JP2014177415A - ナノ粒子化製剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】難水溶性成分のナノ粒子の水溶液中への分散性及び再分散性が良好である組成物を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナノ粒子化製剤及びその製造方法に関する。
生物学的利用率は、投与された薬物(製剤)がどのくらい全身循環血中に到達し作用するかの指標である。そして、薬物の生物学的利用率は、薬物の投与剤形、薬物の水溶液に対する溶解速度等の特性等に影響される。特に、薬物の溶解速度(溶解性)は、薬物の生物学的利用率に大きく影響を及ぼす。水溶液に対する溶解性が低い難水溶性成分(約10 mg/mL未満の溶解度を示す成分)は、血中に移行する前に胃腸管から排出される傾向にあり、生物学的利用率は低いといえる。つまり、生物学的利用率が低い難水溶性成分は、所望の薬効を発揮できない。
薬物の溶解速度は、表面積の増大、即ち粒子径の低減につれて増加する。そして、薬物の粒子径をナノメートル領域にまで微細化することにより、薬物の溶解速度(溶解性)を上げることが知られている。そこで、難水溶性成分をナノメートル領域にまで微細化(ナノ粒子化)する方法(ナノ粒子を調製する方法)の研究が進められている。しかし、難水溶性成分のナノ粒子は非常に凝集し易くなる傾向がある。その結果、難水溶性成分のナノ粒子は、分散性の点で不安定となる傾向がある。そこで、難水溶性成分のナノ粒子の凝集を抑制する方法が検討されている。
従来、難水溶性成分を含有する水性懸濁液を調製する場合、その難水溶性成分の凝集を抑制する目的で、親水性高分子が使用されている。但し、マイクロメートル領域の粒子(マイクロ粒子)に比べて、ナノ粒子はその凝集性が強い。そこで、ナノ粒子化された難水溶性成分を含有する水性懸濁液製剤の調製においては、凝集抑制作用が強い親水性高分子の開発が求められている。
同様に、ナノ粒子化された難水溶性成分を含有する粉末混合物、又はナノ粒子化された難水溶性成分を含有する水性懸濁液から調製される凍結乾燥物の水への再分散性を向上させる目的で、親水性高分子を使用されている。但し、凍結乾燥物では、マイクロ粒子の難水溶性成分に比べて、ナノ粒子化された難水溶性成分は、その水への再分散性が悪い。そこで、凍結乾燥物では、ナノ粒子化された難水溶性成分に対し、強力な再分散性作用を持つ親水性高分子の開発が求められている。
粉末混合物又は水性懸濁液において、親水性高分子の難水溶性成分に対する凝集抑制作用は、親水性高分子の難水溶性成分に対する電気的保護作用、立体的保護作用等が関与している。また、難水溶性成分を含む凍結乾燥物の水への再分散作用も、親水性高分子の難水溶性成分に対する電気的保護作用、立体的保護作用等が関与している。親水性高分子は、電気的保護作用、立体的保護作用等を発現するために、薬物粒子表面に吸着する必要がある。その際に、親水性高分子と薬物粒子との間で、水素結合、疎水結合等の分子間相互作用が起こる。また、難水溶性成分の種類、親水性高分子の種類により、難水溶性成分と親水性高分子との間の分子間相互作用に、強度の差異が生じる。
そこで、水性懸濁液では、ナノ粒子化された難水溶性成分が良好な分散性を示すことが求められる。また、粉末混合物又は凍結乾燥物では、ナノ粒子化された難水溶性成分が良好な水への再分散性を示すことが求められる。そのためには、ナノ粒子化された難水溶性成分の物理的又は化学的特性に応じて、適切な親水性高分子を選択する必要がある。しかしながら、従来の親水性高分子が、水性懸濁液で、良好な分散性を示すことができるナノ粒子化された難水溶性成分の種類は限られていた。また、従来の親水性高分子が、粉末混合物又は凍結乾燥物で、水への良好な再分散性を示すことができるナノ粒子化された難水溶性成分の種類は限られていた。
特許文献1には、医薬組成物において、凝集沈殿又は凝集せず、且つ架橋マトリックスを必要としないサブミクロンサイズ範囲内にある薬物粒子、その薬物粒子を含み、生体利用効率が向上した医薬組成物が記載されている。特許文献1には、溶解性の低い結晶性薬物及び該薬物の表面に吸着した非架橋表面変性剤を含み、平均粒子サイズが250 nm未満の粒子が記載されている。特許文献1には、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、レシチン、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、アラビアゴム、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー等で表面変性させた薬物粒子が記載されている。しかしながら、特許文献1では、後述する本発明に比べ、ナノ粒子の調製(微細化工程)に要する時間が非常に長い。また、特許文献1では、懸濁液としての分散性のみを評価しており、報告された懸濁液を固形化し、その固形剤の経口投与を考慮した再分散性に関して、十分な効果が得られていない。
非特許文献1には、酸化ジルコニウムのボールを備える自転・公転ミキサー(rotation/revolution mixer)を用いて、湿式粉砕することで、難水溶性成分のナノ粒子を調製する技術が記載されている。非特許文献1には、例えば、難水溶性成分をメチルセルロース(MC)水溶液に懸濁し、ナノ粒子化された難水溶性成分を含む水性懸濁液を調製している。更にナノ粒子化された難水溶性成分を含む水性懸濁液を凍結乾燥し、凍結乾燥物を調製している。しかしながら、非特許文献1では、自転・公転ミキサーを用いた難水溶性成分のナノ粒子化法で使用された親水性高分子はメチルセルロースのみであり、ナノ粒子の分散安定性に及ぼす親水性高分子の影響に関して、十分な効果が得られていない。非特許文献1では、凍結乾燥物を調製しているが、凍結乾燥物の再分散性に関する検討がなされていない。そのため、ナノ粒子の分散性、凍結乾燥物の再分散性に及ぼす親水性高分子の影響について、検討の余地がある。
従って、ナノ粒子化された難水溶性成分を含有する水性懸濁液では、難水溶性成分のナノ粒子が水溶液中で凝集又は凝集沈殿を起こさず、良好な分散性を示すことが望まれる。また、粉末の混合後や凍結乾燥後に、粉末混合物又は凍結乾燥物に含有されるナノ粒子化された難水溶性成分が水への良好な再分散性を示すことが望まれる。
特許第3602546号
Nanosizing of Poorly water soluble compounds using rotation/revolution mixer. Chem. Pharm. Bull. 57(10) 1061-1067 (2009)
本発明は、難水溶性成分のナノ粒子の水溶液中への分散性及び再分散性が良好である組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた。そして、本発明者は、難水溶性成分のナノ粒子にポリビニルアルコール系重合体を組み合せることで、難水溶性成分のナノ粒子が水溶液中で凝集又は凝集沈殿を起こさず、難水溶性成分のナノ粒子の分散性を改善できることを見出した。
本発明は、下記に示す組成物及びその製造方法である。
項1. ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物。
項2. 水性懸濁液又は固体混合物の形態である、前記項1に記載の組成物。
項3. 前記ポリビニルアルコール系重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種とを重合して得られるものである、前記項1又は2に記載の組成物。
項4. 前記重合性ビニルモノマーが、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである、前記項3に記載の組成物。
項5. 前記ポリビニルアルコール系重合体において、前記アクリル酸の使用量が0.5〜20質量%であり、前記メタクリル酸メチルの使用量が5〜40質量%である、前記項4に記載の組成物。
項6. 前記ポリビニルアルコール系重合体が、前記ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種に前記アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がグラフト重合した共重合体である、前記項4又は5に記載の組成物。
項7. 前記ポリビニルアルコール系重合体の重量平均分子量が、1万〜50万である、前記項1〜6のいずれかに記載の組成物。
項8. 前記ポリビニルアルコール系重合体に対する前記難水溶性成分の質量比(難水溶性成分のナノ粒子/ポリビニルアルコール系重合体)が、0.001〜100である前記項1〜7のいずれかにに記載の組成物。
項9. 前記項1〜8のいずれかに記載の組成物を含有する医薬。
項10. ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物の製造方法であって、
(1)ポリビニルアルコール系重合体と難水溶性成分とを混合する工程、及び
(2)工程(1)で得られた混合物を粉砕処理し、難水溶性成分をナノ粒子化する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
項11. ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物の製造方法であって、
(1)難水溶性成分をナノ粒子化する工程、及び
(2)ポリビニルアルコール系重合体と工程(1)で得られた難水溶性成分のナノ粒子とを混合する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子が凝集又は凝集沈殿を起こさず、難水溶性成分の水溶液中への分散性及び再分散性が良好である。
また、本発明の組成物を用いることで、良好な分散性を示す水性懸濁液、及び良好な再分散性を示す固体混合物(粉末混合物、凍結乾燥物)を調製することができる。
自転・公転ミキサーを使った湿式粉砕法による、難水溶性成分のナノ粒子化方法を示す。 自転・公転ミキサーを使った湿式粉砕法による、難水溶性成分のナノ粒子化の具体的な調製方法を示す。 PVA系重合体(親水性高分子)及び難水溶性成分(グリセオフルビン)を含む組成物(水性懸濁液及び凍結乾燥物)の分散性及び再分散性を示す。
本発明の組成物は、ポリビニルアルコール系重合体(以下、PVA系重合体と称することがある。)及び難水溶性成分のナノ粒子を含む。
本明細書でいうナノ粒子とは、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子である。
これまで、難水溶性成分(薬物)のナノ粒子化の手段として、難水溶性成分及び親水性高分子を、粉砕媒体の存在下で湿式粉砕する方法が知られている。これは、水性懸濁液製剤として難水溶性成分のナノ粒子を調製する方法である。この方法では、難水溶性成分をナノ粒子化することにより、難水溶性成分の粒子の表面積が増大し、難水溶性成分の溶解性が向上する。その結果、薬物の生物学的利用率の改善が期待される。
ナノ粒子化された難水溶性成分は凝集沈殿又は凝集を起こし易く、分散性の面で非常に不安定である。そこで、難水溶性成分のナノ粒子の凝集沈殿又は凝集を防ぐために、液体分散媒の分散質としてヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性高分子が用いられている。親水性高分子を用いて、水性懸濁液中で難水溶性成分を良好に分散させたり、粉末混合後や凍結乾燥後に、水に対して良好に再分散させたりするためには、その難水溶性成分の特性に応じて、適切な親水性高分子を選択する必要がある。しかしながら、難水溶性成分のナノ粒子を含有する粉末混合製剤又は水性懸濁液製剤では、既存の親水性高分子(HPC、PVA、PVP等)を使用した場合でも、難水溶性成分のナノ粒子が水溶液中で凝集又は凝集沈殿を起こし、水溶液中での良好な分散性を得られないことがある。また、難水溶性成分のナノ粒子を含有する凍結乾燥製剤では、既存の親水性高分子を使用した場合でも、難溶性成分のナノ粒子を水溶液中へ再分散させるときに、良好な分散性が得られないことがある。つまり、従来の親水性高分子が、水性懸濁液製剤で、良好な分散性を示すことができるナノ粒子化された難水溶性成分の種類は限られていた。また、従来の親水性高分子が、粉末混合製剤又は凍結乾燥後の凍結乾燥製剤で、水への良好な再分散性を示すことができるナノ粒子化された難水溶性成分の種類は限られていた。
本発明の組成物には、PVA系重合体が含まれることから、難水溶性成分のナノ粒子の凝集又は凝集沈殿を防ぐことができる。その結果、ナノ粒子が水溶液中で良好な分散性を示す水性懸濁液又は固体混合物(粉末混合物、凍結乾燥物等)となる。難溶性成分のナノ粒子が医薬成分であれば、難水溶性成分の生物学的利用率を高めた医薬製剤となる。本発明の組成物は、難水溶性成分(薬物粒子)をナノ粒子の状態で維持することができるので、ナノ粒子化製剤として機能する。
(1)ポリビニルアルコール系重合体(PVA系重合体)
本発明の組成物は、PVA系重合体(親水性高分子)が難水溶性成分のナノ粒子の表面へ吸着する。これにより、難水溶性成分のナノ粒子の周囲には、より大きな水和層が形成される。本発明の組成物は、難水溶性成分のナノ粒子が粒子間引力により凝集又は凝集沈殿を起こさない。本発明の組成物は、水性懸濁液として使用する場合、難水溶性成分のナノ粒子が凝集又は凝集沈殿を起こさず、良好な分散性を示す。また、本発明の組成物は、乾燥後の難水溶性成分のナノ粒子の粒子間距離がより大きくなる。本発明の組成物は、固体混合物(粉末混合物、凍結乾燥物)として使用する場合、粉末混合後や凍結乾燥後に水溶液へ再分散させると、難水溶性成分のナノ粒子が良好な再分散性を示す。本発明の組成物を用いると、より多くの難水溶性成分(薬物粒子)のナノ粒子に対して、水溶液中で、その粒子径をナノメートル領域内で維持しながら、良好な分散性及び再分散性を付与することができる。
本発明の組成物を用いることで、容易に水性懸濁液、固体混合物(粉末混合物、凍結乾燥物)を調製できる。本発明の組成物は、多種多様な難水溶性成分に対して、既存の親水性高分子(HPC、PVA、PVP等)と比べて、同等かより良好な分散性を付与する分散剤としての作用を発揮する。難溶性成分のナノ粒子が医薬成分であれば、難水溶性成分の生物学的利用率を高めた医薬組成物(医薬製剤)となる。
PVA系重合体は、ポリビニルアルコール(以下、PVAと称することがある。)及びその誘導体から選択される少なくとも1種のPVA系重合体、並びにPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種とを重合して得られるPVA系共重合体である。PVA系重合体には、PVA、PVAの誘導体(PVAの変性物)、PVAと他の重合性ビニルモノマーとを重合して得られるPVA共重合体、PVAの誘導体と他の重合性ビニルモノマーとを重合して得られるPVA系共重合体、PVAとPVAの誘導体と他の重合性ビニルモノマーとを重合して得られるPVA系共重合体が含まれる。本明細書では、それらを合わせてPVA系重合体と記す。
本発明の組成物では、PVA系重合体を分散剤として用いることで、難水溶性成分のナノ粒子が凝集又は凝集沈殿を引き起こさない。その結果、難水溶性成分のナノ粒子を含有する組成物である。組成物としては、水性懸濁液、固体混合物(粉末混合物、凍結乾燥物)の形態であることが好ましい。
本発明の組成物では、PVA系重合体に加えて、液体分散媒の分散質として既存の親水性高分子(HPC、PVA、PVP等)を分散剤として用いることを排除するものではない。
分散剤としてPVA系重合体を用いて、難水溶性成分を乾式粉砕又は湿式粉砕することで、有効平均粒子径が約300 nm未満を維持した難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物を提供することができる。先ず、難水溶性成分のナノ粒子を含む水性懸濁液及び粉末混合物等の固体混合物を調製することができる。更に、水性懸濁液を凍結乾燥することで、凍結乾燥物を得ることができる。凍結乾燥物を水溶液中へ再分散させても、懸濁液中の難水溶性成分の有効平均粒子径は約300 nm未満を維持することができる。
(2)ポリビニルアルコール及びその誘導体
前記PVA系重合体に含まれるポリビニルアルコール(PVA)及びその誘導体は、公知のものを使用すれば良く、市販品が容易に入手可能であればよい。
PVA系重合体において、PVA及びその誘導体は、親水部を形成する。液体分散媒中で、その親水部の周囲には、水和層が形成される。そして、PVA系重合体により、難水溶性成分粒子の電気的保護作用又は立体保護作用が増強される。
PVA及びその誘導体の重合度は、目的とする用途に応じた濃度及び粘度で最適なものを選択すればよく、特に限定されるものでないが、例えば200〜2000程度、好ましくは300〜1000程度である。また、PVA及びその誘導体は、けん化度が好ましくは約60〜100モル%、より好ましくは78〜96モル%程度、更に好ましくは85〜90モル%程度の部分けん化PVAを使用することが好ましい。この様なけん化PVAは、酢酸ビニルをラジカル重合し、得られた酢酸ビニルを適宜、けん化することによって製造することができる。所望のPVAを製造するためには、適宜、重合度及びけん化度をそれ自体公知の方法で制御することによって達成される。
PVAとはポリビニルアセテートの完全ケン化物である。PVAの誘導体としては、例えば、PVAの中間ケン化物及び部分ケン化物の他に、アミン変性PVA、エチレン変性PVA、末端チオール変性PVA等の各種変性PVAを使用できる。PVAの誘導体の市販品としては、例えば、日本酢ビ・ポバール製のJP-05(部分けん化PVA、重合度500、ケン化度88%)等が挙げられる。
本発明において、PVA及びその誘導体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(3)重合性ビニルモノマー
本発明使用するPVA系重合体では、PVA及びその誘導体の直鎖の一部に重合性ビニルモノマーが結合又は重合していても良い。PVA系重合体では、PVA及びその誘導体の水酸基の一部又は全部に対して、エステル結合により重合性ビニルモノマーが結合していても良い。PVA及びその誘導体に結合した重合性ビニルモノマーは、更に重合していても良い。
本発明において、重合性ビニルモノマーとしては、例えば、
(1)アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びイタコン酸等;
(2)前記(1)のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及びアルキルアミン塩等;並びに、
(3)メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリエチレングリコールとアクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとメタクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールとアクリル酸とのエステル、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート及びメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等
が挙げられる。
好ましい重合性ビニルモノマーとしては、下記一般式(A)
H2C=C(R1)−COOR2 (A)
[式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
で表される化合物が挙げられる。
重合性ビニルモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。重合性ビニルモノマーを2種以上混合して使用する場合、重合性ビニルモノマーは、一般式(A)で表される化合物において、R2が水素原子である化合物とR2が炭素数1〜4のアルキル基である化合物とを含むものが好ましい。
一般式(A)においてR2が水素原子である化合物とR2が炭素数1〜4のアルキル基である化合物の使用割合は、PVA系重合体において、つまりPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーとの合計量を100質量%として、好ましくはR2が水素原子である化合物0.5〜20質量%程度とR2が炭素数1〜4のアルキル基である化合物5〜40質量%程度であり、より好ましくはR2が水素原子である化合物1.0〜10質量%程度とR2が炭素数1〜4のアルキル基である化合物10〜30質量%程度である。
PVA系重合体において、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の前記(3)のモノマーは、疎水部を形成する。その疎水部は、難水溶性成分の表面に吸着する。そして、PVA系重合体により、難水溶性成分の粒子間の電気的保護作用又は立体保護作用が現れ、難水溶性成分のナノ粒子の分散性が向上する。
また、PVA系重合体において、PVA及びその誘導体に加えて、(メタ)アクリル酸等の前記(1)のモノマー、及び前記(1)のモノマーの塩である(2)のモノマーは、親水部を形成する。液体分散媒中で、その親水部の周囲には、水和層が形成される。そして、PVA系重合体により、難水溶性成分粒子の電気的保護作用又は立体保護作用が増強される。
液体分散媒を含む形態において、本発明のPVA系重合体により、難水溶性成分のナノ粒子が液体分散媒(水等)に対して分散性が向上する。
好ましい重合性ビニルモノマーの組み合わせは、前記メカニズムを考慮すると、前記(1)及び(2)のモノマーの少なくとも1種と前記(3)のモノマーの少なくとも1種との併用である。更に好ましい重合性ビニルモノマーの組み合わせは、アクリル酸又はメタクリル酸とメタクリル酸メチルとの併用、即ち、アクリル酸とメタクリル酸メチルの組み合わせ、メタクリル酸とメタクリル酸メチルの組み合わせである。得に好ましいのはアクリル酸とメタクリル酸メチルとの組み合わせである。
更に、重合性ビニルモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸メチルのみを使用するものが特に好ましい。
アクリル酸とメタクリル酸メチルとの使用割合は、PVA系重合体において、つまりPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの合計量を100質量%として、好ましくはアクリル酸0.5〜20質量%程度とメタクリル酸メチル5〜40質量%程度、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種1.0〜10質量%程度とメタクリル酸メチル10〜30質量%程度である。
特に、アクリル酸、メタクリ酸メチル及びPVAの合計量に対し、アクリル酸0.5〜20重量%、メタクリル酸メチル5〜40重合%、PVA 40〜94.5重量%で重合させて得られるポリビニルアルコール系共重合体が好ましく、アクリル酸2.5〜5.0重量%、メタクリル酸メチル15〜25重合%、PVA 20〜70重量%で重合させて得られるPVA系共重合体がより一層好ましい。PVAの存在下でアクリル酸とメタクリル酸メチルを重合させた共重合体は市販されており、POVACOATの名称で大同化成工業株式会社から入手することができ、本発明ではこの市販品を使用することもできる。
(4)PVA系重合体の製造方法
PVA系重合体の製造方法としては、例えば、特許文献1(国際公開02/17848)に記載されている方法が挙げられる。該共重合体の製造方法としては、例えば、水とPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種とを混合し、得られた混合液を加温してPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種を水に溶解し、次いで重合性ビニルモノマー及び重合開始剤を添加して、重合又は共重合反応させる方法が挙げられる。また、PVA系重合体として、市販品を入手することもできる。また、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の存在下で、PVAと重合性ビニルモノマーとを重合させる方法が挙げられる。前記誘導体としては、PVAのアミン変性物、エチレン変性物、末端チオール変性物などの各種変性PVAが例示される。
PVA系重合体の製造方法において、水とPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の使用割合は、水100質量部に対して、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種を好ましくは5〜70質量部程度、より好ましくは15〜40質量部程度である。
PVA系重合体の製造方法において、水とPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の混合液を加温して溶解する温度は、使用するPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種が水に溶解する温度に適宜設定すればよく、例えば80〜100℃程度とすればよい。
PVA系重合体の製造方法において、重合性ビニルモノマーは、前記記載のものを使用すればよい。重合性ビニルモノマーの使用量は、目的とするPVA系重合体の組成等に応じて適宜選択すればよく、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部程度、より好ましくは11〜66質量部程度である。
PVA系重合体の重合に使用される各成分の量は、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの総重量に対して、通常、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種が40〜95重量%、重合性ビニルモノマーが5〜60重量%であり、好ましくはPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種が60〜90重量%、重合性ビニルモノマーが10〜40重量%である。
また、重合性ビニルモノマーがアクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む場合、アクリル酸とメタクリル酸メチルとの使用量は、PVA系重合体において、つまりPVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの合計量を100質量%として、好ましくはアクリル酸0.5〜20質量%程度、メタクリル酸メチル5〜40質量%程度、より好ましくはアクリル酸1.0〜10質量%程度、メタクリル酸メチル10〜30質量%程度である。
PVA系重合体の製造方法において、重合開始剤としては、公知のものが使用でき、例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、AIBN(アゾイソブチロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−酒石酸ナトリウム等のレドックス開始剤等が使用できる。
重合開始剤の使用量は、重合性ビニルモノマーの合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部程度、より好ましくは0.5〜3.0質量部程度である。
PVA系重合反応の反応温度は、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種の分子量、重合性ビニルモノマーの種類等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは30〜80℃程度、より好ましくは40〜60℃程度である。
PVA系重合体では、PVA及びその誘導体の直鎖の一部に重合性ビニルモノマーが結合又は重合していても良い。PVA系重合体では、PVA及びその誘導体の水酸基の一部又は全部に対して、エステル結合により重合性ビニルモノマーが結合していても良い。PVA及びその誘導体に結合した重合性ビニルモノマーは、更に重合していても良い。
PVA系重合体としては、例えば、PVA(鎖)に重合性ビニルモノマーがグラフト重合したものが挙げられ、好ましくは、PVA及びその誘導体から選択される少なくとも1種にアクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がグラフト重合したPVA系重合体である。
PVA系重合体の重量平均分子量は、好ましくは1万〜50万程度であり、より好ましくは3万5千〜30万程度である。
PVA系重合体は、市販品を使用することもできる。市販品を使用する場合、例えば、POVACOAT(ポバコート:登録商標:大同化成工業製)等を使用することができる。POVACOAT(ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体)は、部分けん化ポリビニルアルコールに、アクリル酸とメタクリル酸メチルを共重合した合成高分子である。PVA系重合体の一般式として以下の様な構造式で表される。
Figure 2014177415
構造式中、k、l、m、nの和を100%とした場合、kは60〜85%程度、lは5〜20%程度、mは0.5〜15%程度、nは0.3〜25%程度含まれることが好ましい。平均分子量(Mw)は、2万5000〜20万程度であることが好まし。平均重合度は、300〜1500程度であることが好ましい。表示粘度は、5.5〜20 mPA・s程度であることが好ましい。例えば、平均分子量(Mw)が約4万のPOVACOAT Type F、若しくは平均粒子径の異なるPOVACOAT Type MP、POVACOAT Type FM、POVACOAT Type SP又は平均分子量(Mw)が約20万のPOVACOAT Type Rを使用することができる。POVACOAT Type MPはPOVACOAT Type Fの粉砕品である(平均粒子径:約125 μm)。POVACOAT Type FMはType Fの粉砕品であり(平均粒子径:約30 μm)、凍結粉砕品である。POVACOAT Type SPはパルス燃焼式乾燥で調製した粉砕品である(平均粒子径:約20 μm)。
(5)難水溶性成分
本発明の組成物は、PVA系重合体と共に、難溶性成分のナノ粒子を含有する。難溶性成分のは薬効成分であることが好ましい。本発明の組成物は、PVA系重合体が、難水溶性成分のナノ粒子の表面に物理的に吸着した状態で存在していると考えられる。本発明の組成物では、多種多様な難水溶性成分をナノ粒子の状態で維持でき、難水溶性成分のナノ粒子の溶解性は高い。本発明の組成物は、ナノ粒子化製剤として機能することができる。
本発明の組成物中では、通常、PVA系重合体は難水溶性成分と化学反応せず、PVA系重合体同士も化学反応しない。
本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子は、結晶相として存在している。
難水溶性成分は、実質的に純粋で存在する有機物質が望ましい。難水溶性成分は、主に水に対する溶解性が低く、低濃度で分散可能な成分である。低い溶解性とは、処理温度(例えば、25 °C)で、溶解度が10 mg/mL程度未満であることが好ましい。難水溶性成分の25 °Cで水に対する溶解度は0.1 mg/mL未満であることがより好ましい。常法を用いて溶解度を測定することができる。
本発明の組成物では、PVA系重合体及び難水溶性成分を含む混合物を機械的手段等で粉砕することで、難水溶性成分の粒子径を小さくすることができる。また、粒子径がナノサイズである難水溶性成分を用いることもできる。
難水溶性成分の粒子径
レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、Malvern製マスターサイザー2000)等の測定装置を用いて、難水溶性成分の粒子径を測定することができる。
本発明の組成物では、例えば水溶性の液体分散媒中に、分散質としてPVA系重合体が含まれる。本発明の組成物では、PVA系重合体は難水溶性成分のナノ粒子表面に十分量で吸着される。本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子の有効平均粒子径が300 nm程度未満であることが好ましい。
有効平均粒子径とは、粒子の少なくとも90重量%が表す重量平均粒子径である。有効平均粒子径が300 nm程度であるとは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて粒子の粒子径を測定した場合に、粒子重量において、粒子の少なくとも90重量%が300 nm程度の重量平均粒子径を持つことを意味する。
有効平均粒子径を「D90」として表すことができる。D90とは、その粉体(粒子)の集団の全体積を100体積%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが90体積%となる点の粒子径を意味する。90体積%となる点の粒子径が300 nmであれば、D90=300 nmと表すことができる。この値が粉体(粒子)の有効平均粒子径である。
本発明の組成物では、難水溶性成分のD90は、難水溶性成分の種類に因る。難水溶性成分のD90は、おおよそ300 nmであればよく、300 nm程度未満であることが好ましい。難水溶性成分のD90が300 nm未満であれば、難水溶性成分の粒子径がナノ領域に達していると考える。本発明の組成物では、難水溶性成分のD90が300 nm未満であることで、難水溶性成分は凝集しておらず、難水溶性成分の分散性は良好である。難水溶性成分が更に微粒子であるかどうかは、難水溶性成分の種類に因る。
本発明の組成物は、難水溶性成分及びPVA系重合体(粉砕媒体)が含まれる混合物を、機械的手段を用いて粉砕することで、組成物中でD90が300 nm未満である難水溶性成分のナノ粒子を調製することができる。
難水溶性成分のスパン値
難水溶性成分の粒子の粒度分布幅が狭いことを示し指標として「スパン値」を用いることができる。
スパン値は、計算式:スパン値=(D90-D10)/D50から求めることができる。D90、D10及びD50とは、その粉体(粒子)の集団の全体積を100体積%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが、夫々90体積%、10体積%、50体積%となる点の粒子径(有効平均粒子径)を意味する。
粒子のスパン値が小さい程、粒子の粒度分布幅が狭く、粒子が特定の有効平均粒子径で存在していることを示す。本発明の組成物では、難水溶性成分がナノ粒子として存在すると共に、スパン値は小さいことが好ましい。本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子のスパン値はおおよそ2.5付近であればよく、2.5程度未満あることが好ましい。スパン値が1.8程度未満あることがより好ましい。
組成物が水性懸濁液であるときの難水溶性成分の粒子径
本発明の組成物を水性懸濁液として使用する場合、難水溶性成分の生物学的利用率を高めることができるので、水性懸濁液中に存在する難水溶液成分のD90が300 nm程度未満であることが好ましい。スパン値が1.8程度未満であることがより好ましい。難水溶液成分のD90及びスパン値は難水溶液成分の種類に因る。
組成物が固体混合物であるときの難水溶性成分の粒子径
固体混合物には、粉末混合物、凍結乾燥物等がある。水性懸濁液を凍結乾燥することで、凍結乾燥物を調製することができる。本発明の組成物を固体混合物として使用する場合、難水溶性成分の生物学的利用率を高めることができるので、固体混合物を水溶液(分散媒)へ分散させたとき、水溶液(分散媒)中に存在する難水溶液成分のD90が300 nm程度未満であることが好ましい。スパン値が1.8程度未満であることがより好ましい。難水溶液成分のD90及びスパン値は難水溶液成分の種類に因る。
本発明の組成物では、その形態が水性懸濁液及び固体混合物であっても、含まれる難水溶性成分が水溶液中で存在する時の粒子径を測定する。本発明の組成物に含まれる難水溶性成分のナノ粒子とは、難水溶性成分自体の粒子径であって、表面にPVA系共重合体がコートされている状態の難水溶性成分自体の粒子径を意味しない。難水溶性成分が水溶液中で存在する時は、難水溶性成分の表面をコートしているPVA系共重合体は水和層を形成している。そのため、難水溶性成分の表面の水和層の部分を、粒子径として測定するものではない。つまり、本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子が水溶液中で存在する時に、難水溶性成分のナノ粒子の有効平均粒子径が300 nm程度未満であることが重要である。
難水溶性成分の具体例
本発明で用いられる難水溶性成分は、医薬化合物(動物薬を含む医薬化合物)、医療材料(人工皮膚等の再生医療材料を含む医療材料)、農薬化合物、肥料、化粧料、香料、食品材料、飼料、殺菌剤、防ばい剤、防虫剤、殺虫剤、防錆剤、吸収剤、塗料等広い分野から選択することができる。
難水溶性成分としては以下の成分が好ましい。
(1)交感神経作動薬
アドレナリン、ノルアドレナリン、エチレフリン、ナファゾリン、フェニレフリン、メトキサミン、ミドドリン、イソプレナリン、イソプロテレノール、ドブタミン、デノパミン、トリメトキノール、サルブタモール、テルブタリン、ツロブテロール、フェノテロール、プロカテロール、クレンブテロール、サルメテロール、マブテロール、リトドリン、イソクスプリン、チラミン、アンフェタミン、メタンフェタミン、エフェドリン、メチルエフェドリン、ドパミン、ドカルパミン、アメジニウム又はその塩等。
(2)交感神経遮断薬
エルゴタミン、エルゴメトリン、フェントラミン、トラゾリン、プラゾシン、ブナゾシン、テラゾシン、ウラピジル、ドキサゾシン、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル、アルプレノロール、オクスプレノロール、プロプラノロール、ブフェトロール、ピンドロール、カルテオロール、チモロール、ナドロール、ニプラジロール、アテノロール、メトプロロール、ビソプロロール、ラベタロール、アモスラロール、アロチノロール、カルベジロール、レセルピン、グアネチジン、α-メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ又はその塩等。
(3)副交感神経作動薬
アセチルコリン、ベタネコール、カルバコール、メタコリン、ピロカルピン、ムスカリン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、ジスチグミン、ピリドスチグミン、アンベノニウム、エドロホニウム、ピロカルピン、カルプロニウム、セビメリン又はその塩等。
(4)副交感神経遮断薬
ホマトロピン、トロピカミド、シクロペントラート、プロパンテリン、ブチルスコポラミン、メペンゾラート、プリフィニウム、ピレンゼピン、イプラトロピウム、オキシトロピウム、ピペリドレート、プロピベリン、オキシブチニン、トリヘキシフェニジル、ビペリデン、ピロヘプチン、マザチコール、プロフェナミン、メチキセン又はその塩等。
(5)自律神経節遮断薬
ヘキサメトニウム、トリメタファン、ニコチン又はその塩等。
(6)局所麻酔薬
コカイン、プロカイン、オキシブプロカイン、テトラカイン、アミノ安息香酸エチル、リドカイン、ジブカイン、メピバカイン、オキセサゼイン、キシロカイン又はその塩等。
(7)筋弛緩薬
ツボクラリン、パンクロニウム、ベクロニウム、スキサメトニウム、ダントロレン、プリジノール、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、クロルフェネシン、チザニジン、トルペリゾン、エペリゾン、バクロフェン又はその塩等。
(8)静脈麻酔薬
チオペンタール、チアミラール、プロポフォール、ミダゾラム、ドロペリドール、ケタミン又はその塩等。
(9)睡眠薬
フルラゼパム、ハロキサゾラム、クアゼパム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニメタゼパム、ブロチゾラム、リルマザホン、ロルメタゼパム、トリアゾラム、ゾルピデム、ゾピクロン、ブロモバレリル尿素、バルビタール、フェノバルビタール、アモバルビタール、セコバルビタール、ペントバルビタール、チオペンタール、チアミラール、ラメルテオン又はその塩等。
(10)鎮痛薬、鎮咳薬
モルヒネ、コデイン、パパベリン、ノスカピン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ジアセチルモルヒネ、ペチジン、メサドン、レボルファノール、フェンタニル、レミフェンタニル、ペンタゾシン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、ナロキソン、レバロルファン、デキストロメトルファン、チペピジン、グアイフェネシン、ペントキシベリン、ベンゾナテート、オキシモルフォン、クロペラスチン又はその塩等。
(11)抗てんかん薬
フェノバルビタール、プリミドン、フェニトイン、カルバマゼピン、エトスクシド、トリメタジオン、ジアゼパム、クロナゼパム、ニトラゼパム、バルプロ酸、ガバペンチン、スルチアム、ゾニサミド又はその塩等。
(12)抗パーキンソン薬
レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、エンタカポン、ブロムクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン、タリペキソール、プラミペキソール、アマンタジン、セレギリン、トリヘキシフェニジル、ビペリデン、プロフェナミン、ピロヘプチン、メチキセン、マザチコール、ドロキシドパ又はその塩等。
(13)抗アルツハイマー病薬
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン又はその塩等。
(14)統合失調症治療薬
クロルプロマジン、フルフェナジン、チオリダジン、ハロペリドール、ブロムペリドール、スピペロン、ハロペリドールデカン酸エステル、スルピリド、リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン、クロザピン、アリピプラゾール、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、ゾテピン又はその塩等。
(15)抗不安薬
エチゾラム、ジアゼパム、オキサゾラム、ロフラゼプ酸エチル、クロチアゼパム、ロラゼパム、タンドスピロン、ヒドロキシジン、オキサゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメート、クロルジアゼポキシド又はその塩等。
(16)抗うつ薬
イミプラミン、クロミプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン、トラゾドン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ミルタザピン、ノキシプチリン、フェネルジン又はその塩等。
(17)めまい治療薬
ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ベタヒスチン又はその塩等。
(18)強心薬
ジキトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、デスラノシド、ドブタミン、デノパミン、ドパミン、ドカルパミン、コルホルシンダロパート、アミノフィリン、ミルリノン、オルプリノン、ピモベンダン、ブクラデシン、トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、エチネフリン又はその塩等。
(19)抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、シベンゾリン、ピルメノール、リドカイン、メキシレチン、アプリンジン、フェニトイン、プロパフェノン、フレカイニド、ピルシカイニド、プロプラノロール、アルプレノロール、ブフェトロール、オクスプレノロール、ピンドロール、カルテオロール、ナドロール、アテノロール、アセブトロール、メトプロロール、ビソプロロール、アミオダロン、ソタロール、ニフェカラント、ベラパミル、ジルチアゼム、ベプリジル又はその塩等。
(20)血管拡張薬、高血圧治療薬
ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル、ニフェジピン、アムロジピン、ニトレンジピン、ニカルジピン、フェロジピン、シルニジピン、マニジピン、ジルチアゼム、カプトプリル、リシノプリル、アラセプリル、エナラプリル、テモカプリル、イミダプリル、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、オルメサルタンメドキソミル、アジルサルタン、アリスキレン、ヒドララジン、ボセンタン、イコサペント酸エチル、ニコモール、ニセリトロール、イソクスプリン、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン、ニルバジピン、トラピジル、ジラゼプ、ベラプロスト、アルプロスタジン又はその塩等。
(21)低血圧治療薬
フェニレフリン、ミドドリン、メトキサミン、エチレフリン、エフェドリン、ジヒドロエルゴタミン、アメジニウム又はその塩等。
(22)利尿薬
アセタゾラミド、フロセミド、ブメタニド、トラセミド、アゾセミド、ピレタニド、ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、スピロノラクトン、カンレノ酸、エプレレノン、トリアムテレン、イソソルビド、メチクロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、フロロチアジド、エタクリン酸又はその塩等。
(23)排尿障害治療薬
タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル、プラゾシン、テラゾシン、ウラピジル、ベタネコール、ネオスチグミン、ジスチグミン、オキセンドロン、クロルマジノン酸エステル、アリルエストレノール、ゲストノロンカプロン酸エステル又はその塩等。
(24)頻尿治療薬
プロピベリン、オキシブチニン、ソリフェナシン、イミダフェナシン、トルテロジン、イミプラミン、クロミプラミン、アミトリプチリン、クレンブテロール、ミラベグロン、フラボキサート、テロリジン又はその塩等。
(25)去痰薬
ブロムヘキシン、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、アンブロキソール、セネガ、オンジ、キキョウ、クロルフェジアノール、ピコペリダミン又はその塩等。
(26)気管支喘息治療薬
テオフィリン、アミノフィリン、イプラトロピウム、オキシトロピウム、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルチカゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、トリメトキノール、サルブタモール、テルブタリン、プロカテロール、サルメテロール、フェノテロール、ツロブテロール、マブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、インダカテロール、メトキシフェナミン又はその塩等。
(27)胃・十二指腸潰瘍治療薬
ピレンゼピン、プロパンテリン、ブチルスコポラミン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、オキサチジン酢酸エステル、プログルミド、オキセサゼイン、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、スクラルファート、テプレノン、セトラキサート、レバミピド、ゲファルナート、エカベト、アズレン、スルピリド、ミソプロストール、エンプロスチル、イルソグラジン、ロキサチジンアセテート、酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム又はその塩等。
(28)健胃薬・下剤
メトクロプラミド、ドンペリドン、モサプリド、センノシド、ピコスルファート、ビサコジル、ゲンチアナ、センブリ、オウレン、オウバク、ウイキョウ、ケイヒ、ショウキョウ、サンショウ、カルメロース、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ラクツロース、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム又はその塩等。
(29)止瀉薬
アトロピン、ロペラミド、トリメブチン、アヘン、メペンゾラート、タンニン酸アルブミン、次硝酸ビスマス、天然ケイ酸アルミニウム、ベルベリン、ナジリクス酸又はその塩等。
(30)制吐薬
クロルプロマジン、スルピリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、グラニセトロン、オンダンセトロン、アザセトロン、オキセサゼイン、ジメンヒドリナート、プロメタジン、アプレピタント、アポモルヒネ、トコン(エメチン、セフェリン)又はその塩等。
(31)肝・膵治療薬
インターフェロン製剤、ラミブジン、グリチルリチン、プロトポルフィリン、サイコサポニン、ラクツロース、デヒドロコール酸、ウルソデオキシコール酸、フロプロピオン、ケノデオキシコール酸、ナファモスタット、ウリナリスタチン、ガベキサート、カモスタット、トレピブトン又はその塩等。
(32)生殖器作用薬
シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、オキシトシン、ジノプロストン、ジノプロスト、ゲメプロスト、リトドリン、イソクスプリン、ピペリドレート又はその塩等。
(33)緑内障治療薬
ピロカルピン、ジスチグミン、ラタノプロスト、イソプロピルウノプロストン、ブナゾシン、アセタゾラミド、ドルゾラミド、チモロール、カルテオロール、レボブノロール、ニプラジロール、ジピベフリン又はその塩等。
(34)眼診断薬(縮瞳薬・散瞳薬)
フェニレフリン、ホマトロピン、トロピカミド、シクロペントラート、ピロカルピン又はその塩等。
(35)皮膚疾患治療薬
タカルシトール、エトレチナート、尿素、メトキサレン、リゾチーム、アルプロスタジル、アルプロスタジルアルファデクス、トレチノイントコフェリル、トラフェルミン又はその塩等。
(36)ホルモン薬、ホルモン代用薬、抗ホルモン薬、オータコイド類
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、プロラクチン放出ホルモン、プロラクチン放出抑制ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン、コルチコレリン、プロチレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ナファレリン、リュープロレリン、セトロレリクス、ガニレリクス、ソマトレリン、テルグリド、ソマトスタチン、オクトレオチド、プロラクチン、ソマトロピン、オキシトシン、バスプレシン、デスモプレシン、チロキシン、トリヨードチロニン、カルシトニン、パラトルモン、リオチロニン、レボチロキシン、チアマゾール、プロピルチオウラシル、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレグネノロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、メチラポン、トリロスタン、テストステロン、メチルテストステロン、メテノロン、ナンドロロン、クロルマジノン、アリルエストレノール、オキセンドロン、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、エストラジオール、エストリオール、エチニルエストラジオール、クロミフェン、タモキシフェン、トレミフェン、メピチオスタン、アナストロゾール、エキセメスタン、プロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ノルエチステロン、ダナゾール、デソゲストレル、ノルゲストレル、レボノルゲストレル、ヒト絨毛ゴナドトロピン、ガストリン、コレシストキニン、セクレチン、グルカゴン、インスリン、メラトニン、胃抑制ペプチド、アドレナリン、ノルアドレナリン、アルドステロン、ドパミン、デスオキシコルチコステロン、アラキドン酸、ロイコトリエンA4、ロイコトリエンB4、ロイコトリエンC4、ロイコトリエンD4、ロイコトリエンE4、プロスタグランジンG2、プロスタグランジンH2、プロスタグランジンI2、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンD2、プロスタグランジンF2α、トロンボキサンA2、トロンボキサンB2、セロトニン、ヒスタミン、アンギオテンシン、ブラジキニン、レニン、エンドセリン、γ-アミノ酪酸、各種サイトカイン類、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、PAF(血小板活性化因子)、PIP2(ホスファチジルイノシトール二リン酸)、ガラクトセレブロシド、ガングリオシド、カプロン酸ゲストノロン、ヘキセストロール、エリスロポエチン又はその誘導体等。
(37)糖尿病治療薬
インスリン製剤、トルブタミド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリド、ナテグリニド、ミチグリニド、メトホルミン、ブホルミン、ピオグリタゾン、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、リラグルチド、エキセナチド、エパレスタット又はその塩等。
(38)脂質異常症治療薬
プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、コレスチラミン、コレスチミド、エゼチニブ、ガンマオリザノール、ソイステロール、プロブコール、クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ニコモール、ニセリトロール、デキストラン硫酸エステル、イコサペント酸エチル、2−クロロ−3−〔4−(2−メチル−2−フェニルプロポキシ)フェニル〕プロピオン酸エチル[Chem.Pharm.Bull., 38, 2792-2796 (1990)]、クリノフィブラート、ソイステロール又はその塩等。
(39)高尿酸・痛風治療薬
コルヒチン、アロプリノール、フェブキソスタット、プロベネシド、ベンズブロマロン、ブコロール又はその塩等。
(40)骨粗鬆症治療薬
エストラジオール、ラロキシフェン、エルカトニン、サケカルシトニン、イプリフラボン、カルシトリオール、アルファカルシドール、メナテトレノン、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、テリパラチド又はその塩等。
(41)止血薬
フィトナジオン、メナテトレノン、トロンビン、ヘモコアグラーゼ、トラネキサム酸、カルバゾクロム又はその塩等。
(42)抗血栓薬
ヘパリン、ダルテパリン、ダナパロイド、ワルファリン、アルガトロパン、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、モンテプラーゼ、アスピリン、オザグレル、イコサペント酸エチル、サルポグレラート、チクロピジン、クロピドグレル、ベラプロスト、シロスタゾール、ジピリダモール又はその塩等。
(43)造血薬
シデフェロン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メコバラミン、葉酸、メテノロン、ナンドロロン、エリスロポエチン製剤、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキシン、フィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、ミリモスチム又はその塩等。
(44)NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
アスピリン、サリチルアミド、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、スリンダク、ピロキシカム、アンピロキシカム、テノキシカム、メロキシカム、ジクロフェナク、フェルビナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、メフェナム酸、フルフェナム酸、エトドラク、セレコキジブ、チアラミド、エピリゾール、サリチル酸、スルピリン、アミノピリン、フェナセチン、フェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、ベンジダミン、メピリゾール、チノリジン、イソプロピルアンチピリン、サザピリン、クロフェゾン又はその塩等。
(45)免疫抑制薬
シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、ミゾリビン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、グスペリムス、ムロモナブ-CD3、バシリキシマブ又はその塩等。
(46)関節リウマチ治療薬
金チオリンゴ酸、オーラノフィン、D-ペニシラミン、ブシラミン、メトトレキサート、レフルノミド、アクタリット、ロベンザリット、サラゾスルファピリジン又はその塩等。
(47)抗アレルギー薬
クロモグリク酸、トラニラスト、ペミロラスト、アンレキサノクス、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、プロメタジン、シプロヘプタジン、アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミド、メキタジン、エピナスチン、フェキソフェナジン、セチリジン、エバスチン、オロパタジン、ロラタジン、オザグレル、セラトロダスト、ラマトロバン、プランルカスト、モンテルカスト、ザフィルルカスト、イブジラスト、スプラタスト、トリペレナミン、メトジラジン、クレミゾール、ジフェニルピラリン、アリメマジン又はその塩等。
(48)抗生物質
ベンジルペニシリン、スルタミシリン、フェネチシリン、クロキサシリン、アンピシリン、バカンピシリン、アモキシシリン、ピペラシリン、セファロチン、セファゾリン、セファレキシン、セファクロル、セフォチアム、セフロキシムアキセチル、セフスロジン、セフォトキシム、セフメノキシム、セフチゾキシム、セフォペラゾン、セフトリアキソン、セフゾナム、セフタジジム、セフォジジム、セフィキシム、セフジニル、セフポドキシムプロキセチル、セフジトレンピボキシル、セフカペンピボキシル、セフェピム、セフピロム、セフォゾプラン、セフォタキシン、セフメタゾール、セフブペラゾン、セフミノクス、ラタモキセフ、フロモキセフ、アズトリペネム、テビペネムピボキシル、アズトレオナム、カルモナム、バンコマイシン、レオナム、イミペネム、バニペネム、メロペネム、ファロペネム、ビアペネム、ドリペネム、テイコプラニン、ホスホマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン、トブラマイシン、フラジオマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、アルベカシン、スペクチノマイシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、アセチルスピラマイシン、ロキタマイシン、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、リンコマイシン、クリンダマイシン、ムピロシン、リネゾリド、ポリミキシンB、コリスチン、スルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファドキシン、ナジリクス酸、ノルフロキサシン、モキシフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、オフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、ガチフロキサシン、プルリフロキサシン、パズフロキサシン、スルバクタム、タゾバクタム、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、クラブラン酸、ピブメシリナム、テリスロマイシン、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン、エタンブトール、パラアミノサリチル酸、ジアフェニルスルホン、クロファジミン、ランカサイジン類[J.AntiBiotics, 38, 877-885 (1985)]、ピペミド酸三水和物、ジべカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、ディベカシン、シソマイシン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、チカルシリン、セファロリジン、セフォチアムヘキセチル、セフスロジン、モキサラクタム、チエナマイシン又はその塩等。
(49)抗原虫・寄生虫薬
キニーネ、メフロキン、スルファドキシン、ピリメタミン、メトロニダゾール、チニダゾール、スピラマイシン酢酸エステル、ペンタミジン、サントニン、ピランテル、メベンダゾール、イベルメクチン、ジエチルカルバマジン、プラジカンテル、アルベンダゾール、レバミゾール又はその塩等。
(50)抗真菌薬
アムホテリシンB、ナイスタチン、イトラコナゾール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、ミカファンギン、テルビナフィン、ブテネフィン、フルシトシン、グリセオフルビン又はその塩等。
(51)抗ウイルス薬
アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、ホスカルネット、アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、ラニナビルオクタン酸エステル、ペラミビル、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、サニルブジン、アバカビル、ネビラピン、エファビレンツ、デラビルジン、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル、ラルテグラビル、インターフェロン製剤、リバビリン又はその塩等。
(52)抗悪性腫瘍薬
シクロホスファミド、イホスファミド、ブスルファン、チオテパ、メルファラン、ニムスチン、ラニムスチン、ロムスチン、カルムスチン、メルカプトプリン、フルダラビン、フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カペシタビン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、ゲムシタビン、メトトレキサート、ホリナート、レボホリナート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アドリアマイシン、イダルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカン、ノギテカン、エトポシド、タモキシフェン、メピチオスタン、トレミフェン、アナストロゾール、レトロゾール、フルタミド、クロルマジノン酸エステル、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、リュープロレリン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシカルバミド、ダカルバシン、テモゾロミド、プロカルバジン、メルファラン、クラドリビン、ネララビン、フルダラビン、ペメトレキセド、ペントスタチン、エリブリン、ソブゾキサン、ビノレルビン、ビンデシン、アクラルビシン、アムルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、ピラルビシン、ベプロマイシン、ミトキサントロン、エキセメスタン、エストラムスチン、ミトタン、メピチオスタン、ウベニメクス、レンチナン、サリドマイド、ネオカルチノスタチン、シトシンアラジノシド、テトラヒドロフリル−5−フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、ベスタチン、ミトキサントロン、アミノグルテチミド又はその塩等。
(53)分子標的治療薬(低分子化合物)
イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、クリゾチニブ、アキシチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボルテゾミブ、タミバロテン、トレチノイン、バンデタニブ等。
(54)診断薬・検査薬
アミドトリゾ酸、メグルミン、イオタラム酸、イオタラム酸メグルミン、イオトロクス酸メグルミン、イオプロミド、イオメプロール、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオトロラン、イオジキサノール、ガドジアミド、スルホブロモフタレイン、インドシアニングリーン、インジゴカルミン、パラアミノ馬尿酸、フェノールスルホンフタレイン、イヌリン、クレアチニン、エバンスブルー、テトラガストリン、ツベルクリン、エドロホニウム、オルトトリジン又はその塩等。
(55)解毒薬・拮抗薬
ジメルカプロール、エデト酸、D-ペニシラミン、トリエンチン、デフィロキサミン、亜硝酸アミル、チオ硫酸、プラリドキシム、アトロピン、ナロルフィン、ナロキソン、レバロルファン、フルマゼニル、ジモルホラミン、ホリナート、プロタミン、フィトナジオン、アセチルシステイン、メスナ、ジメスナ、ピリドキシン、ピリドキサールリン酸エステル、ジスルフィラム、シアナミド又はその塩等。
(56)生薬
阿膠(あきょう)、威霊仙(いれいせん)、茵陳蒿(いんちんこう)、茴香(ういきょう)、烏薬(うやく)、延胡索(えんごさく)、黄耆(おうぎ)、おうごん、黄柏(おうばく)、桜皮(おうひ)、黄連(おうれん)、遠志(おんじ)、艾葉(がいよう)、何首烏(かしゅう)、葛根(かっこん)、滑石(かっせき)、かろこん、かろにん、甘草(かんぞう)、桔梗(ききょう)、枳実(きじつ)、菊花(きくか)、橘皮(きっぴ)、羌活(きょうかつ)、杏仁(きょうにん)、苦参(くじん)、荊芥(けいがい)、桂枝(けいし)、膠飴(こうい)、紅花(こうか)、香附子(こうぶし)、粳米(こうべい)、厚朴(こうぼく)、牛膝(ごしつ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、牛蒡子(ごぼうし)、胡麻(ゴマ)、五味子(ごみし)、柴胡(さいこ)、細辛(さいしん)、細茶(さいちゃ)、山査子(さんざし)、山梔子(さんしし)、山茱萸(さんしゅゆ)、山椒(さんしょう)、酸棗仁(さんそうにん)、山薬(さんやく)、地黄(じおう)、地骨皮(じこっぴ)、柴根(しこん)、疾黎子(しつりし)、芍薬(しゃくやく)、車前子(しゃぜんし)、縮砂(しゅくしゃ)、生姜(しょうきょう)、小麦(しょうばく)、升麻(しょうま)、辛夷(しんい)、神麹(しんぎく)、神麹(しんぎく)、石膏(せっこう)、せんきゅう、前胡(ぜんこ)、川骨(せんこつ)、蝉退(ぜんたい)、桑白皮(そうはくひ)、蘇木(そぼく)、蘇葉(そよう)、大黄(だいおう)、大棗(たいそう)、沢瀉(たくしゃ)、竹茹(ちくじょ)、知母(ちも)、丁香(ちょうこう)、釣藤鈎(ちょうとうこう)、猪苓(ちょれい)、陳皮(ちんぴ)、天南星(てんなんしょう)、天麻(てんま)、天門冬(てんもんどう)、冬瓜子(とうがし)、当帰(とうき)、桃仁(とうにん)、杜仲(とちゅう)、独活(どっかつ)、人参(にんじん)、忍冬(にんどう)、忍冬(にんどう)、貝母(ばいも)、麦芽(ばくが)、麦門冬(ばくもんどう)、薄荷(はっか)、半夏(はんげ)、百合(びゃくごう)、びゃくし、白朮(びゃくじゅつ)、枇杷葉(びわよう)、檳榔子(びんろうじ)、茯苓(ぶくりょう)、附子(ぶし)、防已(ぼうい)、芒硝(ぼうしょう)、防風(ぼうふう)、ぼくそく、牡丹皮(ぼたんぴ)、牡蛎(ぼれい)、麻黄(まおう)、麻子仁(ましにん)、木通(もくつう)、木香(もっこう)、益母草(やくもそう)、よくいにん、竜眼肉(りゅうがんにく)、竜骨(りゅうこつ)、竜胆(りゅうたん)、良姜(りょうきょう)、連翹(れんぎょう)、蓮肉(れんにく)等。
(57)ビタミン類
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、及びその誘導体等。
(58)アミノ酸類
グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、バリン、ロイシン、アスパラギン、アスパラギン酸、イソロイシン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、チロシン、メチオニン、システイン、リジン及びその誘導体等。
(59)動物薬
アイブロシン、スピラマイシン、アスポキシシリン、アモキシシリン、オキシテトラサイクリン、アンピシリン、エリスロマイシン、キタサマイシン、クロキサシリン、クロラムフェニコール、ジクロキサシリン、ジョサマイシン、セデカマイシン、セファゾリン、セファロニウム、セフチオフル、セフロキシム、タイロシン、チアムリン、チルミコシン、デストマイシンA、テルデカマイシン、ナイスタチン、ナナフロシン、ナフシリン、ノボビオシン、ハイグロマイシンB、ビコザマイシン、テトラサイクリン、ベンジルペニシリン、ホスホマイシン、オレアンドマイシン、ミロサマイシン、メシリナム、モネンシン、クロルテトラサイクリン、スペクチノマイシン、ドキシサイクリン、リンコマイシン、デキサメタゾン、アプラマイシン、カナマイシン、ストレプトマシン、ゲンタマイシン、コリスチン、フラジオマイシン、ピロミド酸またはその誘導体及び塩等。
(60)その他
メクロフェノキサート、チアプリド、イフェンプロジル、ニセルゴリン、ファスジル、スマトリプタン、デュタステリド、オキシフェドリン、プロトキロール、アロクラミド、マレイン酸シネパジド、シクランデレート、シンナリジン、ペントキシフィリン、イフェンプロジル、ロテノン、アミタール、アンチマイシンA、バリノマイシン、グラミシジンA、オリゴマイシン、エダラボン、シチコリン、メチルフェニデート、モダフィニル、マジンドール、ピクロトキシン、ペンテトラゾール、ストリキニーネ、カルペリチド、ジラゼプ、ドキサプラム、ピレノキシン、グルタチオン、ナファゾリン、ヒアルロン酸、アセトアミノフェン、テセロイキン、セルモロイキン、シラスタチン、ベタミプロン、ピリメタミン、ギメラシル、オテラシル、ウラシル、ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、ニセルゴリン、ベンジルホスホン酸ジエチルなどさらに、フェノールスルフォフタレイン誘導体、ベンゾチオピランまたはベンゾチエピン誘導体、チエノインダゾール誘導体、フマギロール誘導体、P38MAPキナーゼ阻害剤(WO 00/64894等に記載のチアゾール系化合物等)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変性症治療薬、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬関節炎治療薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、先天性心疾患治療薬、リンパ節炎治療薬、クローン病治療薬、起用性大腸炎治療薬、過敏性腸症候群治療薬、腎不全治療薬、分娩誘発薬、不妊治療薬、陣痛促進薬、陣痛抑制薬、強制流産薬、前立腺肥大治療薬、子宮体癌治療薬、乳癌治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、脳腫瘍治療薬、片頭痛治療薬、肝炎治療薬、腹水治療薬、浮腫治療薬、メニエール病治療薬、皮膚色素異常治療薬、ハンセン病治療薬、農薬解毒薬、褥瘡治療薬、変形性関節病治療薬、骨軟化症(くる病)治療薬、白癬病治療薬等。
本発明において用いた難溶性薬物として、グリセオフルビン、ヒドロクロロチアジド、プロブコール、トルブタミド、フェノフィブラート、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、アルベンダゾール、フェニトイン、ジピリダモール、アシクロビル、インドメタシン、フロセミド等が挙げられる。
難水溶性成分の農薬化合物としては、以下の成分が好ましい。
(1)殺虫剤
(A)カーバメイト系:MIPC;イソプロカルブ(isoprocarb)、BPMC;フェノブカルブ(fenobucarb)、MPMC;キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、NAC;カルバリル(carbaryl)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、カルボフラン(carbofuran)等。
(B)合成ピレスロイド系:シペルメトリン(cypermethrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、レスメトリン(resmethrin)等。
(C)有機リン系:EPN、シアノフェンホス(cyanofenphos)、PAP;フェントエート(phenthoate)、CVMP;テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ホサロン(phosalone)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinaiphos)、DMTP;メチダチオン(methidathion)、サリチオン(eioxabenzofos)等。
(D)有機塩素系:ベンゾエピン(endosulfan)等。
(E)その他:ベンスルタップ(bensultap)、ブプロフェジン(buprofezin)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、イミダクロプリド等。
(2)殺菌剤
(A)N−ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤:トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(triforine)等。
(B)カルボキシアミド系メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutoluanil)、ペンシクロン(pencycuron)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)等。
(C)ジカルボキシイミド系:イプロジオン(iprofione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、プロシミドン(procymidone)等。
(D)ベンゾイミダゾール系:ベノミル(benomyl)等。
(E)ポリハロアルキルチオ系:キャプタン(captan)等。
(F)有機塩素系:フサライド(fthalide)、TPN;クロロタロニル(chlorothalonil)等。
(G)硫黄系:ジネブ(zineb)、マンネブ(maneb)等。
(H)その他:ジクロメジン(diclomezin)、トリシクラゾール(tricyclazole)、イソプロチオラン(isoprothioldne)、プロベナゾール(probenazole)、アニラジン(anilazine)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリムゾン(ferimzone)等。
(3)除草剤
(A)スルホニル尿素系:イマゾスルフロン、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-mEthyl)等。
(B)トリアジン系:シメトリン(simetryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)等。
(C)尿素系ダイムロン(dymron)等。
(D)酸アミド系プロパニル(propanil)、メフェナセット(mefenacet)等。
(E)カルバメート系:スエップ(swep)等。
(F)ダイアゾール系:オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)等。
(G)ジニトロアニリン系トリフルラリン(trifluralin)等。
(H)その他:ジチオピル(dithiopyr)等。
本発明では、上記難水溶性成分のD90が300 nmを超える場合であっても、差し支えない。この場合、難水溶性成分及びPVA系重合体(粉砕媒体)が含まれる混合物を、機械的手段を用いて粉砕することで、混合物中で難水溶性成分のD90を300 nm未満に調製することができる。その結果、本発明のPVA系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物を調製できる。そして、本発明の組成物を用いると、難水溶性成分のナノ粒子は分散性が良好である。
(6)組成物
本発明の組成物は、PVA系重合体及び難水溶性のナノ粒子を含む。本発明の組成物には、重合反応等によって得られたPVA系重合体を乾燥した後、必要に応じて粉砕したPVA系重合体を使用することが好ましい。本発明の組成物は、PVA系重合体と難水溶性成分とを混合した後に、その混合物を乾式粉砕又は湿式粉砕することで、調製できる。調製方法では、必要に応じて添加剤を加えることができる。粉砕処理により、難水溶性成分がナノ粒子化される。難水溶性成分のナノ粒子は、その表面積が大きく、優れた溶解性を示す。
本発明の組成物を水性懸濁液の形態として使用することができる。本発明の組成物を固体混合物として調製した後に、その固体混合物を水溶液中へ再分散することもできる。
難水溶性成分のナノ粒子の分散性のメカニズム
液体分散媒を含む形態において、PVA系重合体により、難水溶性成分のナノ粒子が液体分散媒(水等)に対して分散性が向上する。PVA系重合体の内部構造のメタクリル酸メチル等の疎水部が難水溶性成分の表面に吸着する。そして、PVA系重合体により、難水溶性成分の粒子間の電気的保護作用又は立体保護作用が現れ、難水溶性成分のナノ粒子の分散性が向上する。
その上、PVA系重合体の内部構造のPVA、アクリル酸等の親水部の周囲に、水和層が形成される。そして、PVA系重合体により、難水溶性成分粒子の電気的保護作用又は立体保護作用が増強される。
この様に、本発明のPVA系重合体を用いることで、難水溶性成分粒子のナノ粒子は、良好な分散性を示す。
分散媒
本発明の組成物を水性懸濁液として用いる時、PVA系共重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を分散させるための分散媒としては、PVA系重合体が溶解するかつ難水溶性成分が溶解しないことが望ましいという理由から、水、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、生理食塩水等の水溶液が好ましい。
本発明の組成物を固体混合物として用いる時、固体混合物を分散させるための分散媒としては、PVA系重合体が溶解するかつ難水溶性成分が溶解しないことが望ましいという理由から、水、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、生理食塩水等の水溶液が好ましい。
添加剤
本発明の組成物には、後述する医薬に含まれていても良い添加剤を含むことができる。
安定(化)剤、界面活性剤、改良剤、可塑剤、滑沢剤、カプセル皮膜、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、揮発補助剤、吸着剤、矯味剤、共力剤、結合剤、懸濁(化)剤、抗酸化剤、光沢化剤、効力増強剤、コーティング剤、剤皮、支持体、持続化剤、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、摂食促進剤、接着剤、増強剤、咀嚼剤、着香剤・香料、着色剤、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、燃焼剤、粘着剤、粘着増強剤、粘稠剤、粘稠化剤、発炎抑制剤、発熱剤、発泡剤、pH調節剤、皮膚保護剤、賦形剤、浮遊剤、分散剤、噴射剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防錆剤、保存剤、無痛化剤、誘引剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、離型剤、流動化剤等。
PVA系共重合体の含有量
本発明の組成物は、水溶液(分散媒)中での優れた分散性、再分散性を示すという利点から、PVA系重合体を0.1〜90質量%程度含有することが好ましい。組成物中のPVA系重合体の含有量は、より好ましくは10〜70質量%程度であり、更に好ましくは20〜50質量%程度である。
難水溶性成分のナノ粒子の含有量
本発明の組成物は、水溶液(分散媒)中での優れた分散性、再分散性を示すという利点から、難溶性成分のナノ粒子を0.1〜90質量%程度含有することが好ましい。組成物中の難溶性成分のナノ粒子の含有量は、より好ましくは1〜80質量%程度であり、更に好ましくは10〜70質量%程度である。
PVA系重合体100質量部に対して、難溶性成分のナノ粒子を0.1〜100000質量部程度含有することが好ましく、10〜900質量部程度含有することがより好ましく、40〜400質量部程度含有することが更に好ましい。PVA系重合体と難水溶性成分との質量比(難水溶性成分のナノ粒子/PVA系重合体)は、通常0.001〜100程度、好ましくは0.1〜50程度、より好ましくは0.25〜10程度である。
組成物が水性懸濁液であるときの各成分の含有量
本発明の組成物を水性懸濁液として使用する場合、水溶液中で優れた分散性を示すという利点から、PVA系重合体の含有量は0.1〜90質量%程度が好ましく、1〜80質量%程度がより好ましく、10〜70質量%程度が更に好ましい。
本発明の組成物を水性懸濁液として使用する場合、水溶液中で優れた分散性を示すという利点から、難水溶性成分のナノ粒子の含有量は0.1〜90質量%程度が好ましく、1〜80質量%程度がより好ましく、10〜70質量%程度が更に好ましい。難水溶性成分のナノ粒子の含有量は、難水溶性成分のナノ粒子の処方に因る。
PVA系重合体100質量部に対して、難溶性成分のナノ粒子を0.1〜100000質量部程度含有することが好ましく、10〜900質量部程度含有することがより好ましく、40〜400質量部程度含有することが更に好ましい。PVA系重合体と難水溶性成分との質量比(難水溶性成分のナノ粒子/PVA系重合体)は、通常0.001〜100程度、好ましくは0.1〜50程度、より好ましくは0.25〜10程度である。
組成物が固体混合物であるときの各成分の含有量
本発明の組成物を固体混合物として使用する場合、水溶液中への再分散性が優れるという利点から、PVA系重合体の含有量は0.1〜90質量%程度が好ましく、1〜80質量%程度がより好ましく、10〜70質量%程度が更に好ましい。
本発明の組成物を水性懸濁液として使用する場合、水溶液中への再分散性が優れるという利点から、難水溶性成分のナノ粒子の含有量は0.1〜90質量%程度が好ましく、1〜80質量%程度がより好ましく、10〜70質量%程度が更に好ましい。難水溶性成分のナノ粒子の含有量は、難水溶性成分のナノ粒子の処方に因る。
PVA系重合体100質量部に対して、難溶性成分のナノ粒子を0.1〜100000質量部程度含有することが好ましく、10〜900質量部程度含有することがより好ましく、40〜400質量部程度含有することが更に好ましい。PVA系重合体と難水溶性成分との質量比(難水溶性成分のナノ粒子/PVA系重合体)は、通常0.001〜100程度、好ましくは0.1〜50程度、より好ましくは0.25〜10程度である。
組成物の形態
本発明の組成物は、必要に応じて添加剤を含むことが可能である。本発明の組成物は、水溶液中で、ナノ粒子が良好な分散性を示す水性懸濁液又は固体混合物であることが好ましい。固体混合物としては、水溶液中で分散させた時に、難水溶性成分がナノ粒子の状態を維持できるならば、その形態は限定されない。固体混合物としては、水溶液中へ分散させることが比較的容易であるという点で、粉末混合物、凍結乾燥物であることが好ましい。凍結乾燥物は、水性懸濁液を凍結乾燥することで得られる。
本発明の組成物は、常法により粉末剤、細粒剤、微細顆粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、座剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、エアゾール剤等の剤型で使用することもできる。好ましい剤型は、粉末剤、錠剤、細粒剤、微細顆粒剤、顆粒剤、カプセル剤である。
本発明の組成物では、PVA系重合体は、難水溶性成分のナノ粒子の水溶液に対する分散剤として機能する。そのため、本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子が凝集又は凝集沈殿することがない。本発明の組成物は、難水溶性成分(薬物粒子)をナノ粒子の状態で維持することができるので、ナノ粒子化製剤として機能することができる。つまり、本発明の組成物では、組成物中の難水溶性成分の粒子径をナノサイズに維持できる。
(7)医薬
本発明の組成物では、難水溶性成分のナノ粒子が、高い溶解性を示す。本発明の組成物を、医薬(動物薬を含む医薬)、医療材料、農薬、肥料、化粧料、香料、食品材料、飼料、殺菌剤、防ばい剤、防虫剤、殺虫剤、防錆剤、吸収剤、塗料等に応用することができる。
本発明の組成物は、難溶性成分のナノ粒子が医薬成分であるとき、医薬及び医薬製剤とすることができる。
医薬における本発明の組成物の含有量は、通常0.1〜100質量%である。組成物の含有量が100質量%の医薬とは、医薬が、PVA系重合体、難溶性成分のナノ粒子、分散媒等を含有する組成物からなる態様である。本発明の組成物を含む医薬の投与量は薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。医薬における本発明の組成物の含有量は、好ましくは1〜100質量%程度であり、より好ましくは30〜100質量%程度であり、更に好ましくは70〜100質量%程度である。本発明の医薬及び医薬製剤は、難水溶性成分(薬物)の水溶液中での溶解性が良好であり、難水溶性成分はナノ粒子の状態を維持でき、難水溶性成分の生物学的利用率が高い。
本発明の組成物を医薬と使用する場合、医薬には、本発明の効果を奏する範囲において、製剤素材として慣用されている各種の薬学的に許容される担体、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等を1種単独で又は2種以上組み合わせて添加することができる。また、必要に応じて他の薬効成分を配合することも可能である。
例えば、PVA系重合体(分散剤)及び難水溶性成分を含む混合物を、乾式粉砕又は湿式粉砕することで本発明の組成物を得て、次いで、製剤化して医薬とすることができる。PVA系重合体(分散剤)及び難水溶性成分を含む混合物には各種添加剤が含まれていても良い。本発明の組成物に更に添加剤を加えて、製剤化して医薬とすることも可能である。
添加剤
本発明の医薬には、次の添加剤を含むことができる。
糖アルコール類(マルチトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マンニトールなど)、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アピオース、エリトロース、トレオース、グリセルアルデヒド、セドヘプツロース、コリオース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、リブロース、キシルロース、エリトルロース、ジヒドロキシアセトン、トレハロース、イソトレハロース、コージビオース、ソホロース、ニゲロース、ラミナリビオース、マルトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラクトース、スクロース、塩化ナトリウム、デンプン、還元パラチノーム、炭酸塩類(炭酸カルシウムなど)、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、タルク、リン酸塩類(リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、オリゴ糖類(ラクチュロース、ラフィノース、ラクトスクロースなど)等の賦形剤。
次の可塑剤。グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;モノステアリン、PEG4000、PEG6000、PEG20000等の各種ワックス類;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等の有機脂肪酸類。クエン酸トリエチル、Tween80、HCO60、トリアセチン等の界面活性剤。単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液等の粘度調整剤。
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、結晶セルロース、粉末セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、リン酸カリウム、アラビアゴム末、プルラン、ペクチン、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ゼラチン、キサンタンガム、カラギーナン、トラガント、トラガント末、ポリエチレングリコール等の結合剤。
デンプン、乾燥デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、メチルセルロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、部分アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤。
第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤。
デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤。
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、酸化マグネシウム、コロイドシリカ、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤。
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、サポニン等の分散剤。
アスコルビン酸、トコフェロール等の抗酸化剤。
乳酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸等の酸味料。
二酸化ケイ素等の流動化剤。
スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、グリチルリチン等の甘味料、ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油、フルーツフレーバー、ミントフレーバー、ペパーミントパウダー、d,l−メントール、l−メントール等の香料。
難溶性成分(薬物)のナノ粒子の溶出速度の制御を容易にするため、崩壊剤、結合剤等を配合することが好ましい。また、ナノ粒子化製剤のナノ粒子凝集抑制のため、マンニトール等の糖アルコールを配合することが好ましい。
医薬の形態
本発明の医薬は、固体混合物及び水性懸濁液の形態であることが好ましい。固体混合物は、粉末混合物、凍結乾燥物の形態であることが好ましい。
本発明の医薬は、必要に応じて添加剤を含むことが可能である。本発明の医薬は、常法により細粒剤、微細顆粒、顆粒、錠剤、カプセル剤、座剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、エアゾール剤等の剤型で使用することもできる。好ましい剤型は、錠剤、細粒剤、微細顆粒剤、顆粒剤、カプセル剤である。
本発明のPVA系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物では、難水溶性成分がナノ粒子の状態で維持され、難水溶性成分の水溶液中への溶解性が改善されている。本発明の組成物を用いて調製できる医薬は、有効成分(難水溶性成分)の生物学的利用率が高い。
本発明の医薬は、従来、経口投与後の生物学的利用率が低いと考えられていた難水溶性成分に対して有用である。本発明の医薬は、経口投与用医薬として好ましい。
本発明の医薬は、従来、静脈投与出来なかった難水溶性成分に対して有用である。本発明の医薬は、静脈投与用医薬として好ましい。本発明の医薬は、従来経口投与できなかった難水溶性成分を、経口投与でき、静脈投与できる。
(8)組成物及び医薬の製造方法
本発明のPVA系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物は、
(1)PVA系重合体と難水溶性成分とを混合する工程、及び
(2)工程(1)で得られた混合物を粉砕処理し、難水溶性成分をナノ粒子化する工程
を含む方法により製造することができる。
本発明のPVA系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物は、
(1)難水溶性成分をナノ粒子化する工程、及び
(2)PVA系重合体と工程(1)で得られた難水溶性成分のナノ粒子とを混合する工程
を含む方法により製造することができる。
混合方法
PVA系重合体と難水溶性成分とを混合する工程、並びにPVA系重合体と難水溶性成分のナノ粒子とを混合する工程では、当業者により利用可能な適宜の混合方法を採用することができる。混合方法では、各種添加剤を加えることができる。例えば、V型混合、二十円錐型混合、リボン型混合、旋回スクリュー型、ビーズミル型等の混合方法を採用できる。本発明では、難水溶性化合物を短時間でナノメートル領域まで混合粉砕できるという利点から、ビーズミルによる混合方法が好ましい。
また、下記自転・公転ミキサーによる粉砕処理方法を採用することで、混合処理と粉砕処理とを同時に行うことができる。
難水溶性成分のナノ粒子化方法
PVA系重合体と難水溶性成分とを混合することで得られた混合物を粉砕処理し、難水溶性成分をナノ粒子化する工程、並びに難水溶性成分をナノ粒子化する工程では、乾式粉砕処理又は湿式粉砕処理を採用することができる。粉砕処理により、難水溶性成分をナノ粒子化することができる。乾式粉砕処理又は湿式粉砕処理に使用される粉砕手段は特に限定されない。当業者により利用可能な適宜の粉砕手法を採用することができる。例えば、自転・公転ミキサーによる粉砕処理方法が好ましい。粉砕処理では、各種添加剤を加えることができる。
液体分散媒を用いた湿式粉砕法により、本発明の水性懸濁液を製造することができる。得られた水性懸濁液を凍結乾燥することで、凍結乾燥物を製造することが可能である。
本発明では、自転・公転ミキサーを使った湿式粉砕法を採用することで、難水溶性成分をナノ粒子化することができる。図1は、自転・公転ミキサーを使った湿式粉砕法による、難水溶性成分のナノ粒子化方法を示す。図2は、自転・公転ミキサーを使った湿式粉砕法による、ナノ粒子化製剤の具体的な調製方法を示す。
(i) 液体分散媒に、PVA系重合体及び難水溶性成分を加える。液体分散媒は、水、リン酸緩衝液、生理食塩水等を用いることが好ましい。
難水溶性成分は、処理温度(例えば、25 °C)で少なくとも約10 mg/mL未満の溶解度を有するものが好ましい。難水溶性成分の性質に応じて、親水性高分子等の分散剤の吸着に差がある。本発明のPVA系重合体を含む組成物を用いと、既存の親水性高分子に比べて、多くの難水溶性成分に対して、良好な分散性を付与できる。
PVA系重合体、難水溶性成分及び液体分散媒を含む混合物(水溶液)中のPVA系重合体の濃度は、0.1〜90%(w/v)(%(質量部/体積))程度が好ましい。混合物中のPVA系重合体の濃度は、0.5〜70%(w/v)程度がより好ましく、1〜20%(w/v)程度が更に好ましい。混合物中のPVA系重合体の濃度は、特に5%(w/v)程度が好ましい。
PVA系重合体、難水溶性成分及び液体分散媒を含む混合物(水溶液)中の難水溶性成分の濃度は、0.01〜60%(w/v)(%(質量部/体積))程度が好ましい。混合物中の難水溶性成分の濃度は、0.05〜30%(w/v)程度がより好ましく、0.1〜10%(w/v)程度が更に好ましい。混合物中の難水溶性成分濃度は、特に0.17%(w/v)程度が好ましい。
(ii) PVA系重合体、難水溶性成分及び液体分散媒を含む混合物(水溶液)に、粉砕媒体を加える。粉砕媒体は、ジルコニアボール(直径0.1 mm程度)、ステンレス鋼、チタニア、アルミナ等を用いることが好ましい。
難水溶性成分粒子の微細化(ナノ粒子化)工程に用いる粉砕媒体は、球形又は粒状のものが望ましく、平均粒子径が約3 mm未満を有する硬質媒体から選ぶことが出来る。好ましい粉砕媒体は、短い処理時間で、難水溶性成分のナノ粒子を提供し、且つ微細化工程に用いる容器に摩損を与えないものが望ましい。特に、ジルコニアボール(ニッカトー製、酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%・酸化イットリリウム5%)を用いることが好ましい。
(iii) PVA系重合体、難水溶性成分及び液体分散媒を含む混合物(水溶液)、並びに粉砕媒体を含む試料を、自転・公転ミキサーを用いて回転させる。難水溶性成分はナノ粒子化される。
粉砕時間は、難水溶性成分粒子の微細化(ナノ粒子化)工程の手段や処理条件に応じて、広範囲に変動できる。粉砕時間は2〜10分であることが好ましい。
難水溶性成分粒子を微細化(ナノ粒子化)する際には、難水溶性成分を著しく失活させない温度で粒子の微細化(ナノ粒子化)を行う必要がある。処理温度は、一般的に約40 °C未満が望ましい。また、難水溶性成分粒子の微細化(ナノ粒子化)工程における熱の発生を最小限に抑えるために、冷却装置を用いて熱の低減を図ることもできる。
難水溶性成分の微細化(ナノ粒子化)を行った後、難水溶性成分の懸濁液に、微細化(ナノ粒子化)工程で用いた液体分散媒を更に加えることが好ましい。次いで、自転・公転ミキサーを用いて、難水溶性成分が微細化(ナノ粒子化)されない程度の低回転で回転させる。本発明の水性懸濁液を調製することができる。難水溶性成分が微細化(ナノ粒子化)されない程度の低回転とは、例えば、シンキー製のNP-100において400 rpm程度の回転数である。
(iv) 難水溶性成分に各種添加剤を加えて、自転・公転ミキサーを用いて回転させる。難水溶性成分はナノ粒子化される。
PVA系(共)重合体を含む液体分散媒を用いた場合、多くの難水溶性成分の粒子径をナノメートル領域まで微細化(ナノ粒子化)することができる。
製造方法の具体例(図2)
<1st step、微細化工程>
難水溶性成分100 mg、粉砕媒体(直径0.1 mmジルコニアボール)を2.5 g、及び液体分散媒を0.6 mL加える。次いで、2000 rpm (自転公転比=1)で容器を2分間、自転、公転させる。
<2nd step、分散工程>
微細化工程終了後、微細化工程で添加した液体分散媒を9.4 mL加える。次いで、400 rpm (自転公転比=1 )で容器を1分間、自転、公転させる。微細化した難水溶性成分を液体分散媒に分散、懸濁させる。
PVA系重合体、難水溶性成分及び液体分散媒を含む混合物(水溶液)の具体例
(i) PVA系重合体(例えばPOVACOAT Type F、大同化成工業製)
5%(w/v) PVA系重合体・5%(w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、PVA系重合体を5 g、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製する。
比較対象(既存の親水性高分子を含む水溶液)
(ii) ヒドロキシプロピルセルロースSSL(HPC-SSL、和光純薬工業製)
5% (w/v) HPC-SSL・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、HPC-SSLを5g、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製する。
(iii) ポリビニルアルコール(PVA、ナカライテスク製)
5% (w/v) PVA・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、PVAを5 g、D-マンニトールを5 g 加えて、液体分散媒を調製する。
(iv) ポリビニルピロリドンK30(PVP-K30、和光純薬工業製)
5% (w/v) PVP-K30・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、PVP-K30を5 g、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製する。
(v) D-マンニトール(和光純薬工業製)
5%(w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製する。
PVA系重合体、難水溶性成分及び液体分散媒を含む混合物(水溶液)の具体例
(vi) PVA系重合体(例えばPOVACOAT Type F、大同化成工業製)−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS、和光純薬工業製)
5% (w/v) PVA系重合体・5%(w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100mlに、PVA系重合体を5g、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製する。
比較対象(既存の親水性高分子を含む水溶液)
(vii)HPC-SSL−SDS
5% (w/v) HPC-SSL・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、HPC-SSLを5 g、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製する。
(viii)PVA−SDS
5% (w/v) PVA・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、PVAを5 g、D-マンニトールを5 g 、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製する。
(ix)PVP-K30−SDS
5% (w/v) PVP-K30・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、PVP-K30を5 g、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製する。
(x)D-マンニトールSDS
5%(w/v)D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製する。
D-マンニトールは、凍結乾燥製剤におけるナノ粒子化された難水溶性成分の水への再分散速度を向上させるために添加することができる。D-マンニトールは、難水溶性成分の粒度分布には影響を与えるものではない。SDSは、難水溶性成分の水に対するぬれ性を改善するために用いることができる。
本発明の組成物が水性懸濁液の形態である時、難水溶性成分のナノ粒子は安定である。水性懸濁液は、PVA系重合体、難水溶性成分のナノ粒子及び液体分散媒を含む。「安定」とは、水性懸濁液中の難水溶性成分のナノ粒子が、調製後少なくとも1日以上にわたり、凝集又は凝集沈殿を示さないことを意味する。裸眼で、凝集又は凝集沈殿を観察できる。
本発明の組成物は、難水溶性成分のナノ粒子を安定に長期保存するために、水性懸濁液を凍結乾燥することで、凍結乾燥製物とすることが可能である。凍結乾燥方法は、当業者に周知された方法を使用することかができる。本発明の組成物は、PVA系重合体、難水溶性成分のナノ粒子及び液体分散媒の他に、賦形剤を含むことができる。賦形剤は、薬学的に許容されるもので、当業者に周知のものを使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では下記の材料、試験方法を用いて検討した。
製造例1 自転・公転ミキサーを用いたグリセオフルビンのナノ粒子の調製
材料及び機器
調製した薬物:グリセオフルビン(和光純薬工業製)
粉砕媒体:ジルコニアボール(ニッカトー製)
粉砕媒体の組成:酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%、酸化イットリリウム5%
粉砕媒体径:約0.1 mm(平均径)
液体分散媒:下記液体分散媒5種類
(i)5%(w/v) PVA系重合体(POVACOAT Type F、大同化成工業製)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、PVA系重合体を5 g、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製した。
(ii)5%(w/v)ヒドロキシプロピルセルロースSSL (HPC-SSL、和光純薬工業製)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、HPC-SSLを5 g、D-マンニトールを5g加えて、液体分散媒を調製した。
(iii)5% (w/v) ポリビニルアルコール(PVA、ナカライテスク製)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、PVAを5 g、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製した。
(iv)5% (w/v) ポリビニルピロリドンK30(PVP-K30、和光純薬工業製)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液:精製水100 mlに、PVP-K30を5 g、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製した。
(v)5%(w/v) D-マンニトール(和光純薬工業製)水溶液:精製水100 mlに、D-マンニトールを5 g加えて、液体分散媒を調製した。
粉砕容器:ジルコニア製
粉砕容器の底面半径:35 mm
粉砕容器容積;約212 cm3
自転・公転ミキサー:NP-100(シンキー製)
粉砕条件:2000 rpm、2分
水性懸濁液調製条件:400 rpm、1分
卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置:マスターサイザー2000(Malvern製)
製造方法
グリセオフルビン100 mg、粉砕媒体2.5 g、液体分散媒0.6 mlを粉砕容器に入れ、自転・公転ミキサーを用いて、グリセオフルビンを微細化した。その後、得られた試料に、グリセオフルビン粒子の微細化工程で用いた液体分散媒と同じ組成の液体分散媒を更に9.4 ml加え、水性懸濁液を調製した。その水性懸濁液の粒度分布を、卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
また、その水性懸濁液2 mlを1日間凍結乾燥し、凍結乾燥物とした。
得られた凍結乾燥物に精製水2 mlを加え、凍結乾燥物を水に再分散させ、水性懸濁液を再調製した。再調製した水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
水性懸濁液中の難水溶性成分の粒度分布を測定した。粒子径の評価には、D90(有効平均粒子径)を用いた。
D90:有効平均粒子径を表す。D90とは、その粉体(粒子)の集団の全体積を100体積%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが90体積%となる点の粒子径を意味する。例えば、D90=184±3 nmとは、粒子の有効平均粒子径が184±3 nmである。
スパン値:計算式:スパン値=(D90-D10)/D50から求める。D10及びD50とは、その粉体(粒子)の集団の全体積を100体積%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが、夫々0体積%、50体積%となる点の粒子径(有効平均粒子径)を意味する。粒子のスパン値が小さい程、粒子の粒度分布幅が狭く、粒子が特定の有効平均粒子径で存在していることを示す。
製造結果
下記表1に結果をまとめた。表1は、グリセオフルビンを微細化したときの粒子径である。PVA系重合体を用いた例では、粒子質量において粒子の90%以上が、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子であった。PVA系重合体を用いた例では、スパン値は小さく、粒子の粒度分布幅が狭かった。
図3-AにPVA系重合体(親水性高分子)及びグリセオフルビン(難水溶性成分)を含有する組成物(水性懸濁液)の分散性を示す。図3-BにPVA系重合体(親水性高分子)及びグリセオフルビン(難水溶性成分)を含有する組成物(凍結乾燥物)の再分散性を示す。PVA系重合体等の親水性高分子の種類による影響を示す。
Figure 2014177415
製造例2 自転・公転ミキサーを用いたヒドロクロロチアジドのナノ粒子の調製
材料及び機器
調製した薬物:ヒドロクロロチアジド(和光純薬工業製)
粉砕媒体:ジルコニアボール(ニッカトー製)
粉砕媒体の組成:酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%、酸化イットリリウム5%
粉砕媒体径:約0.1 mm(平均径)
液体分散媒:下記液体分散媒5種類(製造例1と同じ液体分散媒)
(i)5% (w/v) PVA系重合体(POVACOAT Type F)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液
(ii)5% (w/v) HPC-SSL・5%(w/v) D-マンニトール水溶液
(iii)5% (w/v) PVA・5%(w/v) D-マンニトール水溶液
(iv)5% (w/v) PVP-K30・5%(w/v) D-マンニトール水溶液
(v)5% (w/v) D-マンニトール水溶液
粉砕容器:ジルコニア製
粉砕容器の底面半径:35 mm
粉砕容器容積;約212 cm3
自転・公転ミキサー:NP-100(シンキー製)
粉砕条件:2000 rpm、2分
水性懸濁液製剤調製条件:400 rpm、1分
卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置:マスターサイザー2000(Malvern製)
製造方法
ヒドロクロロチアジド100 mg、粉砕媒体2.5 g、液体分散媒0.6 mlを粉砕容器に入れ、自転・公転ミキサーを用いて、ヒドロクロロチアジドを微細化した。その後、得られた試料にヒドロクロロチアジド粒子の微細化工程で用いた液体分散媒と同じ組成の液体分散媒を更に9.4 ml加え、水性懸濁液を調製した。その水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
また、その水性懸濁液2 mlを1日間凍結乾燥し、凍結乾燥物とした。
得られた凍結乾燥物に精製水2 mlを加え、凍結乾燥物を水へ再分散させ、水性懸濁液を再調製した。再調製した水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
製造結果
下記表2に結果をまとめた。表2は、ヒドロクロロチアジドを微細化したときの粒子径である。PVA系重合体を用いた例では、粒子質量において粒子の90%以上が、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子であった。PVA系重合体を用いた例では、スパン値は小さく、粒子の粒度分布幅が狭かった。
Figure 2014177415
製造例3 自転・公転ミキサーを用いたプロブコールのナノ粒子の調製
材料及び機器
調製した薬物:プロブコール(和光純薬工業製)
粉砕媒体:ジルコニアボール(ニッカトー製)
粉砕媒体の組成:酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%、酸化イットリリウム5%
粉砕媒体径:約0.1 mm(平均径)
液体分散媒:下記液体分散媒5種類
(vi)5% (w/v) PVA系重合体(POVACOAT Type F)・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液:精製水100 mlに、PVA系重合体を5 g、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製した。
(vii)5% (w/v) HPC-SSL・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100mlに、HPC-SSLを5 g、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製した。
(viii)5% (w/v) PVA・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、PVAを5 g、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製した。
(ix)5% (w/v) PVP-K30・5% (w/v) D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、PVP-K30を5 g、D-マンニトールを5 g、SDSを1g加えて、液体分散媒を調製した。
(x)5%(w/v) D-マンニトール・1%(w/v) SDS水溶液:精製水100 mlに、D-マンニトールを5 g、SDSを1 g加えて、液体分散媒を調製した。
粉砕容器:ジルコニア製
粉砕容器の底面半径:35 mm
粉砕容器容積;約212 cm3
自転・公転ミキサー:NP-100(シンキー製)
粉砕条件:2000 rpm、2分
水性懸濁液製剤調製条件:400 rpm、1分
卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置:マスターサイザー2000(Malvern製)
製造方法
プロブコール100 mg、粉砕媒体2.5 g、液体分散媒0.6 mlを粉砕容器に入れ、自転・公転ミキサーを用いて、プロブコールを微細化した。その後、得られた試料にプロブコール粒子の微細化工程で用いた液体分散媒と同じ組成の液体分散媒を更に9.4 ml加え、水性懸濁液を調製した。その水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
また、その水性懸濁液2 mlを1日間凍結乾燥し、凍結乾燥物とした。
得られた凍結乾燥物に精製水2 mlを加え、凍結乾燥物を水へ再分散させ、水性懸濁液を再調製した。再調製した水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
製造結果
下記表3に結果をまとめた。表3は、プロブコールを微細化したときの粒子径である。PVA系重合体を用いた例では、粒子質量において粒子の90%以上が、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子であった。PVA系重合体を用いた例では、スパン値は小さく、粒子の粒度分布幅が狭かった。
Figure 2014177415
製造例4 自転・公転ミキサーを用いたトルブタミドのナノ粒子の調製
材料及び機器
調製した薬物:トルブタミド(和光純薬工業製)
粉砕媒体:ジルコニアボール(ニッカトー製)
粉砕媒体の組成:酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%、酸化イットリリウム5%
粉砕媒体径:約0.3 mm(平均径)
液体分散媒:下記液体分散媒5種類(製造例1と同じ液体分散媒)
(i)5%(w/v)PVA系重合体(POVACOAT Type F)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液
(ii)5% (w/v) HPC-SSL・5% (w/v)D-マンニトール水溶液
(iii)5% (w/v) PVA・5% (w/v) D-マンニトール水溶液
(iv)5% (w/v) PVP-K30・5% (w/v) D-マンニトール水溶液
(v) 5% (w/v) D-マンニトール水溶液
粉砕容器:ジルコニア製
粉砕容器の底面半径:35 mm
粉砕容器容積;約212 cm3
自転・公転ミキサー:NP-100(シンキー製)
粉砕条件:2000 rpm、10分
水性懸濁液製剤調製条件:400 rpm、1分
卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置:マスターサイザー2000(Malvern製)
製造方法
トルブタミド100 mg、粉砕媒体2.5 g、液体分散媒0.6 mlを粉砕容器に入れ、自転・公転ミキサーを用いて、トルブタミドを微細化した。その後、得られた試料にトルブタミド粒子の微細化工程で用いた液体分散媒と同じ組成の液体分散媒を更に9.4 ml加え、水性懸濁液を調製した。その水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
また、その水性懸濁液2 mlを1日間凍結乾燥し、凍結乾燥物とした。
得られた凍結乾燥物に精製水2 mlを加え、凍結乾燥物を水へ再分散させ、水性懸濁液を再調製した。再調製した水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
製造結果
下記表4に結果をまとめた。表4は、トルブタミドの微細化を行ったときの粒子径である。PVA系重合体を用いた例では、粒子質量において粒子の90%以上が、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子であった。PVA系重合体を用いた例では、スパン値は小さく、粒子の粒度分布幅が狭かった。
Figure 2014177415
製造例1〜4の結果から、PVA系重合体を液体分散媒として用いた場合、既存の親水性高分子を液体分散媒として用いた場合に比べて、グリセオフルビン凍結乾燥物、ヒドロクロロチアジド凍結乾燥物、プロブコール凍結乾燥物、トルブタミド凍結乾燥物の水への再分散性が改善(有意水準5%)した。更に、PVA系重合体を液体分散媒として用いた場合のみに、粒子重量において粒子の90%以上が有効平均粒子径約300 nm未満になった。つまり、グリセオフルビン、ヒドロクロロチアジド、プロブコール、トルブタミドの粒子径がナノメートル領域になったといえる。
液体分散媒を比較すると、PVA系重合体とPVAの違いは、アクリル酸及びメタクリル酸メチルの含有の有無である。即ち、PVA系重合体において構造上のアクリル酸又はメタクリル酸メチルの少なくとも一方が凝集沈殿又は凝集の抑制に関与していると推察される。具体的に、PVA系重合体の中でもPOVACOAT Type Fは、グラフト型の高分子であり、分子内に疎水部と親水部を持つ。PVA系重合体は、薬物粒子に吸着する際に、薬物粒子−高分子間結合に疎水部が寄与すると考えられる。よって、PVA系重合体の薬物粒子−高分子間結合に寄与しない親水部が、ナノ粒子間の反発の増強に影響を及ぼしていると考えられる。
製造例5〜20 自転・公転ミキサーを用いた難水溶性成分のナノ粒子の調製
材料及び機器
調製した薬物:表5に記載の難水溶性成分(和光純薬工業製)
粉砕媒体:ジルコニアボール(ニッカトー製)
粉砕媒体の組成:酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%、酸化イットリリウム5%
粉砕媒体径:約0.1 mm(平均径)
液体分散媒:(i)5% (w/v) PVA系重合体(POVACOAT Type F)・5% (w/v) D-マンニトール水溶液(製造例1と同じ液体分散媒)
粉砕容器:ジルコニア製
粉砕容器の底面半径:35 mm
粉砕容器容積;約212 cm3
自転・公転ミキサー:NP-100(シンキー製)
粉砕条件:2000 rpm、2分
水性懸濁液製剤調製条件:400 rpm、1分
卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置:マスターサイザー2000(Malvern製)
製造方法
表5に記載の難水溶性成分100 mg、粉砕媒体2.5g、液体分散媒0.6 mlを粉砕容器に入れ、自転・公転ミキサーを用いて、難水溶性成分を微細化した。その後、得られた試料に粒子径の微細化工程で用いた液体分散媒と同じ組成の液体分散媒を更に9.4 ml加え、水性懸濁液を調製した。その水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
また、その水性懸濁液2 mlを1日間凍結乾燥し、凍結乾燥物とした。
得られた凍結乾燥物に精製水に2 mlを加え、凍結乾燥物の水への再分散を行い、水性懸濁液を再調製した。再調製した水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
製造結果
下記表5に結果をまとめた。表5の例は、難水溶性成分の微細化を行ったときの粒子径である。PVA系重合体を用いた例では、粒子質量において粒子の90%以上が、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子であった。PVA系重合体を用いた例では、スパン値は小さく、粒子の粒度分布幅が狭かった。
Figure 2014177415
表5から、本発明の組成物(水性懸濁液、凍結乾燥物、凍結乾燥物の再分散後の水性懸濁液)は、化学構造が異なる高脂血症治療薬、抗炎症薬、抗真菌薬、抗てんかん薬、血管拡張薬、抗ウイルス薬等の多種多様な難水溶性成分に対して広範に適用できることがわかる。具体的に、フェノフィブラート、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、フェニトイン、ジピリダモール、アシクロビル、インドメタシンにおいて、有効平均粒子径が約300 nm未満になった。つまり、これらの薬物において、粒子径がナノメートル領域になったといえる。
製造例21〜22 自転・公転ミキサーを用いた難水溶性成分のナノ粒子の調製
材料及び機器
調製した薬物:フロセミド(和光純薬工業製)
粉砕媒体:ジルコニアボール(ニッカトー製)
粉砕媒体の組成:酸化ジルコニウム+酸化ハフニウム95%、酸化イットリリウム5%
粉砕媒体径:約0.1 mm(平均径)
液体分散媒:(vi)5% (w/v) PVA系(共)重合体(POVACOAT Type F)・5%(w/v)D-マンニトール・1% (w/v) SDS水溶液(製造例3と同じ液体分散媒)
粉砕容器:ジルコニア製
粉砕容器の底面半径:35 mm
粉砕容器容積;約212 cm3
自転・公転ミキサー:NP-100(シンキー製)
粉砕条件:2000 rpm、2分
水性懸濁液製剤調製条件:400 rpm、1分
卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置:マスターサイザー2000(Malvern製)
製造方法
フロセミド100 mg、粉砕媒体2.5 g、液体分散媒0.6 mlを粉砕容器に入れ、自転・公転ミキサーを用いて、難水溶性成分を微細化した。その後、得られた試料に粒子径の微細化工程で用いた液体分散媒と同じ組成の液体分散媒を更に9.4 ml加え、水性懸濁液を調製した。その水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
また、その水性懸濁液2 mlを1日間凍結乾燥し、凍結乾燥物とした。
得られた凍結乾燥物に精製水に2 mlを加え、凍結乾燥物の水への再分散を行い、水性懸濁液を再調製した。再調製した水性懸濁液の粒度分布を卓上型レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した。
製造結果
下記表6に結果をまとめた。表6は、フロセミドの微細化を行ったときの粒子径である。PVA系重合体を用いた例では、粒子質量において粒子の90%以上が、有効平均粒子径が約300 nm未満の粒子であった。PVA系重合体を用いた例では、スパン値は小さく、粒子の粒度分布幅が狭かった。
Figure 2014177415
表6から、本発明のナノ粒子化製剤は、難水溶性成分の1つである利尿薬(フロセミド)に適用できることがわかる。具体的に、フロセミドにおいて、有効平均粒子径が約300 nm未満になった。つまり、フロセミドにおいて、粒子径がナノメートル領域になったといえる。
難水溶性成分の多くは、水への溶解性が低いことから、生物学的利用率が低い。難水溶性成分の粒子径をナノメートル領域にまで微細化(ナノ粒子化)すること(ナノ粒子)で、難水溶性成分の生物学的利用率を向上できる。しかし、難水溶性成分のナノ粒子は、凝集又は凝集沈殿を起こし易く分散性の面で不安定である。そのため、従来、分散剤として親水性高分子が広く利用されている。難水溶性成分の物理的又は化学的な特性に応じた分散剤が、水性懸濁液製剤や凍結乾燥製剤などの水への分散を良好なものにするために必要である。
難水溶性成分の中には、既存の親水性高分子(HPC、PVA、PVP等)を加えても、難水溶性成分(ナノ粒子)が凝集沈殿又は凝集を起し、水への良好な分散性を示さない難水溶性成分がある。本発明の組成物は、PVA系重合体を含むことで、その様な難水溶性成分に対しても、凝集又は凝集沈殿を防ぐことができ、水への良好な分散性を示し、その分散性は安定である。本発明の組成物は、難水溶性成分のナノ粒子が良好に分散できる、水性懸濁液及び固体混合物となる。水性懸濁液を凍結乾燥することで凍結乾燥物を調製することができる。
難水溶性成分を含有する凍結乾燥物の中には、既存の前記親水性高分子が含まれていても、水への再分散が良好でない難水溶性成分(ナノ粒子)がある。本発明の組成物は、PVA系重合体を含むことで、水への再分散時に、難水溶性成分(ナノ粒子)が良好な分散性を示す凍結乾燥物となる。
本発明の組成物は、PVA系重合体を含むことで、既存の親水性高分子を用いることでは、良好な分散性が得られない難水溶性成分(ヒドロクロロチアジド、グリセオフルビン、プロブコールやトルブタミド等)に対しても、水へ良好な分散性を付与することができる。
また、本発明の組成物は、多種多様な難水溶性成分においても、既存の親水性高分子と同様に分散剤としての作用も発揮できる。具体的な難水溶性成分として、フェノフィブラート、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、フェニトイン、ジピリダモール、アシクロビル、インドメタシン、フロセミド等である。
本発明のPVA系重合体を含む組成物は、難水溶性成分の分散剤として、幅広く適用できる。その結果、難水溶性成分の生物学的利用能の改善することができる。本発明の組成物が医薬品産業に果たす役割は大きい。
本発明の組成物は、湿式粉砕処理のみならず、乾式粉砕処理によるナノ粒子化製剤にも適応できる。これにより、比較的溶解性が高い難水溶性薬物及び水溶性薬物を含む組成物を調製することができる。また、湿式粉砕技術を応用して、水溶性薬物粒子を脂溶成分でコーティングしたナノ粒子化製剤(Soild/Oil/Water型製剤)の調製(ソリッドリキッドナノパーティクル技術)への応用も期待される。これにより、水溶性薬物のナノ粒子化製剤の調製への応用が期待される。
本発明の組成物を、再生医療の分野において、医療材料(生体医療材料)、蛋白質等の生体成分のナノ粒子化に応用できる。
本発明の組成物は、主に経口投与を目的とした水性懸濁液及び凍結乾燥物として調製されることが好ましい。本発明の組成物は、その他の剤形や投与方法へも応用できる。その一例として、点眼剤がある。現在、目への薬剤の投与方法として、点眼剤以外に、眼軟膏製剤による薬物の投与法がある。しかし、眼軟膏製剤は、目に薬物を直接塗り込むために、患者が恐怖心を生み、コンプライアンスの低下に繋がる。また、投与後に目の曇りが生じる。そこで、本発明の組成物を用いて、眼軟膏製剤を懸濁点眼製剤とすることで、前記問題点を改善できる。また、薬効成分の目への吸収性の点で、本発明の組成物(ナノ粒子化製剤)のメリットは大きい。本発明の組成物を懸濁点眼製剤に応用できる。
また、従来、静脈投与出来なかった難水溶性薬物に対して、本発明の組成物を応用することで、難水溶性薬物の静脈投与が可能となる。本発明の組成物を静脈投与型製剤(注射剤)等の非経口投与製剤に応用できる。
本発明の組成物を応用できる分野は広く、ナノ粒子化製剤として、今後医薬品産業の発展に寄与できる。

Claims (11)

  1. ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物。
  2. 水性懸濁液又は固体混合物の形態である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリビニルアルコール系重合体が、ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種と重合性ビニルモノマーの少なくとも1種とを重合して得られるものである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記重合性ビニルモノマーが、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記ポリビニルアルコール系重合体において、前記アクリル酸の使用量が0.5〜20質量%であり、前記メタクリル酸メチルの使用量が5〜40質量%である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ポリビニルアルコール系重合体が、前記ポリビニルアルコール及びその誘導体から選択される少なくとも1種に前記アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1種がグラフト重合した共重合体である、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. 前記ポリビニルアルコール系重合体の重量平均分子量が、1万〜50万である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記ポリビニルアルコール系重合体に対する前記難水溶性成分の質量比(難水溶性成分のナノ粒子/ポリビニルアルコール系重合体)が、0.001〜100である請求項1〜7のいずれかにに記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を含有する医薬。
  10. ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物の製造方法であって、
    (1)ポリビニルアルコール系重合体と難水溶性成分とを混合する工程、及び
    (2)工程(1)で得られた混合物を粉砕処理し、難水溶性成分をナノ粒子化する工程
    を含むことを特徴とする製造方法。
  11. ポリビニルアルコール系重合体及び難水溶性成分のナノ粒子を含む組成物の製造方法であって、
    (1)難水溶性成分をナノ粒子化する工程、及び
    (2)ポリビニルアルコール系重合体と工程(1)で得られた難水溶性成分のナノ粒子とを混合する工程
    を含むことを特徴とする製造方法。
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