JP2005142011A - 色素増感型太陽電池の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業化に適する酸化チタン微粒子表面の改質方法を提供し、もって色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させる製法を提供することを課題とする。
【解決手段】酸化チタンの微粒子が凝集してなる多孔質性の半導体電極膜の微粒子表面に一般式[1]で表される加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布する工程を有することを特徴とする色素増感型太陽電池の製法。
TiCl4−X(OR) [1]
ここで、Xは、0超4未満であり、Rは炭素数が1乃至10のアルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化チタン微粒子表面を効率良く改質することで、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させる製法に関する。
現在に広く普及しているシリコン系太陽電池は、原料が高価で製造コストが掛かる等の問題があり、代替となる太陽電池が精力的に研究されている。中でも、Graetzelら(特許文献1、非特許文献1)によって提案されたルテニウム錯体等の色素が担持された酸化チタン等の多孔質性酸化物からなる半導体電極膜を用いる色素増感型太陽電池が、使用される原料の廉価さや、大面積化の容易さから様々な機関で活発に研究されている。
しかし、特許文献1及び非特許文献1で得られている色素増感型太陽電池は、量産には不向きであるが、変換効率が、10%と、様々な機関で研究されている色素増感型太陽電池と比べて、最高級のレベルである。この要因としては、次ぎの点があげられる。
1)色素増感型太陽電池には、レドックス電解液(I/I 系)の液体電解液が使用されており、該電解液の一部が多孔質性の半導体電極膜を通過し、電極に達するので電気的にショートし、変換効率の低下をもたらす。これに対し、特許文献1及び非特許文献1で得られている多孔質性酸化物からなる半導体電極膜は、電極も兼ねた金属チタン基材上に形成されたものである。金属チタンには、通常、不動態の酸化物膜が形成されており、色素増感型太陽電池の作製過程で、これが結晶化し、前記半導体電極膜と一体化する。不動態由来の半導体電極膜は多孔質ではなく、緻密なものであるため、前記ショートを防ぐ。
2)特許文献1及び非特許文献1で得られている多孔質性酸化物からなる半導体電極膜は、酸化チタンの前駆体を有する溶液を加水分解乃至重縮合反応させて得られた塗布液を、基材に塗布乃至焼成して得られたもので、該方法による多孔質性酸化物からなる半導体電極膜は、電極との密着が良好で、半導体電極膜と電極間の抵抗が小さい。
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1で得られている色素増感型太陽電池は、前述したとおり、量産には不向きである。なぜなら、1回の塗布乃至焼成で得られる半導体電極膜の膜厚は、0.5μmが限度であり、発電に必要な5μm程度の膜厚を得るためには、何回もの塗布液の塗布乃至焼成が必要だからである。
前記問題を克服するため、酸化物半導体微粒子を有する塗布液を基材に塗布して得られる酸化物半導体微粒子が凝集してなる多孔質性の半導体電極膜が開示され(例えば、特許文献2)、該半導体電極膜は、少ない塗布回数で厚膜の多孔質性の半導体電極膜を得ることができる。又、入射光を効率良く色素増感型太陽電池に取り込むために該半導体電極膜を透明導電膜上に形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3)。現在のところ、これら両方式を採用した色素増感型太陽電池の開発の主流となっている。
しかし、該主流の色素増感型太陽電池は、特許文献1及び非特許文献1での前記1)及び2)の利点が損なわれていることが問題となっている。すなわち半導体電極膜の耐ショート性、及び半導体電極膜の導電膜への密着が乏しいことである。加えて、微粒子による半導体電極膜なので、全ての微粒子同士の接触が完全ではないので、一部の微粒子は透明導電膜と導通せず、光電変換した際に発生した電子が電解質の酸化反応に費やされるという問題も生じている。結果、現在、開発の主流となっている色素増感型太陽電池は、変換効率が低いものとなっている。
上記であげた欠点の一つである微粒子同士の接触性を改善しようと、特許文献4では、酸化チタンの微粒子が凝集してなる多孔質性の半導体電極膜の微粒子表面にTiClを有する溶液を塗布する方法が開示されている。又、特許文献5では、金属酸化物半導体材料の表面に前記半導体材料と同じ金属アルコキシド及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布し焼成する方法が開示されている。しかしながら、特許文献4の方法では、TiClが不安定なこともあり、工業的な応用には難しく、特許文献5の方法では、得られる色素増感型太陽電池の光電変換効率の上昇もわずかであった。
特開平1−220380号公報 特開平10−92477号公報 特公平8−15097号公報 Brian O’Regan、 Michael Graetzel、"A low-cost, high-efficiency Solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films"、NATURE 、第353巻、737頁〜740頁、1991年
本発明は、工業化に適する酸化チタン微粒子表面の改質方法を提供し、もって色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させることに適した製法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を鑑みてなしたものである。すなわち、本発明の色素増感型太陽電池の製法は、酸化チタンの微粒子が凝集してなる多孔質性の半導体電極膜の微粒子表面に一般式[1]で表され、酸化チタン(TiO)を生成可能な加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布する工程を有することを特徴とする。
TiCl4−X(OR) [1]
ここで、Xは、0超4未満であり、Rは炭素数が1乃至10のアルキル基、又はアルコキシル基を表す。又、溶液の安定性、得られる色素増感型太陽電池の光電変換効率を鑑み、Xの範囲を2.5以上3.5以下とすることが好ましい。2.5未満では、溶液の安定が劣る傾向にあり、3.5超では、得られる色素増感型太陽電池の光電変換効率が下がる傾向にあるからである。
TiCl4−x(OR)の作製方法は、塩化チタンとアルコールを混合加熱する方法、アルカリ金属(アルカリ土類金属)アルコキシドと塩化チタンを混合する方法、チタンアルコキシドと塩化チタンを混合する方法などがある。
例えば、TiCl4−x(OR)は、TiClとTi(OR)の混合で形成する場合、この混合比によってXの値が決まる。TiCl4−x(OR)は、化学的には、アルコキシド基と塩素との交換反応が分子間で平衡となっている状態である。つまり、TiCl4−x(OR)は、TiCl、TiCl(OR)、TiCl(OR) 、TiCl(OR) 、Ti(OR)の5つの分子が平衡状態にあり、塩素及びアルコキシド基とが交換反応を繰り返しており、TiCl(OR)、TiCl(OR) 、及びTiCl(OR) が100%近くを占めている。
TiClは、加水分解されやすく、その蒸気は刺激臭があり、大気中では激しく発煙するので、該物質を用いる工業化には非常な困難が伴う。他方、Ti(OR)は加水分解反応がTiClと比べて激しいわけではないが、その加水分解物は、経時的に脱水縮合し巨大分子化し、溶液は増粘する。結果、溶液は使用に耐え難くなる。従って、Ti(OR)を用いる工業化には、水分量の管理等の厳密な溶液な管理を必要とする。
TiCl4−x(OR)は、Clが存在するためにTiCl4−x(OR)x のアルコキシド基が、OH基に置換される加水分解が阻害される。すなわち、当該物質は、溶液中で安定であり、工業的な使用には非常に適するものである。従って、当該物質を含んだ溶液で酸化チタン微粒子表面の改質する方法は、工業的に極めて優れた方法であり、容易に微粒子同士の接触性(結合性)を改善することできる。
上記加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を微粒子に塗布後、半導体電極膜を400℃乃至600℃で加熱することにより、微粒子同士の結合が改善された多孔質性の半導体電極膜を有する色素増感型太陽電池を得ることが可能となる。
本発明の色素増感型太陽電池の製法は、半導体電極膜中の酸化チタン微粒子同士の結合性を改善する。又、当該改善させる手法が工業的に安定なものなので、光電変換効率に優れる色素増感型太陽電池を安定的に製造することに奏功する。
本発明の色素増感型太陽電池の製法は、酸化チタンの微粒子が凝集してなる多孔質性の半導体電極膜の微粒子表面に一般式[1]で表される加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布する工程を有することを特徴とする。
TiCl4−X(OR) [1]
ここで、Xは、0超4未満であり、Rは炭素数が1乃至10のアルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。Rの具体的な例としては、−CHCH(CHCH(nは0〜7)、−CHC(CHCH(nは0〜6)、−CHC(CH(nは0〜5)、−CCHCH(CHCH(nは0〜6)、−(CHCH(nは0〜9)、−COC、−CHOCH、COCH、−CHOC等がある。
上記加水分解性チタン化合物を溶媒に含有させ、加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物がTiO換算で0.01M乃至5.0Mとなるように溶液を調製する。半導体電極膜の改質、すなわち、酸化チタン微粒子同士の結合性改善のためには、0.01M以上とすることが好ましい。一方、加水分解性チタン化合物の含有量が溶媒に対して高いと、半導体電極膜の空孔が小さくなりすぎ、半導体電極膜への色素の導入量が少なくなり、色素増感型太陽電池の光電変換効率が下がるので、5.0M以下とすることが好ましい。
前記溶媒には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシメタノール、2−エトキシエタノール等の低級アルコール、ヘキサン、ヘクタン等の炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を使用できる。又、必要に応じて、β−ジケトン等のアルコキシド安定剤、界面活性剤等を添加することができる。
多孔質性の半導体電極膜の微粒子表面に溶液を塗布する方法には、浸漬法、スプレー法、カーテンコート法、ロールコート、フレキソ印刷法等を使用することができる。そして、溶液を塗布後には、乾燥を行う。該乾燥には、室温における自然乾燥、汎用のドライヤー等による熱風、高温雰囲気下(例えば、100℃乃至400℃)での強制乾燥等を採用できる。
前記溶液が塗布された半導体電極膜を400℃以上の温度で加熱することで、加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物は、結晶性の酸化チタン(TiO)となり、半導体電極膜中の酸化チタン微粒子同士の結合性が向上する。前記焼成条件は、400℃以上で任意に選択できるが、経済性、色素増感型太陽電池の構成要素の透明導電膜、基材等を考慮すると、その温度は400℃乃至600℃、加熱時間は5分〜60分とすることが好ましい。
加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液が塗布される半導体電極膜は、平均粒径が5nm乃至500nmの範囲にある酸化チタン微粒子が凝集してなる、膜厚が、1μm乃至50μmのものとすることが好ましい。平均粒径を当該範囲内とすることで、半導体電極膜の色素を導入するための空孔(空隙)を確保しつつ、酸化チタン微粒子同士の結合の向上させることができる。尚、ここでの平均粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって得られるもので、30万倍の倍率で酸化チタン膜表面を見て、1画面からランダムに20個の微粒子を選択する。その操作を20回行って抽出された微粒子の粒径サイズの平均として計算されたものである。
前記酸化チタンは、アナタース型、ルチル型等を使用でき、特にアナタース型の酸化チタンがより好ましい。
前記半導体電極膜は、ITO、酸化錫、酸化亜鉛、弗素ドープされた酸化錫等の透明導電膜上に形成されたもので、該透明導電膜は、基材上に形成されたものである。そして、該透明導電膜は、可視光の透過性を有し、抵抗値が20Ω/□以下のものであれば、前記にあげたものに限定されるものではない。
又、前記基材は、可視光の透過性を有していれば、特に限定されるものではなく、フロート法で作製されたソーダ石灰ガラス、石英ガラス、硼珪酸塩ガラス等のガラス板を使用することができ、半導体電極膜の形成時、及び半導体電極膜中の微粒子間の結合性改善時(すなわち、半導体電極膜の改質時)に変形しないものであれば、プラスチック製の透明板も使用することができる。そして、太陽光の光エネルギーを効率良く利用するために、透明導電膜が形成された基材において、その可視光透過率が、"JIS R 3106"(板ガラスの透過率・反射率・日射熱取得率試験方法)に基づいて測定される可視光透過率が60%以上であることが好ましい。
上記加水分解性チタン化合物を用いて改質された半導体電極膜中に導入される色素としては、ルテニウム錯体、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素、9−フェニルキサテン系やメロシアニン系等の色素を使用することができる。
色素が溶液で1mM〜0.1mM程度の濃度となるようにエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール等の溶媒に溶解させ、該溶液 に半導体電極膜を浸漬させる。浸漬時の状態は、室温でも60℃程度の加温状態で行うことができ、さらには色素溶液を還流させても良い。浸漬時間を、室温で12時間程行えば、ほぼ飽和状態で色素を半導体電極膜中に導入させることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液が塗布される前の多孔質性の半導体電極膜が形成された基材は、次の方法にて作製した。
平均粒径20nmのアナタース型の酸化チタン微粒子(日本アエロジル社製)を硝酸(60%)水溶液とイオン交換水とが、重量比で2:98で混合された溶媒に混合した。半導体微粒子と溶媒との混合比は重量比で10:90で、この混合物をボールミルで72時間分散させ酸化チタン微粒子分散溶液を得た。この溶液に酸化チタン微粒子に対して重量比で10倍量の分子量20万のポリエチレングリコールを添加し半導体電極膜形成用塗布剤を得た。
この塗布剤を酸化錫からなる透明導電膜7が被膜された100mm×100mm×1mm(厚)サイズのガラス基材10の透明導膜上にバーコータで塗布、450℃、30分焼成し5μmの膜厚の酸化チタン微粒子が分散してなる半導体電極膜が形成された基材を作製した。
次に、この半導体電極膜が形成された基材の半導体電極膜に、加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布し、半導体電極膜を改質する。この改質工程の詳細は、各実施例にて述べる。
上記改質工程後、色素増感型太陽電池を作製し、光電変換効率を評価した。本実施例で作製した色素増感型太陽電池については、図1を用いて説明する。図1は色素増感型太陽電池1の断面構造を表している。図3に描かれたような断面構造を有するPt電極9が設けられた100mm×100mm×1mm(厚)サイズのガラス基材11からなるカソード電極3、及び図2に描かれたような断面構造を有する色素が導入された多孔質性の半導体電極膜8が形成された基材(透明導電膜7が形成された100mm×100mm×1mm(厚)サイズのガラス基材10)からなるアノード電極2とが半導体電極膜8とPt電極9との間が30μmの空隙を有するように並列させられている。尚、半導体電極膜8への色素の導入は、Ru錯体[cis-di(thiocyanato)-bis(2,2'-bipyridine-4,4'-dicarboxy) ruthenium (II)]5×10-4mol/lのエタノール溶液中に半導体電極膜8を常温で12時間浸漬することで行われたものである。
又、電極周辺が封着材5としてポリエチレンシートで封着され、電極間を電解質4として、ヨウ化リチウム(0.3M)とヨウ素(0.003M)を含むアセトニトリル溶液が充填されている。又、透明電極7及びPt電極9にはリード線6が設置されている。
図示していない疑似太陽光(100mW/cm2 の強度の光)をアノード電極2側から照射し、擬似太陽光により励起された色素から電子が発生し、電子がアノード電極2中の半導体電極膜8内に移動し、半導体電極膜8内に移動した電子を透明導電膜7、リード線6を介して外部回路に取り出すことによって発電される。本実施例ではリード線6に図示していない電流電圧測定装置(北斗電工製ポテンショ・ガルバノスタットHA−501)に接続して、開放電圧(Voc)、光電流密度(Jsc)、形状因子(FF)、変換効率(η)の測定し、色素増感型太陽電池の光電変換効率を評価した。
この場合、Vocとは、色素増感型太陽電池セル・モジュールの出力端子を開放したときの両端子間の電圧を表している。Jscとは、色素増感型太陽電池セル・モジュールの出力端子を短絡させたときの両端子間に流れる電流(1cm2当たり)を表している。又、FFとは、最大出力Pmaxを開放電圧(Voc)と光電流密度(Jsc)の積で除した値(FF=Pmax/Voc/Jsc)をいい、色素増感型太陽電池としての電流電圧特性曲線の良さを表す。ηは、最大出力Pmaxを光強度(1cm2当たりの値)で除した値に100を乗じてパーセント表示した値として求められる。
実施例1
溶媒にエチレングリコールモノエチルエーテルを用いて、TiO換算で1.2MのTi(OiPr)4.0溶液を作製し、又、溶媒にエチレングリコールモノエチルエーテルを用いて、TiO換算で0.4MのTiCl4.0溶液を調製した。
次に各溶液を50mlずつ混合し、TiO換算で0.8MのTi(OiPr)3.0 Cl1.0溶液、すなわち加水分解性チタン化合物を有する溶液を調製した。半導体電極膜8を該溶液に6時間浸漬し、半導体電極膜8を溶液から取り出し、450℃、30分間加熱することで半導体電極膜8を改質した。本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.71V、Jscが13.5mA/cm2、FFが0.76、ηが7.3%と優れた光電変換効率を示した。
実施例2
加水分解性チタン化合物の濃度をTiO換算で0.5Mとした以外は、実施例1と同様の手順とした。本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.73V、Jscが14.0mA/cm2、FFが0.75、ηが7.7%と優れた光電変換効率を示した。
実施例3
加水分解性チタン化合物の濃度をTiO換算で0.3Mとした以外は、実施例1と同様の手順とした。本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.75V、Jscが15.0mA/cm2、FFが0.72、ηが8.1%と優れた光電変換効率を示した。
実施例4
Ti(OiPr)4.0濃度を、TiO換算で1.08Mとし、TiCl4.0の濃度を、TiO換算で0.52Mとした以外は、実施例1と同様の手順で、TiO換算で0.8Mの加水分解性チタン化合物を有する溶液を調製した。本実施例での加水分解性チタン化合物は、Ti(OiPr)2.7 Cl1.3であった。本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.75V、Jscが12.8mA/cm2、FFが0.74、ηが7.1%と優れた光電変換効率を示した。
実施例5
Ti(OiPr)4.0濃度を、TiO換算で0.875Mとし、TiCl4.0の濃度を、TiO換算で0.125Mとした以外は、実施例1と同様の手順で、TiO換算で0.5Mの加水分解性チタン化合物を有する溶液を調製した。本実施例での加水分解性チタン化合物は、Ti(OiPr)3.5Cl0.5であった。本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.73V、Jscが13.4mA/cm2、FFが0.72、ηが7.0%と優れた光電変換効率を示した。
実施例6
Ti(OiPr)4.0濃度を、TiO換算で1.44Mとし、TiCl4.0の濃度を、TiO換算で0.16Mとした以外は、実施例1と同様の手順で、TiO換算で0.5Mの加水分解性チタン化合物を有する溶液を調製した。本実施例での加水分解性チタン化合物は、Ti(OiPr)3.6 Cl0.4であった。本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.70V、Jscが10.3mA/cm2、FFが0.72、ηが5.2%となった。
実施例7
Ti(OiPr)4.0濃度を、TiO換算で0.64Mとし、TiCl4.0の濃度を、TiO換算で0.96Mとした以外は、実施例1と同様の手順で、TiO換算で0.5Mの加水分解性チタン化合物を有する溶液を調製した。本実施例での加水分解性チタン化合物は、Ti(OiPr)1.6 Cl2.4であった。
本実施例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.72V、Jscが13.1mA/cm2、FFが0.74、ηが7.0%であり、優れた光電変換効率を示したが、加水分解性チタン化合物を有する溶液の調製から48時間後には、溶液が白濁していた。
比較例1
半導体電極膜8の改質を行わなかった。本比較例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.68V、Jscが10.2mA/cm2、FFが0.70、ηが4.9%となった。
比較例2
加水分解性チタン化合物をTiClとし、溶媒を水とし、該溶液の濃度を0.7Mとした以外は、実施例1と同様の手順とした。本比較例から得られる色素増感型太陽電池1は、Vocが0.70V、Jscが13.7mA/cm2、FFが0.74、ηが7.1%と、良好な光電変換効率を示したが、本比較例の溶液は、室温で24時間後に白濁し、再度使用することができなかった。
比較例3
加水分解性チタン化合物をTi(OiPr)4.0とし、溶媒をエチレングリコールモノエチルエーテルとし、加水分解性チタン化合物の濃度をTiO換算で0.8Mとした以外は、実施例1と同様の手順とした。本比較例から得られる色素増感太陽電池1は、Vocが0.67V、Jscが9.2mA/cm2、FFが0.70、ηが4.3%となった。
実施例の色素増感型太陽電池の断面である。 実施例のアノード電極の断面である。 実施例のカソード電極の断面である。
符号の説明
1 色素増感型太陽電池
2 アノード電極
3 カソード電極
4 電解質
5 封着材
6 リード線
7 透明導電膜
8 半導体電極膜
9 Pt電極
10 ガラス基材
11 ガラス基材

Claims (3)

  1. 酸化チタンの微粒子が凝集してなる多孔質性の半導体電極膜の微粒子表面に一般式[1]で表される加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布する工程を有することを特徴とする色素増感型太陽電池の製法。
    TiCl4−X(OR) [1]
    ここで、Xは、0超4未満であり、Rは炭素数が1乃至10のアルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。
  2. 加水分解性チタン化合物のXの範囲が2.5以上3.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池の製法。
  3. 加水分解性チタン化合物及び/又はその加水分解物を有する溶液を塗布後、半導体電極膜を400℃乃至600℃で加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の色素増感型太陽電池の製法。
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