JP6176523B2 - 薄膜式ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、検知対象ガスとの接触により電気的特性が変化する、感知層を備えている薄膜式ガスセンサに関する。また、本発明は、検知対象ガスとの接触により電気的特性が変化する、感知層を備えている薄膜式ガスセンサの製造方法に関する。
一般的に、ガスセンサはガス検知装置等に用いられており、特定の検知対象ガス、例えば、CO(一酸化炭素)、CH(メタンガス)、C(プロパンガス)、CHOH(メタノール蒸気)等に対して選択的に感応するように構成されている。ガスセンサについては、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、及び低消費電力が要求されている。
このようなガスセンサを用いたガス検知装置のうち、家庭用のガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガスの検知を目的としたもの、燃焼機器の不完全燃焼ガスの検知を目的としたもの、又はこれら両方の機能を合わせ持つもの等が存在している。しかしながら、いずれのガス漏れ警報器についても高いコストや設置の難易性の問題から広く普及していない。ガス漏れ警報器が広く普及するためには、特に、設置性を改善することが望まれている。このような要望に応じるためには、駆動源に電池を用いるとともにコードレス化を図ることによって、コンパクトなガスセンサを提供することが考えられる。駆動源に電池を用いる場合、ガスセンサを低消費電力化することが特に重要となる。しかしながら、接触燃焼式や半導体式のガスセンサは、400℃以上かつ500℃以下の高温に加熱された状態でガスを検知する。そのため、高温状態を維持するために多くの電力を消費する必要があり、このことがガスセンサを低消費電力化する上で問題となっている。
そこで、微細加工プロセスを用いたダイヤフラム構造等によって高断熱性及び低熱容量性に優れた薄膜式ガスセンサが広く採用されている。この薄膜式ガスセンサに用いられるセンサ素子は、例えば、次のように構成されている。図3に示すように、センサ素子101が、略板状のSi(シリコン)基板102を有しており、Si基板102には、その厚さ方向に延びる貫通孔102aが形成されている。Si基板102の上には薄膜状の支持層103が重ねて配置されている。支持層103においては、Si基板102上に熱酸化SiO(二酸化ケイ素)層103aが重ねて配置され、熱酸化SiO層103a上にCVD−Si(窒化ケイ素)層103bが重ねて配置され、CVD−Si層103b上にCVD−SiO層103cが重ねて配置されている。支持層103上の中央部にはヒータ層104が重ねて配置され、ヒータ層104を覆うように支持層103上に電気絶縁層105が配置され、電気絶縁層105上の中央部には感知層106が配置されている。感知層106においては、電気絶縁層105上の中央部に一対の接合層106aが配置され、一対の接合層106a上にそれぞれ感知層電極106bが配置されており、一対の感知層電極106bの間を連結するように電気絶縁層105上に感知層106cが配置されている。感知層106cは、触媒を添加した多孔質体から構成されている。さらに、電気絶縁層105上には感知層電極106b及び感知層106cを覆うように選択燃焼層106dが配置されている。選択燃焼層106dは、触媒を添加した多孔質体から構成されている。
ここで、薄膜式ガスセンサ等のようなガスセンサの設置環境の雰囲気には、検知対象ガスに加えて窒素、炭酸ガス、水蒸気等が含まれている。そのため、前述の薄膜式ガスセンサのセンサ素子101においては、検知対象ガス以外の可燃性の挟雑ガス(例えば、水素(H)ガス等)が感知層106cに到達することを防ぐべく、選択燃焼層106dが、挟雑ガスを選択的に燃焼させて除去することによって感知層106cを保護している。しかしながら、選択燃焼層106dが長期間に渡って狭雑ガスを燃焼させて除去した場合、選択燃焼層106dに添加された触媒が水素ガス等と反応することによって変質し、選択燃焼層106dの狭雑ガス除去性能が劣化する。その結果、感知層106cが狭雑ガスに曝されて、感知層106cのガス感知性能が低下することとなる。そのため、長期間に渡って薄膜式ガスセンサの信頼性を維持することが難しくなっている。
そこで、感知層を保護することによって長期間に渡って薄膜式ガスセンサの信頼性を維持すべく、従来の薄膜式ガスセンサにおける一例では、電気絶縁層上に積層された感知層上に、6at%以上かつ14at%以下のPt(プラチナ)をドープしたSnOから成る1つの触媒層が積層され、このような感知層及び1つの触媒層を覆うように電気絶縁層上に選択燃焼層が配置されている(例えば、特許文献1)。また、従来の薄膜式ガスセンサにおける別の一例では、電気絶縁層上に積層された感知層上に、1at%以上かつ20at%未満のPtをドープしたSnOから成る第1の触媒層が積層され、第1の触媒層上に、20at%以上のPtをドープしたSnOから成る第2の触媒層が積層され、このような感知層、第1の触媒層、及び第2の触媒層を覆うように電気絶縁層上に選択燃焼層が配置されている(例えば、特許文献2)。
特開2009−282024号公報 特開2005−134251号公報
しかしながら、従来の薄膜式ガスセンサにおける一例では、1つの触媒層のSnOにドープされるPtの量が少ないので、5年経過時では、ドープされたPtが水素ガス等と反応することによって変質し、1つの触媒層の狭雑ガス除去性能が劣化するおそれがある。この場合、感知層が狭雑ガスに曝されて、感知層のガス感知性能が低下することとなって、5年に渡る長期間にて薄膜式ガスセンサの信頼性を維持することが難しくなっている。また、従来の薄膜式ガスセンサにおける別の一例では、第1の触媒層及び第2の触媒層という異なる2つの種類の触媒層を積層するので、薄膜式ガスセンサの構造が複雑になっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シンプルな構造を有し、かつ5年に渡る長期間にて信頼性を維持できる薄膜式ガスセンサ及びその製造方法を提供することにある。
課題を解決するために、本発明の一態様に係る薄膜式ガスセンサは、電気絶縁層上に配置され、検知対象ガスとの接触により電気的特性が変化し、かつSnOから成る感知層と、該感知層上に積層され、かつPtをドープしたSnOから成る1つの触媒層と、前記感知層及び前記1つの触媒層を覆うように前記電気絶縁層上に配置され、かつ触媒を添加した多孔質体から構成される選択燃焼層とを備え、前記1つの触媒層では、厚さが20nm以上かつ160nm以下となっており、かつPtの原子数(N1)とSnの原子数(N2)との比であるPt/Sn原子組成比(N1/N2)が0.22以上となっている。
本発明の一態様に係る薄膜式ガスセンサの製造方法は、検知対象ガスを検知するための薄膜式ガスセンサの製造方法であって、前記検知対象ガスとの接触により電気的特性が変化し、かつSnOから成る感知層を、電気絶縁層上に形成するステップと、PtをドープしたSnOから成る1つの触媒層を、厚さを20nm以上かつ160nm以下とし、かつPtの原子数(N1)とSnの原子数(N2)との比であるPt/Sn原子組成比(N1/N2)を0.22以上とする条件にて前記感知層上に形成するステップと、触媒を添加した多孔質体から構成される選択燃焼層を、前記感知層及び前記1つの触媒層を覆うように前記電気絶縁層上に形成するステップとを含む。
そのため、選択燃焼層の狭雑ガス除去性能が劣化した後にもまた、Pt/Sn原子組成比(N1/N2)を0.22以上とするようにPtをドープされたSnOから成る1つの触媒層によって狭雑ガスが効率的に除去でき、その結果、5年に渡る長期間にて選択燃焼層及び1つの触媒層によって感知層が狭雑ガスから保護されることとなる。よって、5年間に渡る長期間にて薄膜式ガスセンサの信頼性を維持することができる。また、感知層上に1つの触媒層を積層すればよいので、薄膜式ガスセンサの構造がシンプルになっている。
本発明の一態様に係る薄膜式ガスセンサ及び薄膜式ガスセンサの製造方法によれば、薄膜式ガスセンサの構造をシンプルにでき、かつ5年に渡る長期間にて薄膜式ガスセンサの信頼性を維持できる。
本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサにて用いられるセンサ素子を模式的に示す断面図である。 薄膜式ガスセンサにおける触媒層のPt/Sn原子組成比と、水素に対する感知層における初期の抵抗値及び5年相当加速試験後の抵抗値間の変化率との関係を示す図である。 従来の薄膜式ガスセンサにて用いられるセンサ素子を模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサ及びその製造方法について以下に説明する。最初に、本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサについて説明する。図1に示すように、薄膜式ガスセンサのセンサ素子1は、略板状のSi(シリコン)基板2を有している。このようなSi基板2には、その厚さ方向に延びる貫通孔2aが形成されている。Si基板2上には薄膜状の支持層3が重ねて配置されている。支持層3においては、Si基板2上に熱酸化SiO(二酸化ケイ素)層3aが重ねて配置され、熱酸化SiO層3a上にCVD−Si(窒化ケイ素)層3bが重ねて配置され、CVD−Si層3b上にCVD−SiO層3cが重ねて配置されている。
貫通孔2aの位置に対応するように支持層3上の中央部には1つのヒータ層4が重ねて配置されている。このヒータ層4を覆うように支持層3上に電気絶縁層5が配置されている。貫通孔2aの位置に対応するように、電気絶縁層5上の中央部には感知層6が配置されている。感知層6においては、貫通孔2aの位置に対応するように電気絶縁層5上の中央部に一対の接合層6aが互いに間隔を空けて配置され、一対の接合層6a上にそれぞれ感知層電極6bが配置され、一対の感知層電極6bの間を連結するように電気絶縁層5上に感知層6cが配置されている。感知層6cは、SnOから構成されており、感知層6cは、例えば、CO(一酸化炭素)、CH(メタンガス)、C(プロパンガス)、CHOH(メタノール蒸気)等に対して選択的に感応した場合に電気的特性が変化するように構成されている。さらに、感知層6c上には1つの触媒層6dが重ねて配置されている。触媒層6dは、Ptを触媒としてドープしたSnO(二酸化スズ)から構成されており、触媒層6dにてドープされるPtの量は、Ptの原子数N1とSnの原子数N2との比であるPt/Sn原子組成比R(=N1/N2)を0.22以上とするように定められている。
電気絶縁層5上には、感知層電極6b及び感知層6cを覆うように選択燃焼層6eが配置されている。選択燃焼層6eは、触媒をドープした多孔質体から構成されている。このような選択燃焼層6eは、検知対象となるガス以外のガスが感知層6cに到達することを防ぐ構成となっている。
このような支持層3、ヒータ層4、及び電気絶縁層5におけるSi基板2の貫通孔2aに対応する部分は、Si基板2によって支持されていない状態になっており、薄膜式ガスセンサのセンサ素子1はダイヤフラム構造を有している。
さらに、センサ素子1の好ましい構成の一例を説明するが、センサ素子1の構成は、これに限定されない。Si基板2は、熱酸化膜付のシリコンウェハであると好ましい。ヒータ層4は、Ta(タンタル)から構成された第1のヒータ層上に、PtW(プラチナ・タングステン)から構成された第2のヒータ層を重ねて配置し、かつ第2のヒータ層上に、Taから構成された第3のヒータ層を配置した積層構造(Ta/PtW/Ta)を有していると好ましい。電気絶縁層5はSiOから構成されていると好ましい。感知層電極6bは、Ptから構成された第1の電極層上に、Taから構成された第2の電極層を重ねて配置した積層構造(Pt/Ta)を有していると好ましい。感知層6cは、SnOから構成されていると好ましい。特に、感知層6cは、+5価又は+6価の元素をドープしたSnOから構成されているとよく、一例として、感知層6cが、Sb(アンチモン)をドープしたSnOから構成されていると好ましい。感知層6cが、単層の緻密膜又は複層の緻密膜の最上面に積層される感知膜として構成されていてもよく、この場合、緻密膜の理論密度が感知膜の理論密度より高くなっているとよい。なお、理論密度とは、空隙や不純物がない場合の結晶構造、格子定数、及び化学組成から算出される物質の密度をいう。感知層6cを構成するSnOにドープされるSbの量は、一例として、0.5wt%であると好ましい。感知層6cの厚さは101nm以上かつ1200nm以下であるとよく、特に、感知層6cの厚さは400nmであると好ましい。触媒層6dの厚さは20nm以上かつ160nm以下とであるとよく、特に、触媒層6dの厚さは100nmであると好ましい。選択燃焼層6eは、Al(酸化アルミニウム)にPd(パラジウム)を触媒として担持した焼結材から構成されていると好ましい。選択燃焼層6eの厚さは30μm以上かつ50μm以下であるとよい。
ここで、本実施形態に係る薄膜式ガスセンサに用いられるセンサ素子1の製造方法の好ましい一例を説明するが、センサ素子1の製造方法は、これに限定されない。Si基板2の表面及び裏面に、熱酸化SiO層3aを形成する。次に、熱酸化熱酸化SiO層3a上に、CVD−Si層3bと、CVD−SiO層3cとを順次プラズマCVD法により形成する。ヒータ層4と、電気絶縁層5とを順次スパッタリング法により形成する。次に、感知層6を形成すべく、電気絶縁層5の上に、接合層6aと、感知層電極6bと、感知層6cと、Pt/Sn原子組成比Rを0.22以上とするようにPtをドープしたSnOから成る1つの触媒層6dとを順次スパッタリング法により形成する。その後、Si基板2の裏面からエッチングによりシリコンを除去し、貫通孔2aを形成する。次に、感知層電極6bを十分に覆うように、選択燃焼層6eをスクリーン印刷法により塗布し、その後、焼成を行なう。
なお、本実施形態では一例として、スパッタリング法による成膜には、RFマグネトロンスパッタリング装置が用いられると好ましいが、スパッタリング法による成膜は、これに限定されない。成膜条件については次のように定められると好ましいが、成膜条件は、これに限定されない。例えば、Ta(タンタル)又はTi(チタン)から成る接合層6aと、Pt又はAu(金)から成る感知層電極6bとの場合では、Ar(アルゴン)ガス圧力を0.4Pa以上かつ1.0Pa以下とし、基板温度を150℃以上かつ300℃以下とし、RFパワーを2W/cmとすると好ましい。感知層6cの場合では、Ar+O(酸素)ガス圧力を0.3Pa以上かつ2.0Pa以下とし、基板温度を150℃以上かつ300℃以下とし、RFパワーを2W/cm以上かつ4W/cm以下とするとよい。触媒層6cの場合では、Ar+Oガス圧力を2.0Paとし、基板温度を150℃以上かつ300℃以下とし、RFパワーを50W/cmとするとよい。選択燃焼層6eの焼成は、500℃の温度下で1時間以上行われると好ましいが、これに限定されない。
以上のように本実施形態に係る薄膜式ガスセンサ及びその製造方法よれば、感知層6c上に積層される1つの触媒層6dにて、Ptの原子数N1とSnの原子数N2との比であるPt/Sn原子組成比R(=N1/N2)が0.22以上になっている。そのため、選択燃焼層6eの狭雑ガス除去性能が劣化した後にもまた、Pt/Sn原子組成比Rを0.22以上とするようにPtをドープされたSnOから成る1つの触媒層6dによって、狭雑ガスが効率的に除去でき、その結果、5年間という長期間に渡って、1つの触媒層6d及び選択燃焼層6eによって感知層6cが狭雑ガスから保護されることとなる。よって、5年に渡る長期間にて薄膜式ガスセンサの信頼性を維持することができる。また、感知層6c上に1つの触媒層6dを積層すればよいので、薄膜式ガスセンサの構造がシンプルになっている。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本発明の変形例として、複数のヒータ層が設けられてもよい。特に、一対のヒータ層が設けられている場合、これら一対のヒータ層が一対の接合層6aに対応して配置されていると好ましい。
[実施例]
本発明の実施例について説明する。本実施例においては、本発明の実施形態に係る薄膜式ガスセンサのセンサ素子1を用いるが、センサ素子1の触媒層6dにおいては、Ptの原子数N1とSnの原子数N2との比であるPt/Sn原子組成比R(=N1/N2)が0.16、0.25、及び0.34となっている。詳細には、Pt/Sn原子組成比Rを0.16とした4個の薄膜式ガスセンサ(以下、「サンプル1」という)が用いられ、Pt/Sn原子組成比Rを0.25とした4個の薄膜式ガスセンサ(以下、「サンプル2」という)が用いられ、Pt/Sn原子組成比Rを0.34とした4個の薄膜式ガスセンサ(以下、「サンプル3」という)が用いられる。
本実施例においては、500ppmの水素(H)ガスを流した状態で、初期状態におけるサンプル1〜サンプル3の感知層6cの抵抗値R0を測定する。次に、サンプル1〜サンプル3に対して5年相当加速試験を実施する。その後、500ppmの水素ガスを流した状態で、5年相当加速試験後におけるサンプル1〜サンプル3の感知層6cの抵抗値R1を測定する。このような測定結果に基づいて、初期状態の抵抗値R0に対する5年相当加速試験後の抵抗値R1の比率である変動比S(=R1/R0)を算出する。
本実施例の測定結果を図2に示す。図2では、横軸がPt/Sn原子組成比Rを表し、かつ縦軸が変動比Sを表す。本実施例の測定結果においては、4個のサンプル1の変動比Sは、それぞれ1.18、1.18、1.21、及び1.25となり、4個のサンプル2の変動比Sは、それぞれ1.05、1.06、1.06、及び1.06となり、かつ4個のサンプル3の変動比Sは、それぞれ1.02、1.02、1.04、及び1.04となっている。さらに、各サンプルの測定結果に基づいて、図2にて実線Aによって示すような近似曲線が得られる。この近似曲線は各サンプルの平均値を多項式近似曲線(2次)により繋いだものである。実線Aでは、Pt/Sn原子組成比Rが増加した場合に変動比Sが減少している。
変動比Sが所定の許容変動比S0以下である場合に、5年相当加速試験後の薄膜式ガスセンサは依然として検知対象ガスを検知可能であり、かつ継続して使用可能であると判断されており、通常、この許容変動比S0は1.1とされている。図2の実線Aに基づけば、許容変動比S0が1.1である場合にPt/Sn許容原子組成比R0は0.22となっている。よって、Pt/Sn原子組成比Rが0.22以上である場合に、5年に渡る長期間にて薄膜式ガスセンサの信頼性を維持できることが確認できる。
1 センサ素子
5 電気絶縁層
6 ガス検知層
6c 感知層
6d 触媒層
6e 選択燃焼層
S 変動比
S0 許容変動比
R Pt/Sn原子組成比
R0 Pt/Sn許容原子組成比
A 実線

Claims (2)

  1. 電気絶縁層上に配置され、検知対象ガスとの接触により電気的特性が変化し、かつSnOから成る感知層と、
    該感知層上に積層され、かつPtをドープしたSnOから成る1つの触媒層と、
    前記感知層及び前記1つの触媒層を覆うように前記電気絶縁層上に配置され、かつ触媒を添加した多孔質体から構成される選択燃焼層と
    を備え、
    前記1つの触媒層では、厚さが20nm以上かつ160nm以下となっており、かつPtの原子数(N1)とSnの原子数(N2)との比であるPt/Sn原子組成比(N1/N2)が0.22以上となっている、薄膜式ガスセンサ。
  2. 検知対象ガスを検知するための薄膜式ガスセンサの製造方法であって、
    前記検知対象ガスとの接触により電気的特性が変化し、かつSnOから成る感知層を、電気絶縁層上に形成するステップと、
    PtをドープしたSnOから成る1つの触媒層を、厚さを20nm以上かつ160nm以下とし、かつPtの原子数(N1)とSnの原子数(N2)との比であるPt/Sn原子組成比(N1/N2)を0.22以上とする条件にて前記感知層上に形成するステップと、
    触媒を添加した多孔質体から構成される選択燃焼層を、前記感知層及び前記1つの触媒層を覆うように前記電気絶縁層上に形成するステップと
    を含む薄膜式ガスセンサの製造方法。
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