JP2016077970A - 高結晶性微粒子の製造方法 - Google Patents

高結晶性微粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体を効率的に除去することができ、かつ粒子の結晶子を有意に変化させず、結晶性が維持された固形微粒子の製造方法を提供する。【解決手段】気体又は液体の媒体が供給された耐圧性の容器内で、超音波発生器8によりビーズを振動させることにより化合物を粉砕し、微粒子化した化合物を媒体のフローとサイズ選別手段10を介して取り出すことを含む微粒子の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、微粒子の製造方法及びそれにより製造される微粒子に関する。
物質の微粒子化が様々な分野において求められている。例えば、医薬品の分野において、比表面積を増加させ、溶解速度や生物利用性を向上させるために、化合物を微粒子化することが求められている。また、食品分野においては、溶解性向上、沈殿抑制、香味改善、テクスチャー改善、及び安全性向上等を目的とする微粒子化が求められている。
微粒子を得る手法は、原料から粒子を徐々に大きくするビルドアップ法、及び合成された凝集粉体を機械的に粉砕して微粒子化するブレークダウン法に大別することができる。ここで、ブレークダウン法は、ビルドアップ法に比べて大量生産に適していることから、工業化に向いていると考えられている。ブレークダウン法の主なものとして湿式粉砕法が知られている。湿式粉砕法においては、一般的に、分散媒体中、ビーズを撹拌することによって粉体を微粒子化することが行われる。特許文献1には、分散媒体中、平均粒子径100μm以下のビーズと分散剤の存在下で凝集粉体を撹拌することにより、微粒子の分散体を製造する方法が開示されている。非特許文献1には、ビーズが充填された円筒形容器に物質のスラリーを送液し、分散剤の存在下で、撹拌部材を高速回転させて物質を微粉砕することにより、微粒子を分散させる方法が開示されている。
特開2010−23001
石井利博、「粉体と工業」、Vol.37、No.8(2005)、51〜57頁
しかしながら、従来技術には、湿式粉砕法による、分散剤の存在下で微粒子を媒体に分散させた分散体の製造が言及されるにとどまり、媒体を効率的に除去することについては検討の余地がある。湿式粉砕法によって、化合物の結晶子を有意に変化させず、結晶性が維持された固形微粒子を得ることは、従来技術では限界があった。本発明は、媒体を効率的に除去することができ、かつ粒子の結晶子を有意に変化させず、結晶性が維持された固形微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
以上の事情に鑑み、本発明者は、湿式粉砕法に着目し、その諸条件について検討を開始した。化合物の微粒子化について検討を行ったところ、媒体中、分散剤を用いることなく、化合物の存在下でビーズと共に超音波処理することにより、結晶子を有意に変化させることなく、結晶性を維持しながら化合物を微粒子化できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、これに限定されないが、以下を提供する。
(1)媒体中、ビーズを振動させることにより化合物を粉砕し、微粒子化すること、微粒子を取り出すことを含む、微粒子の製造方法。
(2)超音波処理によりビーズを振動させ、化合物を粉砕する、(1)に記載の製造方法。
(3)微粒子を、媒体のフローにより取り出す、(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)媒体をサイズ選別手段に通すことにより、微粒子を取り出す、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)媒体が気体媒体又は液体媒体である、(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)媒体を加圧下で用いる、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)媒体が不活性ガスである、(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)不活性ガスが、二酸化炭素、窒素、及び希ガスからなる群から選ばれる、(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)ビーズがセラミックビーズである、(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)サイズ選別手段がメンブレンフィルター又はメッシュフィルターである、(4)〜(9)のいずれかに記載の製造方法。
(11)(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法により得られる、微粒子。
(12)ビーズを収容する容器、前記ビーズを振動させる手段、前記容器に媒体を供給する手段、微粒子取り出し手段、微粒子回収手段、を含む微粒子の製造装置。
(13)媒体を加圧する手段を含む、(12)に記載の製造装置。
(14)ビーズを振動させる手段が超音波処発生器である、(12)又は(13)に記載の製造装置。
(15)サイズ選別手段がメンブレンフィルター又はメッシュフィルターである、(12)〜(14)のいずれかに記載の製造装置。
本発明によれば、分散剤を要することなく、化合物を微粒子化するこが可能となる。そして、微粒子のサイズは、ビーズの最密充填の隙間に基づいて定まるため、微粒子の径をより均一性の高いものとすることができる。更に、化合物の粉砕工程において得られる微粒子を、媒体のフローにより運搬することにより、一連の工程を連続式にすることができるため、高い製造効率を達成することができる。また、媒体のフローによって、粉砕工程中の温度上昇を抑えることができるため、熱安定性が低い化合物であっても、冷却手段を特に設けなくても、化合物の機能を維持したまま微粒子化することができる。更に、媒体を積極的に除去する工程を設けなくても、媒体が除去された微粒子を取り出すことができる。
本発明により得られる微粒子は、粉砕前と結晶子の径が有意に変化しておらず、結晶構造を維持しているから、高い安定性を有し、分散剤の残存も考慮しなくてもよい。これらは、保存性や安全性の向上、及びバイオアベイラビリティーの維持につながる。
一方、ビーズと撹拌を組み合わせた先行技術に開示された湿式粉砕法においては、粉砕工程で分散剤はよく使用されるし、撹拌による粉砕によっては、微粒子の径の均一性を高めることは困難である。そして、粉砕工程と乾燥工程を連続式にすることができないため、粉砕工程での温度上昇を抑えるために、別途冷却手段が必要となる。また、先行技術に開示された方法によっては、結晶構造を維持しつつ微粒子化を達成することは困難であるし、当該事項に関する記載や示唆は見当たらない。
本発明が奏する効果は顕著であり、かつ先行技術によって達成することは困難であるし、予測することもできない。
図1は、結晶構造の概略を示す。 図2は、セサミンの電子顕微鏡写真を示す。粉砕前のセサミンの粉末(A)(B)、粉砕後のセサミンの微粒子(C)(D)。 図3は、セサミンのX線回折(XRD)パターンを示す。セサミンの粉末を微粒子化する前(a)と後(b)の比較を示す。 図4は、ナプロキセンの電子顕微鏡写真を示す。粉砕前のナプロキセンの粉末(A)(B)、粉砕後のナプロキセンの粉末(C)(D)。 図5は、本発明の微粒子の製造方法を実施するための製造装置の一例を示す。1:媒体の貯蔵容器、2〜6:バルブ、7:ポンプ、8:超音波発生器、9:耐圧性の容器、10:フィルター、11:真空ポンプ、12:ノズル、13:微粒子回収容器、14:レギュレーター。
<微粒子の製造方法>
本発明の微粒子の製造方法は、媒体中、化合物をビーズにより粉砕し、微粒子にすること、及び当該微粒子を取り出すことを含む。当該方法は、媒体のフローを利用することにより、一連の工程を連続して行うことができるため、従来技術のバッチ方式に比べて微粒子の製造効率が高い。また、結晶子を有意に変化させることなく、結晶性を維持したまま微粒子化することが可能となる。
粉砕工程
本発明の方法においては、粉砕工程は、媒体中、化合物をビーズにより粉砕することにより行う。粉砕工程によって、化合物が微粒子化される。ここで、「微粒子化」とは、化合物を粉砕することにより、粉砕前より化合物の粒子サイズを小さくすることを意味する。化合物の粉砕は、ビーズを化合物の存在下で振動させることにより行う。ビーズを振動させる手段は、特に限定されない。例えば、ビーズが入った容器を振動させることによりビーズを振動させることができる。別の例として、ビーズを超音波処理することにより振動させることができる。超音波に限定されず、磁力や乱流等の手段によりビーズを振動させることもできる。ビーズを振動させることにより、ビーズ同士が激しくぶつかり合い、その衝撃で化合物を微粒子化することができる。粉砕工程は、化合物とビーズを容器に収容して行うことができるが、容器の数や配置は、目的に応じて自由に設定可能である。例えば、同一又は異なる種類・粒径のビーズを充填した複数の容器を直列に連結し、粉砕工程を複数段階から構成するものにしてもよい。別の例として、同一又は異なる種類・粒径のビーズを充填した複数の容器を並列に連結し、各容器について、粉砕工程を並行して行ってもよい。
本明細書でいう「媒体」は、粉砕工程において、化合物を分散させる作用を有する。本発明においては、前記の作用を有する限り、いずれのものを媒体として利用することが可能である。本発明において利用することのできる媒体としては、例えば、空気、酸素、水素、不活性ガス(二酸化炭素、窒素、希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン))、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エーテル類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテル)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル)、アンモニア、水、水性溶液(例えば、アンモニア水、生理的食塩水、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、炭酸緩衝液、硝酸緩衝液、硫酸緩衝液)等が挙げられる。これらは、実質的に精製されたものであってもよいし、不純物を含んでいてもよく、また単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。そして、媒体の状態についても制限はなく、例えば、媒体は、液体であってもよいし、気体であってもよい。また、媒体を所望の状態にするために、圧力及び/又は温度が制御された条件で媒体を用いてもよい。ここで、圧力は減圧又は加圧状態とし、これを一定に維持してもよいし、変動させてもよい。温度は低温又は高温状態とし、これを一定に維持してもよいし、変動させてもよい。例えば、大気条件下で液体として存在する媒体は、液体媒体として利用できることは言うまでもないが、減圧及び/又は高温等、特定の条件下で気体として存在する場合には、気体媒体として利用することが可能である。
例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エーテル類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテル)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル)、アンモニア、水、水性溶液(例えば、アンモニア水、生理的食塩水、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、炭酸緩衝液、硝酸緩衝液、硫酸緩衝液)等の大気条件下で液体として存在する媒体を、本発明において、液体媒体として利用することができるし、減圧及び/又は高温条件下で気体媒体として利用することができる。
一方、大気条件下で気体として存在する媒体は、気体媒体として利用できることは言うまでもないが、加圧及び/又は低温等、特定の条件下で液体として存在する場合には、液体媒体として利用することが可能である。例えば、空気、酸素、水素、不活性ガス(二酸化炭素、窒素、希ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン))等の大気条件下で気体として存在する媒体は、本発明において、気体媒体として利用することができるし、加圧及び/又は低温条件化で液体媒体(例えば、液体酸素、液体水素、液体二酸化炭素、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン等)として利用することができる。ここで、液体酸素、液体水素、液体二酸化炭素、液体窒素、液体ヘリウム、液体ネオン、及び液体アルゴンを本発明の方法において液体媒体として利用する場合は、液体の状態を維持するために、媒体除去工程までは加圧及び/又は低温条件下で本発明の方法を実施する必要があるが、大気条件に戻すだけで媒体を簡単に除去できるため製造効率を高めることができる。即ち、乾燥工程等の媒体を積極的に除去する工程を設けることなく媒体を除去し、微粒子を取り出し、回収することができる。更に、粉砕工程等による製造中の温度上昇を抑制する効果も得られるため、熱に対する安定性の高くない化合物を微粒子化する際に有効である。
媒体に関しては、微粒子化しようとする化合物に応じて、適切な種類及び状態を選択することができる。例えば、微粒子化しようとする化合物が実質的に溶解しないような媒体を選択することにより、結晶子を維持した状態で化合物を微粒子化することができる。また、化合物を粉砕するために採用される手段を考慮して、媒体を選択することができる。例えば、超音波処理により化合物を粉砕する場合には、超音波により発生させた振動をビーズに伝えるために、液体媒体を選択することができる。更に、粉砕工程より後に行われる工程を考慮して、媒体を選択することもできる。例えば、粉砕工程の後に乾燥等の媒体除去工程を行う場合には、大気条件下において液状で存在する媒体を選択することができるし、粉砕工程の後に積極的に媒体を除去する工程を行わない場合には、加圧及び/又は低温条件下において液体であるが、大気条件下において気体で存在する媒体を選択することができる。
本明細書でいう「化合物」とは、微粒子化の対象となる化合物を意味する。化合物は、有機化合物、無機化合物のいずれであってもよく、更に天然物、合成物のいずれであってもよい。ここで、化合物は、凝集塊、粉末、及び粒子等の固形状であってもよい。そして、化合物は、水溶性、難水溶性のいずれであってもよいが、例えば、医薬化合物や天然化合物には難水溶性のものが多く存在(医薬化合物の40%は難水溶性であると言われている)しており、その溶解速度を向上させることが求められている。即ち、本発明の方法によれば、難水溶性の化合物を微粒子化し、表面積を増加させることができるため、溶解速度を高め、ひいてはバイオアベイラビリティーを向上させることが可能となる。また、沈殿の抑制、並びに香味・テクスチャー・安定性を改善すること等も可能となる。よって、本発明の方法は、難水溶性の化合物を対象とした場合に、特に有用であるといえる。化合物としての有機化合物及び無機化合物は、天然から抽出・単離したものでもよく、人為的に合成したものであってもよい。有機化合物の具体例として、セサミン類、ポリフェノール類、ビタミン類等が挙げられる。より具体的な例として、セサミン、エピセサミン、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、ナプロキセン等が挙げられる。無機化合物の具体例として、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ジルコニア、ムライト、カオリナイト、アンダルサイト、炭素、タルク、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、カーボンブラック、クロム酸バリウム、酸化銅、酸化鉄、ケイ酸亜鉛、硫化ストロンチウム等が挙げられる。
本明細書でいう「ビーズ」とは、化合物と共に媒体中に存在させ、化合物を粉砕することによって、化合物を微粒子化する粒子状の物質を意味する。ビーズは、化合物の粒子の微粒子化を達成できる限り、いずれの素材から構成されるものであってもよいが、例えば、ジルコン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン、シリカ、窒化ケイ素、ニッケル、銅、酸化ケイ素、鉄、スチレン鋼、セラミック等から構成されたものであってもよい。より具体的には、ジルコニア製セラミックビーズやシリカビーズ等が挙げられる。ビーズは、いずれの形状であってもよく、例えば、球形、楕円球形等であってもよい。ここで、微粒子化された粒子の形状をそろえる場合には、ビーズの形状を統一することが好ましい。そして、ビーズのサイズは、目的とする微粒子のサイズに応じて設定することができる。例えば、球状のビーズを用いる場合、微粒子化される化合物の形状と粒径は、ビーズの最密充填の隙間以下となる。球状のビーズの粒径は、1〜100000μm、10〜10000μm、20〜5000μm、30〜3000μmとすることができる。
本発明においては、分散剤を用いることなく粉砕工程を行うことができるため、分散剤の残存を考慮しなくてもよい。当該事項は、分散剤が有効成分の作用を阻害したり、被用者の安全性等に影響するような場合に特に有益となる。特に難水溶性の化合物を粉砕するために分散剤がよく用いられる従来技術によっては、このような効果を達成することは困難である。
その一方、本発明においては、粉砕工程において、必要に応じて分散剤を使用することも可能である。分散剤として界面活性剤を使用することができ、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリルやモノオレイン酸グリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ラウロマクロゴールやポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコールやモノオレイン酸ポリエチレングリコール、脂肪酸石鹸、ステアロイル乳酸ナトリウムやステアロイル乳酸カルシウムなどのアシル乳酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸塩、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、大豆レシチン、水素添加大豆リン脂質、卵黄レシチン、リゾレシチン、水酸化レシチン、コール酸ナトリウムやデオキシコール酸ナトリウム、ステアリン酸、オレイン酸、ドデカン酸等のアルキルカルボン酸とその塩、ホスホン酸やアミドとその塩、アルキルスルホン酸とその塩(ジアルキルサクシネートスルホン酸ナトリウム、モノアルキルサクシネートスルホン酸二ナトリウム塩等)、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)等が挙げられる。
微粒子を取り出す工程
粉砕工程により生じた微粒子は、取り出す工程に供される。この工程において、微粒子をいずれの手段によって取り出してもよいが、本発明では、媒体のフローによって微粒子を取り出す。ここで、「媒体のフロー」とは、粉砕工程が行われる容器の入口から出口方向への媒体の流れを意味する。微粒子は、媒体のフローによって、媒体と共に容器の出口を通過し、さらに後の工程に供される。媒体のフローは、容器の入口方面へ加圧して媒体を供給することによって作り出すことができるし、容器の出口側を陰圧にすることによっても作り出すことができるし、或いは、両者の組み合わせによっても作り出すことができる。
微粒子を取り出す工程において、容器の出口側にサイズ選別手段を設けてもよい。ここで、「サイズ選別手段」とは、粉砕工程により生じた微粒子のうち、サイズに関する要件を満たした特定の微粒子のみを通過させる手段を意味する。サイズに関する要件を満たさない微粒子は、容器内に留まり、サイズに関する要件を満たすまで、粉砕工程に供されることになる。即ち、サイズ選別手段を設けることによって、化合物を十分に粉砕することができ、目的とするサイズを有する微粒子を効率的に取り出すことが可能となる。サイズ選別手段は、目的とするサイズを有する微粒子だけを通過させることができる限り、いずれの手段を用いてもよいが、簡便には篩を利用することができる。篩としてメンブレンフィルターやメッシュフィルターを用いることができる。例えば、容器の出口に所望のポアサイズを有するメンブレンフィルターを設けることによって、当該メンブレンフィルターを通過する微粒子を取り出すことができる。メンブレンフィルターは、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、金属、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルピロリドン(PVDF)、ポリエーテルスルホン等を材質とするものが挙げられる。別の例として、容器の出口に所望のメッシュフィルターを設けることによって、当該メッシュフィルターを通過する微粒子を取り出すことができる。メッシュフィルターは、ステンレス、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、グラスファイバー、セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルピロリドン(PVDF)、ポリエーテルスルホン等を材質とするものが挙げられる。
篩のポアサイズは、微粒子化する化合物の種類、及び必要とする微粒子化の程度に応じて設定することが可能である。例えば、篩のポアサイズは、0.1〜1000μm、0.2〜100μm、0.3〜50μm、0.5〜20μmとすることができる。一態様として、メンブレンフィルター又はメッシュフィルターを用いる場合、そのメッシュサイズは0.1〜1000μm、0.2〜100μm、0.3〜50μm、0.5〜20μmとすることができる。
媒体の除去工程
微粒子を取り出す工程を経た微粒子は、媒体のフローによって、媒体の除去工程に供される。ここで、媒体はいずれの手段によって除去してもよい。大気条件下で液体で存在する媒体を除去する場合、例えば、エバポレーション、凍結乾燥、遠心分離、スプレードライ等の媒体を積極的に除去する方法を適用することができる。一方、大気条件下で気体で存在する媒体を、加圧及び/又は低温条件下で液体媒体として使用する場合、媒体を大気条件下で噴霧することによって、簡便に媒体を気化させ、微粒子から除去することが可能である。即ち、媒体を積極的に除去することを要することなく、媒体を除去することができる。この気化は瞬時に起こるため、極めて効率よく媒体を除去することができる。
微粒子
媒体の除去工程を経ることにより得られる微粒子は、粒子の結晶子が有意に変化せず、結晶性が維持されていながら、粉砕前より粒子サイズが小さくなっている。ここで、粒子がとり得る一般的な形態について図1を参照して説明する。粒子は、お互いを静電的な力により引き付けあい、凝集体を形成する。この凝集体は、より小さな凝集体から構成され得、最小単位としての一次凝集体、そして複数の一次凝集体から構成される二次凝集体等を有し得る。一次凝集体は、複数のより小さな粒子から構成されており、当該粒子を一次粒子という。一次粒子は、複数の結晶子(一次結晶子ともいう。)から構成されている。結晶子とは単結晶といえる最大の集まりをいい、一次粒子中の結晶子の間に存在する界面を粒界という。
本発明により得られる微粒子は、一次粒子の径により特定することができる。本発明の微粒子の一次粒子は、粉砕前の粒子のものより小さな径を有する一方で、結晶子の径は、粉砕前の粒子のものと有意に変化しない。このことは、本発明においては、結晶子を破壊することなく、粒界を破壊することによって微粒子化が達成されていることを示唆するものである。そして、微粒子が結晶子の径を有意に変化させず、結晶構造を維持していることを意味するものであり、結晶構造を維持していることは、安定性が高いことを意味する。このような性質は、保存性の向上に資する。保存安定性が高いことは、例えば、医薬品や健康食品に関して言えば、保存期間を通して溶解性やバイオアベイラビリティーが維持されること、並びに使用者の安全性が担保されることを意味するため、好ましいといえる。このように、結晶子の径を有意に変化させず、結晶性を維持しながら化合物の微粒子化を達成することは、従来の技術によっては達成が困難な事項であって、古くから解決が要望されていた課題である。
本発明の微粒子に関し、一次粒子の径は、粉砕工程において使用するビーズの形状や大きさ、並びに微粒子を取り出す工程において使用するサイズ選別手段としての篩のポアサイズ等によって調節することが可能である。ここで、微粒子の状態を観察し、一次粒子の径を測定する方法は、当業者に知られたいずれの方法を採用することができるが、例えば、肉眼、拡大鏡、又は電子顕微鏡等により行うことができる。本明細書においては、特に断りがなければ、電子顕微鏡を用いて微粒子の状態を観察し、一次粒子の径を測定し、粉砕前の化合物と比較する。そして、本発明の方法により得られる微粒子は、サイズ選別手段を経て製造されるため、粉砕前の化合物に比べてサイズがより均一であることが示唆される。そして、結晶子の径は、当業者に知られたいずれの方法によって測定してもよいが、本発明においては、X線回折(XRD)により確認することができる。例えば、微粒子をXRDに供し、特徴的なピークの半値幅を粉砕前の化合物についての対応するピークの半値幅と直接比較することにより、結晶子の径の変化を確認することができる。本発明により得られる微粒子の結晶子は、半値幅により特定する場合、粉砕前の化合物の半値幅に対して、例えば100±50%、100±30%、100±20%、100±10%とすることができる。或いは、得られた半値幅からシェラーの式を用いて結晶子径を算出し、これを比較してもよい。本発明の微粒子を、半値幅から算出した結晶子の径により特定する場合、粉砕前の化合物の結晶子径に対して、例えば100±50%、100±30%、100±20%、100±10%とすることができる。
また、本発明の方法により得られる微粒子は、単独又はその他の成分と組み合わせて、医薬品、機能性食品、特定保健用食品、サプリメント、飲食品等の原料として利用することができる。ここで、その他の成分とは、日本薬局方等に収載されている医薬的に許容可能な成分、食品添加物リスト等に収載されている食品への使用が許可されている成分、並びに、古くから使用経験があり、安全性が確認されている成分等が挙げられる。
<微粒子製造装置>
本発明の別の観点から、微粒子製造装置が提供される。当該装置は、本明細書で説明した微粒子の製造方法の実施に用いることができる。本発明の微粒子製造装置は、媒体供給手段、化合物粉砕手段、微粒子を取り出す手段、微粒子回収手段を備えており、各手段は、配管等で連結することができる。
媒体供給手段は、媒体を貯蔵する容器、及び化合物粉砕手段への媒体の供給を調節する手段を有する。媒体を貯蔵する容器は、化合物を微粒子化するために必要な量の媒体を貯蔵できるものであればよく、使用する媒体に応じて適切な容器を選択することができる。また、微粒子の製造を無菌的に行う場合には、媒体を貯蔵する容器は密閉容器であることが好ましい。媒体を貯蔵する容器は、例えば、耐圧性、耐酸性、耐アルカリ性、殺菌が可能、及びこれらの組合わせを特性として有するものが好ましい。化合物粉砕手段への媒体の供給を調節する手段は、媒体を供給する手段と、その供給量を調節する手段を有する。例えば、媒体を供給する手段としてポンプ、媒体の供給量を調節する手段としてバルブを使用することができる。また、大気条件下において気体で存在し、加圧及び/又は低温条件下において液体で存在する媒体を液体媒体として使用する際は、当該ポンプ及びバルブを調整することによって、装置内を加圧条件にして、媒体の液体状態を維持することが可能である。
化合物粉砕手段は、化合物を粉砕し、微粒子を生じるものであればよい。当該手段は、容器及び振動発生手段を有する。容器は、化合物、及びビーズを収容し、密閉できる容器であり、媒体のフローにより生じる圧力に耐えることができる耐圧性、かつ振動発生手段により振動するビーズに起因する衝撃に耐えることができる耐衝撃性を有するものであればよい。更に、容器は殺菌処理等に耐え得る耐熱性を有するものであってもよい。ここで、容器にビーズを充填すれば、微粒子のサイズを最密充填の隙間に基づいたサイズに調整することができる。ここで、ビーズは、化合物の微粒子化が達成できる限り、いずれの素材から構成されるものであってもよいが、例えば、ジルコン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン、シリカ、窒化ケイ素、ニッケル、銅、酸化ケイ素、鉄、スチレン鋼、セラミック等から構成されたものであってもよい。より具体的には、ジルコニア製セラミックビーズやシリカビーズ等が挙げられる。ビーズは、いずれの形状であってもよく、例えば、球形、楕円球形等であってもよい。ここで、微粒子化された粒子の形状をそろえる場合には、ビーズの形状を統一することが好ましい。そして、ビーズのサイズは、目的とする微粒子のサイズに応じて設定することができる。例えば、球状のビーズを用いる場合、微粒子化される化合物の形状と粒径は、ビーズの最密充填の隙間以下となる。球状のビーズの粒径は、1〜100000μm、10〜10000μm、20〜5000μm、30〜3000μmとすることができる。そして、容器の数や配置は、目的に応じて自由に設定することができる。例えば、同一又は異なる種類・粒径のビーズを充填した複数の容器を直列に連結し、粉砕工程を複数段階から構成するものにしてもよい。別の例として、同一又は異なる種類・粒径のビーズを充填した複数の容器を並列に連結し、各容器について、粉砕工程を並行して行ってもよい。振動発生手段は、容器内に収容されたビーズを振動させることにより、ビーズ同士が激しくぶつかり合って化合物に衝撃を与え、これを微粒子化することができる。例えば、超音波発生器等を挙げることができるが、これに限定されない。
微粒子取り出し手段は、化合物粉砕手段により生じた微粒子を取り出すことを可能とする。例えば、容器の出口方向へ媒体のフローを作出し、微粒子を媒体のフローに乗せて容器から取り出すことができる。媒体のフローを利用する場合、化合物粉砕手段に起因する容器内の温度上昇を抑制することができるため、熱に対する安定性が高くない化合物を粉砕する際に有効である。ここで、容器の出口側にサイズ選別手段を設けることによって、所望のサイズ以下の微粒子を選択的に取り出すことができる。一方、サイズの要件を満たさない微粒子は、容器内に留まり、サイズに関する要件を満たすまで、引き続き粉砕されることになる。当該選別手段として、篩を用いることが簡便である。篩として、例えば、メンブレンフィルター及びメッシュフィルター等を用いることができる。メンブレンフィルターは、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、金属、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルピロリドン(PVDF)、ポリエーテルスルホン等を材質とするものが挙げられる。メッシュフィルターは、ステンレス、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、グラスファイバー、セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルピロリドン(PVDF)、ポリエーテルスルホン等を材質とするものが挙げられる。篩のポアサイズは、微粒子化する化合物の種類、及び必要とする微粒子化の程度に応じて設定することができる。例えば、篩のポアサイズは、0.1〜1000μm、0.2〜100μm、0.3〜50μm、0.5〜20μmとすることができる。一態様として、メッシュフィルターを用いる場合、メッシュサイズは0.1〜1000μm、0.2〜100μm、0.3〜50μm、0.5〜20μmとすることができる。
本発明の装置は、更に媒体除去手段を有していてもよい。容器から取り出された微粒子を、配管等を通じて媒体除去手段へ送ることができる。化合物粉砕手段と媒体除去手段の間には流量調節手段を設け、媒体除去手段への媒体の供給量を調節してもよい。ここで、媒体の除去が可能ないずれの手段を媒体除去手段として利用することができる。除去しようとする媒体が大気条件下で液体で存在する場合、エバポレーター、凍結乾燥機、遠心分離機、スプレードライヤー、蒸留等の媒体を積極的に除去する手段を利用することができる。一方、除去しようとする媒体が大気条件下では気体で存在するが、加圧及び/又は低温条件下では液体として存在する場合、媒体を大気条件に曝すことにより、媒体を気化させることができるため、媒体を積極的に除去する手段は特に行わなくてもよい。即ち、大気条件下でこのような媒体を噴霧すれば、簡便かつ速やかに、微粒子から除去することができる。
微粒子回収手段は、微粒子を回収するための容器を少なくとも含む。更に、微粒子回収手段の内部を真空にするための手段、及び/又は微粒子回収手段の内部を不活性ガスに置換するための手段を有していてもよい。
本発明の微粒子製造装置は図5に例示されるが、これに限定されるものではない。発明の理解のために、図5を参照しながら、微粒子製造装置についてより詳細に説明する。本発明の装置は、液体二酸化炭素等の媒体は、そのボンベ等の貯蔵容器(1)から、加圧条件下で、耐圧性の容器(9)に供給される。その際、媒体の供給はポンプ(7)により行われ、媒体の供給量はバルブ(2、3)により調節される。また、バルブ(2、3、4)及びポンプ(7)によって、耐圧性の容器内の圧力を調整することができるため、液体二酸化炭素等の媒体の液体状態を維持することができる。耐圧性の容器(9)には、微粒子化の対象である化合物が収容され、かつビーズが充填されている。媒体が供給された耐圧性の容器(9)は、超音波発生器(8)に由来する超音波に曝される。それによって、耐圧性の容器(9)内のビーズが振動し、ビーズ同士が激しく衝突することによって、化合物が粉砕され、微粒子が生じる。生じた微粒子は、媒体のフローにより、耐圧性の容器(9)の出口に向かう。微粒子は、耐圧性の容器(9)の出口に設けられたフィルター(10)によるサイズ選別手段に供せられる。フィルター(10)を通過した微粒子が、耐圧性の容器(9)から取り出され、噴霧手段に送られる。噴霧手段への媒体の供給量はバルブ(4)により調節される。微粒子回収容器(13)内において、媒体はノズル(12)から噴霧される。噴霧された媒体は、大気条件下に曝され、瞬時に気体に状態変化するため、媒体を積極的に除去することは行わなくてもよい。気体となった媒体は、真空ポンプ(11)により排出される。また、必要に応じ、微粒子回収容器(13)内を、窒素ガス等の不活性ガスで置換することもできる。一方、残った微粒子は、微粒子回収容器(13)内に設けられた適切な容器により回収される。
本発明の詳細を、具体例を示して説明する。本実施例は、発明の理解を容易にすることを目的とするものであって、発明の範囲を本実施例の態様に限定することを意図するものではない。
[試験例1]セサミンの微粒子化
直径50μmのジルコニア製セラミックビーズとセサミンの化合物を容器に入れ、容器の両端をメッシュフィルターでシールした。容器の出口側のメッシュフィルターの径は2μmとした。容器内に、液体二酸化炭素を充填した。超音波処理により、容器内のジルコニア製セラミックビーズを振動させ、激しく衝突させることによって、セサミンを微粒子化した。セサミンの微粒子を、液体二酸化炭素のフローにより、容器の出口に移動させた。2μm径のメッシュフィルターにより、当該フィルターを通過することのできる微粒子を選別した。選別した微粒子を、液体二酸化炭素と共に、媒体の除去手段に供し、ノズルから噴霧した。噴霧された液体二酸化炭素は、大気条件に曝されて気化し、媒体が除去された微粒子を回収した。
得られた微粒子を、PtスパッタでPtコートし、電子顕微鏡(走査型SEM)で粒子の形状及びサイズを確認した(図2)。粒子の長軸を測定し、その中央値を粒子径とした。微粒子化する前のセサミンの粉末の一次粒子の粒子径(長軸の中央値)はおよそ20μm(図2の(A)及び(B))であり、微粒子化後の一次粒子の粒子径(長軸の中央値)はおよそ300nmである(図2の(C)及び(D))ことが観察され、微粒子化によってナノスケールの一次粒子が得られることが確認された。そして、微粒子化の前と後の粉末をXRDにかけ、結晶状態を確認した(図3)。2θ=15度近傍に検出された大きなピークの半値幅を測定したところ、微粒子化前の半値幅は0.0763、微粒子化後の半値幅は0.09062であり、これらの半値幅からシェラーの式を用いて結晶子径を算出すると、微粒子化後の結晶子径は、微粒子化前の結晶子径の84.3%(15.7%の減少)であった。このことは、本発明の方法は、結晶子を破壊するのではなく、粒界を破壊することによって、微粒子化を達成することを示唆するものである。
[試験例2]ナプロキセンの微粒子化
セサミンの代わりにナプロキセンを用いる以外は、試験例1に示した方法に従ってナプロキセンの微粒子を調製した。得られた微粒子を、PtスパッタでPtコートし、電子顕微鏡(走査型SEM)で粒子の形状及びサイズを確認した(図4)。粒子の長軸を測定し、その中央値を粒子径とした。微粒子化する前のナプロキセンの粉末の一次粒子の粒子径(長軸の中央値)はおよそ12μm(図4の(A)及び(B))であり、微粒子化後の一次粒子の粒子径(長軸の中央値)はおよそ400nmである(図4の(C)及び(D))ことが観察され、微粒子化によってナノスケールの一次粒子径が得られることが確認された。そして、微粒子化の前と後の粒子をXRDにかけ、結晶状態を確認したところ、試験例1と同様に、結晶子を破壊せずに粒界を破壊することによって、微粒子化が達成されていることが示唆された。
1 媒体の貯蔵容器
2〜6 バルブ
7 ポンプ
8 超音波発生器
9 耐圧性の容器
10 フィルター
11 真空ポンプ
12 ノズル
13 微粒子回収容器
14 レギュレーター

Claims (15)

  1. 媒体中、ビーズを振動させることにより化合物を粉砕し、微粒子化すること、
    微粒子を取り出すこと
    を含む、微粒子の製造方法。
  2. 超音波処理によりビーズを振動させ、化合物を粉砕する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 微粒子を媒体のフローにより取り出す、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 媒体をサイズ選別手段に通すことにより、微粒子を取り出す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 媒体が気体媒体又は液体媒体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 媒体を加圧下で用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 媒体が不活性ガスである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 不活性ガスが、二酸化炭素、窒素、及び希ガスからなる群から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. ビーズがセラミックビーズである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. サイズ選別手段がメンブレンフィルター又はメッシュフィルターである、請求項4〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法により得られる、微粒子。
  12. ビーズを収容する容器、
    前記ビーズを振動させる手段、
    前記容器に媒体を供給する手段、
    微粒子取り出し手段、
    微粒子回収手段、
    を含む、微粒子の製造装置。
  13. 媒体を加圧する手段を含む、請求項12に記載の製造装置。
  14. ビーズを振動させる手段が超音波処発生器である、請求項12又は13に記載の製造装置。
  15. サイズ選別手段がメンブレンフィルター又はメッシュフィルターである、請求項12〜14のいずれか1項に記載の製造装置。
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