JP2016222611A - 外用剤用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む新規な外用剤用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】 (1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤用組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤用組成物に関する。
シクロデキストリン(CyD)は、食品、化粧品、医薬品等広い分野で使用されている。CyDは、環の外部は親水性であるが、内部は疎水性を示す空洞であり、この疎水空洞へ難水溶性化合物を取り込む包接作用により難水溶性化合物を可溶化、安定化、徐放化することが知られている。近年、CyDの高機能化と医薬への有効利用に関する研究の進展はめざましく、薬物送達システム(DDS)の設計や通常製剤の処方改良に不可欠な存在となっている。また、CyDの物性の改善や更なる機能性の向上を企図して、CyDの水酸基に種々の分子を化学的又は酵素的に修飾したCyD誘導体が数多く開発及び研究されている。これら誘導体の中で、ヒドロキシプロピル基を修飾したヒドロキシプロピル-β-CyD(HP-β-CyD)は、β-CyDの水溶解性を改善し且つ生体適合性が高いため、難水溶性化合物を可溶化し、口紅、ローション等の化粧品用途、医薬品用途に使用されている。
例えば、難水溶性薬物のナノ粒子化、超分子複合体の解離平衡を利用した蛋白質性薬物の放出制御、CyDと機能性素材との併用による標的指向性担体の構築等は、新薬開発に匹敵する効果が期待される(非特許文献1)。また、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CyD)や2-ヒドロキシブチル-β-CyD(HB-β-CyD)は、難水溶性薬物の結晶形態や粒子径の制御用担体として有用性が認識されている(非特許文献2及び3)。更に、医薬品製剤への使用実績を有するβ-CyDやHP-β-CyDを用いて既存の医薬品の処方改良、投与形態・服薬コンプライアンス(矯味・矯臭(非特許文献4)、嚥下困難)や使用性の改善、高齢者・小児・障害者に優しい医薬品への再開発を推進することは、ライフサイクルマネジメントや医療経済の面からも意義深い。その際、CyD添加によりバイオアベィラビリティの増大や新機能の発現等、先発医薬品を上回る付加価値が得られる場合は、生物学的同等性の確保に固執することなく、高付加価値製剤として発想を転換することが重要である。この様な背景の元、生体適合性と機能性に優れる各種CyDを用いて、患者に優しいスーパージェネリック製剤の構築が求められる。
疎水化変性アルキルセルロース(ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース:大同化成工業(株)社製の商品名:サンジェロース(SGL))は、パック化粧料のゲル化剤(特許文献1)やヘアケア化粧料の増粘剤(非特許文献5)として使用されている高分子である。パック化粧料に疎水化変性アルキルセルロースを用いることで、炭酸ガスの発泡量及び保持力の向上や、肌からの垂れ防止等の使用性の良さを両立できることが報告されている。また、ヘアケア化粧料に疎水化変性アルキルセルロースを用いることで、伸び、柔軟性及び滑り性等の使用性の良さを両立できることが報告されている。
上釜兼人, シクロデキストリンを基盤にした新規製剤設計へのアプローチ, 薬学雑誌, 132, 85-105(2012).
D. Iohara, M. Hiratsuka, F. Hirayama, K. Takeshita, K. Motoyama, H. Arima, K. Uekama, Evaluation of photodynamic activity of C60/2- hydroxypropyl-β- cyclodextrin nanoparticles, J. Pharm. Sci., 101, 3390-3397 (2012).
T. Ishiguro, E. Morishita, D. Iohara, F. Hirayama, K. Wada, H. Arima, K. Motoyama, K. Uekama, Some pharmaceutical and inclusion properties of 2-hydroxybutyl-β- cyclodextrin derivative, Int. J. Pharm., 419, 161-169(2011).
N. Ono, Y. Miyamoto, T. Ishiguro, K. Motoyama, F. Hirayama, D. Iohara, H. Seo, S. Tsuruta, H. Arima, K. Uekama, Reduction of bitterness of antihistaminic drugs by complexation with β-cyclodextrin, J. Pharm. Sci., 100, 1935-1943(2011)
北村孝普他,特集香粧品用増粘・ゲル化剤の開発と応用 疎水化セルロース増粘剤の特性とヘアケア製品への応用,FRAGRANCE JOURNAL,日本,フレグランスジャーナル社,2007年7月15日,Vol.35, No.7,P. 72-77
本発明は、(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む新規な外用剤用組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、(1)シクロデキストリンと、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とを組み合せることにより、良好な温度感応性を示す外用剤用組成物をとなることを見出した。
また、本発明者は、(1)シクロデキストリンと、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とを組み合せることにより、硬度、崩壊時間、崩壊後の粘性変化、薬物放出挙動等が制御できる、点眼剤、口腔内崩壊錠及び徐放性製剤となることを見出した。
本発明は、以下の外用剤用組成物及び錠剤を提供する。
項1.
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤組成物。
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤組成物。
項2.
前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物が、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、前記項1に記載の外用剤用組成物。
前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物が、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、前記項1に記載の外用剤用組成物。
項3.
前記アルキル変性カルボキシビニルポリマーが、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマー及び(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、前記項2に記載の外用剤用組成物。
前記アルキル変性カルボキシビニルポリマーが、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマー及び(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、前記項2に記載の外用剤用組成物。
項4.
前記疎水化変性アルキルセルロースが、アルキル基変性ヒドロキシエチルセルロース及びアルキル基変性ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、前記項2に記載のである外用剤用組成物。
前記疎水化変性アルキルセルロースが、アルキル基変性ヒドロキシエチルセルロース及びアルキル基変性ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、前記項2に記載のである外用剤用組成物。
項5.
前記疎水化変性アルキルセルロースが、下記構造式(1):
前記疎水化変性アルキルセルロースが、下記構造式(1):
[式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mH、又は、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1である。nは100〜10,000の整数、kは0又は1の整数、mは1〜10の整数、jは6〜26の整数を示す。]
で表されるものであって、
該疎水化変性アルキルセルロースが、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1を必ず含むものである、前記項2に記載の外用剤用組成物。
で表されるものであって、
該疎水化変性アルキルセルロースが、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1を必ず含むものである、前記項2に記載の外用剤用組成物。
項6.
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースが、低級アルキル基:10〜50質量%、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mH:3〜20質量%、及び基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1:0.1〜10質量%を含む前記項5に記載の外用剤用組成物剤。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースが、低級アルキル基:10〜50質量%、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mH:3〜20質量%、及び基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1:0.1〜10質量%を含む前記項5に記載の外用剤用組成物剤。
項7.
前記構造式(1)式に含まれる前記基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1のjの値が18である前記項5又は6に記載の外用剤用組成物。
前記構造式(1)式に含まれる前記基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1のjの値が18である前記項5又は6に記載の外用剤用組成物。
項8.
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む点眼剤。
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む点眼剤。
項9.
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む口腔内崩壊錠。
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む口腔内崩壊錠。
項10.
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む徐放性製剤。
(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む徐放性製剤。
本発明は、(1)シクロデキストリン、並びに(1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む新規な外用剤用組成物を提供することができる。
[1] 外用剤用組成物
本発明において、「外用剤用組成物」とは、外用剤に用いるための組成物であり、少なくとも(1)シクロデキストリン(CyD)、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含有するものを意味する。前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
本発明において、「外用剤用組成物」とは、外用剤に用いるための組成物であり、少なくとも(1)シクロデキストリン(CyD)、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含有するものを意味する。前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
「外用剤」とは、使用者が使用する最終形態であり、前記外用剤用組成物を含むものを意味する。よって、外用剤がクリーム等であれば、外用剤用組成物に更に油相成分が含まれていても良い。但し、本発明では、外用剤用組成物がそのまま最終製品として流通され、使用される形態であっても良く、また外用剤が外用剤用組成物を100質量%含む使用形態であっても良い。その様な外用剤としてゲル、ローション等の製剤が挙げられる。
本発明の外用剤用組成物は、(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含むことにより、延びが良く、皮膚に塗布し易い。
温度感受性の効果(化粧品への応用)
本発明の外用剤用組成物は、(1)CyDと、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とが包接複合体を形成することができる。外用剤用組成物は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、外用剤用組成物にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
本発明の外用剤用組成物は、(1)CyDと、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とが包接複合体を形成することができる。外用剤用組成物は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、外用剤用組成物にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
前記特徴により、本発明の外用剤用組成物は、次の効果を奏することができる。
先ず、外用剤用組成物が容器内で保存されている間は、外用剤用組成物の粘度が低く保たれる。この時、外用剤用組成物を容器から取り出す等の扱いが良好となる。次に、外用剤用組成物を皮膚に塗布した後は、温度変化(主には温度上昇)により外用剤用組成物の粘度が高くなる。この時、外用剤用組成物が皮膚からの液ダレすることを抑制できる。これにより、皮膚上では、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物が有する特徴である、延びが良く、皮膚に塗布し易いという効果が発揮され、使用感が良好な外用剤用組成物(ゲル)となる。
以下に、(1)CyD、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物等について説明する。
1. (1)シクロデキストリン(CyD)
シクロデキストリン(CyD)はグルコピラノース単位からなるα-1,4結合の環状オリゴ糖である(第8版食品添加物公定書)。α-シクロデキストリン(α-CyD)は、6個のグルコースの単位からなる環状オリゴ糖である。β-シクロデキストリン(β-CyD)は、7個のグルコース単位からなる環状オリゴ糖である。γ-シクロデキストリン(γ-CyD)は、8個のグルコース単位からなる環状オリゴ糖である。α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンは、デンプンを酵素処理し、非還元性環状デキストリンとして得ることができる。
シクロデキストリン(CyD)はグルコピラノース単位からなるα-1,4結合の環状オリゴ糖である(第8版食品添加物公定書)。α-シクロデキストリン(α-CyD)は、6個のグルコースの単位からなる環状オリゴ糖である。β-シクロデキストリン(β-CyD)は、7個のグルコース単位からなる環状オリゴ糖である。γ-シクロデキストリン(γ-CyD)は、8個のグルコース単位からなる環状オリゴ糖である。α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンは、デンプンを酵素処理し、非還元性環状デキストリンとして得ることができる。
CyDとしては、温度感受性の点から、γ-CyDが好ましい。
CyDとして、CyD誘導体を使用することが好ましい。CyD誘導体は、CyDを構成するグルコース分子中の2位、3位及び6位の水酸基の水素原子の一部又は全てが他の官能基で置換された化合物である。
他の官能基は、適度な界面活性作用を有する点から、炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基及びt-ブチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキル基が好ましい。炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、2,3-ジヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシイソブチル基、ジヒドロキシメチル基及び2,2-ジヒドロキシエチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシアルキル基が好ましい。
CyD誘導体は、CyDを構成するグルコース分子中の2位、3位及び6位の水酸基の水素原子の一部又は全てが炭素数1〜2のアルキル基及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1種の基で置換されているCyDが好ましい。
分子内に炭素数1〜4のアルキル基を少なくとも一つ有するCyD誘導体の具体例としては、メチル化α-CyD、メチル化β-CyD、メチル化γ-CyD、ジメチル-α-CyD、ジメチル-β- CyD、ジメチル-γ- CyD等が好ましい。炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を分子内に少なくとも一つ有するCyD誘導体としては、ヒドロキシプロピル-α- CyD、ヒドロキシエチル-β- CyD、ヒドロキシプロピル-β- CyD、ヒドロキシプロピル-γ- CyD、ヒドロキシブチル-β- CyD等が好ましい。
CyDの分子内に、親水性の置換基である炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を、少なくとも一つ有するCyD誘導体が好ましく、2-ヒドロキシプロピル-β- CyD、2-ヒドロキシブチル-β- CyD、2-ヒドロキシプロピル-α- CyD、2-ヒドロキシプロピル-γ- CyD等がより好ましい。
本発明の外用剤用組成物に用いられるCyD誘導体としては、特に2-ヒドロキシプロピル-β- CyD及び2-ヒドロキシブチル-β- CyDが好ましい。(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物等の他の成分との混合のし易く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、良好である。前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。CyD誘導体は、β-CyDの2位、3位及び/又は6位にヒドロキシブチルを導入したヒドロキシブチル-β-CyDであることが、好ましい。ヒドロキシブチル-β-CyDは、ヒドロキシブチル基がランダムに複数個導入された誘導体であることができ、このような誘導体であれば、精製が容易である。更に、ヒドロキシブチル基を導入した誘導体は、皮膚への刺激性が低い。製造コストや安全性等の観点から望ましい。
CyD及びCyD誘導体の薬理的に許容される塩類としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等を例示することができる。
CyD 1分子当たりに結合している他の官能基の総数を置換度と称する。好ましい置換度は1〜14であり、より好ましくは3〜10であり、更に好ましくは3〜8である。
本発明の外用剤用組成物に用いられるCyDの配合量は、外用剤用組成物全量に対して、好ましくは0.001〜50質量%程度、より好ましくは0.01〜25質量%程度、更に好ましくは0.15〜15質量%程度であり、特に好ましくは0.2〜8質量%程度である。
本発明の外用剤用組成物(全量)に含まれる(1)CyDの配合量は、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物100質量部に対して、2〜1000質量部程度が好ましく、20〜800質量部程度がより好まく、40〜600質量部程度が更に好ましい。
(1)CyDと(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物等の他の成分との混合がし易く、包接複合体形成のし易い。CyDの配合量を上記範囲とすることで、包接複合体を形成し、温度感受性の特性が得られ、外用剤の保存性、患部への塗布性に優れる。また、塗布した時の使用感触が優れる。
2. (2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
本発明の外用剤用組成物が分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含むことで、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。
本発明の外用剤用組成物が分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含むことで、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を用いることにより、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとが包接複合体を形成することができる。
(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
2-1. アルキル変性カルボキシビニルポリマー
アルキル変性カルボキシビニルポリマーを用いることが好ましい。
アルキル変性カルボキシビニルポリマーを用いることが好ましい。
アルキル変性カルボキシビニルポリマーとして、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマー、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマー等の化合物を用いることが好ましい。
アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体として、例えばカーボポール(Carbopol)1342、 ペミュレン(Pemulen) TR-1 (((アクリレーツ/ アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、Acrylates/ C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)、ペミュレン(Pemulen) TR-2 (((アクリレーツ/ アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、Acrylates/ C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer) (Good rich社)等を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体として、例えばアキュリン33A (Acrylates Copolymer) (商品名、ローム・アンド・ハース社製)等を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体として、例えばアキュリン22 (Acrylates/ Steareth-20 Methacrylate Copolymer)、アキュリン28 (Acrylates/ Beheneth-25 Methacrylate Copolymer) (商品名:ローム・アンド・ハース社製)等を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体として、例えばSTRUCTURE 2001 (Acrylates/ Steareth-20 Itaconate Copolymer)、STRUCTURE 3001 (Acrylates/ Ceteth-20 Itaconate Copolymer) (商品名、アクゾ ノーベル社製)等を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマーとして、例えばアキュリン88 (Acrylates/ Steareth-20 Methacrylate Crosspolymer) (商品名:ローム・アンド・ハース社製)等を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーとして、例えばアキュリン38 (Acrylates/ Vinyl Neodecanoate Crosspolymer)等を用いることが好ましい。
アルキル変性カルボキシビニルポリマーとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。アルキル変性カルボキシビニルポリマーを用いることにより、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーとCyDが包接複合体を形成することができる。
2-2. 疎水変性ポリエーテルウレタン
疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることが好ましい。
疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることが好ましい。
疎水変性ポリエーテルウレタンは会合性増粘剤である。会合性増粘剤は、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分を持つコポリマーであり、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し増粘作用を示すものをいう。このような会合性増粘剤は、水性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示す。
疎水変性ポリエーテルウレタンとして、例えば旭電化工業株式会社製のアデカノールGT-700等を用いることが好ましい。アデカノールGT-700は、PEG-240/ デシルテトラデセス-20/ ヘキサメチルジイソシアネート (PEG-240/ HDI COPOLYMER BIS- DECYLTETRADECETH -20/ ETHER)の疎水変性ポリエーテルウレタンである。
疎水変性ポリエーテルウレタンとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。疎水変性ポリエーテルウレタンを用いることにより、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。疎水変性ポリエーテルウレタンとCyDが包接複合体を形成することができる。
2-3. 疎水化変性アルキルセルロース
疎水化変性アルキルセルロースを用いることが好ましい。
疎水化変性アルキルセルロースを用いることが好ましい。
疎水化変性アルキルセルロースは、アルキル基変性ヒドロキシエチルセルロース(HEC)及びアルキル基変性ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)からなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物が好ましい、
疎水化変性アルキルセルロースとして、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースを炭素数6〜26のアルキル基を有する変性剤で処理したセルロース誘導体を用いることが好ましい。炭素数6〜26のアルキル基によって変性されたヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましい。
疎水化変性アルキルセルロースとして、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースを炭素数6〜26のアルキル基を有する変性剤で処理したセルロース誘導体を用いることが好ましい。炭素数6〜26のアルキル基によって変性されたヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましい。
アルキル基変性ヒドロキシエチルセルロースとして、アクアロン(Aqualon)社製のナトロゾールプラスグレード(Natrosol Plus Grade) 330CS(登録商標)(C16アルキル、ステアリル変性ヒドロキシエチルセルロース)、ベロルノーベル(Berol Nobel) 社製のベルモセル(Bermocell) EHM100(登録商標)、花王社製のステアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム(登録商標、ポイズ310)、ステアリル変性ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を用いることが好ましい。
疎水化変性アルキルセルロースは、セルロースエーテル誘導体に、疎水性基である長鎖アルキル基を導入したものが好ましい。
疎水化変性アルキルセルロースは、下記構造式(1):
[式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mH、又は、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1である。nは100〜10,000の整数、kは0又は1の整数、mは1〜10の整数、jは6〜26の整数を示す。]
で表されるものであって、
該疎水化変性アルキルセルロースが、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1を必ず含むものであることが好ましい。
で表されるものであって、
該疎水化変性アルキルセルロースが、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1を必ず含むものであることが好ましい。
疎水化変性アルキルセルロースの基となるセルロースエーテル誘導体のうち、入手のしやすさ等の点からヒドロキシプロピルメチルセルロースを選択することが好適である。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とは、前記構造式(1)において、R1、R2及びR3が、同一又は異なって、-H、-CH3又は基:-[CH2CH(CH3)O]mHであり、基:-[CH2CH(CH3)O]mHを含むものである。
疎水化変性アルキルセルロースは、HPMCに長鎖アルキル基を導入したものであり、例えば、アルカリ触媒の存在下で、HPMCにステアリルグリシジルエーテル:
を反応させることで製造することができる。ステアリルグリシジルエーテルの他、セチルグリシジルエーテル及びデシルグリシジルエーテル等であってもよい。
前記構造式(1)式に含まれる前記基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1のjの値は18であることが好ましい。疎水化変性アルキルセルロースに導入される疎水基である基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1のCjH2j+1は、ステアリル基(-C18H37)であることが好ましい。基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1は、基:-CH2CH(OH)CH2O-C18H37となる疎水化変性アルキルセルロースとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、低級アルキル基:10〜50質量%、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mH:3〜20質量%、及び基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1:0.1〜10質量%を含むことが好ましい。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1を0.1〜10質量%含むことが好ましく、0.1〜2.0質量%含むことがより好ましく、0.1〜1質量%含むことが特に好ましい。疎水化変性アルキルセルロースとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースに含まれる低級アルキル基としては、メチル基、エチル基等が好ましく、メチル基がより好ましい。前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、メチル基等の低級アルキル基を、10〜50質量%含むことが好ましく、21.5〜30質量%含むことがより好ましい。疎水化変性アルキルセルロースとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。
前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースに含まれる基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mHは、kが0の場合は、基:-[CH2CH2O]mHとなり、kが1の場合は、基:-[CH2CH(CH3)O]mHとなる。特に好ましくはkが1の場合の基:-[CH2CH(CH3)O]mHである。前記構造式(1)で表される疎水化変性アルキルセルロースは、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mHを3〜20質量%含むことが好ましく、7〜11質量%含むことがより好ましい。疎水化変性アルキルセルロースとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。
本発明の外用剤用組成物には、セルロースエーテル誘導体に、特にステアリル基(-C18H37)等の長鎖アルキル基が導入された疎水化変性アルキルセルロース(ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース)が含まれることで、外用剤用組成物の滑りが良く、延びが良いものとなる。
また、前記疎水化変性アルキルセルロースを用いることにより、本発明の外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、前述の温度感受性の効果を良好に発揮することができる。
前記疎水化変性アルキルセルロースに含まれる低級アルキル基、基:-[CH2CH2-k(CH3)kO]mH、及び基:-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1の含有量は、第13改正日本薬局方「ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208」の項に準じた方法によって測定した値である。
これらの条件を満たす疎水化変性アルキルセルロースとしては、一例として、大同化成工業(株)社製の商品名:サンジェロースが好ましく例示できる。サンジェロース(疎水化HPMC)とは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)にC18(疎水基)を付加させたセルロースエーテルである。つまり、上記構造式(1)において、-CH2CH(OH)CH2OCjH2j+1のCjH2j+1がステアリル基(-C18H37)である。
サンジェロースとして、以下のグレードの製品が使用可能である。
疎水化変性アルキルセルロースは、粉末状の成分であり、平均粒径は、好ましくは20〜800μm程度、より好ましくは50〜600μm程度、更に好ましくは80〜300μm程度、特に好ましくは100〜200μm程度である。疎水化変性アルキルセルロースの平均粒径を前記範囲とすることで、容易に溶解が可能であるため、溶媒中で疎水化変性アルキルセルロースとCyDが包接複合体を形成する。また、取り扱い中に飛散するのを防止し、取り扱いが容易である。
疎水化変性アルキルセルロースとCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。疎水化変性アルキルセルロースを用いることにより、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。疎水化変性アルキルセルロースとCyDが包接複合体を形成することができる。
2-4. 配合量
本発明の外用剤用組成物は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む。本発明の外用剤用組成物は、その化合物を1種単独で含むことができ、2種以上を組み合わせて含むこともできる。その配合量は、1種単独(一つの化合物)であればその配合量であり、2種以上の組み合わせ(複数の化合物)であればそれら総量である。
本発明の外用剤用組成物は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む。本発明の外用剤用組成物は、その化合物を1種単独で含むことができ、2種以上を組み合わせて含むこともできる。その配合量は、1種単独(一つの化合物)であればその配合量であり、2種以上の組み合わせ(複数の化合物)であればそれら総量である。
外用剤用組成物中の分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の配合量は、外用剤用組成物全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%程度、より好ましくは0.1〜10質量%程度、更に好ましくは0.1〜8質量%程度であり、特に好ましくは0.2〜5質量%程度である。
本発明の外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとの混ざりが良く、外用剤として使用した時のべたつき感がなく、皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を用いることにより、外用剤用組成物を化粧品への応用した時に、温度感受性の効果を良好に発揮することができる。分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとが包接複合体を形成することができる。
以下、CyD及び分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物以外の成分であって、本発明の外用剤用組成物に含むことが好ましい成分を説明する。各成分については、外用剤用組成物全量(又は各形態)に対する配合割合(質量%)で表すと共に、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物100質量部に対する配合量(質量部)で表す。
3. その他の成分
本発明の外用剤用組成物では、外用剤として使用した時のべたつき感がないこと、皮膚への塗布の容易さ、使用感が良いこと等の効果を補う、又は増強することを目的として、更に脂肪酸及び/又はその塩(以下、「脂肪酸(塩)」とも記す)を配合しても良い。脂肪酸(塩)は、粉末状の成分である。脂肪酸(塩)は外用剤用組成物中で均一に分散されるので、外用剤として肌表面に塗布される際に、ざらつき等の使用感を損なうことを防ぐことが可能である。また、取り扱い中に飛散するのを防止し、取り扱いが容易である。
本発明の外用剤用組成物では、外用剤として使用した時のべたつき感がないこと、皮膚への塗布の容易さ、使用感が良いこと等の効果を補う、又は増強することを目的として、更に脂肪酸及び/又はその塩(以下、「脂肪酸(塩)」とも記す)を配合しても良い。脂肪酸(塩)は、粉末状の成分である。脂肪酸(塩)は外用剤用組成物中で均一に分散されるので、外用剤として肌表面に塗布される際に、ざらつき等の使用感を損なうことを防ぐことが可能である。また、取り扱い中に飛散するのを防止し、取り扱いが容易である。
脂肪酸(塩)は、外用剤(例えば化粧料等)で使用できるものであれば特段の限定無く使用できる。例えば、第十六改正日本薬局方解説書に記載の、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム(以下、ステアリン酸及び/又はその塩(以下、「ステアリン酸(塩)」とも記す))を使用することができる。その他にも、ステアリン酸ナトリウム等を使用することができる。
本発明の外用剤用組成物では、外用剤として用いた時の物性を滑らかにする目的や製品の安定性の点から、更に多価アルコールを配合しても良い。多価アルコールとしては、炭素数2〜6で酸素数2〜3の多価アルコールが好ましい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、グリセリン等が好ましい。
本発明の外用剤用組成物には、上記成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を含有することができる。任意成分としては、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、等の液体油脂、ヤシ油、パーム油、シア脂等の固体油脂、ミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール、オクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等の合成エステル油、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シリコーン樹脂、アミノ変性ポリシロキサン等のシリコーン油、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、ソルビタンモノステアレート等の親油性非イオン界面活性剤、モノステアリン酸デカグリセリル、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-ソルビタンテトラオレエート、POE-ベヘニルエーテル、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等の親水性非イオン界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等の陰イオン界面活性剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、エデト酸二ナトリウム等の金属イオン封鎖剤、その他に粉末成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、有機アミン、防腐剤(フェノキシエタノール、グリセリンエチルヘキシルエーテル、メチルパラベン等)、殺菌剤、消炎剤、収れん剤、美白剤、ビタミン類、アミノ酸、血行促進剤、賦活剤、賦形剤(マルチトール、乳糖、デキストリン、デンプン等)、清涼剤、各種抽出物、香料、水等が挙げられる。本発明の外用剤用組成物は、勿論上記成分に限定されるものではない。
上記他の成分の配合量は、各成分によって異なるが、外用剤用組成物全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%程度、より好ましくは0.2〜10質量%程度、更に好ましくは0.5〜5質量%程度である。外用剤用組成物は、硬さ、延び等を調節でき、皮膚への塗布が容易となり、外用剤としての使用感が優れるものとなる。
本発明の外用剤用組成物は、適量の水、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等を含むことにより、硬さ、延び等を調節でき、皮膚への塗布が容易となり、外用剤としての使用感が優れるものとなる。
水、エタノール、イソプロピルアルコール、又はプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等の配合量は、各成分によって異なるが、外用剤用組成物全量に対して、好ましくは50〜95質量%程度、より好ましくは60〜90質量%程度、更に好ましくは70〜85質量%程度である。
4. 外用剤
本発明の外用剤は、前記外用剤用組成物を含む。本発明の外用剤は、前記外用剤用組成物を100質量%含む使用形態であっても良い。本発明の外用剤が前記外用剤用組成物を100質量%含む使用形態である場合は、外用剤中の(1)CyD、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物等の含有量は、前記外用剤用組成物に記載する通りである。
本発明の外用剤は、前記外用剤用組成物を含む。本発明の外用剤は、前記外用剤用組成物を100質量%含む使用形態であっても良い。本発明の外用剤が前記外用剤用組成物を100質量%含む使用形態である場合は、外用剤中の(1)CyD、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物等の含有量は、前記外用剤用組成物に記載する通りである。
前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
本発明の外用剤は、前記外用剤用組成物に、更に、香料、pH調整剤等を配合しても良い。また、前記外用剤用組成物で記した、多価アルコール、液体油脂、固体油脂、ロウ類、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油、親油性非イオン界面活性剤、親水性非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、低級アルコール、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤、その他の粉末成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、有機アミン、防腐剤、殺菌剤、消炎剤、収れん剤、美白剤、ビタミン類、アミノ酸、血行促進剤、賦活剤、賦形剤、清涼剤、各種抽出物、香料、水等を、適量添加しても良い。
また、一般的に用いられる外用基剤、油脂類、保湿剤、安定剤、安定化剤、色素や香料、清涼剤、増粘剤、酸化防止剤等の成分を配合できる。外用基剤としては、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コレステロールプルラン等が挙げられる。安定剤や安定化剤としては、例えば、EDTA、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L-アルギニン、トコフェノール、シリコーン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、フェノール、フェノキシエタノール等が挙げられる。清涼剤としては、例えば、カンフル、メントール、植物抽出フレーバー等が挙げられる。増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、グアガム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、セルロース、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、天然型ビタミンEが挙げられる。美白剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体又はコウジ酸及びその誘導体が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルメトキシシンナメートが挙げられる。
本発明の外用剤が前記外用剤用組成物を含み、更に任意の成分を含む場合であっても、外用剤中の(1)CyD、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物等の含有量は、前記外用剤用組成物に記載する通りの範囲とすることが好ましい。
5. 外用剤用組成物(外用剤)の製造方法
本発明の(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤用組成物(外用剤)は、水等の溶媒に(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとを添加し、溶解することにより、製造することができる。その結果、溶液中で包接複合体を形成することによって、保存性に優れ、容易に皮膚に塗布することができる外用剤用組成物を製造することができる。
本発明の(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤用組成物(外用剤)は、水等の溶媒に(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとを添加し、溶解することにより、製造することができる。その結果、溶液中で包接複合体を形成することによって、保存性に優れ、容易に皮膚に塗布することができる外用剤用組成物を製造することができる。
前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
(1)CyD、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、水、含水メタノール、含水エタノール、含水イソプロピルアルコール等の含水アルコールには溶ける。CyDの水への溶解度は25℃で、1〜30 g/100mL程度である。水等の溶媒中で、(1)CyDと(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とが包接複合体を形成する。
本発明の外用剤用組成物(外用剤)は、水等の溶媒に、(1)CyDと(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とを添加し、加温下でよく混和した後、室温まで放冷することで製造することが好ましい。必要に応じて、放冷過程で適宜・適切に混合・攪拌することができる。
混和する溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が好ましく、水がより好ましい。外用剤として使用した時の皮膚への塗布が容易であり、使用感が良好である。
水、エタノール、又はプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等の溶媒100質量部に対して、疎水化変性アルキルセルロースを0.1〜10質量%程度、シクロデキストリンを0.001〜16質量%程度添加して、混和することが好ましい。その他の成分は、適宜混和することができる。
6. 外用剤の用途
本発明の外用剤は、皮膚外用剤として用いることが好ましい。外用剤組成物の剤型としては、その他に通常の皮膚外用基剤を用いて適当な剤型にすることができる。即ち、剤型としては、液状、ペースト状、クリーム状或いは固体状のものが挙げられる。また、ファンデーション、保湿クリーム、コールドクリーム、ハンドクリーム、マッサージ料等のスキンケア化粧料に配合できる。皮膚外用剤の使用部位に制限はないが、ボディ用外用剤(スキンケア化粧料)として用いて、アトピー性皮膚炎、切創、擦過創、熱傷、ひび割れ、乾燥肌等に対して使うことが可能である。本発明の外用剤を直接的に作用し効果を高める部位に使用することが好ましい。本発明の外用剤皮膚に塗布することで、皮膚の保湿性を高めるができる。
本発明の外用剤は、皮膚外用剤として用いることが好ましい。外用剤組成物の剤型としては、その他に通常の皮膚外用基剤を用いて適当な剤型にすることができる。即ち、剤型としては、液状、ペースト状、クリーム状或いは固体状のものが挙げられる。また、ファンデーション、保湿クリーム、コールドクリーム、ハンドクリーム、マッサージ料等のスキンケア化粧料に配合できる。皮膚外用剤の使用部位に制限はないが、ボディ用外用剤(スキンケア化粧料)として用いて、アトピー性皮膚炎、切創、擦過創、熱傷、ひび割れ、乾燥肌等に対して使うことが可能である。本発明の外用剤を直接的に作用し効果を高める部位に使用することが好ましい。本発明の外用剤皮膚に塗布することで、皮膚の保湿性を高めるができる。
また、本発明の外用剤をボディ用外用剤(スキンケア化粧料)として、ローション、乳液、クリーム、軟膏、シート状等の剤形での使用が可能である。本発明の外用剤をパック化粧料として、皮膚を覆うことも可能である。また、本発明の外用剤組成物を、メイクアップ組成物として用い、ボディメイクアップ製品を製造することが可能である。化粧水、美容液、パック、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、ファンデーション、紫外線ケア用化粧品等の化粧品、リップスティック、リップクリーム、リップグロス、口紅、リップトリートメント等の口唇用化粧料(リップ製品)、リップペンシル、アイペンシル、まゆ毛メイクアップ製品、ネイルワニス、ネイルケア製品等のネイル用製品等に配合することができる。
皮膚外用剤組成物の使用方法としては、例えば、通常の使用方法としては、ヒト皮膚に塗布し、健常人或いは、肌荒れ、湿疹、かゆみ、ただれ等の症状を有するヒトの患部の全体を覆うように広げて症状により可能であれば軽く刷り込む。不可能であれば、およそ1〜3回/日患部の症状に応じて必要量の皮膚外用剤組成物を塗ったガーゼ等を患部にテープ等でとめるなどして使用することが好ましい。本発明の外用剤組成物は、塗布後のベタツキ感或いはてかりがなく、皮膚を保護する効果及び皮膚の保湿性を有し、しかも皮膚に対する刺激感が低く、安定性も良好である。
本発明の外用剤とは、ボディ用外用剤(スキンケア化粧料)を主に指すが、臨床用の治療用製剤としても使用可能なものである。
[2] 医薬組成物
本発明は、(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む医薬組成物に関する。
本発明は、(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む医薬組成物に関する。
医薬組成物としては、点眼剤、口腔内崩壊錠及び徐放性製剤が好ましい。
温度感受性の効果(医薬組成物への応用)
前記(1)CyDと、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物と共に、薬効成分を配合した処方(製剤)の場合、(1)CyDと(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とが包接複合体を形成し、その包接複合体に薬効成分が取り込まれる。製剤は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、製剤にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
前記(1)CyDと、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物と共に、薬効成分を配合した処方(製剤)の場合、(1)CyDと(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とが包接複合体を形成し、その包接複合体に薬効成分が取り込まれる。製剤は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、製剤にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
前記特徴により、本発明の製剤は、次の効果を奏することができる。先ず、製剤が液状若しくはゲル状等の場合、容器内で保存されている間は、製剤の粘度が低く保たれる。(1)CyDと(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物との包接複合体に薬効成分が取り込まれる。次に、製剤を使用(服用等)した後は、温度変化(主には温度上昇)により製剤の粘度が高くなる。この時、薬効成分の放出速度を遅延させることが可能である。この特徴から、本発明は徐放性製剤として有効に使用することができる。
1. (1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物については、前記外用剤用組成物の項で記したものと同じものを使用することができる。
(1)CyD、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物については、前記外用剤用組成物の項で記したものと同じものを使用することができる。
前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
医薬組成物では、CyDの中でも、α-CyD、β-CyD、γ-CyD及び2-ヒドロキシプロピル-β- CyDが好ましい。
また、2-ヒドロキシブチル-β-CyDは、例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-CyDと比較して、細長い分子構造のゲスト薬物を包接し易く、物性面では適度な界面活性作用を有する。よって、様々な投与ルートにおいて広汎な応用が期待されている。
2. 薬効成分
本発明の製剤は、更に薬効成分を含有することができる。
本発明の製剤は、更に薬効成分を含有することができる。
交感神経作動薬:アドレナリン、ノルアドレナリン、エチレフリン、ナファゾリン、フェニレフリン、メトキサミン、ミドドリン、イソプレナリン、イソプロテレノール、ドブタミン、デノパミン、トリメトキノール、サルブタモール、テルブタリン、ツロブテロール、フェノテロール、プロカテロール、クレンブテロール、サルメテロール、マブテロール、リトドリン、イソクスプリン、チラミン、アンフェタミン、メタンフェタミン、エフェドリン、メチルエフェドリン、ドパミン、ドカルパミン、アメジニウム又はその塩等。
交感神経遮断薬:エルゴタミン、エルゴメトリン、フェントラミン、トラゾリン、プラゾシン、ブナゾシン、テラゾシン、ウラピジル、ドキサゾシン、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル、アルプレノロール、オクスプレノロール、プロプラノロール、ブフェトロール、ピンドロール、カルテオロール、チモロール、ナドロール、ニプラジロール、アテノロール、メトプロロール、ビソプロロール、ラベタロール、アモスラロール、アロチノロール、カルベジロール、レセルピン、グアネチジン、α-メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ又はその塩等。
副交感神経作動薬:アセチルコリン、ベタネコール、カルバコール、メタコリン、ピロカルピン、ムスカリン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、ジスチグミン、ピリドスチグミン、アンベノニウム、エドロホニウム、ピロカルピン、カルプロニウム、セビメリン又はその塩等。
副交感神経遮断薬:ホマトロピン、トロピカミド、シクロペントラート、プロパンテリン、ブチルスコポラミン、メペンゾラート、プリフィニウム、ピレンゼピン、イプラトロピウム、オキシトロピウム、ピペリドレート、プロピベリン、オキシブチニン、トリヘキシフェニジル、ビペリデン、ピロヘプチン、マザチコール、プロフェナミン、メチキセン又はその塩等。
自律神経節遮断薬:ヘキサメトニウム、トリメタファン、ニコチン又はその塩等。
局所麻酔薬:コカイン、プロカイン、オキシブプロカイン、テトラカイン、アミノ安息香酸エチル、リドカイン、ジブカイン、メピバカイン、オキセサゼイン、キシロカイン又はその塩等。
筋弛緩薬:ツボクラリン、パンクロニウム、ベクロニウム、スキサメトニウム、ダントロレン、プリジノール、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、クロルフェネシン、チザニジン、トルペリゾン、エペリゾン、バクロフェン又はその塩等。
静脈麻酔薬:チオペンタール、チアミラール、プロポフォール、ミダゾラム、ドロペリドール、ケタミン又はその塩等。
睡眠薬:フルラゼパム、ハロキサゾラム、クアゼパム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニメタゼパム、ブロチゾラム、リルマザホン、ロルメタゼパム、トリアゾラム、ゾルピデム、ゾピクロン、ブロモバレリル尿素、バルビタール、フェノバルビタール、アモバルビタール、セコバルビタール、ペントバルビタール、チオペンタール、チアミラール、ラメルテオン又はその塩等。
鎮痛薬・鎮咳薬:モルヒネ、コデイン、パパベリン、ノスカピン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ジアセチルモルヒネ、ペチジン、メサドン、レボルファノール、フェンタニル、レミフェンタニル、ペンタゾシン、ブトルファノール、ブプレノルフィン、ナロキソン、レバロルファン、デキストロメトルファン、チペピジン、グアイフェネシン、ペントキシベリン、ベンゾナテート、オキシモルフォン、クロペラスチン又はその塩等。
抗てんかん薬:フェノバルビタール、プリミドン、フェニトイン、カルバマゼピン、エトスクシド、トリメタジオン、ジアゼパム、クロナゼパム、ニトラゼパム、バルプロ酸、ガバペンチン、スルチアム、ゾニサミド又はその塩等。
抗パーキンソン薬:レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド、エンタカポン、ブロムクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン、タリペキソール、プラミペキソール、アマンタジン、セレギリン、トリヘキシフェニジル、ビペリデン、プロフェナミン、ピロヘプチン、メチキセン、マザチコール、ドロキシドパ又はその塩等。
抗アルツハイマー病薬:ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン又はその塩等。
統合失調症治療薬:クロルプロマジン、フルフェナジン、チオリダジン、ハロペリドール、ブロムペリドール、スピペロン、ハロペリドールデカン酸エステル、スルピリド、リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン、クロザピン、アリピプラゾール、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、ゾテピン又はその塩等。
抗不安薬:エチゾラム、ジアゼパム、オキサゾラム、ロフラゼプ酸エチル、クロチアゼパム、ロラゼパム、タンドスピロン、ヒドロキシジン、オキサゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメート、クロルジアゼポキシド又はその塩等。
抗うつ薬:イミプラミン、クロミプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、デシプラミン、アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン、トラゾドン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ミルタザピン、ノキシプチリン、フェネルジン又はその塩等。
めまい治療薬:ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ベタヒスチン又はその塩等。
強心薬:ジキトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、デスラノシド、ドブタミン、デノパミン、ドパミン、ドカルパミン、コルホルシンダロパート、アミノフィリン、ミルリノン、オルプリノン、ピモベンダン、ブクラデシン、トランスバイオキソカンファー、テレフィロール、エチネフリン又はその塩等。
抗不整脈薬:キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、シベンゾリン、ピルメノール、リドカイン、メキシレチン、アプリンジン、フェニトイン、プロパフェノン、フレカイニド、ピルシカイニド、プロプラノロール、アルプレノロール、ブフェトロール、オクスプレノロール、ピンドロール、カルテオロール、ナドロール、アテノロール、アセブトロール、メトプロロール、ビソプロロール、アミオダロン、ソタロール、ニフェカラント、ベラパミル、ジルチアゼム、ベプリジル又はその塩等。
血管拡張薬・高血圧治療薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル、ニフェジピン、アムロジピン、ニトレンジピン、ニカルジピン、フェロジピン、シルニジピン、マニジピン、ジルチアゼム、カプトプリル、リシノプリル、アラセプリル、エナラプリル、テモカプリル、イミダプリル、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、オルメサルタンメドキソミル、アジルサルタン、アリスキレン、ヒドララジン、ボセンタン、イコサペント酸エチル、ニコモール、ニセリトロール、イソクスプリン、トラゾリン、ヘキソベンジン、バメタン、ニルバジピン、トラピジル、ジラゼプ、ベラプロスト、アルプロスタジン又はその塩等。
低血圧治療薬:フェニレフリン、ミドドリン、メトキサミン、エチレフリン、エフェドリン、ジヒドロエルゴタミン、アメジニウム又はその塩等。
利尿薬:アセタゾラミド、フロセミド、ブメタニド、トラセミド、アゾセミド、ピレタニド、ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド、スピロノラクトン、カンレノ酸、エプレレノン、トリアムテレン、イソソルビド、メチクロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、フロロチアジド、エタクリン酸又はその塩等。
排尿障害治療薬:タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル、プラゾシン、テラゾシン、ウラピジル、ベタネコール、ネオスチグミン、ジスチグミン、オキセンドロン、クロルマジノン酸エステル、アリルエストレノール、ゲストノロンカプロン酸エステル又はその塩等。
頻尿治療薬:プロピベリン、オキシブチニン、ソリフェナシン、イミダフェナシン、トルテロジン、イミプラミン、クロミプラミン、アミトリプチリン、クレンブテロール、ミラベグロン、フラボキサート、テロリジン又はその塩等。
去痰薬:ブロムヘキシン、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、アンブロキソール、セネガ、オンジ、キキョウ、クロルフェジアノール、ピコペリダミン又はその塩等。
気管支喘息治療薬:テオフィリン、アミノフィリン、イプラトロピウム、オキシトロピウム、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルチカゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、トリメトキノール、サルブタモール、テルブタリン、プロカテロール、サルメテロール、フェノテロール、ツロブテロール、マブテロール、クレンブテロール、ホルモテロール、インダカテロール、メトキシフェナミン又はその塩等。
胃・十二指腸潰瘍治療薬:ピレンゼピン、プロパンテリン、ブチルスコポラミン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、オキサチジン酢酸エステル、プログルミド、オキセサゼイン、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、スクラルファート、テプレノン、セトラキサート、レバミピド、ゲファルナート、エカベト、アズレン、スルピリド、ミソプロストール、エンプロスチル、イルソグラジン、ロキサチジンアセテート、酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム又はその塩等。
健胃薬・下剤:メトクロプラミド、ドンペリドン、モサプリド、センノシド、ピコスルファート、ビサコジル、ゲンチアナ、センブリ、オウレン、オウバク、ウイキョウ、ケイヒ、ショウキョウ、サンショウ、カルメロース、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ラクツロース、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム又はその塩等。
止瀉薬:アトロピン、ロペラミド、トリメブチン、アヘン、メペンゾラート、タンニン酸アルブミン、次硝酸ビスマス、天然ケイ酸アルミニウム、ベルベリン、ナジリクス酸又はその塩等。
制吐薬:クロルプロマジン、スルピリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、グラニセトロン、オンダンセトロン、アザセトロン、オキセサゼイン、ジメンヒドリナート、プロメタジン、アプレピタント、アポモルヒネ、トコン(エメチン、セフェリン)又はその塩等。
肝・膵治療薬:インターフェロン製剤、ラミブジン、グリチルリチン、プロトポルフィリン、サイコサポニン、ラクツロース、デヒドロコール酸、ウルソデオキシコール酸、フロプロピオン、ケノデオキシコール酸、ナファモスタット、ウリナリスタチン、ガベキサート、カモスタット、トレピブトン又はその塩等。
生殖器作用薬:シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、オキシトシン、ジノプロストン、ジノプロスト、ゲメプロスト、リトドリン、イソクスプリン、ピペリドレート又はその塩等。
緑内障治療薬:ピロカルピン、ジスチグミン、ラタノプロスト、イソプロピルウノプロストン、ブナゾシン、アセタゾラミド、ドルゾラミド、チモロール、カルテオロール、レボブノロール、ニプラジロール、ジピベフリン又はその塩等。
眼診断薬 (縮瞳薬・散瞳薬):フェニレフリン、ホマトロピン、トロピカミド、シクロペントラート、ピロカルピン又はその塩等。
皮膚疾患治療薬:タカルシトール、エトレチナート、尿素、メトキサレン、リゾチーム、アルプロスタジル、アルプロスタジルアルファデクス、トレチノイントコフェリル、トラフェルミン又はその塩等。
ホルモン薬・ホルモン代用薬・抗ホルモン薬・オータコイド類:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、プロラクチン放出ホルモン、プロラクチン放出抑制ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン、コルチコレリン、プロチレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、ゴセレリン、ナファレリン、リュープロレリン、セトロレリクス、ガニレリクス、ソマトレリン、テルグリド、ソマトスタチン、オクトレオチド、プロラクチン、ソマトロピン、オキシトシン、バスプレシン、デスモプレシン、チロキシン、トリヨードチロニン、カルシトニン、パラトルモン、リオチロニン、レボチロキシン、チアマゾール、プロピルチオウラシル、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレグネノロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、メチラポン、トリロスタン、テストステロン、メチルテストステロン、メテノロン、ナンドロロン、クロルマジノン、アリルエストレノール、オキセンドロン、フルタミド、ビカルタミド、フィナステリド、エストラジオール、エストリオール、エチニルエストラジオール、クロミフェン、タモキシフェン、トレミフェン、メピチオスタン、アナストロゾール、エキセメスタン、プロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ノルエチステロン、ダナゾール、デソゲストレル、ノルゲストレル、レボノルゲストレル、ヒト絨毛ゴナドトロピン、ガストリン、コレシストキニン、セクレチン、グルカゴン、インスリン、メラトニン、胃抑制ペプチド、アドレナリン、ノルアドレナリン、アルドステロン、ドパミン、デスオキシコルチコステロン、アラキドン酸、ロイコトリエンA4、ロイコトリエンB4、ロイコトリエンC4、ロイコトリエンD4、ロイコトリエンE4、プロスタグランジンG2、プロスタグランジンH2、プロスタグランジンI2、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンD2、プロスタグランジンF2α、トロンボキサンA2、トロンボキサンB2、セロトニン、ヒスタミン、アンギオテンシン、ブラジキニン、レニン、エンドセリン、γ-アミノ酪酸、各種サイトカイン類、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、PAF(血小板活性化因子)、PIP2(ホスファチジルイノシトール二リン酸)、ガラクトセレブロシド、ガングリオシド、カプロン酸ゲストノロン、ヘキセストロール、エリスロポエチン又はその誘導体等。
糖尿病治療薬:インスリン製剤、トルブタミド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリド、ナテグリニド、ミチグリニド、メトホルミン、ブホルミン、ピオグリタゾン、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、リラグルチド、エキセナチド、エパレスタット又はその塩等。
脂質異常症治療薬:プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、コレスチラミン、コレスチミド、エゼチニブ、ガンマオリザノール、ソイステロール、プロブコール、クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ニコモール、ニセリトロール、デキストラン硫酸エステル、イコサペント酸エチル、2-クロロ-3- [4- (2-メチル-2-フェニルプロポキシ) フェニル]プロピオン酸エチル [Chem.Pharm.Bull., 38, 2792-2796 (1990)]、クリノフィブラート、ソイステロール又はその塩等。
高尿酸・痛風治療薬:コルヒチン、アロプリノール、フェブキソスタット、プロベネシド、ベンズブロマロン、ブコロール又はその塩等。
骨粗鬆症治療薬:エストラジオール、ラロキシフェン、エルカトニン、サケカルシトニン、イプリフラボン、カルシトリオール、アルファカルシドール、メナテトレノン、エチドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、テリパラチド又はその塩等。
止血薬:フィトナジオン、メナテトレノン、トロンビン、ヘモコアグラーゼ、トラネキサム酸、カルバゾクロム又はその塩等。
抗血栓薬:ヘパリン、ダルテパリン、ダナパロイド、ワルファリン、アルガトロパン、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、モンテプラーゼ、アスピリン、オザグレル、イコサペント酸エチル、サルポグレラート、チクロピジン、クロピドグレル、ベラプロスト、シロスタゾール、ジピリダモール又はその塩等。
造血薬:シデフェロン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メコバラミン、葉酸、メテノロン、ナンドロロン、エリスロポエチン製剤、ピリドキサールリン酸エステル、ピリドキシン、フィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、ミリモスチム又はその塩等。
NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬):アスピリン、サリチルアミド、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、スリンダク、ピロキシカム、アンピロキシカム、テノキシカム、メロキシカム、ジクロフェナク、フェルビナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、メフェナム酸、フルフェナム酸、エトドラク、セレコキジブ、チアラミド、エピリゾール、サリチル酸、スルピリン、アミノピリン、フェナセチン、フェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、ベンジダミン、メピリゾール、チノリジン、イソプロピルアンチピリン、サザピリン、クロフェゾン又はその塩等。
免疫抑制薬:シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、ミゾリビン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、グスペリムス、ムロモナブ-CD3、バシリキシマブ又はその塩等。
関節リウマチ治療薬:金チオリンゴ酸、オーラノフィン、D-ペニシラミン、ブシラミン、メトトレキサート、レフルノミド、アクタリット、ロベンザリット、サラゾスルファピリジン又はその塩等。
抗アレルギー薬:クロモグリク酸、トラニラスト、ペミロラスト、アンレキサノクス、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、プロメタジン、シプロヘプタジン、アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミド、メキタジン、エピナスチン、フェキソフェナジン、セチリジン、エバスチン、オロパタジン、ロラタジン、オザグレル、セラトロダスト、ラマトロバン、プランルカスト、モンテルカスト、ザフィルルカスト、イブジラスト、スプラタスト、トリペレナミン、メトジラジン、クレミゾール、ジフェニルピラリン、アリメマジン又はその塩等。
抗生物質:ベンジルペニシリン、スルタミシリン、フェネチシリン、クロキサシリン、アンピシリン、バカンピシリン、アモキシシリン、ピペラシリン、セファロチン、セファゾリン、セファレキシン、セファクロル、セフォチアム、セフロキシムアキセチル、セフスロジン、セフォトキシム、セフメノキシム、セフチゾキシム、セフォペラゾン、セフトリアキソン、セフゾナム、セフタジジム、セフォジジム、セフィキシム、セフジニル、セフポドキシムプロキセチル、セフジトレンピボキシル、セフカペンピボキシル、セフェピム、セフピロム、セフォゾプラン、セフォタキシン、セフメタゾール、セフブペラゾン、セフミノクス、ラタモキセフ、フロモキセフ、アズトリペネム、テビペネムピボキシル、アズトレオナム、カルモナム、バンコマイシン、レオナム、イミペネム、バニペネム、メロペネム、ファロペネム、ビアペネム、ドリペネム、テイコプラニン、ホスホマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシン、トブラマイシン、フラジオマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、アルベカシン、スペクチノマイシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、アセチルスピラマイシン、ロキタマイシン、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、リンコマイシン、クリンダマイシン、ムピロシン、リネゾリド、ポリミキシンB、コリスチン、スルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジメトキシン、スルファドキシン、ナジリクス酸、ノルフロキサシン、モキシフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、オフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、ガチフロキサシン、プルリフロキサシン、パズフロキサシン、スルバクタム、タゾバクタム、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、クラブラン酸、ピブメシリナム、テリスロマイシン、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン、エタンブトール、パラアミノサリチル酸、ジアフェニルスルホン、クロファジミン、ランカサイジン類[J.AntiBiotics, 38, 877-885 (1985)]、ピペミド酸三水和物、ジべカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、ディベカシン、シソマイシン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、チカルシリン、セファロリジン、セフォチアムヘキセチル、セフスロジン、モキサラクタム、チエナマイシン又はその塩等。
抗原虫・寄生虫薬:キニーネ、メフロキン、スルファドキシン、ピリメタミン、メトロニダゾール、チニダゾール、スピラマイシン酢酸エステル、ペンタミジン、サントニン、ピランテル、メベンダゾール、イベルメクチン、ジエチルカルバマジン、プラジカンテル、アルベンダゾール、レバミゾール又はその塩等。
抗真菌薬:アムホテリシンB、ナイスタチン、イトラコナゾール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、ミカファンギン、テルビナフィン、ブテネフィン、フルシトシン、グリセオフルビン又はその塩等。
抗ウイルス薬:アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、ホスカルネット、アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、ラニナビルオクタン酸エステル、ペラミビル、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、サニルブジン、アバカビル、ネビラピン、エファビレンツ、デラビルジン、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル、ラルテグラビル、インターフェロン製剤、リバビリン又はその塩等。
抗悪性腫瘍薬:シクロホスファミド、イホスファミド、ブスルファン、チオテパ、メルファラン、ニムスチン、ラニムスチン、ロムスチン、カルムスチン、メルカプトプリン、フルダラビン、フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カペシタビン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、ゲムシタビン、メトトレキサート、ホリナート、レボホリナート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アドリアマイシン、イダルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカン、ノギテカン、エトポシド、タモキシフェン、メピチオスタン、トレミフェン、アナストロゾール、レトロゾール、フルタミド、クロルマジノン酸エステル、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、リュープロレリン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、L-アスパラギナーゼ、ヒドロキシカルバミド、ダカルバシン、テモゾロミド、プロカルバジン、メルファラン、クラドリビン、ネララビン、フルダラビン、ペメトレキセド、ペントスタチン、エリブリン、ソブゾキサン、ビノレルビン、ビンデシン、アクラルビシン、アムルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、ピラルビシン、ベプロマイシン、ミトキサントロン、エキセメスタン、エストラムスチン、ミトタン、メピチオスタン、ウベニメクス、レンチナン、サリドマイド、ネオカルチノスタチン、シトシンアラジノシド、テトラヒドロフリル-5-フルオロウラシル、ピシバニール、レンチナン、ベスタチン、ミトキサントロン、アミノグルテチミド又はその塩等。
分子標的治療薬(低分子化合物):イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、クリゾチニブ、アキシチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、ボルテゾミブ、タミバロテン、トレチノイン、バンデタニブ等。
診断薬・検査薬:アミドトリゾ酸、メグルミン、イオタラム酸、イオタラム酸メグルミン、イオトロクス酸メグルミン、イオプロミド、イオメプロール、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオトロラン、イオジキサノール、ガドジアミド、スルホブロモフタレイン、インドシアニングリーン、インジゴカルミン、パラアミノ馬尿酸、フェノールスルホンフタレイン、イヌリン、クレアチニン、エバンスブルー、テトラガストリン、ツベルクリン、エドロホニウム、オルトトリジン又はその塩等。
解毒薬・拮抗薬:ジメルカプロール、エデト酸、D-ペニシラミン、トリエンチン、デフィロキサミン、亜硝酸アミル、チオ硫酸、プラリドキシム、アトロピン、ナロルフィン、ナロキソン、レバロルファン、フルマゼニル、ジモルホラミン、ホリナート、プロタミン、フィトナジオン、アセチルシステイン、メスナ、ジメスナ、ピリドキシン、ピリドキサールリン酸エステル、ジスルフィラム、シアナミド又はその塩等。
生薬:阿膠(あきょう)、威霊仙(いれいせん)、いんちんこう、茴香(ういきょう)、烏薬(うやく)、延胡索(えんごさく)、黄耆(おうぎ)、おうごん、黄柏(おうばく)、桜皮(おうひ)、黄連(おうれん)、遠志(おんじ)、艾葉(がいよう)、何首烏(かしゅう)、葛根(かっこん)、滑石(かっせき)、かろこん、かろにん、甘草(かんぞう)、桔梗(ききょう)、枳実(きじつ)、菊花(きくか)、橘皮(きっぴ)、羌活(きょうかつ)、杏仁(きょうにん)、苦参(くじん)、荊芥(けいがい)、桂枝(けいし)、膠飴(こうい)、紅花(こうか)、香附子(こうぶし)、粳米(こうべい)、厚朴(こうぼく)、牛膝(ごしつ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、牛蒡子(ごぼうし)、胡麻(ゴマ)、五味子(ごみし)、柴胡(さいこ)、細辛(さいしん)、細茶(さいちゃ)、山査子(さんざし)、山梔子(さんしし)、山茱萸(さんしゅゆ)、山椒(さんしょう)、酸棗仁(さんそうにん)、山薬(さんやく)、地黄(じおう)、地骨皮(じこっぴ)、柴根(しこん)、しつりし、芍薬(しゃくやく)、車前子(しゃぜんし)、縮砂(しゅくしゃ)、生姜(しょうきょう)、小麦(しょうばく)、升麻(しょうま)、辛夷(しんい)、神麹(しんぎく)、神麹(しんぎく)、石膏(せっこう)、せんきゅう、前胡(ぜんこ)、川骨(せんこつ)、蝉退(ぜんたい)、桑白皮(そうはくひ)、蘇木(そぼく)、蘇葉(そよう)、大黄(だいおう)、大棗(たいそう)、沢瀉(たくしゃ)、ちくじょ、知母(ちも)、丁香(ちょうこう)、釣藤鈎(ちょうとうこう)、猪苓(ちょれい)、陳皮(ちんぴ)、天南星(てんなんしょう)、天麻(てんま)、天門冬(てんもんどう)、冬瓜子(とうがし)、当帰(とうき)、桃仁(とうにん)、杜仲(とちゅう)、独活(どっかつ)、人参(にんじん)、忍冬(にんどう)、忍冬(にんどう)、貝母(ばいも)、麦芽(ばくが)、麦門冬(ばくもんどう)、薄荷(はっか)、半夏(はんげ)、百合(びゃくごう)、びゃくし、白朮(びゃくじゅつ)、枇杷葉(びわよう)、檳榔子(びんろうじ)、茯苓(ぶくりょう)、附子(ぶし)、防已(ぼうい)、芒硝(ぼうしょう)、防風(ぼうふう)、ぼくそく、牡丹皮(ぼたんぴ)、牡蛎(ぼれい)、麻黄(まおう)、麻子仁(ましにん)、木通(もくつう)、木香(もっこう)、益母草(やくもそう)、よくいにん、竜眼肉(りゅうがんにく)、竜骨(りゅうこつ)、竜胆(りゅうたん)、良姜(りょうきょう)、連翹(れんぎょう)、蓮肉(れんにく)等。
ビタミン類:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、及びその誘導体等。
アミノ酸類:グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、バリン、ロイシン、アスパラギン、アスパラギン酸、イソロイシン、プロリン、グルタミン、グルタミン酸、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、チロシン、メチオニン、システイン、リジン及びその誘導体等。
動物薬:アイブロシン、スピラマイシン、アスポキシシリン、アモキシシリン、オキシテトラサイクリン、アンピシリン、エリスロマイシン、キタサマイシン、クロキサシリン、クロラムフェニコール、ジクロキサシリン、ジョサマイシン、セデカマイシン、セファゾリン、セファロニウム、セフチオフル、セフロキシム、タイロシン、チアムリン、チルミコシン、デストマイシンA、テルデカマイシン、ナイスタチン、ナナフロシン、ナフシリン、ノボビオシン、ハイグロマイシンB、ビコザマイシン、テトラサイクリン、ベンジルペニシリン、ホスホマイシン、オレアンドマイシン、ミロサマイシン、メシリナム、モネンシン、クロルテトラサイクリン、スペクチノマイシン、ドキシサイクリン、リンコマイシン、デキサメタゾン、アプラマイシン、カナマイシン、ストレプトマシン、ゲンタマイシン、コリスチン、フラジオマイシン、ピロミド酸又はその誘導体及び塩等。
その他:メクロフェノキサート、チアプリド、イフェンプロジル、ニセルゴリン、ファスジル、スマトリプタン、デュタステリド、オキシフェドリン、プロトキロール、アロクラミド、マレイン酸シネパジド、シクランデレート、シンナリジン、ペントキシフィリン、イフェンプロジル、ロテノン、アミタール、アンチマイシンA、バリノマイシン、グラミシジンA、オリゴマイシン、エダラボン、シチコリン、メチルフェニデート、モダフィニル、マジンドール、ピクロトキシン、ペンテトラゾール、ストリキニーネ、カルペリチド、ジラゼプ、ドキサプラム、ピレノキシン、グルタチオン、ナファゾリン、ヒアルロン酸、アセトアミノフェン、テセロイキン、セルモロイキン、シラスタチン、ベタミプロン、ピリメタミン、ギメラシル、オテラシル、ウラシル、ヒドロキシカム、ダイアセリン、メゲストロール酢酸、ニセルゴリン、ベンジルホスホン酸ジエチルなどさらに、フェノールスルフォフタレイン誘導体、ベンゾチオピラン又はベンゾチエピン誘導体、チエノインダゾール誘導体、フマギロール誘導体、P38MAPキナーゼ阻害剤(WO00/64894等に記載のチアゾール系化合物等)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)、虚血性疾患治療薬、免疫疾患治療薬、血管新生治療薬、網膜症治療薬、網膜静脈閉塞症治療薬、老人性円板状黄斑変性症治療薬、脳血管攣縮治療薬、脳血栓治療薬、脳梗塞治療薬、脳閉塞症治療薬、脳内出血治療薬、クモ膜下出血治療薬、高血圧性脳症治療薬、一過性脳虚血発作治療薬、多発性梗塞性痴呆治療薬、動脈硬化症治療薬、ハンチントン病治療薬、脳組織障害治療薬、視神経症治療薬、高眼圧症治療薬、網膜剥離治療薬関節炎治療薬、抗セプシス薬、抗セプティックショック薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、先天性心疾患治療薬、リンパ節炎治療薬、クローン病治療薬、起用性大腸炎治療薬、過敏性腸症候群治療薬、腎不全治療薬、分娩誘発薬、不妊治療薬、陣痛促進薬、陣痛抑制薬、強制流産薬、前立腺肥大治療薬、子宮体癌治療薬、乳癌治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、脳腫瘍治療薬、片頭痛治療薬、肝炎治療薬、腹水治療薬、浮腫治療薬、メニエール病治療薬、皮膚色素異常治療薬、ハンセン病治療薬、農薬解毒薬、褥瘡治療薬、変形性関節病治療薬、骨軟化症(くる病)治療薬、白癬病治療薬等。
本発明の医薬用組成物では、薬効成分がCyDに包摂される。
3.添加剤
本発明の医薬組成物には、次の添加剤を含むことができる。
本発明の医薬組成物には、次の添加剤を含むことができる。
賦形剤:糖アルコール類(マルチトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール等)、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アピオース、エリトロース、トレオース、グリセルアルデヒド、セドヘプツロース、コリオース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、リブロース、キシルロース、エリトルロース、ジヒドロキシアセトン、トレハロース、イソトレハロース、コージビオース、ソホロース、ニゲロース、ラミナリビオース、マルトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ラクトース、スクロース、塩化ナトリウム、デンプン、還元パラチノーム、炭酸塩類(炭酸カルシウム等)、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、タルク、リン酸塩類(リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等)、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、オリゴ糖類(ラクチュロース、ラフィノース、ラクトスクロース等)等。
可塑剤:グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;モノステアリン、PEG4000、PEG6000、PEG20000等の各種ワックス類;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等の有機脂肪酸類。
界面活性剤:クエン酸トリエチル、Tween80、HCO60、トリアセチン等。
粘度調整剤:単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液等。
結合剤:ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、結晶セルロース、粉末セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、リン酸カリウム、アラビアゴム末、プルラン、ペクチン、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ゼラチン、キサンタンガム、カラギーナン、トラガント、トラガント末、ポリエチレングリコール等。
崩壊剤:デンプン、乾燥デンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、メチルセルロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、部分アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等。
吸収促進剤:第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等。
吸着剤:デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等。
滑沢剤:ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、酸化マグネシウム、コロイドシリカ、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等。
抗酸化剤:ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、サポニン等の分散剤。
アスコルビン酸、トコフェロール等。
酸味料:乳酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸等。
流動化剤:二酸化ケイ素等。
甘味料:スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、グリチルリチン等。
香料:ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油、フルーツフレーバー、ミントフレーバー、ペパーミントパウダー、d,l-メントール、l-メントール等。
薬効成分の溶出速度の制御を容易にするため、崩壊剤、結合剤等を配合することが好ましい。
4. 医薬組成物の組成
4-1. 点眼剤
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の含有量は、点眼剤全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%程度、より好ましくは0.1〜10質量%程度、更に好ましくは0.1〜8質量%程度であり、特に好ましくは0.2〜5質量%程度である。点眼剤の粘度を上げる利点がある。
4-1. 点眼剤
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の含有量は、点眼剤全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%程度、より好ましくは0.1〜10質量%程度、更に好ましくは0.1〜8質量%程度であり、特に好ましくは0.2〜5質量%程度である。点眼剤の粘度を上げる利点がある。
前記分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
シクロデキストリン(CyD)
CyDの含有量は、点眼剤全量に対して、好ましくは0.005〜10質量%程度、より好ましくは0.01〜5質量%程度、更に好ましくは0.02〜2質量%程度であり、特に好ましくは0.03〜1質量%程度である。
CyDの含有量は、点眼剤全量に対して、好ましくは0.005〜10質量%程度、より好ましくは0.01〜5質量%程度、更に好ましくは0.02〜2質量%程度であり、特に好ましくは0.03〜1質量%程度である。
CyDの配合量は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物100質量部に対して、2〜80質量部程度が好ましく、3〜40質量部程度がより好まく、6〜20質量部程度が更に好ましい。包接複合体を形成する利点がある。
点眼剤では、包接複合体のし易さという理由から、CyDの中でも、α- CyDが好ましい。
薬効成分
薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。本発明の医薬組成物の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。薬効成分の含有量は、点眼剤全量に対して、0.1〜90質量%程度であれば良い。CyD 100質量部に対して、薬効成分を0.1〜100,000質量部程度含有することが好ましい。
薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。本発明の医薬組成物の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。薬効成分の含有量は、点眼剤全量に対して、0.1〜90質量%程度であれば良い。CyD 100質量部に対して、薬効成分を0.1〜100,000質量部程度含有することが好ましい。
4-2. 口腔内崩壊錠
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の含有量は、口腔内崩壊錠全量に対して、好ましくは0.001〜20質量%程度、より好ましくは0.001〜10質量%程度、更に好ましくは0.001〜5質量%程度であり、特に好ましくは0.001〜1質量%程度である。結合剤としての利点がある。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の含有量は、口腔内崩壊錠全量に対して、好ましくは0.001〜20質量%程度、より好ましくは0.001〜10質量%程度、更に好ましくは0.001〜5質量%程度であり、特に好ましくは0.001〜1質量%程度である。結合剤としての利点がある。
例えば、150mg口腔内崩壊錠の場合、錠剤中の分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物(サンジェロース等)は0.009mg(0.006質量%)程度が好ましい。
前記分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
シクロデキストリン (CyD)
CyDの含有量は、口腔内崩壊錠全量に対して、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度、更に好ましくは15〜30質量%程度であり、特に好ましくは15〜20質量%程度である。
CyDの含有量は、口腔内崩壊錠全量に対して、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度、更に好ましくは15〜30質量%程度であり、特に好ましくは15〜20質量%程度である。
口腔内崩壊錠の場合、CyDは、薬効成分との相互作用、及び分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物(サンジェロース等)との相互作用という2つの目的のために、過剰に添加されることが好ましい。例えば、150mg口腔内崩壊錠の場合、錠剤中のCyDは25mg(16.7質量%)程度が好ましい。
CyDの配合量は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物100質量部に対して、200,000〜400,000質量部程度が好ましく、250,000〜300,000質量部程度がより好まく、270,000〜280,000質量部程度が更に好ましい。包接複合体形成の利点がある。
口腔内崩壊錠剤(OD錠)では、包接複合体解離のし難さという理由から、CyDの中でも、α- CyD及びβ- CyDが好ましい。
薬効成分
薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。本発明の医薬組成物の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。薬効成分の含有量は、口腔内崩壊錠全量に対して、0.1〜90質量%程度であれば良い。CyD 100質量部に対して、薬効成分を0.1〜100,000質量部程度含有することが好ましい。
薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。本発明の医薬組成物の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。薬効成分の含有量は、口腔内崩壊錠全量に対して、0.1〜90質量%程度であれば良い。CyD 100質量部に対して、薬効成分を0.1〜100,000質量部程度含有することが好ましい。
4-3. 徐放性製剤
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の含有量は、徐放性製剤全量に対して、好ましくは0.001〜20質量%程度、より好ましくは0.001〜10質量%程度、更に好ましくは0.001〜5質量%程度であり、特に好ましくは0.001〜1質量%程度である。結合剤としての利点がある。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物の含有量は、徐放性製剤全量に対して、好ましくは0.001〜20質量%程度、より好ましくは0.001〜10質量%程度、更に好ましくは0.001〜5質量%程度であり、特に好ましくは0.001〜1質量%程度である。結合剤としての利点がある。
例えば、150mg口腔内崩壊錠の場合、錠剤中の分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物(サンジェロース等)は0.009mg(0.006質量%)程度が好ましい。
前記分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
シクロデキストリン(CyD)
CyDの含有量は、徐放性製剤全量に対して、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度、更に好ましくは15〜30質量%程度であり、特に好ましくは15〜20質量%程度である。
CyDの含有量は、徐放性製剤全量に対して、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度、更に好ましくは15〜30質量%程度であり、特に好ましくは15〜20質量%程度である。
徐放性製剤の場合、CyDは、薬効成分との相互作用、及びサンジェロースとの相互作用という2つの目的のために、過剰に添加されることが好ましい。例えば、150mg徐放性製剤の場合、錠剤中のCyDは25mg(16.7質量%)程度が好ましい。
CyDの配合量は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物100質量部に対して、200,000〜400,000質量部程度が好ましく、250,000〜300,000質量部程度がより好まく、270,000〜280,000質量部程度が更に好ましい。包接複合体形成の利点がある。
徐放性製剤では、包接複合体の解離のし易さという理由から、CyDの中でも、γ- CyD及び2-ヒドロキシプロピル-β- CyDが好ましい。
薬効成分
薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。本発明の医薬組成物の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。薬効成分の含有量は、徐放性製剤全量に対して、0.1〜90質量%程度であれば良い。CyD 100質量部に対して、薬効成分を0.1〜100,000質量部程度含有することが好ましい。
薬効成分の含有量は、バイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。本発明の医薬組成物の投与量は、薬効成分の含有量とバイオアベイラビリティーに応じて適宜選択できる。薬効成分の含有量は、徐放性製剤全量に対して、0.1〜90質量%程度であれば良い。CyD 100質量部に対して、薬効成分を0.1〜100,000質量部程度含有することが好ましい。
また、本発明の医薬組成物は、常法により錠剤、粉末剤、細粒剤、微細顆粒剤、顆粒剤、カプセル剤、座剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、エアゾール剤等の剤型で使用することもできる。
5. 医薬組成物の製造
5-1. 点眼剤
医薬組成物が点眼剤であるときは、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD及び薬効成分を溶媒に溶解・混合して、点眼剤を製造することができる。
5-1. 点眼剤
医薬組成物が点眼剤であるときは、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD及び薬効成分を溶媒に溶解・混合して、点眼剤を製造することができる。
前記分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
5-3. 口腔内崩壊錠及び徐放性製剤
医薬組成物が錠剤であるときは、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD及び薬効成分の混合物を湿式造粒して、錠剤を製造することができる(湿式造粒法)。湿式造粒とは、薬効成分、結合剤及び賦形剤を湿式造粒して、これを乾燥・整粒した後、滑沢剤を適量混合して打錠機により製錠される方法である。詳しくは、薬効成分、賦形剤及び結合剤を高速攪拌造粒機や流動層造粒機を用い、精製水を用いて常法にて造粒を行う。湿式造粒法は、含量均一性や圧縮成形性に劣る薬効成分を用いる場合に好ましい。
医薬組成物が錠剤であるときは、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD及び薬効成分の混合物を湿式造粒して、錠剤を製造することができる(湿式造粒法)。湿式造粒とは、薬効成分、結合剤及び賦形剤を湿式造粒して、これを乾燥・整粒した後、滑沢剤を適量混合して打錠機により製錠される方法である。詳しくは、薬効成分、賦形剤及び結合剤を高速攪拌造粒機や流動層造粒機を用い、精製水を用いて常法にて造粒を行う。湿式造粒法は、含量均一性や圧縮成形性に劣る薬効成分を用いる場合に好ましい。
前記分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物は、好ましくはアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD及び薬効成分の混合物を直接打錠して、錠剤(医薬組成物)を製造することもできる(直接打錠法)。直接打錠法とは、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD、薬効成分、結合剤及び賦形剤を混合して、滑沢剤を混合して製錠する方法である。直接打錠法は、流動性が良好、若しくは改良された薬効成分を用いる場合や、水に不安定な薬効成分を用いる場合に好ましい。
本発明の医薬組成物は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物、CyD及び薬効成分、結合剤及び賦形剤を、ローラーコンパクター等を用いて加圧乾式造粒を行い、次いで整粒し、次いで滑沢剤と混合して製錠することにより、錠剤(医薬組成物)を製造することもできる(乾式造粒法)。
次に、実施例により、本発明を製剤形態およびそれらにより得られる効果について具体的に説明する。しかし、本発明がかかる実施例にのみに限定されないことは言うまでもない。
実施例
外用剤用組成物(製剤)は、(1)シクロデキストリン(CyD)を使用した。
外用剤用組成物(製剤)は、(1)シクロデキストリン(CyD)を使用した。
外用剤用組成物(製剤)は、(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物として、疎水化変性アルキルセルロース(サンジェロース(商品名)、Sangelose:大同化成工業(株)社製)を使用した。
[1] 疎水化変性アルキルセルロース及びCyDを含む外用剤用組成物
水に疎水化変性アルキルセルロース(サンジェロース(商品名)、Sangelose:大同化成工業(株)社製)と各種CyDを添加し、溶解することにより、外用剤用組成物(外用剤)を製造した。必要に応じて、上記のその他成分(湿潤剤等)を添加することができる。
水に疎水化変性アルキルセルロース(サンジェロース(商品名)、Sangelose:大同化成工業(株)社製)と各種CyDを添加し、溶解することにより、外用剤用組成物(外用剤)を製造した。必要に応じて、上記のその他成分(湿潤剤等)を添加することができる。
図1は、疎水化変性アルキルセルロース及びα-シクロデキストリン(α-CyD)を含む組成物の粘度の挙動を表す図である。組成物中の疎水化変性アルキルセルロースの含有量に対するα- CyD含有量(濃度:質量%)及び温度(℃)と粘度(mPa・s)との関係を示した。
その結果より、外用剤(又は外用剤用組成物)を塗布した時の温度感受性の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、α- CyD 0.05〜0.1質量%との組み合わせが特に好ましい。
図2は、疎水化変性アルキルセルロース及びβ-シクロデキストリン(β-CyD)を含む組成物の粘度の挙動を表す図である。組成物中の疎水化変性アルキルセルロースの含有量に対するβ-CyD含有量(濃度:質量%)及び温度(℃)と粘度(mPa・s)との関係を示した。
その結果より、外用剤(又は外用剤用組成物)を塗布した時の温度感受性の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、β-CyD 0.05〜0.2質量%との組み合わせが特に好ましい。
図3は、疎水化変性アルキルセルロース及びγ-シクロデキストリン(γ-CyD)を含む組成物の粘度の挙動を表す図である。組成物中の疎水化変性アルキルセルロースの含有量に対するγ-CyD含有量(濃度:質量%)及び温度(℃)と粘度(mPa・s)との関係を示した。
その結果より、外用剤(又は外用剤用組成物)を塗布した時の温度感受性の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、γ-CyD 0.2〜2質量%との組み合わせが特に好ましい。
図4は、疎水化変性アルキルセルロース及び2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CyD)を含む組成物の粘度の挙動を表す図である。組成物中の疎水化変性アルキルセルロースの含有量に対する2-ヒドロキシプロピル-β-CyD含有量(濃度:質量%)及び温度(℃)と粘度(mPa・s)との関係を示した。
その結果より、外用剤(又は外用剤用組成物)を塗布した時の温度感受性の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、2-ヒドロキシプロピル-β-CyD 0.025〜0.2質量%との組み合わせが特に好ましい。
外用剤(又は外用剤用組成物)では、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、各種CyD 0.025〜2質量%を組み合わせることにより、溶液中で包接複合体を形成することによって、保存性に優れ、容易に皮膚に塗布することができる外用剤を製造することができた。
考察
本発明の外用剤用組成物は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとが包接複合体を形成することができる。外用剤用組成物は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、外用剤用組成物にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
本発明の外用剤用組成物は、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとが包接複合体を形成することができる。外用剤用組成物は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、外用剤用組成物にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
前記特徴により、本発明の外用剤用組成物は、次の効果を奏することができる。先ず、外用剤用組成物が容器内で保存されている間は、外用剤用組成物の粘度が低く保たれる。この時、外用剤用組成物を容器から取り出す等の扱いが良好となる。次に、外用剤用組成物を皮膚に塗布した後は、温度変化(主には温度上昇)により外用剤用組成物の粘度が高くなる。この時、外用剤用組成物が皮膚からの液ダレすることを抑制できる。これにより、皮膚上では、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物が有する特徴である、延びが良く、皮膚に塗布し易いという効果が発揮され、使用感が良好な外用剤用組成物(ゲル)となる。
本発明の外用剤用組成物を化粧品へ応用することにより、温度感受性の効果を期待できる。
[2] 医薬組成物:OD錠及び徐放性製剤
口腔内崩壊錠(ODTs)は、経口投与製剤の中でも利便性に優れる。HP-β-CyD(2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)及びβ-CyD(β-シクロデキストリン)を使用した。モデル薬物には第三世代のスルフォニル尿素系薬物であるグリメピリドを選択した。
口腔内崩壊錠(ODTs)は、経口投与製剤の中でも利便性に優れる。HP-β-CyD(2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)及びβ-CyD(β-シクロデキストリン)を使用した。モデル薬物には第三世代のスルフォニル尿素系薬物であるグリメピリドを選択した。
シクロデキストリン(天然CyD(シクロデキストリン)、HP-β-CyD、HB-β-CyD(2-ヒドロキシブチル-β-シクロデキストリン))と、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物として、機能性素材の疎水化変性アルキルセルロース(サンジェロース(商品名):大同化成工業(株)社製)とを併用して、直接打錠法により、グリメピリドのODTsを調製した。
硬度、崩壊時間、崩壊後の粘性変化、薬物放出挙動等を測定した。
次世代型高付加価値製剤の基本処方を構築した。
(1) 実験の目的
(1-1) HB-β-CyDの超分子機能の評価
HP-β-CyDは、β-CyDの21個の水酸基に2-ヒドロキシプロピル基がランダムに置換した位置異性体が混在する非晶質性のホスト分子である。平均置換度が5程度のHP-β-CyDは、広い温度範囲で高い水溶性を示し、生体適合性に優れることから、難水溶性薬物や油状薬物の製剤特性の改善に現在最も多く使用されている。HB-β-CyDは、ヒドロキシプロピル基にメチレン基1個を追加し疎水空間が拡がった誘導体である。
(1-1) HB-β-CyDの超分子機能の評価
HP-β-CyDは、β-CyDの21個の水酸基に2-ヒドロキシプロピル基がランダムに置換した位置異性体が混在する非晶質性のホスト分子である。平均置換度が5程度のHP-β-CyDは、広い温度範囲で高い水溶性を示し、生体適合性に優れることから、難水溶性薬物や油状薬物の製剤特性の改善に現在最も多く使用されている。HB-β-CyDは、ヒドロキシプロピル基にメチレン基1個を追加し疎水空間が拡がった誘導体である。
そこで、HB-β-CyDの物性や包接挙動に関する基礎的検討に基づいて、機能性薬物担体としての有用性を明らかにすると共に、経口投与製剤や粘膜適用製剤への用途拡大(薄膜形成性、分散性、粘弾性等の調節)の可能性について考察した。
(1-2) 各種CyDを用いた口腔内崩壊錠の製剤設計
グリメピリドは、重症低血糖の発生が少なく、ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)値の改善効果も良好なことから、2型糖尿病治療薬として現在汎用されている。2型糖尿病患者は高齢化に伴い増加することから、服用に便利で経済的な口腔内崩壊錠(ODTs)のジェネリック製剤が最近開発されている。
グリメピリドは、重症低血糖の発生が少なく、ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)値の改善効果も良好なことから、2型糖尿病治療薬として現在汎用されている。2型糖尿病患者は高齢化に伴い増加することから、服用に便利で経済的な口腔内崩壊錠(ODTs)のジェネリック製剤が最近開発されている。
誤嚥の回避や投与回数の低減等、利便性を高めた次世代型ODTsの開発を企図して、親水性CyDと機能性素材の疎水化変性アルキルセルロースを併用して、患者に優しい製剤処方を構築した。
具体的には、極めて難水溶性で、投与薬量が少なく(通常、1〜2 mg)、生物学的半減期が短い(約5時間)グリメピリドをモデル薬物に用いてODTsを直接打錠法により調製し、口腔内で速やかに崩壊後、嚥下しやすく、分散粒子から主薬が徐々に放出するODTsを設計した。即ち、親水性のβ-CyDsとグリメピリドの包接複合体形成を利用して、崩壊性、分散性、溶解性等に優れるODTs用基本処方を設計した。
次に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のヒドロキシプロピル基の一部にステアリル基(C18)を導入した疎水性の疎水化変性アルキルセルロースを結合剤として使用した。疎水化変性アルキルセルロースのレオグラムは典型的な準粘性流動(quasi-viscous flow)を示す。実施例では、CyDの空洞サイズ、添加濃度、温度に応じて疎水化変性アルキルセルロースの粘性が変化する現象を口腔内で崩壊したODTs分散物(bolus)の嚥下性向上に応用した。更に、HP-β-CyDを含有するODTsは水に濡れると錠剤の表面にゲル状の薄膜を形成するため、この現象を薬物の放出制御に利用した.
(2) 実施方法
(2-1) HB-β-CyD の有用性評価に関する主な検討方法
溶解度相図:一定過剰量(5 mg) のグリメピリドをバイアル(1.5 mL)に入れ、種々の濃度の試料溶液1 mLを加えて密栓し、25℃、125 rpmで5日間振盪した。1,000 x gで5 分間遠心後、上清0.5 mLを綿栓付きピペットで分取し、分光光度計を用いて吸光度を測定した。薬物濃度はUV 波長232 nmの吸光度を測定し、検量線から算出した。
(2-1) HB-β-CyD の有用性評価に関する主な検討方法
溶解度相図:一定過剰量(5 mg) のグリメピリドをバイアル(1.5 mL)に入れ、種々の濃度の試料溶液1 mLを加えて密栓し、25℃、125 rpmで5日間振盪した。1,000 x gで5 分間遠心後、上清0.5 mLを綿栓付きピペットで分取し、分光光度計を用いて吸光度を測定した。薬物濃度はUV 波長232 nmの吸光度を測定し、検量線から算出した。
粉末X線回折:試料をガラスセルに固定し,粉末X 線回折装置を使用して測定した.測定条件は以下の通りである.X線源: Cu-Ka線(1.542 Å),管電圧: 40 kV,管電流: 40 mA,走査速度: 1°/min,回折角: 3 - 30°,スリット: 1° - 1° - 0.15 mm.
1 H-NMR スペクトル:グリメピリド(5 mM)及びHB-β-CyD (D.S. 5.5) (2.5-15 mM)を0.1 Mホウ酸ナトリウム/重水溶液に溶かし、核磁気共鳴装置(500 MHz)を使用して測定した。1H化学シフトは H2O (δ:4.70 ppm)のピークを用いて、テトラメチルシランからの低磁場シフトをppmで表した(1Hの精度:約± 0.005 ppm).
(2-2) CyDを用いた次世代型口腔内崩壊錠の製剤設計に関する主な検討方法
ODTsの調製:グリメピリド、CyD、疎水化変性アルキルセルロース、賦形剤(乳糖、マンニトール、結晶セルロース)、崩壊剤(クロスポビドン)を適宜組み合わせた粉末を乳鉢で混合した。次いで、IR用打錠機を用いて直打法により、直径7mm、厚さ3mm、重量150mgの錠剤を調製した。
1 H-NMR スペクトル:グリメピリド(5 mM)及びHB-β-CyD (D.S. 5.5) (2.5-15 mM)を0.1 Mホウ酸ナトリウム/重水溶液に溶かし、核磁気共鳴装置(500 MHz)を使用して測定した。1H化学シフトは H2O (δ:4.70 ppm)のピークを用いて、テトラメチルシランからの低磁場シフトをppmで表した(1Hの精度:約± 0.005 ppm).
(2-2) CyDを用いた次世代型口腔内崩壊錠の製剤設計に関する主な検討方法
ODTsの調製:グリメピリド、CyD、疎水化変性アルキルセルロース、賦形剤(乳糖、マンニトール、結晶セルロース)、崩壊剤(クロスポビドン)を適宜組み合わせた粉末を乳鉢で混合した。次いで、IR用打錠機を用いて直打法により、直径7mm、厚さ3mm、重量150mgの錠剤を調製した。
ODTsの製剤特性等の検討:硬度、磨損度、崩壊時間(ODTs専用の崩壊試験器)、粘度測定(円錐/平板式回転粘度計)、走査型電子顕微鏡観察により評価した。
(3) 実施成果
(3-1) HB-β-CyD の有用性評価に関する主な検討結果
置換度の異なるHB-β-CyD を調製し、表面張力、吸湿特性、溶血活性、及び難水溶性薬物に対する可溶化能をHP-β-CyDや両親媒性の2,6-d-O-methyl-β-CyD (DM-β-CyD)の場合と比較検討した。
(3-1) HB-β-CyD の有用性評価に関する主な検討結果
置換度の異なるHB-β-CyD を調製し、表面張力、吸湿特性、溶血活性、及び難水溶性薬物に対する可溶化能をHP-β-CyDや両親媒性の2,6-d-O-methyl-β-CyD (DM-β-CyD)の場合と比較検討した。
(i)β-CyDと酸化ブチレンをアルカリ条件下で反応させ、セロハン膜で透析後、凍結乾燥してHB-β-CyDを調製した。生成物の分子量分布とヒドロキシブチル基の平均置換度(D.S.)はMALDI-TOF Mass スペクトルにより推定した。尚、β-CyDと酸化ブチレンの混合比及び反応時間を調節することによりD.S.を調整した。
(ii)HB-β-CyDの表面張力は、濃度の上昇および置換度の増加に伴い低下し、特に置換度6以上のHB-β-CyDは、DM-β-CyDよりも大きな界面活性を示した。また、HB-β-CyDの吸湿性は疎水性が大きいヒドロキシブチル基の存在を反映して、HP-β-CyDのそれよりも小さかった。
(iii)HB-β-CyDは、細長い構造をもつ難水溶性薬物に対して優れた可溶化効果を示し、置換度の増加に伴い可溶化能が増大した。一方、嵩高いステロイド骨格をもつ薬物に対しては立体障害を示した。
(3-2) CyDを用いた次世代型口腔内崩壊錠の製剤設計に関する主な検討結果
(i) グリメピリドとCyDの包接複合体形成
溶解度相図は、天然CyD系でAL型、高濃度のβ-CyD誘導体添加系でAP型を示し、水溶性の複合体形成が示唆された。モル比1:1複合体のみかけの安定度定数はHB-β-CyD>HP-β-CyD>β-CyD>γ-CyD (γ-シクロデキストリン)>α-CyD (α-シクロデキストリン)の順となり、疎水空間が拡がったHB-β-CyDは最も安定な複合体を形成した。グリメピリド/HB-β-CyD系の例では、1H NMRによる化学シフト変化の検討から、グリメピリドのシクロヘキサン環部位が包接に大きく関与することが示唆された。
(i) グリメピリドとCyDの包接複合体形成
溶解度相図は、天然CyD系でAL型、高濃度のβ-CyD誘導体添加系でAP型を示し、水溶性の複合体形成が示唆された。モル比1:1複合体のみかけの安定度定数はHB-β-CyD>HP-β-CyD>β-CyD>γ-CyD (γ-シクロデキストリン)>α-CyD (α-シクロデキストリン)の順となり、疎水空間が拡がったHB-β-CyDは最も安定な複合体を形成した。グリメピリド/HB-β-CyD系の例では、1H NMRによる化学シフト変化の検討から、グリメピリドのシクロヘキサン環部位が包接に大きく関与することが示唆された。
両ヒドロキシアルキル化β-CyDsはグリメピリドと非晶質性の固体複合体を形成し、速溶解性で、バイオアベィラビリティの向上が予期された。
(ii) グリメピリドODTs処方の製剤特性
ODTsの基本特性である速やかな崩壊時間(約40sec)と包装や一包化調剤などの機械的ストレスに耐えうる硬度(約80 N)を確保するため、スーパー崩壊剤(クロスポビドン)、結合剤(結晶セルロース又は疎水化変性アルキルセルロース)、賦形剤(マンニトール、乳糖)、各種CyDの混合比を適宜変えながら直打法でODTsを調製した(表2)。
ODTsの基本特性である速やかな崩壊時間(約40sec)と包装や一包化調剤などの機械的ストレスに耐えうる硬度(約80 N)を確保するため、スーパー崩壊剤(クロスポビドン)、結合剤(結晶セルロース又は疎水化変性アルキルセルロース)、賦形剤(マンニトール、乳糖)、各種CyDの混合比を適宜変えながら直打法でODTsを調製した(表2)。
各種物性値を精査した結果、α-CyDとβ-CyD系では目標とする硬度と短い崩壊時間を有するODTs処方が得られた。
一方、γ-CyD、HP-β-CyD、HB-β-CyD系では硬度が大きくなり、崩壊時間も延長した。通常、口腔内で崩壊したODTsは、唾液に分散していわゆる食塊(bolus)となり、咽頭、食道を経て胃に送り込まれる。その際、各過程におけるbolusの量、粘度、温度、味等が嚥下神経に影響を及ぼすことが知られている。高齢化に伴い、唾液の分泌量は減少し、粘度も高くなるため、嚥下機能は低下する。
そこで、ODTs崩壊後の懸濁液を濾過し粘度を測定すると、CyD添加系で粘性の低下が観察され(図5)、嚥下性向上が示唆された。γ-CyD系で粘度低下作用が小さいのは、疎水化変性アルキルセルロースとγ-CyDの相互作用が弱いためと推定される。
(iii) 疎水化変性アルキルセルロース/CyD系の粘性変化機構の検討
上記ODTsの崩壊に伴う懸濁液の粘性低下機構を解明するため、円錐・平板回転粘度計を用いて疎水化変性アルキルセルロース/CyD系の各種レオロジー特性を検討した。疎水化変性アルキルセルロース水溶液のレオグラムは、その鎖状高分子構造に由来して典型的な準粘性流動(quasi-viscous flow)を示し、剪断速度の増加に伴い粘性やチキソトロピー性が低下した。
上記ODTsの崩壊に伴う懸濁液の粘性低下機構を解明するため、円錐・平板回転粘度計を用いて疎水化変性アルキルセルロース/CyD系の各種レオロジー特性を検討した。疎水化変性アルキルセルロース水溶液のレオグラムは、その鎖状高分子構造に由来して典型的な準粘性流動(quasi-viscous flow)を示し、剪断速度の増加に伴い粘性やチキソトロピー性が低下した。
そこで、疎水化変性アルキルセルロース水溶液にCyDを添加すると、ステアリル基同士の疎水相互作用が減弱し、粘度が有意に減少した。
次に、一定の剪断速度において疎水化変性アルキルセルロースの粘度に及ぼす各種CyDの空洞サイズの影響を調べると、α-CyD>β-CyD≒HP-β-CyD≒HB-β-CyD>γ-CyDの順に粘性が変化した。
α-CyDで粘性低下効果が最も大きく観察されたのは、13C NMR化学シフト変化の検討から、疎水化変性アルキルセルロースのステアリル基にα-CyDの空洞サイズが最もよくフィットすることによるものと推定された。
更に、測定温度を変えながら疎水化変性アルキルセルロースの粘度に及ぼすCyDの影響を調べると、相互作用の弱いγ-CyD系では粘度低下作用が小さく、温度上昇に伴い粘度が徐々に増大し、例えば0.5 %w/v γ-CyD存在下では37℃付近でピークを示し、疎水化変性アルキルセルロース自体の粘度に近づいた(図6)。
このようなsol/gel変換現象は、適切な濃度条件を選択することにより点眼剤、坐剤、注射剤等において局所的な温度感受性を利用した薬物放出速度の制御への応用が期待される。
(iv) グリメピリドの放出挙動に及ぼすCyDの影響
疎水化変性アルキルセルロース及びβ-CyDを含有する錠剤の表面に微量の水(約5μL)を滴下すると、直ちにひび割れが発生したことから、崩壊し易いODTsであることが観察できた(図7)。
疎水化変性アルキルセルロース及びβ-CyDを含有する錠剤の表面に微量の水(約5μL)を滴下すると、直ちにひび割れが発生したことから、崩壊し易いODTsであることが観察できた(図7)。
一方、HP-β-CyDを含有する錠剤は、水を滴下すると錠剤表面にゲル状の薄膜を形成し、ひび割れの進行が抑制された。これが崩壊時間延長の要因となって薬物は徐放出するものと推察される。HB-β-CyD系もゲル状の薄膜を形成する傾向が見られたが、比較的高い硬度を反映して、薬物放出時間は遅延した。
γ-CyD/疎水化変性アルキルセルロース系で硬度の増大と崩壊時間の遅延がみられたのは、両者の相互作用が弱いため、錠剤が水に濡れるとγ-CyDと疎水化変性アルキルセルロースが解離し、γ-CyDは錠剤表面から流失して、高粘性の疎水化変性アルキルセルロースが錠剤中残留するものと予想される。このように、錠剤の表面における薄膜形成やCyDと薬物、疎水化変性アルキルセルロース、他の添加剤間で分子間相互作用が起こって、それに伴い錠剤物性や薬物放出挙動が様々に変化するものと推察される。
CyDの種類や添加濃度を適切に選択して使用することにより、錠剤の硬度、崩壊時間、崩壊後のbolusの粘度(嚥下性)、薬物放出時間等を制御可能なことが示唆された。
水溶性複合体形成による溶解性の改善、崩壊分散体の粘性低下による誤嚥の回避、薬物の徐放出による投与回数の低減等、利便性と安全性を高めた患者に優しいスーパージェネリック製剤の開発できた。
口腔内崩壊錠(OD錠)では、包接複合体形成の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、α-CyDの場合0.1〜50質量%、β-CyDの場合0.2〜50質量%との組み合わせが好ましい。
徐放性製剤では、使用時の温度感受性の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、γ-CyDの場合0.2〜2質量%、2-ヒドロキシプロピル-β-CyDの場合0.025〜0.2質量%との組み合わせが好ましい。温度感受性が認められる領域では徐放性としての効果が期待でる。
[3] 医薬組成物:点眼剤
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物(疎水性増粘剤)として、疎水化変性アルキルセルロース(サンジェロース(商品名)、大同化成工業(株)社製)を、点眼剤の粘性調節に使用した。モデル薬物に用いた非ステロイド系抗炎症薬ジクロフェナックナトリウム(DFNa)は、生物学的半減期が短く(1.2〜2 h)、粘膜刺激性が強いため、徐放化や刺激性の低減等の工夫が望まれている。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物(疎水性増粘剤)として、疎水化変性アルキルセルロース(サンジェロース(商品名)、大同化成工業(株)社製)を、点眼剤の粘性調節に使用した。モデル薬物に用いた非ステロイド系抗炎症薬ジクロフェナックナトリウム(DFNa)は、生物学的半減期が短く(1.2〜2 h)、粘膜刺激性が強いため、徐放化や刺激性の低減等の工夫が望まれている。
そこで、CyD/疎水化変性アルキルセルロース系の粘度が体温付近でピークを示す現象に着目して、室温で低粘性の製剤を眼粘膜に適用すると、粘度上昇に伴い局所滞留性が高まり、低刺激性で、薬物を徐々に放出する処方を設計した。
(1) 実験方法
試料、測定装置等:疎水化変性アルキルセルロース、各種CyD(日本食品化工からの提供品)、DFNa(東京化成からの購入品)。
試料、測定装置等:疎水化変性アルキルセルロース、各種CyD(日本食品化工からの提供品)、DFNa(東京化成からの購入品)。
試料の粘度測定は円錐/平板式回転粘度計MCR-101 (Anton Paar Japan K.K.)、溶媒は等張リン酸緩衝液(pH 7.0)を用いて行った。
複合体形成は、溶解度法、1H NMR、蛍光スペクトル法、粉末X線回折法により検討した。
薬物放出挙動は、膜透過法により検討した。
粘膜刺激性は、家兎赤血球の溶血現象を指標にして評価した(K. Uekama, T. Irie, M. Sunada, M. Otagiri, K. Tsubaki, J. Pharmacobio-Dyn., 4, 142-144 (1981).)。
(2) 結果と考察
疎水化変性アルキルセルロース(0.5重量%)の粘度は、CyD(0.5重量%)存在下で低下した。
疎水化変性アルキルセルロース(0.5重量%)の粘度は、CyD(0.5重量%)存在下で低下した。
相互作用の弱いγ-CyD系では温度上昇に伴い複合体が解離して粘度が増加し、所謂sol/gel転移の様相を呈した。
疎水化変性アルキルセルロースとの相互作用が強いα-CyD及び各種β-CyD添加系では、低濃度で温度の上昇に伴い疎水化変性アルキルセルロースの粘度の上昇が見られた。
DFNa /CyD /疎水化変性アルキルセルロース系の粘度変化には、温度上昇に伴うCyD/疎水化変性アルキルセルロース系の解離平衡と競合包接で形成されるDFNa/CyD複合体の解離平衡が共存するため、CyDの種類と濃度の選択は重要である。
そこで、疎水化変性アルキルセルロースとの相互作用が最大で、DFNaとの相互作用が最小を示すα-CyD(Kc:15M-1)を選択し、疎水化変性アルキルセルロースの粘度に及ぼす温度の影響を検討した。
その結果、0.03〜0.05質量%のα-CyD存在下では、20℃で低粘度、30〜35℃付近で粘度上昇がピークに達した。その後温度上昇に伴い複合体は、更に解離して疎水化変性アルキルセルロース自体の粘度に近づいた(図8のc及びd)。
DFNa (0.1重量%) /α-CyD /疎水化変性アルキルセルロース(0.5重量%) 系の薬物放出挙動に及ぼすα-CyD濃度(0.01〜0.10重量%)の影響をセロファン膜透過法で比較すると、低濃度ほど系の粘度は増大し、薬物放出速度も遅延した。
ヒステリシスループの面積から算出したチキソトロピー特性値は、たとえばα-CyD (0.05重量%) 系の粘度がピークを示す33℃において最も大きな値が得られ、局所滞留性の遅延が示唆された。
薬物由来の粘膜刺激性に及ぼすCyDの影響を評価するため、DFNaで惹起される赤血球の溶血を指標にして検討した結果、CyD存在下で溶血の抑制が見られた。
DFNa /CyD /疎水化変性アルキルセルロースの温度感受性粘度変化を利用した徐放化システム(S. Kempe, K. Mader, J. Controlled Rel., 161, 668-679 (2012))を点眼剤に応用すると、局所滞留性の延長、投与回数の減少、粘膜刺激性の低減などのメリットが期待される。
点眼剤では、使用時の温度感受性の効果を得るためにも、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物0.5質量%に対して、特にα-CyD 0.03〜0.05質量%との組み合わせが好ましい。
考察
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDと共に、薬効成分を配合した処方(製剤)の場合、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとが包接複合体を形成し、その包接複合体に薬効成分が取り込まれる。製剤は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、製剤にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDと共に、薬効成分を配合した処方(製剤)の場合、分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとが包接複合体を形成し、その包接複合体に薬効成分が取り込まれる。製剤は、その包接複合体により、粘度が低下する。しかし、製剤にある一定の温度を与えることにより、包接複合体が解離し、粘度が上昇する。
前記特徴により、本発明の製剤は、次の効果を奏することができる。先ず、製剤が液状若しくはゲル状等の場合、容器内で保存されている間は、製剤の粘度が低く保たれる。分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物とCyDとの包接複合体に薬効成分が取り込まれる。次に、製剤を使用(服用等)した後は、温度変化(主には温度上昇)により製剤の粘度が高くなる。この時、薬効成分の放出速度を遅延させることが可能である。この特徴から、本発明は徐放性製剤として有効に使用することができる。
本発明の医薬組成物を各種製剤に応用することにより、温度感受性の効果を期待できる。
Claims (4)
- (1)シクロデキストリン、並びに(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物を含む外用剤組成物。
- 前記(2)分子中に長鎖アルキル基を持つ疎水化変性された化合物が、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水変性ポリエーテルウレタン及び疎水化変性アルキルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、請求項1に記載の外用剤用組成物。
- 前記アルキル変性カルボキシビニルポリマーが、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマー及び(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、請求項2に記載の外用剤用組成物。
- 前記疎水化変性アルキルセルロースが、アルキル基変性ヒドロキシエチルセルロース及びアルキル基変性ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である、請求項2に記載のである外用剤用組成物。
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