JP2006001774A - 酸化チタン分散体およびその製造方法 - Google Patents

酸化チタン分散体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 可視光領域で光触媒活性が発現し、光触媒、色素増感型太陽電池用電極などの光触媒機能を有する酸化チタン膜形成に用いることができる酸化チタン分散体であって、優れた光触媒特性および優れた分散性を有し、pHが中性領域の酸化チタン分散体およびこれを効率よく工業的規模で製造する方法を提供すること。
【解決手段】 硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒または有機溶媒からなる酸化チタン分散体、並びに硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒又は有機溶媒を混合する酸化チタン分散体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、湿式太陽電池用電極材料及び光触媒などに使用することが可能であり、分散性に優れた酸化チタン分散体におよびこれを工業的に効率よく製造する方法に関するものである。
酸化チタン粉末は、白色顔料として古くから利用されており、近年は化粧品などの紫外線遮蔽材料、光触媒、コンデンサ、サーミスタの構成材料あるいはチタン酸バリウムの原料等電子材料に用いられる焼結材料に広く利用されている。特にここ数年、光触媒としての利用が盛んに試みられており、酸化チタンに、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射することによって酸化チタンが励起されて、伝導帯に電子が生じ、価電帯に正孔が生じるが、この電子による還元力または正孔による酸化力を利用した光触媒反応の用途開発が盛んに行われている。この酸化チタン光触媒の用途は非常に多岐に渡っており、水の分解による水素の発生、酸化還元反応を利用した有機化合物の合成、排ガス処理、空気清浄、防臭、殺菌、抗菌、水処理、照明機器等の汚れ防止等、数多くの用途開発が行われている。
しかしながら、酸化チタンは可視光付近の波長領域において大きな屈折率を示すため、可視光領域では殆ど光吸収は起こらない。これは、アナターゼ型二酸化チタンは3.2eV、ルチル型二酸化チタンは3.0eVというバンドギャップを有することに起因しており、酸化チタンの吸収可能な光の波長は、アナターゼ型酸化チタンで385nm以下、ルチル型酸化チタンで415nm以下である。これらの波長の光は大部分が紫外線領域に該当し、地球上に無限にある太陽光にはごく一部しか含まれておらず、従来知られている酸化チタン光触媒は、紫外線照射下では光触媒特性を発現するものの、太陽光のもとでは、そのエネルギーのうちごく一部しか活用できずに、光触媒として十分な活性は期待できない。また、屋内での蛍光灯などの下での利用を考えると、蛍光灯のスペクトルは殆どが400nm以上であるため、光触媒として十分な特性を発現することはできない。そこで可視光領域での触媒活性を発現させより利用性の高く高活性の光触媒の開発が行なわれている。
例えば、特許文献1(特開平9−262482号公報)では、Cr、V、Cu、Fe、Mg、Ag、Pd、Ni、MnおよびPtからなる群から選択される1種以上の金属のイオンが1×1015イオン/g−TiO2以上の割合で酸化チタンの表面から内部に含有させた光触媒が開示されており、これらの金属のイオンを30KeV以上の高エネルギーに加速して、酸化チタンに照射し、該金属イオンを酸化チタンに導入する。また、特許文献2(特開平11−290697号公報)では、真空槽内に遷移金属を含む固体と前記遷移金属がドーピングされる酸化チタンとを保持する工程と、前記真空槽内の内部に金属プラズマを発生させ、発生した前記金属プラズマを照射することにより前記遷移金属をドーピングした光触媒酸化チタンが開示されている。しかしながら、これらの発明は、酸化チタンに金属イオンをドーピングするために金属イオンを高エネルギーに加速したり、また金属プラズマを発生させるなど非常に特別な装置を用いなければならず、工業的規模での製造には適していない。
このような問題を解決するために、特許文献3(特開平12−237598号公報)には、酸化チタンなどの半導体の表面に、前記半導体の構成成分とは異なる成分であるB, P, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Zr, Nb, Mo, Pd, Ag, Cd, Sn, Sb, Hf, Ta, W, Pt, Hg, Pb, Bi, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd,Tb, Dy, Ho, Er, Tm, YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である陽イオンを含む媒体を接触させることにより、前記半導体に前記陽イオンを含有させる第1の工程と、前記陽イオンを含有する前記半導体を還元雰囲気において加熱する第2の工程とを含むことを特徴とする可視光応答型光触媒の製造方法が開示されている。しかしながら、このような方法により金属イオンを酸化チタンにドープした光触媒は必ずしも触媒活性が十分ではなく、さらなる改良が望まれていた。
上記のように遷移金属などの金属イオンを酸化チタンにドープし可視光領域での触媒活性を発現させた光触媒の他、特許文献4(WO 01/010552号公報)では、酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換すること、または酸化チタン結晶の格子間に窒素原子をドーピングすること、または酸化チタンの結晶粒界に窒素原子をドーピングすることのいずれかまたはこれらの組み合わせにより酸化チタン結晶に窒素原子を含有させた光触媒物質であり、酸化チタン結晶に窒素を含有させたTi−O−N構成を有した、可視光領域において光触媒作用を発現する光触媒物質が開示されている。このような光触媒物質を得る方法として、窒素ガス雰囲気中での酸化チタンのスパッタリングが挙げられているが、製造コストが高く工業的規模での製造は困難である。また、酸化チタンをアンモニア雰囲気で焼成するという簡便な方法の開示もあるが、酸化チタン中に十分に窒素原子がドーピングされず、結果として得られる光触媒は触媒活性が十分ではなかった。
上記のように酸化チタンを光触媒として用いる場合、水あるいは有機溶剤等に懸濁し分散させてコーティング剤や塗料として基材に酸化チタン被膜あるいは塗膜を形成して使用する場合が多く、その場合酸化チタン粉末の溶媒への分散性が問題となる。具体的には、酸化チタン粉末を溶媒に分散させた後、酸化チタン粉末が凝集して沈殿してしまう。特に1μm以下の超微粉酸化チタンを分散させた場合、含有する酸化チタンの濃度を高めると、その分散体の粘度が高くなってしまうという問題があった。
光触媒、色素増感型太陽電池用電極などの用途で酸化チタン膜を形成する場合、酸化チタン膜の表面は凹凸が少なく平滑であることが要求されるため、酸化チタンの凝集を防止する必要がある。このため、pHが中性領域である酸化チタンゾルあるいは水溶液を酸化チタン膜形成用として使用することができず、そのpHを酸性側に調整しなければならず、酸化チタン膜を形成する際の基材または用途に制限があった。紫外線遮断材料として酸化チタン分散体を使用する場合、酸化チタン粒子の凝集により紫外線遮断特性が低下するという問題もあった。
上記のような酸化チタン粉末の分散性に関する問題を解決するために、シリカ、アルミナ等の元来分散性の高い疎水性物質を酸化チタン粉末表面にコーティングすることが試みられており、例えば特許文献5(特開平5−281726号公報)では、アルミニウム塩基性塩水溶液を酸でpHを10.5〜12.0に調節し、これに二酸化チタンスラリーを混合し、次いでこれを酸で中和して二酸化チタン粉末表面に酸化アルミニウム水和物を均一に析出させる方法が開示されている。また、異物質によるコーティングをすることなく、高濃度に添加しても均一分散が可能な酸化チタン分散体として、例えば特許文献6(特開2001−220141号公報)、特許文献7(特開2001−262005号公報)では、ペルオクソチタン酸含有分散媒に酸化チタン粉末を均一分散してなることを特徴とする酸化チタン分散体が開示されている。これらの分散体は、酸化チタン粉末の分散性は改善されているものの、光触媒として用いた場合の特性が十分ではなく、また従来の酸化チタン分散体を保存し時間が経過すると、劣化等により分散体の粘度が上昇してしまうという問題があった。
特開平9−262482号公報 特開平11−290697号公報 特開平12−237598号公報 WO 01/010552号公報 特開平5−281726号公報 特開2001−220141号公報 特開2001−262005号公報
従って、本発明の課題は、可視光領域で光触媒活性が発現し、光触媒、色素増感型太陽電池用電極などの光触媒機能を有する酸化チタン膜形成に用いることができる酸化チタン分散体であって、優れた光触媒特性および優れた分散性を有し、pHが中性領域の酸化チタン分散体およびこれを効率よく工業的規模で製造する方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、硫黄含有酸化チタン粉末と分散剤とを用いて調製した分散体が、優れた分散性を有し、これを用いて光触媒を形成した際に優れた光触媒特性、特に可視光領域において、高い光吸収特性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒または有機溶媒からなることを特徴とする酸化チタン分散体を提供するものである。
また、硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒又は有機溶媒を混合することを特徴とする酸化チタン分散体の製造方法を提供するものである。
本発明の酸化チタン分散体は、高分散性、低粘度で、かつ中性であるため、光触媒や色素増感型太陽電池用電極などの光触媒機能を有する酸化チタン膜形成用として有効であり、特に、紫外線領域だけではなく可視光領域の光触媒活性が高いことから、太陽光の当たらない蛍光灯などの室内においても十分に光触媒作用を発揮することができ、今まで紫外線領域に止まっていた光触媒の用途を拡大することが可能となる。
硫黄含有酸化チタン粉末は以下の種々の方法により調製できる。
(1)四塩化チタンと酸素また必要に応じて燃焼して水を生成する水素ガスなどの可燃性ガスや水蒸気を気相で反応させて得られたルチル型またはアナターゼ型酸化チタンと硫黄または含硫黄化合物を混合し焼成する方法。
(2)硫酸チタニル、硫酸チタン、硫酸チタンアンモニウムを焼成する方法。
(3)硫酸チタニル、硫酸チタン、硫酸チタンアンモニウムなどの含チタン水溶 液を加水分解させ得られた酸化チタンと硫黄または含硫黄化合物を混合し 焼成する方法。
(4)テトライソプロポキシチタンなどのチタンアルコキシドなどの有機チタン 化合物を加水分解させ得られた酸化チタンと硫黄または含硫黄化合物を混 合し焼成する方法。
(5)三塩化チタンあるいは四塩化チタンなどのハロゲン化チタン水溶液を中和 又は加水分解させ得られた酸化チタンと硫黄または含硫黄化合物を混合し 焼成する方法。
上記のうち、得られる酸化チタン光触媒の特性と製造コストを考慮すると(5)のハロゲン化チタン水溶液を原料とする方法が好ましい。以下この方法について詳述する。
ハロゲン化チタン水溶液としては、三塩化チタン水溶液または四塩化チタン水溶液である。三塩化チタン水溶液は、例えば塩酸に金属チタンを溶解することで得ることができる。金属チタンとしてはチタン粉末やスポンジ状チタン、または切粉などのチタンスクラップなどが用いられる。四塩化チタン水溶液は、四塩化チタンを水または塩酸に溶解させて得ることができる。塩化チタン水溶液中のチタン濃度は任意であるが、製造効率また得られる酸化チタン粉末の粒径などを考慮するとチタン含有量が1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは2〜5質量%である。また塩化チタン水溶液は不純物成分が少なく純度が高いことが望ましく、具体的にはアルミニウム、鉄、及びバナジウムがそれぞれ1ppm以下、ケイ素及びスズがそれぞれ10ppm以下である。
該塩化チタン水溶液の加水分解方法は、該塩化チタン水溶液を加熱下、攪拌することにより行なわれる。加水分解温度は、20℃〜水溶液の沸点、好ましくは30℃〜水溶液の沸点、特に好ましくは40℃〜80℃である。該加水分解温度が、20℃未満だと加水分解が起こり難くなる。また、加水分解時間は、通常5分〜10時間、好ましくは10分〜5時間、特に好ましくは10分〜1時間である。
また、該塩化チタン水溶液の加水分解方法、特に、水溶液の沸点下で行なう場合、塩化水素が反応槽から排出され反応系のpHが上昇するため、水溶液の沸点下加水分解を行なう際は、反応槽に還流装置等を用いること等により、該塩酸が塩酸ガスとして反応系外へ放出されることを抑えることが、低pH領域で加水分解が行えるので、粒径が小さい酸化チタンを得ることができる点で好ましい。
該塩化チタン水溶液の中和方法において、該塩化チタン水溶液と接触させるアルカリとしては、特に制限されず、例えば、アンモニア;アンモニア水;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩等が挙げられる。これらのうち、アンモニア又はアンモニア水が、酸化チタン光触媒中に金属成分が含有されないので、該触媒の触媒活性が高まる点で好ましい。
また、アルカリ金属又はアルカリ土類金属は、該酸化チタン光触媒中に含まれていても、該触媒の光触媒活性に与える影響が少ないので、該塩化チタン水溶液の中和方法におけるアルカリとして、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を、好適に用いることができる。一般的な塩化チタンの工業的排水処理においては、水酸化カルシウム水溶液(消石灰溶液)等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を、該排水に加え中和し、酸化チタン水和物を析出させ、析出した該酸化チタン水和物の懸濁液に、ポリ塩化アルミニウムのような凝集剤を添加して固形物を沈降分離させることにより、排水中からチタン化合物を除去することが行われている。そして、このような方法は、非常に効率が良く、該酸化チタンの製造に応用可能である。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を用いることが、工業的に効率よく該酸化チタンを製造できる点で好ましい。
該塩化チタン水溶液の中和方法の反応温度は、10〜80℃、好ましくは30 〜80℃、特に好ましくは40〜70℃である。該反応温度が、10℃未満だと中和反応が起こり難く、また、80℃を超えると発熱が激しく、塩化水素の発生が著しくなり、微粒で比表面積の大きい酸化チタンが得られない。また、該中和反応の反応時間は、通常5分〜10時間、好ましくは10〜5時間、特に好ましくは30〜3時間である。
また、該塩化チタン水溶液の加水分解方法又は該塩化チタン水溶液の中和方法は、硫黄又は含硫黄化合物が反応系中に存在していても、特に該化合物の影響を受けない。従って、例えば、塩化チタン水溶液と、該化合物の混合物を用いて、該塩化チタン水溶液の加水分解方法又は塩化チタン水溶液の中和方法を行うことができる。
該塩化チタン水溶液の加水分解方法又は塩化チタン水溶液の中和方法により得られる該酸化チタンは、オルトチタン酸又はメタチタン酸であるが、メタチタン酸であることが、光触媒活性が高まる点で好ましい。該塩化チタン水溶液の加水分解方法又は塩化チタン水溶液の中和方法において、該メタチタン酸が生成し易い条件とは、塩化チタン水溶液を予め40〜70℃程度に加熱し、その後アンモニアなどのアルカリを添加して中和する。
該酸化チタン(A)の比表面積は、特に制限されないが、BET比表面積で50m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、特に好ましくは150〜250m2/gである。該比表面積が、50m2/g以上であると、酸化チタン光触媒の光触媒活性が高くなる。また、該酸化チタンの平均粒径は、特に制限されないが、0.1μm以下、好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。このように平均粒径は小さいほうが比表面積が大きくなり、光触媒として活性が向上する。該平均粒子径が0.1μmを超えると比表面積が小さくなり、光触媒活性が十分に発現しない。また、該酸化チタンの結晶形は、ルチル型又はアナターゼ型のいずれであってもよいが、好ましくはルチル型単独結晶、又はルチル型及びアナターゼ型の混合結晶である。
該酸化チタンの比表面積、平均粒径又は結晶形は、該塩化チタン水溶液の加水分解方法又は塩化チタン水溶液の中和方法の条件を調整することにより、制御することができる。その条件は、例えば塩化チタン水溶液を加熱し加水分解する方法では、反応中に塩化水素が発生し、反応系より排出されpHが上昇するが、この塩化水素の排出を制御し反応系のpHを低く保持することによって、得られる酸化チタンの平均粒径を小さくでき、また酸化チタン生成後に塩酸酸性雰囲気などの低pH領域で酸化チタンを熟成することにより、平均粒径の小さいルチル型の酸化チタンを得ることができる。
また、該酸化チタンは、該塩化チタンの加水分解方法又は塩化チタン水溶液の中和方法を行って得られる酸化チタンを含有する反応液、又は該反応液から該酸化チタンをろ過等により取り出し、必要に応じ塩酸分やアルカリ成分等の不純物の除去のための洗浄、乾燥等を行ない得られる酸化チタンの粉末のいずれであってもよい。
また、該酸化チタンの粉末を用いる場合、該酸化チタンの粉末は、水分や塩素分の含有量が少ないことが、光触媒活性を向上させる点で好ましい。従って、該酸化チタンの粉末中の水分を除去するために、該粉末を焼成することが好ましく、焼成温度は、200〜800℃、好ましくは300〜600℃である。
含硫黄化合物としては、常温で液体あるいは固体の化合物が好ましく、含硫黄無機化合物、含硫黄有機化合物あるいは金属の硫化物などが挙げられる。具体的にはチオエーテル類、チオ尿素類、チオアミド類、チオアルコール類、チオアルデヒド類、チアジル類、メルカプタール類、チオール類、チオシアン酸塩類などであり、具体的な化合物としては、チオ尿素、スルホ酢酸、チオフェノール、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、チオベンゾフェノン、ビチオフェン、フェノチアジン、スルホラン、チアジン、チアゾール、チアジアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、チアントレン、チアン、チオアセトアニリド、チオアセトアミド、チオベンズアミド、チオアニソール、チオニン、メチルチオール、チオエーテル、チオシアン、硫酸、スルホン酸類、スルホニウム塩類、スルホンアミド類、スルフィン酸類、スルホキシド類、スルフィン類、スルファン類などが挙げられる。なおこれらの化合物は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のなかでも含硫黄有機化合物が好ましく、さらには酸素原子を含まず硫黄原子と窒素原子が混在した有機化合物が特に好ましく、具体的には、チオ尿素が好ましい。
上記のようにして得られる酸化チタン粉末は、加水分解あるいはアルカリでの中和の条件により平均粒径、比表面積また結晶形を制御することができるが、光触媒の活性を向上させるためには、比表面積が大きいほうが好ましい。具体的にはBET比表面積で50m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、特に好ましくは150〜250m2/gである。結晶形としてはルチル型であって、かつ比表面積が50m2/g以上の微粒酸化チタンが好ましい。
上記の酸化チタン粉末と硫黄または含硫黄化合物の混合物を形成する。この混合物の形成方法は、
(1)塩化チタン水溶液に硫黄または含硫黄化合物を混合し、次いで加水分解またはアルカリで中和して酸化チタン粉末と硫黄または含硫黄化合物との混合物を得る方法、
(2)塩化チタン水溶液を加水分解またはアルカリで中和して酸化チタン粉末を得、次いで該酸化チタン粉末と硫黄または含硫黄化合物とを混合し混合物を得る方法、
(3)塩化チタン水溶液を加水分解またはアルカリで中和して酸化チタン粉末を得、得られた酸化チタン粉末を仮焼し、次いで該酸化チタン粉末と硫黄または含硫黄化合物とを混合し混合物を得る方法、
(4)塩化チタン水溶液に硫黄または含硫黄化合物を混合し、次いで加水分解またはアルカリで中和して固形物を形成した後、さらに硫黄または含硫黄化合物を混合して酸化チタン粉末と硫黄または含硫黄化合物の混合物を得る方法、
などが挙げられる。
酸化チタン粉末と混合する硫黄または含硫黄化合物の量は、硫黄原子の質量に換算すると、酸化チタンに対し、通常1質量%以上であり、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10〜30質量%である。硫黄または含硫黄化合物の混合量が少ないと、最終的に光触媒酸化チタンに含まれる硫黄原子量が少なくなり、十分な可視光吸収が起こらなくなる。
上記の硫黄含有酸化チタン粉末の調製において、硫黄または硫黄化合物の他に、含窒素化合物又は含炭素化合物を併用して酸化チタンとの混合物を形成してもよい。含窒素化合物又は含炭素化合物を併用することによって、酸化チタン分散体の可視光領域における吸収特性がより向上し活性がより向上する。
該含窒素化合物又は含炭素化合物としては、特に制限されず、含窒素無機化合物;アミン類、アミノ酸等の含窒素有機化合物、又は二酸化炭素等の窒素原子を含有しない含炭素化合物が挙げられ、具体的には、含窒素無機化合物としては、アンモニア等が、含窒素有機化合物としては、酢酸アンモニウム、尿素、アミノ酪酸、アミノベンゼン、グリシン、アラニン等が、窒素を含有しない含炭素化合物としては、炭素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化チタン、炭化カルシウム、炭酸等が挙げられる。これらのうち、アンモニア、又は窒素及び炭素を含有する含窒素有機化合物が好ましく、尿素が特に好ましい。また、これらは1種又は2種以上の組合せて用いることができる。
次いで、上記で得られた酸化チタン粉末と硫黄または含硫黄化合物(必要に応じて含窒素化合物又は含炭素化合物)の混合物を焼成し硫黄含有酸化チタン粉末を形成するが、焼成温度は200〜800℃、好ましくは300〜600℃、より好ましくは400〜500℃である。含硫黄有機化合物を用いた場合、その化合物が分解し硫黄原子が遊離して酸化チタン中のチタン原子と置換する温度で行なう。また焼成雰囲気は、空気、酸素などの酸化性雰囲気、水素ガスやアンモニアガスなどの還元性雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性雰囲気、また真空下などで行なわれる。これらのなかでも水素ガスのような還元性雰囲気で行なうことによって、より可視光領域での光触媒活性が向上し好ましい。水素ガスのような還元性ガスのみでもよいが、水素と酸素の混合ガス、水素と酸素と不活性ガスの混合ガスの雰囲気で焼成することも有効である。さらに焼成時に硫黄が蒸発しまたは含硫黄化合物が分解して硫黄成分が焼成炉から排出しないよう、ある程度硫黄成分の分圧を保持するよう焼成雰囲気を保つことが重要である。炭素原子を有する含硫黄有機化合物など焼成時に分解して炭酸ガスなどの副生ガスを発生する場合は、ある程度焼成雰囲気から排出したほうがよい。従って、焼成する際の容器は、完全にオープンまたは密閉のものではなく、ある程度の圧力がかかりかつ副生ガスを排出し得るような、上部が開放され、この上部に非固定式の蓋体を備えた円筒形、皿状または矩形などの容器が好ましい。
上記のようにして得られた硫黄含有酸化チタン粉末は、必要に応じて洗浄して遊離の硫黄成分やその他を除去する。また、粒子の分散性を向上させるために界面活性剤などにより表面処理することもできる。
上記のようにして得られた硫黄含有酸化チタン粉末は、淡黄色、黄色または黄橙色の粉末であり、硫黄原子及び炭素原子、また硫黄原子、炭素原子及び窒素原子を含有する。そして、該硫黄含有酸化チタン粉末は、酸化チタン中のチタン原子の一部が、硫黄原子に置換、すなわち、該硫黄原子が、陽イオンとして酸化チタン中にドープされたものも含まれる。具体的に陽イオンとして硫黄原子がドープされた場合、Ti1-xx2の化学式で表すことができ、チタン原子の数及び硫黄原子の数の合計に対する、該硫黄原子の数の割合を示すxは、0.001以上、好ましくは0.002以上、特に好ましくは0.002〜0.008である。また、本発明の硫黄含有酸化チタン粉末中に、硫黄原子の他、炭素原子、あるいは炭素原子および窒素原子を含有するものである。本発明に係る硫黄含有酸化チタン粉末中に含有する硫黄原子、炭素原子あるいは窒素原子の含有量は、硫黄原子が0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%、炭素原子が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、特に好ましくは1.0〜3.0質量%、窒素原子が0〜3質量%、好ましくは0.01〜1.0質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。また、該含硫黄酸化チタン粉末の平均粒径は、SEM写真画像観察による1次粒子の粒径で5〜50nm、BET比表面積は100〜250m2/gである。
上記のようにして得られた硫黄含有酸化チタン粉末を水溶媒または有機溶媒の分散媒に分散剤とともに分散させて混合し、本発明の酸化チタン分散体を製造する。
分散媒は水、あるいは有機溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、アセトン類が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメトキシ−2−プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、イソブタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−エチル−1−ブタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−メトキシメトキシエタノール、1−オクタデカノール、n−オクタノール、2,3−エポキシ−1−プロパノール、シクロヘキサノール、ジメチルブタノール、ジメチルプロパノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、1,3−ジメトキシ−2−プロパノール、ジメトキシプロパノール、1−デカノール、1−ドデカノール、トリメチルブタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、フェニルエタノール、2−メチル−2−プロパノール、t−ブタノール、メチルプロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、t−ペンチルアルコール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−メトキシブタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、アニリノエタノール、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジフェニルエタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、cis−1,2−シクロヘキサンジオール、cis−1,4−シクロヘキサンジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、テルピネオール、ブタンジオール、ブテンオール、ブトキシプロパンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、テルピネオール、ジエチルエーテル、アセトン、重合度2のポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングルコール、ポリオキシエチレングリコールモノエステルなどが挙げられる。アルコール類が好ましく、エタノール系のアルコール類が特に好ましい。
硫黄含有酸化チタン粉末の分散量は、その用途に応じて適宜調製すればよいが、1〜60質量%であることが好ましい。
分散剤としては、公知のものが用いられるが、特にアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤が好ましく、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。またチタン系の分散剤としてペルオクソチタン酸またはその塩も好ましく用いられる。特にはアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤とペルオクソチタン酸を併用することが望ましい。ペルオクソチタン酸を分散剤に用いることによって硫黄含有酸化チタン粉末の分散性がより向上するばかりでなく、酸化チタン分散体中にペルオクソチタン酸が含有されているため、この酸化チタン分散体を用いて基材に酸化チタンの薄膜あるいは塗膜を形成した際、基材と光触媒作用を持つ硫黄含有酸化チタン粉末との間にアモルファスの酸化チタンが形成され、樹脂など光触媒作用劣化してしまう基材を用いた場合、基材を劣化させることを防止することが可能となる。さらには金属やセラミックスなどの光触媒作用により劣化しない無機材料の表面に酸化チタンの薄膜あるいは塗膜を形成する場合、さらに基材を加熱処理することによってペルオクソチタン酸によって生じたアモルファス酸化チタンが結晶性となり、新たな光触媒酸化チタンが形成され、より光触媒特性が向上する、
アミン系分散剤としては、アルキルアミンおよびポリカルボン酸のアミン塩のうち少なくとも1種の分散剤が好ましい。例えば、ポリエステル酸、脂肪酸、脂肪酸アミド、ポリカルボン酸、アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびこれらの誘導体等をアミン化したものが挙げられる。アミン塩としては、アミドアミン塩、脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アルカノールアミン塩、多価アミン塩等がある。具体的には、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
カルボキシル基含有高分子分散剤としては、ポリカルボン酸及びその塩の少なくとも1種の分散剤が好ましい。例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム共重合体、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸アンモニウム、ポリマレイン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらアミン系分散剤やカルボキシル基含有高分子分散剤は、溶剤成分に溶解させた溶液状態のものを使用することもでき、また市販されているものも使用することができる。また、これらアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤は、分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末に対し0.2〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1〜10質量%となるように添加する。分散剤の添加量が硫黄含有酸化チタン粉末に対し0.2質量%未満の場合、硫黄含有酸化チタン分散体の分散性を向上させるのに充分な効果が得られない。また、分散剤の添加量が多すぎる場合は、硫黄含有酸化チタンの特性を低下させるため好ましくない。
ペルオクソチタン酸は、ペルオキシチタン酸又は過酸化チタンともいわれるもので、その構造はH4TiO5、Ti(OOH)(OH)3またはTiO3・2H2Oで表される。ペルオクソチタン酸は、通常、黄色、黄褐色または赤褐色の透明粘性水溶液(ゾル溶液)で取り扱われ、水溶液の場合、そのpHは5〜8でありほぼ中性領域にある。ペルオクソチタン酸は市販されているものを使用することができ、例えば「PTA−85」、「PTA−170」(いずれも(株)田中転写製のペルオクソチタン酸水溶液)が挙げられる。また、公知の方法によって調製することも可能であり、例えば、四塩化チタン水溶液をアンモニア水で加水分解し、水酸化チタンを含むスラリーを生成し、これを洗浄した後、過酸化水素を加えてペルオキシチタン酸水溶液を得ることができる。ペルオクソチタン酸溶液の溶媒としては特に制限されないが、例えば水及びエタノール、メタノールなどのアルコール類が挙げられ、このうち、水が好ましい。ペルオクソチタン酸水溶液を使用する場合は、市販のペルオクソチタン酸水溶液をそのまま使用することができる。使用するペルオクソチタン酸溶液の濃度は、硫黄含有酸化チタン粉末の添加濃度、酸化チタンスラリーの用途等によって適宜決定される。また、酸化チタン分散体とペルオクソチタン酸溶液の配合比率も、酸化チタン粉末の添加濃度や、酸化チタンスラリーの用途によって適宜決定すればよい。ペルオクソチタン酸の塩としては、ペルオクソチタン酸アンモニウム、ペルオクソチタン酸ナトリウム、ペルオクソチタン酸カリウム、ペルオクソチタン酸マグネシウム、ペルオクソチタン酸カルシウムなどが用いられる。また、上記ペルオクソチタン酸の塩と酒石酸、クエン酸などのキレート剤との錯体なども用いられ、具体的には、チタンペルオクソクエン酸アンモニウムなどが挙げられる。
上記のように分散剤を添加した酸化チタン分散体は、より高い分散性を得るために、酸化チタン分散体中に存在する硫黄含有酸化チタン粉末の凝集を緩和することを目的として湿式解砕処理を行うことが望ましい。この湿式解砕処理は、酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の凝集を緩和することができるものであれば、せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置、攪拌式の解砕装置などの公知の湿式解砕装置を使用することができる。具体的には、ジェットミル、ビーズミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、流星型ボールミル、サンドミル、三本ロールミル等の解砕装置を使用することができる。本発明における解砕処理をより効果的かつ効率的に行うためには、ジェットミル解砕機又はビーズミル解砕機を使用することが好ましく、特にジェットミルを使用して湿式解砕処理すると、より効率的に解砕処理することができる。また、湿式解砕処理に先立って、酸化チタン分散体をボールミルにより予備解砕処理することにより、硫黄含有酸化チタン粉末の凝集をより緩和することができ、酸化チタン分散体の分散性をより高めることができる。
また本発明において、分散剤としてアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤とペルオクソチタン酸を併用する場合、硫黄含有酸化チタン粉末の分散性をより向上させるために、硫黄含有酸化チタン粉末と、アミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上の分散剤と、水溶媒又は有機溶媒とからなる酸化チタンスラリーを湿式解砕処理した後、ペルオクソチタン酸含有溶液と混合して酸化チタン分散体を製造することが望ましい。
硫黄含有酸化チタン粉末と、アミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上の分散剤と、水溶媒又は有機溶媒とからなる酸化チタンスラリーを湿式解砕処理した後、ペルオクソチタン酸含有溶液と混合して硫黄含有酸化チタン粉末をペルオクソチタン酸含有溶液中に均一分散させる方法としては、一般的な方法を使用することができる。例えば、ホモジナイザー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌、振とう等の手段を使用して分散する方法、又は振動ミル、ボールミル等の解砕機を使用して湿式解砕する方法等が挙げられる。このうち、1000〜1500回転/分の高速攪拌による方法が短時間で効率的に均一分散できる点で好ましい。また、酸化チタン分散体とペルオクソチタン酸溶液を混合し分散させる際の分散効率を高めるため、ペルオクソチタン酸溶液を、室温〜100℃、好ましくは30〜80℃に加熱して行ってもよい。このとき酸化チタン分散体中のペルオクソチタン酸の比率は、硫黄含有酸化チタン粉末に対して1〜10質量%、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜50質量%である。
また、本発明の酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の濃度は、酸化チタン分散体の用途により適宜設定すればよいが、好ましくは0.5〜60質量%、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%になるように調製すればよい。本発明の酸化チタン分散体は、硫黄含有酸化チタン粉末の濃度を上げても分散体自体の粘度が上昇しないため、従来では達成出来なかった高濃度の酸化チタン分散体を得ることが可能である。
本発明の酸化チタン分散体は、分散媒が水である場合、そのpHは用途によって任意に調整することができるが、本発明ではpH5〜10、好ましくはpH6〜8、より好ましくは6.5〜7.5である。元来酸化チタン粒子表面は水酸基を含有しているため、中性領域での分散性は低い。そのため、前述したように従来の酸化チタンゾルは、pHを酸性に調整して分散性を改善している。したがって、従来の酸化チタンゾルを基材に塗布して酸化チタン膜を形成し、光触媒や紫外線遮蔽材料を製造するような場合、酸性で腐食するような基材を使用することはできず、その用途に制限があった。本発明の酸化チタン分散体は、中性領域においても極めて高い分散性を示すため、光触媒や色素増感型太陽電池用電極材料用途として極めて有効である。
以上のように、本発明の酸化チタン分散体は、光触媒として活性の高い硫黄含有酸化チタン粉末が高濃度でかつ高分散しているので、光触媒や色素増感型太陽電池用電極料などの酸化チタン膜形成用として利用可能である。本発明の酸化チタン分散体から酸化チタン膜を形成するには、公知の方法で行えばよく、例えば、該酸化チタン分散体を充填した噴霧器で基材に所望の量となるように吹き付け、その後常温で乾燥、あるいは加熱処理する方法が使用できる。
以下、本発明の酸化チタン分散体を製造する具体的なプロセスの一例を示す。
硫黄含有酸化チタン粉末を、アミン系分散剤及び/またはカルボキシル基含有高分子分散剤の1種もしくは2種以上とともに、水あるいはアルコール等の有機溶媒に分散させる。分散は、ボールミルにより1〜15時間予備分散した後、湿式ジェットミルを使用して解砕処理する。ジェットミル解砕条件は、硫黄含有酸化チタン粉末分散体の凝集状態に応じて、凝集が充分に緩和されるよう適宜設定することができる。具体的には、ジェットミルに投入する酸化チタン分散体の温度は、0〜50℃であることが好ましく、より好ましくは10〜30℃である。また、酸化チタン分散体は、供給圧力100〜250MPa、好ましくは100〜150MPaに設定し、流速100〜500m/s、好ましくは200〜300m/sで供給すればよい。また、ジェットミルによる解砕処理回数は、硫黄含有酸化チタン分散体の凝集状態に応じ、凝集を充分緩和できるよう設定すればよい。具体的には、1〜5回解砕処理を行うことによって、充分凝集を緩和することができる。こうして得られた硫黄含有酸化チタンスラリーを、硫黄含有酸化チタン粉末濃度を0.5〜60質量%になるようにペルオクソチタン酸水溶液に混合、分散させて本発明の酸化チタン分散体を得ることができる。
また、前記酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末は、可視光の光吸収特性に優れており、紫外可視拡散反射スペクトルを測定して、波長300〜350nmの吸光度の積分値を1として、通常、波長350〜400nmの吸光度の積分値が0.3〜0.9であり、且つ波長400〜500nmの吸光度の積分値が0.3〜0.9であり、好ましくは波長350〜400nmの吸光度の積分値が0.4〜0.8であり、且つ波長400〜500nmの吸光度の積分値が0.4〜0.8であり、さらに好ましくは、波長350〜400nmの吸光度の積分値が0.5〜0.7であり、且つ波長400〜500nmの吸光度の積分値が0.5〜0.75である。
上記のようにして得られる本発明の酸化チタン分散体は、酸化チタン光触媒として用いた際、可視光領域での吸収特性に優れているため、ブラックライトなど特に紫外光の光源がなくとも、太陽光や室内における蛍光灯による光源で十分に光触媒活性が発現する。また、酸化チタンに窒素原子をドープしたものなど従来の可視光応答型光触媒に比べて、効率的にかつ低コストで製造できるため工業的に非常に有利であり、排ガス処理、空気清浄、防臭、殺菌、抗菌、水処理、照明機器等の汚れ防止、酸化作用による有害物の分解作用を利用した光触媒装置などを目的とした光触媒塗料や光触媒コーティング材などに広く適用できる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例
実施例および比較例において硫黄含有酸化チタン粉末、酸化チタン粉末及び酸化チタン分散体の評価は以下のように実施した。
(1)硫黄含有酸化チタン粉末中の硫黄含有量の測定
エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)を付帯した電界放出型走査型電子顕微鏡(Field Emission-SEM:FE-SEM)(日立電子走査顕微鏡S−4700)にて硫黄含有酸化チタン粉末中の硫黄原子の定量分析を行なった。
(2)可視光吸収特性の測定
積分球付き紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製V−550−DS)により酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末又は酸化チタン粉末の拡散反射吸収スペクトルを測定した。
(3)SEMによる平均粒径(SEM径)の測定
電子顕微鏡(SEM)により酸化チタン分散体を観察し、インターセプト法により測定した。(解析数200個)
(4)レーザー光散乱回折法による粒度分布
レーザー光散乱回折法粒度測定機(LA−700:堀場製作所製)を用い、酸化チタン分散体に超音波をかけて3分間分散させ、粒度を測定し体積統計値の粒度分布を求めた。なお、なお、粒度分布はD90(積算粒度90%の粒径(μm))、D50(積算粒度50%の粒径(μm))、D10(積算粒度10%の粒径(μm))を求めた。
(硫黄含有酸化チタン粉末の調製)
攪拌器を具備した容量1000ミリリッターの丸底フラスコにチタン濃度4質量%の四塩化チタン水溶液297g挿入し、次いで60℃に加熱した。次いで反応系のpHが7.4に維持させるようにアンモニア水を添加して、60℃で1時間中和処理を行なった。中和処理後、生成した固形物をろ過し、更に純水で洗浄して、酸化チタン粉末を得た。得た酸化チタン粉末を500℃で3時間焼成し、次いで、焼成した酸化チタン粉末を、100mlの純水に溶解させたチオ尿素9.7gを添加し30分攪拌した。その後、固形物を60℃で乾燥して、ボールミルにて粉砕して酸化チタン粉末とチオ尿素の混合物を得た。この混合物を焼成炉に装入し400℃で3時間焼成した。その後ボールミルにて粉砕して、純水で洗浄した後、60℃で乾燥して淡黄色の硫黄含有酸化チタン粉末を得た。得られた硫黄含有酸化チタン粉末中の硫黄含有量を測定したところ0.25質量%、比表面積は180m2/gであった。
(酸化チタン分散体の調製)
上記のようにして得た硫黄含有酸化チタン粉末を、分散剤としてポリアクリル酸アンモニウムとともに純水中に添加し、攪拌して分散させ、ボールミル解砕機を用いて常温で8時間予備解砕処理し、硫黄含有酸化チタンスラリーを得た。得られた硫黄含有酸化チタンスラリーは硫黄含有酸化チタン濃度20質量%であり、ポリアクリル酸アンモニウムは硫黄含有酸化チタン分散量に対し5質量%になるように調製した。このようにして得られた硫黄含有酸化チタンスラリーを、湿式ジェットミルを用いて解砕処理した。湿式ジェットミル解砕機は、吉田機械興業株式会社製のナノマイザーを使用し、常温で、硫黄含有酸化チタンスラリーの供給圧力150PMa、供給速度250m/sで行った。このジェットミル解砕処理を5回繰り返して得られた酸化チタン分散体に、0.85質量%のペルオクソチタン酸水溶液を添加して攪拌し、酸化チタン粉末濃度10質量%の酸化チタン分散体を得た。
この酸化チタン分散体のSEM径およびレーザー光散乱回折法による粒度分布を表1に示した。またこの酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の可視光吸収特性を図1に示した。
(硫黄含有酸化チタン粉末の調製)
攪拌器を具備した容量1000ミリリッターの丸底フラスコにチタン濃度4質量%の四塩化チタン水溶液297g挿入し、次いで100mlの純水に溶解させたチオ尿素9.7gを添加して60℃に加熱した。次いで反応系のpHが7.4に維持させるようにアンモニア水を添加して、60℃で1時間中和処理を行なった。得られた固形物を濾過し純水で洗浄し30分攪拌した。その後、固形物を60℃で乾燥して、ボールミルにて粉砕して酸化チタン粉末とチオ尿素の混合物を得た。この混合物を焼成炉に装入し400℃で3時間焼成した。その後ボールミルにて粉砕して、純水で洗浄した後、60℃で乾燥して淡黄色の硫黄含有酸化チタン粉末を得た。得られた硫黄含有チタン粉末中の硫黄含有量を測定したところ0.27質量%、比表面積は170m2/gであった。
(酸化チタン分散体の調製)
上記のようにして得られた硫黄含有酸化チタン粉末をもちいた以外は実施例1と同様に酸化チタン分散体を調製した。この酸化チタン分散体のSEM径およびレーザー光散乱回折法による粒度分布を表1に示した。また酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の可視光吸収特性を図1に示した。
(酸化チタン分散体の調製)
実施例1で調製した硫黄含有酸化チタン粉末を、ポリアクリル酸アンモニウムと伴にエタノール中に添加し、攪拌して分散させ、ボールミル解砕機を用いて常温で8時間予備解砕処理し、硫黄含有酸化チタン粉末濃度30質量%の硫黄含有酸化チタン粉末エタノールスラリーを得た。ポリアクリル酸アンモニウムは、硫黄含有酸化チタン粉末に対し5質量%添加した。
このようにして得られた硫黄含有酸化チタン粉末エタノールスラリーを、実施例1同様に湿式ジェットミル解砕処理し、さらに実施例1と同様にペルオクソチタン酸水溶液を添加して酸化チタン分散体を得た。酸化チタン分散体の硫黄含有酸化チタン濃度は15質量%であった。得られた結果を表1に示した。
比較例1
(酸化チタン粉末の調製)
攪拌器を具備した容量1000ミリリッターの丸底フラスコにチタン濃度4質量%の四塩化チタン水溶液297g挿入し、次いで60℃に加熱した。次いで反応系のpHが7.4に維持させるようにアンモニア水を添加して、60℃で1時間中和処理を行なった。得られた固形物を濾過し純水で洗浄した。その後、固形物を60℃で乾燥して、ボールミルにて粉砕して粉末を得た。この粉末を焼成炉に装入し400℃で3時間焼成した。その後ボールミルにて粉砕して、純水で洗浄した後、60℃で乾燥して酸化チタン粉末を得た。得られた酸化チタン粉末の比表面積は170m2/gであった。
(酸化チタン分散体の調製)
上記のようにして得られた酸化チタン粉末をもちいた以外は実施例1と同様に酸化チタン分散体を調製した。この酸化チタン分散体のSEM径およびレーザー光散乱回折法による粒度分布を表1に示した。また酸化チタン分散体中の酸化チタン粉末の可視光吸収特性を図1に示した。
比較例2
(酸化チタン分散体の調製)
実施例1で調製した硫黄含有酸化チタン粉末を、分散剤を用いることなしに純水中に添加し、攪拌して分散させ、ボールミル解砕機を用いて常温で8時間予備解砕処理し、硫黄含有酸化チタンスラリーを得た。得られた硫黄含有酸化チタンスラリーは硫黄含有酸化チタン濃度10質量%になるように調製した。このようにして得られた酸化チタンスラリーを、湿式ジェットミルを用いて解砕処理した。湿式ジェットミル解砕機は、吉田機械興業株式会社製のナノマイザーを使用し、常温で、硫黄含有酸化チタンスラリーの供給圧力150PMa、供給速度250m/sで行った。このジェットミル解砕処理を5回繰り返して酸化チタン分散体を得た。この酸化チタン分散体のSEM径およびレーザー光散乱回折法による粒度分布を表1に示した。
Figure 2006001774
本発明の酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の紫外可視分光光度計による拡散反射吸収スペクトルの測定結果を示す図である。

Claims (17)

  1. 硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒または有機溶媒からなることを特徴とする酸化チタン分散体。
  2. 前記分散剤がアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上の分散剤であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  3. 前記分散剤がペルオクソチタン酸またはその塩であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  4. 硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒または有機溶媒を混合した後、湿式解砕処理されたことを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  5. 前記分散剤がアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上の分散剤およびペルオクソチタン酸またはその塩であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  6. 前記酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の濃度が0.5〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  7. 分散体のpHが5〜10であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  8. 前記有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  9. 前記酸化チタン分散体中の硫黄含有酸化チタン粉末の紫外可視拡散反射スペクトルを測定して、波長300〜350nmの吸光度の積分値を1として、波長350〜400nmの吸光度の積分値が0.3〜0.9であり、且つ波長400〜500nmの吸光度の積分値が0.3〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体。
  10. 前記アミン系分散剤がアルキルアミン及びポリカルボン酸のアミン塩の少なくとも1種の分散剤であることを特徴とする請求項2に記載の酸化チタン分散体。
  11. 前記カルボキシル基含有高分子分散剤がポリカルボン酸及びその塩の少なくとも1種の分散剤であることを特徴とする請求項2に記載の酸化チタン分散体。
  12. 前記アミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤の添加量が、硫黄含有酸化チタン粉末に対し0.2〜20質量%であることを特徴とする請求項2に記載の酸化チタン分散体。
  13. 硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒又は有機溶媒を混合することを特徴とする酸化チタン分散体の製造方法。
  14. 硫黄含有酸化チタン粉末、分散剤および水溶媒又は有機溶媒を混合した後湿式解砕処理することを特徴とする酸化チタン分散体の製造方法。
  15. 前記分散剤がアミン系分散剤、カルボキシル基含有高分子分散剤およびペルオクソチタン酸またはその塩から選ばれる1種もしくは2種以上の分散剤であることを特徴とする請求項13又は14に記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  16. 硫黄含有酸化チタン粉末と、アミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上と、水溶媒又は有機溶媒とからなる酸化チタンスラリーを湿式解砕処理した後、ペルオクソチタン酸含有溶液と混合することを特徴とする酸化チタン分散体の製造方法。
  17. 前記湿式解砕処理がジェットミルあるいはビーズミルにより行われることを特徴とする請求項13、14、又は16に記載の酸化チタン分散体の製造方法。
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