JP2003119123A - 経口投与用製剤 - Google Patents

経口投与用製剤

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JP2003119123A
JP2003119123A JP2001313559A JP2001313559A JP2003119123A JP 2003119123 A JP2003119123 A JP 2003119123A JP 2001313559 A JP2001313559 A JP 2001313559A JP 2001313559 A JP2001313559 A JP 2001313559A JP 2003119123 A JP2003119123 A JP 2003119123A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 胃内容排出時間が食事等に影響されず一定
で、バイオアベイラビリティが高く、低酸症患者等に適
用でき、かつ量産可能な消化管内適所放出型または遅延
放出型の経口投与用製剤を提供する。 【解決手段】 水溶性物質からなる芯粒子の周囲に、医
薬活性物質を含む医薬活性物質層をEA/MMA/HE
MA三元共重合体からなる放出制御膜で被覆してなる経
口投与用製剤において、医薬活性物質層にメチルセルロ
ース系誘導体を含有させることにより、製造段階での凝
集が起きず、胃内容排出時間が食事等の影響を受けにく
い粒子径100μm程度の製剤の量産が可能となり、同
時に浸透圧や水分量に拘わらず医薬活性物質の放出が十
分に行われバイオアベイラビリティが高く、消化管内の
pHに影響されず低酸症患者等にも適用できる量産可能
な消化管内適所放出型または遅延放出型の経口投与用製
剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬活性物質を消
化管内の特定部位へ選択的に送達し得る型(以下「消化
管内適所放出型」という。)の経口投与用製剤、また
は、医薬活性物質を経口投与から所定時間経過後に消化
管内で放出させることができる型(以下「遅延放出型」
という。)の経口投与用製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物療法において、潰瘍性大腸炎やクロ
ーン病等のような消化管内炎症性疾患に対する局所療法
や、消化管内で化学分解や酵素分解を受けやすいタンパ
クやペプチド等の医薬活性物質、遺伝子治療を目的とし
た核酸やウイルスなどの経口投与療法などでは、消化管
内の特定部位へ選択的に医薬活性物質を送達することが
望まれている。
【0003】このような消化管内特定部位への選択的な
医薬活性物質の送達(部位選択性)を効率的に実現させ
るためには、消化管内特定部位で選択的に製剤から医薬
活性物質を放出させるように、ヒト消化管内の物理的・
生理学的要因及び製剤の消化管内移動時間を考慮した製
剤設計が必要である。
【0004】ヒト消化管内の物理的・生理学的要因につ
いては、これまでは胃内のpHは健常人で1.8〜4.
5、腸内のpHは6.5〜7.5とされており、また小
腸と大腸の間には本質的なpHの差はないとされてい
た。しかし、近年の研究では日本人において加齢に伴い
胃酸分泌量の低いまたはほとんど分泌されない、胃内p
Hが5.5以上の低酸症・無酸症の割合が増加し、50
歳代で60%以上のヒトで認められるとの報告がある
(Journal of Pharmacobio-dynamics、第7巻、656-664
頁、1984年)。更に、日本における高齢者の人口に占め
る割合の増加と薬剤の使用頻度が高齢者ほど高い傾向に
あることを考慮すると、製剤設計において低酸症、無酸
症患者への考慮が不可欠である。
【0005】製剤の消化管内移動時間については、ヒト
での小腸通過時間は製剤の大きさや比重等(製剤側の物
性)及び食事の影響等(生体側の条件)に関係なく約3
±1時間であると言われているが、胃内容排出時間はこ
れら製剤側の物性並びに生体側の条件により、大きく影
響されると言われている(International Journal ofPh
armaceutics、第60巻、 89-97頁、1990年)。すなわ
ち、一般に製剤の径が大きい錠剤やカプセル剤では、食
事等の影響を受けて胃内容排出時間のばらつきが生じ
る。従って、胃内容排出時間のばらつきを最小限にする
ためには製剤の粒子径を小さくし、かつ多単位とするの
が好ましい。
【0006】消化管内の特定部位(小腸下部や大腸)で
選択的に医薬活性物質を放出させる方法については、こ
れまで様々な研究がなされており、腸溶性製剤や徐放性
製剤のような古典的方法の他、徐放性製剤に腸溶性皮膜
を被覆した製剤(Annals ofthe New York Academy of S
cience、第618巻、428-440頁、1991年)などが提唱され
ている。しかし、腸溶性製剤は胃内での医薬活性物質の
放出を効果的に抑制するものの、小腸上部で急激に放出
が開始されるために、医薬活性物質は小腸上部以降の目
的部位に到達するまでに大部分が酸または酵素により失
活する。また、腸溶性製剤の無酸症の患者への適用は胃
内で既に医薬活性物質の放出が起こり、不適である。徐
放性製剤は持続的に医薬活性物質が放出されるため、製
剤が胃内に滞留する時間や小腸を移動する過程において
も放出がおこり、消化管内の特定部位(小腸下部や大
腸)に医薬活性物質を到達させる目的には効率的でな
い。
【0007】また、大腸内に特異的に生存している微生
物を利用した医薬活性物質放出システムも考案されてい
る。例えば、アゾ結合を導入した新規高分子で医薬活性
物質の組成物を被覆、またはマトリックス状にした製剤
(Science、第233巻、1081-1084頁、1986年)やキトサ
ンを硬カプセル化(Pharm Tech Japan、第15巻、1053-1
062頁、1999年)したもの、またはキトサンで医薬活性
物質を被覆した製剤があげられる。これらの製剤は大腸
内に常在する腸内細菌によって医薬活性物質を被覆等し
ている上記の新規高分子やキトサン等が分解され医薬活
性物質を大腸内に放出するというものである。しかし、
アゾ結合を導入した高分子は、発ガン性を含め安全性に
問題があり、また腸内細菌の酵素活性の変動により分解
速度の制御が困難である。キトサンを含む製剤(例えば
キトサンを含むポリサッカライド)は、操作性、形成
性、成膜性に乏しいため、実用化・量産化に適さない。
キトサンを含む製剤の操作性、形成性、成膜性の欠点を
補うためキトサンとアクリル系高分子やセルロース系高
分子とを混合し、これで医薬活性物質を被覆した製剤で
は、腸内細菌による高分子の分解速度が低下し、医薬活
性物質の放出が十分にされないという問題等が報告され
ている。
【0008】さらに、放出開始時間を制御する技術を利
用した製剤(Chemica1&Pharmaceutica1 Bulletin、第4
0巻、3036-3041頁、1992年)が考案されている。しかし
ながら、この製剤は、錠剤やカプセル剤であるため、既
に述べたように、胃内容排出時間のばらつきの影響を受
け、部位選択性が不十分である。即ち、錠剤やカプセル
剤のようなシングルユニット製剤では、製剤の放出開始
時間内に大腸へ製剤が到達すれば大腸へ医薬活性物質を
100%放出できるが、消化管内移動時間の変動、特に
食事等の影響による胃内容排出時間の変動により、放出
開始時間になっても製剤が大腸へ到達しなければ大部分
の医薬活性物質が目的部位に到達するまでに放出される
ことになる。この問題点を補うために、顆粒型製剤が考
案された(Journal of Drug Targeting、第2巻、35-44
頁、1994年)(Pharmceutical Research、第11巻、111-
116頁、1994年)。しかし、顆粒の粒子径は約1mmで
あり、胃内容排出時間の変動に関する問題を解決するに
は粒子径が未だ大きいため、部位選択性が十分であると
は言えない。
【0009】また、放出開始時間を制御するシステムを
腸溶性高分子で被覆した製剤が考案されている(Intern
ational Journal of Pharmaceutics、第213巻、83-91
頁、2001年)。この製剤は胃から排出され、小腸へ製剤
が移動した時点で腸溶性皮膜が溶解し、小腸通過時間と
同等の薬物放出までの遅延時間(以下「ラグタイム」と
いう)を持たせたシステムにすることで、部位選択性を
高める狙いである。即ち胃内容排出時間のばらつきを相
殺できる製剤であるが、上述したように日本において成
人の低酸・無酸症がかなりの割合を占めることを考慮す
ると、本システムでは部位選択性を高めることはできな
い。
【0010】また、医薬活性物質(フェナセチン)及び
結合剤であるポリビニルピロリドンK90(PVP−K
90、和光純薬社製)からなる医薬活性物質層をエチル
アクリレート/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(EA/MMA/HEMA)の三
元共重合体からなる放出制御膜で被覆したマイクロカプ
セル製剤が開示されている(Chemica1&Pharmaceutica1
Bulletin、第36巻、3070-3078頁、1988年)。この製剤
は、製剤の内部へ導水が起こり、水溶性芯物質である乳
糖の溶解により浸透圧が生じ、製剤が膨張し結果として
膜圧の顕著な減少又はポリマー中の水路の拡張がおこる
ことによって薬物が放出されるものである。しかし、上
述のように胃内容排出時間のばらつきを最小限にするた
めには製剤の粒子径を100μm程度とするのが好まし
いが、この製剤では、粒子径を100μm程度とし、か
つ量産化しようとする場合には、PVP−K90の高粘
性及び粘着性のため、医薬活性物質層の形成工程におい
て芯粒子の凝集が起こり、粒子径100μm程度の製剤
を量産することは困難である。また、この製剤では薬物
放出の制御に浸透圧を利用するため、臨床上の利用では
生体の薬物放出部位の浸透圧等の環境に影響される。
【0011】特開平6−296856号公報および特開
平7−275688号公報には、マイクロカプセルの被
覆材料として、EA/MMA/HEMAの三元共重合体
とハイドロゲルから成る複合構造ラテックスが開示され
ている。しかしながら、これらは活性成分の放出を温度
により制御する温度応答性活性成分放出制御および徐放
性の放出を目的としたものであり、所定時間経過後の放
出を目的とするものではない。
【0012】一方、時間薬理学的観点からは1日の間で
病態の軽重が生活リズムとともに変化する疾患に対し
て、投与から一定時間は医薬活性物質が放出されず、一
定時間経過後に病態の重篤となる時間等に合わせて放出
させることができる製剤が望まれる。例えばリュウマチ
患者における起床時の手足のこわばり、痛みに対し就寝
前や夕食後に投与して、就寝中は薬物が放出されず起床
直前より薬物放出が開始され、起床時には十分な薬効が
示せる血漿中薬物濃度にまで上昇させることが可能であ
り、老人医療において、QOL(quality of life)の
向上にも寄与しうる製剤が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、量産可能な
製剤であって、胃内容排出時間が食事等の影響を受けに
くく一定で、医薬活性物質を消化管内の特定部位へ選択
的に送達でき、経口投与から所定時間経過後速やかに医
薬活性物質を放出することができ、消化管内の浸透圧や
水分量に拘わらず十分に医薬活性物質を放出してバイオ
アベイラビリティが高く、低酸症、無酸症患者に適用で
き、工業的に有用な消化管内適所放出型または遅延放出
型の経口投与用製剤を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究を行った結果、水溶性物質か
らなる芯粒子の周囲に、医薬活性物質を含む医薬活性物
質層をEA/MMA/HEMA三元共重合体からなる放
出制御膜で被覆してなる粒子を含む経口投与用製剤にお
いて、医薬活性物質層にメチルセルロース系誘導体を含
有させることにより、所望の量産可能な消化管内適所放
出型または遅延放出型の経口投与用製剤を得ることがで
きることを見出した。すなわち、本発明者らはこのよう
な製剤とすることで製造段階での凝集による造粒が起
きないので、胃内容排出時間が食事等の影響を受けにく
い粒子径100μm程度の粒子を含む製剤の量産が可能
となること、生体内で膜を介して浸透してくる水分に
よって製剤に含まれる粒子中のメチルセルロース系誘導
体が膨潤し放出制御膜の局所的な膨張が起こり、この局
所的膨張によってポリマー中の水路の拡張がおこること
により薬物が放出されるので、医薬活性物質の放出に浸
透圧の影響を受けず、速やかに医薬活性物質を放出でき
ること粒子径を小さくすることで医薬活性物質が放出
されるために要求される水の量が少なくてすむため消化
管内、特に水分の少ない大腸においても製剤から医薬活
性物質の放出が十分に行われバイオアベイラビリティが
高くなることを見出して本発明を完成させた。本発明の
製剤は放出制御膜が水不溶性であり、かつ放出制御膜の
化学構造上、消化管内のpHで解離する官能基を持たな
いため、腸溶性製剤のように消化管内のpHに医薬活性
物質の放出が影響されない点で低酸症、無酸症患者にも
適用できる。
【0015】すなわち、本発明は、以下の(1)〜
(3)に関する。 (1)水溶性物質からなる芯粒子の周囲に、医薬活性物
質及びメチルセルロース系誘導体を含む医薬活性物質層
を形成し、該医薬活性物質層をエチルアクリレート/メ
チルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート三元共重合体からなる放出制御膜で被覆してなる粒
子を含む経口投与用製剤。 (2)メチルセルロース系誘導体が、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボ
キシメチルセルロースから選ばれる1種または2種以上
である(1)記載の経口投与用製剤。 (3)エチルアクリレート/メチルメタクリレート/2
−ヒドロキシエチルメタクリレート三元共重合体の各モ
ノマーのモル比が、エチルアクリレート11〜8に対し
メチルメタクリレート10〜7、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート2〜6である、(1)または(2)記載
の経口投与用製剤。
【0016】
【発明の実施の形態】放出制御膜は、EA/MMA/H
EMA三元共重合体を使用する。EA/MMA/HEM
A三元共重合体は公知の方法(例えば、福森ら、Chem.P
harm.Bull.36(8):3070-3078(1988)記載の方法等)によ
り製造できる。
【0017】EA/MMA/HEMA三元共重合体の好
ましい各モノマーのモル比はEA:MMA:HEMAが
11〜8:10〜7:2〜6であり、医薬活性ペプチド
やタンパク等をマイクロカプセルに封入した時、キュア
リング時の加熱安定性を考慮すると高分子の軟化温度が
40℃以下である95:85:40が最も望ましい。
【0018】芯粒子は、製剤への導水を促進する理由か
ら水溶性物質であることが必須である。芯粒子は水溶性
物質であれば、特に限定はされないが、例えば、単糖、
単糖誘導体及び少糖からなる群から選択される糖質が好
ましい。単糖誘導体しては例えば糖アルコール等が挙げ
られる。さらに好ましくは、グルコース、ガラクトー
ス、マンノース、リブロース、キシルロース、フルクト
ース、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、リ
ビトール、麦芽糖、セロビオース、乳糖、ショ糖から選
択されるものが望ましく、最も望ましいのは乳糖であ
る。芯粒子の粒子径は50〜105μmが望ましい。上
記の材料は単独で使用することもできるが、2種以上を
混合して使用することもできる。
【0019】医薬活性物質層にはメチルセルロース系誘
導体を含むことが必須である。メチルセルロース系誘導
体は、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースから選
択されるものが望ましく、最も望ましいのはメチルセル
ロースである。メチルセルロースとしては、粘度が3.
2〜4.8mm2/s(20℃、2%水溶液の粘度)の
ものが好ましく、かかる粘度のメチルセルロースは市販
品(例えば、SM−4、信越化学社製等)を使用すれば
よい。メチルセルロース系誘導体の量は芯粒子重量に対
し通常1〜100重量%であり、2.5〜40重量%が
最も好ましい。なお、メチルセルロース系誘導体の量に
よって医薬活性物質の放出開始時間の調節が可能であ
る。メチルセルロース系誘導体は一般に結合剤として使
用される医薬品添加物であるので、本発明においても結
合剤としての役割を兼ねることができる。また、メチル
セルロース誘導体を使用する本発明の製剤は、PVP−
K90を結合剤として使用した従来のものに比べ、所定
時間経過後の医薬活性物質の放出が速やかである。
【0020】本発明の製剤に適用される医薬活性物質
は、経口投与から一定時間経過した後、放出することが
望まれるあらゆる物質、または、消化管内の適所で放出
されることが望まれるあらゆる物質であって、薬物とし
ては、経口投与を目的とするものであれば、特に限定さ
れず、例えば、解熱鎮痛消炎薬(例えば、インドメタシ
ン、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロ
フェン、イブプロフェン、メフェナム酸、アズレン、イ
ソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、ベンザ
ダック、フェニルブタゾン、フルフェナム酸、サリチル
酸ナトリウム、サリチルアミド、サザピリン、エトドラ
ックなど)、ステロイド系抗炎症薬(例えば、デキサメ
タゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、トリアム
シノロンなど)、抗潰瘍薬(例えば、5−アミノサリチ
ル酸、エカベトナトリウム、エンプロスチル、スルピリ
ド、塩酸セトラキサート、ゲファルナート、マレイン酸
イルソグラジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモ
チジン、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセテートな
ど)、冠血管拡張薬(ニフェジピン、硝酸イソソルビ
ド、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモール、
塩酸ジラゼプ、ベラパミル、ニカルジピン、塩酸ニカル
ジピン、塩酸ベラパミルなど)、末梢血管拡張薬(例え
ば、酒石酸イフェンプロジル、マレイン酸シネパシド、
シクランデレート、シンナリジン、ペントキシフィリン
など)、抗生物質(例えば、アンピシリン、アモキシシ
リン、セファレキシン、エチルコハク酸エリスロマイシ
ン、塩酸バカンピシリン、塩酸ミノサイクリン、クロラ
ムフェニコール、テトラサイクリン、エリスロマイシ
ン、セフタジジム、セフロキシムナトリウム、アスポキ
シリン、リチペネムアコキシル水和物など)、合成抗菌
薬(例えば、ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸三
水和物、エノキサシン、シノキサシン、オフロキサシ
ン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、スル
ファメトキサゾール・トリメトプリムなど)、抗ウイル
ス薬(例えば、アシクロビル、ガンシクロビルなど)、
鎮けい薬(例えば、臭化プロパンテリン、硫酸アトロピ
ン、臭化オキサピウム、臭化チメピジウム、臭化ブチル
スコポラミン、塩化トロスピウム、臭化ブトロピウム、
N−メチルスコポラミンメチル硫酸、臭化メチルオクタ
ロピンなど)、鎮咳薬(例えば、ヒベンズ酸チペピジ
ン、塩酸メチルエフェドリン、リン酸コデイン、トラニ
ラスト、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジ
メモルファン、塩酸クロブチノール、塩酸ホミノベン、
リン酸ベンプロペリン、塩酸エプラジノン、塩酸クロフ
ェダノール、塩酸エフェドリン、ノスカピン、クエン酸
ペントキシベリン、クエン酸オキセラジン、クエン酸イ
ソアミニルなど)、去たん薬(例えば、塩酸ブロムヘキ
シン、カルボシステイン、塩酸エチルシステイン、塩酸
メチルシステインなど)、気管支拡張薬(例えば、テオ
フィリン、アミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウ
ム、塩酸プロカテロール、塩酸トリメトキノール、ジプ
ロフィリン、硫酸サルブタモール、塩酸クロルプレナリ
ン、フマル酸ホルモテロール、硫酸オルシプレナリン、
塩酸ピルブテロール、硫酸ヘキソプレナリン、メシル酸
ビトルテロール、塩酸クレンブテロール、硫酸テルブタ
リン、塩酸マブテロール、臭化水素酸フェノテロール、
塩酸メトキシフェナミンなど)、強心薬(例えば、塩酸
ドパミン、塩酸ドブタミン、ドカルパミン、デノパミ
ン、カフェイン、ジゴキシン、ジギトキシン、ユビデカ
レノンなど)、利尿薬(例えば、フロセミド、アセタゾ
ラミド、トリクロルメチアジド、メチクロチアジド、ヒ
ドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジ
ド、シクロペンチアジド、スピロノラクトン、トリアム
テレン、フロロチアジド、ピレタニド、メフルシド、エ
タクリン酸、アゾセミド、クロフェナミドなど)、筋弛
緩薬(例えば、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸ト
ルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、メフェ
ネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メト
カルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノー
ル、アフロクアロン、バクロフェン、ダントロレンナト
リウムなど)、脳代謝改善薬(例えば、ニセルゴリン、
塩酸メクロフェノキサート、タルチレリンなど)、マイ
ナートランキライザー(例えば、オキサゾラム、ジアゼ
パム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フル
ジアゼパム、メプロバメート、ニトラゼパム、クロルジ
アゼポキシドなど)、メジャートランキライザー(例え
ば、スルピリド、塩酸クロカプラミン、ゾテピン、クロ
ルプロマジン、ハロペリドールなど)、β−ブロッカー
(例えば、フマル酸ビソプロロール、ピンドロール、塩
酸プロプラノロール、塩酸カルテオロール、酒石酸メト
プロロール、塩酸ラベタノール、塩酸アセブトロール、
塩酸ブフェトロール、塩酸アルプレノロール、塩酸アロ
チノロール、塩酸オクスプレノロール、ナドロール、塩
酸ブクモロール、塩酸インデノロール、マレイン酸チモ
ロール、塩酸ベフノロール、塩酸ブプラノロールな
ど)、抗不整脈薬(例えば、塩酸プロカインアミド、ジ
ソピラミド、アジマリン、硫酸キニジン、塩酸アプリン
ジン、塩酸プロパフェノン、塩酸メキシレチン、塩酸ア
ジミライドなど)、痛風治療薬(例えば、アロプリノー
ル、プロベネシド、コルヒチン、スルフィンピラゾン、
ベンズブロマロン、ブコロームなど)、血液凝固阻止薬
(例えば、塩酸チクロピジン、ジクマロール、ワルファ
リンカリウム、(2R,3R)−3−アセトキシ−5−
[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,3−ジヒドロ
−8−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン・マレイン酸塩な
ど)、血栓溶解薬(例えば、メチル(2E,3Z)−3
−ベンジリデン−4−(3,5−ジメトキシ−α−メチ
ルベンジリデン)−N−(4−メチルピペラジン−1−
イル)スクシナメート・塩酸塩など)、肝臓疾患用薬
(例えば、(±)r−5−ヒドロキシメチル−t−7−
(3,4−ジメトキシフェニル)−4−オキソ−4,
5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]フラン−c−6
−カルボン酸ラクトンなど)、抗てんかん薬(例えば、
フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、メタルピター
ル、カルバマゼピンなど)、抗ヒスタミン薬(例えば、
マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチ
ン、メキタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸サイクロヘ
ブタジン、ベシル酸ベポタスチンなど)、鎮吐薬(例え
ば、塩酸ジフェニドール、メトクロプラミド、ドンペリ
ドン、メシル酸ベタヒスチン、マレイン酸トリメブチン
など)、降圧薬(例えば、レシナミン、メチルドパ、塩
酸プラロゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸クロニジン、ブ
ドララジン、ウラピジル、N−[6−[2−[(5−ブ
ロモ−2−ピリミジニル)オキシ]エトキシ]−5−
(4−メチルフェニル)−4−ピリミジニル]−4−
(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンゼン
スルホンアミド・ナトリウム塩など)、高脂血症用薬
(例えば、プラバスタチンナトリウム、フルバスタチン
ナトリウムなど)、交感神経興奮薬(例えば、メシル酸
ジヒドロエルゴタミン、塩酸イソプロテレノール、塩酸
エチレフリンなど)、経口糖尿病治療薬(例えば、グリ
ベングラミド、トルブタミド、グリミジンナトリウムな
ど)、経口抗癌薬(例えば、マリマスタットなど)、ア
ルカロイド系麻薬(例えば、モルヒネ、コデイン、コカ
インなど)、ビタミン剤(例えば、ビタミンB1、ビタ
ミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミン
C、葉酸など)、頻尿治療薬(例えば、塩酸フラボキサ
ート、塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジンなど)、ア
ンジオテンシン変換酵素阻害薬(例えば、塩酸イミダプ
リル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デ
ラプリルなど)など、種々の薬物が挙げられ、他に、タ
ンパク質、ポリペプチド、核酸、ウイルスなどの活性物
質が挙げられる。医薬活性物質層には上記の1または2
種以上を含んでいてもよい。
【0021】医薬活性物質層には、他の添加物、例え
ば、結合補助剤として、デキストラン、ヒドロキシプロ
ピルセルロース等;凝集抑制剤として、塩化ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、タルク等を含んでいてもよ
い。
【0022】本発明の製剤は、芯粒子の周囲に医薬活性
物質層をレイヤリングさせた後、放出制御膜で外郭を被
覆して粒子を得、例えばマイクロカプセル等の剤形とし
て製造することにより得ることができる。
【0023】医薬活性物質層のレイヤリングは、一般的
な方法、例えば医薬活性物質及びメチルセルロース系誘
導体を含む溶液のスプレーコーティング方法、メチルセ
ルロース系誘導体のみを含む溶液をスプレーしながら医
薬活性物質の粉体を散布する方法等で行うことができ
る。これらの方法は当該技術分野で周知の方法を用いて
行うことができ、例えば、ドラフトチューブ付き噴流層
装置(Grow Max (140)、不二パウダル社製)等を用いて
行うことができる。
【0024】放出制御膜のコーティングは、当該技術分
野で既知の方法を用いて行うことができる。例えば、公
知方法(例えば、福森ら、Chem. Pharm. Bull. 36(8):
3070-3078 (1988) 記載の方法等)により製造したEA
/MMA/HEMA三元共重合体ラテックスを、蒸留水
等で適宜希釈してスプレー液として、上記のドラフトチ
ューブ付き噴流層装置(Grow Max (140)、不二パウダル
社製)等を用いて行うことができる。コーティング後、
30〜80℃で、少なくとも1時間以上加熱キュアリン
グする。このとき、1〜5wt%量の軽質無水ケイ酸
(例えば、Aerosil #200、日本アエロジル社製など)を
混合するのが好ましい。
【0025】コーティング率によって、医薬活性物質の
放出開始時間の調節が可能であり、医薬活性物質の性質
及び標的とする消化管内部位により適宜設定できる。コ
ーティング率(芯粒子重量に対する放出制御膜高分子固
形成分重量%)としては、50〜500重量%が好まし
い。
【0026】本発明の経口投与用製剤の粒子の粒子径
は、特に限定されるものではないが、胃内容排出時間の
影響を最小限とする見地からは100μm程度が好まし
く、50〜150μmが特に好ましい。
【0027】本発明の経口投与製剤の剤形は、経口投与
に使用される剤形であれば特に限定はされず、例えば必
要に応じて適当な添加剤を添加して、散剤、細粒、マイ
クロカプセル等とすること、また、これらの1または2
種以上を打錠して錠剤とすること、カプセルに充てんし
て硬カプセル剤とすること等ができる。
【0028】
【実施例】製造例1 EA/MMA/HEMA三元共重合体ラテックスを文献
(福森ら、Chem. Pharm. Bull. 36(8): 3070-3078(198
8))の記載から乳化重合法により製造した。乳化剤とし
ては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、反応開始剤
として、過硫酸アンモニウム(APS)を用いた。EA
/MMA/HEMA共重合体の合成に用いられる各モノ
マーの合計重量が433gとなるようにモノマーの配合
比に相当するEA、MMA及びHEMAからなるモノマ
ー混合液を調製した。モノマー混合液中のモノマー比
(EA:MMA:HEMA)は95:85:40であ
る。上記のごとく調製したモノマー混合液から150g
を予め4gのSDSを1300gの蒸留水に溶解させた
水溶液に加え、ホモミキサーを用いて乳化した。得られ
た乳化物を攪拌機、還流冷却器、モノマー滴下ビュレッ
ト、窒素導入管及び反応開始剤投入口を付した内容量2
Lの丸底5頸セパラブルフラスコに移した。この乳化液
を投入したフラスコは反応停止まで窒素気流下80℃の
恒温水槽に浸し、泡立たない程度に激しく攪拌した。乳
化液入りのフラスコを浸している恒温水槽の温度が再度
80℃に達した後、反応開始剤投入口から反応開始剤と
してAPS水溶液(1g/50mL)を1mL添加し
た。投入30分後に残りのモノマー混合液を滴下ビュレ
ットに入れ、約3時間かけてゆっくりと滴下した。全て
のモノマー混合液を滴下した後、更に2時間反応をさせ
た。モノマー混合液滴下中は30分毎にAPS水溶液
(1g/50mL)を1mLずつ添加した。滴下終了後
は30分毎に高濃度のAPS水溶液(1g/15mL)
を1mLずつ添加した。反応の停止は、反応に用いたフ
ラスコを冷水で冷却することで行った。冷却後得られた
ラテックスを80メッシュの篩に通して、ラテックス中
の凝集物を除去した。さらに、5日間のセルロースチュ
ーブでの透析により、ラテックス中の未反応物質及び水
溶性物質を除去した。
【0029】実施例1:乳糖芯粒子重量に対するメチル
セルロースの重量%が10%、コーティング率(乳糖芯
粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量%)が
100%、140%、180%、200%、220%、
260%および300%のFITC-dextran含有マイクロカ
プセルの調製 マイクロカプセルの調製はボトムスプレータイプのドラ
フトチューブ付き噴流層装置(Grow Max (140)、不二パ
ウダル社製)により行った。先ず、90−105μmに
分級した乳糖芯粒子(Pharmatose100M 、DMV社製)25
gを装置に仕込んだ。水溶性高分子モデル薬物として、
分子量9,500のフルオレッセンイソチオシアネートでラ
ベルされたデキストラン(FITC-dextran、FD-10S、シグ
マ社製)0.25gとメチルセルロース(SM-4、信越化
学社製)2.5gを蒸留水200mLに溶解し、スプレ
ー液とした。操作条件は吸気温度45℃、排気温度25
℃、流動化エア流速0.30m3/min、スプレー圧
2.6atm、スプレー液流速1.6mL/min、ス
プレーノズル径1.0mmφで芯粒子の周囲に医薬活性
物質層をレイヤリングした。次いで製造例1で調製した
EA/MMA/HEMA三元共重合体ラテックスを固形
分濃度が10%になるように蒸留水で希釈し、これをス
プレー液とした。先に調製した医薬活性物質層をレイヤ
リングした粒子に上記三元共重合体のラテックスのスプ
レー液をコーティングし、放出制御層を形成させた。装
置は上記の製造装置を用い、操作条件は 吸気温度40
℃、排気温度22℃、流動化エア流速0.30m3/m
in、スプレー圧2.7atm、スプレー液流速3.5
mL/minで行い、FITC-dextran含有マイクロカプセ
ルを得た。
【0030】実施例2:乳糖芯粒子重量に対するメチル
セルロースの重量%が2.5%、コーティング率(乳糖
芯粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量%)
が200%のFITC-dextran含有マイクロカプセルの調製 実施例1と同じ製造装置を用い、90−105μmに分
級した乳糖芯粒子(Pharmatose100M 、DMV社製)25g
を装置に仕込んだ。水溶性高分子モデル薬物として、分
子量9,500のFITC-dextran(FD-10S、シグマ社製)0.
25gとメチルセルロース(SM-4、信越化学社製)0.
625gを蒸留水60mLに溶解し、スプレー液とし
た。医薬活性物質層のレイヤリング操作は実施例1と同
様に実施した。次いで、放出制御層のコーティング時の
スプレー液組成及び操作条件も実施例1と同様に行い、
FITC-dextran含有マイクロカプセルを得た。
【0031】実施例3:乳糖芯粒子重量に対するメチル
セルロースの重量%が40%、コーティング率(乳糖芯
粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量%)が
200%のFITC-dextran含有マイクロカプセルの調製 実施例1と同じ製造装置を用い、90−105μmに分
級した乳糖芯粒子(Pharmatose100M 、DMV社製)25g
を装置に仕込んだ。水溶性高分子モデル薬物として、分
子量9,500のFITC-dextran(FD-10S、シグマ社製)0.
25gとメチルセルロース(SM-4、信越化学社製)10
gを蒸留水600mLに溶解し、スプレー液とした。医
薬活性物質層のレイヤリング操作は実施例1と同様に実
施した。次いで、放出制御層のコーティング時のスプレ
ー液組成及び操作条件も実施例1と同様に行い、FITC-d
extran含有マイクロカプセルを得た。
【0032】実施例4:乳糖芯粒子重量に対するメチル
セルロースの重量%が10%、コーティング率(乳糖芯
粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量%)が
140%、160%、200%、260%の、カルバゾ
クロムスルフォン酸ナトリウム(CCSS)含有マイク
ロカプセルの調製 実施例1と同じ製造装置を用い、90−105μmに分
級した乳糖芯粒子(Pharmatose100M 、DMV社製)25g
を装置に仕込んだ。水溶性低分子モデル薬物として、C
CSS(三和ケミカル社製)2.5gとメチルセルロー
ス(SM-4、信越化学社製)2.5gを蒸留水200mL
に懸濁させ、スプレー液とした。医薬活性物質層のレイ
ヤリング操作は実施例1と同様に実施した。次いで、放
出制御層のコーティング時のスプレー液組成及び操作条
件も実施例1と同様に行い、CCSS含有マイクロカプ
セルを得た。
【0033】実施例5:乳糖芯粒子重量に対するメチル
セルロースの重量%が2.5%、コーティング率(乳糖
芯粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量%)
が100%、140%、180%、220%、260%
および300%の、ウシインスリン含有マイクロカプセ
ルの調製 実施例1と同じ製造装置を用い、90−105μmに分
級した乳糖芯粒子(Pharmatose100M 、DMV社製)25g
を装置に仕込んだ。水溶性高分子モデル薬物として、ウ
シインスリン (シグマ社製)0.1gとメチルセルロー
ス(SM-4、信越化学社製)5gを蒸留水200mLに溶
解し、スプレー液とした。医薬活性物質層のレイヤリン
グ操作は実施例1と同様に実施した。次いで、放出制御
層のコーティング時のスプレー液組成及び操作条件も実
施例1と同様に行い、ウシインスリン含有マイクロカプ
セルを得た。
【0034】試験例1 実施例1と同じ製造装置を用い90〜105μmに分級
した乳糖芯粒子(Pharmatose100M 、DMV社製)25gを
装置に仕込んだ。水溶性高分子モデル薬物として、分子
量9500のFITC-dextran(FD-10S、シグマ社製)0.
25gと結合剤として、メチルセルロース(SM−4、
信越化学社製)またはPVP−K90(和光純薬社製)
2.5gをそれぞれ蒸留水200mlに溶解し、スプレ
ー液とした。医薬活性物質層のレイヤリングは実施例1
と同様に実施した。医薬活性物質層レイヤリング終了時
における粒度分布を図1に示した。粒度分布測定はふる
い分け法により測定した。白三角は乳糖芯粒子、白丸は
PVP-K90を結合剤として用いた場合、黒丸はメチルセル
ロースを結合剤として用いた場合の粒度分布を示す。メ
チルセルロースを結合剤として用いた場合は凝集が起こ
らず、乳糖芯粒子が単核で医薬活性物質がレイヤリング
されていることを示す。一方PVP-K90の場合は半分以上
の粒子が凝集していることを示す。なお、測定法は、日
本薬局方第14改正、一般試験法粉体粒度測定法に従い
ふるい分け法にて実施した。
【0035】試験例2 実施例1で調製したコーティング率200%のFITC-dex
tran含有マイクロカプセルに2wt%量の軽質無水ケイ酸
(Aerosil #200、日本アエロジル社製)を混合後、40
℃で6時間加熱キュアリングしたものを放出試験に供し
た。放出試験は日本薬局方14局、パドル法により行っ
た。パドルの回転数は100rpmで、放出試験液には
日局崩壊試験第1液(pH1.2)、第2液(pH6.
8)及びリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて行った。
試験液中のFITC-dextran濃度測定は、pHによりFITC-d
extranの蛍光強度が変化するため、試験液が第1液及び
pH7.4リン酸緩衝液の場合はpHを6.8に調整し
た後、励起波長493nm、測定波長515nmで測定を行
った。また、芯粒子である乳糖の濃度測定は、フェノー
ル硫酸法により呈色させ、485nmで測定した。各pH
におけるマイクロカプセルからの放出挙動を図2に示し
た。pH1.2(白四角)、pH6.8(白三角)及び
pH7.4(白丸)を示す。マイクロカプセルからのFI
TC-dextran及び乳糖の放出は、試験液のpHに関係なく推
移し、完全に放出されることを示す。FITC-dextranと乳
糖との放出挙動を比較すると、ラグタイムはほぼ同等で
あることを示す。
【0036】試験例3 実施例1で調製したコーティング率を100%から30
0%まで変化させたFITC-dextran含有マイクロカプセル
に2wt%量の軽質無水ケイ酸(Aerosil #200、日本アエ
ロジル社製)を混合後、40℃で6時間加熱キュアリン
グしたものを放出試験に供した。放出試験は試験例2と
同様の試験方法で、放出試験液には日局崩壊試験第2液
(pH6.8)を用いて行った。試験液中のFITC-dextr
an濃度は、試験例2と同様の測定を行った。各マイクロ
カプセルからの放出挙動を図3に示した。図中の符号は
乳糖芯粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量
%であることを示す。100%(白丸)、140%(黒
丸)、180%(白三角)、220%(黒三角)、26
0%(白四角)、300%(黒四角)を示す。コーティ
ング率の増加に伴い、ラグタイムの延長が認められるこ
とを示す。またラグタイム後のFITC-dextranの放出速度
はコーティング率により若干の遅延が認められるが、マ
イクロカプセルからFITC-dextranは完全に放出されるこ
とを示す。
【0037】試験例4 実施例1、2及び3で調製したコーティング率が200
%のFITC-dextran含有マイクロカプセルに2wt%量の軽
質無水ケイ酸(Aerosil #200、日本アエロジル社製)を
混合後、40℃で6時間加熱キュアリングしたものを放
出試験に供した。放出試験は試験例2と同様の試験方法
で、放出試験液には日局崩壊試験第2液(pH6.8)
を用いて行った。試験液中のFITC-dextran濃度は、試験
例2と同様の測定を行った。各マイクロカプセルからの
放出挙動を図4に示した。図中の符号は乳糖芯粒子重量
に対するメチルセルロースの重量%であることを示す。
2.5%(白丸)、10%(黒丸)、40%(白三角)
を示す。同じ放出制御膜厚でもメチルセルロースの処方
量が多くなれば、ラグタイムの短縮が認められることを
示す。
【0038】試験例5 実施例4で調製したコーティング率が140%、200
%および260%のCCSS含有マイクロカプセルに2
wt%量の軽質無水ケイ酸(Aerosil #200、日本アエロジ
ル社製)を混合後、40℃で6時間加熱キュアリングし
たものを用いた。溶出試験は試験例2と同様の試験方法
で、放出試験液には日局崩壊試験第2液(pH6.8)
を用いて行った。試験液中のCCSS濃度は、比色定量
法(測定波長365nm)により定量した。各マイクロ
カプセルからの放出挙動を図5に示した。図中の符号は
乳糖芯粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量
%であることを示す。
【0039】試験例6 試験例5と同様の実施例4で調製したコーティング率が
140%、200%および260%のCCSS含有マイ
クロカプセルをイヌに経口投与し、経口投与から所定の
時間経過後に血液を採取し、HPLCを用いて、血漿中
CCSS濃度を測定した。各マイクロカプセル投与群の
平均血漿中濃度推移を図6に示した。図中の符号は乳糖
芯粒子重量に対する放出制御膜高分子固形成分重量%で
あることを示す。図5と図6を比較すると放出試験での
溶出のラグタイムとイヌへ経口投与後の血漿中にCCS
Sが見いだせる時間(吸収のラグタイム)との間に良好
な相関が認められた。また、各マイクロカプセル投与群
の薬物血中濃度時間曲線下面積(AUC)及びラグタイ
ムを表1に示す。AUCの値からイヌにおいてラグタイ
ムの延長に伴うバイオアベイラビリティの低下が少ない
ことを認めた。
【0040】
【表1】
【0041】試験例7 実施例5で調製したコーティング率を100%から30
0%まで変化させたウシインスリン含有マイクロカプセ
ルに2wt%量の軽質無水ケイ酸(Aerosil #200、日本ア
エロジル社製)を混合後、40℃で6時間加熱キュアリ
ングしたものを用いた。放出試験は試験例2と同様の試
験方法で、放出試験液には日局崩壊試験第2液(pH
6.8)を用いて行った。試験液中のウシインスリン濃
度は、タンパク定量キット(500-0002、BIORAD社製)を
用い比色定量した。各マイクロカプセルからの放出挙動
を図7に示した。図中の符号は乳糖芯粒子重量に対する
放出制御膜高分子固形成分重量%であることを示す。1
00%(白丸)、140%(黒丸)、180%(白三
角)、220%(黒三角)、260%(白四角)、30
0%(黒四角)を示す。FITC-dextranと同様に、コーテ
ィング率の増加に伴い、ラグタイムの延長が認められる
ことを示す。またラグタイム後のウシインスリンの放出
速度はコーティング率により若干の遅延が認められる
が、マイクロカプセルからウシインスリンは完全に放出
されることを示す。
【0042】試験例8 実施例1で調製したコーティング率200%のFITC-dex
tran含有マイクロカプセルに2wt%量の軽質無水ケイ酸
(Aerosil #200、日本アエロジル社製)を混合後、40
℃で6時間加熱キュアリングしたものを放出試験に供し
た。放出試験は試験例2と同様の試験方法で、放出試験
液には水、0.5mol/Lのグルコース溶液及び1mol/Lのグル
コース溶液を用いて行った。試験液中のFITC-dextran濃
度は、試験例2と同様の測定を行った。また、実施例1
のメチルセルロース2.5gの替わりにポリビニルピロ
リドンK90(PVP-K90、和光純薬社製)2.5gを用
いて他は実施例1と同様の方法で調製したコーティング
率160%のFITC-dextran含有マイクロカプセルについ
て比較した。各マイクロカプセルからの放出挙動を図8
に示した。黒四角、黒丸、黒三角は、メチルセルロー
ス、白四角、白丸、白三角はPVP-K90を結合剤として使
用したものを示し、また黒四角、白四角は水、黒丸、白
丸は0.5mol/Lのグルコース水溶液、黒三角、白三角は1
mol/Lのグルコース水溶液を放出試験液として使用した
ものを示す。結合剤としてPVP-K90を用いたマイクロカ
プセルは試験液の浸透圧の増加に伴い放出が遅延した。
一方結合剤としてメチルセルロースを用いたマイクロカ
プセルは浸透圧の影響をあまり受けなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明の経口投与用製剤は、水溶性物質
からなる芯粒子の周囲に医薬活性物質層を形成し、該医
薬活性物質層をEA/MMA/HEMA三元共重合体か
らなる放出制御膜で被覆してなる経口投与用製剤におい
て、医薬活性物質層にメチルセルロース誘導体を含むこ
とで、製造工程における凝集を起こさず粒子径が100
μm程度の粒子を含む製剤の量産可能とし、その結果、
製剤の胃内容排出時間を食事等に影響されず一定とする
ことができるので、医薬活性物質を消化管内の特定部位
へ選択的に送達でき、経口投与から所定時間経過後速や
かに医薬活性物質を放出することができる。また、本発
明の経口投与用製剤は、医薬活性物質の放出制御に浸透
圧の影響を受けにくく、また、従来より少ない水分量で
も十分に医薬活性物質を放出することができ、バイオア
ベイラビリティが高い。さらに、医薬活性物質の放出の
制御にpHによる溶解性を利用しないので低酸症、無酸
症患者に適用できる。すなわち、本発明の経口投与用製
剤は、これらの効果を有する結果、例えば、タンパクや
ペプチド等の医薬活性物質、遺伝子治療を目的とした核
酸やウイルス等、腸内の特定部位へ選択的に送達する必
要のある薬物を用いた場合、有効性の優れた医薬製剤と
なる。また、本発明の製剤は時間薬理学的観点から一日
の間で病態の軽重が生活リズムとともに変化する疾患
(例えばリュウマチ)に対しても有効な医薬製剤とな
り、老人医療においてQOLの向上にも寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PVP-90又はメチルセルロースを結合剤として用
いた場合の医薬活性物質層レイヤリング終了時の粒度分
布を示すグラフである。
【図2】各pHにおけるマイクロカプセルからのFITC-dex
tran又は乳糖の放出挙動を示すグラフである。
【図3】各コーティング率におけるマイクロカプセルか
らのFITC-dextranの放出挙動を示すグラフである。
【図4】メチルセルロースが各重量%であるマイクロカ
プセルからのFITC-dextranの放出挙動を示すグラフであ
る。
【図5】各コーティング率におけるマイクロカプセルか
らのCCSSの放出挙動を示すグラフである。
【図6】各コーティング率におけるマイクロカプセルの
イヌ経口投与後のCCSSの平均血漿中濃度推移を示すグラ
フである。
【図7】各コーティング率におけるマイクロカプセルか
らのウシインスリンの放出挙動を示すグラフである。
【図8】各浸透圧の溶出試験液におけるPVP-K90又はメ
チルセルロースを結合剤として用いた場合のマイクロカ
プセルからのFITC-dextran放出挙動を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA64 BB01 CC16 DD67 EE12H EE32 FF21 FF63

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性物質からなる芯粒子の周囲に、医
    薬活性物質及びメチルセルロース系誘導体を含む医薬活
    性物質層を形成し、該医薬活性物質層をエチルアクリレ
    ート/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメ
    タクリレート三元共重合体からなる放出制御膜で被覆し
    てなる粒子を含む経口投与用製剤。
  2. 【請求項2】 メチルセルロース系誘導体が、メチルセ
    ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび
    カルボキシメチルセルロースから選ばれる1種または2
    種以上である請求項1記載の経口投与用製剤。
  3. 【請求項3】 エチルアクリレート/メチルメタクリレ
    ート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート三元共重合
    体の各モノマーのモル比が、エチルアクリレート11〜
    8に対しメチルメタクリレート10〜7、2−ヒドロキ
    シエチルメタクリレート2〜6である、請求項1または
    2記載の経口投与用製剤。
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