JP2011008956A - 光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜の細孔径を拡大しつつ強度のある膜構造を形成し得る色素増感型太陽電池用の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、このペースト組成物を用いて作製した色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を提供する。
【解決手段】(A)チタン化合物半導体粒子、(B)セルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂、及び(C)溶媒(a)と溶媒(b)との混合溶媒を含む、色素増感型太陽電池用のペースト組成物であって、前記溶媒(a)が、前記(B)成分の溶解性パラメータSP値との差が4(MPa)1/2以下であるSP値を有すると共に、溶媒(b)の沸点が、溶媒(a)の沸点よりも高いことを特徴とする光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、並びに透明導電性基材の表面に、上記ペースト組成物を用いて形成されてなる塗膜を焼成することにより得られた色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高性能な色素増感太陽電池を低コストで作製し得る色素増感型太陽電池用の光半導体多孔質膜用ペースト組成物、このペースト組成物を用いて作製した色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜、及び該色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を備えてなる高性能な色素増感型太陽電池に関する。
化石燃料に代るエネルギー源として太陽光を利用する太陽電池が注目され、種々の研究が行われてきた。
太陽光を利用した太陽電池としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅等の化合物を用いた太陽電池が実用化若しくは主な研究開発の対象となっているが、家庭用電源等に広く普及させる上では製造コストが高いこと、原材料の確保が困難であること、エネルギーペイバックタイムが長いこと等の問題点があり、これらを克服する必要がある。
一方、近年、新しいタイプの太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した色素増感型太陽電池などが開示されている。この色素増感型太陽電池としては、例えば透明電極と、触媒を担持させた導電層を備える対向電極との間に、色素を担持した酸化チタンなどからなる半導体層(光電変換層)と電解質層とを設け、周囲を樹脂等の封止材料で封止してなる構成の色素増感型太陽電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、透明電極上に、色素を担持してなる同じく酸化チタンなどからなる半導体層(光電変換層)、絶縁層、触媒層及び導電層を順次に積層してなる構成の色素増感型の太陽電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
これらの色素増感型太陽電池においては、前記光電変換層に光を照射すると、光増感色素が励起され、電子を該光電変換層に注入する。この電子は電気回路を通って対向電極に移動する。対向電極に移動した電子は、電解質中のイオンによって運ばれ、前記光電変換層にもどる。このような過程が繰返されて電気エネルギーが取出される。
このような色素増感型太陽電池においては、酸化チタンなどの安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、安価に光電変換層を作製し得ると共に、色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換し得るという利点を有している。
ここで、上記いずれの型の色素増感型太陽電池においても、光電変換層は最も太陽電池として重要な構成部材である。この光電変換層に対しては高表面積、広い細孔径、膜強度、高い光利用効率(具体的には、透明導電膜付近では透明性、透明導電膜から離れたところでは光散乱性を有すること)などが求められている。そのうち、細孔径は、イオンの拡散性に影響を与えるものであり、細孔径が広い方がイオンの拡散性が高く、結果として光電変換効率を高くすることができるので重要な要素である。
従来、光電変換層の作製方法としては、金属化合物粒子、分散剤、有機バインダ及び主溶剤を含むペーストインクをスクリーン印刷法などで印刷したのち、乾燥、焼成することで、光電変換多孔質膜を得る方法が用いられていた。
上記の作製方法で得られる多孔質膜の細孔径を決定する因子としては、使用する金属化合物の粒子径、粒子分散性、有機バインダ添加量などが挙げられる。ここで、粒子径に関しては粒子径を大きくすることで粒子間隙が大きくなり、多孔質膜の細孔径が大きくなることが知られている。次に、粒子分散性については、分散性がよく粒子が単分散しているか、分散性が悪く粒子が凝集粒子として分散しているかで細孔径に大きな違いが生じる。単分散している場合には一次粒子の粒子径の影響が大きく、一次粒子同士の隙間でほとんど細孔径が決定される。一方、分散性の低い状態では粒子は凝集粒子として存在し、この凝集粒子があたかも単一粒子のようになり、細孔径に影響を及ぼすようになる。すると、この凝集粒子径を変化させることで凝集粒子間の細孔径が変化することになり、結果として多孔質膜の細孔径を大きくすることができる。次に、有機バインダは、焼成時の脱バインダ処理により粒子間に細孔を形成するものであり、ペースト中に含まれている粒子と有機バインダの添加比を変えることで粒子間に存在する有機バインダ量を制御することができ、粒子に対し有機バインダの添加比を増加させることで細孔を大きくすることができる。
しかしながら、上記の各因子を制御し大きな細孔径を有する細孔膜を得るために粒子径を大きくした場合、粒子由来の光散乱性が増すことになり、多孔質膜の透明性が低下したり表面積が低下したりする。このことは表面反射を引き起こし、光エネルギーのロス及び色素吸着量の低下をもたらすことになり色素増感型太陽電池の性能が低下する。また、粒子分散性に関しても、分散性が低く粒子が凝集する場合は同様に表面反射の問題がある。
有機バインダ添加量に関しては、過剰のバインダを添加すると焼成条件によっては焼成残渣による欠陥発生や空隙が大きすぎることで粒子同士の接合機会が著しく低下し、多孔膜として膜強度が著しく低下するという問題が生じる。また、多くの樹脂バインダを添加することからペーストの印刷性が悪化する問題点もある。
一方、短絡電流密度が高く、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を得る技術として、アンモニア化合物と四塩化チタンとの中和及び加水分解により生成した酸化チタンゾルを、pH7〜11の範囲で加熱し、水熱合成処理して得られる酸化チタン半導体粒子を、前記の光電変換層に用いた色素増感型太陽電池が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この技術は、光電変換層に用いる半導体粒子として、酸化チタン半導体粒子を効果的に製造する技術であって、光電変換層の膜強度を保持しながら、細孔径を拡大する技術とは全く異なるものである。
特開2005−228594号公報 特開2003−142171号公報 特開2007−73326号公報
本発明は、このような状況下になされたもので、色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜の細孔径を拡大しつつ強度のある膜構造を形成し得る色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、このペースト組成物を用いて作製した色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜、及び該色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を備えてなる高性能な色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、半導体粒子、有機バインダ及び溶媒を含むペースト組成物であって、上記の半導体粒子としてチタン化合物半導体粒子を、有機バインダとしてセルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂を用い、前記の溶媒として上記有機バインダの溶解性パラメータSP値[Hildebrandパラメータ;SP値]との差が、所定値以下のSP値を有する溶媒(a)と、所定値以上のSP値を有し、かつ上記溶媒(a)よりも沸点が高い溶媒(b)との混合溶媒を用いてなるペースト組成物により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)チタン化合物半導体粒子、(B)セルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂、及び(C)溶媒(a)と溶媒(b)との混合溶媒を含む、色素増感型太陽電池用のペースト組成物であって、前記溶媒(a)が、前記(B)成分の溶解性パラメータSP値との差が4(MPa)1/2以下であるSP値を有し、かつ前記溶媒(b)が、該(B)成分のSP値との差が6(MPa)1/2以上であるSP値を有すると共に、溶媒(b)の沸点が、溶媒(a)の沸点よりも高いことを特徴とする光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、
(2)混合溶媒における溶媒(b)の含有量が0.1〜20質量%である上記(1)に記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、
(3)溶媒(a)と溶媒(b)との沸点の差が30℃以上である上記(1)又は(2)に記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、
(4)さらに、(D)沸点が溶媒(b)よりも30℃以上低い、溶媒(a)及び溶媒(b)に対する相溶化剤を含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、
(5)動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃及びせん断速度1s-1の条件で測定した際の粘度が10〜1,000Pa・sであり、かつ温度25℃及びせん断速度0.01s-1の条件で測定した際の粘度が200〜5,000Pa・sである粘度特性を有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、
(6)透明導電性基材の表面に、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のペースト組成物を用いて形成されてなる塗膜を焼成することにより得られたことを特徴とする色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜、及び
(7)透明導電性基材、光半導体多孔質膜、電解質及び導電膜を有する色素増感型太陽電池であって、前記透明導電性基材と、前記導電膜間に、上記(6)に記載の色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を介在させたことを特徴とする色素増感型太陽電池、
を提供するものである。
本発明によれば、色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜の細孔径を拡大しつつ強度のある膜構造を形成し得る色素増感型太陽電池用の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物、このペースト組成物を用いて作製した色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜、及び該色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を備えてなる高性能な色素増感型太陽電池を提供することができる。
本発明の色素増感型太陽電池(直列モジュール型)の一例を示す構成図である。
まず、本発明の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物(以下、単にペースト組成物と称することがある。)について説明する。
[光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物]
本発明のペースト組成物は、(A)チタン化合物半導体粒子、(B)セルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂、及び(C)溶媒(a)と溶媒(b)との混合溶媒を含む、色素増感型太陽電池用のペースト組成物であって、前記溶媒(a)及び溶媒(b)として、それぞれ以下に示す性状を有するものを用いる。
((A)チタン化合物半導体粒子)
本発明のペースト組成物においては、(A)成分の半導体粒子として、チタン化合物半導体粒子が用いられる。
チタン化合物半導体としては、半導体の性質を有するチタン化合物であればよく、特に制限されず、従来半導体として使用されているチタン化合物、例えば酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ナトリウムなどの中から、少なくとも一種を適宜選択して用いることができる。
これらのチタン化合物半導体の中で、光電効果に優れる観点から、酸化チタンが好ましく、特にアナターゼ型酸化チタンが好適である。
当該チタン化合物半導体粒子としては、一次平均粒子径50nm以下の粒子が好ましい。この半導体粒子の一次平均粒子径が50nm以下であれば、形成される光半導体多孔質膜は高表面積を有するものとなる。上記一次平均粒子径の下限は、粒子表面における欠陥を少なくし、安定的に成膜することが可能であるという観点から10nm程度が好ましい。
なお、上記一次平均粒子径は、電子顕微鏡を用いた直接観察により、測定される値である。
<アナターゼ型酸化チタン粒子の製造>
本発明において、半導体粒子として好ましく用いられるアナターゼ型酸化チタンは、例えば(1)硫酸チタニル、硫酸チタンなどを含む溶液の加水分解法、(2)テトラアルコキシチタンの加水分解・縮合法、(3)四塩化チタンなどのハロゲン化チタン溶液の中和又は加水分解法、などによって得られる沈殿物を焼成することにより製造することができる。
また、アンモニア化合物と四塩化チタンとの中和、及び加水分解により生成した酸化チタンゾルを、pH7〜11の範囲で加熱して水熱合成処理する方法(特開2007−73326号公報参照)によっても製造することができる。
本発明においては、(A)成分の半導体粒子として、前記のチタン化合物半導体粒子と共に、他の半導体粒子、例えば酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛などの中から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物粒子を、所望により併用することができる。
チタン化合物半導体粒子と併用される他の半導体粒子の一次平均粒子径は、前述した理由により10〜50nmの範囲にあることが好ましい。
本発明においては、前記半導体粒子の形態に特に制限はなく、単結晶、多結晶、非晶質又はこれらの混合形態であってもよい。また、その形状に特に制限はなく、球状、多角形状、ナノチューブ状、ロッド状のいずれであってもよく、形状の異なる二種以上の粒子を混合することもできる。なお、粒径分布の異なる二種以上の粒子を混合してもかまわない。
本発明においては、前記半導体粒子は、適当な分散媒に分散させた状態で、ペースト組成物の調製に用いることが好ましい。該分散媒としては、例えばエタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒等、比較的留去させやすい溶媒を用いることが、後述するペースト組成物の調製の観点から望ましい。
((B)有機バインダ)
本発明のペースト組成物においては、(B)成分の有機バインダとして、セルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂が用いられる。この(B)成分の有機バインダは、後述の溶媒(a)に溶解することでペースト組成物のレオロジー特性を向上させ、印刷性を良好にする作用を有すると共に、後述する本発明の色素増感型太陽電池の作製において用いられる透明基板の耐熱温度以下の温度(例えば550℃以下の温度)での焼成によって除去し得るなどの性状を有することが肝要である。当該有機バインダは、焼成により除去されることによって、細孔の形成に寄与する。
<セルロース系化合物>
本発明において、当該(B)成分の有機バインダとして用いられるセルロース系化合物は、グルコースがβ−1,4−グルコシド結合した多糖類であるセルロースの誘導体であって、前述した性状を有するものであればよく、特に制限されず、例えばセルロースエステルやセルロースエーテルなどを使用することができる。
ここで、前記セルロースエステルは、セルロースにおける水酸基の少なくとも一つがエステル化された化合物であり、前述した性状を有するセルロースエステルとして、ニトロセルロース及びアセチルセルロースなどを挙げることができる。
このセルロースエステルにおいては、エステル化の置換度(グルコース基当たりの置換エステル基のモル数)によって、溶媒に対する溶解性が異なる。
ニトロセルロースの場合、通常窒素含有量によって置換度が表され、置換度1、2及び3(完全エステル化)は、それぞれ窒素含有量が6.7、11.1及び14.1質量%である。
窒素含有量が10.5〜12質量%のニトロセルロースにおいては、低級アルコール、アセトン、酢酸アミルなどが溶媒となり、高級アルコール、高級カルボン酸、高級ケトンなどが非溶媒となる。
一方、窒素含有量が12.7質量%のニトロセルロースにおいては、ハロゲン化炭化水素化合物、アセトン、メチルアミルケトン、酢酸メチル、ニトロベンゼン、フランなどが溶媒となり、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物(膨潤)、低級アルコール、エチレングリコール、水などが非溶媒となる。
なお、本発明において、セルロース系化合物に対する溶媒、非溶媒は、高分子データハンドブック基礎編[高分子学会編、1986]記載のデータを参考にしたものであり、該セルロース系化合物に対するその他の溶媒、非溶媒について、なんら限定されるものではない。また後述のアクリル系樹脂における溶媒、非溶媒についても同様である。
本発明においては、セルロース系化合物として、ニトロセルロースを用いる場合、取扱い性などの安全性の観点から、窒素含有量が10〜11質量%程度のセルロイドやラッカーなどに用いられるニトロセルロースを使用することが好ましい。
アセチルセルロースの場合、置換度が0.6〜0.8のアセチルセルロースにおいては、溶媒として水などを挙げることができ、置換度が1.3〜1.7のアセチルセルロースにおいては、溶媒として、2−メトキシメタノールなどを、非溶媒としてアセトン、水などを挙げることができる。置換度が2〜2.3のアセチルセルロースにおいては、溶媒として、クロロホルム/メタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エチレングリコール、エーテル、ジオキサン、ピリジン、アニリン、アセトン、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、ニトロメタンなどを挙げることができ、非溶媒として、炭化水素化合物、脂肪族エーテル、弱鉱酸などを挙げることができる。
置換度が3のアセチルセルロースにおいては、溶媒として、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、炭酸エチルなどを挙げることができ、非溶媒としては、脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、クロロエタン、クロロベンゼン、エタノール、脂肪族エーテルなどを挙げることができる。
本発明においては、セルロース系化合物として、アセチルセルロースを用いる場合、ペースト組成物の印刷性及び後述する透明基板の耐熱温度以下の温度での焼成によって容易に除去し得る観点から、置換度が2〜2.3程度のアセチルセルロースを使用することが好ましい。
一方、前記セルロースエーテルは、セルロースにおける水酸基の少なくとも一つがエーテル化された化合物であり、前述した性状を有するセルロースエーテルとして、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、シアンエチルセルロースなどを挙げることができるが、これらの中ではメチルセルロース及びエチルセルロースが好ましい。
このセルロースエーテルにおいては、エーテル化の置換度によって、溶媒に対する溶解性が異なる。
メチルセルロースの場合、メトキシ化度が3〜10質量%においては、溶媒としてアルカリ水溶液を挙げることができ、非溶媒として水を挙げることができる。メトキシ化度が22〜32質量%においては、溶媒として、アルカリ水溶液、冷水、メタノール/塩化メチレンなどを挙げることができ、非溶媒として、温水、メタノール、ジエチルエーテル、塩化メチレンなどを挙げることができる。また、メトキシ化度が40質量%以上においては、溶媒として、クロロホルム、アセトン、ピリジン、エステルなどを挙げることができ、非溶媒として、エタノール、ジエチルエーテル、水、芳香族炭化水素化合物などを挙げることができる。
エチルセルロースの場合、置換度(グルコース基当たり、エトキシ基のモル数を指し、完全エーテル化の場合、置換度は3となる。)が1.0〜1.5においては、溶媒として、ピリジン、ギ酸、酢酸、冷水などを挙げることができ、非溶媒として、エタノールを挙げることができる。置換度が2においては、溶媒として、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラヒドロフランなどを挙げることができ、非溶媒として、炭化水素化合物、四塩化炭素、トリクロロエチレン、エステル、水などを挙げることができる。置換度3においては、溶媒として、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、アルコール、エステルなどを挙げることができ、非溶媒としては、デカリン、キシレン、四塩化炭素などを挙げることができる。
これらのセルロース系化合物の中で、ペースト組成物の印刷性、得られる光半導体多孔質膜の性能及び入手性などの観点から、エチルセルロースが好ましく、特にエーテル化置換度が1.3〜1.5の範囲にあるエチルセルロースが好適である。
なお、後述のテルペン系溶媒は、エーテル化置換度1.3〜1.5程度のエチルセルロースの良溶媒として知られている。
<アクリル系樹脂>
本発明において、当該(B)成分の有機バインダとして用いられるアクリル系樹脂としては、分子内にヒドロキシ基やカルボキシ基などの親水性基を有しないものが好ましく、例えば下記一般式(1)
Figure 2011008956
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基又は炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)
で表される(メタ)アクリレート化合物の中から選ばれる一種の単量体の単独重合体、二種以上の単量体の共重合体、又は一種以上の単量体と、他の共重合可能な単量体一種以上との共重合体を挙げることができる。
前記一般式(1)において、R2のうちの炭素数1〜15のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、シクロペンチル基、各種ヘキシル基、シクロヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基などを挙げることができる。なお、前記の各種ペンチル基などの各種アルキル基は、同一炭素数における異性体基全てを含むアルキル基である。
2のうちの炭素数6〜15のアリール基は、芳香環上に、低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などを挙げることができる。また、R2のうちの炭素数7〜15のアラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、例えばベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などを挙げることができる。
前記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、キシリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なお、前記アルキル(メタ)アクリレートにおけるアルキル基は各種異性体を包含する。また(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの両方を指す。
本発明において、(B)成分の有機バインダとして用いるアクリル系樹脂は、前記の(メタ)アクリレート化合物の中から選ばれる一種の単量体の単独重合体であってもよく、また、前記の(メタ)アクリレート化合物の中から選ばれる二種以上の単量体の共重合体であってもよい。
さらには、前記の(メタ)アクリレート化合物の中から選ばれる一種以上の単量体と、共重合可能な他の単量体一種以上との共重合体であってもよい。
前記の(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な他の単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類などの中から選ばれる少なくとも一種の単量体を挙げることができる。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、未架橋のものが好ましい。架橋アクリル系樹脂は、溶媒溶解性に極端に劣るからである。
本発明においては、アクリル系樹脂として、ペースト組成物の印刷性、得られる光半導体多孔質膜の性能及び入手性などの観点から、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどを好ましく用いることができる。これらのアクリル系樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアクリレートは、一般に溶媒として、芳香族炭化水素化合物、塩素化炭化水素化合物、テトラヒドロフラン、エステル、ケトンなどを挙げることができ、非溶媒として、脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン化ナフタリン、ジエチルエーテル、水などを挙げることができる。また、ポリメタクリレートは、一般に溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼン、ジオキサン、メチルエチルケトン、酢酸などを挙げることができ、非溶媒として、ヘキサン、シクロヘキサン、ガソリン、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、ホルムアミド、水などを挙げることができる。
((C)混合溶媒)
本発明のペースト組成物においては、(C)成分の混合溶媒として、溶媒(a)と溶媒(b)との混合溶媒を用いる。
上記溶媒(a)は、主溶媒であって、前述した(B)成分の有機バインダの溶解性パラメータSP値との差が4(MPa)1/2以下であるSP値を有し、かつ上記溶媒(b)は、該(B)成分の有機バインダのSP値との差が6(MPa)1/2以上であるSP値を有すると共に、溶媒(b)の沸点が、溶媒(a)の沸点よりも高いことを要する。
<溶解性パラメータ(SP値)>
本発明においては、(B)成分の有機バインダの溶媒溶解性を溶解性パラメータ(SP値)により特定する。
この溶解性パラメータ(SP値)は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論によって下記式により定義された値であり、ヒルデブラント(Hildebrand)パラメータとも呼ばれる。
SP値=CED1/2=(ΔE/V)1/2=[(ΔH−RT)/V]1/2
[CEDは分子の凝集エネルギー密度、ΔEは蒸発エネルギー(cal/ml)、Vはモル容積(cm3/mol)、ΔHは蒸発潜熱(cal/mol)、Rはガス定数(1,987cal/mol)、Tは絶対温度(K)である。]
このSP値の単位は、cal1/2cm-3/2(SPSとする)とMPa1/2(SPSIとする)があり、SPSIとSPSとの間に、下記の関係式が成り立つ。
SPSI(MPa)1/2=2.0455×SPS(cal1/2cm-3/2
(The American Institute for Conservation;「The Book and Paper ANNUAL」第3巻、1984年を参考)
本発明においては、SP値として上記SPSIを採用する。2つの成分のSP値の差が小さいほど溶解度が大となることが経験的に知られている。
すなわち、主溶媒である溶媒(a)は、(B)成分である有機バインダの良溶媒であり、一方溶媒(b)は、該有機バインダの貧溶媒であり、かつ溶媒(a)よりも高沸点を有すると共に、溶媒(a)と相溶性の低いものが好ましい。
なお、前記溶媒(a)と溶媒(b)との相溶性が低くなりすぎて、それらが均一に混合せずに液分離すると、均質なペースト組成物が得られなくなる。このような場合は、後述するように、(D)成分として、沸点が溶媒(b)よりも低く、かつ溶媒(a)及び溶媒(b)に対する相溶化剤を加えて、ペースト組成物を均質化することが好ましい。
<細孔径拡大のメカニズム>
前記のようにしてペースト組成物中に均一に混合されている溶媒(b)は、印刷後のペースト組成物乾燥時において、主溶媒である溶媒(a)及び相溶化剤よりも蒸発性が低いために、その存在割合が大きくなり、その結果溶媒(b)に溶解しない有機バインダが分離析出する。また、さらに濃度が高まると溶媒(a)に混合できない状態となり、溶媒(b)がペースト組成物中で析出して、粒子間に存在することになる。これらの相分離現象により、粒子間に有機バインダ析出物及び溶媒(b)由来の空間を形成することができる。その後、溶媒(a)を乾燥させ、さらに溶媒(b)を乾燥除去したのち、焼成処理によって、有機バインダを燃焼除去することにより、粒子間の広い細孔構造を有する光半導体多孔質膜を形成することができる。当該ペースト組成物においては、有機バインダを多く添加することなく、効果的に粒子間を広げることができるため、ペースト組成物の印刷性の低下が起こりにくく、印刷性を良好に維持することができる。
<溶媒(a)>
溶媒(a)は、前述した(B)成分の有機バインダであるセルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂とのSP値の差が4(MPa)1/2以下であることを要する。該SP値の差が4(MPa)1/2を超えると、溶媒(a)は、(B)成分の有機バインダを良好に溶解することができないため、前述した細孔径拡大のメカニズムが充分に発揮されず、本発明の目的が達せられない。
前記SP値の差は、好ましくは3(MPa)1/2以下、より好ましくは2(MPa)1/2以下である。
また、溶媒(b)よりも沸点が低く、該溶媒(b)との沸点差は、前述した細孔径拡大のメカニズムを充分に発揮させる観点から、30℃以上であることが好ましい。また、沸点差の上限は、通常200℃程度である。
(B)成分の有機バインダがセルロース系化合物、特にエチルセルロースである場合、溶媒(a)としては、ペースト組成物の印刷適性、特にスクリーン印刷適性の観点から、テルペン系溶媒が好ましい。
テルペンとは、一般にイソプレン則に基づいた炭素数5を単位とする多量体の総称で、植物精油の中に多く含まれており、例えば(C58)n(n≧2)などで表される炭化水素及びそれらの誘導体であり、含酸素化合物並びに不飽和度を異になるものも包含する。nの数によりモノテルペン(n=2)、セスキテルペン(n=3)、ジテルペン(n=4)、トリテルペン(n=6)、テトラテルペン(n=8)、ポリテルペン(n>8)と称せられる。
当該溶媒(a)において用いられるテルペン系溶媒は、低多量体であるモノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
モノテルペン系化合物としては、非環式テルペンとして、例えばシトロネロール、ロジノール、ゲラニオール、リナロール、ジヒドロリナロール、ミルセノールなどが挙げられ、単環式テルペンとして、例えばイソプレゴール、メントール、ターピネオール、ジヒドロターピネオールなどが挙げられ、2環式テルペンとして、例えばミルテノール、ピノカルペオール、ボルネオール、イソボルネオールなどが挙げられ、誘導体として、例えばイソボルニルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
セスキテルペン系化合物としては、非環式テルペンとして、例えばファルネソール、ネロリドール、デヒドロネドリロールなどが挙げられ、単環式テルペンとして、例えばα−ビサボロールなどが挙げられ、2環式テルペンとして、例えばβ−サンタロールなどが挙げられ、3環式テルペンとして、例えばセドロール、バチュリアルコールなどが挙げられる。
本発明においては、これらのテルペン系溶媒の中から、(B)成分の有機バインダとのSP値の差が4(MPa)1/2以下、好ましくは3(Mpa)1/2以下、より好ましくは2(MPa)1/2以下のSP値を有する溶媒を選択する。
例えば、前記有機バインダとして、SP値が20(MPa)1/2のエチルセルロースを用いる場合、テルペン系溶媒としては、SP値が18(MPa)1/2であるターピネオールを使用することができる。
また、テルペン系溶媒以外に、SP値が16.6(MPa)1/2であるテレビン油も用いることができる。
一方、(B)成分の有機バインダとして、例えばSP値が19(MPa)1/2であるポリメチルメタクリレートを用いる場合、溶媒(a)として、SP値が、18.7(MPa)1/2であるベンゼン、18.3(MPa)1/2であるトルエン、18.2(MPa)1/2であるキシレンなどの芳香族炭化水素化合物を使用することができる。
<溶媒(b)>
溶媒(b)は、(B)成分である有機バインダのSP値との差が6(MPa)1/2以上であるSP値を有すると共に、その沸点が溶媒(a)よりも高いものであることを要する。
前記SP値との差が6(MPa)1/2未満であると、該有機バインダの溶媒(b)に対する非溶解性が不充分となり、前述した細孔径拡大のメカニズムが充分に発揮されず、本発明の目的が達せられない。
前記SP値の差は、好ましくは8(MPa)1/2以上、より好ましくは10(MPa)1/2以上である。
また、溶媒(a)よりも沸点が高く、該溶媒(a)との沸点差は、前述した細孔径拡大のメカニズムを充分に発揮させる観点から、30℃以上であることが好ましい。また、沸点差の上限は、通常200℃程度である。
(B)成分の有機バインダがセルロース系化合物、例えばSP値が20(MPa)1/2のエチルセルロースであり、溶媒(a)として沸点219℃のターピネオールを用いる場合、溶媒(b)としては、例えばトリエチレングリコール[SP値:28(MPa)1/2、沸点:287℃]、グリセリン[SP値:36(MPa)1/2、沸点:290℃]などを用いることができる。
また、(B)成分の有機バインダがアクリル系樹脂、例えばSP値が19(MPa)1/2であるポリメチルメタクリレートであり、溶媒(a)として沸点が111℃のトルエンを用いる場合、溶媒(b)としては、例えばトリエチレングリコール(前出)、グリセリン(前出)、エチレングリコール[SP値:35(MPa)1/2、沸点:197℃]、プロピレングリコール[SP値:31(MPa)1/2、沸点:188℃]などを用いることができる。
本発明においては、混合溶媒[溶媒(a)と溶媒(b)との合計]における溶媒(b)の含有量は、細孔径拡大のメカニズムを充分に発揮させる観点から、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましい。
((D)相溶化剤)
本発明のペースト組成物においては、前記の溶媒(a)と溶媒(b)とが均質に混合せずに液分離が生じる場合には、(D)成分として、前記溶媒(b)よりも沸点が30℃程度以上低い、前記溶媒(a)及び溶媒(b)に対する相溶化剤を含有させることが好ましい。
この相溶化剤としては、アルカンジオールやアルカントリオールなどの脂肪族多価アルコールが好適である。アルカンジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、テトラメチレンエーテルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。
一方、アルカントリオールとしては、例えばグリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
これらの相溶化剤は、溶媒(b)の沸点よりも30℃程度以上低い沸点を有するものを適宜選択して用いることが好ましく、また一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のペースト組成物における前記相溶化剤の含有量は、相溶化剤としての機能を充分に発揮し得る量であればよく、特に制限はない。
(ペースト組成物の性状)
本発明のペースト組成物においては、前述した(A)成分の半導体粒子と、(B)成分の有機バインダとの含有割合は、得られる光半導体多孔質膜の性能の観点から、質量比で1:0.01〜1:5の範囲が好ましく、1:0.1〜1:1の範囲がより好ましい。
本発明のペースト組成物を塗布する方法としては、バーコーター法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ナイフコーター法、などが挙げられるが、パターニング性などに優れているスクリーン印刷法やグラビア印刷法を用いることが好ましい。なお、(A)半導体粒子は塗布方法によってその固形分含有量を適正なものとすることが好ましい。
また、(B)有機バインダ、溶媒(a)、溶媒(b)及び必要に応じて用いられる相溶化剤の含有量は、ペースト組成物の粘度が下記の条件を満たすように適宜選定することが好ましい。
当該ペースト組成物は、印刷塗膜の印刷ダレを抑制する観点から、動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃及びせん断速度1s-1の条件で測定した際の粘度が10〜1,000Pa・sであることが好ましく、10〜500Pa・sであることがより好ましい。また、温度25℃及びせん断速度0.01s-1の条件で測定した際の粘度が200〜5,000Pa・sであることが好ましく、500〜2,000Pa・sであることがより好ましい。
次に、本発明の光半導体多孔質膜について説明する。
[光半導体多孔質膜]
本発明の光半導体多孔質膜は、色素増感型太陽電池用であって、透明導電性基材の表面に、前述したペースト組成物を用いて形成されてなる塗膜を焼成することに得られたことを特徴とする。
(透明導電性基材)
本発明に光半導体多孔質膜が形成される透明導電性基材としては、特に制限はないが、通常ガラス基板などの透明基板と、その上に形成される、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、あるいはこれらの表面に酸化スズ又はフッ素ドープ酸化スズの被膜を設けた光透過性の透明導電膜から構成された基材が用いられる。
この透明導電性基材の表面に、前記ペースト組成物を前述した方法により、パターニング印刷によって塗布し、必要に応じて乾燥させたのち、空気中550℃程度以下の温度で焼成することにより、光半導体多孔質膜が形成される。
さらに、このようにして得られた光半導体多孔質膜に、四塩化チタン水溶液を塗布または浸漬し、空気中550℃程度以下の温度で焼成するのが好ましい。その理由は、光半導体多孔質膜中の酸化物半導体微粒子同士の接触部分の電子移動性が向上するからである。
この光半導体多孔質膜の厚さは、1〜100μmが好ましく、より好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
次に、本発明の色素増感型太陽電池について説明する。
[色素増感型太陽電池]
本発明の色素増感型太陽電池は、透明導電性基材、光半導体多孔質膜、電解質及び導電膜を有する色素増感型太陽電池であって、前記透明導電性基材と、前記導電膜間に、前述の色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を介在させたことを特徴とする。
(色素増感型太陽電池の作製)
図1は、本発明の色素増感型太陽電池(直列モジュール型)の一例を示す構成図であって、この図1を参照にして、上記太陽電池の作製方法について説明する。
まず、表面に透明導電膜2を有する透明基板1の該透明導電膜2上に、前述した本発明のペースト組成物を、印刷法、好ましくはスクリーン印刷法により、非印刷部分及び印刷部分のパターニング印刷を行う。印刷後、レベリング処理した塗膜を大気圧下、450〜550℃程度の温度で、30〜60分間程度加熱焼成させることで、塗膜中の有機バインダを除去し、光半導体多孔質膜7を作製する。
この際得られる光半導体多孔質膜7はスクリーン版のメッシュ数を変えることで厚みをコントロールすることが可能である。ペースト中の半導体濃度を考慮して印刷時の塗布量をコントロールし、膜厚が1μmから100μmの範囲で形成することが好ましい。さらに好ましくは5μm〜30μmである。
次いで、絶縁膜6、触媒膜(図示せず)、導電膜(対向電極)5を順次形成していく。この際、導電膜5は隣接する透明導電膜2へ直接接触させるように印刷する。
作製した積層印刷膜を色素溶液に浸漬することで、光半導体多孔質膜に色素吸着を行う。吸着後の対向電極5を、封止材3と電解液注入口を具えている基板(図示せず)で密閉した後、電解液注入口より電解液を注入し封じることで、太陽電池モジュールを作製する。
なお、図1は、電解液注入後、未封止の状態を示している。
<色素>
光半導体多孔質膜に吸着させる色素としては、例えば、金属錯体系色素、有機色素等を用いることができる。金属錯体系色素としては、金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン等やルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛を1以上含有する錯体等の金属錯塩が挙げられる。なかでも、ルテニウム金属錯体を好ましく用いることができ、その中でもルテニウムビピリジン錯体、ルテニウムターピリジン錯体が好ましい。一方、有機色素としては、クマリン誘導体系色素、ポリエン系色素、メロシアニン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、スチリル系色素、キサンテン系色素等などが挙げられる。なかでも、クマリン誘導体系色素を好ましく用いることができる。
<電解質(電解液)>
前記電解液の具体例としては、ヨウ素系電解質、臭素系電解質、セレン系電解質、硫黄系電解質等各種の電解質を用いることが可能であり、I2、LiI、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨージド等をアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカボネート等の有機溶媒に溶かした溶液等が好適に用いられる。
<対向電極>
対向電極は、例えば、裏面にフッ素ドープ酸化スズなどの導電膜を設けた導電性ガラス、Al、SUSなどの金属、ガラス及びプラスチックなどから構成される基板と、その上に形成されるPt、C、Ni、Cr、ステンレス、フッ素ドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ及びスズドープ酸化インジウムなどの導電膜と触媒成分Pt、C、酸化パラジウムなどから構成される。
透明導電性基板を1枚のみで構成する図1のようなモジュールを形成する場合には、導電性物質としてPt、C、Ni、Cr、ステンレス、フッ素ドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ及びスズドープ酸化インジウムなどの導電膜と触媒成分Pt、C、酸化パラジウムなどの構成材料を隣り合うどちらか一方の透明導電性膜に接するように絶縁膜(絶縁性多孔質膜)上に形成する。
本発明の色素増感型太陽電池は、細孔径を拡大すると共に、強度のある膜構造を有する光半導体多孔質膜を備えてなる高性能な太陽電池であるが、さらに図1における透明導電膜2と光半導体多孔質膜7との間に、膜厚が0.1〜100μm程度の酸化チタン薄膜からなる逆電子反応抑制膜を介在させてもよい。これにより逆電子反応が抑制され、より高い性能を有する色素増感型太陽電池を作製することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1−1
半導体粒子として、平均粒子径25nmの酸化チタン粒子エタノール分散液を酸化チタン粒子として25質量%用いると共に、有機バインダとしてエチルセルロース[SP値:20(MPa)1/2]を12.5質量%用い、これらをエタノールに均一に溶解又は分散させたのち、これに溶媒(a)として、ターピネオール[SP値:18(MPa)1/2、沸点:219℃]59.5質量%と、溶媒(b)として、グリセリン[SP値:36(MPa)1/2、沸点:290℃]3.0質量%との混合溶媒を添加して、均一な混合分散液を得た。
次いで、この混合分散液をエバポレータに付して、エタノールを除去することで、ペースト組成物を調製した。
このペースト組成物について、下記の方法により、粘度特性を測定すると共に、印刷性、成膜性及び細孔径の評価を行った。結果を表2に示す。
<粘度特性>
動的粘弾性試験装置[ジャスコインターナショナル社製、機種名「VAR−50」]を用い、温度25℃にて、せん断速度1S-1及び0.01S-1の条件で、それぞれ測定した。
<印刷性の評価>
自動スクリーン印刷機[マイクロテック社製、機種名「MT−320TV」]での印刷において、下記の判定基準で評価した。
◎:自動連続印刷性が良好。 ○:自動印刷可能。
△:自動印刷性は不良であるが、手動印刷可能。
<成膜性の評価>
焼成後の膜の外観が割れているものや乾燥時に均一膜になっていないものは×という評価をし、良好なものを○とした。
<細孔径の評価>
焼成後の多孔質膜を細孔分布測定装置[日本ベル社製、機種名「BEL−SORP II」]を用い、ガラス基板より剥離させた多孔質膜粉末の細孔分布を測定した。
実施例1−2〜実施例1−7
実施例1−1において、溶媒(a)、溶媒(b)及び必要に応じて用いられる相溶化剤として、表1に示す種類のものを、表1に示す添加量で用いた以外は、同様にして各種のペースト組成物を調製した。
この各種のペースト組成物について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1−1の溶媒において、グリセリンを添加せずその分ターピネオールの添加を増やした以外は、同様にしてペースト組成物を調製した。
このペースト組成物について、実施例1−1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2−1
透明導電性ガラス基板をレーザースクライブ装置を用いてパターニングし、実施例1−1で得たペースト組成物を用いて図1のように位置する様スクリーン印刷法により塗布し、次いで大気圧下、500℃にて60分間焼成して、光半導体多孔質膜である酸化チタン多孔質膜(7)を形成した。
次に、この酸化チタン多孔質膜を、四塩化チタン水溶液に浸漬後、大気圧下、450℃にて30分間焼成処理したのち、ZrO2ペーストを塗布し、焼成し、次いで大気圧下、500℃にて60分間焼成して絶縁性多孔質膜(6)を形成した。また、カーボンブラック20質量%とグラファイト80質量%の混合カーボンペーストを塗布乾燥し、導電膜(5)を形成し、図1のような積層構造を作製した。酸化チタン多孔質膜に光増感色素を吸着させるために0.3mmol/LのRu金属錯体N719色素エタノール溶液(Solaronix社製、「Ruthenium 535−bisTBA」)に24時間浸漬させた。その後、封止し直列モジュールを作製した。電解液はSolaronix社製の「Iodolyte PMI−50」を用いた。このモジュールについて、下記の方法に従って光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
<光電変換特性の評価>
AM1.5、JIS−クラスAの分光放射特性を持つソ−ラ−シミュレ−タ−(山下電装社製、「YSS80A」)を用いた。作製したモジュールに模擬太陽光を、100mW/cm2の照射条件で連続的に照射し、電流電圧測定装置(ADVANTEST 「R6324」)にてI−V特性を測定することによって、短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、形状因子FF、変換効率を求めた。
実施例2−2〜実施例2−7
実施例2−1において、実施例1−1で得たペースト組成物の代わりに、それぞれ実施例1−2〜実施例1−7で得たペースト組成物を用いた以外は、実施例2−1をと同様にして、直列モジュールを作製して光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
比較例2
実施例2−1において、実施例1−1で得たペースト組成物の代わりに、比較例1で得たペースト組成物を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、直列モジュールを作製して光電変換特性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2011008956
表1に示される実施例1−1〜1−7及び比較例1においては、半導体粒子として、平均粒子径25nmの酸化チタン粒子を25質量%使用し、有機バインダとして、SP値が20(MPa)1/2のエチルセルロースを12.5質量%使用した。
また、表1に示される各成分の添加量の質量%は、酸化チタン粒子と、エチルセルロースと、溶媒(a)と、溶媒(b)と、必要に応じて用いられる相溶化剤との合計量中の割合を示す。
Figure 2011008956
Figure 2011008956
表3から、実施例2−1〜2−7では、変換効率が3.65〜4.03%であるのに対し、比較例2は2.40%であるように、大幅な変換効率の改善が見られる。これは、短絡電流密度Jsc及び形状因子FFが向上しているからである。この要因として、光半導体多孔質膜である酸化チタン多孔質膜の細孔内が広がったことに起因して、スムーズなイオン拡散が行われることにより、FFが改善されると共に、Jscが向上したものと思われる。
本発明の色素増感型太陽電池用の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物は、細孔径が拡大され、かつ強度のある膜構造の光半導体多孔質膜を形成することができる。該光半導体多孔質膜を備えてなる本発明の色素増感型太陽電池は、高い性能を有するものとなる。
1 透明基板
2 透明導電膜
3 封止材
4 電解質
5 導電膜(対向電極)
6 絶縁膜
7 光半導体多孔質膜

Claims (7)

  1. (A)チタン化合物半導体粒子、(B)セルロース系化合物及び/又はアクリル系樹脂、及び(C)溶媒(a)と溶媒(b)との混合溶媒を含む、色素増感型太陽電池用のペースト組成物であって、前記溶媒(a)が、前記(B)成分の溶解性パラメータSP値との差が4(MPa)1/2以下であるSP値を有し、かつ前記溶媒(b)が、該(B)成分のSP値との差が6(MPa)1/2以上であるSP値を有すると共に、溶媒(b)の沸点が、溶媒(a)の沸点よりも高いことを特徴とする光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物。
  2. 混合溶媒における溶媒(b)の含有量が0.1〜20質量%である請求項1に記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物。
  3. 溶媒(a)と溶媒(b)との沸点の差が30℃以上である請求項1又は2に記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物。
  4. さらに、(D)沸点が溶媒(b)よりも30℃以上低い、溶媒(a)及び溶媒(b)に対する相溶化剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物。
  5. 動的粘弾性試験装置を用い、温度25℃及びせん断速度1s-1の条件で測定した際の粘度が10〜1,000Pa・sであり、かつ温度25℃及びせん断速度0.01s-1の条件で測定した際の粘度が200〜5,000Pa・sである粘度特性を有する請求項1〜4のいずれかに記載の光半導体多孔質膜形成用ペースト組成物。
  6. 透明導電性基材の表面に、請求項1〜5のいずれかに記載のペースト組成物を用いて形成されてなる塗膜を焼成することにより得られたことを特徴とする色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜。
  7. 透明導電性基材、光半導体多孔質膜、電解質及び導電膜を有する色素増感型太陽電池であって、前記透明導電性基材と、前記導電膜間に、請求項6に記載の色素増感型太陽電池用光半導体多孔質膜を介在させたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
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