増加させるという問題がある。地球温暖化が社会的問題となっている今日、主な原材料に植物由来の天然素材を用いることによって、CO2排出量の増加を抑え、環境に優しい空気入りタイヤ(エコタイヤ)を提供するという提案がなされている。
一方、空気入りタイヤは破断物性を向上させ、耐久性や操縦安定性を高めることが求められている。しかし、天然素材はその粒子サイズやゴムとの親和性によりタイヤ中で異物となり、耐久性や破断物性を悪化させるという問題点がある。
下記特許文献1は、ジエン系ゴム成分に対し、天然素材であるリグニンを用いて合成したリグニンスルホン酸塩またはその変性体を配合してなるゴム組成物を開示している。しかしながら特許文献1に開示されたリグニンスルホン酸塩またはその変性体は、ゴム成分中への分散性が悪く、所望の破断物性を得ることができない。
特開2008−308615号公報
したがって本発明の目的は、天然素材の配合比率を高め、破断物性等のタイヤ用途に重要な各種物性を向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
本発明は、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合することを特徴としている。酢酸リグニンは、針葉樹、広葉樹などの木本系植物、麦藁などの草本系植物といった天然素材としての植物を原料として調製することができるので、CO2排出量の増加を抑え、環境に優しい空気入りタイヤ(エコタイヤ)を提供することができる。また、酢酸リグニンは、ゴム成分中への分散性に優れ、破断物性を大幅に向上させることができる。したがって、操縦安定性に優れたゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(酢酸リグニン)
本発明には、リグニンとして酢酸リグニンが用いられる。
酢酸リグニンは、針葉樹、広葉樹などの木本系植物、麦藁などの草本系植物といった植物を原料とし、当該植物の細胞壁から、いわゆる酢酸蒸解法によって抽出することにより得られる。酢酸蒸解法の詳細については特に限定されるものではなく、例えば、原料としての植物を、数%の水と極微量の塩酸とを含む酢酸溶液中に浸漬した後、加熱するといった、公知の各種の方法を採用することができる。
また、本発明に用いる酢酸リグニンの軟化点は、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは100〜220℃、特に好ましくは150〜200℃である。酢酸リグニンの軟化点は、酢酸蒸解法における加熱温度、加熱時間などの抽出条件によって適宜調整できる。
酢酸リグニンは、タイヤ用ゴム組成物を調製する際、すなわちジエン系ゴムに配合する際には固体である。このため、配合時の作業性および取り扱い性に優れる。配合時の作業性および取扱い性は、固体の酢酸リグニンを粉砕し、粉末状に加工することでより向上させることができる。
また、ゴム組成物を調製するための混練時には、一般的に、ゴム成分の温度が酢酸リグニンの軟化点を超えるか、または軟化点に近い温度となる。これにより、酢酸リグニンはゴム成分中で流動性を発現するか、または相溶性に優れた状態になると考えられ、その結果、酢酸リグニンがゴム成分中に均一に分散する。
ゴム成分中でのリグニン類の流動状態または相溶状態については、後述する実施例1〜3と比較例1〜2との対比により明示している。すなわち、酢酸リグニンは、加硫時の流動性が良好であるか、または加硫時にゴム成分との相溶性が良好であると考えられ、ゴム成分への分散性が良好となる。これに対し、クラフトリグニンやリグニンスルホン酸カルシウムは、加硫時の流動性や加硫時のゴム成分との相溶性が十分でないと考えられ、ゴム成分への分散性が低くなる。
なお、酢酸リグニンの軟化点は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した。具体的には、まず測定試料を、一旦250℃まで昇温して、5分間保持した後、直ちに室温まで冷却した。この試料約10mgを秤取し、−20℃から250℃程度までの温度範囲で、毎分10℃の条件で昇温しながら測定した。測定結果から得られたカーブの吸熱ピークの値を軟化点とした。
(充填剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばシリカ、カーボンブラック、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。中でもカーボンブラックが好ましい。
(タイヤ用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部配合してなることを特徴とする。
酢酸リグニンの配合量が0.05質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると、破断物性が悪化する。
酢酸リグニンのさらに好ましい配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜15質量部である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、充填剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のタイヤ用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、とくにトレッド、好ましくはキャップトレッドに適用するのがよい。
これとは別に、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ビードフィラー、サイドウォール、リムクッション、ガムフィニッシング、競技用タイヤのトレッド、ベルトコートのタイヤの各パーツに適用することも好適である。
タイヤビードフィラー用ゴム組成物としては、破断物性のほかに、硬度、耐クラック性等の向上が求められる。これを満たすために、タイヤビードフィラー用ゴム組成物は、NR30質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部、窒素吸着比表面積(NSA)が25〜100m/g、好ましくは40〜93m/gのカーボンブラックを30〜100質量部、ノボラック型フェノール樹脂およびメチレン供与体をその合計として1〜50質量部配合するのが好ましい。メチレン供与体は、ノボラック型フェノール樹脂に対し、5〜15質量%添加するのがよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂およびクレゾール樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂であり、これらはいずれも公知の樹脂である。ノボラック型フェノール系樹脂は、オイルまたは脂肪酸で変性していてもよく、例えば、ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸などのオイルで変性した樹脂を挙げることができる。
メチレン供与体は、ヘキサメチレンテトラミンやメラミン誘導体等が挙げられる。メラミン誘導体は、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N’’−トリメチル−N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N’’−トリブチル−N,N’,N’’−トリメチロールメラミン等が挙げられる。
タイヤサイドウォール、リムクッションおよびガムフィニッシング用ゴム組成物としては、破断物性のほかに、弾性率、耐セット性等の向上が求められる。これを満たすために、タイヤサイドウォール、リムクッションおよびガムフィニッシング用ゴム組成物は、NR30〜70質量部およびBR70〜30質量部を含むジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部、窒素吸着比表面積(NSA)が30〜130m/g、好ましくは99〜120m/gのカーボンブラックを30〜90質量部配合するのが好ましい。
競技用タイヤのトレッド用ゴム組成物としては、破断物性のほかに、モジュラス、耐摩耗性等の向上が求められる。これを満たすために、競技用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、ガラス転移温度(Tg)−20℃以上のSBR40質量部以上を含むジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部、窒素吸着比表面積(NSA)が130〜300m/g、好ましくは140〜280m/gのカーボンブラック60〜150質量部配合するのが好ましい。
タイヤベルトコート用ゴム組成物としては、破断物性のほかに、モジュラス、耐セパレーション性等の向上が求められる。これを満たすために、タイヤベルトコート用ゴム組成物は、NR100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部、
有機酸コバルト塩をコバルト量として0.1〜0.5質量部配合するのが好ましい。有機酸コバルト塩としては、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、リノール酸コバルト、リノレイン酸コバルト、パルミチン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸三ネオデカン酸コバルト等が挙げられる。また、ノボラック型フェノール樹脂をNR100質量部に対し、0.1〜5質量部配合するのがさらに好ましい。ノボラック型フェノール樹脂は、上記で例示したとおりである。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1〜3および比較例1〜3
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、約150℃でミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫促進剤および硫黄を加えてオープンロールにて混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
100%モジュラス(M100)および破断強度(TB):JIS K6251に準拠して引張試験にて評価した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この指数が高いほどモジュラスまたは破断強度が高く、また、ゴム成分中への酢酸リグニンの分散性も良好であると判断できる。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機を用い、荷重4.0kg(39N)、スリップ率30%の条件にて測定した。結果は標準例の値を100として指数表示した。この指数が高いほど耐摩耗性に優れることを意味する。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2014185223
*1:NR(STR20)
*2:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN234)
*3:酢酸リグニン(軟化点:50〜200℃)
*4:クラフトリグニン(木本系植物からクラフト法によってパルプを抽出した際に副生成物として得られたリグニン)
*5:リグニンスルホン酸塩(日本製紙ケミカル(株)製サンエキスscp、リグニンスルホン酸カルシウム)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*8:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*9:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS−P)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜3で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合したので、従来の代表的な標準例1に比べて、ゴム成分中への酢酸リグニンの分散性が高まり、モジュラス、破断強度および耐摩耗性が同時に向上している。
これに対し、比較例1は、クラフトリグニンを配合した例であるので、破断強度および耐摩耗性が悪化した。
比較例2は、酢酸リグニンの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断強度および耐摩耗性が悪化した。
比較例3は、リグニンスルホン酸カルシウムを配合した例であるので、モジュラス、破断強度および耐摩耗性がいずれも悪化した。
標準例2、実施例4〜5
本発明のタイヤ用ゴム組成物のビードフィラーへの適合性を評価した。
表2に示す配合(質量部)において、実施例1と同様に加硫ゴム試験片を作成し、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
耐クラック性:JIS K6260に準拠して屈曲亀裂成長試験を行った。結果は標準例2の値を100として指数表示した。この指数が高いほど耐クラック性が良好であることを意味する。
破断強度(TB):JIS K6251に準拠して引張試験にて評価した。結果は標準例2の値を100として指数表示した。この指数が高いほど破断強度が高く、また、ゴム成分中への酢酸リグニンの分散性も良好であると判断できる。
硬度:JIS K6301に準拠して測定した。結果は標準例2の値を100として指数表示した。この指数が高いほど硬度が高く良好であることを意味する。
結果を表2に併せて示す。
Figure 2014185223
*1:NR(RSS#3)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製Nipol 1502)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シーストSO、NSA=42m/g)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*6:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*7:酢酸リグニン(実施例1で使用したもの)
*8:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製カシュー変性フェノール樹脂)
*9:メチレン供与体(大内新興化学工業(株)製ヘキサメチレンテトラミン)
*10:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*11:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
上記の表2から明らかなように、実施例4〜5で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合したので、従来の代表的な標準例2に比べて、硬度を維持しながら、耐クラック性および破断強度が改善され、ビードフィラー用として好適であることが示された。
標準例3、実施例6〜8
本発明のタイヤ用ゴム組成物のタイヤサイドウォール、リムクッションおよびガムフィニッシングへの適合性を評価した。
表3に示す配合(質量部)において、実施例1と同様に加硫ゴム試験片を作成し、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
耐セット性:JIS K6301に準拠して測定した。結果は標準例3の値を100として指数表示した。この指数が高いほど耐熱セット性が良好であることを意味する。
破断強度(TB):JIS K6251に準拠して引張試験にて評価した。結果は標準例3の値を100として指数表示した。この指数が高いほど破断強度が高く、また、ゴム成分中への酢酸リグニンの分散性も良好であると判断できる。
硬度:JIS K6301に準拠して測定した。結果は標準例3の値を100として指数表示した。この指数が高いほど硬度が高く良好であることを意味する。
結果を表3に併せて示す。
Figure 2014185223
*1:NR(RSS#3)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック−1(東海カーボン(株)製シースト6、NSA=119m/g)
*4:カーボンブラック−2(東海カーボン(株)製シーストSO、NSA=42m/g)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*7:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*8:酢酸リグニン(実施例1で使用したもの)
*9:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
上記の表3から明らかなように、実施例6〜8で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合したので、従来の代表的な標準例3に比べて、硬度を維持しながら(硬度は指数97まで許容できる)、耐セット性および破断強度が改善され、タイヤサイドウォール、リムクッションおよびガムフィニッシング用として好適であることが示された。
標準例4、実施例9〜10
本発明のタイヤ用ゴム組成物の競技用タイヤのトレッドへの適合性を評価した。
表4に示す配合(質量部)において、実施例1と同様に加硫ゴム試験片を作成し、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
300%モジュラス(M300):JIS K6251に準拠し、100℃にて引張試験を行い、300%変形モジュラスを測定した。結果は標準例4の値を100として指数表示した。この指数が高いほどモジュラスが高いことを意味する。
破断強度(TB):JIS K6251に準拠し、100℃にて引張試験を行い、破断時の強度を求めた。結果は標準例4の値を100として指数表示した。この指数が高いほど破断強度が高く、また、ゴム成分中への酢酸リグニンの分散性も良好であると判断できる。
耐摩耗性:ランボーン摩耗試験機を用い、JIS K6264に準拠し、荷重4.0kg(39N)、スリップ率30%の条件にて測定した。結果は標準例4の値を100として指数表示した。この指数が高いほど耐摩耗性が高く良好であることを意味する。
結果を表4に併せて示す。
Figure 2014185223
*1:SBR(日本ゼオン(株)製Nipol NS412、ゴム成分のTg=−6℃、油展量=SBR100質量部に対し50質量部)
*2:カーボンブラック(三菱化学(株)製ダイアブラックA、NSA=142m/g)
*3:アロマオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*6:老化防止剤(フレキシス社製6PPD)
*7:酢酸リグニン(実施例1で使用したもの)
*8:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*9:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
上記の表4から明らかなように、実施例9〜10で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合したので、従来の代表的な標準例4に比べて、モジュラス、破断強度および耐摩耗性が改善され、競技用タイヤのトレッド用として好適であることが示された。
標準例5、実施例11〜13
本発明のタイヤ用ゴム組成物のベルトコートへの適合性を評価した。
表5に示す配合(質量部)において、実施例1と同様に加硫ゴム試験片を作成し、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
100%モジュラス(M100):JIS K6251に準拠し、100℃にて引張試験を行い、100%変形モジュラスを測定した。結果は標準例5の値を100として指数表示した。この指数が高いほどモジュラスが高いことを意味する。
破断強度(TB):JIS K6251に準拠し、100℃にて引張試験を行い、破断時の強度を求めた。結果は標準例5の値を100として指数表示した。この指数が高いほど破断強度が高く、また、ゴム成分中への酢酸リグニンの分散性も良好であると判断できる。
耐水接着性:ASTM D1871に準拠し、ブラスメッキワイヤーを用いて測定した。結果は、標準例5の値を100として指数で表示した。この指数が高いほど、ゴム付着力が大きく、ゴムとワイヤの接着性が良好であり、耐水接着性に優れることを意味する。
結果を表5に併せて示す。
Figure 2014185223
*1:NR(STR20)
*2:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN234)
*3:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*4:老化防止剤(フレキシス社製6PPD)
*5:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*6:酢酸リグニン(実施例1で使用したもの)
*7:クレゾール樹脂(田岡化学工業(株)製スミカノール610)
*8:PMMM(バラケミカル製スミカノール507A、ペンタメトキシメチロールメラミン、メラミン誘導体65%)
*9:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS−P)
上記の表5から明らかなように、実施例11〜13で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムに酢酸リグニンを特定量配合したので、従来の代表的な標準例5に比べて、耐水接着性を維持しながら、モジュラスおよび破断強度が改善され、ベルトコート用として好適であることが示された。

Claims (2)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、酢酸リグニンを0.05〜20質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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