JP2014178196A - 薄膜式ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い選択性を有しながら、消費電力を低くでき、かつ長期間に渡って信頼性を維持できる薄膜式ガスセンサを提供する。
【解決手段】円柱状の貫通孔を有する板状のシリコン基板と、シリコン基板上に重ねて形成される薄膜状の支持層と、貫通孔に対応して支持層上に形成されるヒータ層と、ヒータ層を覆うように支持層上に形成される電気絶縁層と、貫通孔に対応して電気絶縁層上に互いに間隔を空けて形成される2つの電極と、2つの電極間を結ぶように電気絶縁層上に形成されるガス感知層と、触媒を添加した多孔質体から構成され、かつ貫通孔の位置に対応して電気絶縁層上にて2つの電極及びガス感知層を覆うように平面視円形状に形成される選択燃焼層とを備え、シリコン基板の支持層に当接する部分における貫通孔の直径D1と、選択燃焼層における電気絶縁層に当接する部分の直径D2との比率D1/D2が1.92以上かつ2.78以下の範囲になっている、薄膜式ガスセンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス検知に用いられる薄膜式ガスセンサに関する。
一般的にガスセンサは、ガス検知装置等に用いられており、特定のガス、例えば、一酸化炭素(CO)、メタンガス(CH)、プロパンガス(C)、メタノール蒸気(CHOH)等に対して選択的に感応するように構成されている。このようなガスセンサにおいては、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、及び低消費電力といった性能が要求されている。
また、ガスセンサを用いたガス検知装置のうち、家庭用のガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガスの検知を目的としたもの、燃焼機器の不完全燃焼ガスの検知を目的としたもの、またはこれら両方の機能を合わせ持つものなどが存在している。しかしながら、いずれのガス漏れ警報器についても高いコストや設置の難易性の問題から広く普及していない。このようなガス漏れ警報器が広く普及するためには、特に、設置性を改善することが望まれている。このような要望に応じるためには、駆動源に電池を用いるとともにコードレス化を図ることによって、コンパクトなガスセンサを提供することが考えられる。駆動源に電池を用いる場合、ガスセンサを低消費電力化することが特に重要となる。しかしながら、接触燃焼式や半導体式のガスセンサは、400℃〜500℃の高温に加熱された状態でガスを検知する。そのため、高温状態を維持するために多くの電力を消費する必要があり、このことがガスセンサを低消費電力化する上で問題となっている。
そこで、例えば、高温状態を維持し易いガスセンサとして、特許文献1のような薄膜式ガスセンサが用いられている。このような薄膜式ガスセンサは板状のシリコンウェハを有し、シリコンウェハにその厚さ方向に延びる貫通孔が形成され、貫通孔の開口を覆うようにシリコンウェハ上に支持層が重ねて形成され、支持層上には、周囲を加熱可能とするヒータ層が形成され、ヒータ層を覆うように支持層上に電気絶縁層が形成され、電気絶縁層上に互いに間隔を空けて2つの電極が形成され、2つの電極間を結ぶように電気絶縁層上に、例えば、一酸化炭素、メタンガス、プロパンガス、メタノール蒸気等に対して選択的に感応した場合に電気的特性が変化するガス感知層が形成され、さらに、電気絶縁層の中央部の上には、触媒を添加した多孔質体から構成される選択燃焼層が、2つの電極及びガス感知層を覆うように形成されている。このような構成では、選択燃焼層によって、検知対象ガス以外のガスがガス感知層に到達することを確実に防ぐという選択性が得られる。
特開2004−317276号公報
しかしながら、検知対象ガス以外のガスがガス感知層に到達することを防ぐように構成された選択燃焼層は、大きな熱損失を有する傾向にある。このような選択燃焼層の熱損失によって、ガス感知層を加熱するための消費電力が大きくなるという問題がある。また、選択燃焼層の熱損失によって、薄膜式ガスセンサの平均温度が低くなるので、薄膜式ガスセンサが長期間に渡って使用された場合に、薄膜式ガスセンサの劣化が進み易くなって、信頼性が低下するという問題がある。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い選択性を有しながら、消費電力を低くでき、かつ長期間に渡って信頼性を維持することができる薄膜式ガスセンサを提供することにある。
課題を解決するために、本発明の一態様に係る薄膜式ガスセンサは、円柱状の貫通孔を有する板状のシリコン基板と、前記貫通孔の開口を覆うように前記シリコン基板上に重ねて形成される薄膜状の支持層と、前記貫通孔の位置に対応して前記支持層上に形成されるヒータ層と、該ヒータ層を覆うように前記支持層上に形成される電気絶縁層と、前記貫通孔の位置に対応して前記電気絶縁層上に互いに間隔を空けて形成される2つの電極と、該2つの電極間を結ぶように前記電気絶縁層上に形成されるガス感知層と、触媒を添加した多孔質体から構成され、かつ前記貫通孔の位置に対応して前記電気絶縁層上にて前記2つの電極及び前記ガス感知層を覆うように平面視円形状に形成される選択燃焼層とを備えている薄膜式ガスセンサにおいて、前記シリコン基板の前記支持層に当接する部分における貫通孔の直径D1と、前記選択燃焼層における前記電気絶縁層に当接する部分の直径D2との比率D1/D2が1.92以上かつ2.78以下の範囲になっている。また、本発明の一態様に係る薄膜式ガスセンサでは、前記直径D1を450μm以上かつ540μm以下の範囲とする条件、及び前記直径D2を180μm以上かつ260μm以下の範囲とする条件のうち少なくとも1つの条件を満たすようになっている。そのため、このようなシリコン基板の支持層に当接する部分における貫通孔の直径D1と選択燃焼層における電気絶縁層に当接する部分の直径D2との関係に基づいて構成された選択燃焼層によって、検知対象ガス以外のガスがガス感知層に到達することを確実に防止できる。その一方で、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減できて、ひいては、薄膜式ガスセンサを電池駆動することができる。また、薄膜式ガスセンサの平均温度が低下し難くなるので、薄膜式ガスセンサが長期間に渡って使用された場合に、薄膜式ガスセンサの劣化が進み難くなり、薄膜式ガスセンサの信頼性を長期間に渡って維持できる。
本発明の一態様に係る薄膜式ガスセンサは、高い選択性を有しながら、消費電力を低くでき、かつ長期間に渡って信頼性を維持することができる。
本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサの概略を示す断面図である。 本発明の実施形態における選択燃焼層の直径とメタン抵抗との関係を示す図である。 本発明の実施形態における選択燃焼層の直径と水素選択比との関係を示す図である。 本発明の実施形態における選択燃焼層の直径とヒータパワーとの関係を示す図である。 本発明の実施形態における選択燃焼層の直径とメタン抵抗の50℃/20℃比との関係を示す図である。
本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサについて以下に説明する。図1に示すように、薄膜式ガスセンサのセンサ素子1は略板状のシリコン(Si)基板2を有している。シリコン基板2には、その厚さ方向に延びる貫通孔2aが形成されている。特に図示はしないが、貫通孔2aは円柱状に形成されている。再び図1に示すように、このようなシリコン基板2の上には薄膜状の支持層3が重ねて形成されている。支持層3は貫通孔2aを覆っている。なお、シリコン基板2の貫通孔2aは、シリコン基板2の支持層3に当接する部分(以下、「支持層当接部分」という)にて直径D1を有している。
図1に示すように、支持層3の上には、周囲を加熱可能とするヒータ層4が形成されている。ヒータ層4はシリコン基板2の貫通孔2aに対応して配置されている。さらに、支持層3の上には、ヒータ層4を覆うように電気絶縁層5が形成されている。電気絶縁層5の上には、2つの電極6が形成されている。2つの電極6は、シリコン基板2の貫通孔2aの位置に対応して互いに間隔を空けて配置されている。電気絶縁層5の上には、2つの電極6間を結ぶようにガス感知層7が形成されている。ガス感知層7は、例えば、一酸化炭素(CO)、メタンガス(CH)、プロパンガス(C)、メタノール蒸気(CHOH)等に対して選択的に感応した場合に電気的特性が変化するように構成されている。さらに、電気絶縁層5の上には、2つの電極6及びガス感知層7を覆うように選択燃焼層8が形成されている。選択燃焼層8は、触媒を添加した多孔質体から構成され、かつ検知対象となるガス以外のガスがガス感知層7に到達することを防ぐように構成されている。また、選択燃焼層8はシリコン基板2の貫通孔2aの位置に対応して配置されている。特に図示はしないが、このような選択燃焼層8は、平面視円形状に形成されており、一例として、本実施形態では、選択燃焼層8は略半球形状に形成されている。なお、選択燃焼層8は、電気絶縁層5に当接する部分(以下、「絶縁層当接部分」という)にて直径D2を有している。
このような構成において、支持層3、ヒータ層4、及び電気絶縁層5におけるシリコン基板2の貫通孔2aに対応する部分(以下、「ダイヤフラム部分」という)は、シリコン基板2によって支持されていない状態になっており、薄膜式ガスセンサのセンサ素子1はダイヤフラム構造に構成されている。
シリコン基板2の支持層当接部分における貫通孔2aの直径D1と選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2との関係について説明する。薄膜式ガスセンサの消費電力は、支持層3、ヒータ層4、及びガス感知層7からの熱伝導、並びにダイヤフラム部分の熱伝達及び熱放射によって決定される。特に、この消費電力おいては、支持層3からの熱伝導の影響が大きくなっている。ここで、ダイヤフラム部分に対応する支持層当接部分の貫通孔2aの直径D1と、選択燃焼層当接部分の直径D2とに基づいて、支持層3の熱伝導量Qは次式(1)により表される。なお、式(1)において、Cは比例定数を表し、かつΔTは上昇温度を表す。
Q = CΔT/ln(D1/D2) ・・・ 式(1)
消費電力は、支持層3の熱伝導量Qに大きく依存するので、シリコン基板2の支持層当接部分における貫通孔2aの直径D1と選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2との比率(以下、「直径比率」という)D1/D2に基づいて決定されることとなる。そこで、本実施形態においては、この直径比率D1/D2を1.92以上かつ2.78以下の範囲としている。この場合、薄膜式ガスセンサの使用態様に基づいてセンサ素子1の寸法を考慮すると、貫通孔2aの直径D1を450μm以上かつ540μm以下の範囲とする条件、及び絶縁層当接部分の直径D2を180μm以上かつ260μm以下の範囲とする条件のうち少なくとも1つの条件を満たしていると好ましい。このような直径比率D1/D2、直径D1、及び直径D2の範囲においては、後述する実施例において示されるように、選択燃焼層8によって、検知対象ガス以外のガスがガス感知層に到達することを確実に防止できる。その一方で、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減できる。また、薄膜式ガスセンサの平均温度の低下し難くなるので、薄膜式ガスセンサが長期間に渡って使用された場合に、薄膜式ガスセンサの劣化が進み難くなり、薄膜式ガスセンサの信頼性を長期間に渡って維持できる。
ここで、本実施形態に係る薄膜式ガスセンサの詳細の一例を説明する。シリコン基板2は、熱酸化膜付のシリコンウェハであると好ましい。支持層3は、二酸化ケイ素(SiO)から構成された第1の熱酸化層上に、窒化ケイ素(Si)から構成された第2の熱酸化層を重ねて形成し、かつ第2の熱酸化層上に、二酸化ケイ素から構成された第3の熱酸化層を重ねて形成した積層構造を有していると好ましい。ヒータ層4は、タングステン(Ta)から構成された第1のヒータ層上に、プラチナ・タングステン(PtW)から構成された第2のヒータ層を重ねて形成し、かつ第2の層上に、タングステンから構成された第3のヒータ層を形成した積層構造(Ta/PtW/Ta)を有していると好ましい。電気絶縁層5は、二酸化ケイ素から構成されていると好ましい。電極6は、プラチナ(Pt)から構成された第1の電極層上に、タングステンから構成された第2の電極層を重ねて形成した積層構造(Pt/Ta)を有していると好ましい。ガス感知層7は、二酸化スズ(SnO)から構成されていると好ましい。選択燃焼層8は、触媒としてプラチナ等を混入した酸化アルミニウム(Al)から構成されていると好ましい。
本実施形態に係る薄膜式ガスセンサの製造方法の一例について説明する。CVD法(化学蒸着法)を用いて、シリコン基板2上に支持層3を形成する。RF(高周波)スパッタマグネトロン法を用いて、支持層3の上にヒータ層4及び電気絶縁層5を形成し、さらに、電気絶縁層5の上に2つの電極6及びガス感知層7を形成する。エッチング加工によって、シリコン基板2に貫通孔2aを形成して、薄膜式ガスセンサのセンサ素子1をダイヤフラム構造に形成する。スクリーン印刷法を用いて、2つの電極6及びガス感知層7を覆うように電気絶縁層5上に選択燃焼層8を形成する。
以上、本実施形態によれば、シリコン基板2の支持層当接部分における貫通孔2aの直径D1と選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2との直径比率D1/D2を1.92以上かつ2.78以下の範囲としている。さらには、貫通孔2aの直径D1を450μm以上かつ540μm以下とする条件、及び絶縁層当接部分の直径D2を180μm以上かつ260μm以下とする条件のうち少なくとも1つの条件を満たすようになっている。そのため、選択燃焼層8によって、検知対象のガス以外のガスがガス感知層に到達することを確実に防止できる。その一方で、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減できて、ひいては、薄膜式ガスセンサを電池駆動することができる。また、薄膜式ガスセンサの平均温度が低下し難くなるので、薄膜式ガスセンサが長期間に渡って使用された場合に、薄膜式ガスセンサの劣化が進み難くなり、薄膜式ガスセンサの信頼性を長期間に渡って維持できる。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
[実施例]
本発明の実施例について説明する。本実施例においては、本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサの詳細の一例で述べた薄膜式ガスセンサを用いており、薄膜式ガスセンサは、本実施形態に係る薄膜式ガスセンサの製造方法の一例で述べたように作製されている。このような薄膜式ガスセンサについて、シリコン基板2の支持層当接部分における貫通孔2aの直径D1をそれぞれ500μmとし、かつ直径D2をそれぞれ200μm、220μm、240μm、及び260μmとする4種類の薄膜式ガスセンサを作製した。これらの薄膜式ガスセンサを用いて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μm〜260μmの範囲とし、かつ直径D1と直径D2との直径比率D1/D2を1.92〜2.78の範囲とした場合について、薄膜式ガスセンサの特性を確認する。
このような条件において、初期状態の薄膜式ガスセンサに対して、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2(μm)とヒータ層4の電力(以下、「ヒータ電力」という)H(mW)との関係を確認した。次いで、薄膜式ガスセンサに対して1.2年相当の加速試験を実施し、加速試験後の薄膜式ガスセンサについて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2(μm)と、4000ppmのメタンガスを送った場合におけるガス感知層7の抵抗(以下、「メタン抵抗」という)RM(Ω)との関係を確認した。加速試験後の薄膜式ガスセンサについて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2(μm)と、メタン抵抗RM(Ω)に対する4000ppmの水素ガスを送った場合におけるガス感知層7の抵抗(以下、「水素抵抗」という)RHの比率(以下、「水素/メタン抵抗比」という)P(=RH/RM)との関係を確認した。加速試験後の薄膜式ガスセンサについて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2(μm)と、周囲温度を20℃とした場合におけるメタン抵抗RM’(Ω)に対する周囲温度を50℃とした場合におけるメタン抵抗RM’’(Ω)の比率(以下、「50℃/20℃メタン抵抗比」という)S(=RM’’/RM’)との関係を確認した。
初期状態の薄膜式ガスセンサに関する結果を以下に述べる。選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2とヒータ電力Hとの関係については、図2に示すように、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を約200μm、約220μm、約240μm、及び約260μmとした場合、ヒータ電力Hは、それぞれ約28mW、約29mW、約31mW、及び約32mWとなった。このような結果に基づいて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2とヒータ電力Hとの関係における線形近似曲線を引いたところ、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μm〜260μmとした範囲、すなわち、直径比率D1/D2を1.92〜2.78とした範囲で、ヒータ電力Hの下限値H1は26mWとなり、ヒータ電力Hの上限値H2は32mWとなって、ヒータ電力Hの範囲は、電池駆動にて必要となる消費電力に相当する26mW〜32mWの範囲となった。また、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μmより小さくした場合、ヒータ電力Hは26mWより小さくなり、かつ選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を260μmより大きくした場合、ヒータ電力Hは32mWより大きくなった。よって、本実施例の薄膜式ガスセンサは、電池駆動を可能とするように、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減できることが確認できた。
次に、加速試験後の薄膜式ガスセンサに関する結果を以下に述べる。選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2と、4000ppmのメタンガスを送った場合におけるメタン抵抗RMとの関係については、図3に示すように、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を約200μm、約220μm、約240μm、及び約260μmとした場合、メタン抵抗RMは、それぞれ約1E+4Ωとなった。このような結果に基づいて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2とメタン抵抗RMとの関係における線形近似曲線を引いたところ、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μm〜260μmとした範囲、すなわち、直径比率D1/D2を1.92〜2.78とした範囲で、メタン抵抗RMは、メタンガスを検知するために必要となる規格であって、下限値RM1を1E+3Ω以上とし、かつ上限値RM2を1E+5Ωの以下とする規格の範囲内となった。よって、本実施例の薄膜式ガスセンサは、メタンガスを確実に検知可能としながら、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減でき、かつ長期間に渡って信頼性を維持できることが確認できた。
選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2と水素/メタン抵抗比Pとの関係については、図4に示すように、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を約200μm、約220μm、約240μm、及び約260μmとした場合、水素/メタン抵抗比Pは、それぞれ約10、約8、約11、及び約10となった。このような結果に基づいて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2と水素/メタン抵抗比Pとの関係における線形近似曲線を引いたところ、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μm〜260μmとした範囲、すなわち、直径比率D1/D2を1.92〜2.78とした範囲で、水素/メタン抵抗比Pは、メタンと水素とを区別するために必要となる規格であって、下限値P1を1とし、かつ上限値P2を14とする規格の範囲内となった。よって、本実施例の薄膜式ガスセンサは、高い選択性を有しながら、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減でき、かつ長期間に渡って信頼性を維持できることが確認できた。
選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2と50℃/20℃メタン抵抗比Sとの関係については、図5に示すように、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を約200μm、約220μm、約240μm、及び約260μmとした場合、50℃/20℃メタン抵抗比Sは、それぞれ約2.3、約2.1、約1.9、及び約1.7となった。このような結果に基づいて、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2と50℃/20℃メタン抵抗比Sとの関係における線形近似曲線を引いたところ、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μm〜260μmとした範囲、すなわち、直径比率D1/D2を1.92〜2.78とした範囲で、50℃/20℃メタン抵抗比Sは、50℃の温度環境下でメタンガスを検知するために必要となる規格であって、下限値S1を1.6とし、かつ上限値S2を2.6とする規格の範囲内となった。また、選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を180μmより小さくした場合、50℃/20℃メタン抵抗比Sは1.6より小さくなり、かつ選択燃焼層8の絶縁層当接部分の直径D2を260μmより大きくした場合、50℃/20℃メタン抵抗比Sは2.6より大きくなった。なお、50℃/20℃メタン抵抗比Sの規格について、高温環境下では、メタン抵抗は所定の係数を乗じることによって補正されるので、50℃/20℃メタン抵抗比Sに関する規格の上限値S2と下限値S1との差異は1.0以下とする必要がある。そのため、50℃/20℃メタン抵抗比Sに関する規格の下限値S1が1.6である場合、その上限値S2は2.6となるものである。よって、本実施例の薄膜式ガスセンサは、高温環境下でメタンガスを確実に検知可能としながら、ガス感知層7を加熱するための消費電力を低減でき、かつ長期間に渡って信頼性を維持できることが確認できた。
1 センサ素子
2 シリコン基板
2a 貫通孔
3 支持層
4 ヒータ層
5 電気絶縁層
6 電極
7 ガス感知層
8 選択燃焼層
D1,D2 直径
H ヒータ電力
H1 下限値
H2 上限値
RM メタン抵抗
RM1 下限値
RM2 上限値
P 水素/メタン抵抗比
P1 下限値
P2 上限値
S 50℃/20℃メタン抵抗比
S1 下限値
S2 上限値

Claims (2)

  1. 円柱状の貫通孔を有する板状のシリコン基板と、
    前記貫通孔の開口を覆うように前記シリコン基板上に重ねて形成される薄膜状の支持層と、
    前記貫通孔の位置に対応して前記支持層上に形成されるヒータ層と、
    該ヒータ層を覆うように前記支持層上に形成される電気絶縁層と、
    前記貫通孔の位置に対応して前記電気絶縁層上に互いに間隔を空けて形成される2つの電極と、
    該2つの電極間を結ぶように前記電気絶縁層上に形成されるガス感知層と、
    触媒を添加した多孔質体から構成され、かつ前記貫通孔の位置に対応して前記電気絶縁層上にて前記2つの電極及び前記ガス感知層を覆うように平面視円形状に形成される選択燃焼層と
    を備えている薄膜式ガスセンサにおいて、
    前記シリコン基板の前記支持層に当接する部分における貫通孔の直径D1と、前記選択燃焼層における前記電気絶縁層に当接する部分の直径D2との比率D1/D2が1.92以上かつ2.78以下の範囲になっている、薄膜式ガスセンサ。
  2. 前記直径D1を450μm以上かつ540μm以下の範囲とする条件、及び前記直径D2を180μm以上かつ260μm以下の範囲とする条件のうち少なくとも1つの条件を満たすようになっている、請求項1に記載の薄膜式ガスセンサ。
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