JP2014179795A - カメラモジュールおよびカメラモジュールの組立方法 - Google Patents

カメラモジュールおよびカメラモジュールの組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度な組立を容易に行うことが可能なカメラモジュールを提供する。
【解決手段】固体撮像装置(1)は、ホルダ(3)を配線基板(5)に接合するための接着剤(20)が塗布される突起部(8)を備えている。突起部(8)は、ホルダ(3)と配線基板(5)との接着領域(M)から所定の距離をおいて、当該接着領域(M)に沿って形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話機等の小型情報端末に搭載されるカメラモジュール等に関する。
携帯電話機等に使用される昨今のカメラモジュールとしては、例えば特許文献1および2が挙げられる。
特許文献1には、図12に示すように、レンズホルダ111の配線基板114との接着面の一部に溝113に備え、その溝113に充填された接着剤によってレンズホルダ111が配線基板114に固定されているイメージセンサモジュール101が開示されている。特許文献1では、レンズホルダ111の四隅に設けられた位置合わせ用の突起112を、配線基板114に形成された孔(不図示)に挿入して仮の位置合わせを行った後、レンズホルダ111と配線基板114とを圧接させた状態で、レンズホルダ111の四隅以外の位置に予め形成しておいた溝113に接着剤を注入することにより、レンズホルダ111と配線基板114とを接合している。
また、特許文献2では、図13に示すように、配線基板122と接合するハウジング部121の周壁部121aに凸部123が形成された撮像モジュール102が開示されている。特許文献2では、接着剤125が塗布された配線基板122にハウジング部121を接合する際、凸部123の両側に形成された凹部124a・124bに、接合に用いられなかった接着剤125を収容させ、周壁部121aの先端の厚み方向の両側に接着剤125が溢れ出すのを防止する構成となっている。
特開2005−236754号公報(2005年9月2日公開) 特開2008−191552号公報(2008年8月21日公開)
しかしながら、特許文献1においては、上記仮の位置合わせ(仮止め)を行わずに、予め接着剤を配線基板114に塗布することによって、接着剤のムラによるレンズホルダ111の配線基板114に対する傾きを防止することについては何ら開示されていない。また、特許文献1において、上記仮の位置合わせを行わずに予め接着剤を塗布した場合には、接着剤を注入するまで圧接した状態でレンズホルダ111と配線基板114との位置合わせを行っておくことになる。そのためこの場合には、作業効率の低下を招き、容易な組立を行うことは困難となる。
また、特許文献2では、予め接着剤が塗布されているが、接着剤のムラによるハウジング部121の配線基板122に対する傾きを防止することについては何ら開示されていない。さらに、特許文献2では、周壁部121aの先端に形成された凹部124a・124bは、接着剤125が溢れ出すのを防止するものであり、配線基板122とハウジング部121との接着に寄与するものではない。すなわち、ハウジング部121は、凸部123の先端のみが配線基板122に接着される構成となっており、先端が凹凸形状となっていないハウジング部に比べ配線基板との接着面積が少なくなっている。そのため、特許文献2では、ハウジング部121が配線基板122から剥がれ易い構造となっており、上記傾きが生じる可能性があった。
それゆえ、特許文献1および2の技術では、予め接着剤が配線基板に塗布された場合において、上記傾きのない高精度な組立を容易に行うことは困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高精度な組立を容易に行うことが可能なカメラモジュールおよびカメラモジュールの組立方法を提供することにある。
本発明の一態様に係るカメラモジュールは、上記の課題を解決するために、
撮像素子が配設された基板と、撮像レンズを上記基板上で保持する保持部材とを備えたカメラモジュールであって、
上記保持部材を上記基板に接合するための接着剤が塗布される接着剤塗布部をさらに備え、
上記接着剤塗布部は、上記保持部材と上記基板との接合領域から所定の距離をおいて、当該接合領域に沿って形成されている。
本発明の一態様によれば、高精度な組立を容易に行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置を示す図であり、(a)は光の入射側から見たときの配線基板を示す図であり、(b)は(a)の領域Pを示す図である。 上記固体撮像装置の断面図である。 (a)〜(g)は突起部の形状の変形例を示す図である。 (a)は上記固体撮像装置を光の入射側から見たときの配線基板に接着剤が塗布される様子を示す図であり、(b)は突起部に塗布された接着剤と突起部との位置関係を示す図であり、(c)は(a)におけるA−A’断面図であり、配線基板にホルダが接着された状態を示す図である。 上記固体撮像装置の比較例としての固体撮像装置を示す図であり、(a)は当該比較例としての固体撮像装置を光の入射側から見たときの配線基板を示す図であり、(b)および(c)は、当該比較例における配線基板へのホルダの装着過程を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施形態に係る固体撮像装置において、配線基板へのホルダの装着過程を示す図である。 ホルダの接着位置を説明するための図である。 本発明の別の実施形態に係る固体撮像装置の一部を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る固体撮像装置の一部を示す図であり、(a)はホルダが切欠き部を備えた構成を示す図であり、(b)は、ホルダが庇部を備えた構成を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る固体撮像装置の一部を示す図である。 (a)〜(c)は、上記固体撮像装置において、配線基板へのホルダの装着過程を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る固体撮像装置を示す図であり、(a)はその断面図、(b)は光の入射側から見たときの配線基板を示す図である。 図12(b)に示すB−B’断面図である。 (a)〜(c)は、上記固体撮像装置において、配線基板へのホルダの装着過程を示す図である。 従来の固体撮像装置の断面図である。 従来の固体撮像装置の一部を示す図である。
〔実施形態1〕
(固体撮像装置1の概略構成)
まず、図2を用いて、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置(カメラモジュール)1の概略構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置1の断面図である。
固体撮像装置1は、レンズ(撮像レンズ)2、ホルダ(保持部材、鏡胴、レンズ保持具)3、フィルタ4、配線基板(基板)5および撮像素子6を備える構成である。
ホルダ3は、中空部を有する筒状の形状を有しており、当該中空部に、フィルタ4とレンズ2とを配線基板5上で保持している。また、ホルダ3は、撮像素子6および突起部8を覆うように配線基板5に装着されている。より具体的には、ホルダ3の底面が、ホルダ3を接合するための接着剤20によって配線基板5に接着されている。ホルダ3の配線基板5への装着過程については、図6にてより具体的に説明する。なお、ワイヤ7が配線基板5に接続されている位置は、接着剤20が当該接続位置に流入しない程度に、突起部8(接着剤20が塗布される塗布領域N(図1参照))から離間していることが好ましい。さらに、ホルダ3は、オートフォーカス機能、手振れ補正機能、マクロ機能およびズーム機能を実現するための可動部(不図示)を備えた光学機構(光学部)の一部として構成されていてもよい。
フィルタ4は、ガラス基板で構成され、透光性の蓋部として機能する。また、フィルタ4は、例えばレンズ2を介して入射される赤外線を遮断する赤外線フィルタとして機能してもよい。
配線基板5は、固体撮像装置1の底部に相当する部分であり、その材質は例えばセラミックである。配線基板5上には、撮像素子6が搭載されており、撮像素子6は、ワイヤ7によって、配線基板5の表面(撮像素子6が実装される面)、側面または裏面(当該表面の反対側の面)等の図示しない配線または電極に電気的に接続されており、例えばCCD、CMOSセンサーICなどによって実現されている。なお、ワイヤ7による電気的接続(ワイヤボンディング)ではなく、配線基板5が備える貫通電極によって電気的に接続されていてもよい。
また、配線基板5は、配線基板5の周縁近傍に、より具体的には配線基板5の外周に沿って、接着剤20が塗布される突起部(接着剤塗布部、突出部)8を有している。この突起部8の詳細について以下に説明する。
(突起部8の詳細)
図1、図3〜図7を用いて、本実施形態に係る固体撮像装置1における突起部8の詳細を説明する。まず、図1を用いて、突起部8により規定される塗布領域Nと、ホルダ3が搭載される接着領域(接合領域)Mとの位置関係について説明する。図1は、ホルダ3が装着される前の配線基板5を示しており、(a)は固体撮像装置1を光の入射側から見た図であり、(b)は領域Pを示す図である。
図1(a)に示すように、接着領域Mは、配線基板5とホルダ3とが接着される配線基板5上の領域であり、配線基板5の周縁に、より具体的には配線基板5の外周に沿って環状に位置している。
本実施形態では、配線基板5の周縁に接着領域Mが位置しているが、これに限らず、撮像素子6の配設位置に応じて、撮像素子6を取り囲むように接着領域Mが位置していればよい。すなわち、撮像素子6を取り囲むようにホルダ3が接着されればよい。また、接着領域Mは、配線基板5の周縁に沿って環状に形成されている必要は必ずしもない。例えば、複数のホルダ3がレンズ2を把持する構成となっている場合には、その底部にあわせて接着領域Mが環状の一部形状となって形成されてもよい。
接着領域Mの内周側(撮像素子6側)の近傍には、配線基板5の外周(すなわち接着領域M)に沿って、かつ撮像素子6を囲うように、接着剤20が塗布される配線基板5上の領域である塗布領域Nが位置している。図1(b)にも示すように、この塗布領域Nは、突起部8に所定の接着剤20が塗布されたときに、その中心線Cが接着領域Mとは異なる位置となり、かつ、塗布領域Nの一部(接着領域Mとの重複領域R)が接着領域Mに重なるように形成される。すなわち、突起部8の頭頂部(中心線Cと重なる部分)を塗布目標として、突起部8を覆うように接着剤20が塗布されることにより、図1(a)に示す塗布領域Nが形成される。
換言すれば、突起部8は、所定量の接着剤20が塗布されたときに、図1に示すような塗布領域Nが形成されるように、接着領域Mから所定の距離をおいて、接着領域Mに沿って形成されている。
また本実施形態では、突起部8は、接着領域Mに沿って、かつ配線基板5の4辺に沿って直線状に連続して設けられている。すなわち、突起部8は、ホルダ3(接着領域M)に囲まれ、かつ撮像素子6を囲むように配置されている。
なお、突起部8は連続して設けられる必要は必ずしもなく、接着領域Mに沿って断続的に設けられていてもよい。すなわち、ディスペンサ30から吐出される接着剤20を直線的に塗布させて、接着領域Mに沿って、図1に示すような塗布領域Nが形成されるような構成であればよい。また、突起部8は、接着領域Mの内周側に設けられている必要は必ずしもなく、例えばその外周側に設けられていてもよい。
また、突起部8は、図2に示すように、その断面形状が略二等辺三角形である三角柱状であり、その高さは約40〜50μmである。この形状および高さは、ディスペンサ30(図4(a)参照)から塗布される接着剤20の形状にあわせたものであるため、塗布領域Nが規定しやすい。突起部8の形状としては、例えば、図3(a)〜(g)に示すような種々の形状が挙げられる。
図3は、突起部8の形状の変形例を示す図である。同図のx側に撮像素子6が、y側にホルダ3(接着領域M)が配置される。突起部8の断面形状は、それぞれ(a)直角三角形状、(b)五角形状(ホームベース型)、(c)矩形状、(d)半楕円形状、(e)扇形状、(f)弾頭形状、(g)上面の稜角が面取りされた略矩形状、となっている。
図3(a)の形状の場合、y側の突起部8の壁面を、ホルダ3の内壁面と略平行になるように、配線基板5に対して略垂直に切り立った面とすることで、図2に示す突起部8よりも、ホルダ3の内壁に対してより広い範囲で接近した面とすることができる。これにより、ホルダ3の内壁に面する接着剤20が多くなるため、その多く面した分をホルダ3と配線基板5との接着に寄与させることができる。また、ホルダ3が接着剤20をより多く踏むことができ、接着剤20をホルダ3の底面全体により確実に塗布することができる。それゆえ、ホルダ3と配線基板5との接着強度を向上させることができる。
図3(b)の形状の場合、図2に示した突起部8の壁面の一部(突起部8の根本付近の面)を、配線基板5に対して略垂直に切り立った面とすることで、突起部8の先端である斜面とホルダ3の壁面とで接着剤20を捕獲することができ、ホルダ3と配線基板5との接着に不要な接着剤20の流出を防止できる。
なお、突起部8が図3(a)または(b)の形状とすると、配線基板5の材質がセラミックの場合に、突起部8の先端が欠ける可能性がある。このため、突起部8の先端が欠ける可能性が高い材質の場合には、図3(c)の形状とすることが好ましい。
また、図2および図3(a)〜(c)に示すような角部(稜角)を有するように突起部8の設計が行われた場合であっても、実際の成形において、その角部が面取りされた形状となる場合がある。図3(d)〜(g)に示す突起部8は、それぞれ図2、図3(a)〜(c)に示す突起部8の角部が面取りされた形状を有するものである。なお、面取りがされたとしても、それぞれの突起部8の効果には大きく影響しない。
なお、突起部8の形状および高さは、塗布領域Nが形成され、かつ他の部材の機能に影響を与えない程度であれば、どのような形状および高さであってもよく、また突起形状でなくてもよい。接着剤塗布部が突起形状でない場合の一実施形態については、後述する実施形態5にて説明する。
また、突起部8は、配線基板5と一体として、すなわち配線基板5の一部として設けられている。この場合、金型成形などの成形方法によって、容易に配線基板5に突起部8を設けることができる。なお、突起部8としての機能を有していれば、突起部8が配線基板5と一体として設けられる必要はない。
次に、図4(a)は、固体撮像装置1を光の入射側から見たときの、接着剤20が配線基板5に塗布される様子を示す図である。ディスペンサ30は接着剤20を吐出する接着剤塗布装置であり、配線基板5に塗布するために用いられる。ディスペンサ30から吐出された接着剤20は、破線矢印で示すように、突起部8に沿って、連続して(一筆書きで)配線基板5上を一周するように塗布されることにより、塗布領域Nが形成される。
図4(b)は、突起部8と、ディスペンサ30から突起部8に吐出された接着剤20との位置関係を示す図である。図4(b)に示すように、ディスペンサ30から吐出された接着剤20が突起部8の頭頂部を塗布目標として塗布された場合、接着剤20の頭頂部が突起部8の頭頂部と略一致し、配線基板5上には、突起部8の底部に沿って、かつ底部の面積よりも若干大きい面積を有する塗布領域Nが形成される。
図4(c)は、(a)におけるA−A’断面図であり、配線基板5にホルダ3が接着さされた状態を示す図である。配線基板5の上面(撮像素子6およびホルダ3が搭載される表面)とホルダ3の底面とは、突起部8に沿って塗布された接着剤20により接着されている。配線基板5とホルダ3との接着に用いられなかった接着剤20は、同図に示すように、突起部8によって撮像素子6側への流出が抑制され、突起部8を覆ったまま硬化する。
(比較例との対比)
次に、図5および図6を用いて、本実施形態の固体撮像装置1と、固体撮像装置1の比較例としての固体撮像装置100とにおける、配線基板5とホルダ3との接着状況の相違について説明する。図5は、固体撮像装置1の比較例としての固体撮像装置100を示す図であり、(a)は、固体撮像装置100を光の入射側から見たときの配線基板5を示している。固体撮像装置100では、固体撮像装置1と異なり、配線基板5上に突起部8が設けられていない。
固体撮像装置100においても、配線基板5の接着領域Mにホルダ3を接着するために、塗布ラインLに沿って接着剤20が連続して配線基板5上に塗布される。配線基板5上には突起部8が設けられていないため、接着剤20は、図5(a)に示すように、塗布ラインLに対して蛇行した形状で塗布されてしまう可能性がある。すなわち、接着剤20をどんなに直線的に塗布したとしても、多少なりとも蛇行した形状で塗布されてしまう可能性がある。これは、塗布後の時間経過に伴って接着剤20の粘性が変化したり、配線基板5の微妙な反り等の基板表面の種々の状態等によって、連続した接着剤20の塗布にムラが生じる可能性が高いためである。
図5(b)は、塗布ラインLに沿って塗布された接着剤20により、配線基板5がホルダ3と接合される状況を示す図である。図5(b)示すように、一般に、所定量の接着剤20が塗布された場合、配線基板5の上面から接着剤20の頭頂部までの高さは、約40〜50μmである。ホルダ3は、塗布ラインLよりも固体撮像装置100の外周側にある接着剤20を踏むようにして、配線基板5に接合される。ホルダ3によって踏まれた配線基板5上にある接着剤20は、配線基板5の上面とホルダ3の底面との間に回り込み、その間で一様に広がる。その後、ホルダ3の自重または外部からの熱により、接着剤20が硬化し、ホルダ3が配線基板5に接着される。また一方では、同図に示すように、撮像素子6側の接着剤20は、撮像素子6側にも拡がる。このとき、接着剤20がワイヤ7の設置領域にまで拡がると、固体撮像装置100が電気的不具合を引き起こす。
一方、図5(c)は、塗布ラインLに対して蛇行した部分に塗布された接着剤20により、配線基板5がホルダ3と接合される状況を示す図である。図5(c)に示すように、ホルダ3は、上記蛇行した部分においては、接着剤20の頭頂部を踏むようにして、配線基板5に接合される。ホルダ3によって踏まれた配線基板5上にある接着剤20は、図5(b)に示す場合を配線基板5とホルダ3との接着に必要な量とすれば、その量よりも多くなるため、図5(c)に示すように、配線基板5とホルダ3との間に接着剤20の表面張力等の影響によって、接着剤20が約20μmの厚みを持って、すなわちホルダ3が配線基板5から離間した状態(浮いた状態)で固定される可能性がある。この場合、図5(b)に示した塗布ラインL上に塗布された場合の配線基板5とホルダ3との間にある接着剤20の厚みとは異なるため、配線基板5に対してホルダ3が傾いた状態で接着され、当該傾きが部分的なピンボケ(例えば、撮像時の所謂片ボケ(画像の片側がぼやけるという画像不良))の原因となってしまう。また一方では、接着剤20が固体撮像装置100の外周側にはみ出し、外観を損ねることになってしまう。
ここで、接着剤20を塗布するディスペンサ30の吐出口(ニードル)について説明する。ディスペンサ30の吐出口は、ディスペンサ30の口径を調整することで、塗布する接着剤20の量を調節できる。しかし、ディスペンサ30の口径を小さくすると、配線基板5とホルダ3とが接着する前に、吐出口付近において接着剤20が硬化する可能性が高まり、配線基板5にホルダ3を接着(固着)できる程度の塗布を行うことが困難となる。そのため、接着剤20が硬化しない程度にディスペンサ30の口径を大きくする必要があり、その場合には、図5に示すようにビード状に接着剤20が塗布される。しかし、突起部8の無い配線基板5上では、上述した粘性変化および基板表面の状態等によって、ディスペンサ30から吐出される接着剤20が蛇行した形状で塗布されてしまい、図5(c)のような状態が生じてしまう可能性がある。
次に、図6は、本実施形態に係る固体撮像装置1において、配線基板5へのホルダ3の装着過程を示す図であり、(a)は、配線基板5上に設けられた突起部8に接着剤20が塗布された状態を示す図である。突起部8は、上述のような塗布領域Nが形成されるように、接着領域Mに沿って設けられている。そのため、突起部8の頭頂部を塗布目標として接着剤20が塗布されると、同図に示すように、蛇行することなく接着領域Mと略平行に突起部8を囲うように接着剤20が塗布され、その接着剤20によって塗布領域N(図1参照)が形成される(塗布工程)。
上述のように、塗布領域Nは接着領域Mの一部と重なるように形成されるので、ホルダ3は、図6(b)に示すように、突起部8よりも固体撮像装置1の外周側にある接着剤20を踏むようにして、配線基板5に接合される。図6(c)に示すように、ホルダ3によって踏まれた配線基板5上にある接着剤20は、配線基板5の上面とホルダ3の底面との間に回り込み、その間で一様に広がり、ホルダ3の自重または外部からの熱により硬化し、ホルダ3が配線基板5に接着される(硬化工程)。また、ホルダ3が接着剤20の頭頂部を踏むことがないので、図5(c)に示すような浮いた状態でホルダ3が固定されることはない。上述のように塗布領域Nが蛇行することなく形成されるので、ホルダ3のどの位置においても、図5(c)のような状態で固定されることがない。
(接着領域幅について)
次に、図7を用いて、配線基板5に対するホルダ3の接着位置について説明する。図7は、ホルダ3の接着位置を説明するための図である。接着領域Mの幅である接着領域幅をw、ホルダ3の壁厚(ホルダ壁厚)をd、接着領域Mと塗布領域Nとが重なる重複領域R(図1(b)参照)の幅である重複領域幅をpとする。図7に示すように、重複領域幅pは、突起部8の根本(突起部8と配線基板5との配線基板5の外周側における境界近傍)から接着剤20が塗布されている境界まで幅であり、配線基板5の上面から見て接着剤20が突起部8からはみ出した幅(接着剤はみ出し幅)ともいえる。接着領域幅wは、ホルダ壁厚dよりも広く、突起部8の根本から配線基板5の端までの幅よりも狭い。
ホルダ壁厚dおよび重複領域幅pは、例えば、
2/3・w≦d<w
1/2・w≦p<w
という条件を満たすように設定されていることが好ましい。この場合、ホルダ3と配線基板5とを接着するのに十分な量の接着剤20がホルダ3の底面に一様に拡がり、配線基板5に対して傾くことなくホルダ3を接着することが可能となる。
(固体撮像装置1の効果)
以上のように、本実施形態の固定撮像装置1では、配線基板5の、ホルダ3を接合するために接着剤20を塗布する位置に塗布領域Nが形成されるように、当該接着剤20が塗布される突起部8が接着領域Mから所定の距離をおいて、当該接着領域Mに沿って形成されている。その突起部8に沿って接着剤20を塗布することで、接着剤20の接着領域Mにはみ出た端部(重複領域Rを形成する接着剤20)がホルダ3の底面に回り込み、接着剤20が硬化することによってホルダ3が配線基板5に接着される。
したがって、本実施形態の固定撮像装置1では、ディスペンサ30の吐出口を調整することなく、接着剤20を突起部8に沿って塗布するだけで、接着剤20の塗布ムラによってホルダ3が傾いた状態(チルトした状態)で接着され、組み立てられるといった事態を防ぐことができるゆえ、高精度な組立を容易に行うことを可能とする。これにより、撮像画像の品質を劣化させることのない固体撮像装置1を提供することができる。
また、固体撮像装置1の外周部への接着剤20のはみ出しといった事態も防ぐことができるので、外観上の見栄えによる製品不良も防ぐことができる。さらに、撮像素子6側への接着剤20の流出も抑制することが可能である。
さらに、突起部8は、接着領域Mから所定の距離をおいて形成されている。つまり、接着領域M以外の位置(すなわち、ホルダ3の配線基板5との接着時および接着後において、ホルダ3と接しない位置)に設けられている。そのため、突起部8とホルダ3とが接着され、ホルダ3が配線基板5に対して傾いた状態で接着されることを防止することができる。
なお、上記所定の距離とは、一般的にホルダ3と配線基板5との接着に必要な所定量の接着剤20が突起部8に塗布された場合に、接着剤20の一部が接着領域M内に含まれ、かつ、撮像素子6(ワイヤ7)には触れない程度の距離である。
(従来技術等との差異)
固体撮像装置1の組立は、接着剤20を配線基板5に塗布後、ホルダ3を搭載機(不図示)で配線基板5の所定の位置(接着領域M内)に戴置し、その後、ホルダ3の自重で接着剤が硬化するまで放置(又は熱硬化)することによって行われる。その載置のときに、ホルダ3に保持されたレンズ2の中心(光軸)と、配線基板5に設けられた撮像素子6の画素領域の中心との位置合わせを行うことで所望の撮像性能を得ることができる。
特に、固体撮像装置1を含め、昨今の固体撮像装置は、撮像素子の撮像画素数が増加し、またオートフォーカス機能または手振れ補正等の光学機構を内蔵している。このため、上記位置合わせには高い精度が要求されている。そして、撮像画像の高精細化と、固体撮像装置が備えられるカメラのサイズの縮小化との要求から、撮像素子のICチップの角部、出力端子、特定のレイアウトパターン等を基準として上記位置合わせが行われる。また、この位置合わせ手法によれば、配線基板に接着実装(ダイボンディング)された撮像素子と配線基板とのズレも考慮して、撮像素子とホルダとの位置合わせを直接行うことができる。
特許文献1のような仮止めによる位置合わせの場合には、その時点で配線基板114に対するレンズホルダ112の位置が決まってしまうため、上記のような高精度の位置合わせを行うことは困難となる。また、特許文献1で仮止めを行わない場合には、上述したように、作業効率の悪化の可能性がある。
また、特許文献2において、ハウジング部121と配線基板122との接着面積を大きくしようとすると必然的にハウジング部121の壁厚を厚くする必要があり、撮像モジュール102を備えるカメラのサイズが大きくなってしまう。
さらに、接着剤の半流動性、狭い箇所で硬化しやすいなどの性質からディスペンサの吐出口を、現状よりも細くすることが困難である。それゆえ、比較例としての固体撮像装置100において説明したように、接着剤をビード状に塗布する他なく、接着剤の粘性変化および基板表面の状態等の影響を受けて、接着剤は蛇行して配線基板に塗布されてしまう。
一方、本実施形態の固体撮像装置1は、突起部8を備えているため、上述したような塗布領域Nを容易に形成することができるので、ホルダの壁厚を調整することなく、一般に使用されるディスペンサを用いて、上記の高精度な位置合わせを行うことができる。それゆえ、撮像画像の高精細化と、カメラのサイズの縮小化との要求を満たすことができる。
〔実施形態2〕
次に、図8を用いて、本発明の別の実施形態に係る固体撮像装置1aについて説明する。図8は、本実施形態の固体撮像装置1aの一部を示す図である。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8に示すように、固体撮像装置1aは、撮像素子6と突起部8との間に位置するように、配線基板5上に第2突起部(流出防止部材)10が設けられている点で固体撮像装置1とは異なる。
第2突起部10は、接着剤20の撮像素子6(ワイヤ7を含む)への流出を防止するためのものであり、配線基板5上の突起部8の内周側に、突起部8と並行するように設けられている。また、塗布された接着剤20が第2突起部10を超えて撮像素子6側に流入しないように、少なくとも突起部8とは離間するように設けられている。
このように、固体撮像装置1aでは、第2突起部10を設けたことにより、突起部8に塗布された接着剤20が撮像素子6側に流出し、撮像素子6に付着することを確実に防止することができる。
なお、第2突起部10の形状、高さおよび配置位置は、接着剤20の撮像素子6側への流出を防止でき、かつ他の部材の機能に影響を与えないように決められていればよい。また、第2突起部10は、配線基板5と一体に成形されても、別体に設けられてもよい。また、上記流出を防止する機構として、第2突起部10の代わりに、例えば溝が配線基板5に設けられていてもよい。
〔実施形態3〕
次に、図9を用いて、本発明のさらに別の実施形態に係る固体撮像装置1bおよび1cについて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図9(a)および(b)は、それぞれ本実施形態の固体撮像装置1bおよび1cの一部を示す図である。
図9に示すように、本実施形態の固体撮像装置1bは切欠き部11を有するホルダ3aを備え、本実施形態の固体撮像装置1cは庇部(拡散防止部材)12を有するホルダ3bを備えている点で、固体撮像装置1、1aとは異なる。
(ホルダ3aの詳細)
図9(a)は、固体撮像装置1bにおいて、ホルダ3aが切欠き部11を備えた構成を示している。図9(a)に示すように、切欠き部11は、ホルダ3aの底部の外周部分をテーパ状にして形成されたものであり、配線基板5と接着されたときの接着剤20の拡がりを確認するためのものである。これにより、固体撮像装置1bでは、切欠き部11を介して接着剤20の拡がり具合を確認することができるので、例えば、接着剤20の塗布量が不足している箇所にさらに接着剤20を塗布するなど、接着剤20の塗布量の調整をより精密に行うことができる。
また、切欠き部11は、配線基板5の周縁上に外周領域Maを確保する役割を担っている。外周領域Ma上には、配線基板5とホルダ3aとの接着により、その隙間からはみ出した接着剤20が収容される。これにより、固体撮像装置1bの外部に接着剤20がはみ出ることを防止できるため、固体撮像装置1bの外観を損ねることがない。
なお、切欠き部11は、ホルダ3aと配線基板5とが確実に接着される程度の大きさ、すなわち当該接着に十分な程度のホルダ3aの底面の面積を有していることが好ましい。また、切欠き部11は、ホルダ3aの底部の外周に沿って連続して設けられている必要は必ずしもなく、当該底部の一部、または、その外周に沿って断続的に設けられていてもよい。
(ホルダ3bの詳細)
図9(b)は、固体撮像装置1cにおいて、ホルダ3bが庇部12を備えた構成を示している。図9(b)に示すように、庇部12は、ホルダ3bの内壁に設けられており、ホルダ3bの底部から離れた位置(当該内壁の上側、レンズ2(不図示)の搭載側)へと接着剤20が拡がらないように、突起部8に塗布された接着剤20を留めておくものである。これにより、固体撮像装置1cでは、塗布された接着剤20を、接着剤20を必要とするホルダ3bの底部に確実に導入することができる。
なお、庇部12は、その機能を果たすとともに、他の部材の機能に影響を与えない程度の形状および大きさであればよい。例えば図9(b)では、庇部12は、その先端が突起部8の頭頂部近傍となるように板状の部材で構成されている。この場合、突起部8の撮像素子6側から接着剤20が塗布される。また、突起部8に塗布された接着剤20が図1に示すような塗布領域Nを形成し、ホルダ3bの底部へと導入されるように、庇部12は突起部8の頭頂部と離間するように設けられている。
また、庇部12は、ホルダ3bの内壁を1周するように連続して設けられている必要は必ずしもなく、当該底部の一部、または、その外周に沿って断続的に設けられていてもよい。
〔実施形態4〕
次に、図10および図11を用いて、本発明のさらに別の実施形態に係る固体撮像装置1dについて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図10は、本実施形態の固体撮像装置1dの一部を示す図である。
図10に示すように、固体撮像装置1dが備える突起部8aは、シルク印刷により設けられた突起である。シルク印刷とは、配線基板5上に部品No.または信号名等を表すときに用いられる印刷手法である。このシルク印刷を用いた場合には、配線基板5上に突起部8を設けることが困難な材質(例えばセラミック以外の材質)からなる配線基板5の場合であっても、突起部8と同等の機能を有する突起部8aを形成することができる。なお、突起部8aの高さは、約20〜30μmである。
図11は、固体撮像装置1dにおいて、配線基板5へのホルダ3の装着過程を示す図であり、(a)は突起部8aに接着剤20が塗布された状態を示す図である。本実施形態においても、突起部8aの頭頂部を塗布目標として接着剤20が塗布されると、突起部8aを囲うように接着剤20が塗布され、その接着剤20によって塗布領域N(図1参照)が形成される。
実施形態1で述べたように、塗布領域Nは接着領域Mの一部と重なるように形成されるので、ホルダ3は、図11(b)に示すように、突起部8aよりも固体撮像装置1の外周側にある接着剤20を踏むようにして、配線基板5に接合される。図11(c)に示すように、ホルダ3によって踏まれた配線基板5上にある接着剤20は、配線基板5の上面とホルダ3の底面との間に回り込み、その間で一様に広がり、ホルダ3の自重または外部からの熱により硬化し、ホルダ3が配線基板5に接着される。
〔実施形態5〕
次に、図12〜図14を用いて、本発明のさらに別の実施形態に係る固体撮像装置1eについて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図12は、本実施形態の固体撮像装置1eを示す図であり、(a)はその断面図、(b)は光の入射側から見たときの配線基板を示す図である。また、図13は、図12(b)に示すB−B’断面図である。図12(a)に示すように、固体撮像措置1eは、突起部8の代わりに段差部13が設けられた配線基板5aを備えている点で固体撮像装置1とは異なる。
(配線基板5aの詳細)
図12(a)および(b)に示すように、配線基板5aは、接着領域Mに沿って段差部13が形成されており、撮像素子6が配設される上段面51と、ホルダ3が接着される下段面52とを有している。図12(a)に示すように、上段面51は、下段面52よりも配線基板5の底面53から離間した表面である。段差部13は、突起部8と同様、ホルダ3と配線基板5aとの接着領域Mから所定の距離をおいて、当該接着領域Mに沿って形成されている。具体的には、段差部13は、上段面51と下段面52とが段違いとなる境界である段差13aを形成している。段差13aは、実施形態1に示す突起部8の頭頂部(図1(b)の中心線C)に相当する位置となるように、配線基板5aに形成されている。
また、図13に示すように、段差13aの大きさ(上段面51と下段面52との高低差)は、約40〜50μm未満であることが好ましい。すなわち、段差13aは、段差13aに沿って接着剤20が塗布されたときに、接着剤20の頭頂部が配線基板5の上段面51よりも高くなる程度の大きさであることが好ましい。
なお、段差部13は、金型成形または切削などの成形方法によって、配線基板5aとともに容易に形成することができる。また、段差部13は、ホルダ3の内壁を1周するように連続して設けられている必要は必ずしもなく、当該配線基板5aの一部、または、その外周に沿って断続的に設けられていてもよい。
図14は、固体撮像装置1eにおいて、配線基板5aへのホルダ3の装着過程を示す図であり、(a)は段差部13に接着剤20が塗布された状態を示す図である。本実施形態において、段差部13(具体的には、段差13aを有する上段面51の境界)を塗布目標として接着剤20が塗布されると、段差部13を覆うように接着剤20が塗布され、その接着剤20によって塗布領域N(図1(b)参照)が形成される。
実施形態1で述べたように、塗布領域Nは接着領域Mの一部と重なるように形成されるので、ホルダ3は、図14(b)に示すように、段差部13よりも固体撮像装置1eの外周側にある接着剤20を踏むようにして、配線基板5aに接合される。図14(c)に示すように、ホルダ3によって踏まれた配線基板5a上にある接着剤20は、配線基板5aの下段面52とホルダ3の底面との間に回り込み、その間で一様に広がり、ホルダ3の自重または外部からの熱により硬化し、ホルダ3が配線基板5aに接着される。
このように、固体撮像装置1eでは、段差部13を設けたことにより、突起部8と同程度の効果を得ることができる。すなわち、固体撮像装置1等と同様、所定量の接着剤20が段差部13を塗布目標として塗布されることにより、接着領域Mに沿って、かつその一部と重なるように塗布領域Nが形成することができ、接着剤20の塗布ムラによってホルダ3が傾いた状態で接着されることを防止することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るカメラモジュール(1、1a〜1e)は、
撮像素子が配設された基板と、撮像レンズ(レンズ2)を上記基板(配線基板5、5a)上で保持する(ホルダ3、3a、3b)とを備えたカメラモジュールであって、
上記保持部材を上記基板に接合するための接着剤(20)が塗布される接着剤塗布部(突起部8、8a、段差部13)をさらに備え、
上記接着剤塗布部は、上記保持部材と上記基板との接合領域(接着領域M)から所定の距離をおいて、当該接合領域に沿って形成されている。
一般に、接着剤が塗布される位置が接合領域上である場合、塗布された接着剤の全てが保持部材の接合に寄与する可能性がある。その場合、接合に必要な量以上の接着剤が保持部材に提供されてしまい、その余剰分の接着剤が、接着剤を要しないカメラモジュールの他の部分へと流出してしまう可能性がある。
また、上記余剰分の接着剤(例えば接着剤の表面張力)によって、硬化した接着剤の厚み分だけ保持部材が基板から離れた状態で接着される可能性がある。特に、接着剤が蛇行するように塗布された場合には、保持部材と基板との間にある接着剤のムラによって、保持部材の各場所において高低差が生じてしまうので、基板に対して保持部材が傾いた状態で組み立てられてしまう可能性がある。
上記本発明の一態様の構成によれば、接着剤塗布部が、保持部材と基板との接合領域から所定の距離をおいて、当該接合領域に沿って形成されている。そのため、塗布された接着剤の全てが保持部材の接合に寄与することがないため、上記のような接着剤の余剰分の流出を防止することができる。
また、接着剤塗布部は、接合領域に沿うように設けられているので、接合領域のいずれの位置においても、ほぼ同量の接着剤を一様に提供することができる。そのため、上記のような高低差が生じてしまうことを防止することができる。
したがって、本発明の一態様によれば、接着剤塗布部に対して接着剤の塗布を行うだけで、接着剤の余剰分のはみ出しと、上記高低差に起因した保持部材の傾きとを防止することができる。それゆえ、カメラモジュールの組立精度の要求を損なうことなく、適正な組み立てを容易に行うことが可能となる。すなわち、カメラモジュールの高精度な組立を容易に行うことが可能となる。
さらに、本発明の態様2に係るカメラモジュール(1、1a〜1e)は、上記態様1において、
上記接合領域は、環状またはその部分形状を有しており、
上記接着剤塗布部は、上記接合領域の内側に形成されていることが好ましい。
一般に、保持部材は、配線基板の外周に沿って設けられる。そのため、接合領域も、一般には配線基板の外周に沿って、環状またはその部分形状を有する。
上記の構成によれば、接着剤塗布部が接合領域の内側に形成されているので、塗布された接着剤が、接合領域の外周(すなわち、配線基板の外周)からはみ出てしまうといった事態を防ぐことができる。
さらに、本発明の態様3に係るカメラモジュール(1、1a〜1d)は、上記態様1または2において、
上記接着剤塗布部は、上記接着剤の塗布目標となる突起部(8、8a)によって構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、突起部を塗布目標として接着剤を塗布することにより、接合領域に沿って蛇行することなく接着剤を塗布することができる。それゆえ、容易な構造によって、保持部材に対して、一様にかつ接合に必要な適正量の接着剤を提供することができる。
さらに、本発明の態様4に係るカメラモジュール(1、1a〜1c)は、上記態様1から3のいずれかにおいて、
上記突起部(8)は、上記基板の一部として設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、突起部を基板とともに成形することができる。それゆえ、本発明の一態様に係るカメラモジュールを容易に製造することができる。
さらに、本発明の態様5に係るカメラモジュール(1a)は、上記態様1から4のいずれかにおいて、
上記接着剤塗布部と上記撮像素子との間で、かつ、上記接着剤塗布部から離れた位置に、上記接着剤の上記撮像素子への流出を防止する流出防止部材(第2突起部10)が上記基板に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、流出防止部材が基板に設けられていることにより、接着剤が撮像素子側へ流出し、接着剤が撮像素子に付着することを確実に防止することができる。それゆえ、接着剤による撮像機能の低下を防止することができる。
さらに、本発明の態様6に係るカメラモジュール(1b)は、上記態様1から5のいずれかにおいて、
上記保持部材(ホルダ3a)の、上記基板と接合される底部の外周部には、上記基板と接合されたときの上記接着剤の拡がりを確認するための切欠き部(11)が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、保持部材の上記外周部に切欠き部が形成されているので、その切欠き部を介して接着剤の拡がり具合を確認することができる。それゆえ、その拡がり具合を確認することにより、接着剤の塗布量の調整をより精密に行うことができる。
さらに、本発明の態様7に係るカメラモジュール(1c)は、上記態様1から6のいずれかにおいて、
上記保持部材(ホルダ3b)には、上記保持部材の内壁で、かつ、上記保持部材の、上記基板と接合される底部から離れた位置への上記接着剤の拡がりを防止する拡散防止部材(庇部12)が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、保持部材に拡散防止部材が設けられているので、上記位置への接着剤の拡がりを防止することができる。それゆえ、塗布された接着剤を、接着剤を必要とする保持部材の底部に確実に導入することができる。
さらに、本発明の態様8に係るカメラモジュール(1、1a〜1e)の組立方法は、上記態様1から7のいずれかに記載のカメラモジュールの組立方法であって、
上記接着剤塗布部に沿って上記接着剤を塗布する塗布工程と、
上記塗布工程において塗布された上記接着剤が硬化する硬化工程と、を含む。
上記の方法によれば、接着剤を接着剤塗布部に沿って塗布することにより、接合領域に沿って蛇行することなく塗布することが可能となる。それゆえ、塗布した接着剤が硬化したときに、上述した接着剤の余剰分のはみ出しと、上記高低差に起因した保持部材の傾きとが生じることを防止することができるので、カメラモジュールの組立精度の要求を損なうことなく、適正な組み立てを容易に行うことが可能となる。
〔本発明の別表現〕
本発明の一態様に係るカメラモジュールは、レンズあるいは光学機構を含むホルダと、固体撮像素子が設置された配線基板とを有し、配線基板とホルダとを接着するとき、接着剤塗布箇所と接着する箇所が離れて設置され、接着剤塗布箇所に塗布された接着剤が接着箇所にはみ出し、このはみ出した接着剤でホルダの接着を行う構造を有する。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、固体撮像装置に適用できる。特に、撮像素子、配線基板、レンズ等の光学機構及び鏡胴がパッケージされたカメラ付き携帯電話機、デジタルスチルカメラおよびセキュリティカメラなどの実装構造に好適に利用することができる。
1 固体撮像装置(カメラモジュール)
1a 固体撮像装置(カメラモジュール)
1b 固体撮像装置(カメラモジュール)
1c 固体撮像装置(カメラモジュール)
1d 固体撮像装置(カメラモジュール)
1e 固体撮像装置(カメラモジュール)
2 レンズ(撮像レンズ)
3 ホルダ(保持部材)
3a ホルダ(保持部材)
3b ホルダ(保持部材)
5 配線基板(基板)
5a 配線基板(基板)
6 撮像素子
8 突起部(接着剤塗布部)
8a 突起部(接着剤塗布部)
10 第2突起部(流出防止部材)
11 切欠き部
12 庇部(拡散防止部材)
13 段差部
13a 段差
20 接着剤
M 接着領域(接合領域)

Claims (5)

  1. 撮像素子が配設された基板と、撮像レンズを上記基板上で保持する保持部材とを備えたカメラモジュールであって、
    上記保持部材を上記基板に接合するための接着剤が塗布される接着剤塗布部をさらに備え、
    上記接着剤塗布部は、上記保持部材と上記基板との接合領域から所定の距離をおいて、当該接合領域に沿って形成されていることを特徴とするカメラモジュール。
  2. 上記接合領域は、環状またはその部分形状を有しており、
    上記接着剤塗布部は、上記接合領域の内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
  3. 上記接着剤塗布部は、上記接着剤の塗布目標となる突起部によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラモジュール。
  4. 上記接着剤塗布部と上記撮像素子との間で、かつ、上記接着剤塗布部から離れた位置に、上記接着剤の上記撮像素子への流出を防止する流出防止部材が上記基板に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラモジュール。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のカメラモジュールの組立方法であって、
    上記接着剤塗布部に沿って上記接着剤を塗布する塗布工程と、
    上記塗布工程において塗布された上記接着剤が硬化する硬化工程と、を含むことを特徴とするカメラモジュールの組立方法。
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