JP2014182873A - 非水二次電池電極形成材料、非水二次電池電極、及び非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池電極形成材料、非水二次電池電極、及び非水二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】レート特性、サイクル特性が良好な非水二次電池および非水二次電池電極を提供すること。
【解決手段】上記課題は、導電助剤である、粒子の厚みが0.5nm〜30nm、比表面積が50m2/g以上である薄片状黒鉛を含む非水二次電池電極形成用組成物によって解決できる。また、上記課題は、更に液状媒体、前記薄片状黒鉛以外の炭素材料、分散剤、バインダー、活物質を含む非水二次電池電極形成用組成物によって解決できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水二次電池電極形成材料、及びその材料を用いて得られる二次電池用電極、及びその電極を用いて得られる二次電池に関する。
近年、デジタルカメラや携帯電話のような小型携帯型電子機器が広く用いられるようになってきた。これらの電子機器には、容積を最小限にし、かつ重量を軽くすることが常に求められてきており、搭載される電池においても、小型、軽量かつ大容量の電池の実現が求められている。また、自動車搭載用などの大型二次電池においても、従来の鉛蓄電池に代えて、高エネルギー密度、高出力の大型非水電解質二次電池の実現が望まれている。
そのような要求に応える電池として、リチウムイオン二次電池の開発が活発に行われている。リチウムイオン二次電池の電極としては、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な正極活物質と導電助剤と有機バインダー等からなる合材を、金属箔の集電体の表面に固着させた正極、および、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な負極活物質と導電助剤と有機バインダー等からなる合材を、金属箔の集電体表面に固着させた負極が使用されている。
導電助剤としては、一般にカーボンブラックが用いられている。カーボンブラックは黒鉛等の他の導電性材料と比較して大きな比表面積を有している。そのため、多数の活物質との接触が可能となって電極の導電性が向上する。
しかしながら、特に自動車搭載用などのリチウムイオン二次電池においては、高速で放電した際に大きな容量を維持できること、および高速放電時に高い電位を保持できること(レート特性)が求められており、このレート特性を向上させるには電極の導電性をさらに向上させることが求められていた。また、活物質は充放電のたびに膨張収縮を繰り返すが、カーボンブラック等の平均粒子径が比較的小さい導電助剤では、活物質の体積変化に起因して活物質間あるいは活物質と集電体との間の電子伝導パスが保持できなくなってしまい、結果としてサイクル特性が悪化するという課題があった。
サイクル特性を向上させるための手段として、鱗片状黒鉛が報告されている。鱗片状黒鉛は、sp2炭素原子が六角網面状に結合して形成されるグラフェンシートが、シート平面に対し垂直のc軸方向に積層した結晶構造を有し、シート平面の直径で示される粒子径とc軸方向の長さで示される厚みを有する単結晶あるいは多結晶の粒子である。そのため、結晶子の大きさは必ずしも平均粒子径や粒子の厚みとは同一でなく、導電助剤として用いられる場合は平均粒子径が1〜50μmが適当とされている。
特許文献1および2には、上記のような平均粒子径が比較的大きい鱗片状黒鉛を用いることが記載されている。平均粒子径が大きい鱗片状黒鉛を用いると、活物質が体積変化しても電子伝導パスが保持できるためサイクル特性が向上するという効果がある。しかしながら、合材を作製する際の混合工程や、電極層を形成する際のプレス工程などで加わる力によって割れやすいため取り扱いが難しく、結果的に電子伝導パスを形成するのが困難になる場合があった。また、カーボンブラックと比較して比容積が著しく小さく、粒子の個数が少なくなってしまうことから、導電性が不十分であった。
特許文献3には、導電助剤として鱗片状黒鉛とカーボンブラックとを併用する方法が提案されている。比表面積が大きいカーボンブラックは、溶媒を多く吸収し凝集する性質がある。そこで、比表面積が小さい鱗片状黒鉛を一部のカーボンブラックに置き換えて用いると、カーボンブラックに対する溶媒量が増加して凝集が抑えられ、導電性が向上する。ところが、鱗片状黒鉛の添加量が少なすぎるとその効果は少なく、逆に多すぎると鱗片状黒鉛を単独で用いた場合と同じ理由で導電性が不十分となって、完全には解決できていなかった。
一方、導電性を改善する手段として、活物質粒子の表面を導電性材料で被覆した複合活物質が知られている。例えば、特許文献4および5では、単層のグラフェンシートであるグラフェンや多層のグラフェンシートから成る黒鉛材料で活物質粒子の表面を被覆した複合活物質を製造し、レート特性、サイクル特性を向上させている。しかし、このような複合活物質は粒子単独の導電性は優れるものの、粒子間の電子伝導ネットワークは発達しにくく、結局は導電助剤を添加する必要があった。また、複合化を経る分プロセスコストが大きくなるというデメリットもあった。
特開平7−147159 特許第3188853号 特許第4240275号公報 特開2012−169217 特表2011−503804
Langmuir、26(11)、P.9045−9049(2010)
本発明が解決しようとする課題は、レート特性、サイクル特性が良好な非水二次電池および非水二次電池電極を提供することである。
本発明者らは、前記の鱗片状黒鉛よりもはるかに薄い薄片状黒鉛を用いることによりこうした問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は導電助剤である、粒子の厚みが0.5nm〜30nm、比表面積が50m2/g以上である薄片状黒鉛を含む非水二次電池電極形成材料に関する。
また、更に、液状媒体を含む上記非水二次電池電極形成材料に関する。
また、更に、導電助剤として前記薄片状黒鉛以外の炭素材料を含む上記非水二次電池電極形成材料に関する。
また、更に、分散剤を含む上記非水二次電池電極形成材料に関する。
また、更に、バインダーを含む上記非水二次電池電極形成材料に関する。
また、更に、活物質を含む上記非水二次電池電極形成材料に関する。
また、活物質の平均粒子径に対する薄片状黒鉛の平均粒子径の比(薄片状黒鉛の平均粒子径/活物質の平均粒子径)が、0.05〜100である上記非水二次電池電極形成材料に関する。
また、本発明は、集電体と、上記非水二次電池電極形成材料から形成された合材層もしくは電極下地層の少なくとも一層とを具備する非水二次電池電極に関する。
また、正極および負極と、非水電解液とを具備する非水二次電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方が、上記電極である非水二次電池に関する。
本発明により、サイクル特性およびレート特性が良好な非水二次電池および非水二次電池電極を提供することが可能になった。
〈非水二次電池電極形成材料〉
本発明の非水二次電池電極形成材料は、薄片状黒鉛を含むものである。また、必要に応じて液状媒体、前記薄片状黒鉛以外の炭素材料、分散剤、バインダー、活物質を含む組成物であってもよい。
〈薄片状黒鉛〉
本明細書における薄片状黒鉛としては、c軸方向の厚みが0.5〜30nm、比表面積が50m2/g以上であることが好ましい。
上記薄片状黒鉛は、グラフェンシートが積層した薄い形状を有する単結晶あるいは多結晶の粒子であるため、前述の鱗片状黒鉛とは異なりその平均粒子径が1〜50μmのときの比表面積は50m2/g以上である。一般的には鱗片状黒鉛と薄片状黒鉛を同意語として扱う場合もあるが、本明細書では比表面積が5〜50m2/gのものを鱗片状黒鉛、50m2/g以上のものを薄片状黒鉛と定義する。
合材に薄片状黒鉛を用いることによって、活物質間、あるいは活物質と集電体との間の電子伝導パスが形成できる。また、従来の鱗片状黒鉛とは異なり、比容積が大きいため所定量添加した場合の粒子の個数が多い。さらには、薄く柔軟性があるため、鱗片状黒鉛に比べて割れにくかったり、活物質に対してより広い面積で接触することができるという効果がある。従って、良好な電子伝導のネットワークが密に形成され、レート特性及びサイクル特性の優れた電極を得ることが出来る。
薄片状黒鉛のc軸方向の厚みは、好ましくは0.5〜30nmであり、より好ましくは4〜10nmである。
本明細書において、c軸方向の厚みとは、一次粒子の厚みのことを示す。一次粒子が単結晶である場合はその結晶格子の厚みのことを示し、多結晶の場合は結晶格子の厚みよりも大きい値となる。c軸方向の厚みは、例えば走査型電子顕微鏡観察による粒子厚み100個の平均値から求めることができる。結晶子の厚みはX線回折測定による(002)面の半値幅からシェラー(Scherrer)の式を用いて計算される。
薄片状黒鉛の比表面積は、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100〜300m2/gである。
本明細書において、比表面積とは、液体窒素温度における窒素吸着量からBET式を用いて算出されるものであり、自動比表面積測定装置によって測定できる。
薄片状黒鉛の平均粒子径は特に限定されないが、1μm〜10μmであると複数の活物質間の導電パスを有効に形成できたり、Liイオンの拡散が良好であるため好ましい。より好ましくは3μm〜6μmである。
本明細書において、平均粒子径とは、一次粒子における、積層したグラフェンシート平面の直径の平均値を示す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡観察による粒子100個の平均値から求めることができる。また、湿式のレーザー回折散乱方式による粒度分布計でも平均粒子径に相当する値が測定できる。
また、使用する活物質の平均粒子径に対する薄片状黒鉛の平均粒子径の比(薄片状黒鉛の平均粒子径/活物質の平均粒子径)が、0.05〜100であると、複数の活物質間の導電パスを形成できるため好ましい。より好ましくは、0.2〜10である。
〈その他の導電助剤〉
本発明では、薄片状炭素以外のその他の導電助剤を併用して用いても良い。薄片状黒鉛は電極中集電体に対して水平に配向しやすいため、粒状または繊維状等の炭素材料を併用すると全方向の電子伝導パスを補うことができる。
その他の導電助剤としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、その中でも粒状または繊維状等の炭素材料として例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラフェン、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックが好ましい。また、酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
導電助剤の平均粒子径は特に限定されない。
〈合材〉
本発明の非水二次電池電極形成材料は、活物質を含む合材としても使用できるし、活物質を含まない下地層形成材料としても使用できる。そこで、本発明の二次電池電極形成材料の好適な態様の1つである活物質を必須とする合材について説明する。
合材は、正極合材又は負極合材があり、下記(1)〜(3)に例示するような種々の態様がある。
(1)活物質と、薄片状黒鉛を含む導電助剤と、液状媒体とを含有する合材。
(2)前記(1)にバインダーをさらに含有する合材。
(3)前記(1)に分散剤をさらに含有する合材。
このような合材は、種々の方法で得ることができる。活物質と導電助剤と分散剤とバインダーと液状媒体とを含有する、(3)の合材の場合を例にとって説明する。例えば、
(3−1) 導電助剤と液状媒体とを含有する分散体を得、該分散体に活物質とバインダーとを加え、合材を得ることができる。活物質とバインダーは、同時に加えることもできるし、活物質を加えた後、バインダーを加えてもよいし、その逆であってもよい。
(3−2) 導電助剤とバインダーと液状媒体とを含有する分散体を得、該分散体に活物質を加え、合材を得ることができる。
(3−3) 活物質と液状媒体とを含有する分散体を得、該分散体に導電助剤とバインダーとを加え、合材を得ることができる。導電助剤とバインダーは、同時に加えることもできるし、導電助剤を加えた後、バインダーを加えてもよいし、その逆であってもよい。
(3−4) 活物質とバインダーと液状媒体とを含有する分散体を得、該分散体に導電助剤を加え、合材を得ることができる。
(3−5) 活物質と導電助剤とバインダーと液状媒体をほとんど同時に混合し、合材を得ることができる。
上記の工程において、分散剤を添加するタイミングは任意だが、予め添加しておくことが好ましい。
上記の工程のうち、(3−2)の工程で作製することがレート特性およびサイクル特性の観点からは好ましい。
〈下地層形成材料〉
本発明の二次電池電極形成材料は、合材としても使用できる他、下地層形成材料としても使用できる。下地層とは、集電体と合材層との間に形成される。下地層形成材料は、薄片状黒鉛を含む導電助剤を含有する。さらに、液状媒体やバインダーや分散剤を含有する組成物であってもよい。
薄片状黒鉛はカーボンブラックよりも平均粒子径が大きく、鱗片状黒鉛に比べて柔軟性があるため、下地層形成材料に使用した場合も良好な電子伝導のネットワークが密に形成され、レート特性及びサイクル特性の優れた電極を得ることが出来る。また、より薄い下地層が形成できるため電池の小型化が可能となる。
〈活物質〉
活物質としては、正極活物質および負極活物質が挙げられるが、リチウムイオン二次電池に使用する場合、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であれば、特に限定されるものではない。
正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiFeO2、LiMn24、LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4または、それぞれの遷移元素を一部他の元素X、Yに置き換えたもの、例えばLiCoO2についてはLiCo1-a-bab2(X、Yは遷移元素、またはB、Al、Si、0≦a≦1、0≦b≦1)等が挙げられる。
負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、またはこれらを組み合わせた構造を有する炭素材料やシリコン、硫黄、またはこれらの複合化物や混合物が挙げられる。
それ以外の二次電池、例えばナトリウムイオン二次電池に使用する場合は、リチウムイオン二次電池正極活物質のLiをNaに置き換えた活物質やリチウムイオン二次電池負極活物質等が使用できるが、ナトリウムを吸蔵、放出可能な材料であれば、特に限定されるものではない。
本明細書における活物質の平均粒子径とは、平均一次粒子径を示す。平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡観察による一次粒子100個の直径の平均値、または小角X線散乱測定から求めることができる。
〈バインダー〉
本発明において用いられるバインダーとしては、活物質や導電助剤を結着して合材層を形成することが出来るものであれば特に限定されず、ポリフッ化ビニリデン系樹脂やポリテトラフッ化エチレン系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらは溶液として用いてもよいし、エマルションや固体として用いてもよい。
〈溶媒〉
本発明において合材は乾式でも有機溶剤や水を用いた湿式でも良い。湿式の場合、有機溶剤には含窒素極性溶媒が好んで用いられ、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの溶媒が好適に使用することができる。また、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒も使用することができるが、これらに限定されるものではない。水にはアルコール類やケトン類、有機アミン類等を添加してもよい。
〈分散剤〉
本発明における分散剤としては、導電助剤と活物質の一方または両方の分散性を向上させるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、特許4204157号公報に記載の酸性官能基を有する有機色素誘導体またはトリアジン誘導体、特許4420123号公報に記載の塩基性官能基を有する有機色素誘導体またはトリアジン誘導体、特許4235788号公報に記載のポリビニルピロリドン系樹脂、特開2011−184664に記載のポリビニルアセタール系樹脂、特開2010−97817に記載の酸性官能基を有する樹脂、特開2010−97816に記載の塩基性官能基を有する樹脂、WO2012/173072に記載の両性樹脂やカルボキシメチルセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、その他、市販の分散剤等を用いることができる。
分散剤の具体例として、表1に示す
分散剤A:酸性官能基を有する有機色素誘導体、
分散剤B、C:酸性官能基を有するトリアジン誘導体、
分散剤D:塩基性官能基を有する有機色素誘導体、
分散剤E:塩基性官能基を有するトリアジン誘導体、
または、
分散剤F:カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(重量平均分子量8,500、 酸価43mgKOH/g、固形分50%の樹脂)、
分散剤G:アミノ基を有するポリエステル系重合体(重量平均分子量13000、アミン価36mgKOH/g)、
分散剤H:エスレックBL−1(ポリビニルアセタール、積水化学社製)、
分散剤I:K−30(ポリビニルピロリドン、日本触媒社製)、
分散剤J:PVA−117(ポリビニルアルコール、クラレ社製)、
分散剤K:BYK−190(ビックケミー社製)、
分散剤L:WO2012/173072、合成例1に記載の両性樹脂
等が挙げられる。
Figure 2014182873
〈非水二次電池用電極〉
本発明の非水二次電池用電極は、集電体と、活物質と薄片状黒鉛とバインダーを含む合材層を有する。合材層は、集電体上に上記の合材を塗工、乾燥して得ることが出来る。また、集電体上に、活物質と、薄片状黒鉛と、バインダーを含む非液状の合材を圧着することによっても形成することができる。集電体と合材層の間に、下地層を有していてもよい。
〈集電体〉
電極に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。リチウムイオン電池の場合、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、それぞれ好ましい。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
集電体上に液状の合材や下地層形成材料を塗工する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法又は静電塗装法等が挙げる事ができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。また、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。電極合材層の厚みは、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。また、下地層を具備する場合には下地層と合材層との厚みの合計は、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。
〈非水二次電池〉
正極もしくは負極の少なくとも一方に上記の電極を用い、二次電池を得ることができる。二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、ナトリウム硫黄二次電池、ナトリウムイオン二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池で従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
〈電解液〉
リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明する。電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。またこれらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
さらに上記電解液を、ポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とすることもできる。ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、及びポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
〈セパレーター〉
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
〈電池構造・構成〉
本発明の組成物を用いたリチウムイオン二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用する活物質および導電助剤の形状、用いた分散機を以下に示す。
(薄片状黒鉛)
・xGnP−M−5(XGサイエンス社製、平均粒子径5μm、比表面積130m2/g、c軸方向の厚み7nm)
・xGnP−C−750(XGサイエンス社製、平均粒子径2μm、比表面積750m2 /g、c軸方向の厚み2nm)
・xGnP−C−15(XGサイエンス社製、平均粒子径15μm、比表面積130m2/g、c軸方向の厚み7nm)
・xGnP−M−25(XGサイエンス社製、平均粒子径25μm、比表面積130m2/g、c軸方向の厚み7nm)
(活物質)
・LiFePO4(平均粒子径2μm)
・LiFePO4(平均粒子径0.3μm)
・LiFePO4(平均粒子径20μm)
・LiFePO4(平均粒子径45μm)
・LiCoO2(平均粒子径20μm)
・LiMn1/3Ni1/3Co1/32(平均粒子径30μm)
・メソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)
(その他の導電助剤)
・アセチレンブラック(HS−100、平均粒子径48nm、電気化学工業社製)
・カーボンナノチューブ(VGCF、平均長さ10μm、直径150nm、昭和電工社製)
・鱗片状黒鉛(J−SP−α、平均粒子径6.4μm、比表面積9.5m2/g、c軸方向の厚み200nm、日本黒鉛社製)
・グラフェン分散液(比表面積2600m2/g、C軸方向の厚み0.4nm、非特許文 献1に記載の方法で作製した)
(バインダー)
・ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製)
・ポリテトラフッ化エチレン(三井・デュポンフロロケミカル社製)
・カルボキシメチルセルロース(ダイセル社製)
(分散機)
・遊星型ミキサー(あわとり練太郎ARE―310、シンキー社製)
・ディスパー(T.K.ホモディスパー、プライミクス社製)
薄片状黒鉛、および鱗片状黒鉛の平均粒子径は透過型電子顕微鏡観察により、100個の一次粒子の長径および短径の平均値を求めた。
活物質の平均粒子径は走査型電子顕微鏡観察により、100個の一次粒子の長径および短径の平均値を求めた。
薄片状黒鉛および鱗片状黒鉛のc軸方向の厚みは、走査型電子顕微鏡観察により、100個の一次粒子の厚みの平均値を求めた。
鱗片状黒鉛を除くその他の導電助剤の一次粒子径は、製造元が公表している値である。
薄片状黒鉛および鱗片状黒鉛の比表面積は、自動比表面積測定装置を用い、液体窒素温度における窒素吸着量からBET式を用いて算出した。
〈正極合材の作製〉
実施例1〜13の正極合材の組成(重量部)を表2に示す。
溶媒以外の材料は、固形分の含有量を示す。溶媒は、使用した合計量を示す。以下の表も同様の記載とする。
(実施例1)
表2に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、N−メチル−2−ピロリドン(計35g)を遊星型ミキサーで混合し薄片状黒鉛分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計165g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例2)
表2に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計70g)を遊星型ミキサーで混合しバインダー含有薄片状黒鉛分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、N−メチル−2−ピロリドン(計130g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例3)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドンを共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例4)
表2に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、N−メチル−2−ピロリドン(計35g)を遊星型ミキサーで混合し薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計165g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例5)
表2に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計70g)を遊星型ミキサーで混合しバインダー含有薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、N−メチル−2−ピロリドン(計130g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例6)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例7)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデン、および分散剤Cをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例8)
表2に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤C、N−メチル−2−ピロリドン(計35g)を遊星型ミキサーで混合し薄片状黒鉛分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計165g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例9)
表2に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤C、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計70g)を遊星型ミキサーで混合しバインダー含有薄片状黒鉛分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、N−メチル−2−ピロリドン(計130g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例10)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン、および分散剤Cをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例10−2)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径0.3μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−C−750を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−3)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径0.3μm)を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−4)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径0.3μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−15を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−5)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径0.3μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−25を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−6)
薄片状黒鉛としてxGnP−C−750を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−7)
薄片状黒鉛としてxGnP−M−15を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−8)
薄片状黒鉛としてxGnP−M−25を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−9)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径20μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−C−750を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−10)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径20μm)を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−11)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径20μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−15を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−12)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径20μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−25を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−13)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径45μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−C−750を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−14)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径45μm)を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−15)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径45μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−15を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例10−16)
正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径45μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−25を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を得た。
(実施例11)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、カーボンナノチューブ、およびポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例12)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiCoO2(平均粒子径20μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例13)
表2に示す組成にて、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/32(平均粒子径30μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
表2 正極合材組成(重量部)
Figure 2014182873

・LFP:LiFePO4
・LCO:LiCoO2
・LMNCO:LiMn1/3Ni1/3Co1/32
・AB:アセチレンブラック
・CNT:カーボンナノチューブ
実施例14〜19の正極合材の組成(重量部)を表3に示す。
(実施例14)
表3に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例15)
表3に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例16)
表3に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、分散剤Lをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(実施例17)
表3に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤L、水(計35g)をとり、遊星型ミキサーで混合し箔片状黒鉛分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、水(計165g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例18)
表3に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤L、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、水(計70g)を遊星型ミキサーで混合しバインダー含有薄片状黒鉛分散体を得た。これに、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、水(計130g)を添加し、混練して正極合材を得た。
(実施例19)
表3に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、分散剤Lをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
表3 正極合材組成(重量部)
Figure 2014182873
〈負極合材の作製〉
実施例20〜30の負極合材の組成(重量部)を表4に示す。
(実施例20)
表4に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、N−メチル−2−ピロリドン35gを遊星型ミキサーで混合し、薄片状黒鉛分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン165gを添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例21)
表4に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計70g)を遊星型ミキサーで混合し、バインダー含有薄片状黒鉛分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、追加のN−メチル−2−ピロリドン(計130g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例22)
表4に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(実施例23)
表4に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラックをN−メチル−2−ピロリドン(計35g)を遊星型ミキサーで混合し、薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計165g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例24)
表4に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計70g)を遊星型ミキサーで混合し、バインダー含有薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、追加のN−メチル−2−ピロリドン(計130g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例25)
表4に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(実施例26)
表4に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデン、分散剤Cをとり、N−メチル−2−ピロリドンと遊星型ミキサーで共に混練して負極合材を得た。
(実施例27)
表4に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤CをN−メチル−2−ピロリドン(計35g)を遊星型ミキサーで混合し、薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計165g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例28)
表4に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤C、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(計70g)を遊星型ミキサーで混合し、バインダー含有薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、N−メチル−2−ピロリドン(計130g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例29)
表4に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン、分散剤Cをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(実施例30)
表4に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、カーボンナノチューブ、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
表4 負極合材組成(重量部)
Figure 2014182873
・MFC:メソフェーズカーボンMFC
実施例31〜36の負極合材の組成(重量部)を表5に示す。
(実施例31)
表5に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(実施例32)
表5に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(実施例33)
表5に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、分散剤Lをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(実施例34)
表5に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤L、水(計35g)をとり、遊星型ミキサーで混合し箔片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、追加の水(計165g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例35)
表5に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、分散剤L、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、水(計70g)を遊星型ミキサーで混合しバインダー含有薄片状黒鉛/アセチレンブラック分散体を得た。これに、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、追加の水(計130g)を添加し、混練して負極合材を得た。
(実施例36)
表5に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、アセチレンブラック、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロース、分散剤Lをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
表5 負極合材組成(重量%)
Figure 2014182873
〈種々の分散剤を用いた正極合材の作製〉
(実施例37〜43)
表6に示す分散剤を用いた以外は、実施例10と同様に正極合材を作製した。
(実施例44〜46)
表6に示す分散剤を用いた以外は、実施例19と同様に正極合材を作製した。
表6 分散剤
Figure 2014182873
〈種々の分散剤を用いた負極合材の作製〉
(実施例47〜53)
表7に示す分散剤を用いた以外は、実施例29と同様に負極合材を作製した。
(実施例54〜56)
表7に示す分散剤を用いた以外は、実施例36と同様に負極合材を作製した。
表7 分散剤
Figure 2014182873
〈正極合材の作製〉
比較例1〜6の正極合材の組成(重量部)を表8に示す。
(比較例1)
表8に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(比較例2)
表8に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、アセチレンブラックおよび鱗片状黒鉛(平均粒子径6.4μm、比表面積9.5m2/g、c軸方向の厚み200nm)、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(比較例3)
表8に示す組成にて、正極活物質としてLiCoO2(平均粒子径20μm)、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(比較例4)
表8に示す組成にて、正極活物質としてLiCoO2(平均粒子径20μm)、アセチレンブラックおよび鱗片状黒鉛、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(比較例5)
表8に示す組成にて、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/32(平均粒子径30μm)、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(比較例6)
表8に示す組成にて、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/32(平均粒子径30μm)、アセチレンブラックおよび鱗片状黒鉛、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
表8 正極合材組成(重量部)
Figure 2014182873
比較例7および8の正極合材の組成(重量部)を表9に示す。
(比較例7)
表9に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4、アセチレンブラック、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
(比較例8)
表9に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4、アセチレンブラックおよび鱗片状黒鉛、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して正極合材を得た。
表9 正極合材組成(重量部)
Figure 2014182873
〈負極合材の作製〉
比較例9〜10の負極合材の組成(重量部)を表10に示す。
(比較例9)
表10に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(比較例10)
表10に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、アセチレンブラックおよび鱗片状黒鉛、ポリフッ化ビニリデンをとり、N−メチル−2−ピロリドンと共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
表10 負極合材組成(重量部)
Figure 2014182873
比較例11〜12の負極合材の組成(重量部)を表11に示す。
(比較例11)
表11に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、アセチレンブラック、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
(比較例12)
表11に示す組成にて、負極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、アセチレンブラックおよび鱗片状黒鉛、ポリテトラフッ化エチレンおよびカルボキシメチルセルロースをとり、水と共に遊星型ミキサーで混練して負極合材を得た。
表11 負極合材組成(重量部)
Figure 2014182873
〈グラフェンを用いた正極、負極合材の作製〉
(比較例13)
非特許文献1に記載の方法で固形分濃度0.5%のグラフェン/NMP分散液を作製した。得られたグラフェン/NMP分散体に、表12に示す組成にて、正極活物質としてLiFePO4(平均粒子径2μm)、ポリフッ化ビニリデンを添加し、遊星型ミキサーにて混練した。
(比較例14)
非特許文献1に記載の方法で固形分濃度0.5%のグラフェン/NMP分散液を作製した。得られたグラフェン/NMP分散体に、表12に示す組成にて、極活物質としてメソフェーズカーボンMFC(MCMB6−28、平均粒子径6μm、大阪ガスケミカル社製)、ポリフッ化ビニリデンを添加し、遊星型ミキサーにて混練した。
表12 グラフェンを用いた正極合材および負極合材(重量部)
Figure 2014182873
〈電極および電池の作製〉
実施例1〜19、37〜46および比較例1〜8、13で得られた正極合材を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にダイコーターを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は8.0mg/cm2とした。続いてロールプレス機にて圧延処理し、30mm×50mmに裁断して、それぞれ、正極電極を得た。
得られた正極電極と35mm×55mmの金属Li箔にニッケルリード線を装着した。続いて、正極電極と金属Li箔とをポリプロピレンの多孔質セパレーター(厚さ20μm、空孔率50%)を介して積層し、袋状のアルミラミネート容器(60mm×80mm、水蒸気透過度0.9g/m2/日)に挿入した。乾燥したAr雰囲気下、この容器内にLiPF6を1mol/Lの割合で含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液である非水電解液を注入した後、容器を密閉して、評価用電池を製造した。
実施例20〜36、47〜56および比較例9〜12、14で得られた負極合材を、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にダイコーターを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は5.0mg/cm2とした。続いてロールプレス機にて圧延処理し、30mm×50mmに裁断して、それぞれ、負極電極を作製した。
得られた負極電極と35mm×55mmの金属Li箔にニッケルリード線を装着した。続いて、負極電極と金属Li箔とをポリプロピレンの多孔質セパレーター(厚さ20μm、空孔率50%)を介して積層し、袋状のアルミラミネート容器(60mm×80mm、水蒸気透過度0.9g/m2/日)に挿入した。乾燥したAr雰囲気下、この容器内にLiPF6を1mol/Lの割合で含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液である非水電解液を注入した後、容器を密閉して、評価用電池を製造した。
〈下地層形成材料の作製〉
実施例57、58の下地層形成材料の組成(重量部)を表13に示す。
(実施例57)
表13に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリフッ化ビニリデン、N−メチル−2−ピロリドン(溶媒)、分散剤Cをディスパーで混合し下地層形成材料を得た。
(実施例58)
表13に示す組成にて、薄片状黒鉛としてxGnP−M−5、ポリテトラフッ化エチレン、カルボキシメチルセルロース、水(溶媒)、分散剤Lをディスパーで混合し下地層形成材料を得た。
表13 下地層形成材料(重量部)
Figure 2014182873
(比較例15)
薄片状黒鉛の替わりにアセチレンブラックを用いた以外は、実施例57と同様に下地層形成材料を得た。
(比較例16)
薄片状黒鉛の替わりにアセチレンブラックを用いた以外は、実施例58と同様に下地層形成材料を得た。
〈下地層を備えた正極電極および電池の作製〉
(実施例59〜62、比較例17〜20)
実施例57、58、比較例15、16で作製した下地層形成材料を、厚さ20μmのアルミ箔上にグラビアコーターを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は乾燥後の塗布厚みが0.5μmとなるように調整した。この塗工物に表14に示した正極合材を、ダイコーターを用いてさらに塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は8.0mg/cm2とした。続いてロールプレス機にて圧延処理し、30mm×50mmに裁断して、それぞれ、正極電極を得た。
得られた正極電極と35mm×55mmの金属Li箔にニッケルリード線を装着した。続いて、正極電極と金属Li箔とをポリプロピレンの多孔質セパレーター(厚さ20μm、空孔率50%)を介して積層し、袋状のアルミラミネート容器(60mm×80mm、水蒸気透過度0.9g/m2/日)に挿入した。乾燥したAr雰囲気下、この容器内にLiPF6を1mol/Lの割合で含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液である非水電解液を注入した後、容器を密閉して、評価用電池を製造した。
〈下地層を備えた負極電極および電池の作製〉
(実施例63〜66、比較例21〜24)
実施例57、58、比較例15、16で作製した下地層形成材料を、厚さ20μmの銅箔上にグラビアコーターを用いて塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は乾燥後の塗布厚みが0.5μmとなるように調整した。この塗工物に表14に示した負極合材を、ダイコーターを用いてさらに塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥して塗工物を得た。塗工量は5.0mg/cm2とした。続いてロールプレス機にて圧延処理し、30mm×50mmに裁断して、それぞれ、負極電極を得た。
得られた負極電極と35mm×55mmの金属Li箔にニッケルリード線を装着した。続いて、負極電極と金属Li箔とをポリプロピレンの多孔質セパレーター(厚さ20μm、空孔率50%)を介して積層し、袋状のアルミラミネート容器(60mm×80mm、水蒸気透過度0.9g/m2/日)に挿入した。乾燥したAr雰囲気下、この容器内にLiPF6を1mol/Lの割合で含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液である非水電解液を注入した後、容器を密閉して、評価用電池を製造した。
表14 下地層を備えた電池
Figure 2014182873
以下、上記で製造した各々の電池について、サイクル特性とレート特性の試験方法、および試験結果について説明する。
(試験方法)サイクル特性
実施例1〜56、59〜66の電池と比較例1〜14、17〜24の電池について、以下の条件にて充放電を1000サイクル繰返し行い、各サイクルの放電容量を測定した。1サイクル目の放電容量に対する各サイクルの放電容量の比を、放電容量維持率とした。この試験による放電容量維持率をサイクル特性とした。
充放電条件
充放電電流:35mA
上限電圧:4.2V
下限電圧:3.3V
充放電方式:定電流充放電
(試験方法)レート特性
実施例1〜56、59〜66の電池と比較例1〜14、17〜24の電池について、以下の充放電条件1にて10サイクル、充放電条件2にて10サイクル充放電を行い、各サイクルの放電容量を測定した。充放電条件1の10サイクル目の放電容量に対する、充放電条件2の10サイクル目の放電容量の比を、放電容量維持率とした。この試験による放電容量維持率をレート特性とした。
充放電条件1
充電電流:7mA
放電電流:7mA
上限電圧:4.2V
下限電圧:3.3V
充放電方式:定電流充放電
充放電条件2
充電電流:7mA
放電電流:350mA
上限電圧:4.2V
下限電圧:3.3V
充放電方式:定電流充放電
(断面観察)
実施例59〜66および比較例17〜24の下地層を備えた電極について、操作型電子顕微鏡による断面観察を行った。断面試料はクロスセクションポリッシャ(日本電子社製)により作製した。
(評価結果1)
実施例1〜36と比較例1〜12で作製した電池のサイクル特性、レート特性を表15に示す。
表15 サイクル特性およびレート特性
Figure 2014182873
表15に記載のように、実施例1〜36で作製した電池は、比較例1〜12で作製した電池と比較してサイクル特性、レート特性とも大幅に優れていた。
比較例2、4、6、8、10、12のように、アセチレンブラックと鱗片状黒鉛を併用した際のサイクル特性およびレート特性は、比較例1、3、5、7、9、11のようにアセチレンブラック単独のものより優れており、特に充放電に伴う活物質の膨張収縮が最も大きい負極のサイクル特性において、その差が大きかった。これは、平均粒子径の大きな鱗片状黒鉛を用いることで、膨張収縮を繰り返す活物質間の電子伝導パスが保持されやすくなったことによる。しかし、いずれの場合も不十分であった。この理由は、鱗片状黒鉛が硬く柔軟性が乏しいため、活物質と接触面積が小さいこと、合材作製の際に割れてしまったこと、および、鱗片状黒鉛の比容積が小さいことなどから、電子伝導のネットワークが希薄になって導電性が不十分となったためと推察される。
一方、薄片状黒鉛を用いた実施例では、合材の作製方法によらず、優れたサイクル特性およびレート特性を示した。これは、従来の硬くて割れやすい鱗片状黒鉛とは異なり、比容積が大きいため所定量添加した場合の粒子の個数が多いこと、薄く柔軟性があるため、鱗片状黒鉛に比べて割れにくく、活物質に対してより広い面積で接触できたためと推察される。
また、アセチレンブラックやカーボンナノチューブを併用した実施例において、特に優れた特性が得られた。これは、薄片状黒鉛が集電体に対して水平に配向しやすいのに対し、アセチレンブラックやカーボンナノチューブが全方向の電子伝導パスを補ったことによると推察される。
また、グラフェン/NMP分散体を用いた比較例13および14は、塗工適正が悪く電極を形成できなかった。これは、グラフェン/NMP分散体の固形分濃度が低いため、合材として塗工に必要な最低限の濃度と粘度が確保できないことによる。一般に、グラフェンは比表面積が極めて大きくファンデルワールス力による凝集力が強いため、極低濃度の分散体として、または基板上に薄膜として形成させることでしか得られない。比較例13および14でもより高い固形分濃度の分散体作製を試みたが、凝集が著しくグラフェン分散体は得られなかった。
(評価結果2)
実施例10および10−2〜10−16で作製した電池のサイクル特性、レート特性を表16に示す。
表16 サイクル特性およびレート特性
Figure 2014182873
表16に記載のように、薄片状黒鉛と活物質の平均粒子径比率はサイクル特性およびレート特性に大きく影響しており、特に、0.25〜7.5において優れた特性を示した。この理由は、柔軟性の高い薄片状黒鉛は、活物質粒子の表面に沿うように接触し、複数の活物質間の導電パスを形成するが、平均粒子径比率が上記範囲の場合は、薄片状黒鉛が複数の活物質に跨った導電パスが形成しやすいため特性が向上したと推察される。薄片状黒鉛が活物質に対して小さすぎると、複数の活物質に跨った導電パスが形成しにくく、電子伝導性がやや劣る傾向にあるものと考えられる。大きすぎる場合は、活物質粒子間隙におけるイオンの拡散が阻害されたり、活物質表面への接触が不十分となるためか導電性がやや劣る傾向にある。
(評価結果3)
実施例37〜56と分散剤Cを用いた実施例10、19、分散剤Lを用いた実施例29、36および、分散剤を用いずに同じ方法で作製した実施例6、15、25、32のサイクル特性、レート特性を表17に示す。
表17 種々の分散剤を用いた電池のサイクル特性およびレート特性
Figure 2014182873
表17に記載のように、実施例37〜56で作製した種々の分散剤を用いた合材で作製した電池は、それぞれ分散剤を用いずに同じ方法で作製した実施例6、15、25、32と比較していずれも優れていた。分散剤を用いたことで活物質や導電助剤が良好に分散され、さらに優れた電子伝導のネットワークが形成されたことによると推察される。その効果は特に分散剤C、Lの他、E、H、Iが高かった。
(評価結果4)
実施例59〜66、比較例17〜24、実施例3、14、22、31で作製した電池のサイクル特性、レート特性を表18に示す。
表18 下地層を備えた電池のサイクル特性およびレート特性
Figure 2014182873
実施例57〜66の薄片状黒鉛からなる下地層を備えた電池は、下地層を備えていない電池である実施例3、14、22、31と比較してさらに特性が向上していた。一方、比較例17〜24のアセチレンブラックからなる下地層を備えた電池は、ほとんど性能が向上せず、逆に若干悪化するものもあった。
また、断面試料を観察したところ、実施例57〜66は、薄片状黒鉛が集電体に対して平行に配向し、厚さが均一で緻密な下地層が形成されていたのに対し、比較例17〜24は、厚さに斑があり疎な下地層が形成されていた。
薄片状黒鉛は極薄く配向性が高いため、0.5μmの薄い下地層であっても導電性に優れた下地層が形成され、集電体と合材層との間の電子伝導性が向上する。また、下地層が集電体と合材層とにそれぞれ強固に接着することで、サイクルを繰り返しても初期の状態が保持され、サイクル特性が向上すると推察される。
一方、アセチレンブラックは球状の一次粒子が数珠状に連なった二次粒子を形成しており、薄片状黒鉛に比べて嵩高い。そのため、0.5μmの薄さでは良好な下地層が形成できず、改善効果が得られなかったものと推察される。

Claims (9)

  1. 導電助剤である、粒子の厚みが0.5nm〜30nm、比表面積が50m2/g以上である薄片状黒鉛を含む非水二次電池電極形成材料。
  2. 更に、液状媒体を含む請求項1に記載の非水二次電池電極形成材料。
  3. 更に、導電助剤として前記薄片状黒鉛以外の炭素材料を含む請求項1または2に記載の非水二次電池電極形成材料。
  4. 更に、分散剤を含む請求項1〜3いずれか1項に記載の非水二次電池電極形成材料。
  5. 更に、バインダーを含む請求項1〜4いずれか1項に記載の非水二次電池電極形成材料。
  6. 更に、活物質を含む請求項1〜5いずれか1項に記載の非水二次電池電極形成材料。
  7. 活物質の平均粒子径に対する薄片状黒鉛の平均粒子径の比(薄片状黒鉛の平均粒子径/活物質の平均粒子径)が、0.05〜100である請求項6に記載の非水二次電池電極形成材料。
  8. 集電体と、請求項1〜7いずれか1項に記載の非水二次電池電極形成材料から形成された合材層もしくは電極下地層の少なくとも一層とを具備する非水二次電池電極。
  9. 正極および負極と、非水電解液とを具備する非水二次電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方が、請求項8に記載の電極である非水二次電池。
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